JPH099882A - 蛋白質含有食品の改質剤、改質剤組成物、及び改質剤で処理したパン - Google Patents

蛋白質含有食品の改質剤、改質剤組成物、及び改質剤で処理したパン

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JPH099882A
JPH099882A JP7187868A JP18786895A JPH099882A JP H099882 A JPH099882 A JP H099882A JP 7187868 A JP7187868 A JP 7187868A JP 18786895 A JP18786895 A JP 18786895A JP H099882 A JPH099882 A JP H099882A
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bread
dough
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weight
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JP7187868A
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Jun Kobori
純 小堀
Yoji Kameo
洋司 亀尾
Takeshi Yasumasu
毅 安増
Kazuichi Tomonobu
一市 友延
Naohito Kudo
尚人 工藤
Yoshinobu Nakajima
義信 中島
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造時においては、生地の表面のべたつきを
抑制し、機械耐性を改良して良好な作業性を実現させる
と共に、製品には、柔らかさを付与し、また口溶け感、
歯切れ感などの食感が改良されたパン、めん類などを得
ることができる小麦粉を主成分とした蛋白質含有食品の
改質剤、改質剤組成物、及び改質剤で処理したパンを提
供する。 【構成】 下記式(I)で示される糖アルコールジ飽和
脂肪酸エステルからなる蛋白質含有食品の改質剤。 【化1】 (式中、R1 、R2 :炭素数10〜24のアシル基;
n:2〜6の整数) 上記改質剤が食用油脂中に溶解又は分散された状態にあ
る蛋白質含有食品の改質剤組成物。上記改質剤で処理し
たパン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛋白質含有食品の改質
剤、改質組成物、及び改質剤で処理したパンに関する。
特に本発明は、小麦粉を使用した食品に添加することに
より、生地の性質や製品の食感を更に改良することがで
きる蛋白質含有食品の改質剤、改質剤組成物、及び改質
剤で処理したパンに関する。
【0002】
【従来の技術】パン、めん類のような小麦粉を使用した
食品は、主原料である小麦粉に、食塩、そして水を加え
て作られる(パンの製造の場合は、さらにイーストが添
加される)。中でもパンについては、高品質あるいは特
徴のあるパンを製造するために、あるいは作業性を改善
するために上記の配合に、更に油脂類、糖類、乳製品、
種々の添加剤が配合される場合が多い。
【0003】製パン用の添加剤としては、特開昭61−
234733号、同64−2523号、特開平2−12
4052号、あるいは同4−23940号の各公報にも
記載さているように、モノグリセリン脂肪酸エステルが
広く使用されているが、他にレシチン、ショ糖脂肪酸エ
ステル、有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステルなども提案されている。これらの添加剤は、製
造時の生地中に直接添加する、あるいは乳化物の状態で
添加するなどの方法で使用される。添加剤の使用により
生地の表面のべたつきが抑制され、これにより作業性の
低下(機械耐性の低下)が改良される、また製品には柔
らかさが付与され、口どけ感などの食感も改良されると
