明細害 蛋白質含有物の改質剤及び改質剤組成物 発明の背景
発明の分野
本発明は、 特定のジグリセ リ ン飽和脂肪酸ェス テル混合物からなる蛋白質含有 物の改質剤、 特定のジグリセリ ン飽和脂肪酸ェス テル混合物及び他の成分からな る蛋白質含有物の改質剤組成物、 特定のジグリ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テル混合物 を用いて作られた小麦粉製品、 及び、 特定のジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テル混 合物を用いることからなる蛋白質含有物を改質する方法に関する。 本発明の改質 剤及び改質剤組成物を、 小麦粉等の蛋白質含有物をその原料と して用いて作られ る食品に添加すると、 生地の性質や製品の食感が改良される。
関連技術の記述
パ ン、 めん類、 ケーキ類のような小麦粉を使用した食品は、 主原料である小麦 粉に、 食塩、 そして水を加えて作られる (パンの製造の場台は、 更にィー ス トが、 ケーキ類の製造の場合は、 更に卵や油脂が添加される) 。 これらの食品の内、 バ ンを製造する場台には、 高品質あるいは特徴のあるパ ン とするために、 ある いは 作業性を改善するために、 上記の原料に加え、 油脂類、 糖類、 乳製品、 及び 又 は、 種々の添加剤も使用される場台が多い。
特開昭 6 1 - 2 3 4 7 3 3号、 同 6 4 - 2 5 2 3号、 特開平 2 - 1 2 4 0 5 2 号及び同 4 一 2 3 9 4 0号の各公報にも記載されているように、 製パン用の添加 剤と して、 モノ グ リ セ リ ン脂肪酸エ ステルが広く使用されている。 また、 製パ ン 用の添加剤と して直接に、 又は製パ ン材料の原料の一つと して、 レ シチ ン、 シ ョ 糖脂肪酸ヱ ス テル、 有機酸脂肪酸ヱ ス テル、 ポ リ グ リ セ リ ン脂肪酸ヱ ス テ ル ί米 国特許第 3, 6 1 5 , 6 8 1 号 ( 1 9 7 1. 1 0. 2 6特許、 讓受人 : ア ト ラ ス 化学工業社) 及び同 4, 3 3 5 , 1 5 7号 ( 1 9 8 2. 6. 1 5特許、 譲受人 : S C Μコー ポ レー シ ョ ン) 参照] 等を使用することも提案されている。 これらの 添加剤は、 製造時の生地中に、 そのままの形態で、 あるいは乳化物の状態で添加
される。 製パンに際し、 これらの添加剤を使用すると、 生地の表面のベたつ きが 抑制され、 生地の機械耐性が向上するため、 作業性が向上すると共に、 製品に柔 らかさが付与され、 口どけ感などの食感も改良されると言われている。
しかし、 本発明者らが、 従来から使用されている種々の添加剤についてその性 能を検討したところ、 従来の添加剤の使用による生地の性質や食感の改良は、 十 分満足できるものではなく、 更に改良の余地があることがわかった。 発明の開示
発明の概要
本発明の目的は、 特定のジグリセリ ンジ飽和脂肪酸エ ステルを特定の割合で含 有するジグリセリ ン飽和脂肪酸ェス テル混合物からなる蛋白質含有物の改質剤及 び当該改質剤を含む改質剤組成物を提供するこ とにある。 また、 本発明の他の目 的は、 前記ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テル混合物を用いて作られた小麦粉製品 を提供するこ とにある。 さらに、 本発明の他の目的は、 前記ジグリセリ ン飽和脂 肪酸ヱ ス テル混合物を用いることからなる、 蛋白質含有物を改質する方法を提供 する こ とにある。
本発明者らは、 上記従来の添加剤のうち、 ポ リ グ リ セ リ ン脂肪酸ヱ ス テルに着 目し、 その使用について検討した。 その結果、 ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸エ ス テ ル、 中でも、 ジグリ セ リ ンを構成する 2 つのグリ セ リ ン基力;、 それぞれ 1 つの水 酸基と 1 つの飽和脂肪酸に由来するァ シルォキシ基を有するという構造のジグリ セリ ンジ飽和脂肪酸ヱ ス テルが、 蛋白質含有物の改質に有用であることを見い出 した。 本発明は、 その知見を基に完成された。
即ち本発明は、 実質的にジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テル混台物からなる蛋白 質含有物の改質剤であって、 2 つのモノ ヒ ドロキ シモ ノ ァ シルォ キ シ ( イ ソ) プ 口 ピル基、 こ こで、 ァ シル基は、 炭素数 1 0〜 2 4 の飽和脂肪酸に由来し、 2 つ のァ シル基は、 互いに同一でも異なっていてもよい、 を有する ジグ リ セ リ ン ジ飽 和脂肪酸ェス テルを、 当該混合物に含まれたのジグ リ セ リ ンジ飽和脂肪酸ヱステ ルの総重量を基準にして 8 0重量%以上の量で含有するものを提供する c また、 本発明は、 実質的にジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テル混台物からなる蛋
白質含有物の改質剤であって、 ジグ リ セ リ ン一 1, 6 — ジ飽和脂肪酸ヱ ス テ ル (脂肪酸の炭素数は 1 0〜 2 4 ) を、 当該混合物に含まれたジグ リ セ リ ン ジ飽和 脂肪酸ェステルの総重量を基準にして 4 0重量%以上の量で含有するものを提供 する。
さ らに、 本発明は、 実質的にジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テル混合物からなる 蛋白質含有物の改質剤であって、 下記式 ( I ) 、 (11) 及び (III) で示された ジグリ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ェステルからなる群より選ばれた少な く とも一種を、 当該混合物に含まれたジグリ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱス テルの総重量を基準にして 6 0重量%以上の量で含有するものを提供する :
( I ) C H2— C H— C HS— 0— C H2— C H - C H
I I I I
O R 1 O H O H O R
( ID C H2 - C H - C H2— O - C H 2— C H - C H 2 及び
I I i I
O R" O H O R 4 O H
( III) C H 2 - C H— C H 2— O— C H 2 - C H— C H 2
I I ! I
O H O R O R " O H 式中、 R '、 R 2、 R '、 R4、 R s及び R *は、 それぞれ独立に、 炭素数 1 0〜 2 4 の飽和脂肪族ァシル基を表す。
上記蛋白質含有物の改質剤において、 ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェス テ ル混合物 は、 当該混合物に含まれたジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸エ ス テルの総重量が、 当該 混合物の重量を基準にして 4 5重量%以上であることが好ま しい。
本発明は、 上記ジグリセリ ン飽和脂肪酸ェス テル混台物のうちのいずれか及び 水からなり、 当該混合物が水に分散されている蛋白質含有物の改質剤組成物、 及 び、 上記ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ヱ ス テル混合物のうちのいずれか及び油脂から なり、 当該混台物が油脂に溶解又は分散されている蛋白質含有物の改質剤組成物 を提供する。
これらの蛋白質含有物の改質剤組成物は、 2つのモ ノ ヒ ドロキ シモノ ア シルォ キ シ (イ ソ) プロ ピル基を有する ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸エ ス テルを、 組成物
総重量を基準にして 1 重量%以上の量で含有することが好ま しい。
ま た、 上記ジグリセ リ ン飽和脂肪酸ヱ ス テル混合物が、 ジグ リ セ リ ン 一 1 , 6 一 ジ飽和脂肪酸エ ス テルを含有する場合、 これらの蛋白質含有物の改質剤組成 物は、 ジグ リ セ リ ン一 1 , 6 — ジ飽和脂肪酸ヱ ス テルを、 組成物総重量を基準に して 0 . 5重量%以上の量で含有することが好ま しい。
更に、 上記ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸ヱ ステル混合物が、 上記式 ( I ) 、 ( 1 0 及び ( I 1 1 ) で示されたジグ リ セ リ ンジ飽和脂肪酸ェステルからなる群より選ば れた少なく とも一種を含有する場合、 これらの蛋白質含有物の改質剤組成物は、 上記式 ( I ) 、 ( Π ) 及び ( 1 1 1 ) で示されたジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸エ ス テ ルを、 組成物総重量を基準にして 1重量%以上の量で含有することが好ま しい。 本発明は、 蛋白質含有物の改質剤組成物であって、 当該組成物総重量を基準に して、 1 〜 5 0重量%の上記ジグリセ リ ン飽和脂肪酸ェステル混合物のうちのい ずれか、 5 ~ 5 0重量%の食用油脂及びノ又はジグリセ リ ド、 及び、 2 0 ~ 8 5 重量%の水からなり、 水中油型ェマルジョ ンの形態のものを提供する。
