JP2889505B2 - トリグリセリンジ脂肪酸エステル組成物、蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉食品 - Google Patents

トリグリセリンジ脂肪酸エステル組成物、蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉食品

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JP2889505B2 JP6336454A JP33645494A JP2889505B2 JP 2889505 B2 JP2889505 B2 JP 2889505B2 JP 6336454 A JP6336454 A JP 6336454A JP 33645494 A JP33645494 A JP 33645494A JP 2889505 B2 JP2889505 B2 JP 2889505B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛋白質の改質剤などと
して有用なトリグリセリンジ脂肪酸エステル組成物に関
する。更に詳しくは、本発明は、特に小麦粉を使用した
食品に添加することで、生地の性質や製品の食感を更に
改良することができるトリグリセリンジ脂肪酸エステル
組成物、蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並
びに改質剤で処理した小麦粉製品に関する。
【0002】
【従来の技術】パン、めん類、あるいはケーキのような
小麦粉を使用した食品は、主原料である小麦粉に、食
塩、そして水を加えて作られる(パンの製造の場合は、
更にイーストが添加される)。中でもパンについては、
高品質あるいは特徴のあるパンを製造するために、ある
いは作業性を改善するために上記の配合に、更に油脂
類、糖類、乳製品、種々の添加剤が配合される場合が多
い。
【0003】製パン用の添加剤としては、特開昭61−
234733号、同64−2523号、特開平2−12
4052号、あるいは同4−23940号の各公報にも
記載さているように、モノグリセリン脂肪酸エステルが
広く使用されているが、他にレシチン、ショ糖脂肪酸エ
ステル、有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステルなども提案されている。これらの添加剤は、製
造時の生地中に直接添加する、あるいは乳化物の状態で
添加するなどの方法で使用される。添加剤の使用により
生地の表面のべたつきが抑制され、これにより作業性の
低下(機械耐性の低下)が改良される、また製品には柔
らかさが付与され、口どけ感などの食感も改良されると
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討では、上記のような従来の添加剤の使用による
生地の性質や食感の改良は、まだ十分満足できるもので
はなく、更に改良の余地がある。本発明の目的は、蛋白
質含有食品の改質剤として有利に用いることができるト
リグリセリンジ脂肪酸エステル組成物を提供することで
ある。特に、製造時の生地の表面のべたつきを更に抑制
し、機械耐性を改良することにより、良好な作業性を実
現させると共に、製品には、柔らかさを付与し、それと
共に口溶け感、歯切れ感などの食感が更に改良されたパ
ン、めん類などを得ることができる小麦粉を主成分とし
た蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに該
改質剤で処理した小麦粉製品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記添加剤
のうちポリグリセリンジ脂肪酸エステルに着目し、その
使用を検討した。それによると、トリグリセリン脂肪酸
エステルにおいては、トリグリセリンの一つの末端の水
酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方、及
び他の一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接する水酸
基のいずれか一方が飽和脂肪酸によりエステル化された
構造を有するトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを7
0重量%以上を含有するような、特定の構造を有するト
リグリセリンジ脂肪酸エステル組成物、特に前記式
(I)〜(III)で示されるような、トリグリセリンジ飽
和脂肪酸エステルを30重量%以上を含有するトリグリ
セリンジ脂肪酸エステル組成物を、蛋白質を含有した生
地、特に小麦蛋白質中に添加することにより、上記の目
的とする生地の性質や良好な食感の製品が得られること
を見い出し、本発明を完成させたものである。このよう
な良好な生地の性質や食感が得られる理由は明らかでは
ないが、生地に含有されている蛋白質(小麦蛋白質、及
び他の成分として含まれている蛋白質)と、上記のよう
な特定の構造のトリグリセリンジ脂肪酸エステルとの相
互作用があるためと推定される。その結果、生地の弾性
が増加し、べたつきが抑えられたり、麺などの場合に
は、コシがでたり、また口どけ感、歯切れ感の良い製品
が製造できると考えられる。
【0006】本発明は、トリグリセリンの一つの末端の
水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方、
及び他の一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接する水
酸基のいずれか一方が飽和脂肪酸によりエステル化され
た構造を有するトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを
70重量%以上を含有するトリグリセリンジ脂肪酸エス
テル組成物にある。
【0007】本発明は、トリグリセリン−1,9−ジ飽
和脂肪酸エステルを25重量%以上含有することを特徴
とするトリグリセリンジ脂肪酸エステル組成物にもあ
る。
【0008】本発明は、トリグリセリンの一つの末端の
水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方、
及び他の一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接する水