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討では、上記のような従来の添加剤の使用による
生地の性質や食感の改良はまだ十分満足できるものでは
なく、更に改良の余地がある。本発明の目的は、蛋白質
含有食品の製造時の生地の表面のべたつきを更に抑制
し、機械耐性を改良することにより、良好な作業性を実
現させると共に、製品には、柔らかさを付与し、それと
共に口溶け感、歯切れ感などの食感が更に改良されたパ
ン、めん類などを得ることができる小麦粉を主成分とし
た蛋白質含有食品の改質剤、改質剤組成物、及び改質剤
で処理したパンを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記式
(I)で示されるような両末端の水酸基の一個ずつがエ
ステル化されてなる特定の構造の糖アルコールジ飽和脂
肪酸エステルを、蛋白質を含有した食品、特に小麦蛋白
質を含有した生地中に添加することにより、上記の目的
とする生地の性質や良好な食感の製品が得られることを
見い出し、本発明を完成させたものである。このような
良好な生地の性質や食感が得られる理由は明らかではな
いが、生地に含有されている蛋白質(小麦蛋白質、及び
他の成分として含まれている蛋白質)と、上記のような
特定の構造の糖アルコールジ飽和脂肪酸エステルとの相
互作用があるためと推定される。その結果、生地の弾性
が増加し、べたつきが抑えられたり、麺などの場合に
は、コシがでたり、また口どけ感、歯切れ感の良い製品
が製造できると考えられる。
【0006】本発明は、下記式(I)で示される糖アル
コールジ飽和脂肪酸エステルからなる蛋白質含有食品の
改質剤にある。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に炭
素数10〜24のアシル基を表し、nは、2〜6の整数
を表す。)
【0009】本発明は、上記式(I)で示される糖アル
コールジ飽和脂肪酸エステルからなる蛋白質含有食品の
改質剤が食用油脂中に溶解又は分散されてなる蛋白質含
有食品の改質剤組成物にもある。
【0010】また本発明は、上記式(I)で示される糖
アルコールジ飽和脂肪酸エステルからなる蛋白質含有食
品の改質剤、あるいはこれを含む改質剤組成物で処理し
たパンにもある。
【0011】以下に、本発明の好ましい態様を記載す
る。 (1)R1 及びR2 で表されるアシル基が、直鎖状で飽
和の炭素数10〜24(好ましくは、12〜22)の脂
肪族アシル基である。 (2)nが、3〜6(更に好ましくは3〜4)である。 (3)上記の改質剤が、小麦粉100重量部に対して、
0.01〜5重量部(更に好ましくは、0.05〜3重
量部、特に、0.1〜1重量部)の範囲で添加されてい
る。 (4)上記の改質剤組成物が、小麦粉100重量部に対
して、0.02〜30重量部(更に好ましくは、0.1
〜20重量部、特に0.5〜5重量部)の範囲で添加さ
れている。
【0012】以下に、本発明の蛋白質含有食品の改質剤
について説明する。本発明の蛋白質含有食品の改質剤
は、下記の式(I)で示される糖アルコールジ飽和脂肪
酸エステルである。
【0013】
【化3】
【0014】上記R1 及びR2 で表されるアシル基は、
それぞれ同一であっても異なっていてもよい、直鎖状で
飽和の炭素数10〜24(更に好ましくは、炭素数12
〜22、特に炭素数16〜20)の脂肪族アシル基が好
ましい。また、nは、3〜6(更に好ましくは、3〜
4)が好ましい。この場合、重合度の異なるものの混合
物であってもよい。
【0015】本発明で用いられる上記式(I)で示され
る糖アルコールジ飽和脂肪酸エステルは、糖アルコール
と飽和脂肪酸とのエステル化反応により得られた生成
物、あるいは糖アルコールと飽和脂肪酸エステルとのエ
ステル交換反応により得られた生成物を蒸留、結晶化、
クロマト分離等の方法で分画することで得ることができ
るが、糖アルコールのα位を選択的にエステル化する酵
素を用いた酵素反応により、糖アルコールの一級の水酸
