JPH11320656A - 光学歪みが少なく、表面平滑性が良好な熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法 - Google Patents

光学歪みが少なく、表面平滑性が良好な熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法

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JPH11320656A
JPH11320656A JP10131704A JP13170498A JPH11320656A JP H11320656 A JPH11320656 A JP H11320656A JP 10131704 A JP10131704 A JP 10131704A JP 13170498 A JP13170498 A JP 13170498A JP H11320656 A JPH11320656 A JP H11320656A
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roll
resin sheet
temperature
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Tetsuo Fujimura
徹夫 藤村
Masami Inoue
昌美 井上
Tadaaki Hikioka
忠昭 引岡
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートの全面において、複屈折率が100n
m以下と少なく、また表面平滑性、平坦性が良好で反り
が少ない光学用に適した熱可塑性樹脂シートを得る。 【解決手段】シートを押出機(1)から挟圧ロール
(2、3、5)、加熱炉(10)を通して製造するに際
し、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度A℃に対して、第
二挟圧ロール(3)からのシートの剥離部(4)の熱可
塑性樹脂シートの表面温度B℃をA+20≦B≦A+8
0とし、第三挟圧ロール(5)からのシートの剥離部
(6)から加熱炉導入部(11)迄の熱可塑性樹脂シー
トの表面温度C℃をA−20≦C≦A+20とし、加熱
炉出口部(12)での熱可塑性樹脂シートの表面温度D
℃をA−100≦D≦A−50とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂シート
に関し、更に詳しくはシートの全面において、複屈折率
が100nm以下と少なく、また表面平滑性、平坦性が
良好で反りが少ない光学用に適した熱可塑性樹脂シート
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は、様々な形状への加工が
容易であり、軽量、耐衝撃性が優れることから様々な用
途に使用されている。この熱可塑性樹脂にはガラス並み
の透明性を有するものも有り、上記の利点を生かし、屋
根部材、水槽等の透明容器、表示パネル、コンパクトデ
ィスク、レーザーディスク等への使用が頻繁に行われて
おり、最近では液晶ユニットのフラットパネルや液晶デ
ィスプレーの位相差補正板、タッチパネル等への使用も
検討されている。
【0003】かかる用途に熱可塑性樹脂シートを使用す
るにはシート全面のリターデション(複屈折)を低くす
る必要があるが、通常の押出成形法においては、挟圧ロ
ールでの圧縮による圧縮歪み、シート引き取りによる延
伸方向への歪み、成形後の冷却時の収縮歪み等が発生
し、光学的に低リタデーションの熱可塑性樹脂シートを
得ることは極めて困難である。
【0004】従来樹脂のリタデーションを下げる方法と
しては種々の方法が提案されている。例えば特開昭69
−40223号公報には熱可塑性樹脂の両面に非接着樹
脂を被覆する状態で共押出し、その後外側の非接着樹脂
を剥離して低リタデーションのシートを得る方法が提案
されているが、押出装置が複雑となり又非接着樹脂を余
分に使用しなければいけない問題があった。
【0005】特開昭61−148018号公報には押出
にて得られたシートを加熱プレスして低リタデーション
のシートを得る方法が提案されている。しかしながら、
この方法では加熱加圧による圧縮歪みがシートに残留す
る可能性が高く制御が困難であり、また加熱による樹脂
の劣化を原因とするシートの変色を生じる問題があり、
更には製膜したシートを再度加熱処理する必要があるた
め工程が複雑となり、又、埃の混入の機会が増加する問
題があった。
【0006】特開昭63−47139号公報記載の方法
