WO1995018004A1

WO1995018004A1 - Procede et appareil de fabrication d'une feuille thermoplastique

Info

Publication number: WO1995018004A1
Application number: PCT/JP1993/001932
Authority: WO
Inventors: Keita Morita
Original assignee: Ipec Co., Ltd.
Priority date: 1993-12-28
Filing date: 1993-12-28
Publication date: 1995-07-06
Also published as: EP0687545A4; JP3554570B2; EP0687545A1; KR960700879A; US5674442A; JPH06166089A; KR100262478B1

Description

熱可塑性シートの製造方法及びその装置

技術分野

本発明は、食品等の包装，ファイル等の文具，各種パッケージ用ケース等の各種工業用途に好適な熱可塑性シート又はフィルムの製造方法及びその装置に関する。

mm

熱可塑性シート、例えば結晶性熱可塑性シート（又はフィルム）は、耐熱性，物理的諸強度，耐薬品性，ヒンジ特性等に優れるため、各種工業用途に広く利用されている。

しかし透明性，光沢性、表面平滑性等に優れた結晶性熱可塑性シートの製造、及びこのシートを高速で生産できる技術は、未だ完成されておらず、その開発を

¾aつ 1レ、。

結晶性熱可塑シートの製造方法としては、従来よりエア一ナイフ法，ポリシングロ—ル法，水冷却等が知られている。

エア一ナイフ法は、フィルム状の溶融熱可塑性樹脂をノズルから吹き出すエア —圧でキャストドラムに圧着させてシートを製造するため、エア一を吹き付けるシート面の厚さ変動力 s生じて表面の平滑性を維持することが困難である上、シートの片面はエア一で冷却されるため急冷ができない。この結果として透明性，表面平滑性，厚さ精度などの優れたシートができないという欠点がある。このエア一による圧着力は約 3 0 0 O mm氷柱が上限であり、またエアーによる圧着点が一点であるため商品価値のあるシ—ト又はフィルムの生産速度は約 2 0 m/分が限界である。従って、シートの^ をそれほど必要としない厚さが 0. 2〜 0. 5 mm程度の薄物シ一トの生産にこのエアーナイフ法は主に利用されているが、厚さが約 0. 7 mm以上の厚物シートの生產には適さない。

ポリシングロ一ル法は、膜状の溶融熱可塑性樹脂を一対の金属ロール間で圧接してシートを生産する方式である。この方法では、一対のロールの接点において、シ一トの厚さと表面性の賦形とを同時に完了させるため、引取速度が約 4 m/分以下と低い場合は表面平滑性の優れたシ一トカ ^s得られる力'、引取速度が約 6 m/ 分以上になると、シートの賦形が追随できず、商品価値のあるシート力 ^s得られなくなる。

またポリシングロ一ル法で厚さが約 0 . 4 mm以下の薄物シ一トを生産する場合は、波打状のゥェ一ブが発生するため、同様に商品価値のあるシートの生産ができない。

.,水冷法についても多くの提案がなされ、 mとして特開平 4— 1 5 8 0 2 2号公報がある。この公報に記載された製造方法は、シート状の溶融結晶性熱可塑性樹脂を水で冷却固化した後、加熱ロールで再加熱して一対の金属ベルト間で圧接して夕權特性を改良すると共に生産速度を改善させる方法であるが、この方法は透明性の優れたシート力 s得られ易い反面、溶融樹脂を水で冷却する際に水の波打ちによってシートに横方向の筋模様力 s発生して^ を著しく損ねる。この模様は引取速度が早くなる程発生し易い。

一方、非晶性熱可塑性シートも同様な方法で製造されているが、光沢性、表面平滑性共に優れたシ一トは得られず、その改善が要望されていた。

発明の開示

本発明の第一の目的は従来技術おける上記の問題点を解決し、厚さに関係なく透明性，光沢性，表面平滑性等の外観特性の優れた結晶性熱可塑性シート又はフィルムを高速で製造できる方法及びその装置を提供することである。