基のみをエステル化した後分画する方法を利用すると更
に効率よく得ることができる。
【0016】本発明で用いられる上記式(I)で示され
る糖アルコールジ飽和脂肪酸エステルは混合物として得
られるため、通常は混合物として用いる。なお上記式
(I)で示される糖アルコールジ飽和脂肪酸エステルに
は分岐体や環状体が一部存在していてもさしつかえな
い。
【0017】本発明の改質剤は、対象とする蛋白質含有
食品に応じて種々の使用形態をとることができるが、本
発明では、上記エステルが食用油脂に溶解又は分散させ
てなる形態にあることが好ましい。溶解又は分散させる
ための食用油脂は、通常食用に供する油脂でよく、例え
ば、菜種油、大豆油、コーン油、サフラワー油、オリー
ブ油、綿実油、ゴマ油、ハイエルシンナタネ油、パーム
油、パーム核油、椰子油、乳脂、ラード、牛脂、魚油、
鯨油及びこれらの硬化油、分別油、ランダム化油などか
ら選ばれた一種以上の油脂を挙げることができる。また
上記のような食用油脂を原料としてエステル交換反応な
どの公知の方法で得られたジグリセリドを用いることも
できる。本発明の改質剤組成物の調製には、上記のよう
な食用油脂とジグリセリドとの混合物を使用することが
好ましい。そしてこの場合の食用油脂とジグリセリドと
の混合重量比は、10:1〜1:2(特に、5:1〜
1:1)であることが好ましい。
【0018】上記式(I)で示される糖アルコールジ飽
和脂肪酸エステルが食用油脂に溶解又は分散させてなる
形態にある改質剤組成物において、該エステルと食用油
脂との混合重量比は、1:1〜1:1000(更に好ま
しくは1:2〜1:100)であることが好ましい。
【0019】本発明の改質剤あるいは改質剤組成物は、
蛋白質を含有する食品のうちでも、パン、めん類、更に
は、パスタ類、餃子、春巻の皮、ビスケット、ケーキな
どの小麦粉を主体とした小麦蛋白含有食品において特に
有利に使用できる。ここで、「パン」とは、主原料とし
ての小麦粉に、食塩、水(捏水)、イーストフード、そ
の他、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、
バター、液状油等)、乳製品、糖類、親水性乳化剤、調
味料(グルタミン酸類、核酸類)、化学膨張剤、フレー
バー等の一種または二種以上を添加混捏し、発酵工程を
経て焼成したものを言う。勿論、フィリング等の詰め物
をしたパンでも良い。即ち、本発明で言うパンは、食パ
ン、特殊パン、菓子パン、蒸しパン、ホットケーキなど
を意味する。
【0020】例えば、食パンとしては、白パン、黒パ
ン、フランスパン、バラエティブレッド、ロール(テー
ブルロール)、バンズ、バターロール等)を挙げること
ができる。特殊パンとしては、グリッシーニ、マフィ
ン、ラスク等、調理パンとしては、ホットドッグ、ハン
バーガー、ピザパイ等、菓子パンとしては、ジャムパ
ン、アンパン、クリームパン、レーズンパン、メロンパ
ン、スイートロール、リッチグッズ(クロワッサン、ブ
リオッシュ、デニッシュペストリー)などが挙げられ
る。蒸しパンとしては、肉まん、あんまん等が挙げられ
る。
【0021】また「めん類」とは、主原料としての小麦
粉に、食塩、水(捏水)、その他、油脂類(ショートニ
ング、ラード、マーガリン、バター、液状油等)、蛋白
質、糖類、親水性乳化剤、フレーバー等の一種または二
種以上を添加混捏したものを言う。めん類としては、例
えば、うどん(きしめんなども含む)、素麺(冷や麦な
どもを含む)、中華麺、そばなどを挙げることができ
る。その他、肉、ソーセージなどにも使用することもで
きる。
【0022】本発明の改質剤は、対象とする食品によっ
て異なるが、該改質剤を小麦粉100重量部に対して、
0.01〜5重量部(更に好ましくは、0.05〜3重
量部、特に0.1〜1重量部)の範囲で添加することが
好ましい。また改質剤組成物として使用する場合は、該
組成物を小麦粉100重量部に対して、0.02〜30
重量部(更に好ましくは、0.1〜20重量部、特に
0.5〜5重量部)の範囲で添加することが好ましい。
