JP3752973B2 - フラットケーブルの製造方法及びフラットケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、民生機器、OA機器や車載用電子機器等の配線に用いられるフラットケーブルの製造方法及びフラットケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のフラットケーブルの製造方法として、図11(a)及び図11(b)に示すように、帯状の基材101の一方面側に接着層102が形成された一対の絶縁フィルム100間に、複数の平角導体103を並列配置された状態で挟込み、これを加熱ロール等により熱圧着する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この製造方法では、両絶縁フィルム100同士の密着度及び接合強度を充分なものとするため、各平角導体103を隙間なく埋込ませることが可能な程度に、各絶縁フィルム100の接着層102の厚み寸法を充分に大きくする必要がある。例えば、50μm程度の厚み寸法の基材101に、60μm程度の厚み寸法の接着層102を形成した絶縁フィルム100が用いられている。
【0004】
これにより、具体的には、接着層102を形成する材料コストの増加といった問題が生じる。また、接着層102には一般的に燃焼し易い接着剤が用いられるため、その接着層102の厚み寸法が大きくなって接着剤の使用量が増加すると、フラットケーブルの難燃性に問題が生じる。
【0005】
なお、上述のような製造方法に対し、特表2000−502833号公報のように、接着層が一切無い絶縁フィルム間に、並列配置された複数の平角導体を挟込み、両絶縁フィルム同士を超音波溶着で接合する方法もある。
【0006】
しかしながら、単に絶縁フィルム同士を超音波溶着するだけでは、各平角導体間において両絶縁フィルム同士の密着度が充分ではないという問題が生じる。そして、このように両絶縁フィルム同士の密着度が不充分でそれらの間に隙間が生じていると、その隙間に外部から水が浸入したり、また、その隙間で結露が生じ、この隙間の水によって平角導体間で短絡する恐れすら生じる得る。
【0007】
そこで、この発明は上述したような各問題を解決すべくなされたもので、絶縁フィルム同士の密着度及び接合強度が充分で、かつ、接着層を可及的に薄くすることができるフラットケーブルの製造方法及びフラットケーブルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1記載のフラットケーブルの製造方法は、一対の絶縁フィルム間に、複数の線状導体が並列状態に挟込み配置されたフラットケーブルの製造方法であって、少なくとも一方側の絶縁フィルムが、基材の一方面側に接着層が形成されてなる接着層付の絶縁フィルムである一対の絶縁フィルムを準備し、これらの一対の絶縁フィルム間に複数の前記線状導体を並列状態で挟込んだ状態で、これらを前記一対の絶縁フィルムの両側から加熱押圧して仮接着する工程と、この仮接着する工程の後で、前記一対の絶縁フィルム同士を、前記各線状導体が配設された領域を除く領域で超音波溶着する工程と、を含むものである。
【0009】
なお、請求項2記載のように、前記接着層付の絶縁フィルムとして、その基材の厚み寸法が12〜300μmで、その接着層の厚み寸法が1〜3μmである絶縁フィルムを用いるとよい。
【0010】
また、請求項3記載のように、前記接着層付の絶縁フィルムとして、その接着層がその基材とリサイクル処理を施す場合に同系材料として再生利用し得る材料であってハロゲン系の難燃剤を含まない材料により形成されたものを用いるとよりよい。
【0011】
また、請求項4記載のように、前記一対の絶縁フィルムとして、その一方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法が、他方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法の1.5倍以上であるものを用いていもよい。
【0012】
また、請求項5記載のフラットケーブルは、一対の絶縁フィルム間に、複数の線状導体が並列状態に挟込み配置されたフラットケーブルであって、少なくとも一方側の絶縁フィルムが基材の一方面側に接着層が形成されてなる接着層付の絶縁フィルムである一対の絶縁フィルム間に、複数の前記線状導体を並列状態に挟込んだ状態で、これらを加熱押圧した後で前記一対の絶縁フィルム同士を超音波溶着することにより接合形成されたものである。また、前記基材がポリオレフィン系の樹脂により形成されると共に、前記接着層付の絶縁フィルムの接着層が、ポリオレフィン系の接着剤であってハロゲン系の難燃剤を含まない材料により形成されたものである。
