JP2751560B2 - 製パン用乳化油脂組成物及びパンの製造方法 - Google Patents
製パン用乳化油脂組成物及びパンの製造方法Info
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Description
パン用油脂組成物及びそれを用いたパンの製造方法に関
するものである。
品であるが、製造後数日で老化して硬くなり、商品価値
が急速に低下する。
パンの製造販売のための大きな課題となっている。
までに多くの検討が行われており、様々な方法が提案さ
れている。
る方法であり、数種の乳化剤に老化防止効果が認めら
れ、実用化されている。
パン生地に直接添加して広く使用されている。
ついても、老化防止効果の検討が行われている。
る方法は、風味、食感が低下するため添加量が制限され
るので、十分な老化防止効果が得られない。
加率は、食感及び風味の点から小麦粉に対して、0.2〜
0.3重量%がギリギリの上限であり、この範囲では老化
防止効果は不十分である。
した結果が得られにくい上、酵素を使用した場合には生
地がベタつき、ダレるため作業性が低下する問題があ
る。
る。
に、油脂、乳化剤、その他の添加物の組合せを検討し、
これらの相乗効果により、ソフトで老化が遅く、風味、
食感の良好なパンを製造することができる製パン用乳化
油脂組成物及びこれを用いるパンの製造方法を提供する
ことである。
乳化剤を添加した油相とショ糖脂肪酸エステル、酵素並
びに糖及び/又は糖アルコールを添加した水相からなる
水中油型乳化油脂組成物を使用することにより、良好な
製パン性能を有し、しかもソフトで老化が遅く、風味、
食感の良好なパンが製造できることを見い出し、本発明
を完成した。
重量部中において、油相部が25〜70重量部で、水相部が
75〜30重量部からなり、該油相部が(A)モノグリセリ
ド5〜15重量部及び(B)ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル0.5〜7.5重量部を含有する液体油であって、かつ、該
油相部に含有される前記(A)成分と(B)成分に関し
て、両成分の重量比(A/B)が10/1〜10/5である油相に
より構成され、他方、該水相部中にHLB11以上のショ糖
脂肪酸エステル1〜4重量部及びアミラーゼ0.05〜0.5
重量部を含む水溶液に、さらに糖及び/又は糖アルコー
ルを添加した水相により構成されていることを特徴とす
る製パン用乳化油脂組成物及び該組成物を用いたパンの
製造方法である。
において、油相部が25〜70重量部で、水相部が75〜30重
量部からなる乳化油脂組成物である。
全に液体状である食用油脂であり、例えば、ナタネ油、
大豆油、コーン油、サフラワー油、綿実油などの植物油
などがこれに該当する。
所定の使用量だけ溶解させ、所望により他の添加物も溶
解させて、乳化油脂組成物全体量100重量部に対して油
相部を25〜70重量部、好ましくは30〜60重量部配合す
る。
グリセリンと脂肪酸のエステルで、脂肪酸の種類として
は特に制限はないが、一般的にはステアリン酸などが用
いられる。
成物100重量部中の5〜15重量部である。5重量部未満
だと十分な老化防止効果が得られず、15重量部を超える
と食感、風味が低下する。
エステルとは、グリセリンの重合物であるポリグリセリ
ンと脂肪酸のエステルである。
であれば、特に制限なく使用することができる。
は、通常、重合度2〜3、HLB5以下、脂肪酸成分として
はステアリン酸のものを好適に使用することができる。
エステルの添加量は、乳化油脂組成物中に0.5〜7.5重量
部であり、かつ、モノグリセリド/ポリグリセリン脂肪
酸エステルが10/1〜10/5の重量比率になるように配合す
る必要がある。この配合比率において安定な乳化状態が
得られ、十分な老化防止効果を示し、かつ食感、風味へ
の悪影響をおさえることができる。
酸エステルを溶解した水溶液に糖及び/又は糖アルコー
ルを添加した配合物で形成される。本発明組成物の水相
部に溶解させる添加物の添加順序は適宜入れ換えること
ができ、結果として、アミラーゼ及びショ糖脂肪酸エス
テルの乳化油脂組成物に対する配合割合がここに特定す
る範囲に入っているものであれば本発明の効果が発揮さ
れる。例えば、アミラーゼは乳化形成効果にあまり影響
しないものであるので、水中油型の乳化状態を形成して
から最後にアミラーゼを添加することができる。
用に使用されているα−アミラーゼを使用することがで
きる。α−アミラーゼは乳化油脂組成物100重量部中の
0.05〜0.5重量部になるように添加される。添加量が0.0
5重量部未満だと十分な老化防止効果が得られず、0.5重
量部を超えると生地のベタつき、ダレが起こり、作業性
が低下する。
としては、HLB11以上のものであればどのようなもので
も使用することができる。通常、ステアリン酸エステル
を好適に使用することができる。
化油脂組成物100重量部中の1〜4重量部になるように
添加することができる。添加量が4重量部を超えると食
感、風味が低下し、1重量部未満では十分な乳化安定性
及び老化防止効果が得られない。
分に対して糖及び/又は糖アルコールを0.5〜3倍の重
量比になるように加えることにより、乳化油脂の安定性
及び保存性を向上させることができる。糖としては、シ
ョ糖、ブドウ糖、マルトースなどを使用することがで
き、糖アルコールとしては、ソルビトール、マルチトー
ルなどを使用することができる。
部の所定量を前記の処方により調製し、両者を昇温後、