本発明の第二の目的は、光沢性，表面平滑性共に優れた非晶性熱可塑性シート又はフィルムを高速で製造できる方法及びその装置を提供することである。本癸明の熱可塑性シートの製造方法は、 Tダイ押出機の Tダイからシート状で押出された溶融熱可塑性樹脂を、キャストドラムと、このドラムの表面から所定の間隙で円弧状に対面する無端金属ベルトとの間隙に導入して、前記シ一ト状溶融樹脂をキャストドラムと無端金属ベルト間で圧接しながら、前記樹脂の熱変形温度から軟化温度までの温度範囲に一次冷却し、直ちにこの一次冷却されたシートを、冷却水を入れた冷却槽に導入して前記樹脂の固化温度まで二次冷却し、この二次冷却されたシートに付着した冷却水を除去し、次いでこの付着水が除去されたシートを [前記熱変形温度一 4 0 °C ] から [前記熱変形温度 + 1 5 °C ] の温度範囲で加熱処理することを特徴とする。

また本発明の熱可塑性シートの製造装置は、熱可塑性樹脂を溶融し、この溶融樹脂をシート状に押し出すための Tダイ押出機の Tダイと、 Tダイの下流側に配置され、 τダイからの前記シート状溶融樹脂をキャストドラムと、このドラム表面から所定の間隙で円弧状に対面する無端金属ベルト間で圧接しながら、一次冷却するための圧接 ·冷却手段と、前記圧接 ·冷却手段の下流側に配置され、一次冷却されたシートを二次冷却するための、冷却水を入れた冷却槽と、前記冷却槽の下流側に配置され、二次冷却されたシートに付着した冷却水を除去する手段と、前記付着水除去手段の下流側に配置され、前記付着水除去後のシートを加熱してその性能を改善するための加熱処理手段とを備え、前記圧接 ·冷却手段の金属べルトは、第 1、第 2及び第 3の 3つの金属ロールによって回動可能に支持されると共に、第 1金属ロールは Tダイに最も近接してキャストロールの上方に位置し、且つ第 1金属ロールと第 2金属ロール間で前記キャストドラムと金属ベルトとの円弧状対面区間を形成していることを特徴とする。

なお、本発明でいうシートは、フィルムも包含する。

以下に本発明方法及び装置を更に詳しく説明する。

本発明において、熱可塑性樹脂としては、結晶性熱可塑性側旨でも或は非晶性熱可塑性樹脂でも使用でき、結晶性樹脂としてては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等、好ましくはポリプロピレン樹脂が挙げられる。また、非晶性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ァクリロニトリル一ブタジェン一スチレン樹脂（A B S樹脂）、ポリ力一ポネ一ト樹脂、非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂（a— P E T) 、塩ィ匕ビニル樹脂等が挙げられる。これら樹脂は単独重合体であつても他のコモノマーとの共重合体、或はそれらの混合物であってもよい。例えばポリプロピレン樹脂の場合は、結晶性プロピレン単独重合体；プロピレンにプロピレン以外のコモノマ一、例えばエチレン、ブテン等の 1種以上を共重合させた結晶性コポリマー；及ぴこれらの混合物が使用できる。

以上のような熱可塑性樹脂には、必要に応じて酸化防止剤；滑剤；帯電防止剤；スリップ剤；アンチブロッキング剤；紫外線吸収剤；造核剤；透明改良剤；有機過酸化物；顔料；タルク、炭酸カルシューム等の無機充填材； ^刀 \ 合成繊維等の有機充填材；他の樹脂又はゴム（例えばポリプロピレン樹脂の場合は、ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム等）等を添加することができる。

次に、本発明方法を図面の装置を参照して説明する。

図 1において、 1は Tダイ押出機の Tダイであり、押出機（押出機の本体は図示せず）内で溶融された熱可塑性樹脂は、 Tダイ 1からシート状に押し出される。この Tダイ 1の下流側には、キャストドラム 3とこのドラム表面と所定の間隙で円弧状に対面する無端金属ベルト 4とからなる圧接 ·冷却手段が配置されている。前記金属ベルト 4は第 1、第 2及び第 3の 3つの金属ロール 5、 6、 7によって回動可能に支持されている。これら金属ロールの中、第 1金属ロール 5は Tダイ 1に最も近接してキャストドラム 3の上方に位置し、この第 1金属ロール 5 と第 2金属ロール 6間で前記キャストドラム 3 と無端金属ベルト 4との前記円弧状対面区間又は円弧状圧接 ·冷却部 8を形成している。