酸基のいずれか一方が飽和脂肪酸によりエステル化され
た構造を有するトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを
70重量%以上含有するトリグリセリンジ脂肪酸エステ
ル組成物を1重量%以上含有する蛋白質含有食品の改質
剤にもある。
【0009】本発明は、トリグリセリン−1,9−ジ飽
和脂肪酸エステルを25重量%以上含有することを特徴
とするトリグリセリンジ脂肪酸エステル組成物を1重量
%以上含有する蛋白質含有食品の改質剤にもある。
【0010】本発明は、トリグリセリン−1,9−ジ飽
和脂肪酸エステルを0.5重量%以上含有する蛋白質含
有食品の改質剤にもある。
【0011】本発明は、トリグリセリンの一つの末端の
水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方、
及び他の一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接する水
酸基のいずれか一方が飽和脂肪酸によりエステル化され
た構造を有するトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを
20重量%以上含有することを特徴とするトリグリセリ
ン脂肪酸エステル組成物にもある。
【0012】本発明は、下記式(I)、(II)および
(III)で示されるトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステル
からなる群より選ばれる少なくとも一種のものを30重
量%以上含有するトリグリセリンジ脂肪酸エステル組成
物にもある。
【0013】
【化2】(式中、R1 〜R6 はそれぞれ独立に炭素数1
0〜24のアシル基を表す。)
【0014】本発明は、上記トリグリセリンジ脂肪酸エ
ステル組成物、あるいは上記トリグリセリン脂肪酸エス
テル組成物が水に分散されてなる蛋白質含有食品の改質
剤にもある。
【0015】本発明は、上記トリグリセリンジ脂肪酸エ
ステル組成物、あるいは上記トリグリセリン脂肪酸エス
テル組成物が食用油脂に溶解もしくは分散されてなる蛋
白質含有食品の改質剤組成物にもある。
【0016】本発明は、上記トリグリセリンジ脂肪酸エ
ステル組成物、あるいは上記トリグリセリン脂肪酸エス
テル組成物が1〜50重量%、食用油脂及び/又はジグ
リセリド5〜50重量%、および水20〜85重量%を
含む水中油型乳化油脂組成物の状態にある蛋白質含有食
品の改質剤組成物にもある。
【0017】本発明は、上記トリグリセリンジ脂肪酸エ
ステル組成物、あるいは上記トリグリセリン脂肪酸エス
テル組成物が1〜50重量%、食用油脂及び/又はジグ
リセリド5〜50重量%、糖5〜40重量%、及び水2
0〜85重量%を含む水中油型乳化油脂組成物の状態に
ある蛋白質含有食品の改質剤組成物にもある。
【0018】本発明は、上記トリグリセリンジ脂肪酸エ
ステル組成物、あるいは上記トリグリセリン脂肪酸エス
テル組成物が1〜50重量%、食用油脂及び/又はジグ
リセリド30〜99重量%、および水0.1〜60重量
%を含む油中水型乳化油脂組成物の状態にある蛋白質含
有食品の改質剤組成物にもある。
【0019】そして本発明は、改質剤又は改質剤組成物
で処理した小麦粉製品にもある。
【0020】以下に、本発明の好ましい態様を記載す
る。
【0021】(1)トリグリセリンの一つの末端の水酸
基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方、及び
他の一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接する水酸基
のいずれか一方が飽和脂肪酸によりエステル化された構
造を有するトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルが、ト
リグリセリンジ脂肪酸エステル組成物中に、80重量%
〜100重量%含有されている。
【0022】(2)トリグリセリン−1,9−ジ飽和脂
肪酸エステルがトリグリセリンジ脂肪酸エステル組成物
中に、35重量%以上含有されている。
【0023】(3)下記式(I)、(II)および(III)
で示されるトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルからな
る群より選ばれる少なくとも一種のものが、トリグリセ
リンジ脂肪酸エステル組成物中に、50重量%以上(更
に好ましくは、60〜100重量%)含有されている。
【0024】
【化3】(式中、R1 〜R6 はそれぞれ独立に炭素数1
0〜24のアシル基を表す。)
【0025】(4)R1 〜R6 で表されるアシル基が、
直鎖状の炭素数10〜24(好ましくは、12〜22)
の脂肪族アシル基である。 (5)改質剤が、小麦粉100重量部に対して、0.0
1〜5重量部(更に好ましくは、0.1〜1重量部)の
範囲で添加されている。 (6)改質剤組成物が、小麦粉100重量部に対して、
0.02〜20重量部(更に好ましくは0.02〜10
重量部、特に、0.5〜5重量部)の範囲で添加されて
いる。
【0026】以下に、本発明のトリグリセリンジ脂肪酸
エステル組成物、蛋白質含有食品の改質剤(改質剤組成
物)について説明する。トリグリセリンと飽和脂肪酸と
を用いたトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルの通常の
化学的な合成法においては、その反応生成物(トリグリ
セリン飽和脂肪酸エステル組成物)中のトリジグリセリ
ンジ飽和脂肪酸エステルの含有量は、高々40重量%程
度であり、これ以上の濃度で得ることは困難であり、そ
の他の成分として、トリグリセリン、飽和脂肪酸、トリ
グリセリンモノ飽和脂肪酸エステル、トリグリセリント
リ飽和脂肪酸エステル、トリグリセリンテトラ飽和脂肪
酸エステル、及びトリグリセリンペンタ飽和脂肪酸エス
テルが含まれてくる。
【0027】ここで使用される飽和脂肪酸は、炭素数1
0〜24の直鎖型のもので、これらの例としては、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキジン酸、及びベヘン酸を挙げること
ができる。またトリグリセリンとは、グリセリン3分子