水相部に油相部を加えて水中油型乳化状態をつくり、冷
却して製造することができる。
する場合は、アミラーゼ以外の添加物を配合した水相部
を用いて乳化してから、徐冷又は急冷により50℃以下に
冷却後、バッチ方式により又は連続的にアミラーゼを添
加して本発明乳化油脂組成物を製造することができる。
は、パン生地ミキシング時に本発明の乳化油脂組成物を
粉100重量部に対して2〜5重量部を添加する。なお、
その際、通常のパン練り込み用油脂(マーガリン、ショ
ートニング)の比率は、本発明の乳化油脂組成物の添加
率に見合う分を減少させることができる。また、中種法
による製造の場合は、本捏ミキシングでの添加も可能で
あるが、中種ミキシング時に本発明乳化油脂組成物を添
加する方がより効果的である。
下%は重量%、部は重量部を示す。
相部を調製し、それぞれを70〜80℃に昇温する。
ーを用いて40〜45℃まで冷却した後、バッチ方式により
アミラーゼを混合して乳化油脂組成物Aを製造した。
食パンを製造した。
℃)。
を作る。
成形する。
る。
て、24時間毎に該食パンから試料クラム(寸法3×5×
5cm)10片を作成して、クラムの硬さの変化をレオメー
ターを用いて測定し、3日間の測定結果を第1表に示し
た。
施例1のパンはクラムがソフトで老化が遅かった。
を除いた配合で、乳化油脂組成物Bを製造した。製造方
法は実施例1と同様である。
が、数時間で乳化の均一性が乱れ始め、光沢がなくなり
若干量の油の分離が認められた。
により食パンを製造し、製造された食パンの評価を行っ
た。結果は第1表に示した。実施例1のパンと比較する
と、やや硬く、老化が速い。
施例1に準じた操作を行って、アミラーゼの混合を省略
した方法によって乳化油脂組成物Cを製造した。
により食パンを製造し、製造された食パンの評価を行っ
た。結果は第1表に示した。実施例1のパンと比較する
と、老化防止効果及びソフトさが劣る。
MM-100)0.3部、アミラーゼ(グリンドアミルS-100)0.
003部を別添し、本捏ミキシング時にショートニングを
6部用い、その他は実施例1の製造方法に準じ食パンを
製造した。製造された食パンの評価結果を第1表に示し
た。
トさでかなり劣っていた。また、製造時のパン生地の状
態もベタついて作業性が不良であった。その上、パンが
口中でくちゃつき、口どけが不良であった。
乳化脂肪組成物に変えることにより、ソフトで老化が遅
く、風味、食感の良好なパンを作ることが可能である。
化剤、酵素、糖及び/糖アルコールの添加物の相乗効果
によるもので、各素材を単独で用いた場合に比べ、それ
ぞれの添加量を少量にしても大きな老化防止効果が得ら
れるため、風味、食感などを損なわないで、目的を達成
することができる利点がある。
けの低下及び酵素の欠点である生地物性の低下も改良さ
れ、食感、風味及び製パン時の作業性に悪影響を与える
ことなく、ソフトで老化しにくいパンを作ることができ
る利点が大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】水中油型の乳化油脂組成物100重量部中に
おいて、油相部が25〜70重量部で、水相部が75〜30重量
部からなり、該油相部が(A)モノグリセリド5〜15重
量部及び(B)ポリグリセリン脂肪酸エステル0.5〜7.5
重量部を含有する液体油であって、かつ、該油相部に含
有される前記(A)成分と(B)成分に関して、両成分
の重量比(A/B)が10/1〜10/5である油相により構成さ
れ、他方、該水相部中にHLB11以上のショ糖脂肪酸エス
テル1〜4重量部及びアミラーゼ0.05〜0.5重量部を含
む水溶液に、さらに糖及び/又は糖アルコールを添加し
た水相により構成されていることを特徴とする製パン用
乳化油脂組成物。 - 【請求項2】請求項1記載の乳化油脂組成物を使用する
ことを特徴とするパンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12712090A JP2751560B2 (ja) | 1990-05-17 | 1990-05-17 | 製パン用乳化油脂組成物及びパンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP12712090A JP2751560B2 (ja) | 1990-05-17 | 1990-05-17 | 製パン用乳化油脂組成物及びパンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0423940A JPH0423940A (ja) | 1992-01-28 |
JP2751560B2 true JP2751560B2 (ja) | 1998-05-18 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12712090A Expired - Fee Related JP2751560B2 (ja) | 1990-05-17 | 1990-05-17 | 製パン用乳化油脂組成物及びパンの製造方法 |
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-
1990
- 1990-05-17 JP JP12712090A patent/JP2751560B2/ja not_active Expired - Fee Related
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