でも0〜8nmと低リタデーションのシートが得られて
いるが、この方法では2枚のシートを光軸が互いに直交
するように互いに重ね合わせるという複雑な工程が必要
な為、工業的に採用しがたい。また、特開平4−166
319号公報記載の方法では使用する樹脂の年度平均分
子量を低く制御することで40nm以下のリタデーショ
ンのシートが得られているが、耐衝撃強の低下を招き、
樹脂の持つ特性を十分に生かしていない問題があった。
更に特開平4−118213号公報には押出したシート
の流れ方向の複数箇所に応力を集中させ低リタデーショ
ンのシートを得る方法が報告されているが、この方法で
は応力集中箇所の樹脂が無駄になり、また押出時の鏡面
ロール表面の転写によるシート表面の微小な凹凸の除去
が十分でなく、良好なシートが得にくい問題があった。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】本発明の目的は、リタ
ーデーションがシート全面に渡って低く、また、表面平
滑性、平坦性も良好で反りのない熱可塑性樹脂シートを
工業的に有利な方法で連続的に製造する方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成せんとしてシートのシーティング条件について鋭意検
討した結果、この歪みを解放するには第二挟圧ロール
(3)からのシートの剥離部(4)のシートの表面温度
B℃と、第三挟圧ロール(5)からのシートの剥離部
(6)から加熱炉導入部(11)迄のシートの表面温度
C℃を制御する事が有効であることを見出した。更には
温度勾配を持った加熱炉(10)を設置しシートを除冷
することにより、リターデーションを抑制できるばかり
でなく平坦なシートが得られることを見出した。本発明
はこの知見に基づいて更に検討を重ねた結果完成したも
のである。
【0009】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂を押出機
(1)から押出し、第一挟圧ロール(2)、第二挟圧ロ
ール(3)、第三挟圧ロール(5)により挟み込み、更
に内部に移送ロールを有する温度勾配のついた加熱炉
(10)を通して製造される熱可塑性樹脂シート(1
4)であって、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度A℃
と、第二挟圧ロール(3)からのシートの剥離部(4)
の熱可塑性樹脂シートの表面温度B℃と、第三挟圧ロー
ル(5)からのシートの剥離部(6)から加熱炉導入部
(11)迄の熱可塑性樹脂シートの表面温度C℃と、加
熱炉出口部(12)での熱可塑性樹脂シートの表面温度
D℃とが、下式1〜3の関係を満足する条件下で製造さ
れ、光学的歪みが100nm以下の、表面平滑性の高い
事を特徴とする熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法
である。
【数7】
【数8】
【数9】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明でいう熱可塑性樹脂とは例
えばポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリル酸
メチル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカボネ
ート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリノ
ルボルネン、或いはこれらの樹脂のプロック/グラフト
/ランダム共重合体等であり押出成形できる熱可塑性樹
脂であればよいが、特に好ましくは光学的用途に使用さ
れる透明樹脂である。熱可塑性樹脂には必要に応じて添
加剤、例えば脂肪酸エステル系等の離型剤、リン酸エス
テル系、フェノール系等の熱安定剤、ベンゾトリアゾー
ル系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系等の紫
外線吸収剤、多価アルコール系、アンモニウム塩等のア
ニオン系などの帯電防止剤、着色剤、増白剤、難燃剤を
配合しても良い。
【0011】本発明の熱可塑性樹脂シートは、押出機
(1)から溶融した熱可塑性樹脂をシート状に押出し、
鏡面挟圧ロール(2、3、5)により挟圧引き取り後、
シーティングライン中、直線状に並ぶ複数の移送ロール
(9)上に設置した加熱炉(10)により熱可塑性樹脂
シート(以下シートという)を除冷する方法であり、3
本の鏡面挟圧ロールを使用し、移送ロールは一般に5〜
30個使用する。シートを押し出すために押出機(1)
のダイスには通常使用される例えばTダイ、或いはコー
