JP3017035B2 - 蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉製品 - Google Patents

蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉製品

Info

Publication number
JP3017035B2
JP3017035B2 JP6336453A JP33645394A JP3017035B2 JP 3017035 B2 JP3017035 B2 JP 3017035B2 JP 6336453 A JP6336453 A JP 6336453A JP 33645394 A JP33645394 A JP 33645394A JP 3017035 B2 JP3017035 B2 JP 3017035B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diglycerin
weight
composition
oil
modifier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6336453A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07228550A (ja
Inventor
純 小堀
洋司 亀尾
直樹 細谷
朋子 福永
佳秀 麻布
毅 安増
秀夫 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP6336453A priority Critical patent/JP3017035B2/ja
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to ES95922732T priority patent/ES2194051T3/es
Priority to PCT/JP1995/001242 priority patent/WO1996019118A1/ja
Priority to US08/693,250 priority patent/US5789011A/en
Priority to DE69530483T priority patent/DE69530483T2/de
Priority to EP95922732A priority patent/EP0750848B1/en
Priority to BR9506809A priority patent/BR9506809A/pt
Publication of JPH07228550A publication Critical patent/JPH07228550A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3017035B2 publication Critical patent/JP3017035B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Noodles (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛋白質含有食品の改質
剤などとして有用なジグリセリンジ脂肪酸エステル組成
物に関する。更に詳しくは、本発明は、特に小麦粉を使
用した食品に添加することで、生地の性質や製品の食感
を更に改良することができるジグリセリンジ脂肪酸エス
テル組成物、蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成
物、並びに改質剤で処理した小麦粉製品に関する。
【0002】
【従来の技術】パン、めん類、ケーキ類のような小麦粉
を使用した食品は、主原料である小麦粉に、食塩、そし
て水を加えて作られる(パンの製造の場合は、更にイー
ストが添加される)。中でもパンについては、高品質あ
るいは特徴のあるパンを製造するために、あるいは作業
性を改善するために上記の配合に、更に油脂類、糖類、
乳製品、種々の添加剤が配合される場合が多い。
【0003】製パン用の添加剤としては、特開昭61−
234733号、同64−2523号、特開平2−12
4052号、あるいは同4−23940号の各公報にも
記載さているように、モノグリセリン脂肪酸エステルが
広く使用されているが、他にレシチン、ショ糖脂肪酸エ
ステル、有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステルなども提案されている。これらの添加剤は、製
造時の生地中に直接添加する、あるいは乳化物の状態で
添加するなどの方法で使用される。添加剤の使用により
生地の表面のべたつきが抑制され、これにより作業性の
低下(機械耐性の低下)が改良される、また製品には柔
らかさが付与され、口どけ感などの食感も改良されると
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討では、上記のような従来の添加剤の使用による
生地の性質や食感の改良は、まだ十分満足できるもので
はなく、更に改良の余地がある。本発明の目的は、蛋白
質含有食品の改質剤として有利に用いることができるジ
グリセリンジ脂肪酸エステル組成物を提供することであ
る。特に、製造時の生地の表面のべたつきを更に抑制
し、機械耐性を改良することにより、良好な作業性を実
現させると共に、製品には、柔らかさを付与し、それと
共に口溶け感、歯切れ感などの食感が更に改良されたパ
ン、めん類などを得ることができる小麦粉を主成分とし
た蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに該
改質剤で処理した小麦粉製品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記添加剤
のうちポリグリセリンジ脂肪酸エステルに着目し、その
使用を検討した。それによると、ジグリセリンジ脂肪酸
エステルにおいては、ジグリセリンの一方のグリセリン
の二つの水酸基が脂肪酸によりエステル化されてなる構
造のジグリセリンジ脂肪酸エステルに比べ、ジグリセリ
ンの一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接する水酸基
のいずれか一方、及び他の一つの末端の水酸基もしくは
それに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪酸によ
りエステル化された構造を有するジグリセリンジ飽和脂
肪酸エステルを80重量%以上含有するような、特定の
構造を有するジグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを高濃
度で含有するジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物、特
に前記式(I)〜(III)で示されるような構造のジグリ
セリンジ飽和脂肪酸エステルを60重量%以上を含有す
るジグリセリン脂肪酸エステル組成物を、蛋白質を含有
した生地、特に小麦蛋白質中に添加することにより、上
記の目的とする生地の性質や良好な食感の製品が得られ
ることを見い出し、本発明を完成させたものである。こ
のような良好な生地の性質や食感が得られる理由は明ら
かではないが、生地に含有されている蛋白質(小麦蛋白
質、及び他の成分として含まれている蛋白質)と、上記
のような特定の構造のジグリセリンジ飽和脂肪酸エステ
ルとの相互作用があるためと推定される。その結果、生
地の弾性が増加し、べたつきが抑えられたり、麺などの
場合には、コシがでたり、また口どけ感、歯切れ感の良
い小麦粉製品が製造できると考えられる。
【0006】本発明は、ジグリセリンの一つの末端の水
酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽
和脂肪酸によりエステル化され、かつ他の一つの末端の
水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が
飽和脂肪酸によりエステル化された構造を有するジグリ
セリンジ脂肪酸エステルを0.5重量%以上含有する蛋
白質含有食品の改質剤にある。なお、本発明の上記の特
定の構造を有するジグリセリンジ脂肪酸エステルは、他
の構造を有するジグリセリンジ脂肪酸エステルとの混合
物の状態で、蛋白質含有食品の改質剤に用いてもよい
が、その場合においては、本発明の上記の特定の構造を
有するジグリセリンジ脂肪酸エステルは、ジグリセリン
ジ脂肪酸エステル混合物中に37重量%以上含まれてい
ることが好ましく、特に60重量%以上、また80重量
%以上含まれていることがさらに好ましい。
【0007】本発明で用いるジグリセリンジ脂肪酸エス
テルは下記の式(I)、(II)、および(III)のうちの
いずれかの式で表わされる化合物であることが好まし
い。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】上記の各式において、R1〜R6はそれぞれ
独立に炭素数10〜24のアシル基を表わす。R1〜R6
で表わされるアシル基は、直鎖状の炭素数10〜24
(好ましくは12〜22)の脂肪族アシル基であること
が好ましい。
【0012】本発明で用いるジグリセリンジ脂肪酸エス
テルは、ジグリセリン−1,6−ジ脂肪酸エステルであ
ることが好ましい。
【0013】本発明の蛋白質含有食品の改質剤には、上
記のジグリセリンジ脂肪酸エステルが1.0重量%以上
の含有量で含まれていることが好ましい。
【0014】本発明は、ジグリセリンの一つの末端の水
酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽
和脂肪酸によりエステル化され、かつ他の一つの末端の
水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が
飽和脂肪酸によりエステル化された構造を有するジグリ
セリンジ脂肪酸エステルが水もしくは油脂に溶解もしく
は分散されてなる蛋白質含有食品の改質剤組成物にもあ
る。
【0015】本発明は、ジグリセリンの一つの末端の水
酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽
和脂肪酸によりエステル化され、かつ他の一つの末端の
水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が
飽和脂肪酸によりエステル化された構造を有するジグリ
セリンジ脂肪酸エステル1〜50重量%、食用油脂及び
/又はジグリセリド5〜50重量%、および水20〜8
5重量%を含む水中油型乳化油脂組成物の状態にある蛋
白質含有食品の改質剤組成物にもある。
【0016】本発明はまた、ジグリセリンの一つの末端
の水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方
が飽和脂肪酸によりエステル化され、かつ他の一つの末
端の水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一
方が飽和脂肪酸によりエステル化された構造を有するジ
グリセリンジ脂肪酸エステル1〜50重量%、食用油脂
及び/又はジグリセリド5〜50重量%、糖5〜40重
量%、および水20〜85重量%を含む水中油型乳化油
脂組成物の状態にある蛋白質含有食品の改質剤組成物に
もある。
【0017】本発明は、ジグリセリンの一つの末端の水
酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽
和脂肪酸によりエステル化され、かつ他の一つの末端の
水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が
飽和脂肪酸によりエステル化された構造を有するジグリ
セリンジ脂肪酸エステル1〜50重量%、食用油脂及び
/又はジグリセリド30〜99重量%、および水0.1
〜60重量%を含む油中水型乳化油脂組成物の状態にあ
る蛋白質含有食品の改質剤組成物にもある。
【0018】本発明は、前記の本発明の蛋白質含有食品
の改質剤で処理した小麦粉製品にもある。
【0019】本発明は特に、前記の本発明の蛋白質含有
食品の改質剤で処理した小麦粉を含むパンもしくは麺製
品製品にある。
【0020】本発明は、前記の本発明の蛋白質含有食品
の改質剤組成物で処理した小麦粉製品にもある。
【0021】本発明は、前記の本発明の蛋白質含有食品
の改質剤組成物で処理した小麦粉を含むパンもしくは麺
製品製品にもある。
【0022】前記の本発明の蛋白質含有食品の改質剤に
は、前記の特定の化学構造を有するジグリセリンジ脂肪
酸エステルを80重量%以上含有するジグリセリンジ脂
肪酸エステル組成物で含まれることが好ましい。
【0023】本発明の蛋白質含有食品の改質剤は、小麦
粉100重量部に対して、0.01〜5重量部(特に、
0.1〜1重量部)の範囲の量で添加されていることが
好ましい。
【0024】本発明の蛋白質含有食品の改質剤組成物に
ついては、小麦粉100重量部に対して、0.02〜2
0重量部(特に、0.02〜10重量部、さらには0.