これらの蛋白質含有物の改質剤組成物は、 更に、 当該組成物総重量を基準にし て 5〜 4 0重量%の糖を含有してもよい。
本発明は、 蛋白質含有物の改質剤組成物であって、 当該組成物総重量を基準に して、 1 〜 5 0重量%の上記ジグリセリ ン飽和脂肪酸ヱス テル混台物のう ちのい ずれか、 3 0〜 9 9重量%の食用油脂及び/又はジグリセ リ ド、 及び、 0 . 1 〜 6 0重量%の水からなり、 油中水型 Iマルジョ ンの形態のものを提供する。
また、 本発明は、 上記ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸ヱス テル混台物のうちのいずれ かを用いて作られた小麦粉製品を提供する。
本発明は、 小麦粉製品が、 パ ン、 麵又は焼き菓子である場台に特に有用である: 更に、 本発明は、 上記ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸ヱ ス テル混台物のうちのいずれ かを用いることからなる、 蛋白質含有物を改質する方法を提供する。
本発明の蛋白質含有物の改質剤や改質剤組成物を、 蛋白質を含有する物、 特に 小麦粉と共に使用するこ とにより、 当該蛋白質を含有する物を用いて作られた生 地の性質が良好となり、 製品の食感が改善される理由は明らかではない。 しかし、 それは、 小麦蛋白質等の蛋白質と、 上記のような特定の構造のジグリ セ リ ン ジ飽
和脂肪酸ェ ス テルとの間に何らかの相互作用が生じるためであると推定される。 その相互作用の結果、 生地の弾性が增加し、 ベたつきが抑えられ、 かつ、 製品は、 口どけ感ゃ歯切れ感が良くなると考えられる。
このよ う に、 本発明の蛋白質含有物の改質剤や改質剤組成物は、 特に、 小麦粉 製品製造時の生地の表面のベたつきを抑制する作用に優れ、 かつ、 生地の機械耐 性の改良に寄与する。 その結果、 小麦粉製品製造時の作業性が改善される。 また、 本発明の蛋白質含有物の改質剤や改質剤組成物は、 製品に柔らかさを付与すると 共に、 口溶け感、 歯切れ感などの食感の改良に寄与する。
従来、 パ ンの製造に際しては、 生地中の水の割合を多くすると、 柔らかくかつ しっとりと した製品が得られることが知られていた。 しかし、 生地中の水の割台 を多く すると、 生地がベたつき、 作業性が著しく悪化し、 パ ンの製造が困難と なった。 本発明の蛋白質含有物の改質剤や改質剤組成物を用いれば、 生地中の水 の割合が多い場合でも、 生地の弾性が増し、 ベたつきが抑制される。 従って、 本 発明の蛋白質含有物の改質剤や改質剤組成物を用いれば、 水分含有量の多い生地 を製造することが可能となり、 その結果、 パ ンの風味も改良できる。
また、 製品が麵の場合には、 上記相互作用の結果、 麵に コ シがでるものと考え られる。
発明の詳細な説明
本発明において、 " ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸 ス テル混台物" とは、 ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸エ ス テルを含み、 ジグ リ セ リ ンモ ノ飽和脂肪酸エ ステ ル、 ジグ リ セ リ ン ト リ飽和脂肪酸ェ ス テル及びジ グ リ セ リ ンテ ト ラ飽和脂肪酸ェ ス テルを 含んでいてもよいものであって、
( 1 ) 2 つのモノ ヒ ド ロキ シモ ノ ァ シルォキ シ (イ ソ) プロ ピル基、 こ こで、 ァ シル基は、 炭素数 1 0〜 2 4 の飽和脂肪酸に由来し、 2 つのァ シル基は、 互いに 同一でも異なっていてもよい、 を有する ジグ リ セ リ ンジ飽和脂肪酸ェス テルを、 当該混合物に含まれたジグリ セ リ ンジ飽和脂肪酸ヱステルの総重量を基準にして 8 0重量%以上、 好ま しく は 9 0〜 1 0 0重量%の量で含有するもの、
( 2 ) ジグ リ セ リ ン一 1, 6 — ジ飽和脂肪酸ェ ス テル (脂肪酸の炭素数は 1 0〜 2 4 ) を、 当該混合物に含まれたジグ リ セ リ ンジ飽和脂肪酸ヱ ス テルの総重量を
基準にして 4 0重量%以上、 好ま し く は 5 0重量%以上の量で含有する もの、 及 び
( 3 ) 上記式 ( 1 ) 、 ( 1 1 ) 及び ( I I I ) で示されたジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸 ェス テルからなる群よ り選ばれた少なく と も一種を、 当該混合物に含まれたジグ リ セ リ ンジ飽和脂肪酸エ ステルの総重量を基準にして 6 0重量%以上、 好ま し く は 7 0重量%以上、 更に好ま し く は 8 0〜 1 0 0重量%の量で含有する もの、 をいう。
本発明における " ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸エ ステル混合物" と して、 ジグリ セ リ ンジ飽和脂肪酸ヱス テルを、 その混台物の重量を基準に して 4 5重量%以上の 量で含有する ものが好ま しい。
ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸エ ス テルの原料である ジグ リ セ リ ン と は、 グ リ セ リ ソ 2分子が、 水 1 分子を失って縮合した構造を有する グリ セ リ ンの 2量体である c ジグリ セ リ ンには、 グ リ セ リ ンの 1 級水酸基同士で脱水縮台した直鎖型ジグリ セ リ ン、 グ リ セ リ ンの 1 級水酸基と 2級水酸基、 あるいは 2級水酸基同士で脱水縮 台した分岐型ジグ リ セ リ ン、 ジグリ セ リ ンが分子内脱水した環状ジグ リ セ リ ンな どの異性体がある。
ジグ リ セ リ ンは、 グ リ セ リ ンの脱水縮合によ って合成するこ とができ、 また、 グリ シ ドー ル、 ェ ビク ロ ロ ヒ ド リ ン等のグリセ リ ン頹似化台物から合成するこ と ができる。 反応生成物を、 ァセタール等の誘導体に変換した後に分画したり、 反 応生成物それ自身を分画する こ とで、 ジグリ セ リ ンを単離するこ とができ る。 本 発明では、 ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テル混合物の原料と して、 工業的なジ グ リ セ リ ンの合成によ って得られる、 ジグリ セ リ ンを主成分とする混合物を使用で きる。 当該混台物は、 ト リ グ リ セ リ ンを 2 0重量%程度含んでいてもよい。
ジグリ セ リ ンの異性体の比率は、 その製造法によって異なるが、 本発明では、 ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ヱステル混台物の原料と して、 当該混台物に含有される ジグ リ セ リ ンが、 主に直鎞型ジグリ セ リ ンである ものを使用するのが好ま しい。 上記のジグリ セ リ ン又はジグリ セ リ ンを主成分とする混台物を、 飽和脂肪酸と 反応させ、 ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ェ ス テルを主成分とする ジ グ リ セ リ ン飽和 脂肪酸エ ス テ ル混台物を得る。 こ の際用いられる飽和脂肪酸は、 その炭素数が
1 0〜 2 4 のものであり、 好ま し く は 1 2〜 2 2 のものであり、 更に好ま し く は 1 6〜2 0 のものである。 また、 飽和脂肪酸は、 飽和直鎖脂肪酸であるのが好ま しい。 飽和脂肪酸の例と しては、 力プ リ ン酸、 ラ ウ リ ン酸、 ミ リ スチ ン酸、 パル ミ チ ン酸、 ステア リ ン酸、 ァラキ ジン酸、 及びべヘン酸を挙げる こ とができる。 ジグリセ リ ン飽和脂肪酸 ステル混合物に含有される ジグ リ セ リ ンジ飽和脂肪 酸エ ステルは、 その原料と して、 直鎮型のジグ リ セ リ ンを含有する ものを用いた 場合には、 上記式 ( I ) で示される ジグ リ セ リ ン一 1, 6 — ジ飽和脂肪酸ェ ス テ ル (以下、 単に 1 , 6体と称する場台がある。 ) 、 上記式 ( I I ) で示される ジグ リ セ リ ン一 1 , 5 —ジ飽和脂肪酸エ ス テル (以下、 単に 1, 5体と称する場合が ある。 ) 、 上記式 ( I I I ) で示される ジグ リ セ リ ン一 2 , 5 — ジ飽和脂肪酸エ ス テル (以下、 単に 2, 5体と称する場合がある。 ) 、 そ してジグ リ セ リ ン一 1 , 2 - ジ飽和脂肪酸ヱステル (以下、 単に 1 , 2体と称する場合がある。 ) の 4種 類の異性体を含む。 これらの異性体の内、 2つのモノ ヒ ドロキ シモノ ァ シルォキ シ ( イ ソ) プロ ピル基、 こ こで、 ァ シル基は、 炭素数 1 0〜 2 4 の飽和脂肪酸に 由来し、 2 つのァ シル基は、 互いに同一でも異なっていてもよい、 を有する ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸エ ステルに該当する ものは、 1, 6体、 1 , 5体及び 2 , 5体である。