Tダイ 1から押し出されたシート状の溶融樹脂 2は、キャストドラム 3及び無端金属ベルト 4の回動（通常、キャストドラム 3の周速と金属ベルト 4の走行速度とは同一である）により、第 1金属ロール 5の側から、キャストドラム 3と無端金属ベルト 4間の間隙、即ち円弧状圧接 '冷却部 8に導入さ第 2金属口— ル 6の側に向けて搬送されることにより、シート状溶融樹脂 2は円弧状圧接 ·冷却部 8において圧接されながら、一次冷却される。なお、キャストドラム 3と無端金属ベルト 4間の間隙は、溶融樹脂の導入前は金属ベルト 4の可撓性のため、第 1金属ロール 5から第 2金属ロール 6までの全区間に亘って均一に維持することは困難であるし、またその必要もないので、溶融樹脂の導入前に、少なくとも第 1金属ロール 5及び第 2金属ロール 6がそれぞれ接するベルト部分が所定の値に設定されていればよい。換言すれば、前記間隙寸法は、溶融樹脂の導入後は、溶融樹脂の圧縮応力により前記接点間（第 1金属ロール 5と第 2金属ロール 6間の金属ベルト）で均一に維持できる。

キャストドラム 3と無端金属ベルト 4間の間隙は、キャストドラム 3を上方又は下方に変位させる等によつて機械的に調節できるように設計されている。この間隙寸法は、製品としてのシート 1 9の所望の厚さに相当する。従って、この間隙寸法を設定すれば、製品シートの厚さは最終的に設定される。

圧接 ·冷却工程での一次冷却温度は、熱可塑性樹脂の熱変形温度から軟化温度までの温度範囲（例えばポリプロピレン樹脂の場合は、通常 9 0〜 1 6 0°C ) ( 法は J I S K— 6 7 5 8 , 荷重 1 k g f で設定、以下同じ）である。一次冷却温度が前記熱変形温度未満では、透明性や光沢性の優れたシート力 s得られず、一方、一次冷却温度が前記軟化温度を越えると、シート力《軟らか過ぎてキャストドラム 3や金属ベルト 4からの剥離性が低下し、その結果、シ—ト表面に微小な傷が多発したり、次に冷却槽 1 0に搬入する過程でシートに皴カ s発生して良好な製品力 ^s得られなくなる恐れがある。

本発明では一次冷却温度を達成するため、第 1及び第 3金属ロール 5、 7を加熱油等で内部から加熱する構造とし、これら内部加熱された第 1及び第 3金属口ール 5、 7によって金属ベルト 4を加熱することが好ましい。この金属ベルトの加熱温度は、例えばポリプロピレン樹脂の場合、表面温度で通常 5 0〜： I 5 0 °C である。またキャストドラム 3も同様な方法で内部加熱する構造とすることが好ましい。キャストドラムの加熱温度は、例えばポリプロピレン樹脂の場合、表面温度で通常 5 0 ~ 1 5 0°Cである。

金属ベルト 4は、各々 S U S (ステンレス鋼）、炭素！ ¾ チタン合金等で作られる力、耐腐蝕性等の点から S U Sが好ましい。キャストドラムや金属ロール 5、 6、 7は、従来と同様、炭素鋼（表面は硬質クロームメツキされている）製でよい

キャストドラム 3及び金属ベルト 4 (但し前記溶融樹脂に接する側の面）の各表面粗さは、特性に優れたシート（結晶性熱可塑性樹脂を使用した場合は透明性が高く、表面平滑性に優れたシート、非晶性熱可塑性樹脂を使用した場合は光沢性及び表面平滑性に優れたシート）を作る場合は、 0. 5 y" m以下、好ましくは 0. 3 m以下が適当である。なお、このような表面粗さを有するキャストドラム 3又は金属ベルト 4は、シ一ト状溶融樹脂の転写性も向上することができ。

しかしキャストドラム 3は、製品シートの使用目的、例えばシートにエンボス模様ゃストライプ状の線入り模様を付与するような場合は、前記表面粗さに限定されず、エッチング、彫刻加工等によって適宜、表面に所望の模様を形成することができる。

金属ベルト 4は、溶接によってエンドレスベルトとして使用されるため、溶接繫ぎ部の凹凸がシートに影響しないようにする必要がある。金属ベルトの厚さが薄い場合は、繋ぎ部に凹凸が発生し易く、厚い場合は金属ベルトのフレキシビリティがなくなり使用に支障を来すので、金属ベルトの厚さは 0. 5〜1 . 2 mm 程度力 ^s適当である。