トハンガーダイを使用することができる。
【0012】本発明に使用される挟圧ロールは、第二挟
圧ロール(3)、第三挟圧ロール(5)は鏡面金属ロー
ルであり、第一挟圧ロール(2)は、鏡面金属ロール、
鏡面ゴムロールのいずれでも使用できる。ロールの表面
粗さは、鏡面金属ロール、鏡面ゴムロール共に、その表
面粗度が1μm以下、好ましくは表面粗度が1000Å
以下、更に好ましくは800Å以下の表面粗度を有する
ものを使用する。表面粗度が上記値を越えると、ロール
面が平滑性に劣り、製膜時にロール面の凹凸がシートに
転写されやすく、表面の凹凸を重視する光学機能シート
の成形には好ましくない。
【0013】第二挟圧ロール(3)からのシートの剥離
部(4)のシートの表面温度B℃は、該熱可塑性樹脂の
ガラス転移温度より20〜80℃高く保持しなければな
らない。この時、シートの表面温度が著しく低いと第二
挟圧ロール(3)及び第三挟圧ロール(5)の鏡面表面
の転写が上手くいかず、表面平滑性の高いシートが得ら
れない。一方、第二挟圧ロール(3)からのシートの剥
離部(4)のシートの表面温度B℃が著しく高いと第二
挟圧ロール(3)の外周面にシートが付着しやすくなっ
てスムーズに第三挟圧ロール(5)に導かれない。第二
挟圧ロール(3)からのシートの剥離部(4)のシート
の表面温度B℃を該熱可塑性樹脂のガラス転移温度より
20〜80℃高く保つ方法として、例えば第二挟圧ロー
ル(3)の温度を制御したり、図1の様にロール状のシ
ートの外側からヒーター(7)等によって加熱制御する
等任意の方法が採用できるが、特にこれに限定されるも
のではなく、シート表面の温度を前述の所定の範囲に保
つことができればよい。
【0014】また、第三挟圧ロール(5)からのシート
の剥離部(6)から加熱炉導入部(11)のシートの表
面温度C℃は、該熱可塑性樹脂のガラス転移温A℃近傍
の±20℃の温度範囲に保持する必要がある。この時、
シートの表面温度が著しく低いと、狭い圧ロールの圧縮
力による光学歪みが解放されず、また熱収縮応力による
収縮歪みが発生するためリタデーションが大きくなり、
目的とする低リタデーションシートを得ることは困難で
ある。また、第三挟圧ロール(5)と移送ロール(9)
間のシートの曲がりが、そのまま成形品に残ってしまい
平坦なシートを得ることが困難となる。一方、第三挟圧
ロール(5)からのシートの剥離部(6)の表面温度が
あまりに高すぎると、第三挟圧ロール(5)にシートが
巻き付いたり、或いはシートがロールに溶融接着してし
まい、ロールからのシートの剥離部にシートの幅方向の
凹凸上の波模様を発生させシート表面を悪化させる原因
となる恐れがありシートの透明性を低下させる原因とな
る。また熱可塑性樹脂が溶融状態となり第三挟圧ロール
(5)と移送ロール(9)間で自重によりシートがメル
トダウンし安定した製膜が出来にくくなるばかりでな
く、メルトダウンによりシートが流れ方向及び幅方向に
曲がってしまい、平坦なシートを得ることが困難にな
る。
【0015】第三挟圧ロール(5)からのシートの剥離
部(6)のシートの表面温度C℃を該熱可塑性樹脂のガ
ラス転移温度に対して±20℃に保つ方法として、例え
ば第三挟圧ロール(5)の温度を制御したり、図1のよ
うにロール上のシートの外側からヒーター(8)等によ
って加熱制御する等任意の方法が採用できるが、特にこ
れに限定されるものではなく、シート表面の温度を前述
の所定の範囲に保つことができればよい。尚、ヒーター
を使用する場合、シート全面を均等な熱量で加熱出来る
ヒーターを使用した方が、より平坦なシートを得るのに
好都合である。
【0016】加熱炉(10)に導入されたシートは、そ
の後直線状に並んだ複数の移送ロール(9)上で冷却さ
れる。ここでシートを平坦な状態で除冷することによ
り、シート全面に光学歪みが無く、更に非常に平坦なシ
ートが得られる。この時、シートの流れ方向に過大な引
き取り張力を付加するとシートの流れ方向に光学歪みが
発生するため、シートが第三挟圧ロール(5)と移送ロ
ール(9)間で弛みを発生しない程度に、引き取り張力
は弱い方が好ましい。
【0017】加熱炉(10)でのシートの冷却は、シー
トの表面温度が該熱可塑性樹脂のガラス転移温度近傍の
加熱炉導入部(11)では出来る限り緩やかな温度勾配
で除冷するのが良く、加えて加熱炉出口部(12)でシ
ートが十分に冷却固化される必要がある。加熱炉出口部
(12)で十分に冷却されていないと、成形シートに曲
がりを発生し易い。加熱炉出口部(12)での熱可塑性
樹脂シートの表面温度D℃は該熱可塑性樹脂のガラス転
移温度に対して50〜100℃低くなるまで冷却される