【0023】なお、本発明の蛋白質含有食品の改質剤あ
るいは改質剤組成物は、他の改質剤あるいは改質剤組成
物として公知のものと組み合わせて使用することもでき
る。このような公知の改質剤としては、例えば、モノグ
リセリド、有機酸モノグリセリド、グリセリン脂肪酸エ
ステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、リン脂質
類、アスコルビン酸、及びその誘導体、有機酸類、アミ
ノ酸類、塩類、酵素製剤(アミラーゼ、プロテアーゼな
ど)を挙げることができる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例、及び比較例を記載し、本発
明を更に具体的に説明する。 [実施例1] (ソルビトール−1,6−ジステアレートの調製)ステ
アリン酸568.9g(2モル)を2Lの4つ口フラス
コに入れ、溶解し75℃とした。これにムコール・ミー
ハイ由来のリパーゼを陰イオン交換樹脂に固定した固定
化リパーゼ製剤(商品名:Lipozyme,IM20,NOV
O社製)56.9gとソルビトール364.3g(2モ
ル)を加え、攪拌した。75℃、常圧で1時間攪拌した
後、300Toorrに減圧し、更にフラスコ上部に窒
素ガスを流し、生成する水を系外に除去した。反応が進
行するに従って、フラスコ内壁に結晶が付着した。22
時間後攪拌を止め、加温したイソプロパノール1.5L
でスラリーとし静置し、上澄みと中間層を採取した。残
部結晶に更にイソプロパノール1Lを加え、同様に操作
した。イソプロパノールを減圧留去した後、ヘキサン
1.5Lを加え60℃に加熱分散し、不溶部を濾過し
た。この不溶部を酢酸エチル1.5Lに分散し、水0.
3Lを加え、60℃に加熱し結晶を溶解した後、静置し
た。分層した水層を除いた後、水0.3Lで更に水洗し
た。酢酸エチル層を濾過した後、減圧で酢酸エチルを留
去した白色結晶80.8gを得た。これをガスクロマト
グラフィーで分析したところソルビトールモノステアレ
ート43%、ソルビトールジステアレート41%を含ん
でいた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出溶剤:クロロホルム/メタノール)で精製し、ソ
ルビトールジステアレート30gを得た。これをプロト
ンNMRで測定したところ、ソルビトール−1,6−ジ
ステアレートであることが確認された。
【0025】(改質剤組成物(ショートニング組成物)
Aの調製)上記で得たソルビトール−1,6−ジステア
レート5g、ショートニング(ニューエコナV、花王
(株)製)90g、ナタネ油5gをソルビトール−1,
6−ジステアレートが溶解するまで加熱し、均一化した
後、0℃に冷却した容器中に移し冷却固化し、油中に溶
解した状態にある本発明に従う改質剤組成物(ショート
ニング組成物)Aを得た。
【0026】[実施例2] (ソルビトール−1,6−ジラウレートの調製)実施例
1のソルビトール−1,6−ジステアレートの調製にお
いて、ステアリン酸の代わりにラウリン酸を用いたこと
以外は、同様にしてソルビトール−1,6−ジラウレー
トを得た。また上記と同様にこれをプロトンNMRで測
定したところ、ソルビトール−1,6−ジラウレートで
あることが確認された。
【0027】(改質剤組成物(ショートニング組成物)
Bの調製)実施例1のソルビトール−1,6−ジステア
レートの代わりに上記で得たソルビトール−1,6−ジ
ラウレートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして
油中に溶解した状態にある本発明に従う改質剤組成物
(ショートニング組成物)Bを得た。
【0028】[実施例3] (エリスリトール−1,4−ジステアレートの調製)ス
テアリン酸284.5g(1モル)を1Lの4つ口フラ
スコに入れ、溶解し75℃とした。これにムコール・ミ
ーハイ由来のリパーゼを陰イオン交換樹脂に固定した固
定化リパーゼ製剤(商品名:Lipozyme,IM20,NO
VO社製)28.4gとmeso−エリスリトール122.