から脱水縮合した構造を有するグリセリンの3量体で、
一般には、グリセリンの1級水酸基同士で脱水縮合した
形の直鎖型トリグリセリン、グリセリンの1級水酸基と
2級水酸基、あるいは2級水酸基同士で脱水縮合した分
岐型トリグリセリン、トリグリセリンから分子内脱水し
た形の環状型のトリグリセリンなどの異性体を意味す
る。この比率は、製造法によって異なり、本発明におい
ては、直鎖型トリグリセリンを主体に含むものが好まし
く使用でき、工業的に合成されているものが使用でき
る。なお、これらのトリグセリン成分は、グリシドール
エピクロロヒドリン等のグリセリン類似化合物から合成
したり、アセタール等の誘導体に変換した後、分画す
る、あるいはそれ自身の分画操作でそれぞれ単離するこ
とができる。
【0028】上記トリグリセリン飽和脂肪酸エステル組
成物から分取したトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステル
には、例えば、トリグリセリンとして、直鎖型トリグリ
セリンを用いた場合には、トリグリセリン−1,9−ジ
飽和脂肪酸エステル(以下、単に1,9体と称する場合
がある。以下同様である。)、トリグリセリン−1,8
−ジ飽和脂肪酸エステル(1,8体)、トリグリセリン
−2,8−ジ飽和脂肪酸エステル(2,8体)、トリグ
リセリン−1,2−ジ飽和脂肪酸エステル(1,2
体)、トリグリセリン−1,5−ジ飽和脂肪酸エステル
(1,5体)、そしてトリグリセリン−2,5−ジ飽和
脂肪酸エステル(2,5体)の異性体が含まれてくる。
【0029】また、トリグリセリンとして、直鎖型トリ
グリセリンと分岐型のトリグリセリンを含むものを用い
た場合には、その生成物であるトリグリセリンジ飽和脂
肪酸エステルの中には、上記の異性体以外に、分岐型ト
リグリセリンジ飽和脂肪酸エステル(分岐体)のものが
含まれてくる。
【0030】本発明のトリグリセリンジ脂肪酸エステル
組成物には、トリグリセリンの一つの末端の水酸基もし
くはそれに隣接する水酸基のいずれか一方、及び他の一
つの末端の水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいず
れか一方が飽和脂肪酸によりエステル化された構造を有
するトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステル、即ち、上記
1,9体、1,8体、2,8体、そして分岐体の特定の
構造を有するトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルが、
70重量%以上含有することを特徴とする。本発明にお
いて、上記特定の構造のトリグリセリンジ飽和脂肪酸エ
ステルは、トリグリセリン脂肪酸エステル組成物中に8
0〜100重量%含有されていることが好ましい。
【0031】また、本発明のトリグリセリンジ脂肪酸エ
ステル組成物には、上記1,9体が40重量%以上含ま
れており、好ましくは、35重量%以上含有されてい
る。
【0032】更に、本発明のトリグリセリンジ脂肪酸エ
ステル組成物には、下記式(I)、(II)及び(III)で
示されるトリジグリセリンジ飽和脂肪酸エステル(即
ち、1,9体、1,8体、及び2,8体)からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のジグリセリンジ飽和脂肪酸
エステルを30重量%以上(好ましくは50重量%、更
に好ましくは、60〜100重量%)含有されている。
【0033】
【化4】上記R1 〜R6 で表されるアシル基は、それぞ
れ同一であっても異なっていてもよい、直鎖状の炭素数
10〜24(更に好ましくは、炭素数12〜22、特に
炭素数16〜20)の脂肪族アシル基が好ましい。
【0034】また、トリグリセリン飽和脂肪酸エステル
組成物として見た場合、上記特定の構造のトリグリセリ
ンジ飽和脂肪酸エステル(すなわち、1,9体、1,8
体、2,8体、そして分岐体)は、トリグリセリン脂肪
酸エステル組成物中に、20重量%以上(好ましくは、
40重量%以上、更に好ましくは50重量%〜100重
量%)含有されている。
【0035】なお、本発明において、トリグリセリンジ
飽和脂肪酸エステル中の上記特定の構造のトリグリセリ
ンジ飽和脂肪酸エステル以外の成分(すなわち、1,2
体、1,5体、及び2.5体)の含有量は少ないことが
有利であり、その合計の含有量は好ましくは20重量%
未満で、更に好ましくは、15重量%以下、特に、10
重量%以下である。
【0036】本発明において、直鎖型トリグリセリンジ
飽和脂肪酸エステルには、20〜100重量%(更に好
ましくは40〜90重量%)のトリグリセリン−1,9
−ジ飽和脂肪酸エステル、0〜50重量%(更に好まし
くは25〜45重量%)のトリグリセリン−1,8−ジ
飽和脂肪酸エステル、及び0〜10重量%(更に好まし
くは2〜5重量%)のトリグリセリン−2,8−ジ飽和
脂肪酸エステルが含まれていることが好ましい。
【0037】また、分岐型トリグリセリンジ飽和脂肪酸
エステルが含まれる場合には、トリグリセリンジ飽和脂
肪酸エステルには、20〜90重量%(更に好ましくは
40〜70重量%)のトリグリセリン−1,9−ジ飽和
脂肪酸エステル、及びトリグリセリン−1,8−ジ飽和
脂肪酸エステルとトリグリセリン−2,8−ジ飽和脂肪
酸エステルと分岐型トリグリセリンジ飽和脂肪酸エステ
ルとの合計量が10〜60重量%(更に好ましくは30
〜55重量%)が含有されていることが好ましい。
【0038】本発明のトリグリセリンジ脂肪酸エステル
組成物は、化学的合成法、酵素反応による合成法を利用
して製造することができるが、酵素反応による合成法
は、前記特定の構造のトリグリセリンジ飽和脂肪酸エス
テルが高濃度で効率よく得られると言う利点がある。化
学的合成法を利用する場合には、本発明のトリグリセリ
ンジ脂肪酸エステル組成物は、トリグリセリンと飽和脂
肪酸又は飽和脂肪酸の低級アルキルエステルとを、生成
する水または低級アルコールを系外に除去しながら反応
させ、次いで得られた反応生成物から未反応物質を蒸留
除去することにより、得ることができる。また更に、得
られたトリグリセリンジ脂肪酸エステル組成物をクロマ
トグラフィーなどの分離、分画方法を利用して精製する
ことで特定の構造を有するトリグリセリンジ飽和脂肪酸
エステルを高濃度で含有したトリグリセリンジ飽和脂肪