5〜10重量部)の範囲の量で添加されていることが好
ましい。
【0025】以下に、本発明のジグリセリンジ脂肪酸エ
ステル組成物、及び蛋白質含有食品の改質剤(又は改質
剤組成物)について説明する。ジグリセリンと飽和脂肪
酸とを用いたジグリセリンジ飽和脂肪酸エステルの通常
の化学的な合成法においては、その反応生成物(ジグリ
セリン飽和脂肪酸エステル組成物)中のジグリセリンジ
飽和脂肪酸エステルの含有量は、高々40重量%程度で
あり、これ以上の濃度で得ることは困難であり、その他
の成分として、ジグリセリン、飽和脂肪酸、ジグリセリ
ンモノ飽和脂肪酸エステル、ジグリセリントリ飽和脂肪
酸エステル、及びジグリセリンテトラ飽和脂肪酸エステ
ルが含まれてくる。
【0026】ここで使用される飽和脂肪酸は、炭素数1
0〜24の直鎖型のもので、これらの例としては、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキジン酸、及びベヘン酸を挙げること
ができる。またジグリセリンとは、グリセリン2分子か
ら脱水縮合した構造を有するグリセリンの2量体で、一
般には、グリセリンの1級水酸基同士で脱水縮合した形
の直鎖型ジグリセリン、グリセリンの1級水酸基と2級
水酸基、あるいは2級水酸基同士で脱水縮合した分岐型
ジグリセリン、ジグリセリンから分子内脱水した形の環
状型のジグリセリンなどの異性体を意味するが、この比
率は、製造法によって異なり、本発明においては、直鎖
型ジグリセリンを主体に含むものが好ましく使用でき、
工業的に合成されているものが使用できる。なお、これ
らのジグリセリン成分は、グリシドールエピクロロヒド
リン等のグリセリン類似化合物から合成したり、アセタ
ール等の誘導体に変換した後、分画する、あるいはそれ
自身の分画操作でそれぞれ単離することができる。トリ
グリセリンが約20%程度入っていてもよい。
【0027】上記のジグリセリン飽和脂肪酸エステルか
ら分取したジグリセリンジ飽和脂肪酸エステルには、例
えば、ジグリセリンとして直鎖型のジグリセリンを用い
た場合には、ジグリセリン−1,6−ジ飽和脂肪酸エス
テル(以下、単に1,6体と称する場合がある。以下同
様である。)、ジグリセリン−1,5−ジ飽和脂肪酸エ
ステル(1,5体)、ジグリセリン−2,5−ジ飽和脂
肪酸エステル(2,5体)、そしてジグリセリン−1,
2−ジ飽和脂肪酸エステル(1,2体)の異性体が含ま
れている。
【0028】またジグリセリンとして、直鎖型ジグリセ
リンと分岐型ジグリセリンとを含むものを用いた場合に
は、その生成物であるジグリセリンジ飽和脂肪酸エステ
ルの中には、上記の異性体以外に、分岐型ジグリセリン
ジ飽和脂肪酸エステル(分岐体)のものが含まれてく
る。
【0029】本発明のジグリセリンジ脂肪酸エステル組
成物には、ジグリセリンの一つの末端の水酸基もしくは
それに隣接する水酸基のいずれか一方、及び他の一つの
末端の水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか
一方が飽和脂肪酸によりエステル化された構造を有する
ジグリセリンジ飽和脂肪酸エステル、すなわち、上記
1,6体、1,5体、2,5体、そして分岐体の特定の
構造のジグリセリンジ飽和脂肪酸エステルが80重量%
以上含有されていることを特徴とする。本発明におい
て、上記特定の構造のジグリセリンジ飽和脂肪酸エステ
ルは、ジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物中に90重
量%〜100重量%含有されていることが好ましい。
【0030】また、本発明のジグリセリンジ脂肪酸エス
テル組成物には、上記1,6体が40重量%以上含まれ
ており、好ましくは、50重量%以上含有されている。
【0031】さらに、本発明のジグリセリンジ脂肪酸エ
ステル組成物には、下記式(I)、(II)及び(III)で
示されるジグリセリンジ飽和脂肪酸エステル(即ち、
1,6体、1,5体、及び2,5体)からなる群より選
ばれる少なくとも一種のジグリセリンジ飽和脂肪酸エス
テルを60重量%以上(好ましくは70重量%、更に好
ましくは、80〜100重量%)含有されている。
【0032】
【化4】 上記R1 〜R6 で表されるアシル基は、それぞれ同一で
あっても異なっていてもよい、直鎖状の炭素数10〜2
4(更に好ましくは、炭素数12〜22、特に炭素数1
6〜20)の脂肪族アシル基が好ましい。
【0033】また、ジグリセリン飽和脂肪酸エステル組
成物として見た場合、上記特定の構造のジグリセリンジ
飽和脂肪酸エステル(すなわち、1,6体、1,5体、
2,5体、そして分岐体)は、ジグリセリン脂肪酸エス
テル組成物中に、37重量%以上(好ましくは、45重
量%以上、更に好ましくは55重量%〜100重量%)
含有されている。
【0034】なお、本発明において、ジグリセリンジ飽
和脂肪酸エステル中の1,2体の含有量は少ないことが
有利であり、その含有量は好ましくは20重量%未満
で、更に好ましくは、15重量%以下、特に、10重量
%以下である。
【0035】本発明において、直鎖型ジグリセリンジ飽
和脂肪酸エステルは、20〜100重量%(更に好まし
くは40〜90重量%)のジグリセリン−1,6−ジ飽
和脂肪酸エステル、0〜50重量%(更に好ましくは2
5〜45重量%)のジグリセリン−1,5−ジ飽和脂肪
酸エステル、及び0〜10重量%(更に好ましくは、0
〜5重量%)のジグリセリン−2,5−ジ飽和脂肪酸エ
ステルの組成であることが好ましい。
【0036】また分岐ジグリセリンジ飽和脂肪酸エステ
ルのものが含まれる場合には、ジグリセリンジ飽和脂肪
酸エステルは、20〜90重量%(更に好ましくは40
〜70重量%)のジグリセリン−1,6−ジ飽和脂肪酸
エステル、及びジグリセリン−1,5−ジ飽和脂肪酸エ
ステルとジグリセリン−2,5−ジ飽和脂肪酸エステル
と分岐型ジグリセリンジ飽和脂肪酸エステルとの合計量
が10〜60重量%(更に好ましくは30〜50重量
%)の組成であることが好ましい。
【0037】本発明のジグリセリンジ脂肪酸エステル組
成物は、化学的合成法、酵素反応による合成法を利用し
て製造することができるが、酵素反応による合成法は、
前記特定の構造のジグリセリンジ飽和脂肪酸エステルが
高濃度で効率よく得られると言う利点がある。化学的合
成法を利用する場合には、本発明のジグリセリンジ脂肪
酸エステル組成物は、ジグリセリンと飽和脂肪酸又は飽
和脂肪酸の低級アルキルエステルとを、生成する水又は
低級アルコールを系外に除去しながら反応させ、次いで
得られた反応生成物から未反応物質を蒸留除去すること
により、得ることができる。また更に、得られたジグリ
セリンジ脂肪酸エステルをクロマトグラフィーなどの分
離、分画方法を利用して精製することで、特定の構造を
有するジグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを高濃度で含
有したジグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを得ることが