本発明のジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テル混合物と して、 1, 2体の含有量が 少ないものが好ま しい。 より具体的には、 1 , 2体の含有量は、 ジグ リ セ リ ン ジ 飽和脂肪酸ヱステルの総重量を基準にして、 好ま し く は 2 0重量%未満であり、 更に好ま し く は 1 5重量%以下であり、 特に好ま し く は 1 0重量%以下である。 また、 ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェステル混台物に含有される ジグリ セ リ ンジ飽 和脂肪酸エ ス テルは、 その原料と して、 分岐型ジグ リ セ リ ンを含有する ものを用 いた場合には、 ジ グ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱ ス テルと して、 モ ノ ヒ ドロ キ シモ ノ ァ シルォキ シプロ ピル基とモノ ヒ ドロキ シモ ノ ァ シルォキ シ イ ソ プロ ピル基を有 する もの ( グ リ セ リ ンの 1 級水酸基と 2級水酸基で脱水縮台した分岐型ジグリ セ リ ンに由来する もの) と、 2 つのモノ ヒ ドロキ シモ ノ ァ シルォ牛 シイ ッ ブ口 ピル 基を有する もの ( グ リ セ リ ンの 2級水酸基同士で脱水縮台した分岐型ジグ リ セ リ ンに由来する もの) の 2種類の異性体を含む。 これらの異性体は、 いずれも、 2
つのモノ ヒ ドロキ シモ ノ ァ シルォ キ シ (イ ソ) プロ ビル基、 こ こで、 ァ シル基は、 炭素数 1 0 2 4 の飽和脂肪酸に由来し、 2 つのァ シル基は、 互いに同一でも異 な っ ていて もよい、 を有するジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ェ ステルに該当する。 なお、 ジグリセ リ ンが分子内脱水した環状ジグリセリ ンと飽和脂肪酸との反応 で得られるジグ リ セ リ ンジ飽和脂肪酸エ ス テルは、 水酸基を有さないため、 2つ のモ ノ ヒ ド ロキ シモノ ァ シルォキ シ (イ ソ) プロ ピル基、 こ こで、 ァ シル基は、 炭素数 1 0 2 4の飽和脂肪酸に由来し、 2つのァ シル基は、 互いに同一でも異 な っていて もよい、 を有するジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ェ ス テルには該当しない。
本発明で改質剤と して用いられるジグリセリ ン飽和脂肪酸エ ス テル混合物は、 その成分と して、 ジグ リ セ リ ンジ飽和脂肪酸ヱ ステルに加え、 例えば未反応のジ グ リ セ リ ン、 未反応の飽和脂肪酸、 ジグ リ セ リ ンモノ飽和脂肪酸エ ス テル、 ジ グ リ セ リ ン ト リ飽和脂肪酸ェス テル及びジグ リ セ リ ンテ ト ラ飽和脂肪酸ヱス テルを 含んでいて もよい。
上記したよ う に、 ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ヱ ステル混合物と して、 ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸エ ス テルを、 その混合物の重量を基準にして 4 5重量%以上の量 で含有するものが好ま しい。 即ち、 本発明で用いるジグリセ リ ン飽和脂肪酸ェス テル混台物と して、
( 1 ' ) 2 つのモ ノ ヒ ドロキ シモ ノ ァ シルォキ シ (イ ソ) プロ ピル基、 こ こで、 ァ シル基は、 炭素数 1 0 2 4の飽和脂肪酸に由来し、 2 つのァ シル基は、 互い に同一でも異なつ ていて もよ い、 を有する ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ェ ス テルを、 ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェ ス テル混合物の重量を基準にして 3 6重量%以上の量 で含有する もの、
( 2 ' ) ジ グ リ セ リ ン一 1 , 6 — ジ飽和脂肪酸エ ス テル (脂肪酸の炭素数は 1 0 2 4 ) を、 ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸ェス テル混合物の重量を基準にして 1 8重 量%以上の量で含有するもの、 及び
( 3 ' ) 上記式 ( 1 ) 、 ( 1 1 ) 及び (1 1 1 ) で示されたジグ リ セ リ ンジ 和脂肪 酸エ ス テルからなる群より選ばれた少な く とも一種を、 ジ グ リ セ リ ン飽和脂肪酸 エ ス テル混台物の重量を基準にして 2 7重量%以上の量で含有するもの、 が好ま しい。
上記 ( 1 ' ) の場合は、 上記特定の構造のジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱ ス テル (即ち、 1 , 6体、 1 , 5体、 2, 5体、 そ して分岐体) が、 ジグリ セ リ ン脂肪 酸エ ス テル混合物中に、 4 5重量%以上の量で含有されているこ とが更に好ま し く、 5 5重量%〜 1 0 0重量%の量で含有されている こ とが特に好ま しい。
ジグリ セ リ ンジ飽和脂肪酸ェス テルが、 直鎮型ジグリ セ リ ンジ飽和脂肪酸ェス テルからなる場合、 それは、 2 0〜 1 0 0重量% (更に好ま し く は 4 0〜 1 0 0 重量%) の ジグ リ セ リ ン一 1 , 6 — ジ飽和脂肪酸エ ス テル、 0 ~ 5 0重量% (更 に好ま し く は 2 5〜 4 5重量%) のジグ リ セ リ ン一 1, 5 — ジ飽和脂肪酸ェステ ル、 及び 0〜 1 0重量% (更に好ま し く は、 0〜 5重量%) の ジグ リ セ リ ン一 2 , 5 - ジ飽和脂肪酸ヱ ス テル、 及び任意に他の構造のもの (例えば 1 , 2 -体) 、 からなる組成であるこ とが好ま しい。
また、 ジ グ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱ ス テルが、 直鎖型ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪 酸エ ス テルと分岐ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱ ステルからなる場合には、 ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱス テルは、 ジグ リ セ リ ン— 1 , 6— ジ飽和脂肪酸ヱス テル が 2 0〜 9 9 重量% (更に好ま し く は 4 0〜 9 9重量% ) .であ り、 ジグ リ セ リ ンー 1 . 5 — ジ飽和脂肪酸ヱ ス テルと ジグ リ セ リ ン一 2, 5 — ジ飽和脂肪酸ェ ス テルと分岐型ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ェス テル と の台計量が 1 〜 8 0 重量% (更に好ま し く は 1〜 6 0重量%) であるという組成であるこ とが好ま しい。 本発明に係る ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テ ル混台物は、 化学的台成法、 酵素 反 IEによる台成法で製造する こ とができる。 酵素反応による台成法は、 前記特定 の構造のジ グ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱ ス テルが、 高澳度で効率よ く得られると い う利点がある。 ただし、 本発明に係る ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸ヱ ステル混台物の 台成法は、 特に限定されない。
本発明に係る ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ュ ステル混合物を得るための化学的台成 法と して、 一般的なエ ス テル合成反応が利用できる。 例えば、 ジグ リ セ リ ンジ飽 和脂肪酸エ ス テル混合物は、 ジグ リ セ リ ンを、 飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸の低級 アルキルエ ス テルと、 生成する水又は低級アルコールを系外に除去しながら反応 させるこ とによ り、 得られる。 得られた反応生成物を蒸留し、 未反応物質を除去 する こ とによ り、 及び Zまたは、 ク ロマ ト グラ フ ィ 一等を利用して、 分離、 分画
操作を行う ことによ り、 特定の構造を有する ジグリ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ェステ ル を高濃度で含有する ジグリセ リ ン飽和脂肪酸ェステル混合物を得ることができる。 また、 酵素反応による合成法を利用する場合には、 ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸ェ ステル混合物は、 グ リ セ リ ンの α位を選択的にエ ステル化する酵素 (例えば、 固 定化リパーゼ、 菌体内リパーゼ) の存在下で、 ジグ リ セ リ ンを飽和脂肪酸又は飽 和脂肪酸の低級アルキルェス テルと、 生成する水又は低級アルコ一ルを系外に除 去しながら反応させ、 次いで、 得られた反応生成物から酵素を除く ことにより、 得る こ とができる。 得られた反応生成物を蒸留し、 未反応物質を除去することに より、 及び/または、 ク ロマ ト グラ フ ィ 一等を利用して、 分離、 分画操作を行う こ と によ り、 特定の構造を有する ジグリ セ リ ンジ飽和脂肪酸ヱ ス テルを高濃度で 含有する ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テル混合物を得る こ とができ る。
ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェステル混合物を得るために、 いずれの方法を採用す る埸合でも、 特定の構造を有する ジグリ セ リ ンジ飽和脂肪酸ヱステルを高濃度で 含有する ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ヱステル混合物を得るこ とが重要である。 加え て、 ジグリ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱ ステル含有率の高いジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェ ステ ル混合物を得るこ とが好ま しい。
上記特定の構造を有する ジグリ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱ ス テルを含有する ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エス テル混合物は、 蛋白質含有物、 特に蛋白質含有食品の改質 剤と して、 有利に用いることができる。
本発明では、 ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テ ル混台物と して、 上記特定の構造 を有する ジ グ リ セ リ ン ジ脂肪酸ェ ス テルを、 当該混台物に含まれたジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱス テルの総重量を基準にして 8 0重量%以上の量で含有する もの、 あるいは、 ジ グ リ セ リ ン一 1 , 6 — ジ飽和脂肪酸エ ス テルを、 当該混台物に含ま れた ジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ェ ス テルの総重量を基準に して 4 0重量%以上の 量で含有する ものを用いるのが、 特に有利である。
前記した特定のジグリ セ リ ンジ飽和脂肪酸ヱス テルを、 ジグリ セ リ ン飽和脂肪 酸エ ス テ ル混台物に含まれている ジグリ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱス テ ルの総重量を 基準にして 8 0重量%以上の量で含有する ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸ェステル混台 物は、 そのまま改質剤と して用いることができ る力;、 当該エ ス テ ル混台物に含ま
れている前記特定構造のジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸ヱ ステル (即ち、 1, 6体、 1 , 5体、 2 , 5体、 そして分岐体) の総量が、 組成物全重量を基準にして 1 重 量%以上、 好ま し く は 5〜 5 0.重量%となるよ うな量で、 当該ヱ ス テル混合物を 含有する改質剤組成物の形態で使用するのが好ま しい。 また、 ジグ リ セ リ ン一 1 , 6 — ジ飽和脂肪酸ヱ ス テルを、 ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ス テル混合物に含 まれたジグリセリ ンジ飽和脂肪酸ヱステルの総重量を基準にして 4 0重量%以上 の量で含有する ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェ ス テル混合物の場台は、 ジグリ セ リ ンー 1, 6 - ジ飽和脂肪酸ヱ ス テルの量が、 組成物全重量を基準にして 0 . 5重 量%以上、 好ま し く は 2〜 5 0重量%となるような量で、 本発明に係るジグリセ リ ン飽和脂肪酸 ス テル混合物を含有する改質剤組成物の形態で使用するのが好 ま しい。 更に、 前記式 ( I ) 、 ( I I ) 及び ( 1 1 I ) で示されたジグ リ セ リ ンジ飽 和脂肪酸ェステルからなる群より選ばれた少なく とも一種を、 ジグリセ リ ン飽和 脂肪酸エ ス テル混合物に含まれたジグ リ セ リ ン ジ飽和脂肪酸エ ス テルの総重量を 基準にして 6 0重量%以上の量で含有するジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェ ス テル混合 物の場台は、 前記式 ( I ) 、 (1 1 ) 及び (Π 1 ) で示されたジグ リ セ リ ンジ飽和 脂肪酸エ ス テルの総量が、 組成物全重量を基準にして 1重量%以上、 好ま しく は 5〜 5 0重量%となるような量で、 本発明に係るジグリセ リ ン飽和脂肪酸ヱス テ ル混合物を含有する改質剤組成物の形態で使用するのが好ま しい。
本発明のジグリセリ ン飽和脂肪酸ェス テル混台物を含有する改質剤組成物は、 改質の対象である蛋白質含有物に応じて、 種々の形態をとるこ とができる。 好ま しい形態の例と しては、 上記エ ス テル混合物が、 水に分散されてなる分散物の形 態 (より具体的には、 上記ヱ ス テル混合物が、 適当な乳化剤によ って水に分散さ れてなる分散物の形態、 上記エ ス テル混合物と水からなる組成物が、 適当な乳化 剤の存在下又は非存在下に、 ゲルを形成してなる形態) 、 上記エ ス テル混合物を 含む水中油型のェマル ジ ヨ ンの形態、 上記ヱ ス テル混合物が、 油脂、 好ま しく は 食用油脂に溶解又は分散されてなる形態、 及び、 上記エ ス テル混台物を含む油中 水型のェマル ジ ヨ ンの形態を挙げることができ る。
上記ジグリセ リ ン飽和脂肪酸ヱ ステル混台物が水に分散されてなる形態の改質 剤組成物の場合、 該混合物の水に対する重量比 (混台物: 水) は、 1 : 0 . 5〜
1 : 1 0 0 0であるこ とが好ま し く、 1 : 1 ~ 1 : 5 0であるこ とが更に好ま し い。
上記ジグ リ セ リ ン飽和脂肪酸ヱ ステル混合物と水が、 ゲルを形成してなる形態 の改質剤組成物の場台、 該混合物の水に対する重量比 (混合物 : 水) は、 1 : 0. 5〜 1 : 1 0 0 0である こ とが好ま し く、 1 : 1 〜 1 : 5 0である ことが更 に好ま しい。
上記ジグリセ リ ン飽和脂肪酸ェス テル混合物を含む水中油型のェマル ジ ョ ン と しては、 例えば、 以下の組成のものが好ま しい :
( 1 ) 当該ェマル ジョ ン総重量を基準にして、 1 ~ 5 0重量% (好ま し く は 5〜 2 0重量%) のジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェ ステル混合物、 5 ~ 5 0重量% (好ま し く は 5〜 3 0重量%) の食用油脂及び/又はジグリ セ リ ド、 及び、 2 0〜 8 5 重量% (好ま し く は 2 0〜 7 0重量%) の水からなる もの、 及び
( 2 ) 当該ェマル ジョ ン総重量を基準に して、 1 〜 5 0重置% (好ま し く は 5〜 2 0重量%) の ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ヱ ステル混合物、 5〜 5 0重量% (好ま し く は 5 ~ 3 0重量%) の食用油脂及び Z又はジグリ セ リ ド、 5〜 4 0重量%
(好ま し く は 1 5〜 3 5重量%) の糖、 及び、 2 0〜 8 5重量% (好ま し く は 2 0〜 7 0重量%〉 の水からなる もの。
上記ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェス テル混合物が油脂に溶解又は分散されてなる 形態の改質剤組成物の場台、 該混台物の油脂に対する重量比 (混合物 : 油脂) は、
1 : 2 ~ 1 : 1 0 0 0である こ とが好ま し く、 1 : 2〜 1 : 1 0 0であ る こ と 力 ; 更に好ま しい。
また、 上記ジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェ ス テル混台物を含む油中水型のヱマル ジ ョ ン と しては、 例えば、 以下の組成のものが好ま しい :
当該ェマル ジ ヨ ン総重量を基準に して、 1 〜 5 0重量% (好ま し く は 2〜 5 0 重量%) のジグリ セ リ ン飽和脂肪酸ェステル混台物、 3 0 ~ 9 9重量% (好ま し く は 5 0 〜 9 8重量%) の食用油脂及び Z又はジグ リ セ リ ド、 及び、 0. 1 〜 6 0重量% (好ま し く は 1 〜 4 0重量%) の水からなる もの。
上記の改質剤組成物の調製に用いられる食用油脂は、 通常食用に供される油脂 であればよ く、 例えば、 菜種油、 大豆油、 コー ン油、 サフ ラ ワ ー油、 ォ リーブ油、
綿実油、 ゴマ油、 ハイ エル シ ンナ タ ネ油、 パーム油、 パ一ム核油、 椰子油、 乳脂、 ラー ド、 牛脂、 魚油及び鲸油、 及びこれらの硬化油、 分別油、 エ ス テル交換油が 挙げられる。 これらは、 1種のみを使用してもよいし、 2種以上の混合物の形態 で使用してもよい。
