JP3959946B2 - フラットケーブルの製造方法およびフラットケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットケーブルの製造方法およびフラットケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、省スペース化および軽量化等の目的で、所定間隔をあけて平行配置された複数の線状導体(例えば、断面平角形の線状導体)を、帯状の2枚の絶縁フィルムで挟み込んだフラットケーブルが用いられている。このフラットケーブルにおいて、さらなる省スペース化等のため、線状導体間の配設ピッチを小さくしたいという要求がある。
【0003】
この要求に対する従来技術としては、線状導体にエナメル線を用い、隣接する線状導体間での絶縁性を確保しつつ、線状導体の配設ピッチを小さくするという技術がある(特開2000−164045号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術では、エナメル線が高価であるため、線状導体に裸導線によって構成される通常導線を用いる場合に比してフラットハーネスが高コスト化するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、低コスト化を図りつつ線状導体間の配設ピッチを縮小することができるフラットケーブルの製造方法およびフラットケーブルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段は、所定間隔をあけて平行配置された複数の線状導体を、帯状の2枚の絶縁フィルムで挟み込んだフラットケーブルの製造方法であって、前記複数の線状導体を、裸導線を絶縁ワニスでコートしたエナメル線と、裸導線からなる通常導線とから構成し、前記エナメル線と前記通常導線とを交互に配置して前記2枚の絶縁フィルムの間に挟み込むことを特徴する。
【0007】
好ましくは、前記2枚の絶縁フィルムは、前記線状導体を挟み込んだ状態で超音波溶着により互いに溶着されるのがよい。
【0008】
また、好ましくは、前記2枚の絶縁フィルムのうちの少なくとも一方は、樹脂製の基材と、その基材の片側表面に形成された熱可溶性樹脂からなる厚さ1μmから3μmの薄い接着層とを備え、前記2枚の絶縁フィルムは、前記線状導体を挟み込んだ状態で熱圧着されて前記接着層により互いに接着されるのがよい。
【0009】
さらに、前記目的を達成するための技術的手段は、所定間隔をあけて平行配置された複数の線状導体を、帯状の2枚の絶縁フィルムで挟み込んだフラットケーブルであって、前記複数の線状導体は、裸導線を絶縁ワニスでコートしたエナメル線と、裸導線からなる通常導線とからなり、前記エナメル線と前記通常導線とが交互に配置されていることを特徴する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係るフラットケーブルの断面図であり、図2は図1のフラットケーブルの平面図であり、図3は図1のフラットケーブルの製造装置を模式的に示す図である。
【0011】
このフラットケーブルは、図1および図2に示すように、2枚の絶縁フィルム11,13の間に間隔をあけて平行配置された複数の線状導体15を挟み込んで構成される。複数の線状導体15は、裸導線16aを絶縁ワニス16bでコートしたエナメル線15aと、裸導線16cからなる通常導線15bとからなる。そのエナメル線15aと通常導線15bとは、所定の間隔をあけて交互に配置されている。ここで、裸導線16a,16bとしては、厚み0.1mm、幅1.5mmの断面平角形の軟導線が用いられ、線状導体15の配設ピッチPは、2.5mmに設定されている。図2中のハッチングを付して示す各領域Aは、超音波溶着により両絶縁フィルム11,13が互いに溶着されている部分を示している。
【0012】
絶縁フィルム11,13は、PET等の樹脂製の基材と、その基材の内面側表面に塗布された基材と同系統の熱可溶性樹脂からなる厚さ1μmから3μmの薄接着層とを備えて構成されている。本実施形態では、このフィルム11,13には、東洋紡製A4100が用いられている。このような絶縁フィルム11,13は、図3に示されるように、上下のフィルムロール17,19から引き出されて熱圧着手段(ここでは、上下一対の熱圧着用ローラ21,22)に供給される。本実施形態では、両熱圧着用ローラ21,22のうちの少なくともいずれか一方は、170℃に加熱されている。
【0013】
各線状導体15は、図3に示すように各導体ロール23から引き出され、配線ピッチPを決定するためのピッチガイド25,26を介して熱圧着用ローラ21,22に供給される。このとき、エナメル線15aおよび通常導線15bは、所定間隔をあけて交互に平行配置された状態で、両熱圧着用ローラ21,22の間に供給される両絶縁フィルム11,13の間に挟み込まれるようにして熱圧着用ローラ21,22の間に供給される。
【0014】
このように、線状導体15を挟み込んだ絶縁フィルム11,13が、両熱圧着用ローラ21,22の間に通されると、両ローラ21,22により加熱圧着され、これによって各絶縁フィルム11,13の接着層が加熱溶融され、溶融後、硬化した接着層により両絶縁フィルム11,13同士が全面において接着される。このとき、薄い接着層を設けて絶縁フィルム11,13同士を接着するため、絶縁フィルム11,13同士を皮剥ぎ時の剥離が容易な適度な接着強度で接着できるとともに、接着層により絶縁フィルム11,13と線状導体15とが接着されてしまい、皮剥ぎの妨げになることもない。
【0015】