ことが望ましい。尚、急激な冷却はシートに大きな収縮
応力を発生させ光学歪みの原因となり、或いはシートの
曲がりを発生させシートを得るのが著しく困難になる。
【0018】加熱炉(10)に使用するヒーターは、シ
ート全面を均一な熱量で加熱でき、シートの幅方向、及
び厚み方向で温度差を生じないものが好ましく遠赤外線
タイプ等が好ましいが、これに限定するものではない。
尚、ヒーターの位置はシートの上下両面、或いは片面い
ずれでも良いが、シートを均等に加熱可能な状態とする
のが好ましい。
【0019】製膜したシートは目的とする大きさに切断
するが、切断には鋏、カッター、レーザー等の方法が使
用出来る。シートは巻くことによる巻き癖の影響をなく
すため、平坦な状態で採取するのが好ましい。尚、シー
トには必要に応じて、ポリエチレン等で出来た保護フィ
ルムをシート表面に張り付けることも可能である。
【0020】シートの厚さは、あまりに薄いと第三挟圧
ロール(5)と移送ロール(9)間で溶融破断し易く、
またシート表面に皺が入りやすいため良好なシートが得
られ難い。一方、あまりに厚いと、加熱、或いは冷却時
にシートを厚み方向での温度ばらつきを原因とする厚み
方向での収縮差を生じ、光学歪みとなるため0.1〜
5.0mmが好ましく、0.3〜3.0mmが特に好ま
しい。
【0021】
【実施例】以下に実施例を上げて更に説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、シ
ートのリタデーション、表面平滑性、平坦度の測定は下
記の方法で行った。 (1)リタデーション:神港精機株式会社製複屈折測定
装置(ポーラリメーターSFII型)を用い、波長589
nmに対応するリタデーションを測定した。 (2)表面平滑性:接触式表面形状測定器DEKTAK
を使用し、押出方向に対し平行な方向、及び直角を成す
方向、の二方向の測定を行い、距離1mmでの表面粗度
をn=3で測定した。 (3)平坦度(反り率):JIS K−6911の試験
方法に準拠して辺に平行方向に凸状または凹状に変形す
る事ほ反りといい、長さ1000mmに対する最大反り
の百分率(%)で表し、値の大きい程反りは大きくな
る。 (4)透過率:JIS K−7105の試験方法に準拠
し評価を行った。 (5)曇価:JIS K−7105の試験方法に準拠し
評価を行った。
【0022】(装置)図1に示す装置を設けた押出機に
よりシートを製造した。スクリュウ直径65mm、T型
ダイの幅が650mmの押出機(1)、第一挟圧ロール
(2)、第二挟圧ロール(3)及び第三挟圧ロール
(5)はいずれも直径300mmの鏡面金属ロールを使
用した。移送ロール(9)は、直径70mmの金属ロー
ル10個が直線状に並んだものを使用した。尚、最初の
移送ロールから最終の第10移送ロール間の合計距離は
3mとした。(7)、(8)及び加熱炉(10)の加熱
ヒーターには、温度の偏りが少ないセラミックス系ヒー
ターを複数個使用した。
【0023】(実施例1)変成ノルボルネン系樹脂アー
トンG(ガラス転移温度:170℃、日本合成ゴム株式
会社)ペレット形状品を、290℃に設定したT型ダイ
より吐出量60kg/時間で押出し、第一、第二及び第
三挟圧ロール(2、3、)、移送ロール(9)、引取ロ
ール(13)を経て幅550mmで厚さが1.0mmの
シートを得た。第一挟圧ロール(2)及び第二挟圧ロー
ル(3)、第三挟圧ロール(5)の表面温度は170℃
に設定した。更に加熱炉導入部(11)、及び加熱炉出
口部(12)のシート表面の温度設定を表1のように行
い押出を実施した。第二挟圧ロール(3)からのシート
の剥離部(4)のシート表面温度B℃、加熱炉(10)
導入部でのシート表面温度C℃、加熱炉出口部でのシー
ト表面温度D℃を表1、及び得られたシートの物性値を
表2に示すが、リターデーションが良好、且つシートの
表面平滑性、平坦性においても良好なシートが得られ
た。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】(実施例2、3)実施例1と同様の方法で
ロールの表面速度を変え、0.7mm厚、2.0mm厚
のシートを得た場合を示すが、リタデーション、シート
の表面平滑性、平坦性について良好なシートが得られ
た。
【0027】(比較例1、2)対比のため、図1の第二
挟圧ロール(3)の温度を変え、図1中のヒーター
(7)の温度を変え、第二挟圧ロール(3)からのシー
トの剥離部(4)のシート表面温度B℃を変化させた以
外は、実施例1と同様の操作を行った。表1、表2に示
すように温度が高すぎるとシートが第二挟圧ロール
(3)に溶融融着し製膜出来ず、一方温度が低すぎると