できる。
【0038】また酵素反応による合成法を利用する場合
には、本発明のジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物
は、ジグリセリンと飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸の低級ア
ルキルエステルとを、グリセリンのα位を選択的にエス
テル化する酵素(固定化リパーゼ、あるいは菌体内リパ
ーゼ)の存在下で生成する水又は低級アルコールを系外
に除去しながら反応させ、得られた反応生成物から酵素
を除いた後、次いで未反応物質を蒸留除去することによ
り、得ることができる。また更に、得られたジグリセリ
ンジ脂肪酸エステルをクロマトグラフィーなどの分離、
分画方法を利用して精製することで、特定の構造を有す
るジグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを高濃度で含有し
たジグリセリンジ飽和脂肪酸エステルを得ることができ
る。
【0039】上記特定の構造を有するジグリセリンジ脂
肪酸エステルを含有する本発明のジグリセリンジ脂肪酸
エステル組成物、あるいは上記特定の構造を有するジグ
リセリンジ脂肪酸エステルを含有する本発明のジグリセ
リン脂肪酸エステル組成物は、蛋白質含有食品の改質剤
として有利に用いることができる。本発明において、上
記特定の構造を有するジグリセリンジ脂肪酸エステルを
80重量%以上含有するジグリセリンジ脂肪酸エステル
組成物、あるいはジグリセリン−1,6−ジ飽和脂肪酸
エステルを40重量%以上含有するジグリセリンジ脂肪
酸エステル組成物を用いる場合が特に有利であり、その
場合、これらを1重量%以上(好ましくは、5〜50重
量%)含有する改質剤として使用する。またジグリセリ
ン−1,6−ジ飽和脂肪酸エステルは、0.5重量%以
上(好ましくは、2〜50重量%)含有する改質剤とし
て使用する。
【0040】本発明のジグリセリンジ脂肪酸エステル組
成物等を利用して改質剤(又は改質剤組成物)を調製す
る際には、対象とする蛋白質含有食品に応じて種々の使
用形態をとることができる。好ましい形態としては、上
記組成物を適当な乳化剤を用いて水に分散させてなる分
散物の形態、上記組成物を含む水中油型の乳化油脂組成
物の形態、上記組成物を食用油脂に溶解又は分散させて
なる形態、及び上記組成物を含む油中水型の乳化油脂組
成物の形態を挙げることができる。
【0041】上記ジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物
が水に分散させてなる形態においては、該組成物と水と
の混合重量比は、1:1〜1:1000(更に好ましく
は、1:2〜1:50)であることが好ましい。
【0042】水中油型の乳化油脂組成物(改質剤組成
物)としては、例えば、以下の組成のものが好ましい。
上記ジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物1〜50重量
%(好ましくは、5〜20重量%)、食用油脂及び/又
はジグリセリド5〜50重量%(好ましくは、5〜30
重量%)、及び水20〜85重量%(好ましくは、20
〜70重量%)からなるもの。
【0043】上記ジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物
1〜50重量%(好ましくは、5〜20重量%)、食用
油脂及び/又はジグリセリド5〜50重量%(好ましく
は、5〜30重量%)、糖5〜40重量%(好ましく
は、15〜35重量%)、及び水20〜85重量%(好
ましくは、20〜70重量%)からなるもの。
【0044】上記ジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物
が食用油脂に溶解又は分散させてなる形態にある改質剤
組成物においては、該組成物と食用油脂との混合重量比
は、1:2〜1:1000(更に好ましくは、1:2〜
1:100)であることが好ましい。
【0045】また油中水型の乳化油脂組成物(改質剤組
成物)としては、例えば、以下の組成のものが好まし
い。上記ジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物1〜50
重量%(好ましくは、2〜50重量%)、食用油脂及び
/又はジグリセリド30〜99重量%(好ましくは、5
0〜98重量%)、及び水0.1〜60重量%(好まし
くは、1〜40重量%)からなるもの。なお、上記改質
剤又は改質剤組成物の調製において、ジグリセリン脂肪
酸エステル組成物を用いた場合でも上記ジグリセリンジ
脂肪酸エステル組成物と同様な組成で構成することがで
きる。
【0046】上記形態の改質剤組成物の調製に用いる食
用油脂としては、通常食用に供する油脂でよく、例え
ば、菜種油、大豆油、コーン油、サフラワー油、オリー
ブ油、綿実油、ゴマ油、ハイエルシンナタネ油、パーム
油、パーム核油、椰子油、乳脂、ラード、牛脂、魚油、
鯨油及びこれらの硬化油、分別油、ランダム化油などか
ら選ばれた一種以上の油脂を挙げることができる。また
ジグリセリドは、上記のような食用油脂を原料としてエ
ステル交換反応などの公知の方法で得られたジグリセリ
ドを用いることができる。本発明の改質剤組成物の調製
には、上記のような食用油脂とジグリセリドとの混合物
を使用することが好ましい。そしてこの場合の食用油脂
とジグリセリドとの混合重量比は、10:1〜1:2
(特に、5:1〜1:1)であることが好ましい。
【0047】上記水中油型の乳化油脂組成物に用いる糖
としては、例えば、砂糖、麦芽糖、乳糖、ブドウ糖、果
糖、ガラクトース、水飴、異性化糖、転化糖、プルラン
などの糖類;ソルビトール、マルチトール、キシリトー
ルなどの糖アルコール類;澱粉加水分解物などの還元糖
類;及び澱粉、デキストラン、グリコーゲン、セルロー
ス、デキストリン、イヌリン、ガラクタン、キチン、ア
ルギン酸、ペクチンなどの多糖類を挙げることができ
る。これらは、一種または二種以上を組み合わせて使用
することができる。上記の中では、二糖類以上の糖類及
び糖アルコール類が好ましい。
【0048】上記のような改質剤又は改質剤組成物は、
常法に従い調製することができる。その際必要により、
乳化剤を使用することができる。乳化剤としては、例え
ば、モノグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ショ糖
脂肪酸エステル、有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステルなどを挙げることができる。これらの乳化
剤は、改質剤又は改質剤組成物の形態により選ばれる。
例えば、乳化油脂組成物の場合は、油相部には親油性の
乳化剤が、また水相部には親水性の乳化剤が一種または
二種以上を使用できる。親油性の乳化剤は、通常食用油
脂及び/又はジグリセリド100重量部に対して、0.