【0014】
さらに、請求項6記載のように、前記一対の絶縁フィルムのうち、その一方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法が、他方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法の1.5倍以上であってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
<実施の形態>
以下、この発明にかかる一実施形態のフラットケーブルの製造方法について、その製造装置と共に説明する。
【0016】
図1に示すように、この製造装置では、所定の送給ラインPの最も上流側に複数の導体収納ローラ10が設けられ、この下流側に、ピッチローラ11,一対のフィルム収納ローラ12,13及び熱圧着手段14が順に設けられる。
【0017】
各導体収納ローラ10には、銅又は銅合金製の線状導体5が予め巻回収納されており、製造されるフラットケーブル6において並列配置される線状導体5の数に合わせて複数設けられている。本実施の形態では、4本の線状導体5が並列配置されたフラットケーブル6を製造するようにしているので、4つの導体収納ローラ10が設けられる。また、本実施の形態では、各線状導体5として断面矩形状の平角導体を用いている(図2参照)。
【0018】
この各導体収納ローラ10より引出された線状導体5は、ピッチローラ11により所定ピッチの並列状態に整列された後、熱圧着手段14に送給されることになる。
【0019】
また、一対のフィルム収納ローラ12,13は、送給ラインPを挟んでその上方及び下方の位置に設けられており、それぞれに帯状の絶縁フィルム1,4が巻回収納されている。
【0020】
本実施の形態では、両フィルム収納ローラ12,13のうち下方のフィルム収納ローラ13に、接着層付の絶縁フィルム1を巻回収納し、上方のフィルム収納ローラ12に、接着層のない絶縁フィルム4を巻回収納している(図2参照)。ここで、接着層付の絶縁フィルム1は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の柔軟で超音波溶着可能な樹脂により形成されたフィルム状の基材2の一方面側(他方側の絶縁フィルム4に接合される面側)に、塗布等の手段によって熱可塑性(ホットメルトタイプ)の接着層3が形成されたものであり、また、接着層のない絶縁フィルム4は、柔軟な樹脂等により形成されたフィルム状の基材のみによって構成されている。なお、両方に接着層付の絶縁フィルム1を用いるようにしてもよいが、一方側については接着層のない絶縁フィルム4を用いた方が低コスト化を図ることができる。そして、これら一対のフィルム収納ローラ12,13から引出された絶縁フィルム1,4が熱圧着手段14に送給されることになる。
【0021】
熱圧着手段14は、前記送給ラインPを上下から挟込む位置に設けられた一対の熱圧着用ローラ14a,14bを備えており、この熱圧着用ローラ14a,14b間に重ね合わせ状態で一対の絶縁フィルム1,4が送込まれると、それら絶縁フィルム1,4同士が接着層3を介して熱圧着可能に構成される。
【0022】
そして、図2に示すように、上側のフィルム収納ローラ12に巻回収納された絶縁フィルム4を並列状態に整列された各線状導体5の上側に配設すると共に、下側のフィルム収納ローラ13に巻回収納された絶縁フィルム1を並列状態に整列された各線状導体5の下側に配設するようにして、それら絶縁フィルム1,4及び各線状導体5を、熱圧着用ローラ14a,14b間に送込んで加熱押圧すると、図3に示すように、一対の絶縁フィルム1,4間に複数の線状導体5を並列状態で挟込んだ状態で、当該一対の絶縁フィルム1,4同士が、接着層3を介して熱圧着されて仮接着されるようになる。また、この際、線状導体5が配設された部分では、絶縁フィルム1,4が接着層3を介して線状導体5に接着されるようになる。(仮接着工程)。
【0023】
また、このように複数の線状導体5を挟込んだ状態で熱圧着された一対の絶縁フィルム1,4は、次に、超音波溶着部15に送給される。
【0024】
超音波溶着部15は、図1及び図4に示すように、送給ラインPを上下から挟込む位置に設けられた振動付与ホーン16と超音波アンビル17とを備える。
【0025】