第 1金属ロール 5の表面には、特に表面平滑性に支障なく、光学的特性に優れたシ一トを得る場合は、シリコーンゴムのような耐熱性ゴム或は弾性を有するェラストマ一を被覆することが好ましい。エラストマ一を使用した場合、そのゴム硬度は 5 5〜8 5度力適当である。いずれにしても被覆の厚さは 5〜 1 5 mmの範囲が適当である。

以上のようにして一次冷却されたシート 9は、直ちに、前記圧接 ·冷却手段の下流側に配置された、冷却水を入れた冷却槽 1 0内に導入さ ^ 二次冷却されて完全に冷却固化される。冷却水の温度は、例えばポリプロピレンシートの場合、 0〜 2 .5 °Cの範囲が適当である。

次に、こうして二次冷却されたシート 1 1は、冷却槽 1 0の下流側に配置された付着水除去手段 2 0に導かここで二次冷却時にシート 1 1に付着した冷却水が除去される。付着水除去手段は、例えば一対のピンチロール 1 2と、これより下流に設けたエアーブロー装置 1 3とからなるように、簡単な構造のものでよレ、。この場合、シート 1 1の付着水は一対のピンチロール 1 2によって絞られた上、更にエア一ブロー装置 1 3 (エア—は常温でも加熱されていてもよい）により吹き付けることにより、完全に除去される。

付着水除去後のシート 1 4にはカール力 s発生していたり、樹脂の結晶化が充分に進んでいないため、阀 ij性力 s低いことがある。このため本発明では、加熱処理によりこれらの性能を改善する。従って本発明方法では、最後に、付着水除去後のシート 1 4は、付着水除去手段 2 0の下流側に配置された加熱処理手段 2 1に導か^ ここで力熱処理さ所望の性能を有する製品シート 1 9が得られる。加熱処理手段 2 1は、例えば複数（例えば 4つ）の加熱された金属ローラ 1 5、 1 6、 17、 18 (加熱油等で内部から加熱する構造を有する）、又は加熱ォ— ブンからなるように、簡単な構造のものでょレ

この加熱処理温度は、使用される熱可塑性樹脂の熱変形温度一 40°C (好ましくは前記熱変形温度一 30°C) から前記熱変形温度 + 1 5°C (好ましくは前記熱変形温度 + 5°C) の温度範囲（例えばポリプロピレン樹脂の場合、通常 90〜1

50°C) である。 [熱変形温度一 40°C] 未満の温度ではカールの修正や剛性の改善効果が小さく、 [熱変形温度 + 15 °C] を越える温度では、シートが軟ィ匕状態になるため、シートに皴が発生したり、透明性や光沢性等の外観性を損ねるようになる。図面の簡単な説明

図 1は本発明の製造装置の一例の概略図である。発明を実施するための最良の形態

< 実施例 1 >

図 1.に示す装置を用いて、ポリプロピレンシートを製造した。

使用したポリプロピレン樹脂は、密度が 0. 90 g/m³ , メルトフローレ一トが 1. 8 g/10分，熱変形温度が 90°C, 軟化温度が 1 30°Cのチッソポリプロ X F 1 893 (チッソ株式会社製ポリプロピレン単独重合体の商品名）である。この樹脂を樹脂温度 240°Cで Tダイ押出機（押出機のシリンダー直径 1 0 0 mm, L/D= 36, ダイ幅 550mm, ダイリップ間隔 1. 2 mm) (Tダィ以外は図示せず）中で溶融し、 Tダイ 1からシート状に押出し、このシート状溶融樹月旨をキャストドラム 3と無端金属ベルト 4との間隙に導入して、圧接しながら、一次冷却し、直ちにこれを冷却槽内に導いて二次冷却し、付着水をピンチロール 1 1及びエア一プロ—装置 1 3で順次除去した後、加熱金属ロール 1 5、 1 6、 17、 18で加熱処理することにより、厚さ 0. 3mmのポリプロピレンシートを製造した。