1〜50重量部(好ましくは、0.5〜10重量部)、
親水性の乳化剤は、水100重量部に対して、0.1〜
20重量部(好ましくは、1〜10重量部)使用それぞ
れされる。
【0049】本発明の改質剤あるいは改質剤組成物は、
蛋白質を含有する食品のうちでも、パン、めん類、更に
は、パスタ類、餃子、春巻の皮、などの小麦粉を主体と
した小麦蛋白含有食品(小麦粉製品)において特に有利
に使用できる。ここで、「パン」とは、主原料としての
小麦粉に、食塩、水(捏水)、イーストフード、その
他、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、バ
ター、液状油等)、乳製品、糖類、親水性乳化剤、調味
料(グルタミン酸類、核酸類)、化学膨張剤、フレーバ
ー等の一種または二種以上を添加混捏し、発酵工程を経
て焼成したものを言う。勿論、フィリング等の詰め物を
したパンでも良い。即ち、本発明で言うパンは、食パ
ン、特殊パン、菓子パン、蒸しパン、ホットケーキなど
を意味する。
【0050】例えば、食パンとしては、白パン、黒パ
ン、フランスパン、バラエティブレッド、ロール(テー
ブルロール)、バンズ、バターロール等)を挙げること
ができる。特殊パンとしては、グリッシーニ、マフィ
ン、ラスク等、調理パンとしては、ホットドッグ、ハン
バーガー、ピザパイ等、菓子パンとしては、ジャムパ
ン、アンパン、クリームパン、レーズンパン、メロンパ
ン、スイートロール、リッチグッズ(クロワッサン、ブ
リオッシュ、デニッシュペストリー)などが挙げられ
る。蒸しパンとしては、肉まん、あんまん等が挙げられ
る。
【0051】また「めん類」とは、主原料としての小麦
粉に、食塩、水(捏水)、その他、油脂類(ショートニ
ング、ラード、マーガリン、バター、液状油等)、蛋白
質、糖類、親水性乳化剤、フレーバー等の一種または二
種以上を添加混捏したものを言う。めん類としては、例
えば、うどん(きしめんなども含む)、素麺(冷や麦な
どもを含む)、中華麺、そばなどを挙げることができ
る。
【0052】本発明の改質剤は、目的とする食品によっ
て異なるが、該改質剤を小麦粉100重量部に対して、
0.01〜5重量部(更に好ましくは、0.1〜1重量
部)の範囲で添加することが好ましい。また改質剤組成
物として使用する場合は、該組成物を小麦粉100重量
部に対して、0.02〜20重量部(更に好ましくは
0.02〜10重量部、特に0.5〜5重量部)の範囲
で添加することが好ましい。
【0053】なお、本発明の改質剤あるいは改質剤組成
物は、他の改質剤あるいは改質剤組成物として公知のも
のと組み合わせて使用することもできる。このような公
知の改質剤としては、例えば、モノグリセリド、有機酸
モノグリセリド、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、リン脂質類、アスコルビン
酸、及びその誘導体、有機酸類、アミノ酸類、塩類、酵
素製剤(アミラーゼ、プロテアーゼなど)を挙げること
ができる。
【0054】
【実施例】以下に、実施例、及び比較例を記載し、本発
明を更に具体的に説明する。なお、「%」は重量%を表
わす。 [実施例1] (ジグリセリンジステアリン酸エステルの調製)ステア
リン酸100重量部を70℃で溶解し、これにムコール
・ミーハイ由来のリパーゼを陰イオン交換樹脂に固定し
た固定化リパーゼ製剤(商品名:Lipozyme,IM20,
NOVO社製)10重量部と直鎖型ジグリセリン29重
量部を加え、減圧(2Torr)下、70℃で4時間反
応させた。反応生成物から濾過によって固定化酵素を除
いた後、薄膜式連続蒸留装置によって未反応の脂肪酸、
ジグリセリンとモノエステルを除去した。更にシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーによってトリエステルを除
去し、ジグリセリン−1,6−ジステアレート(約50
%)、ジグリセリン−1,5−ジステアレート(約45
%)、及びジグリセリン−2,5−ジステアレート(約
5%)の混合物を得た。
【0055】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Aの調製)上記で得たジグリセリンジステアリン酸
エステル混合物12重量部、グリセリンジオレイン酸エ
ステル7重量部、菜種白絞油15重量部を混合し、80
℃にて加熱、融解、分散させて油性液を調製した(油相
部)。一方、D−ソルビット液(70%)40重量部、
水23重量部、及びショ糖エステルS−1170S(H
LB11、三菱化成(株)製)3重量部を60℃で混合
して水性液を調製した(水相部)。上記油性液に水性液
を添加しながら70℃でディスパーサー(商品名:ヒス
コトロン、日音医理科機械制作所(株)製)で乳化し、
本発明に従う水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成物)
Aを得た。
【0056】[実施例2] (ジグリセリンジベヘン酸エステルの調製)上記実施例
1において、ジグリセリンジステアリン酸エステルの調
製において、ステアリン酸の代わりにベヘン酸を用い、
直鎖型ジグリセリンを24重量部、反応温度を80℃と
したこと以外は、同様にしてジグリセリン−1,6−ジ
ベヘネート(約42%)、ジグリセリン−1,5−ジベ
ヘネート(約49%)、及びジグリセリン−2,5−ジ
ベヘネート(約9%)の混合物を得た。
【0057】 (水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成物)Bの調製)
実施例1のジグリセリンジステアリン酸エステル混合物
の代わりに上記で得たジグリセリンジベヘン酸エステル
混合物を用いること以外は、実施例1と同様にして本発
明に従う水中油型乳化油脂組成物Bを得た。
【0058】[実施例3] (ジグリセリンジラウリン酸エステルの調製)上記実施
例1において、ジグリセリンジステアリン酸エステルの
調製において、ステアリン酸の代わりにラウリン酸を用
い、直鎖型ジグリセリンを41重量部、反応温度を50
℃としたこと以外は、同様にしてジグリセリン−1,6
−ジラウレート(約51%)、ジグリセリン−1,5−
ジラウレート(約46%)、及びジグリセリン−2,5
−ジラウレート(約3%)の混合物を得た。
【0059】 (水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成物)Cの調製)
実施例1のジグリセリンジステアリン酸エステル混合物
の代わりに上記で得たジグリセリンジラウリン酸エステ