送給ラインPの上側に設けられた振動付与ホーン16は、絶縁フィルム4の幅寸法よりも大きい幅寸法の直線状の振動付与部16aを有する板状の部材に形成され、その振動付与部16aを、送給ラインPに沿って送給される上側の絶縁フィルム4の外面(上面)に対して、その幅方向全体に亘って摺接可能にした鉛直姿勢に配設される。これにより、図示省略の超音波振動発生機構(振動子等)より発生された超音波振動がこの振動付与ホーン16に付与されて、当該振動付与ホーン16が絶縁フィルム4の幅方向に振動可能なように構成されている。
【0026】
また、超音波アンビル17は、略円柱状に形成されており、その外周面であって前記並列配置された各線状導体5間及び両端の線状導体5の外方位置に対応する領域に、その周方向に沿って所定ピッチで歯車状に接触凸部17aが複数形成される。この超音波アンビル17は、その中心軸17bを送給ラインPの下側で当該送給ラインPと直交する方向に沿って配設した姿勢で、その中心軸17b回りに回転自在に支持されており、送給ラインPに沿って絶縁フィルム1が送給されると、その外周面に形成された複数の接触凸部17aを絶縁フィルム1の下面に順次押し当てながら、前記絶縁フィルム1の送給に伴って、従動回転し又は図示省略の回転駆動部の駆動により前記絶縁フィルム1の送給に同期して回転する構成となっている。
【0027】
そして、振動付与ホーン16に超音波振動を付与した状態で、複数の線状導体5を挟込んだ状態で熱圧着された各絶縁フィルム1,4を、振動付与ホーン16と超音波アンビル17との間に送込むと、図4に示すように、振動付与ホーン16の振動付与部16aが絶縁フィルム4の外面(上面)にその幅方向全体に亘って摺接すると共に、超音波アンビル17の各接触凸部17aが振動付与部16aの直下で、各線状導体5が配設された領域を除く領域(各線状導体5の各間及び絶縁フィルム1,4の両外側縁部)で絶縁フィルム1の外面(下面)に接触して、絶縁フィルム1,4同士が圧接された状態でそれらに超音波振動エネルギが付与され、これにより、図5に示すように、絶縁フィルム1,4同士が各線状導体5が配設された領域を除く上記領域で超音波溶着されることになる。そして、絶縁フィルム1,4の送給に伴って、振動付与ホーン16の振動付与部16aが絶縁フィルム4の外面に摺接しながら、超音波アンビル17の各接触凸部17aが、順次断続的に絶縁フィルム1の下面に接触していくことになるので、絶縁フィルム1,4は、その長手方向に沿って断続的な箇所Sで超音波溶着されていくことになる(超音波溶着工程)。
【0028】
最後に、絶縁フィルム1,4の余分な両外側縁部を、切除刃18により切り落すと長尺のフラットケーブル6が完成し、このフラットケーブル6が巻取収納ロール19に巻回収納されていく。
【0029】
以上の工程を経ることにより、絶縁フィルム1,4間に複数の線状導体5を並列状態に挟込んだ状態で、これらを加熱押圧した後で一対の絶縁フィルム1,4同士を超音波溶着することにより接合形成されたフラットケーブル6が製造されることになる。
【0030】
以上のように構成されたフラットケーブル6の製造方法及びフラットケーブル6では、一対の絶縁フィルム1,4同士を、各線状導体5が配設した領域を除く領域で超音波溶着しているため、両絶縁フィルム1,4同士を充分な接合強度で接合することができる。しかも、両絶縁フィルム1,4同士の接合強度は、主としてスポット的な超音波接合箇所Sで得られているため、フラットケーブル6を解体する際等に、両両絶縁フィルム1,4同士を分離するのも容易である。
【0031】
また、両絶縁フィルム1,4同士を超音波溶着する前に、絶縁フィルム1,4同士を、熱圧着用ローラ14a,14bにより接着層3を介して熱圧着しているため、単に絶縁フィルム1,4同士を超音波溶着する場合と比較して、両絶縁フィルム1,4間の隙間を防止してそれらの密着度を充分なものにすることができる。しかも、絶縁フィルム1と線状導体5とが接着層3を介して接着されているので、絶縁フィルム1,4からの線状導体5の位置ずれも防止できる。
【0032】
加えて、絶縁フィルム1,4同士の接合強度は、上述のように超音波溶着された構成によって十分に確保されるため、接着層3としては、絶縁フィルム1,4同士の密着度を確保する程度の厚み寸法に形成すればよく、従って、その接着層3の厚み寸法を、図11に示す従来例と比較して、可及的に小さくすることができる。
【0033】
具体的には、12〜300μm、より好ましくは25〜100μmの厚み寸法の基材2に対して、1〜3μmの厚み寸法の接着層3に形成した絶縁フィルム1を用いることが可能となる。
【0034】
また、このように接着層3を薄くすることができる結果、その接着層3を構成する燃焼し易い接着剤の使用量を減らして、難燃性に優れたフラットケーブル6を製造することができる。
【0035】