酸エステルを得ることができる。
【0039】また酵素反応による合成法を利用する場合
には、本発明のトリグリセリンジ脂肪酸エステル組成物
は、トリグリセリンと飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸の低級
アルキルエステルとを、グリセリンのα位を選択的にエ
ステル化する酵素(固定化リパーゼ、あるいは菌体内リ
パーゼ)の存在下で生成する水又は低級アルコールを系
外に除去しながら反応させ、得られた反応生成物から酵
素を除いた後、次いで未反応物質を蒸留除去することに
より、得ることができる。また更に、得られたトリグリ
セリンジ脂肪酸エステル組成物をクロマトグラフィーな
どの分離、分画方法を利用して精製することで特定の構
造を有するトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを高濃
度で含有したトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを得
ることができる。
【0040】上記特定の構造を有するトリグリセリンジ
脂肪酸エステルを含有する本発明のジグリセリンジ脂肪
酸エステル組成物、あるいは上記特定の構造を有するト
リグリセリンジ脂肪酸エステルを含有する本発明のトリ
グリセリン脂肪酸エステル組成物は、蛋白質含有食品の
改質剤として有利に用いることができる。本発明におい
て、上記特定の構造を有するトリグリセリンジ脂肪酸エ
ステルを70重量%以上含有するトリグリセリンジ脂肪
酸エステル組成物、あるいはトリグリセリン−1,9−
ジ飽和脂肪酸エステルを25重量%以上含有するトリグ
リセリンジ脂肪酸エステル組成物を用いる場合が特に有
利であり、その場合、これらを1重量%以上(好ましく
は、5〜50重量%)含有する改質剤として使用する。
またトリグリセリン−1,9−ジ飽和脂肪酸エステル
は、0.5重量%以上(好ましくは、2〜50重量%)
含有する改質剤として使用する。
【0041】本発明のトリグリセリンジ脂肪酸エステル
組成物等を利用して改質剤(又は改質剤組成物)を調製
する際には、対象とする蛋白質含有食品に応じて種々の
使用形態をとることができる。好ましい形態としては、
上記組成物を適当な乳化剤を用いて水に分散させてなる
分散物の形態、上記組成物を含む水中油型の乳化油脂組
成物の形態、上記組成物を食用油脂に溶解又は分散させ
てなる形態、及び上記組成物を含む油中水型の乳化油脂
組成物の形態を挙げることができる。
【0042】上記トリグリセリン脂肪酸エステル組成物
が水に分散させてなる形態にある改質剤においては、該
組成物と水との混合重量比は、1:1〜1:1000
(更に好ましくは、1:2〜1:50)であることが好
ましい。
【0043】水中油型の乳化油脂組成物(改質剤組成
物)としては、例えば、以下の組成のものが好ましい。
上記トリグリセリン脂肪酸エステル組成物1〜50重量
%(好ましくは、5〜20重量%)、食用油脂及び/又
はジグリセリド5〜50重量%(好ましくは、5〜30
重量%)、及び水20〜85重量%(好ましくは、20
〜70重量%)からなるもの。
【0044】上記トリグリセリン脂肪酸エステル組成物
1〜50重量%(好ましくは、5〜20重量%)、食用
油脂及び/又はジグリセリド5〜50重量%(好ましく
は、5〜30重量%)、糖5〜40重量%(好ましく
は、15〜35重量%)、及び水20〜85重量%(好
ましくは、20〜70重量%)からなるもの。
【0045】上記トリグリセリン脂肪酸エステル組成物
が食用油脂に溶解又は分散させてなる形態にある改質剤
組成物において、該組成物と食用油脂との混合重量比
は、1:2〜1:1000(更に好ましくは、1:2〜
1:100)であることが好ましい。
【0046】また油中水型の乳化油脂組成物(改質剤組
成物)としては、例えば、以下の組成のものが好まし
い。上記トリグリセリン脂肪酸エステル組成物1〜50
重量%(好ましくは、2〜50重量%)、食用油脂及び
/又はジグリセリド30〜99重量%(好ましくは、5
0〜98重量%)、及び水0.1〜60重量%(好まし
くは、1〜40重量%)からなるもの。
【0047】上記形態の改質剤組成物の調製に用いる食
用油脂としては、通常食用に供する油脂でよく、例え
ば、菜種油、大豆油、コーン油、サフラワー油、オリー
ブ油、綿実油、ゴマ油、ハイエルシンナタネ油、パーム
油、パーム核油、椰子油、乳脂、ラード、牛脂、魚油、
鯨油及びこれらの硬化油、分別油、ランダム化油などか
ら選ばれた一種以上の油脂を挙げることができる。また
ジグリセリドは、上記のような食用油脂を原料としてエ
ステル交換反応などの公知の方法で得られたジグリセリ
ドを用いることができる。本発明の改質剤組成物の調製
には、上記のような食用油脂とジグリセリドとの混合物
を使用することが好ましい。そしてこの場合の食用油脂
とジグリセリドとの混合重量比は、10:1〜1:2
(特に、5:1〜1:1)であることが好ましい。
【0048】上記水中油型の乳化油脂組成物に用いる糖
としては、例えば、砂糖、麦芽糖、乳糖、ブドウ糖、果
糖、ガラクトース、水飴、異性化糖、転化糖、プルラン
などの糖類;ソルビトール、マルチトール、キシリトー
ルなどの糖アルコール類;澱粉加水分解物などの還元糖
類;及び澱粉、デキストラン、グリコーゲン、セルロー
ス、デキストリン、イヌリン、ガラクタン、キチン、ア
ルギン酸、ペクチンなどの多糖類を挙げることができ
る。これらは、一種または二種以上を組み合わせて使用
することができる。上記の中では、二糖類以上の糖類及
び糖アルコール類が好ましい。
【0049】上記のような改質剤又は改質剤組成物は、
常法に従い調製することができる。その際必要により、
乳化剤を使用することができる。乳化剤としては、例え
ば、モノグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ショ糖
脂肪酸エステル、有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステルなどを挙げることができる。これらの乳化
剤は、改質剤又は改質剤組成物の形態により選ばれる。
例えば、乳化油脂組成物の場合は、油相部には親油性の
乳化剤が、また水相部には親水性の乳化剤が一種または
二種以上を使用できる。親油性の乳化剤は、通常食用油
脂及び/又はジグリセリド100重量部に対して、0.