また、熱圧着用ローラ21,22と、そのローラ21,22の搬送方向下流側に設けられる一対の挟持ローラ28,29との間には、超音波溶着装置31が設置されており、線状導体15を挟み込んだ絶縁フィルム11,13が超音波溶着装置31に供給されると、そのホーン31aとアンビル31bと間に間欠的に挟み込まれ、超音波加振されたホーン31aによって絶縁フィルム11,13が超音波加振され、絶縁フィルム11,13が互いに溶着される。
【0016】
ここで、本実施形態では、線状導体15の間に位置する絶縁フィルム11,13の図2の領域Aで示す部分が、間欠的に超音波溶着されるようになっている。なお、ここでは、線状導体15の間に位置する絶縁フィルム11,13を間欠的に溶着したが、連続的に溶着してもよい。また、本実施形態では、両絶縁フィルム11,13に接着層を設けたが、超音波溶着による溶着で十分である場合には、接着層を省略してもよい。この場合、加熱圧着用ローラ21,22には、単なる挟持ローラが用いられる。
【0017】
あるいは、その反対に、絶縁フィルム11,13に設けた接着層による接着で十分である場合には、超音波溶着装置31を省略して接着層による接着だけで両絶縁フィルム11,13を接着するようにしてもよい。
【0018】
そして、超音波溶着装置31を通過したフラットケーブルは、図3に示すように、挟持ローラ27,28および案内ローラ33を経て巻取ドラム35に巻き取られる。
【0019】
以上のように、本実施形態によれば、線状導体15としてエナメル線15aと通常導線15bとを交互に配置するため、線状導体15にすべてエナメル線15aを使用した場合に比して、フラットケーブルの低コスト化を図ることができ、しかも十分な絶縁性を確保しながら線状導体15間の配設ピッチPを縮小することができる。
【0020】
また、両絶縁フィルム11,13は、両絶縁フィルム11,13に設けられた熱可溶性樹脂からなる厚さ1μmから3μmの薄い接着層により互いに接着されるため、接着層により線状導体15と絶縁フィルム11,13とが接着されてしまうようなことが実質的になく、末端部の皮剥ぎ処理の妨げにならないような適度な強度で両絶縁フィルム11,13同士を全面において接着することができ、その結果、皮剥ぎ処理の容易さを保持しつつ、挟み込んだ線状導体15に対する防水性能の向上が図れる。
【0021】
さらに、超音波溶着によっても両絶縁フィルム11,13同士を溶着するため、両絶縁フィルム11,13同士を強固に固着することができるとともに、ヒータ加熱により両絶縁フィルム11,13を溶着する方法に比して、フィルム11,13の溶着部の損傷を抑制しつつ迅速に溶着することができる。
【0022】
【発明の効果】
請求項1ないし4に記載の発明によれば、線状導体としてエナメル線と通常導線とを交互に配置するため、線状導体にすべてエナメル線を使用した場合に比して、フラットケーブルの低コスト化を図ることができ、しかも線状導体間の配設ピッチを縮小することができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、超音波溶着により両絶縁フィルムを溶着するため、接着剤等の特別な接着手段が不要であるとともに、ヒータ加熱により両絶縁フィルムを溶着する方法に比して、フィルムの溶着部の損傷を抑制しつつ迅速に溶着することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、両絶縁フィルムは、その両絶縁フィルムの少なくともいずれか一方に設けられた熱可溶性樹脂からなる厚さ1μmから3μmの薄い接着層により互いに接着されるため、接着層により線状導体と絶縁フィルムとが接着されてしまうようなことが実質的になく、末端部の皮剥ぎ処理の妨げにならないような適度な強度で両絶縁フィルム同士を全面において接着することができ、その結果、皮剥ぎ処理の容易さを保持しつつ、挟み込んだ線状導体に対する防水性能の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るフラットケーブルの断面図である。
【図2】図1のフラットケーブルの平面図である。
【図3】図1のフラットケーブルの製造装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
11,13 絶縁フィルム
15 線状導体
15a エナメル線
15b 通常導線
31 超音波溶着装置
Claims (4)
- 所定間隔をあけて平行配置された複数の線状導体を、帯状の2枚の絶縁フィルムで挟み込んだフラットケーブルの製造方法であって、
前記複数の線状導体を、裸導線を絶縁ワニスでコートしたエナメル線と、裸導線からなる通常導線とから構成し、前記エナメル線と前記通常導線とを交互に配置して前記2枚の絶縁フィルムの間に挟み込むことを特徴するフラットケーブルの製造方法。 - 前記2枚の絶縁フィルムは、前記線状導体を挟み込んだ状態で超音波溶着により互いに溶着されることを特徴とする請求項1に記載のフラットケーブルの製造方法。
- 前記2枚の絶縁フィルムのうちの少なくとも一方は、樹脂製の基材と、その基材の片側表面に形成された熱可溶性樹脂からなる厚さ1μmから3μmの薄い接着層とを備え、
前記2枚の絶縁フィルムは、前記線状導体を挟み込んだ状態で熱圧着されて前記接着層により互いに接着されることを特徴とする請求項1または2に記載のフラットケーブルの製造方法。 - 所定間隔をあけて平行配置された複数の線状導体を、帯状の2枚の絶縁フィルムで挟み込んだフラットケーブルであって、
前記複数の線状導体は、裸導線を絶縁ワニスでコートしたエナメル線と、裸導線からなる通常導線とからなり、前記エナメル線と前記通常導線とが交互に配置されていることを特徴するフラットケーブル。
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