なお、図11に示す従来例では、充分な難燃性を得るため接着剤にハロゲン系の難燃剤を混入していたため廃棄時にハロゲン系のガスが生じる等環境上の問題点を生じていたが、本願発明では、上述した通りの理由により優れた難燃性を得ることができるため、そのようなハロゲン系の難燃剤を含まない接着剤を用いることもできる。加えて、このようにハロゲン系の難燃剤を含まずに、かつ、基材2を構成する材料と同系材料により構成された接着剤により、接着層3を形成すれば、フラットケーブル6のリサイクルが容易となる。なお、同系材料を使用した絶縁フィルム1の例としては、基材2をポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系の樹脂により形成すると共に接着層3をポリエステルエラストマ等のポリエステル系の接着剤により形成したものや、基材2をポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂により形成すると共に接着層3をエチレン酢酸ビニル(EVA)等のポリオレフィン系の接着剤により形成したもの等、所定のリサイクル処理を施す場合に同系材料として再生利用し得るものが挙げられる。
【0036】
<変形例>
以下、上記実施の形態の変形例について説明する。なお、各変形例の説明において、上記実施の形態における構成要素と同様構成要素については同一符号を用いてその説明を省略し、その相違点を中心に説明する。
【0037】
まず、図6に示す変形例では、絶縁フィルム4として、ポリエチレンテレフタレート(PET)や1−(N−フェニルアミノ)−ナフタレン(PA),ポリカーボネート(PC)等の透明樹脂により形成した接着層のない絶縁フィルム4Bを用いている。
【0038】
即ち、図11に示す従来例では、一対の絶縁フィルム100の双方ともに接着層102を有するものを用いていたため、その接着層102の不透明性等に起因して絶縁フィルム100の透明化が困難であったが、本発明では、上記実施の形態のように、その一方側に接着層のない絶縁フィルム4を用いることが可能となるため、透明樹脂により接着層のない絶縁フィルム4Bを形成してその透明化を図ることが容易となる。
【0039】
そして、このように一方側の絶縁フィルム4Bを透明化すると、外部からその透明の絶縁フィルム4Bを通じてフィルム1,4B間の状態を直接視認できるため、それらの間への異物の混入や各線状導体5のピッチの乱れ等を確認することが可能となる。また、完成したフラットケーブル6Bの表裏の識別が容易となるため、その両端部において各線状導体5の対応関係を容易に判別することが可能となる。
【0040】
また、図7に示すように、上記実施の形態における接着層付の絶縁フィルム1として、その外面側にも熱可塑性の接着層51Cを形成した絶縁フィルム1Cを用いると共に、接着層のない絶縁フィルム4として、その外面側に熱可塑性の接着層52Cを形成した絶縁フィルム4Cを用いるようにしてもよい(図7では熱圧着後の状態を示しているのでフィルム1C,4C間の接着層については図示されてない)。
【0041】
この場合、完成後のフラットケーブル6Cを所定の機器の筐体等の被取付部材に取付ける場合に、そのフラットケーブル6Cを、前記接着層51C又は52Cを介して容易に当該被取付部材に取付けることが可能となる。
【0042】
なお、このように接着層51C,52Cを形成すると、両絶縁フィルム1C,4C同士を熱圧着する際に、接着層51C,52Cも一緒に融けてしまうといった事態も想定されるが、これについては、熱圧着用ローラ14a,14bの外周表面を、シリコーン樹脂等によって非粘着性を有する表面に仕上げておいて接着層51C,52Cが融けてもその熱圧着用ローラ14a,14bに付着しない構成としておいたり、また、接着層51C,52Cを構成する接着剤として、その融点がフィルム1C,4C間接合用の接着剤の融点よりも高いものを用いること等により対処可能である。
【0043】
さらに、図8に示すように、上記実施の形態における接着層のない絶縁フィルム4に相当する絶縁フィルム4Dの厚み寸法h1(基材部分のみ)を、接着層付の絶縁フィルム1に相当する絶縁フィルム1Dの厚み寸法h2(基材部分のみ)の1.5倍以上にするようにしてもよい(逆でもよい)。
【0044】
この場合、完成したフラットケーブル6Dの端末部をコネクタ挿入用の端末部に加工する際に、当該端末部において厚み寸法の大きい方の絶縁フィルム4Dを残して厚み寸法の小さい絶縁フィルム1Dを剥離するだけで、当該端末部に補強板等を貼着けることなく、コネクタへの挿入時に腰折れせずに挿入し易い端末部を容易に形成することができる。
【0045】