なお、押出機の詳細及びシートの製造条件は以下の通りである。

金属ベルト： SUS製キャストドラム

表面を硬質クロムメツキした炭素鋼製、幅： 650mm、表面ネ避： 0. 3 m、表面温度： 9 CTC

第 1金属ロール

表面にゴム硬度 65度のシリコーンゴムを厚さ 10mmに被覆したもの。円弧状圧接 ·冷却部

長さ： 60 cm、キャストドラムと金属ベルトとの間隙： 0. 3mm シート引取り速度

1 Om/分（キャストドラムと金属ベルトとを同速の 1 Om/分に設定）一次冷却シ—トの温度

1 10°C

水槽

長さ： 4m、冷却水温度： 10°C

エアブロー装置

ブ口一用空気の温度： 80°C

加熱処理手段（加熱金属ロール群）

材質：表面を硬質クロムメツキした炭素鋼製

最上流側ロール 1 5の温度： 60 °C

最下流側ロール 18の温度： 50°C

それらの中間のロール 1 6、 17の温度： 1 00°C

これら金属ロールの表面粗度： 1. O/ m

こうして得られたポリプロピレンシートは、ヘイズ（透明性） 3. 4%、光沢度 1 14%で、且つ表面平滑性に優;^ 筋、鈹、波打ち等がないため、光学的特性と «特性に優更にヤング率（剛性）は 94と高かった。

なお、熱変形温度、軟化温度等の測定法は下記の通りである。

熱変形温度： J I S K— 7207 (荷重 4. 6 kg f/c) 軟化温度： J I S K一 6758 (ビカツト軟化温度、荷重 1. 0 k g f )

メルトフローレート： J I S K— 6758 (230°C、荷重 2. 16 k g f ) 密度 J I S K— 6758

ヘイズ AS TM D- 1 003

光沢度 AS TM D- 523

ヤング率 AS TM D-882

表面平滑性目視観察

筋、皺、波打百視観察

<実施例 2〉

キャストドラムと金属ベルトとの間隙を 0. 5 mmとした他は、実施例 1と同じ製造方法で厚さ 0. 5 mmのポリプロピレンシートを製造した。

このシートも実験例 1とほぼ同様の優れた性能を有していた。即ち、このシートは、ヘイズ（透明性） 4. 0%、光沢度 124 6で、表面平滑性に優；^ 且つ筋、鈹、波打ち等がないため、光学的特性と外観特性に優更にヤング率（剛性）は 90と高かった。

く実施例 3〉

キャストドラムと金属ベルトとの間隙を 1. 0mmとした他は、実施例 1と同じ製造方法で厚さ 1. 0mmのポリプロピレンシートを製造した。

このシートも実施例 1とほぼ同様の優れた性能を有していた。即ち、このシ一トは、ヘイズ（透明性） 9. 5%、光沢度 127 6で、表面平滑性に優;^ 筋、鈹、波打ち等がないため、光学的特性と外観特性に優更にヤング率（剛性）は 88と高かった。

く実施例 4〉

キャストドラム、第 1金属ロール、及び加熱処理手段を下記のように変えた他は、実施例 1と同じ製造方法で厚さ 0. 3mmのポリプロピレンシートを製造した。

キャストドラム：表面にエンボス模様を形成したもの

第 1金属ロール：表面被覆層のないもの

加熱処理手段（金属ロール群）

中間ロール 1 6、 17の表面温度： 8 CTC 得られたエンボス加工シートは、ヘイズ 3 . 6 %、光 1 2 1 %、ヤング率 8 5と優れた光学特性を有していた。

<比較例 1 >

加熱処理手段の金属ロールのうち、最下流及び最上流の金属口一ルの表面温度は同じとし、その中間の金属ロールの表面温度を 1 3 0度にした他は、実施例 1 と同じ製造方法で、厚さ 0 . 3 mmのポリプロピレンシートを作った。

このシートのヘイズ（％) は 1 1 . 5、光沢度は 8 6 %、ヤング率は 9 0で、各実施例で作ったシートに比べて劣り、また表面平滑性は不良で、しわがシート表面に発生していた。産業上の利用可能性

本発明によれば；結晶性熱可塑性樹脂を使用した場合は、透明性，光沢性等の光学的特性；表面平滑性等の特性；剛性等に優れた熱可塑性シート又はフィルムを得ることができ、一方、非晶性熱可塑性樹脂を使用した場合は、光沢性等の光学的特性；表面平性等の^ tl 14 ; 岡 ij性等に優れた熱可塑性シ—ト又はフィルムを得ることができる。またいずれのシ一ト又はフィルムについても必要に応じてエンボス加工することができる。更に、製品シート又はフィルムの厚さを薄い物から厚い物まで高品質で製造できる上、生産速度を従来法の数倍に高速化できる。また本発明方法及び装置は多層シートゃラミネ—トシ—トの製造にも適用できる。