1g(1モル)を加え攪拌した。75℃、常圧で45分
間攪拌した後、300Toorrに減圧し、更にフラス
コ上部に窒素ガスを流し、生成する水を系外に除去し
た。反応が進行するに従ってフラスコ内壁に結晶が付着
した。18時間後攪拌を止め、加温したイソプロパノー
ル2Lで抽出した。イソプロパノールを減圧留去した
後、ヘキサン1.5Lを加え、60℃に加熱し、不溶部
を濾過した。ヘキサンに不溶な部分をガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、meso−エリスリトールとエリ
スリトールジステアレートであった。これを酢酸エチル
1.5Lに分散し、水0.3Lを加え、60℃に加熱
し、結晶を溶解した後、静置した。分層した水層を除い
た後、水0.3Lで更に水洗した。酢酸エチル層を濾過
した後、濾液を氷水で冷却し、結晶を析出させた。結晶
を濾過、乾燥し、エリスリトール−1,4−ジステアレ
ート75.2gを得た。また上記と同様にこれをプロト
ンNMRで測定したところ、エリスリトール−1,4−
ジステアレートであることが確認された。
【0029】(改質剤組成物(ショートニング組成物)
Cの調製)実施例1のソルビトール−1,6−ジステア
レートの代わりに上記で得たエリスリトール−1,4−
ジステアレートを用いたこと以外は、実施例1と同様に
して油中に溶解した状態にある本発明に従う改質剤組成
物(ショートニング組成物)Cを得た。
【0030】[改質剤を食パンに使用した場合の評価]
上記のように調製した改質剤組成物A〜Cを用いて、以
下のような70%中種法に従う食パンの生地を調製し、
食パンを作った。なお、配合は下記の表1にまとめて示
した。 (中種生地の調製)中種配合材料(強力小麦粉1400
重量部、イースト40重量部、イーストフード2重量
部、及び水800重量部)をボールに入れ、縦型ミキサ
ー(10コート、フック、関東混合機(株)製)を用い
て混捏し(低速2分、中高速1分)、中種生地を調製し
た。中種生地の捏上げ温度は、24℃であった。次に、
これを温度27.5℃、相対湿度75%の条件下で、4
時間30分発酵させた(発酵最終品温29.5℃)。 (本捏生地の調製)次に、この中種発酵生地に、本捏配
合材料(強力小麦粉600重量部、食塩40重量部、砂
糖100重量部、脱脂粉乳40重量部、水500重量
部)を添加し、混捏した(低速3分、中高速4分)。更
にこれに、改質剤組成物100重量部を添加し、混捏
(低速2分、中高速3分)して、本捏生地を得た(生地
温度約27.5℃)。
【0031】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 中種配合(重量部) 本捏配合(重量部) ──────────────────────────────────── 強力小麦粉 1400 600 イースト 40 イーストフード 2 水 800 500 食塩 40 砂糖 100 脱脂粉乳 40 改質剤組成物 100 (小麦粉100重量部に対して20重量部) ────────────────────────────────────
【0032】次に、混捏でダメージを受けた上記生地を
回復させるためにフロアータイムを20分とった。その
後、該生地を450gの生地に分割した。分割でダメー
ジを受けた生地を回復させるためにベンチタイムを室温
で20分とり、分割生地をモルダーで整形した。次に、
整形物をワンローフのパン型に入れ、温度37.5℃、
相対湿度80%に設定したホイロで、40分間発酵させ
た。このようにして調製したパン生地をオーブン(21
0℃)で40分間焼成し、食パンを得た。
【0033】上記食パンの製造時における「生地のべた
つき」、及び「食感(口溶け、歯切れ)」について調
べ、評価した。なお、「生地のべたつき」及び「食感
(口溶け、歯切れ)」は、31名のパネラーを用いて以
下の基準で評価した。 (1)生地のべたつきについて、 A:生地のべたつきがほとんどない。 B:生地のべたつきがわずかに生じる。 C:生地のべたつきが生じたが、作業上問題となるほど
ではない。 D:生地のべたつきが生じ、作業上支障が生じる。 E:生地のべたつきがかなり生じ、作業に困難を生じ
る。
【0034】(2)食感について、 A:口溶け、歯切れが極めて良い。 B:口溶け、歯切れが良い。 C:口溶け、歯切れが少し劣るが、許容できる範囲であ
る。 D:口溶け、歯切れが余り良くない。 E:口溶け、歯切れが悪い。 以上の結果を下記の表2に示す。なお、表2には、本発
明に係る改質剤組成物(100重量部)の代わりに、シ
ョートニング(ニューエコナV、花王(株)製)を同量
添加した場合(比較例1)、及び本発明に係る改質剤組
成物(100重量部)の代わりに、ショートニング(ニ
ューエコナV、花王(株)製)100重量部と粉末状
(結晶)グリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名:MM
−100、理研ビタミン(株)製)6重量部とを添加し
た場合(比較例2)の結果も併せて記載した。