1〜50重量部(好ましくは、0.5〜10重量部)、
親水性の乳化剤は、水100重量部に対して、0.1〜
20重量部(好ましくは、1〜10重量部)それぞれ使
用される。
【0050】本発明の改質剤あるいは改質剤組成物は、
蛋白質を含有する食品のうちでも、パン、めん類、更に
は、パスタ類、餃子、春巻の皮、などの小麦粉を主体と
した小麦蛋白含有食品(小麦粉製品)において特に有利
に使用できる。ここで、「パン」とは、主原料としての
小麦粉に、食塩、水(捏水)、イーストフード、その
他、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、バ
ター、液状油等)、乳製品、糖類、親水性乳化剤、調味
料(グルタミン酸類、核酸類)、化学膨張剤、フレーバ
ー等の一種または二種以上を添加混捏し、発酵工程を経
て焼成したものを言う。勿論、フィリング等の詰め物を
したパンでも良い。即ち、本発明で言うパンは、食パ
ン、特殊パン、菓子パン、蒸しパン、ホットケーキなど
を意味する。
【0051】例えば、食パンとしては、白パン、黒パ
ン、フランスパン、バラエティブレッド、ロール(テー
ブルロール)、バンズ、バターロール等)を挙げること
ができる。特殊パンとしては、グリッシーニ、マフィ
ン、ラスク等、調理パンとしては、ホットドッグ、ハン
バーガー、ピザパイ等、菓子パンとしては、ジャムパ
ン、アンパン、クリームパン、レーズンパン、メロンパ
ン、スイートロール、リッチグッズ(クロワッサン、ブ
リオッシュ、デニッシュペストリー)などが挙げられ
る。蒸しパンとしては、肉まん、あんまん等が挙げられ
る。
【0052】また「めん類」とは、主原料としての小麦
粉に、食塩、水(捏水)、その他、油脂類(ショートニ
ング、ラード、マーガリン、バター、液状油等)、蛋白
質、糖類、親水性乳化剤、フレーバー等の一種または二
種以上を添加混捏したものを言う。めん類としては、例
えば、うどん(きしめんなども含む)、素麺(冷や麦な
どもを含む)、中華麺、そばなどを挙げることができ
る。
【0053】本発明の改質剤は、目的とする食品によっ
て異なるが、該改質剤を小麦粉100重量部に対して、
0.01〜5重量部(更に好ましくは、0.1〜1重量
部)の範囲で添加することが好ましい。また改質剤組成
物として使用する場合は、該組成物を小麦粉100重量
部に対して、0.02〜20重量部(更に好ましくは
0.02〜10重量部、特に0.5〜5重量部)の範囲
で添加することが好ましい。
【0054】なお、本発明の改質剤あるいは改質剤組成
物は、他の改質剤あるいは改質剤組成物として公知のも
のと組み合わせて使用することもできる。このような公
知の改質剤としては、例えば、モノグリセリド、有機酸
モノグリセリド、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、リン脂質類、アスコルビン
酸、及びその誘導体、有機酸類、アミノ酸類、塩類、酵
素製剤(アミラーゼ、プロテアーゼなど)を挙げること
ができる。
【0055】
【実施例】以下に、実施例、及び比較例を記載し、本発
明を更に具体的に説明する。なお、以下の「%」は重量
%を表わす。 [実施例1] (トリグリセリンジステアリン酸エステルの調製)ステ
アリン酸100重量部を70℃で溶解し、これにムコー
ル・ミーハイ由来のリパーゼを陰イオン交換樹脂に固定
した固定化リパーゼ製剤(商品名:Lipozyme,IM2
0,NOVO社製)10重量部と直鎖型トリグリセリン
42重量部を加え、減圧(2Torr)下、70℃で
6.5時間反応させた。反応生成物から濾過によって固
定化酵素を除いた後、薄膜式連続蒸留装置によって未反
応の脂肪酸、トリグリセリンとモノエステルを除去し
た。更にシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって
トリエステル、テトラエステルを除去し、トリグリセリ
ン−1,9−ジステアレート(約50%)、トリグリセ
リン−1,8−ジステアレート(約40%)、及びトリ
グリセリン−2,8−ジステアレート(約10%)の混
合物を得た。
【0056】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Aの調製)上記で得たトリグリセリンジステアリン
酸エステル混合物12重量部、グリセリンジオレイン酸
エステル7重量部、菜種白絞油15重量部を混合し、8
0℃にて加熱、融解、分散させて油性液を調製した(油
相部)。一方、D−ソルビット液(70%)40重量
部、水23重量部、及びショ糖エステルS−1170S
(HLB11、三菱化成(株)製)3重量部を60℃で
混合して水性液を調製した(水相部)。上記油性液に水
性液を添加しながら70℃でディスパーサー(商品名:
ヒスコトロン、日音医理科機械制作所(株)製)で乳化
し、本発明に従う水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Aを得た。
【0057】[実施例2]ステアリン酸100重量部を
70℃で溶解し、これにムコール・ミーハイ由来のリパ
ーゼを陰イオン交換樹脂に固定した固定化リパーゼ製剤
(商品名:Lipozyme,IM20,NOVO社製)10重
量部と直鎖型トリグリセリン42重量部を加え、減圧
(2Torr)下、70℃で6.5時間反応させた。反
応生成物から濾過によって固定化酵素を除いた後、薄膜
式連続蒸留装置によって未反応の脂肪酸、トリグリセリ
ンとモノエステルの大部分を除去し、粗トリグリセリン
ジステアリン酸エステル92重量部を得た。このものを
366重量部のアセトンに加熱して溶かした後、0℃ま
で冷却し、結晶を析出させた。結晶を濾過により採取
し、減圧乾燥し、白色固体(アセトン晶析品)を得た。
このものをガスクロマトグラフィーで分析したところ、
エステル部分の組成は、トリグリセリンモノステアリン
酸エステル2.7%、トリグリセリンジステアリン酸エ
ステル78.9%、トリグリセリントリステアリン酸エ
ステル18.4%であった。
【0058】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Bの調製)実施例1のトリグリセリンジステアリン
酸エステルの代わりに上記で得た白色固体(アセトン晶
析品)を19重量部用いること以外は、実施例1と同様
にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成物Bを得た。
【0059】[実施例3]上記実施例2で得られた白色
固体(アセトン晶析品)をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーでジエステル画分を分取し、トリグセリンジス
テアリン酸エステルを得た。このものをガスクロマトグ
ラフィーで分析したところ、その組成は、トリグセリン
−1,9−ジステアリン酸エステル52.9%、トリグ
リセリン−1,8−ジステアリン酸エステル38.6
%、及びトリグリセリン−2,8−ジステアリン酸エス
テル8.5%であった。
【0060】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Cの調製)実施例1のトリグリセリンジステアリン
酸エステルの代わりに上記で得たトリグリセリンジステ