従つて、本発明によって得られるシート又はフィルムは、食品包装、医薬品包装等の包装用；文具用；ィヒ粧品、家庭用品等のパッケージ用ケース；工業用素材等として有用である。

Claims

請求の範囲

( 1 ) Tダイ押出機の Tダイからシート状で押出された溶融熱可塑性樹脂を、キャストドラムと、このドラムの表面から所定の間隙で円弧状に対面する無端金属ベルトとの間隙に導入して、前記シート状溶融樹脂をキャストドラムと無端金属ベルト間で圧接しながら、前記樹脂の熱変形温度から軟化温度までの温度範囲に一次冷却し、直ちにこの一次冷却されたシートを、冷却水を入れた冷却槽に導入して前記樹脂の固ィ匕温度まで二次冷却し、この二次冷却されたシートに付着した冷却水を除去し、次いで、この付着水が除去されたシートを [前記熱変形温度一

4 0 °C ] から [前記熱変形温度 + 1 5 °C ] の温度範囲で加熱処理することを特徴とする熱可塑性シートの製造方法。

( 2 ) 熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂である請求項 1記載の製造方法。

( 3 ) 一次冷却温度が 9 0〜： I 0 0 °Cであり、且つ加熱処理温度が 9 0〜 1 5 0 °Cである請求項 2記載の製造方法。

( 4 ) 二次冷却温度が 0〜2 5 °Cである請求項 2記載の製造方法。

( 5 ) 一次冷却温度が金属ベルトを表面温度 5 0〜： I 5 0°Cに加熱すると共に、キャストドラムを表面温度 5 0〜 1 5 0 ° に加熱することによって達成される請求項 2記載の製造方法。

( 6 ) 熱可塑性樹脂を溶融し、この溶融樹脂をシート状に押し出すための Tダイ押出機の Tダイと、 Tダイの下流側に配置さ^ Tダイからの前記シート状溶融樹脂をキャストドラムと、このドラム表面から所定の間隙で円弧状に対面する無端金属ベルト間で圧接しながら、一次冷却するための圧接.冷却手段と、前記圧接 ·冷却手段の下流側に配置さ^ 一次冷却されたシートを二次冷却するための、冷却水を入れた冷却槽と、前記冷却槽の下流側に配置さ^ 二次冷却されたシートに付着した冷却水を除去する手段と、前記付着水除去手段の下流側に配置さ前記付着水除去後のシートを加熱してその性能を改善するための加熱処理手段とを備え、前記圧接 ·冷却手段の金属ベルトは、第 1、第 2及び第 3の 3つの金属ロールによって回動可能に支持されると共に、第 1金属ロールは Tダイに最も近接してキャストドラムの上方に位置し、第 1金属ロールと第 2金属ロール間で前記キャストドラムと金属ベルトとの円弧状対面区間を形成していることを特徴とする熱可塑性シ— トの製造装置。

(7 ) 金属ベルト力 SUS、炭素及びチタン合金よりなる群から選ばれた 1種で作られる請求項 6記載の製造装 go

(8) 第 1金属ロールの表面が、耐熱性ゴム及び弾性を有するエラストマ一よりなる群から選ばれた 1種で被覆される請求項 6記載の製造装 go

(9) キャストドラム、第 1金属ロール、及び第 3金属ロールが各々、内部から加熱される構造を有する請求項 6記載の製造装 go

(1 0) キャストドラム及び金属ベルトの各表面粗さが 0. 5 m以下である請求項 6記載の製造装 go

(1 1) キャストドラムの表面がエンボス力 []ェされている請求項 6記載の製造装

( 1 2) 金属ベルトの厚さが 0. 5〜1. 2 mmの範囲である請求項 6記載の製

(1 3) 付着水除去手段力一対のピンチロールと、これより下流側に配置されたエアープロ一装置とからなる請求項 6記載の製造装 go

(1 4) 加熱処理手段が複数の加熱金属ロールからなる請求項 6記載の製造装 go

(1 5) 加熱処理手段力 D熱オーブンからなる請求項 6記載の製造装 fto