また、 ジグリ セ リ ドと しては、 上記のような食用油脂を原料と して用い、 エ ス テル交換反応などの公知の方法で製造されたものを用いることができる。
本発明の改質剤組成物の調製には、 上記のような食用油脂とジグリ セ リ ドとの 混合物を使用することが好ま しい。 この場合、 食用油脂とジグリ セ リ ドは、 ジグ リ セ リ ドに対する食用油脂の重量比 (食用油脂 : ジグリ セ リ ド) が 1 0 : 1 ~ 1 : 2 となるよ うに用いることが好ま し く、 5 : 1〜 1 : 1 となるように用いる ことが特に好ま しい。
上記水中油型のヱマルジ ヨ ンに用いる糖の例と しては、 砂糖、 麦芽糖、 乳糖、 ブ ド ウ糖、 果糖、 ガ ラ ク ト ー ス 、 水飴、 異性化糖、 転化糖、 プルラ ソな どの糖 類 ; ソ ル ビ ト ール、 マルチ ト ール、 キ シ リ トー ルな どの糖アルコ ール類 ; 殿粉加 水分解物などの還元糖類 : 及び殺粉、 デキス ト ラ ン、 グ リ コーゲン、 セルロー ス、 デ牛 ス ト リ ン、 ィ ヌ リ ン、 ガラ ク タ ン、 キチ ン、 アルギン酸、 ぺ ク チ ンなどの多 糖類を挙げることができる。 これらは、 一種のみを、 又は二種以上を組み合わせ て使用することができる。 上記の中では、 二糖以上の多糖類及び糖アルコ ール類 が好ま しい。
上記の改質剤組成物は、 常法に従って調製することができる。 その際、 必要に 応じ、 乳化剤を使用するこ とができる。 本発明で用いられる乳化剤の例と しては、 モ ノ グ リ セ リ ン脂肪酸エ ス テル、 レ シチ ン、 ショ糖脂肪酸ヱ ス テル、 有機酸脂肪 酸エ ス テル、 ソ ル ビタ ン脂肪酸エ ステルを挙げるこ とができる。 用いる乳化剤は、 改質剤組成物の形態に応じて選ばれる。 例えば、 改質剤組成物がェマル ジ ヨ ンの 形態である場合は、 油相部には親油性の乳化剤を、 また、 水相部には親水性の乳 化剤を、 それぞれ一種または二種以上用いるこ とができる。 親油性の乳化剤は、 食用油脂及び 又はジグリセ リ ド 1 0 0重量部に対して、 通常は 0 . 1 ~ 5 0重 量部、 好ま しく は 0 . 5〜 1 0重量部用いられ、 親水性の乳化剤は、 水 1 0 0重 量部に対して、 通常は 0 . 1 〜 2 0重量部、 好ま し く は〗 〜 1 0重量部用いられ
る o
本発明の改質剤あるいは改質剤組成物は、 蛋白質を含有する物の改質のために 使用されるが、 特に食品、 中でも、 パン、 めん類、 パスタ類、 餃子、 春巻の皮な どの小麦粉を主体と した小麦蛋白含有食品 (小麦粉製品) に使用するのが特に有 利である。 こ こで、 「パン」 とは、 主原料と しての小麦粉に、 食塩、 水 (捏水) 及びイー ス ト フー ドと、 その他の原料、 例えば油脂類 ( シ ョ ー ト ニ ング、 ラ ー ド、 マ—ガリ ン、 バター、 液状油等) 、 乳製品、 糖類、 親水性乳化剤、 調味料 (グル 夕 ミ ン酸類、 核酸類) 、 化学膨張剤、 フ レー バーを添加し、 得られた混合物を混 捏して生地と し、 その生地を発酵させ、 焼成したものを言う。 勿論、 フ ィ リ ン グ 等の詰め物をしたパンでもよい。 即ち、 本発明で言うパンには、 食パン、 特殊パ ン、 菓子パン、 蒸しパン、 ホ ッ ト ケーキなどが含まれる。
食ノ、'ンの例と しては、 白パ ン、 黒パン、 フ ラ ンスノ、。 ン、 バ'ラ エテ ィ ブレ ツ ド、 ロール (テーブルロール、 ノ、'ンズ、 ノ、'ターロール等) を挙げる こ とができる。 特 殊パ ンの例と しては、 グリ ツ シ一二、 マフ ィ ン、 ラ ス ク力;、 調理パンの例と して は、 ホ ッ 卜 ドッ グ、 ハンバーガー、 ピザパイが、 菓子パンの例と しては、 ジャ ム ア ン ノヽ。 ン、 ク リ ームノゝ0 ン、 レ ー ス' ン ノヽ。 ン、 メ ロ ンノヽ。 ン、 ス イ ー ト ロ ー ソレ、 リ ッ チ グ ッ ズ (ク ロ ワ ッ サ ン、 ブ リ オ ッ シュ、 デニ ッ シュ ペス ト リ 一等) が挙げ られる。 また、 蒸しパ ンの例と しては、 肉まん、 あんまんが挙げられる。
「めん類」 とは、 主原料と しての小麦粉に、 食塩及び水 (捏水) と、 その他の 原料、 例えば油脂類 (シ ョ ー ト ニ ング、 ラー ド、 マーガリ ン、 バタ一、 液状油等) 、 蛋白質、 糖類、 親水性乳化剤、 フ レー バーを添加し、 得られた混台物を混捏した ものを言う。 めん類の例と しては、 う どん (き しめんなども含む) 、 素麵 (冷や 麦などもを含む) 、 中華麵、 そばを挙げるこ とができ る。
本発明の改質剤及び改質剤組成物は、 焼き菓子の食感改良のために用いる こ と もでき る。 そのよ うな本発明の改質剤または改質剤組成物が添加される焼き菓子 の例と しては、 ビスケ ッ ト、 ク ッ キー、 サブレ、 ク ラ ッ カー、 パイが挙げられる c 本発明の改質剤が添加される物によって異なるが、 小麦粉製品の場合、 当該改 質剤は、 小麦粉 1 0 0重量部に対して、 好ま し く は 0 . 0 1 〜 5重量部、 更に好 ま し く は 0 . 1 〜 1 重量部添加される。
小麦粉製品に使用する場合、 本発明の改質剤組成物は、 小麦粉 1 0 0重量部に 対して、 好ま しく は 0 . 0 2 〜 2 0重量部、 更に好ま しく は 0 . 0 2 〜 1 0重量 部、 特に好ま しく は 0 . 5 〜 5重量部の範囲で用いられる。
本発明の改質剤あるいは改質剤組成物は、 他の改質剤あるいは改質剤組成物で あって公知のものと共に使用することもできる。 公知の改質剤の例と しては、 モ ノ グ リ セ リ ド、 有機酸モノ グ リ セ リ ド、 グ リ セ リ ン脂肪酸エ ス テル、 プロ ピ レ ン グ リ コール脂肪酸エ ス テル、 ソ ル ビタ ン脂肪酸ヱ ステル、 ショ糖脂肪酸ヱ ス テル、 リ ン脂質、 ァ ス コ ル ビ ン酸及びその誘導体、 有機酸、 ア ミ ノ 酸、 塩、 酵素製剤 (ア ミ ラーゼ、 プロテア一ゼなど) を挙げることができる。
ジグリ セ リ ンジ飽和脂肪酸エ ス テルを主成分と して含有する、 本発明に係る ジ グ リ セ リ ン飽和脂肪酸エ ステル混合物は、 蛋白質含有物の改質剤と して、 有利に 用いることができる。 特に、 小麦粉を使用した食品の製造に際し、 本発明に係る ジグリセリ ン飽和脂肪酸ヱステル混合物を用いると、 その生地の弾性が増加し、 生地自体が伸び易く なり、 かつ、 生地のベたつきが抑えられる。 その結果、 生地 の機械耐性が向上すると共に、 製品の品質も向上する。 さらに、 本発明に係る ジ グリセリ ン飽和脂肪酸ェ ステル混台物は、 小麦粉を使用した食品に柔らかさを与 えると共に、 口溶け、 歯切れ感などの食感を向上させる。 特に、 麵などには、 コ シを与え、 一層良好な食感をもたらす。
実施例
以下に、 実施例及び比較例を参照して、 本発明を更に具体的に説明する。
なお、 「%」 は重量%を表わす。
[実施例 1 ]
( ジグ リ セ リ ン ジス テ ア リ ン酸エ ス テルの調製)
ス テ ア リ ン酸 1 0 0重量部を 7 0 。Cに加温し、 溶融さ せた。 こ れに、 ム コ ー ル ' ミ ーハイ由来のリパーゼを陰ィォン交換樹脂に固定してなる固定化リ パーゼ 製剤 (商品名 : L i p o z y m e 、 I M 2 0 、 N O V O社製) 1 0重量部と直鎖 型ジグ リ セ リ ン 2 9重量部を加え、 その後、 '减圧 ( 2 T o r r ) 下、 7 0てで 4 時間、 ステア リ ン酸を直鎖型ジグ リ セ リ ン と反応させた。 反応生成物を濾過し、 固定化酵素を除いた。 得られた濾液を薄膜式連続蒸留装置に入れ、 蒸留を行い、
未反応のステア リ ン酸及びジグ リ セ リ ン、 及びモノ エ ス テルを除去した。 得られ た液体を シ リ カ ゲルカ ラ ムク ロマ ト グラ フ ィ 一に供し、 ト リ エ ス テルを除去し、 ジグ リ セ リ ン一 1 , 6 — ジス テア レー ト (約 5 0 % ) 、 ジグ リ セ リ ン一 1, 5 — ジス テア レー ト (約 4 5 % ) 、 及びジグ リ セ リ ン一 2 , 5 — ジス テア レー ト (約 5 % ) からなるジグ リ セ リ ン ジス テア リ ン酸ェ ステル混合物を得た。
(水中油型ェマルジョ ン (改質剤組成物) Aの調製)
上記で得たジグリセ リ ンジステアリ ン酸エステル混合物 1 2重量部に、 グ リ セ リ ン ジォレイ ン酸エ ス テル 7重量部及び菜種白絞油 1 5重量部を加え、 得られた 混合物を、 撹拌下、 8 0 てに加熱し、 油性液 (油相部) を調製した。
—方、 D—ソ ルビッ ト液 ( 7 0 % ) 4 0重量部に、 水 2 3重量部、 及びショ糖 エ ス テル S — 1 1 7 0 S ( H L B 1 1、 三菱化成 (株) 製) 3重量部を加え、 得 られた混台物を 6 0てにて混合し、 水性液 (水相部) を調製した。
7 0てにて、 上記油性液に上記水性液を添加しながら、 デイ ス パーサー (商品 名 : ヒ スコ ト ロ ン、 曰音医理科機械制作所 (株) 製) で乳化を行い、 本発明に従 う水中油型ェマル ジョ ン Aを得た。
[実施例 2 ]
( ジグ リ セ リ ン ジべヘ ン酸エ ステルの調製)