熱可塑性樹脂シート(14)表面の平滑性が低下し良好
なシートが得られない。
【0028】(比較例3、4)図1の第三挟圧ロール
(5)の温度を変えたりヒーター(8)の温度を変える
事により加熱炉導入部(11)のシートの表面温度C℃
を変化させた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
表1、表2に示すように温度が高すぎるとシートが溶融
状態で引き取られ冷却固化されるため平坦なシートが得
られず、一方冷却温度が低すぎるとリタデーションが高
くなる。
【0029】(比較例5)加熱炉(10)の温度勾配を
無くし、加熱炉出口部(12)でのシートの表面温ぬ度
D℃を変化させた以外は、実施例1と同様の操作を行っ
た。表1、表2に示すように加熱炉出口部でシート温度
が高いと加熱炉(10)から出た後の熱可塑性樹脂シー
ト(14)に曲がりが発生し、十分に平坦なシートが得
られない。
【0030】(比較例6)第一挟圧ロール(2)にその
表面粗度が5μmのシリコンゴムロールを使用した以外
は実施例1と同様の操作を行った。表1、表2にシート
の特性値を示すが、ゴムロールの凹凸がシート表面に残
ってしまい表面が平滑なシートが得られず、また透過率
も悪化した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、表面平滑性、平坦性に
優れリタデーションも少ない、肉厚0.1〜5.0mm
のシートを連続的に成形する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するに適したシートの成型法の
一例を示す概略図
【符号の説明】
1;押出機 2;第一挟圧ロール 3;第二挟圧ロール 4;第二挟圧ロール(2)からのシートの剥離部 5;第三挟圧ロール 6;第三挟圧ロール(5)からのシートの剥離部 7;ヒーター 8;ヒーター 9;移送ロール 10;加熱炉 11;加熱炉導入部 12;加熱炉出口部 13;引取ロール 14;熱可塑性樹脂シート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を押出機(1)から押出
    し、第一挟圧ロール(2)、第二挟圧ロール(3)、第
    三挟圧ロール(5)により挟み込み、更に内部に移送ロ
    ールを有する温度勾配のついた加熱炉(10)を通して
    製造される熱可塑性樹脂シート(14)であって、該熱
    可塑性樹脂のガラス転移温度A℃と、第二挟圧ロール
    (3)からのシートの剥離部(4)の熱可塑性樹脂シー
    トの表面温度B℃と、第三挟圧ロール(5)からのシー
    トの剥離部(6)から加熱炉導入部(11)迄の熱可塑
    性樹脂シートの表面温度C℃と、加熱炉出口部(12)
    での熱可塑性樹脂シートの表面温度D℃とが、下式1〜
    3の関係を満足する条件下で製造され、光学的歪みが1
    00nm以下の、表面平滑性の高い事を特徴とする熱可
    塑性樹脂シート。 【数1】 【数2】 【数3】
  2. 【請求項2】 厚みが0.1〜5.0mmである請求項
    1の熱可塑性樹脂シート。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂を押出機(1)から押出
    し、第一挟圧ロール(2)、第二挟圧ロール(3)、第
    三挟圧ロール(5)により挟み込み、更に内部に移送ロ
    ールを有する温度勾配のついた加熱炉(10)を通して
    製造される熱可塑性樹脂シート(14)の製造方法であ
    って、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度A℃と、第二挟
    圧ロール(3)からのシートの剥離部(4)の熱可塑性
    樹脂シートの表面温度B℃と、第三挟圧ロール(5)か
    らのシートの剥離部(6)から加熱炉導入部(11)迄
    の熱可塑性樹脂シートの表面温度C℃と、加熱炉出口部
    (12)での熱可塑性樹脂シート表面温度D℃とが、下
    式1〜3の関係を有する、光学的歪みが100nm以下
    の、表面平滑性の高い事を特徴とする熱可塑性樹脂シー
    トの製造方法。 【数4】 【数5】 【数6】
  4. 【請求項4】 第一挟圧ロール(2)、第二挟圧ロール
    (3)および第三挟圧ロール(5)の表面粗度が1μm
    以下である請求項3の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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