また、図9に示すように、上記実施の形態における絶縁フィルム4に相当する絶縁フィルム4Eの幅寸法を、他方側の絶縁フィルム1に相当する絶縁フィルム4Eの幅寸法よりも大きくしておき、両絶縁フィルム1E,4Eが接合された状態で、外側に張出す絶縁フィルム4Eの両側縁部4Eaを、絶縁フィルム1Eの両側縁部の上側に折返し重ね合わせて熱可塑性の接着剤等で接着するようにしてもよい。
【0046】
この場合、フラットケーブル6Eの両側縁部が比較的滑らかな曲面形状となるため、そのフラットケーブル6Eのエッジ部分の感触がソフトとなって、当該フラットケーブル6Eの取扱い作業性に優れる。また、フラットケーブル6Eの両側縁部が絶縁フィルム4Eの両側縁部4Eaによって補強されることになるので、当該フラットケーブル6Fの捩れが防止されると共に、端部をコネクタに挿入する際の腰折れ等が防止され、コネクタの挿入性に優れることになる。
【0047】
また、図10に示すフラットケーブル6Fのように、上記実施の形態における絶縁フィルム1,4よりも若干幅広の絶縁フィルム1F,4Fを用いると共に、これらを互いに幅方向に若干ずらして重ね合せ、その一側に張出す上側の絶縁フィルム1Fの一側縁部1Faを、下側の絶縁フィルム4Fの一側縁部の下側に折返し重ね合わせて熱可塑性の接着剤等で熱圧着し、また、他側に張出す下側の絶縁フィルム4Fの他側縁部4Faを、上側の絶縁フィルム1Fの他側縁部の上側に折返し重ね合わせて熱可塑性の接着剤等で熱圧着するようにしてもよい。
【0048】
この場合、図9に示す変形例と同様の効果に加えて、同幅寸法の絶縁フィルム1F,4Fを用いることができるので、少品種化による低コスト化を図ることが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1〜4記載のフラットケーブルの製造方法によると、一対の絶縁フィルム同士を、加熱押圧して仮接着してから超音波溶着しているため、絶縁フィルム同士の密着度及び接合強度を充分なものとした上で、接着層を可及的に薄くすることができる。
【0050】
なお、この製造方法では、具体的には、請求項2記載のように、前記接着層付の絶縁フィルムとして、その基材の厚み寸法が12〜300μmで、その接着層の厚み寸法が1〜3μmである絶縁フィルムを用いることができる。
【0051】
また、このように接着層を可及的に薄くすることができる結果、請求項3記載のように、前記接着層付の絶縁フィルムとして、その接着層がその基材とリサイクル処理を施す場合に同系材料として再生利用し得る材料であってハロゲン系の難燃剤を含まない材料により形成されたものを用いることにより、難燃性に優れながら、リサイクル容易でかつ燃焼させてもハロゲンガスを発生させないフラットケーブルを製造することができる。
【0052】
なお、請求項4記載のように、前記一対の絶縁フィルムとして、その一方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法が、他方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法の1.5倍以上であるものを用いると、完成したフラットケーブルの端末部をコネクタ挿入用の端末部に加工する際に、厚み寸法の大きい方の絶縁フィルムを残して厚み寸法の小さい絶縁フィルムを剥離するだけで、腰折れし難くコネクタに挿入し易い端末部を容易に形成することができる。
【0053】
また、請求項5記載のフラットケーブルによると、少なくとも一方側の絶縁フィルムが基材の一方面側に接着層が形成されてなる接着層付の絶縁フィルムである一対の絶縁フィルム間に、複数の前記線状導体を並列状態に挟込んだ状態で、これらを加熱押圧した後で前記一対の絶縁フィルム同士を超音波溶着することにより接合形成されているため、絶縁フィルム同士の密着度及び接合強度を充分なものとした上で、接着層を可及的に薄くすることができる。
【0054】
さらに、このように接着層を可及的に薄くすることができる結果、前記基材がポリオレフィン系の樹脂により形成されると共に、前記接着層付の絶縁フィルムの接着層が、ポリオレフィン系の接着剤であってハロゲン系の難燃剤を含まない材料により形成された構成とすることにより、難燃性に優れながら、リサイクル容易でかつ燃焼させてもハロゲンガスを発生させないフラットケーブルを得ることができる。
【0055】