ス テア リ ン酸の代わり にベヘ ン酸を用い、 直鎖型ジグ リ セ リ ンを 2 4重量部用 い、 反応温度を 8 0 °Cと したこと以外は、 上記実施例 1 の ジグ リ セ リ ン ジ ス テ ア リ ン酸エ ス テルの調製と同様にして、 ジ グ リ セ リ ン一 1, 6 — ジベへネ ー ト (約 4 2 % ) 、 ジ グ リ セ リ ン— 1 , 5 — ジベへネー ト (約 4 9 % ) 、 及びジグ リ セ リ ン 一 2, 5 — ジベへネー ト (約 9 % ) からなる ジグ リ セ リ ン ジべヘ ン酸エ ス テ ル 混台物を得た。
(水中油型ュマル ジョ ン (改質剤組成物) Bの調製)
ジグリセ リ ン ジステア リ ン酸エ ス テル混合物の代わりに上記で得たジ グ リ セ リ ンジベへン酸ェス テル混合物を用いること以外は、 上記実施例 1 の水中油型ェマ ル ジ ョ ン A の調製と同様にして、 本発明に従う水中油型エマル ジ ョ ン Bを得た。
[実施例 3 ]
( ジグ リ セ リ ン ジ ラ ウ リ ン酸エ ス テルの調製)
ステア リ ン酸の代わりにラウ リ ン酸を用い、 直鎖型ジグ リ セ リ ンを 4 1重量部 用い、 反応温度を 5 0 °Cと したこと以外は、 上記実施例 1 の ジグ リ セ リ ン ジス テ ア リ ン酸エ ス テルの調製と同様にして、 ジグ リ セ リ ン一 1, 6 — ジ ラ ウ レー ト
(約 5 1 % ) 、 ジグ リ セ リ ン— 1 , 5 — ジラ ウ レー ト (約 4 6 % ) 、 及びジグ リ セ リ ン一 2 , 5 — ジラ ウ レー ト (約 3 % ) からなるジグ リ セ リ ン ジ ラ ウ リ ン酸ェ ス テ ル混合物を得た。
(水中油型ェマル ジ ヨ ン (改質剤組成物) Cの調製)
ジグ リ セ リ ン ジステア リ ン酸ェ ステル混合物の代わり に上記で得たジグ リ セ リ ン ジ ラ ウ リ ン酸エ ステ ル混合物を用いること以外は、 上記実施例 1 の水中油型ェ マル ジョ ン Aの調製と同様にして、 本発明に従う水中油型ヱマル ジ ョ ン にを得た。
[実施例 4 ]
(蛋白質含有物の改質剤を含む水分散物 (改質剤組成物) Dの調製〉
実施例 1 で調製したジグリセ リ ンジステア リ ン酸エ ステル混台物 1 0重量部に、 ショ糖脂肪酸ヱス テル (商品名 : S — 1 1 7 0 S、 三菱化成 (株) 製) 1重量部 及び水 8 9重量部を加えた。 得られた混合物を、 7 0 Cにて、 ディ ス バーサ一で 攬拌して分散させ、 本発明に従う改質剤を含む水分散物 Dを得た。
[実施例 5 ]
(油脂に改質剤が溶解又は分散された形態の改質剤組成物 Eの調製)
実施例 1 で調製したジグリ セ リ ンジステアリ ン酸ヱステル混台物 5重量部に、 シ ョ ー ト ニ ン グ (ニューェ コ ナ V、 花王 (株) 製) 9 0重量部、 及びナ タ ネ油 5 重量部を加えた。 得られた混台物を 7 0てに加熱し、 搜拌下に溶解、 均一化させ た。 その後、 これを 0 °Cに冷却した容器に移し、 携拌しながら急冷固化し、 本発 明に従う改質剤組成物 (ショー ト ニ ング組成物) Eを得た。
[実施例 6 ]
(油中水型ェマル ジ ヨ ン (改質剤組成物) F の調製)
実施例 1 で調製した ジグリ セ リ ンジス テア リ ン酸エ ス テル混台物 2重量部に、 シ ョ ー ト ニ ン グ (ニュ ーェ コ ナ V、 花王 (株) 製) 8 1 重量部、 及びモ ノ グ リ セ
リ ン脂肪酸ヱ ス テ ル ( T一 9 5、 花王 (株) 製) 0. 5重量部を加えた。 得られ た混合物を 7 0てに加熱し、 撹拌下に溶解、 均一化させた。 その後、 攬拌下に、 得られた均一溶液に水 1 6. 5重量部を少しずつ加え、 油中水型ェマル ジ ヨ ンを 調製した。 得られた油中水型ェマルジ ヨ ンを混練しながら急冷し、 本発明に従う 油中水型ヱ マル ジ ョ ン (マーガ リ ン組成物) Fを得た。
[実施例 7 ]
ステア リ ン酸 1 0 0重量部を 7 0てに加温し、 溶融させた。 これに、 ム コ ー ル . ミ ーハイ由来のリパーゼを陰ィォン交換樹脂に固定してなる固定化リ パーゼ 製剤 (商品名 : L i p o z y m e、 I M 2 0、 N O V O社製) 1 0重量部とジグ リ セ リ ン 2 9重量部 (直鑌型ジグリ セリ ン 6 9 %と分岐型ジグリ セリ ン 3 1 %) を加え、 その後、 减圧 ( 2 T 0 r r ) 下、 7 0てで 4時間、 ステア リ ン酸をジグ リセ リ ンと反応させた。 反応生成物を濂過し、 固定化酵素を除いた。 得られた濾 液を薄膜式連続蒸留装置に入れ、 蒸留を行い、 未反応のス テア リ ン酸及びジグ リ セ リ ン、 及びモノ エ ス テルの大部分を除去した。 このよ う に して、 粗ジグ リ セ リ ン ジ ス テ ア リ ン酸エ ス テル 8 6重量部を得た。
得られた粗ジグリ セ リ ン ジス テア リ ン酸エ ス テル 8 6重量部を、 3 5 0重量部 のアセ ト ンに添加し、 加熱して、 アセ ト ンに溶解させた。 その後、 得られたァセ ト ン溶液を 0てまで冷却し、 結晶を析出させた。 結晶を濾過により採取し、 減圧 乾燥し、 白色固体 (ア セ ト ン晶析品) を得た。
得られた白色固体 (アセ ト ン晶析品) をガス ク ロマ ト グラ フ ィーで分析したと こ ろ、 ジグ リ セ リ ンモノ ス テア リ ン酸エ ス テル 1. 9 %、 ジグ リ セ リ ン ジス テア リ ン酸エ ス テル 6 7. 4 %、 ジグ リ セ リ ン ト リ ス テア リ ン酸エ ス テル 2 6. 5 及びジグ リ セ リ ンテ ト ラ ス テア リ ン酸エ ス テル 4. 2 %であ った。
得られた白色固体 (ァセ ト ン晶析品〉 の一部を、 シ リ カ ゲルカ ラ ムク ロマ ト グ ラ フ ィ一に供し、 ジエ ス テ ル画分を分取した。 得られたジエ ス テ ル画分 (ジグリ セ リ ン ジス テア リ ン酸エ ス テル混合物〉 をガス ク ロ マ ト グラ フ ィ ーで分折した と こ ろ、 その組成は、 ジ グ リ セ リ ン 一 1, 6 — ジス テア リ ン酸エ ス テルが 5 0 · 9 重量%、 ジ グ リ セ リ ン一 1 , 2 — ジス テア リ ン酸エ ス テル力; 1. 1 %、 ジグ リ セ リ ン一 1 , 5 — ジ ス テア リ ン酸エ ス テルと ジグ リ セ リ ン一 2 , 5 — ジス テア リ ン
酸エ ス テルと分岐型ジグリセ リ ンの ジステアリ ン酸ヱ ス テ ルの合計が 4 8重量% であった。
(水中油型ェマルジョ ン (改質剤組成物) Gの調製)
ジ グ リ セ リ ン ジ ス テ ア リ ン酸エ ス テル混合物の代わりに上記で得た白色固体 (ァセ ト ン晶析品) を 1 9重量部用いること以外は、 上記実施例 1 の水中油型ェ マル ジョ ン Aの調製と同様にして、 本発明に従う水中油型エマル ジ ョ ン Gを得た。
[実施例 8 ]
(水中油型ェマルジョ ン (改質剤組成物) Hの調製)
ジグ リ セ リ ン ジ ス テア リ ン酸ェ ス テル混合物の代わり に、 実施例 7 で得られた ジエ ス テル画分 ( ジグ リ セ リ ン ジ ステア リ ン酸エ ス テル混合物) を 1 2重量部用 いること以外は、 上記実施例 1 の水中油型ヱマルジョ ン Aの調製と同様にして、 本発明に従う水中油型ヱマル ジョ ン Hを得た。
[実施例 9 ]
<ゲル状の改質剤組成物 Mの調製〉
ビーカ一に、 上記実施例 7で得られた白色固体 (ァセ ト ン晶折品) 2 0重量部、 ジグ リ セ リ ンモノ ステア リ ン酸エ ステル (商品名 : サ ンソ フ ト Q— 1 8 D、 太陽 化学 (株) 製) 1 3重量部及び水 2 8重量部を入れた。 得られた混合物を、 7 5 °Cにて 5分間攬拌した。 その後、 攬拌下、 ビーカーを氷水で冷却し、 ゲル状の改 質剤組成物 Mを得た。
[実施例 1 0 ]
(ゲル状の改質剤組成物 Nの調製)
ビー カ ー に、 上記実施例 1 で得られたジ グ リ セ リ ン ジ ス テ ア リ ン酸エ ス テ ル 2 0重量部、 ジグ リ セ リ ンモ ノ ス テア リ ン酸エ ス テル (商品名 : サ ン ソ フ ト Q— 1 8 D、 太陽化学 (株) 製) 2 0重量部及び水 4 0重量部を入れた。 得られた混 台物を、 7 5 °Cにて 5分間携拌した。 その後、 撹拌下、 ビーカーを氷水で冷却し、 ゲル状の改質剤組成物 Nを得た。
[比較例 1 ]
(水中油型ェマル ジ ョ ン (改質剤組成物) a の調製)
ジグ リ セ リ ン ジ ス テア リ ン酸エ ス テル混台物の代わ り に グ リ セ リ ンモ ノ ス テ ア
リ ン酸ヱステル (商品名 : ェキセル T _ 9 5、 花王 (株) 製) を用いること以外 は、 上記実施例 1 の水中油型ェマルジ ヨ ン Αの調製と同様にして、 比較例の水中 油型ヱマル ジ ヨ ン aを得た。
[比較例 2 ]
( ジグ リ セ リ ン一 1, 2 — ジ ステア リ ン酸エ ス テルの調製)
直鑌型ジグ リ セ リ ン 1 0 0重量部、 アセ ト ン 2 2重量部、 硫酸 0 . 2重量部及 び脱水のためのモ レキ ラー シーブス 4 A 8重量部を、 コ ンデンサー付きフ ラ スコ に入れ、 フ ラ ス コ内容物を 8時間加熱還流した。 冷却後、 モノヱタノ ールア ミ ン 0 . 1重量部を用い、 反応生成物を中和した。 このようにして得られた反応生成 物を減圧蒸留し、 ジグ リ セ リ ンモ ノ イ ソプロ ピ リ デンを得た。