ル混合物を用いること以外は、実施例1と同様にして本
発明に従う水中油型乳化油脂組成物Cを得た。
【0060】[実施例4] (蛋白質含有食品の改質剤を含む水分散物Dの調製)実
施例1の水中油型乳化油脂組成物Aの調製で用いたジグ
リセリンジステアリン酸エステル混合物10重量部、シ
ョ糖脂肪酸エステル(商品名:S−1170S、三菱化
成(株)製)1重量部、及び水89重量部を70℃でデ
ィスパーサーで分散し、本発明に従う改質剤を含む水分
散物Dを得た。
【0061】[実施例5] (油脂中に溶解又は分散された形態の改質剤組成物Eの
調製)実施例1の水中油型乳化油脂組成物Aの調製で用
いたジグリセリンジステアリン酸エステル混合物5重量
部、ショートニング(ニューエコナV、花王(株)製)
90重量部、及びナタネ油5重量部を70℃に加熱し、
溶解させて、均一化した。その後、これを0℃に冷却し
た容器に移し、攪拌させながら急冷固化し、本発明に従
う改質剤組成物E(ショートニング組成物)を得た。
【0062】[実施例6] (油中水型乳化油脂組成物(改質剤組成物)Fの調製)
実施例1の水中油型乳化油脂組成物Aの調製で用いたジ
グリセリンジステアリン酸エステル混合物2重量部、シ
ョートニング(ニューエコナV、花王(株)製)81重
量部、及びモノグリセリン脂肪酸エステル(T−95、
花王(株)製)0.5重量部を70℃に加熱し、溶解さ
せて、均一化した。その後、これを攪拌させながら水1
6.5重量部を少しずつ加え、油中水型乳化油脂組成物
を調製した。得られた油中水型乳化油脂組成物を混練し
ながら急冷し、本発明に従う改質剤組成物F(マーガリ
ン組成物)を得た。
【0063】[実施例7]ステアリン酸100重量部を
70℃で溶解し、これにムコール・ミーハイ由来のリパ
ーゼを陰イオン交換樹脂に固定した固定化リパーゼ製剤
(商品名:Lipozyme,IM20,NOVO社製)10重
量部とジグリセリン29重量部(直鎖型ジグリセリン6
9%と分岐型ジグリセリン31%)を加え、減圧(2T
orr)下、70℃で4時間反応させた。反応生成物か
ら濾過によって固定化酵素を除いた後、薄膜式連続蒸留
装置によって未反応のステアリン酸、ジグリセリンとモ
ノエステルの大部分を除去し、粗ジグリセリンジステア
リン酸エステル86重量部を得た。得られた粗ジグリセ
リンジステアリン酸エステルを350重量部のアセトン
に加熱して溶かした後、0℃まで冷却し、結晶を析出さ
せた。結晶を濾過により採取し、減圧乾燥し、白色固体
(アセトン晶析品)を得た。得られた白色固体(アセト
ン晶析品)をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、エステル部分の組成は、ジグリセリンモノステアリ
ン酸エステル1.9%、ジグリセリンジステアリン酸エ
ステル67.4%、ジグリセリントリステアリン酸エス
テル26.5%、及びジグリセリンテトラステアリン酸
エステル4.2%であった。
【0064】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Gの調製)実施例1のジグリセリンジステアリン酸
エステル混合物の代わりに上記で得た白色固体(アセト
ン晶析品)を19重量部用いること以外は、実施例1と
同様にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成物Gを得
た。
【0065】[実施例8]上記実施例7で得た白色固体
(アセトン晶析品)をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーでジエステル画分を分取し、ジグリセリンジステア
リン酸エステルを得た。得られたジグリセリンジステア
リン酸エステルをガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、その組成は、ジグリセリン−1,6−ジステアリ
ン酸エステルが50.9重量%、ジグリセリン−1,2
−ジステアリン酸エステル1.1%、ジグリセリン−
1,5−ジステアリン酸エステルとジグリセリン−2,
5−ジステアリン酸エステルと分岐型ジグリセリンのジ
ステアリン酸エステルの合計が48重量%であった。
【0066】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Hの調製)実施例1のジグリセリンジステアリン酸
エステル混合物の代わりに上記で得たジグリセリンジス
テアリン酸エステルを12重量部用いること以外は、実
施例1と同様にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成
物Hを得た。
【0067】[実施例9]直鎖型ジグリセリン200重
量部とステアリン酸684.7重量部を240℃、窒素
気流下で生成する水を系外に除去しながら4時間攪拌し
た。その後冷却し、反応終了品とした。このものの一部
を簿膜式蒸留器による減圧蒸留によってジグリセリン、
ステアリン酸、及びジグリセリンモノステアリン酸エス
テルを除去し、粗ジグリセリンジステアリン酸エステル
(高温エステル化品)を得た。得られた高温エステル化
品200重量部に活性白土6重量部を加え、110℃、
3Torr、30分攪拌した後、濾過し、脱色した。脱
色品を更に150℃、1時間、1Torrの条件で水蒸
気蒸留による脱臭を行い、白色固体183重量部を得
た。このものの組成をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、その組成は、ジグリセリンモノステアリン酸
エステル2.2%、ジグリセリンジステアリン酸エステ
ル53.2%、ジグリセリントリステアリン酸エステル
36.5%、及びジグリセリンテトラステアリン酸エス
テル7.9%であった。
【0068】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Iの調製)実施例1のジグリセリンジステアリン酸
エステル混合物の代わりに上記で得たジグリセリンジス
テアリン酸エステルを26重量部用いること以外は、実
施例1と同様にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成
物Iを得た。
【0069】[実施例10]上記実施例9で得られた粗
ジグリセリンジステアリン酸エステル(高温エステル化
品)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、
ジエステル画分を分取した。このジエステルの組成は、
ジグリセリン−1,2−ジステアリン酸エステル29.