また、請求項6記載のように、前記一対の絶縁フィルムのうち、その一方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法が、他方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法の1.5倍以上であると、フラットケーブルの端末部をコネクタ挿入用の端末部に加工する際に、厚み寸法の大きい方の絶縁フィルムを残して厚み寸法の小さい絶縁フィルムを剥離するだけで、腰折れし難くコネクタに挿入し易い端末部に容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる一実施形態のフラットケーブルの製造装置を示す概略図である。
【図2】フラットケーブルを製造する一工程における線状導体及び絶縁フィルムの状態を示す断面図である。
【図3】フラットケーブルを製造する他の一工程における線状導体及び絶縁フィルムの状態を示す断面図である。
【図4】一対の絶縁フィルム同士が超音波溶着される状態を示す断面図である。
【図5】フラットケーブルを示す斜視図である。
【図6】変形例に係るフラットケーブルを示す断面図である。
【図7】他の変形例に係るフラットケーブルを示す断面図である。
【図8】さらに他の変形例に係るフラットケーブルを示す斜視図である。
【図9】さらに他の変形例に係るフラットケーブルを示す断面図である。
【図10】さらに他の変形例に係るフラットケーブルを示す断面図である。
【図11】図11(a)は、従来のフラットケーブルにおける平角導体と絶縁フィルムとを示す断面図であり、図11(b)は従来のフラットケーブルの断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁フィルム
2 基材
3 接着層
4 絶縁フィルム
5 線状導体
6 フラットケーブル
14 熱圧着手段
14a 熱圧着用ローラ
15 超音波溶着部
16 振動付与ホーン
17 超音波アンビル

Claims (6)

  1. 一対の絶縁フィルム間に、複数の線状導体が並列状態に挟込み配置されたフラットケーブルの製造方法であって、
    少なくとも一方側の絶縁フィルムが、基材の一方面側に接着層が形成されてなる接着層付の絶縁フィルムである一対の絶縁フィルムを準備し、これらの一対の絶縁フィルム間に複数の前記線状導体を並列状態で挟込んだ状態で、これらを前記一対の絶縁フィルムの両側から加熱押圧して仮接着する工程と、
    この仮接着する工程の後で、前記一対の絶縁フィルム同士を、前記各線状導体が配設された領域を除く領域で超音波溶着する工程と、
    を含むフラットケーブルの製造方法。
  2. 請求項1記載のフラットケーブルの製造方法であって、
    前記接着層付の絶縁フィルムとして、その基材の厚み寸法が12〜300μmで、その接着層の厚み寸法が1〜3μmである絶縁フィルムを用いるフラットケーブルの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のフラットケーブルの製造方法であって、
    前記接着層付の絶縁フィルムとして、その接着層がその基材とリサイクル処理を施す場合に同系材料として再生利用し得る材料であってハロゲン系の難燃剤を含まない材料により形成されたものを用いるフラットケーブルの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のフラットケーブルの製造方法であって、
    前記一対の絶縁フィルムとして、その一方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法が、他方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法の1.5倍以上であるものを用いるフラットケーブルの製造方法。
  5. 一対の絶縁フィルム間に、複数の線状導体が並列状態に挟込み配置されたフラットケーブルであって、
    少なくとも一方側の絶縁フィルムが基材の一方面側に接着層が形成されてなる接着層付の絶縁フィルムである一対の絶縁フィルム間に、複数の前記線状導体を並列状態に挟込んだ状態で、これらを加熱押圧した後で前記一対の絶縁フィルム同士を超音波溶着することにより接合形成され、
    前記基材がポリオレフィン系の樹脂により形成されると共に、前記接着層付の絶縁フィルムの接着層が、ポリオレフィン系の接着剤であってハロゲン系の難燃剤を含まない材料により形成されたフラットケーブル。
  6. 請求項5記載のフラットケーブルであって、
    前記一対の絶縁フィルムのうち、その一方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法が、他方側の絶縁フィルムの基材の厚み寸法の1.5倍以上であるフラットケーブル。
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