上記で得た ジグ リ セ リ ンモ ノ ィ ソ プロ ピ リ デン 4 2 重置部に、 ステア リ ン酸ク 口 ラ イ ド 1 3 4重量部及びピ リ ジ ン 3 5重量部を加え、 得られた混合物を室温で 2 7時間混合した。 その後、 こ の混台物に水と酢酸ェ チ ルを加え、 抽出した。 酢酸ヱチル相を分取し、 酢酸ヱチルを减圧留去した。 残渣にジヱチ ルヱ一テル 2 0 0重量部を加え、 それを溶解した。 得られた溶液に濃塩酸 3 0 0重量部を加 え、 得られた混合物を室温で 1 時間携拌した。 その後、 当該混合物を分相させ、 水相を取り去った。 ジェチルエーテル相を、 水相が中性になるまで、 水で繰り返 し洗净した。 ジェ チルエーテル相を分取し、 ジェチルエー テルを減圧留去した。 ¾渣をシ リ カ ゲルカ ラ ム ク ロ マ ト グラ フ ィ ーで精製し、 ジグ リ セ リ ン一 1, 2 — ジス テア リ ン酸エ ス テル (約 9 0重量%含有) を得た。
(水中油型ェマル ジョ ン (改質剤組成物) b の調製)
ジ グ リ セ リ ン ジス テア リ ン酸エ ステル混合物の代わり に上記で調製したジグリ セ リ ン— 1 , 2 — ジス テア リ ン酸ェ ス テルを用いるこ と以外は、 上記実施例 1 の 水中油型ェマル ジョ ン Aの調製と同様にして、 比較例の水中油型ヱマル ジ ョ ン b を得た。
[比較例 3
(直 ίΜ型ジグリセ リ ン及び分岐型ジグリ セ リ ンを含有する ジグリセ リ ン と ステア リ ン酸からのジグリ セ リ ンス テア リ ン酸エ ステル混台物の台成)
直鎮型ジグ リ セ リ ン 6 9 %及び分岐型ジグ リ セ リ ン 3 1 %からなるジグリセ リ
ン 2 4 9 . 3重量部を、 ステア リ ン酸 8 5 3 . 4重量部と、 2 4 0。 (:、 窒素気流 下に、 攪拌下、 生成する水を系外に除去しながら 4 . 5時間反応させた。 その後、 得られた反応混合物を冷却し、 反応終了品を得た。 この ものの組成をガス ク ロマ ト グラ フ ィ 一で分析したと こ ろ、 反応終了品は、 ジグ リ セ リ ン 1 . 2 %、 ジグ リ セ リ ンモノ ステア リ ン酸エ ス テル 1 6 . 9 %、 ジグ リ セ リ ン ジス テア リ ン酸エ ス テル 4 3 . 3 %、 ジグ リ セ リ ン ト リ ス テア リ ン酸エ ス テル 3 1 . 4 %、 及びジ グ リ セ リ ンテ ト ラ ス テア リ ン酸エ ス テル 7 . 2 %を含んでいた。
(水中油型ュマル ジ ヨ ン (改質剤組成物) c の調製〉
ジグ リ セ リ ン ジステア リ ン酸エ ステル混合物の代わりに、 上記で調製された反 応終了品を 3 4重量部用いること以外は、 上記実施例 1 の水中油型エマルジョ ン Aの調製と同様にして、 比較例の水中油型ヱマルジ ヨ ン c を得た。
[比較例 4 ]
改質剤と して、 粉末状 (結晶) グ リ セ リ ン モ ノ脂肪酸エ ス テ ル (商品名 : M M— 1 0 0、 理研ビタ ミ ン (株) 製) を用いた。
[比較例 5 ]
改質剤は、 添加しなかった。
[比較例 6 ]
(ゲル状の改質剤組成物 d の調製)
ビーカーに、 ジグ リ セリ ンモノ ス テア リ ン酸エ ス テル 2 0重量部と水 4 0重量 部を入れた。 得られた混合物を、 7 5 °Cにて 5分間混台し、 その後、 攬拌下、 ビーカ一を氷水で冷却し、 ゲル状の改質剤組成物 dを得た。
[改質剤組成物の評価]
上記実施例及び比較例の改質剤及び改質剤組成物を用いて、 小麦粉製品を製造 し、 その生地及び製造された小麦粉製品を評価した。
1 . 改質剤組成物を食パンに使用した場合の評価
上記のように調製された改質剤組成物 A〜 E、 G、 H、 a〜 c の各々を用い、 又は改質剤 M M - 1 0 0を用い、 あるいは改質剤組成物及び改質剤を用いずに、 7 0 %中種法に従って食パ ンの生地を調製し、 その生地を用いて食パ ンを作つ た。 その配合は、 以下の表 1 に示す。
(中種生地の調製)
中種配台材料 (強力小麦粉 1 4 0 0重量部、 イース ト 4 0重量部、 イ ース ト フー ド 2重量部、 水 8 0 0重量部及び改質剤組成物 4 0重量部) をボールに入れ、 縱型ミ キサー ( 1 0 コー ト、 フ ッ ク、 関東混合機 (株) 製) を用いてその材料を 混捏 (低速 2分、 中高速 1分) し、 中種生地を調製した。 中種生地の捏上げ温度 は、 2 4 °Cであった。 次に、 得られた中種生地を温度 2 7 . 5て、 相対湿度 7 5 %の条件下で、 4時間 3 0分発酵させた (発酵最終品温 : 2 9 . 5 °C ) 。
比較例 4 については、 改質剤は、 4 0重量部ではなく 6重量部用いた (即ち、 比較例 4の改質剤を、 小麦粉 2 0 0 0重量部に対して 6重量部添加した) 。
(本捏生地の調製)
次に、 この中種発酵生地に、 本捏配合材料 (強力小麦粉 6 0 0重量部、 食塩 4 0重量部、 砂糖 1 0 0重置部、 脱脂粉乳 4 0重量部、 水 5 0 0重量部) を添 加し、 得られた混合物を混捏 (低速 3分、 中高速 4分) した。 その後、 こ れに シ ョ ー ト ニ ング 1 0 0重量部添加し、 得られた混台物を混捏 (低速 2分、 中高速 3分) して、 本捏生地を得た (生地温度 : 約 2 7 . 5て) 。
実施例 5 で得た改質剤組成物 Eは、 中種生地調製時には用いず、 本捏配合材料 の シ ョ ー ト ニ ン グ ( 1 0 0重量部〉 の代わりに用いた (即ち、 改質剤組成物 Eを、 小麦粉 1 0 0重量部に対して 5重量部添加した) 。
表 1
中種配合 (重量部) 本捏配台 (重量部) 強力小麦粉 1 4 0 0 6 0 0
イ ー ス ト 4 0
ィ ー ス ト フー ド 2
水 8 0 0 5 0 0
4 0
砂糖 1 0 0
脱脂粉乳 4 0
改質剤組成物 4 0
(又は改質剤)
シ ョ ー ト ニ ング 1 0 0
* : 本捏時の小麦粉 1 0 0重量部に対して 2重量部 (食パンの焼成)
次に、 混捏でダメージを受けた上記生地を回復させるために、 フ πァータ イ ム を 2 7. 5 °Cにて 2 0分間と つた。 その後、 該生地を分割し、 各々 4 5 0 gと し た。 分割でダメ ージを受けた生地を回復させるために、 ベ ンチ タ イ ムを室温で 2 0分間と り、 その後、 分割された生地をモルダ一で整形した。
次に、 整形物をワ ン ローフのパ ン型に入れ、 温度 3 7. 5。 (:、 相対湿度 8 0 % に設定したホ イ ロ に入れ、 そ こで 4 0分間発酵させた。
このよ うにして調製したパン生地を、 オーブン ( 2 1 0 °C) で 4 0分間焼成し、 食パンを得た。
(評価)
上記食パンの製造時における 「生地のベたつき」 及び 「食感 (口溶け、 歯切れ) 」 について、 評価した。
「生地のベたつき」 及び 「食感 (口溶け、 歯切れ) 」 は、 3 1 名のパネラーに より、 下記の基準で評価された。
( 1 ) 生地のベたつきについて
A :生地のベたつきがほとんどない、
B :生地のベたつきがわずかに生じる、
C : 生地のベたつきが生じたが、 作業上問題となるほどではない、
D : 生地のベたつきが生じ、 作業上支障が生じる、 及び
E : 生地のベたつきがかなり生じ、 作業に困難を生じる。
( 2 ) 食感 (口溶け) について
A : 口溶けが極めて良い、
B : 口溶けが良い、
C : ロ溶けが少し劣るが、 許容できる範囲内である、
D : 口溶けが余り良く ない、 及び
E : 口溶けが悪い。
( 3 ) 食感 (歯切れ) について
A : 歯切れが極めて良い、
B : 歯切れが良い、
C : 歯切れが少し劣るが、 許容できる範囲内である、
D : 歯切れが余り良く ない、 及び
E : 歯切れが悪い。
以上の結果を以下の表 2 に示す。
表 2
改質剤組成物 評価結果 (生地の性質、 製品の食感) あるいは改質剤 生地のベたつき 口溶け 歯切れ 水中油型ュマルジ ヨ ン A (実施例 1 ) A A A 水中油型ェマルジ ヨ ン B (実施例 2 ) A B A 水中油型ェマルジ ヨ ン C (実施例 3 ) B B B
水分散物 D (実施例 4〉 B B B 油に溶解又は分散物 E (実施例 5〉 A A A 水中油型ェマルジ ヨ ン G (実施例 7 ) A B A 水中油型エマルジ ョ ン H (実施例 8 ) A A A 水中油型ェマル ジ ヨ ン a (比較例 1 ) B C D 水中油型ェマルジ ヨ ン b (比較例 2 ) B C D 水中油型ュマルジ ヨ ン c (比較例 3 ) D C C
MM - 1 0 0 (比較例 4 ) C E E 無添加 (比較例 5 ) E D D
上記表 2 に示された結果から明らかなように、 本発明の改質剤組成物を添加し て食パンを製造すると、 生地の品質が改良されると共に、 食感も向上した。 中で も、 食感については、 口溶け、 歯切れが顕著に向上した。
2. 改質剤組成物を π—ルパンに使用した場台の評価