8%、ジグリセリン−1,6−ジステアンリン酸エステ
ル41.9%、ジグリセリン−1,5−ジステアリン酸
エステル25%、及びジグリセリン−2,5−ジステア
リン酸エステル3.4%であった。
【0070】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Jの調製)実施例1のジグリセリンジステアリン酸
エステル混合物の代わりに上記で得たジグリセリンジス
テアリン酸エステルを12重量部用いること以外は、実
施例1と同様にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成
物Jを得た。
【0071】[実施例11]直鎖型ジグリセリン69%
及び分岐型ジグリセリン31%を含有するジグリセリン
249.3重量部とステアリン酸853.4重量部を2
40℃、窒素気流下で生成する水を系外に除去しながら
4.5時間攪拌した。その後冷却し、反応終了品とし
た。このものの組成をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、反応終了品は、ジグリセリン1.2%、ジグ
リセリンモノステアリン酸エステル16.9%、ジグリ
セリンジステアリン酸エステル43.3%、ジグリセリ
ントリステアリン酸エステル31.4%、及びジグリセ
リンテトラステアリン酸エステル7.2%を含んでい
た。得られた反応終了品を薄膜式蒸留器による減圧蒸留
によってジグリセリン、ステアリン酸、およびジグリセ
リンモノステアリン酸エステルの大部分を除去し、粗ジ
グリセリンジステアリン酸エステル(高温エステル化
品)357重量部を得た。このもの200重量部に活性
白土6重量部を加え、110℃、3Torr、30分攪
拌した後、濾過し、脱色した。脱色品を更に150℃、
1時間、1Torrの条件で水蒸気蒸留による脱臭を行
い、白色固体183重量部を得た。このものの組成をガ
スクロマトグラフィーで分析したところ、その組成は、
ジグリセリンモノステアリン酸エステル2.2%、ジグ
リセリンジステアリン酸エステル52.0%、ジグリセ
リントリステアリン酸エステル37.3%、及びジグリ
セリンテトラステアリン酸エステル8.5%であった。
【0072】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Kの調製)実施例1のジグリセリンジステアリン酸
エステル混合物の代わりに上記で得たジグリセリンジス
テアリン酸エステルを26重量部用いること以外は、実
施例1と同様にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成
物Kを得た。
【0073】[実施例12]上記実施例11で得られた
粗ジグリセリンジステアリン酸エステル(高温エステル
化品)をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、ジエ
ステル画分を分取した。このジエステルの組成は、ジグ
リセリン−1,2−ジステアリン酸エステル22.7
%、ジグリセリン−1,6−ジステアンリン酸エステル
22.4%、ジグリセリン−1,5−ジステアリン酸エ
ステルとジグリセリン−2,5−ジステアリン酸エステ
ルと分岐型ジグリセリンのジステアリン酸エステルの合
計が54.7%の組成であった。
【0074】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)Lの調製)実施例1のジグリセリンジステアリン酸
エステル混合物の代わりに上記で得たジグリセリンジス
テアリン酸エステルを12重量部用いること以外は、実
施例1と同様にして本発明に従う水中油型乳化油脂組成
物Lを得た。
【0075】[比較例1] (水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成物)aの調製)
実施例1のジグリセリンジステアリン酸エステル混合物
の代わりにグリセリンモノステアリン酸エステル(商品
名:エキセルT−95、花王(株)製)を用いること以
外は、実施例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物a
を得た。
【0076】[比較例2] (ジグリセリン−1,2−ジステアリン酸エステルの調
製)直鎖型ジグリセリン100重量部とアセトン22重
量部、硫酸0.2重量部と脱水のためのモレキラーシー
ブス4A8重量部を8時間加熱還流した。冷却後モノエ
タノールアミン0.1重量部で中和した。この反応生成
物を減圧蒸留し、ジグリセリンモノイソプロピリデンを
得た。上記で得たジグリセリンモノイソプロピリデン4
2重量部とステアリン酸クロライド134重量部、及び
ピリジン35重量部を室温で27時間混合した後、この
混合物に水と酢酸エチルを加え、抽出した。酢酸エチル
層を分取した後、酢酸エチルを減圧留去した。この物
を、再度ジエチルエーテル200重量部に溶解し、これ
に濃塩酸300重量部を加え、室温で1時間攪拌した
後、水相を分液し、水で水相が中性になるまで洗浄し
た。ジエチルエーテル層を分取し、ジエチルエーテルを
減圧で留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、ジグリセリン1,2−ジステアリン酸エス
テル(約90重量%含有)を得た。
【0077】(水中油型乳化油脂組成物(改質剤組成
物)bの調製)上記実施例1の水中油型乳化油脂組成物
Aの調製において、ジグリセリンジステアリン酸エステ
ル混合物の代わりに、上記で調製したジグリセリン−
1,2−ジステアリン酸エステルを用いること以外は、
実施例1と同様にして比較用の水中油型乳化油脂組成物
bを得た。
【0078】[改質剤を食パンに使用した場合の評価] 上記のように調製した各改質剤組成物(又は改質剤を含
む分散物)A〜E、G〜L、そしてa、bを用いて、以
下のような70%中種法に従う食パンの生地を調製し、
食パンを作った。なお、配合は下記の表1にまとめて示
した。 (中種生地の調製) 中種配合材料(強力小麦粉1400重量部、イースト4
0重量部、イーストフード2重量部、水800重量部、
及び改質剤組成物40重量部)をボールにいれ、縦型ミ
キサー(10コート、フック、関東混合機(株)製)を
用いて混捏し(低速2分、中高速1分)、中種生地を調
製した。中種生地の捏上げ温度は、24℃であった。次
に、これを温度27.5℃、相対湿度75%の条件下
で、4時間30分発酵させた(発酵最終品温度29.5
℃)。
【0079】(本捏生地の調製) 次に、この中種発酵生地に、本捏配合材料(強力小麦粉
600重量部、食塩40重量部、砂糖100重量部、脱
脂粉乳40重量部、水500重量部)を添加し、混捏し
た(低速3分、中高速4分)。更にこれに、ショートニ
ング100重量部添加し、混捏(低速2分、中高速3
分)して、本捏生地を得た(生地温度約27.5℃)。
【0080】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 中種配合(重量部) 本捏配合(重量部) ──────────────────────────────────── 強力小麦粉 1400 600 イースト 40 イーストフード 2 水 800 500 食塩 40 砂糖 100 脱脂粉乳 40 改質剤組成物(又は分散物)40 (小麦粉100重量部に対して2重量部添加) ショートニング 100 ──────────────────────────────────── なお、実施例5で得た改質剤組成物Eは、本捏配合材料
のショートニング(100重量部)の代わりに用いた
(すなわち、改質剤組成物Eを小麦粉100重量部に対
して5重量部添加した)。
【0081】次に、混捏でダメージを受けた上記生地を
回復させるためにフロアータイムを20分とった。その
後、該生地を450gの生地に分割した。分割でダメー
ジを受けた生地を回復させるためにベンチタイムを室温
で20分とり、分割生地をモルダーで整形した。次に、
整形物をワンローフのパン型に入れ、温度37.5℃、
相対湿度80%に設定したホイロで、40分間発酵させ
た。このようにして調製したパン生地をオーブン(21
0℃)で40分間焼成し、食パンを得た。
【0082】上記食パンの製造時における「生地のべた
つき」、及び「食感(口溶け、歯切れ)」について調
べ、評価した。なお、「生地のべたつき」及び「食感
(口溶け、歯切れ)」は、31名のパネラーを用いて以
下の基準で評価した。 (1)生地のべたつきについて、 A:生地のべたつきがほとんどない。 B:生地のべたつきがわずかに生じる。 C:生地のべたつきが生じたが、作業上問題となるほど
ではない。 D:生地のべたつきが生じ、作業上支障が生じる。 E:生地のべたつきがかなり生じ、作業に困難を生じ
る。
【0083】(2)食感について、 A:口溶け、歯切れが極めて良い。 B:口溶け、歯切れが良い。 C:口溶け、歯切れが少し劣るが、許容できる範囲であ
る。 D:口溶け、歯切れが余り良くない。 E:口溶け、歯切れが悪い。 以上の結果を下記の表2に示す。なお、表2には、改質
剤として粉末状(結晶)グリセリンモノ脂肪酸エステル
(商品名:MM−100、理研ビタミン(株)製)を小
麦粉2000重量部に対して6重量部添加した場合(比
較例4)と改質剤を添加しなかった場合(比較例5)の
結果も併せて記載した。
【0084】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 改質剤組成物(又は分散物) 評価結果(生地の性質、製品の食感) あるいは改質剤 生地のべたつき 口溶け 歯切れ ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物A(実施例1) A A A 水中油型乳化組成物B(実施例2) A B A 水中油型乳化組成物C(実施例3) B B B 水分散物D (実施例4) B B B 油に溶解又は分散物E(実施例5) A A A 水中油型乳化組成物G(実施例7) A B A 水中油型乳化組成物H(実施例8) A A A 水中油型乳化組成物I(実施例9) B B C 水中油型乳化組成物J(実施例10) B B C 水中油型乳化組成物K(実施例11) B B C 水中油型乳化組成物L(実施例12) B B C ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物a(比較例1) B C D 水中油型乳化組成物b(比較例2) B C D MM−100 (比較例4) C E E 無添加 (比較例5) E D D ────────────────────────────────────
【0085】上記表2に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤組成物(又は分散物)を添加して食