【0035】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 評価結果(生地の性質、製品の食感) 改質剤組成物 生地のべたつき 口溶け 歯切れ ──────────────────────────────────── ショートニング組成物A(実施例1) A B B ショートニング組成物B(実施例2) B C C ショートニング組成物C(実施例3) B C C ──────────────────────────────────── ショートニング (比較例1) C D D ショートニング (比較例2) C E E +MM−100 ────────────────────────────────────
【0036】上記表2に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤組成物を添加して食パンを製造する
と、生地の品質が改良されると共に、食感も向上する。
特に本発明の改質剤組成物Aを添加するとその効果は顕
著である。
【0037】[改質剤を菓子パンに使用した場合の評
価]上記食パンと同様にして下記の表3に示す配合の菓
子パンを作り、食パンと同様に評価した。なお、菓子パ
ンを製造する際にフロアータイムの条件を27℃、1時
間に、ホイロ発酵の条件を温度38℃、50分間に、そ
して焼成条件を180℃、9分間にそれぞれ変更した。
結果を下記の表4に示す。
【0038】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 中種配合(重量部) 本捏配合(重量部) ──────────────────────────────────── 強力小麦粉 700 300 イースト 30 イーストフード 1 卵 50 グルコース 50 水 380 182 食塩 10 砂糖 200 脱脂粉乳 20 改質剤組成物 100 (小麦粉100重量部に対して10重量部) ────────────────────────────────────
【0039】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 評価結果(生地の性質、製品の食感) 改質剤組成物 生地のべたつき 口溶け 歯切れ ──────────────────────────────────── ショートニング組成物A(実施例1) B C B ショートニング組成物B(実施例2) B C C ショートニング組成物C(実施例3) B C C ──────────────────────────────────── ショートニング (比較例1) C D D ショートニング (比較例2) C E E +MM−100 ────────────────────────────────────
【0040】上記表4に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤組成物を添加して菓子パンを製造す
ると、上記の食パンと同様に生地の品質が改良されると
共に、食感も向上する。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る改質剤は、蛋白質含有食品
中の蛋白質に作用してその改質作用を示すが、特に小麦
粉を使用した食品において、その生地の弾性が増加し、
生地自体が伸び易くなり、べたつきも抑えられる。その
結果、機械耐性が向上すると共に、製品の品質も向上す
る。また柔らかさと共に、口溶け、歯切れ感などの食感
が向上した製品を作ることができる。また麺などの場合
には、コシもでて、一層良好な食感となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 尚人 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1−8762−23 (72)発明者 中島 義信 茨城県鹿島郡波崎町土合本町1−8762−23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で示される糖アルコールジ
    飽和脂肪酸エステルからなる蛋白質含有食品の改質剤。 【化1】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に炭素数10〜2
    4のアシル基を表し、nは、2〜6の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の蛋白質含有食品の改質
    剤が食用油脂中に溶解又は分散された状態にある蛋白質
    含有食品の改質剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の改質剤で処理したパ
    ン。
JP7187868A 1995-06-30 1995-06-30 蛋白質含有食品の改質剤、改質剤組成物、及び改質剤で処理したパン Withdrawn JPH099882A (ja)

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