以下の表 3 に示す配合を採用したこと、 ホイ 口発酵の条件を温度 3 8. 5 °C. 4 5分間に、 及び焼成条件を 1 8 0て、 9分間にそれぞれ変更したこと以外は、 上記の食パ ンの場合と同様にして、 改質剤組成物 A〜 D、 F〜H、 a〜 cの各々 を用いて、 又は改質剤 MM - 1 0 0を用いて、 あるいは改質剤組成物及び改質剤
を用いずに、 ロールパンを作り、 食パンの場合と同様に評価した。
実施伊 1 6で得た改質剤組成物 Fは、 中種生地調製時には用いず、 本捏配台材料 のマーガ リ ン ( 3 0 0重量部) の代わりに用いた (即ち、 改質剤組成物 Fを、 小 麦粉 1 0 0重量部に対して 1 5重童部添加した) 。
比較例 4 については、 改質剤は、 4 0重量部ではなく 6重量部用いた (即ち、 比較例 4の改質剤を、 小麦粉 2 0 0 0重量部に対して 6重量部添加した) 。 結果を以下の表 4に示す。 表 3
中種配合 (重量部) 本捏配台 (重量部) 強力小麦粉 1 4 0 0 6 0 0
イ ース ト 5 0
ィ ー ス ト フ ー ド 2
卵 2 0 0
水 7 2 0 4 6 0
食塩 3 4
砂糖 2 4 0
脱脂粉乳 4 0
改質剤組成物 4 0 *
(又は改質剤)
マ一ガリ ン 3 0 0
* 本捏時の小麦粉 1 0 0重量部に対して 2重量部
表 4
改質剤組成物 評価結果 (生地の性質、 製品の食感) あるいは改質剤 生地のベたつき 口溶け 歯切れ 水中油型ヱマルジ ョ ン A (実施例 1 〉 A A A
水中油型ェマルジ ヨ ン B (実施例 2 ) A B A
水中油型ェマルジ ヨ ン C (実施例 3 ) B B B
水分散物 D (実施例 4 ) B B B
油中水型ェ マルジ ヨ ン F (実施例 6 ) A A A
水中油型ェマル ジ ョ ン G (実施例 7 ) A B A
水中油型ェマル ジ ヨ ン H (実施例 8 ) A A A 水中油型ェマルジ ヨ ン a (比較例 1 ) B C D
水中油型ェマルジ ヨ ン b (比較例 2 ) B C D
水中油型ェマルジ ヨ ン c (比較例 3 ) D C C
M M— 1 0 0 (比較例 4 ) C E E
無添加 (比較例 5 ) E D D
上記表 4 に示された結果から明らかなように、 本発明の改質剤組成物を添加し てロールパ ンを製造すると、 食パンの場合と同様に、 生地の品質が改良される と 共に、 食感も向上した。 中でも、 食感については、 口溶け、 歯切れが顕著に向上 した。
3 . 改質剤組成物を菓子パンに使用した場合の評価
以下の表 5 に示す配合を採用したこと、 フ ロ アータ イ ムの条件を 2 7 ° (:、 1 時 間に、 ホイ 口発酵の条件を温度 3 8て、 5 0分間に、 そ して焼成条件を 1 8 0 て- 9分間にそれぞれ変更した以外は、 上記食パンの場合と同様にして、 菓子パンを
作り、 食パンの場合と同様に評価した。
実施例 5で得た改質剤組成物 Eは、 中種生地調製時には用いず、 本捏配合材料 の シ ョ ー ト ニ ング ( 1 0 0重量部) の代わりに用いた (即ち、 改質剤組成物 Eを, 小麦粉 1 0 0重量部に対して 1 0重量部添加した〉 。
比較例 4 については、 改質剤は、 2 0重量部ではなく 3重量部用いた (即ち、 比較例 4の改質剤を、 小麦粉 1 0 0 0重量部に対して 3重量部添加した) 。
結果を以下の表 6に示す。 表 5
中種配合 (重量部) 本捏配台 (重量部) 強力小麦粉 7 0 0 3 0 0
イ ース ト 3 0
イ ー ス ト フー ド 1
卵 5 0
グルコ ー ス 5 0
水 3 8 0 1 8 2
食 ^πη 1 0
砂糖 2 0 0
脱脂粉乳 2 0
改質剤組成物 2 0 *
(又は改質剤)
シ ョ ー ト ニ ン グ 1 0 0
* : 本捏時の小麦粉 1 0 0重量部に対して 2重量部
表 6
改質剤組成物 評価結果 (生地の性質、 製品の食感) あるいは改質剤 生地のベたつき 口溶け 歯切れ 水中油型ヱマルジ ヨ ン A (実施例 1 ) B A A
水中油型ェマルジ ヨ ン B (実施例 2 ) B B A
水中油型ェマルジ ヨ ン C (実施例 3 ) C B B
水分散物 D (実施例 4 ) B B B
油に溶解又は分散物 E (実施例 5 ) B A A
水中油型ェマルジ ヨ ン G (実施例 7 ) A B A
水中油型ェマルジ ヨ ン H (実施例 8 ) A A A 水中油型ェマルジ ヨ ン a (比較例 1 ) C C D
水中油型ェマルジ ヨ ン b (比較例 2 ) C C D
水中油型ェマルジ ヨ ン c (比較例 3 ) D C C
MM - 1 0 0 (比較例 4 ) D E E
無添加 (比較例 5 ) E D D
上記表 6 に示された結果から明らかなように、 本発明の改質剤組成物を添加し て菓子パンを製造すると、 食パ ンの場台と同様に、 生地の品質が改良されると共 に、 食感も向上した。 中でも、 食感については、 口溶け、 歯切れが顥著に向上し た。
4. 改質剤組成物を麵に使用した場合の評価
実施例 4で得られた改質剤組成物 D用い、 あるいは改質剤組成物を用いるこ と なしに、 以下の方法で麵を製造した。
(麵の製造)
実施例 4で得られた改質剤組成物 2 0重量部及び食塩 5 0重量部を、 水 3 7 5 重量部に添加し、 食塩水を調製した。 この食塩水 4 4 5重量部と小麦粉 (中力粉) 1 0 0 0重量部を、 横形のピン ミ キサーで 1 0分間混捏して生地を得、 得られた 生地をローラ一圧延し、 麵切りを行って、 麵を製造した。 また、 改質剤組成物を 用いず、 水の量を 3 9 3重量部に変更した以外は、 同様にして、 比較例 5の麵を 製造した。
(評価)
得られた麵を、 沸騰水中で 1 0分間茹でた。 その茹であがった麵の肌あれ及び 食感を評価した。 茹でた後の製品の肌荒れ (さ さ くれ) の状態は、 目視により下 記の基準で、 また、 食感 (コ シ、 歯切れ) については、 前記の食パンの場台の食 感の評価と同様な基準で、 それぞれ評価した。
( 1 ) 肌荒れの状態について
A :肌荒れがほとんどない、
B : 肌荒れがわずかにある、
C : 肌荒れが部分的にあるが、 許容できる範囲内である、
D : 肌荒れが全体に広がってある、 及び
E : 肌荒れがかなりある。
結果を以下の表 7 に示す。
茹でた後の製 食感
改質剤組成物 表面の肌荒れ コ シ 歯切れ 水分散物 D (実施例 4 ) B
無添加 (比較例 5 ) C C
上記表 7 に示された結果から明らかなように、 本発明の改質剤組成物を添加す るこ とによ り、 麵にはコ シが出て、 歯切れも良く なり、 また、 肌荒れも抑えられ て製品の品質が向上した。
5 . 改質剤組成物を髙加水パンに使用した場合の評価
以下の表 8 に示す配合を採用したこと以外は、 上記の食パ ンの場合と同様に して、 改質剤組成物 A、 D、 E、 M、 N、 a〜 dの各々を用いて、 又は改質剤 M M - 1 0 0を用いて、 あるいは改質剤組成物及び改質剤を用いずに、 高加水バ ンを作った。
「生地のベたつき」 及び 「食感 (口溶け、 歯切れ) 」 を、 食パンの場台と同様 に評価した。 また、 「食感 ( ソ フ トさ) 」 を、 下記の基準で評価した。
( 1 ) 食感 (ソ フ 卜さ) について
A :極めてソ フ トである、
B : ソ フ トである、
C : ややソ フ トである、
D : あま りソ フ ト ではない、 及び
E : ソ フ トではない。
結果を以下の表 9 に示す。
表 8
中種配合 (重量部) 本捏配合 (重量部) 強力小麦粉 1 4 0 0 6 0 0
イ ー ス ト 4 0
ィ ー ス 卜 フ ー ド 2
水 8 8 0 5 0 0
4 0 砂糖 1 0 0 脱脂粉乳 4 0 改質剤組成物 氺
(又は改質剤)
* : 水中油型ヱマ ル ジ ヨ ン A (実施例 1 ) 4 0重量部
水分散物 D (実施例 4 ) 4 0
油に溶解又は分散物 E (実施例 5 ) 4 0
改質剤組成物 M (実施例 9 ) 1 8
改質剤組成物 N (実施例 10) 1 6
水中油型ェマ ル ジ ヨ ン a (比較例 1 ) 4 0
水中油型ェマ ル ジ ヨ ン b (比較例 2 ) 4 0
水中油型ェマ ル ジ ヨ ン c (比較例 3 ) 4 0
改質剤組成物 d (比較例 6 ) 1 6
M M - 1 0 0 (比較例 4 ) 6
無添加 (比較例 5 ) 0
表 9
評価結果 (生地の性質、 製品の食感) QC哲 ^ Slリl ' H B ΡΧ物 ΎΆ it JT!l t J 西 ノ ノ あるいは改質剤 ベたつき 水中油型ェマル ジョ ン A (実施例 1 ) B B B B 水分散物 D (実施例 4 ) C C B B 油に溶解又は分散物 E (実施例 5 ) B B A B 改質剤組成物 M (実施例 9 ) A A A A
リ , C ¾ «5 an 1 η 水中油型ェマル ジョ ン a (比較例 1 ) E E E A
7K中油型ェマ ル ジョ ン b (比較例 2 ) D E E B 水中油型ェマル ジョ ン c (比較例 3 ) C E E A
改質剤組成物 d (比較例 6 ) E E E A
M - 1 0 0 (比較例 4 ) E E E A 無添加 (比較例 5 ) E E E C
上記表 9 に示された結果から明らかなように、 本発明の改質剤組成物を添加し て高加水パンを製造すると、 食パンの場台と同様に、 生地の品質が改良されると 共に、 食感も向上した。 中でも、 食感については、 口溶け、 歯切れが顕著に向上 した。