アリン酸エステルを12重量部用いること以外は、実施
例1と同様にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成物
Cを得た。
【0061】[実施例4]ステアリン酸100重量部を
70℃で溶解し、これにムコール・ミーハイ由来のリパ
ーゼを陰イオン交換樹脂に固定した固定化リパーゼ製剤
(商品名:Lipozyme,IM20,NOVO社製)10重
量部とトリグリセリン(トリグリセリン含有量85%、
そのうち直鎖型トリグリセリン45%、分岐型トリグリ
セリン55%)42重量部を加え、減圧(2Torr)
下、70℃で6.5時間反応させた。反応生成物から濾
過によって固定化酵素を除いた後、薄膜式連続蒸留装置
によって未反応の脂肪酸、トリグリセリンとモノエステ
ルの大部分を除去し、粗トリグリセリンジステアリン酸
エステル92重量部を得た。このものを366重量部の
アセトンに加熱して溶かした後、0℃まで冷却し、結晶
を析出させた。結晶を濾過により採取し、減圧乾燥し、
白色固体(アセトン晶析品)を得た。このものをガスク
ロマトグラフィーで分析したところ、エステル部分の組
成は、トリグリセリンモノステアリン酸エステル3.7
%、トリグリセリンジステアリン酸エステル45.9
%、トリグリセリントリステアリン酸エステル42.0
%、トリグリセリンテトラステアリン酸エステル8.3
%であった。
【0062】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Dの調製)実施例1のトリグリセリンジステアリン
酸エステルの代わりに上記で得た白色固体(アセトン晶
析品)を31重量部用いること以外は、実施例1と同様
にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成物Dを得た。
【0063】[実施例5]上記実施例4で得られた白色
固体(アセトン晶析品)をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーでジエステル画分を分取し、トリグセリンジス
テアリン酸エステルを得た。
【0064】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Eの調製)実施例1のトリグリセリンジステアリン
酸エステルの代わりに上記で得たトリグリセリンジステ
アリン酸エステルを31重量部用いること以外は、実施
例1と同様にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成物
Eを得た。
【0065】[実施例6]上記実施例2において、ステ
アリン酸の代わりにベヘン酸を用い、反応温度を80℃
で行うこと以外は、実施例2と同様にして粗トリグリセ
リンジベヘン酸エステルを得た後、更に同様な処理を行
い白色固体(アセトン晶析品)を得た。そして得られた
白色固体(アセトン晶析品)をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーでジエステル画分を分取し、トリグセリン
ジベヘン酸エステルを得た。
【0066】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Fの調製)実施例1のトリグリセリンジステアリン
酸エステルの代わりに上記で得たトリグリセリンジベヘ
ン酸エステルを19重量部用いること以外は、実施例1
と同様にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成物Fを
得た。
【0067】[実施例7]上記実施例2において、ステ
アリン酸の代わりにラウリン酸を用いること以外は、実
施例2と同様にして粗トリグリセリンジラウリン酸エス
テルを得た後、更に同様な処理を行い白色固体(アセト
ン晶析品)を得た。そして得られた白色固体(アセトン
晶析品)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーでジエ
ステル画分を分取し、トリグセリンジラウリン酸エステ
ルを得た。
【0068】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Gの調製)実施例1のトリグリセリンジステアリン
酸エステルの代わりに上記で得たトリグリセリンジラウ
リン酸エステルを19重量部用いること以外は、実施例
1と同様にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成物G
を得た。
【0069】[比較例1] (水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成物)aの調製)
実施例1のトリグリセリンジステアリン酸エステル混合
物の代わりにグリセリンモノステアリン酸エステル(商
品名:エキセルT−95、花王(株)製)を用いること
以外は、実施例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物
aを得た。
【0070】[改質剤を食パンに使用した場合の評価]
上記のように調製した各改質剤組成物A〜G、及びaを
用いて、以下のような70%中種法に従う食パンの生地
を調製し、食パンを作った。なお、配合は下記の表1に
まとめて示した。 (中種生地の調製)中種配合材料(強力小麦粉1400
重量部、イースト40重量部、イーストフード2重量
部、水800重量部、及び改質剤組成物40重量部)を
ボールに入れ、縦型ミキサー(10コート、フック、関
東混合機(株)製)を用いて混捏し(低速2分、中高速
1分)、中種生地を調製した。中種生地の捏上げ温度
は、24℃であった。次に、これを温度27.5℃、相
対湿度75%の条件下で、4時間30分発酵させた(発
酵最終品温29.5℃)。 (本捏生地の調製)次に、この中種発酵生地に、本捏配
合材料(強力小麦粉600重量部、食塩40重量部、砂
糖100重量部、脱脂粉乳40重量部、水500重量
部)を添加し、混捏した(低速3分、中高速4分)。更
にこれに、ショートニング100重量部添加し、混捏
(低速2分、中高速3分)して、本捏生地を得た(生地
温度約27.5℃)。
【0071】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 中種配合(重量部) 本捏配合(重量部) ──────────────────────────────────── 強力小麦粉 1400 600 イースト 40 イーストフード 2 水 800 500 食塩 40 砂糖 100 脱脂粉乳 40 改質剤組成物 40 (小麦粉100重量部に対して2重量部添加) ショートニング 100 ────────────────────────────────────
【0072】次に、混捏でダメージを受けた上記生地を
回復させるためにフロアータイムを20分とった。その
後、該生地を450gの生地に分割した。分割でダメー
ジを受けた生地を回復させるためにベンチタイムを室温
で20分とり、分割生地をモルダーで整形した。次に、
整形物をワンローフのパン型に入れ、温度37.5℃、
相対湿度80%に設定したホイロで、40分間発酵させ
た。このようにして調製したパン生地をオーブン(21
0℃)で40分間焼成し、食パンを得た。
【0073】上記食パンの製造時における「生地のべた
つき」、及び「食感(口溶け、歯切れ)」について調
べ、評価した。なお、「生地のべたつき」及び「食感
(口溶け、歯切れ)」は、31名のパネラーを用いて以
下の基準で評価した。 (1)生地のべたつきについて、 A:生地のべたつきがほとんどない。 B:生地のべたつきがわずかに生じる。 C:生地のべたつきが生じたが、作業上問題となるほど
ではない。 D:生地のべたつきが生じ、作業上支障が生じる。 E:生地のべたつきがかなり生じ、作業に困難を生じ
る。
【0074】(2)食感について、 A:口溶け、歯切れが極めて良い。 B:口溶け、歯切れが良い。 C:口溶け、歯切れが少し劣るが、許容できる範囲であ
る。 D:口溶け、歯切れが余り良くない。 E:口溶け、歯切れが悪い。 以上の結果を下記の表2に示す。 なお、表2には、改質剤として粉末状(結晶)グリセリ
ンモノ脂肪酸エステル(商品名:MM−100、理研ビ
タミン(株)製)を小麦粉2000重量部に対して6重
量部添加した場合(比較例2)と改質剤組成物を添加し
なかった場合(比較例3)の結果も併せて記載した。
【0075】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 評価結果(生地の性質、製品の食感) 改質剤組成物 生地のべたつき 口溶け 歯切れ ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物A(実施例1) A A A 水中油型乳化組成物B(実施例2) A A A 水中油型乳化組成物C(実施例3) A A A 水中油型乳化組成物D(実施例4) A B A 水中油型乳化組成物E(実施例5) A A A 水中油型乳化組成物F(実施例6) A A A 水中油型乳化組成物G(実施例7) B B B ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物a(比較例1) B C D MM−100 (比較例2) C E E 無添加 (比較例3) E D D ────────────────────────────────────
【0076】上記表2に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤組成物を添加して食パンを製造する
と、生地の品質が改良されると共に、食感も向上する。
特に、食感については、口溶け、歯切れが顕著に向上す
る。
【0077】[改質剤をロールパンに使用した場合の評
価]上記食パンと同様にして下記の表3に示す配合のロ
ールパンを作り、食パンと同様に評価した。なお、ロー
ルパンの製造に際してホイロ発酵の条件を温度38.5
℃、45分間に、及び焼成条件を180℃、9分間にそ
れぞれ変更した。結果を下記の表4に示す。
【0078】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 中種配合(重量部) 本捏配合(重量部) ──────────────────────────────────── 強力小麦粉 1400 600 イースト 50 イーストフード 2 卵 200 水 720 460 食塩 34 砂糖 240 脱脂粉乳 40 改質剤組成物 40 (小麦粉100重量部に対して2重量部) マーガリン 300 ────────────────────────────────────
【0079】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 改質剤組成物(又は分散物) 評価結果(生地の性質、製品の食感) あるいは改質剤 生地のべたつき 口溶け 歯切れ ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物A(実施例1) A A A 水中油型乳化組成物B(実施例2) A A A 水中油型乳化組成物C(実施例3) A A A 水中油型乳化組成物D(実施例4) A B A 水中油型乳化組成物E(実施例5) A A A 水中油型乳化組成物F(実施例6) A A A 水中油型乳化組成物G(実施例7) B B B ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物a(比較例1) B C D MM−100 (比較例2) C E E 無添加 (比較例3) E D D ────────────────────────────────────
【0080】上記表4に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤組成物を添加してロールパンを製造
すると、上記の食パンと同様に、生地の品質が改良され
ると共に、食感も向上する。特に、食感については、口
溶け、歯切れが顕著に向上する。
【0081】[改質剤を菓子パンに使用した場合の評
価]上記食パンと同様にして下記の表5に示す配合の菓
子パンを作り、食パンと同様に評価した。なお、菓子パ
ンを製造する際にフロアータイムの条件を27℃、1時
間に、ホイロ発酵の条件を温度38℃、50分間に、そ
して焼成条件を180℃、9分間にそれぞれ変更した。
結果を下記の表6に示す。
【0082】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 中種配合(重量部) 本捏配合(重量部) ──────────────────────────────────── 強力小麦粉 700 300 イースト 30 イーストフード 1 卵 50 グルコース 50 水 380 182 食塩 10 砂糖 200 脱脂粉乳 20 改質剤組成物(又は分散物)20 (小麦粉100重量部に対して2重量部) ショートニング 100 ────────────────────────────────────
【0083】
【表6】 表6 ──────────────────────────────────── 評価結果(生地の性質、製品の食感) 改質剤組成物 生地のべたつき 口溶け 歯切れ ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物A(実施例1) B A A 水中油型乳化組成物B(実施例2) A A A 水中油型乳化組成物C(実施例3) A A A 水中油型乳化組成物D(実施例4) A B A 水中油型乳化組成物E(実施例5) A A A 水中油型乳化組成物F(実施例6) A A A 水中油型乳化組成物G(実施例7) B B B ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物a(比較例1) C C D MM−100 (比較例2) D E E 無添加 (比較例3) E D D ────────────────────────────────────
【0084】上記表6に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤組成物を添加して菓子パンを製造す
ると、上記の食パンと同様に生地の品質が改良されると
共に、食感も向上する。特に、食感については、口溶
け、歯切れが顕著に向上する。
【0085】
【発明の効果】本発明のトリグリセリンジ脂肪酸エステ
ル組成物は、蛋白質含有食品の改質剤として有利に用い
ることができる。特に小麦粉を使用した食品において、
その生地の弾性が増加し、生地自体が伸び易くなり、べ
たつきも抑えられる。この結果、機械耐性が向上すると
共に、製品の品質も向上する。また柔らかさと共に、口
溶け、歯切れ感などの食感が向上した製品を得ることが
できる。また麺などの場合には、コシもでて、一層良好
な食感となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 1/16 A23L 1/16 A // C07C 69/30 C07C 69/30 (72)発明者 福永 朋子 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1−8762− 23 (72)発明者 麻布 佳秀 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1−8762− 23 (72)発明者 安増 毅 茨城県鹿島郡波崎町柳川4081 (72)発明者 前田 秀夫 千葉県印旛郡富里町日吉台4−3−1 (56)参考文献 特開 昭61−234733(JP,A) 特開 平2−48034(JP,A) 特開 昭64−63032(JP,A) 特開 昭63−258540(JP,A) 特開 平6−225684(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/00 - 1/035 A23L 1/16 - 1/162 A21D 2/00 - 17/00 A23D 7/00 - 9/06 CA(STN)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリグリセリンの一つの末端の水酸基も
    しくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方、及び他の
    一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のい
    ずれか一方が飽和脂肪酸によりエステル化された構造を
    有するトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを70重量
    %以上含有することを特徴とするトリグリセリンジ脂肪
    酸エステル組成物。
  2. 【請求項2】 トリグリセリン−1,9−ジ飽和脂肪酸
    エステルを25重量%以上含有することを特徴とするト
    リグリセリンジ脂肪酸エステル組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のトリグリセリン
    ジ脂肪酸エステル組成物を1重量%以上含有する蛋白質
    含有食品の改質剤。
  4. 【請求項4】 トリグリセリン−1,9−ジ飽和脂肪酸
    エステルを0.5重量%以上含有する蛋白質含有食品の
    改質剤。
  5. 【請求項5】 トリグリセリンの一つの末端の水酸基も
    しくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方、及び他の
    一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のい
    ずれか一方が飽和脂肪酸によりエステル化された構造を
    有するトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを20重量
    %以上含有することを特徴とするトリグリセリン脂肪酸
    エステル組成物。
  6. 【請求項6】 下記式(I)、(II)及び(III)で示さ
    れるトリグリセリンジ飽和脂肪酸エステルからなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種のトリグリセリンジ飽和脂肪
    酸エステルを30重量%以上含むトリグリセリンジ脂肪
    酸エステル組成物。 【化1】(式中、R1 〜R6 はそれぞれ独立に炭素数1
    0〜24のアシル基を表す。)
  7. 【請求項7】 請求項1、2又は6に記載のトリグリセ
    リンジ脂肪酸エステル組成物が水に分散されてなる蛋白
    質含有食品の改質剤。
  8. 【請求項8】 請求項1、2又は6に記載のトリグリセ
    リンジ脂肪酸エステル組成物が油脂に溶解もしくは分散
    されてなる蛋白質含有食品の改質剤組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1、2又は6に記載のトリグリセ
    リンジ脂肪酸エステル組成物1〜50重量%、食用油脂
    及び/又はジグリセリド5〜50重量%、および水20
    〜85重量%を含む水中油型乳化油脂組成物の状態にあ
    る蛋白質含有食品の改質剤組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1、2または6に記載のトリグ
    リセリンジ脂肪酸エステル組成物1〜50重量%、食用
    油脂及び/又はジグリセリド5〜50重量%、糖5〜4
    0重量%、および水20〜85重量%を含む水中油型乳
    化油脂組成物の状態にある蛋白質含有食品の改質剤組成
    物。
  11. 【請求項11】 請求項1、2または6に記載のトリグ
    リセリンジ脂肪酸エステル組成物1〜50重量%、食用
    油脂及び/又はジグリセリド30〜99重量%、及び水
    0.1〜60重量%を含む油中水型乳化油脂組成物の状
    態にある蛋白質含有食品の改質剤組成物。
  12. 【請求項12】 請求項5に記載のトリグリセリン脂肪
    酸エステル組成物が水に分散されてなる蛋白質含有食品
    の改質剤。
  13. 【請求項13】 請求項5に記載のトリグリセリン脂肪
    酸エステル組成物が油脂に溶解もしくは分散されてなる
    蛋白質含有食品の改質剤組成物。
  14. 【請求項14】 請求項5に記載のトリグリセリン脂肪
    酸エステル組成物1〜50重量%、食用油脂及び/又は
    ジグリセリド5〜50重量%、および水20〜85重量
    %を含む水中油型乳化油脂組成物の状態にある蛋白質含
    有食品の改質剤組成物。
  15. 【請求項15】 請求項5に記載のトリグリセリン脂肪
    酸エステル組成物1〜50重量%、食用油脂及び/又は
    ジグリセリド5〜50重量%、糖5〜40重量%、およ
    び水20〜85重量%を含む水中油型乳化油脂組成物の
    状態にある蛋白質含有食品の改質剤組成物。
  16. 【請求項16】 請求項5に記載のトリグリセリン脂肪
    酸エステル組成物1〜50重量%、食用油脂及び/又は
    ジグリセリド30〜99重量%、及び水0.1〜60重
    量%を含む油中水型乳化油脂組成物の状態にある蛋白質
    含有食品の改質剤組成物。
  17. 【請求項17】 請求項3、請求項4、及び請求項7〜
    18のいずれかの項に記載の蛋白質食品の改質剤又は改
    質剤組成物で処理した小麦粉製品。
  18. 【請求項18】 パン又は麺である請求項17に記載の
    小麦粉製品。
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