パンを製造すると、生地の品質が改良されると共に、食
感も向上する。特に、食感については、口溶け、歯切れ
が顕著に向上する。
【0086】[改質剤をロールパンに使用した場合の評
価]上記食パンと同様にして下記の表3に示す配合のロ
ールパンを作り、食パンと同様に評価した。なお、ロー
ルパンの製造に際してホイロ発酵の条件を温度38.5
℃、45分間に、及び焼成条件を180℃、9分間にそ
れぞれ変更した。結果を下記の表4に示す。
【0087】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 中種配合(重量部) 本捏配合(重量部) ──────────────────────────────────── 強力小麦粉 1400 600 イースト 50 イーストフード 2 卵 200 水 720 460 食塩 34 砂糖 240 脱脂粉乳 40 改質剤組成物(又は分散物)40 (小麦粉100重量部に対して2重量部) マーガリン 300 ──────────────────────────────────── なお、実施例6で得た改質剤組成物Fは、本捏配合材料
のマーガリン(300重量部)の代わりに用いた(すな
わち、改質剤組成物Fを小麦粉100重量部に対して1
5重量部添加した)。
【0088】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 改質剤組成物(又は分散物) 評価結果(生地の性質、製品の食感) あるいは改質剤 生地のべたつき 口溶け 歯切れ ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物A(実施例1) A A A 水中油型乳化組成物B(実施例2) A B A 水中油型乳化組成物C(実施例3) B B B 水分散物D (実施例4) B B B 油に溶解又は分散物F(実施例6) A A A 水中油型乳化組成物G(実施例7) A B A 水中油型乳化組成物H(実施例8) A A A 水中油型乳化組成物I(実施例9) B B C 水中油型乳化組成物J(実施例10) B B C 水中油型乳化組成物K(実施例11) B B C 水中油型乳化組成物L(実施例12) B B C ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物a(比較例1) B C D 水中油型乳化組成物b(比較例2) B C D MM−100 (比較例4) C E E 無添加 (比較例5) E D D ────────────────────────────────────
【0089】上記表4に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤組成物を添加してロールパンを製造
すると、上記の食パンと同様に、生地の品質が改良され
ると共に、食感も向上する。特に、食感については、口
溶け、歯切れが顕著に向上する。
【0090】[改質剤を菓子パンに使用した場合の評
価]上記食パンと同様にして下記の表5に示す配合の菓
子パンを作り、食パンと同様に評価した。なお、菓子パ
ンを製造する際にフロアータイムの条件を27℃、1時
間に、ホイロ発酵の条件を温度38℃、50分間に、そ
して焼成条件を180℃、9分間にそれぞれ変更した。
結果を下記の表6に示す。
【0091】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 中種配合(重量部) 本捏配合(重量部) ──────────────────────────────────── 強力小麦粉 700 300 イースト 30 イーストフード 1 卵 50 グルコース 50 水 380 182 食塩 10 砂糖 200 脱脂粉乳 20 改質剤組成物(又は分散物)20 (小麦粉100重量部に対して2重量部) ショートニング 100 ──────────────────────────────────── なお、実施例5で得た改質剤組成物Eは、本捏配合材料
のショートニング(100重量部)の代わりに用いた
(すなわち、改質剤組成物Fを小麦粉100重量部に対
して5重量部添加した)。
【0092】
【表6】 表6 ──────────────────────────────────── 改質剤組成物(又は分散物) 評価結果(生地の性質、製品の食感) あるいは改質剤 生地のべたつき 口溶け 歯切れ ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物A(実施例1) B A A 水中油型乳化組成物B(実施例2) B B A 水中油型乳化組成物C(実施例3) C B B 水分散物D (実施例4) B B B 油に溶解又は分散物E(実施例5) B A A 水中油型乳化組成物G(実施例7) A B A 水中油型乳化組成物H(実施例8) A A A 水中油型乳化組成物I(実施例9) B B C 水中油型乳化組成物J(実施例10) B B C 水中油型乳化組成物K(実施例11) B B C 水中油型乳化組成物L(実施例12) B B C ──────────────────────────────────── 水中油型乳化組成物a(比較例1) C C D 水中油型乳化組成物b(比較例2) C C D MM−100 (比較例4) D E E 無添加 (比較例5) E D D ────────────────────────────────────
【0093】上記表6に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤組成物(又は分散物)を添加して菓
子パンを製造すると、上記の食パンと同様に生地の品質
が改良されると共に、食感も向上する。特に、食感につ
いては、口溶け、歯切れが顕著に向上する。
【0094】[改質剤を麺に使用した場合の評価]以下
の方法で麺を製造し、評価した。実施例5で得られた改
質剤20重量部、食塩50重量部を水375重量部に溶
解した食塩水、小麦粉(中力粉)1000重量部を横形
のピンミキサーで10分間混捏した後、ローラー圧延、
麺切りを行って、麺を製造した。これを沸騰水中で10
分間茹でた後、評価した。評価は、茹でた後の製品の肌
荒れ(ささくれ)の状態を目視により下記の基準で、ま
た食感(コシ、歯切れ)については、前記のパンの場合
の食感の評価と同様な基準でそれぞれ評価した。 (1)肌荒れの状態について、 A:肌荒れがほとんどない。 B:肌荒れがわずかにある。 C:肌荒れが部分的にあるが、許容できる範囲である。 D:肌荒れが全体に広がってある。 E:肌荒れがかなりある。 以上の結果を下記の表7に示す。なお、表7には、改質
剤を添加しない場合(比較例5)の結果も併記した。
【0095】
【表7】 表7 ──────────────────────────────────── 茹でた後の製品 食感 改質剤 表面の肌荒れ コシ 歯切れ ──────────────────────────────────── 水分散物D(実施例4) B B B 無添加 (比較例5) C C C ────────────────────────────────────
【0096】上記表7に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤(分散物)を添加することにより、
麺にはコシが出て、歯切れも良くなり、また肌荒れも抑
えられ製品の品質も向上する。
【0097】
【発明の効果】本発明のジグリセリンジ脂肪酸エステル
組成物は、蛋白質含有食品の改質剤として有利に用いる
ことができる。そして特に小麦粉を使用した食品におい
て、その生地の弾性が増加し、生地自体が伸び易くな
り、べたつきも抑えられる。この結果、機械耐性が向上
すると共に、製品の品質も向上する。また柔らかさと共
に、口溶け、歯切れ感などの食感が向上した製品を得る
ことができる。また麺などの場合には、コシもでて、一
層良好な食感となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 69/33 C07C 69/33 (72)発明者 福永 朋子 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1−8762− 23 (72)発明者 麻布 佳秀 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1−8762− 23 (72)発明者 安増 毅 茨城県鹿島郡波崎町柳川4081 (72)発明者 前田 秀夫 千葉県印旛郡富里町日吉台4−3−1 (56)参考文献 特開 平4−145046(JP,A) 特開 平4−23940(JP,A) 特開 昭64−63337(JP,A) A.P.J.Mank et a l.,’Synthesis of a cyl di−and triglyc erols”,Chem.Phys.L ipids,1989,50,p.63−70 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D 2/16 A23L 1/16 C07C 69/33 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジグリセリンの一つの末端の水酸基もし
    くはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪酸
    によりエステル化され、かつ他の一つの末端の水酸基も
    しくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪
    酸によりエステル化された構造を有するジグリセリンジ
    脂肪酸エステルを0.5重量%以上含有する蛋白質含有
    食品の改質剤。
  2. 【請求項2】 ジグリセリンジ脂肪酸エステルがジグリ
    セリン−1,6−ジ脂肪酸エステルである請求項1に記
    載の改質剤。
  3. 【請求項3】 ジグリセリンジ脂肪酸エステルの含有量
    が1.0重量%以上である請求項1もしくは2に記載の
    改質剤。
  4. 【請求項4】 ジグリセリンの一つの末端の水酸基もし
    くはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪酸
    によりエステル化され、かつ他の一つの末端の水酸基も
    しくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪
    酸によりエステル化された構造を有するジグリセリンジ
    脂肪酸エステルが水もしくは油脂に溶解もしくは分散さ
    れてなる蛋白質含有食品の改質剤組成物。
  5. 【請求項5】 ジグリセリンの一つの末端の水酸基もし
    くはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪酸
    によりエステル化され、かつ他の一つの末端の水酸基も
    しくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪
    酸によりエステル化された構造を有するジグリセリンジ
    脂肪酸エステル1〜50重量%、食用油脂及び/又はジ
    グリセリド5〜50重量%、および水20〜85重量%
    を含む水中油型乳化油脂組成物の状態にある蛋白質含有
    食品の改質剤組成物。
  6. 【請求項6】 ジグリセリンの一つの末端の水酸基もし
    くはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪酸
    によりエステル化され、かつ他の一つの末端の水酸基も
    しくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪
    酸によりエステル化された構造を有するジグリセリンジ
    脂肪酸エステル1〜50重量%、食用油脂及び/又はジ
    グリセリド5〜50重量%、糖5〜40重量%、および
    水20〜85重量%を含む水中油型乳化油脂組成物の状
    態にある蛋白質含有食品の改質剤組成物。
  7. 【請求項7】 ジグリセリンの一つの末端の水酸基もし
    くはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪酸
    によりエステル化され、かつ他の一つの末端の水酸基も
    しくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が飽和脂肪
    酸によりエステル化された構造を有するジグリセリンジ
    脂肪酸エステル1〜50重量%、食用油脂及び/又はジ
    グリセリド30〜99重量%、および水0.1〜60重
    量%を含む油中水型乳化油脂組成物の状態にある蛋白質
    含有食品の改質剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至3のうちのいずれかの項に
    記載の改質剤で処理した小麦粉製品。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至3のうちのいずれかの項に
    記載の改質剤で処理した小麦粉を含むパンもしくは麺製
    品。
  10. 【請求項10】 請求項4乃至7のうちのいずれかの項
    に記載の改質剤組成物で処理した小麦粉製品。
  11. 【請求項11】 請求項4乃至7のうちのいずれかの項
    に記載の改質剤組成物で処理した小麦粉を含むパンもし
    くは麺製品。
JP6336453A 1993-12-22 1994-12-22 蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉製品 Expired - Fee Related JP3017035B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6336453A JP3017035B2 (ja) 1993-12-22 1994-12-22 蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉製品
PCT/JP1995/001242 WO1996019118A1 (fr) 1994-12-22 1995-06-21 Produit de modification et composition de modification pour substances contenant des proteines
US08/693,250 US5789011A (en) 1994-12-22 1995-06-21 Modifier for protein-containing materials and modifier composition
DE69530483T DE69530483T2 (de) 1994-12-22 1995-06-21 Modifizierendes produkt und modifizierende zusammensetzung für protein enthaltende substanz
ES95922732T ES2194051T3 (es) 1994-12-22 1995-06-21 Modificador y composicion modificadora para sustancias que contienen proteinas.
EP95922732A EP0750848B1 (en) 1994-12-22 1995-06-21 Modifier and modifier composition for protein-containing substance
BR9506809A BR9506809A (pt) 1994-12-22 1995-06-21 Modificador para materiais contendo proteina e composição modificadora

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-346356 1993-12-22
JP34635693 1993-12-22
JP6336453A JP3017035B2 (ja) 1993-12-22 1994-12-22 蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07228550A JPH07228550A (ja) 1995-08-29
JP3017035B2 true JP3017035B2 (ja) 2000-03-06

Family

ID=26575477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6336453A Expired - Fee Related JP3017035B2 (ja) 1993-12-22 1994-12-22 蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3017035B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4046437B2 (ja) * 1999-04-09 2008-02-13 日清オイリオグループ株式会社 油脂組成物
JP4061000B2 (ja) * 1999-10-01 2008-03-12 太陽化学株式会社 麺類の品質改良剤と麺類の製造方法
JP4381037B2 (ja) 2003-06-04 2009-12-09 花王株式会社 油脂組成物
EP2535326A1 (en) * 2011-06-16 2012-12-19 Koninklijke Philips Electronics N.V. Novel lipidomimetic compounds and uses thereof

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
A.P.J.Mank et al.,’Synthesis of acyl di−and triglycerols",Chem.Phys.Lipids,1989,50,p.63−70

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07228550A (ja) 1995-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7114650B2 (ja) 可塑性油脂組成物
EP0750848B1 (en) Modifier and modifier composition for protein-containing substance
KR101525278B1 (ko) 유화 유지 조성물
JP6827282B2 (ja) 可塑性油脂組成物
JP3017035B2 (ja) 蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉製品
JP6905915B2 (ja) 練り込み用油中水型乳化物とそれを用いた可塑性油脂および焼成品の製造方法
JP2889505B2 (ja) トリグリセリンジ脂肪酸エステル組成物、蛋白質含有食品の改質剤及び改質剤組成物、並びに改質剤で処理した小麦粉食品
JP6507737B2 (ja) 新規な層状膨化食品用生地及びロールインマーガリン
JP2018027079A (ja) 可塑性油脂組成物及び食品
JP2021164485A (ja) 層状食品用油中水型乳化物とそれを用いた可塑性油脂および層状食品の製造方法
TWI528900B (zh) Grease composition
JP2017105890A (ja) エステル交換油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂組成物
JP2020146067A (ja) 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品
JP6307780B2 (ja) ベーカリー用油脂組成物
JP3706235B2 (ja) 小麦粉製品用の生地
JP2018068138A (ja) 可塑性油脂組成物とそれを用いたマーガリン、スプレッド、バタークリーム
JPH05227873A (ja) パンの製造法
JP2693837B2 (ja) パンの改質方法
JP4425625B2 (ja) ベーカリー製品用マスキング剤
JP2017163892A (ja) 製パン用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂およびパンの製造方法
JPH09172941A (ja) 電子レンジによる再加熱用パン
JP3694168B2 (ja) 小麦粉製品の改質剤
JPH0525452B2 (ja)
JPH099882A (ja) 蛋白質含有食品の改質剤、改質剤組成物、及び改質剤で処理したパン
JP2022151254A (ja) クリーム用油脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19991207

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111224

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees