JPWO2018211932A1 - タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

低発熱性及び耐摩耗性に優れたタイヤ用ゴム組成物を提供する。上記課題を解決するべく、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムを含有するゴム成分、カーボンブラック及びシリカを含むゴム組成物であって、式(I)等の化合物からなるカーボンブラック分散剤と、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)が27以上の化合物を、さらに含むことを特徴とする。(式中、Aは、アリール基であり、少なくとも2つの極性基を有し、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基であり、さらに、該置換基は、酸素、硫黄及び窒素原子のうちの一種以上を含んでいてもよい。)

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤに関する。
昨今、自動車の低燃費化に対する要求が強くなっており、転がり抵抗の小さいタイヤが求められている。そのため、タイヤのトレッド等に使用するタイヤ用ゴム組成物として、tanδが低く、低発熱性に優れたものが望まれている。
従来の空気入りタイヤにおいては、低発熱性を実現することを目的として、ゴム組成物中のカーボンブラックの粒子径を大きくしたり、カーボンブラックの配合量を減少させる等の対策が考えられるが、同時にトレッドゴムの耐摩耗性の低下を招くという問題があった。
そのため、現在、低発熱性に加えて、耐摩耗性を改善できる技術の開発が望まれていた。
それらの技術の一つとして、例えば特許文献1には、ゴム成分とカーボンブラックとの化学的相互作用を向上させることを目的として、天然ゴムを含むエラストマーに、カーボンブラック及び特定のヒドラジド化合物を配合したゴム組成物が開示されている。
特表2014−501827号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術については、自動車の低燃費化に対する要求を考慮すると、低発熱性が十分ではなく、さらなる改善が必要であった。また、低発熱性の改善に加えて、耐摩耗性についてもさらなる改善が望まれていた。
そのため、本発明の目的は、低発熱性及び耐摩耗性に優れたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、低発熱性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することにある。
本発明者らは、ゴム成分及び充填材を含むタイヤ用ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」ということもある。)について、上記課題を解決するべく検討を行った結果、ゴム組成物中に、特定構造を有するヒドラジド化合物等の特定のカーボンブラック分散剤を含有させることによって、ゴム成分とカーボンブラックとの相互作用を高めることができるものの、カーボンブラック及びシリカを含むゴム組成物中に、ヒドラジド化合物等の特定のカーボンブラック分散剤を配合すると、カーボンブラック分散剤がシリカ表面に吸着されることがあるため、十分なカーボンブラックカップリング効果が実現されないことに着目した。そして、さらに鋭意研究を重ね、ゴム組成物中に、さらに特定のハンセン溶解度パラメータを有する化合物を配合することによって、この化合物がシリカをシールディングし、シリカによるカーボンブラック分散剤の吸着を抑制できる結果、高い効率でゴム成分とカーボンブラックとのカップリング効果が得られ、従来技術にはない優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できることを見出した。
即ち、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムを含有するゴム成分、カーボンブラック及びシリカを含むゴム組成物であって、該ゴム組成物は、式(I)〜(V)で表される化合物、並びに、式(IV)で表される化合物の塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物、からなる群より選択される少なくとも一種であるカーボンブラック分散剤と、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)が27以上の化合物とを、さらに含むことを特徴とする。
Figure 2018211932
(式中、Aは、アリール基であり、該アリール基は、少なくとも1つの極性基を有し、2つ以上の極性基を有する場合、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基であり、さらに、該置換基は、酸素、硫黄及び窒素原子のうちの一種以上を含んでいてもよい。)
Figure 2018211932
(式中、Aは、アリール基であり、該アリール基は、少なくとも1つの極性基を有し、2つ以上の極性基を有する場合、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R13は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基からなる置換基であり、さらに、該置換基は、酸素、硫黄及び窒素原子のうちの一種以上を含んでいてもよい。)
Figure 2018211932
(式中、Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)
Figure 2018211932
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルカンジイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルカンジイル基、又は*−B−Ar−B−*基を表し、*は結合手を表す。B及びBは、単結合又は炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。Arは、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表すか、或いは、互いに結合して炭素数2〜12のアルカンジイル基を形成する。Rは、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数7〜15のアリールアルコキシ基、−NR又は−O(Yn+1/nを表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは、−NH−又は−O−を表す。)
Figure 2018211932
(式中、Mn+は、H又はn価の金属イオンを表す。nは、1又は2の整数を表す。R31及びR32は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表すか、あるいは、R31とR32とが互いに結合して、それらが結合している窒素原子とともに環を形成する。mは、2〜9の整数を表す。)
上記構成を具えることによって、優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できる。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物については、前前記カーボンブラック分散剤を、前記ゴム成分100質量部に対して、0.05〜30質量部含むことが好ましい。より優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できるためである。
さらに、本発明のタイヤ用ゴム組成物については、前記HSPが27以上の化合物を、前記シリカの含有量に対して、3〜30質量%含むことが好ましい。より優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できるためである。
さらにまた、本発明のタイヤ用ゴム組成物については、前記ゴム成分が、天然ゴムを60質量%以上含むことが好ましく、ゴム組成物中の、カーボンブラックの含有量をa、シリカの含有量をbとしたときに、以下の関係式を満たすことがより好ましい。
0.05<b/(a+b)<0.9
より優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できるためである。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物については、前記HSPが27以上の化合物が、炭素数9以上の脂肪酸、並びに、窒素及び酸素のうちから選択される少なくとも1つの原子を含むことが好ましい。より優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できるためである。
本発明のタイヤは、上述した本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いてなることを特徴とする。
上記構成を具えることによって、優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できる。
本発明によれば、低発熱性及び耐摩耗性に優れたタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。また、本発明によれば、低発熱性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の実施形態を具体的に例示説明する。
<タイヤ用ゴム組成物>
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分、カーボンブラック及びシリカを含むゴム組成物である。
(ゴム成分)
本発明のタイヤ用ゴム組成物に含まれるゴム成分については、ジエン系ゴムを含有するゴム成分であり、ジエン系ゴムについては、天然ゴム及び任意の合成ゴムを用いることが可能である。
なお、前記ゴム成分におけるジエン系ゴムについては、主成分となることが好ましく、具体的には、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
前記ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等を挙げられるが、これらの中でも、天然ゴムを用いることが好ましい。より優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できるからである。なお、前記ジエン系ゴムについては、一種単独で含有してもよいし、二種以上のブレンドとして含有してもよい。
また、前記ゴム成分が天然ゴムを含む場合には、天然ゴムの含有量が60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。より優れた低発熱性及び耐摩耗性を得ることができるためである。
(カーボンブラック)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述したゴム成分に加えて、カーボンブラックをさらに含む。
ここで、前記カーボンブラックの種類や含有量については特に限定されず、要求される性能に応じて適宜選択することができる。
前記カーボンブラックの種類については、GPF、FEF、SRF、HAF、ISAF、IISAF、SAFグレード等のカーボンブラックが挙げられ、いずれか一種を用いても、複数の種類を混合して用いてもよい。また、より優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できる点からは、HAF〜SAFの範囲に含まれるハードカーボンブラックのうちの少なくとも一種を用いることが好ましい。
また、前記カーボンブラックの含有量については、より優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できる点からは、前記ゴム成分100質量部に対して、10〜160質量部であることが好ましく、30〜80質量部であることがより好ましく、30〜60質量部であることが特に好ましい。前記カーボンブラックの含有量を前記ゴム成分に対して10質量部以上とすることで、十分な耐摩耗性を得られ、一方、前記カーボンブラックの含有量を前記ゴム成分に対して160質量部以下とすることで、十分な低発熱性及び加工性を確保できる。
(シリカ)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述したゴム成分及びカーボンブラックに加えて、シリカをさらに含む。
ここで、前記シリカの種類や含有量については特に限定されず、要求される性能に応じて適宜選択することができる。
前記シリカの種類については、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ及びコロイダルシリカ等が挙げられ、いずれか一種を用いても、複数の種類を混合して用いてもよい。
なお、前記シリカの含有量については、より優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できる点からは、前記ゴム成分100質量部に対して、1〜90質量部であることが好ましく、3〜70質量部であることがより好ましい。前記シリカの含有量を前記ゴム成分に対して3質量部以上とすることで、十分な低発熱性が得られ、一方、前記シリカの含有量を前記ゴム成分に対して60質量部以下とすることで、十分な低発熱性及び加工性を確保できる。
また、前記カーボンブラックと前記シリカについては、さらに優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できる点から、カーボンブラックの含有量をa、シリカの含有量をbとしたときに、以下の関係式
0.05<b/(a+b)<0.9
を満たすことがより好ましく、
0.1<b/(a+b)<0.7
を満たすことが特に好ましい。なお、含有量a及びbについては、いずれもゴム組成物に含まれる質量(又は質量の割合)のことである。
(カーボンブラック分散剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述したゴム成分、式(I)〜(V)で表される化合物、並びに、式(IV)で表される化合物の塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物、からなる群より選択される少なくとも一種であるカーボンブラック分散剤を含む。
Figure 2018211932
これらのカーボンブラック分散剤を含むことによって、高い効率でゴム成分とカーボンブラックとのカップリング効果が得られ、ゴム組成物におけるカーボンブラックの分散性を高めることができる。カーボンブラックの分散性が高められたゴム組成物は、優れた低発熱性及び耐摩耗性の実現が可能となる。
ここで、前記カーボンブラック分散剤の含有量については、特に限定はされないが、より優れた低発熱性及び耐摩耗性を得る点からは、前記ゴム成分100質量部に対して、0.05〜30質量部であることが好ましく、0.05〜20質量部であることがより好ましく、0.05〜10質量部であることがさらに好ましく、0.05〜5質量部であることが特に好ましい。前記カーボンブラック分散剤の含有量が前記ゴム成分100質量部に対して0.05質量部以上の場合、十分なカーボンブラックの分散効果が得られるため、さらに優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現でき、一方、前記カーボンブラック分散剤の含有量が前記ゴム成分100質量部に対して30質量部以下の場合、強度等の他の物性を低下させることがない。
・式(I)で表される化合物
前記カーボンブラック分散剤を構成する化合物として、式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018211932
式(I)の、Aは、アリール基である。ここで、該アリール基は、任意の位置に該アリール基は、少なくとも1つの極性基を有し、2つ以上の極性基を有する場合、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。
また、式(I)のR11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基である。さらに、これらの置換基については、酸素、硫黄及び窒素原子のうちの一種以上を含んでいてもよい。
上記式(I)で表される化合物については、Aで示されたアリール基がカーボンブラック等の充填材と高い親和性を有し、且つ、ヒドラジド骨格を有する部分がゴム成分と高い親和性を有するため、ゴム組成物中に配合されることで、ゴム成分とカーボンブラック等の充填材との化学的相互作用を大きく向上させることができる。それによって、充填材同士の擦れ合いに起因したヒステリシスを低減できる結果、従来に比べて極めて優れた低発熱性を得ることができる。加えて、充填材の分散性向上によって、よりすぐれた補強性についても実現できる。
また、ゴム成分と充填材との化学的相互作用が大きく向上する結果、ゴム組成物の低発熱性を維持しつつ、スコーチ性が高まるため(スコーチ時間が長くなるため)、加工性についても向上が可能となる。
ここで、前記式(I)で表される化合物中のAで示したアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。その中でも、前記アリール基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。優れた充填材との親和性を示すため、より優れた低発熱性を実現でき、芳香環の数を減らせるため、コスト的にも有利であり、実用性の点でも優れる。
また、前記式(I)で表される化合物中のAで示したアリール基の有する極性基の数は、2つ以上であることが好ましい。アリール基の芳香環中に2つ以上の極性基を有することで、カーボンブラック等の充填材と高い親和性を得ることができるためである。
また、前記極性基の種類については、特に限定はされず、例えば、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、スズ含有基、アルコキシシリル基、アルキルアミノ基、ニトロ基等が挙げられる。それらの中でも、前記極性基は、少なくとも1つがヒドロキシル基、アミノ基又はニトロ基であることが好ましく、ヒドロキシル基であることがより好ましく、少なくとも2つがヒドロキシル基であることが特に好ましい。さらに優れた充填材との親和性を示し、ゴム組成物の低発熱性をより向上できるためである。
また、前記式(I)で表される化合物においてAにつながるヒドラジド基については、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基となる。なお、これらの置換基は、酸素、硫黄及び窒素原子のうちの一種以上を含むものであってもよい。
さらに、R11及びR12については、上述した置換基の中でも、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、R11及びR12がいずれも水素原子であることがより好ましい。ゴム成分と高い親和性を有し、より優れた低発熱性及び加工性が得られるためである。
ここで、上述した式(I)で表される化合物の例としては、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド、2,3−ジヒドロキシベンゾヒドラジド、2,4−ジヒドロキシベンゾヒドラジド、2,5−ジヒドロキシベンゾヒドラジド、2,6−ジヒドロキシベンゾヒドラジド等が挙げられる。
また、前記式(I)で表される化合物の分子量については、200以下であることが好ましく、180以下であることがより好ましい。ジエン系ゴムの各分子との親和性が高くなり、より優れた低発熱性を得ることができ、耐摩耗性についても高めることができるからである。
また、前記式(I)で表される化合物の融点については、80℃以上、250℃未満であることが好ましく、80〜200℃であることがより好ましい。前記ヒドラジド化合物の融点を低くすることで、ジエン系の各分子との親和性が高くなり、より優れた低発熱性を得ることができ、耐摩耗性についても高めることができるからである。
・式(II)で表される化合物
前記カーボンブラック分散剤を構成する化合物として、式(II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018211932
式(II)の、Aはアリール基であり、該アリール基は、少なくとも1つの極性基を有し、2つ以上の極性基を有する場合、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。
また、式(II)のR13は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基からなる置換基である。さらに、これらの置換基については、酸素、硫黄及び窒素原子のうちの一種以上を含んでいてもよい。
上記式(II)で表される化合物については、Aで示された極性基を有する芳香環がカーボンブラック等の充填材と高い親和性を有し、且つ、ヒドラゾン骨格を有する部分がゴム成分と高い親和性を有するため、ゴム組成物中に配合されることで、ゴム成分と充填材との化学的相互作用を大きく向上させることができる。それによって、充填材同士の擦れ合いに起因したヒステリシスを低減できる結果、従来に比べて極めて優れた低発熱性を得ることができる。加えて、充填材の分散性向上によって、よりすぐれた補強性についても実現できる。
また、ゴム成分と充填材との化学的相互作用が大きく向上する結果、ゴム組成物の低発熱性を維持しつつ、スコーチ性が高まるため(スコーチ時間が長くなるため)、加工性についても向上が可能となる。
ここで、前記式(II)で表される化合物中のAで示した芳香環の有する極性基の数は、2つ以上であり、3つ以上であることが好ましい。芳香環中に2つ以上の極性基を有することで、カーボンブラック等の充填材と高い親和性を得ることができるためであり、2つ未満の場合には、充填材との親和性が十分に得られず、ゴム組成物の低発熱性を低下させるおそれがある。
また、前記極性基の種類については、特に限定はされず、例えば、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、スズ含有基、アルコキシシリル基、アルキルアミノ基、ニトロ基等が挙げられる。それらの中でも、前記極性基は、ヒドロキシル基又はアミノ基を含むことが好ましく、ヒドロキシル基を含むことがより好ましい。さらに優れた充填材との親和性を示し、ゴム組成物の低発熱性をより向上できるためである。
また、前記式(II)で表される化合物中のAで示した芳香環が、2つ以上であることが好ましく、3つ以上であることがより好ましい。優れた充填材との親和性を示すため、より優れた低発熱性を実現できる。
また、前記式(II)で表される化合物においてAにつながるヒドラゾン基については、R13が、炭素数1〜10のアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基からなる官能基となる。なお、これらの官能基は、酸素、硫黄及び窒素原子のうちの一種以上を含むものであってもよい。
ここで、上述した式(II)で表される化合物の例としては、3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、2,3−ジヒドロキシ−N’−(4−メチルペンタン−2−イリデン)ベンゾヒドラジド、2,4−ジヒドロキシ−N’−(4−メチルペンタン−2−イリデン)ベンゾヒドラジド、2,5−ジヒドロキシ−N’−(4−メチルペンタン−2−イリデン)ベンゾヒドラジド、2,6−ジヒドロキシ−N’−(4−メチルペンタン−2−イリデン)ベンゾヒドラジド等が挙げられる。
・式(III)で表される化合物
前記カーボンブラック分散剤を構成する化合物として、式(III)で表される化合物(ベンズイミダゾリルアルキルチオ硫酸)が挙げられる。
Figure 2018211932
(式中、Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)
前記式(III)で表されるベンズイミダゾリルアルキルチオ硫酸は、ベンズイミダゾールの2位にチオ硫酸基を有するアルキル基が置換する構造を有する点に特長がある。
前記ベンズイミダゾリルアルキルチオ硫酸としては、例えば、S−((ベンズイミダゾリル−2)メチル)チオ硫酸、S−(2−(ベンズイミダゾリル−2)エチル)チオ硫酸、S−(3−(ベンズイミダゾリル−2)n−プロピル)チオ硫酸、S−(2−(ベンズイミダゾリル−2)イソプロピル)チオ硫酸、S−(4−(ベンズイミダゾリル−2)n−ブチル)チオ硫酸、S−(5−(ベンズイミダゾリル−2)n−ペンチル)チオ硫酸、S−(6−(ベンズイミダゾリル−2)n−ヘキシル)チオ硫酸等が挙げられる。
なお、これらのベンズイミダゾリルアルキルチオ硫酸は、一種又は二種以上を組み合わせてカーボンブラック分散剤の成分として使用してもよい。
前記ベンズイミダゾリルアルキルチオ硫酸は、公知の方法で合成することができる。例えば、アルキルカルボン酸のチオ硫酸金属塩(以下、前駆体と云う)と、o−フェニレンジアミンを塩酸の存在下にて水中で反応させることにより合成することができる。
前記の前駆体と、o−フェニレンジアミンとの反応温度は、80〜120℃とすることが好ましく、同反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、2〜24時間の範囲が好ましい。
この反応によりベンズイミダゾリルアルキルチオ硫酸の塩酸塩が生成する。続いて、該塩酸塩を苛性ソーダ水溶液で中和することによって、ベンズイミダゾリルアルキルチオ硫酸が生成する。
当該ベンズイミダゾリルアルキルチオ硫酸は、中和後に、反応液を濃縮乾固した後、適当な溶剤で抽出することによって単離精製することができる。この抽出に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール等が挙げられる。
前記の前駆体は、ハロアルキルカルボン酸と、チオ硫酸の金属塩を水などの適当な溶媒中で反応させることにより得られる。
前記の前駆体を合成するための反応時間や反応温度に特に制限はないが、反応温度は0〜90℃であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。反応時間は1〜12時間であることが好ましく、2〜8時間であることがより好ましい。反応に用いる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられる。これらの溶媒は、一種又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
前記のハロアルキルカルボン酸としては、例えば、モノクロロ酢酸、2−クロロプロピオン酸、3−クロロプロピオン酸、3−クロロブタン酸、4−クロロブタン酸、5−クロロペンタン酸、6−クロロヘキサン酸、モノブロモ酢酸、3−ブロモプロピオン酸等が挙げられる。
前記のチオ硫酸の金属塩としては、例えば、チオ硫酸リチウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸マグネシウム、チオ硫酸セシウム、チオ硫酸コバルト、チオ硫酸銅、チオ硫酸亜鉛等が挙げられる。
・式(IV)で表される化合物
前記カーボンブラック分散剤を構成する化合物として、式(IV)で表される化合物(以下、化合物(IV)ともいう。)、式(IV)で表される化合物の塩、式(IV)で表される化合物の溶媒和物、及び、式(IV)で表される化合物の塩の溶媒和物が挙げられる。
Figure 2018211932
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルカンジイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルカンジイル基、又は*−B−Ar−B−*基を表し、*は結合手を表す。Bは、単結合又は炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。Bは、単結合又は炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。Arは、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表すか、或いは、互いに結合して炭素数2〜12のアルカンジイル基を形成する。Rは、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数7〜15のアリールアルコキシ基、−NR又は−O(Yn+1/n表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは、−NH−又は−O−を表す。)
化合物(IV)の塩は、Rがヒドロキシ基である化合物(IV)のカルボキシラート塩、及び、化合物(IV)中のアミン部分(−NH又は−NH−)において酸とともに形成される付加塩を含む。
化合物(IV)のカルボキシラート塩としては、例えば、式(IV)で表される化合物又は塩において、Rが−O−(Yn+1/nである塩が挙げられる。
化合物(IV)中のアミン部分において酸とともに形成される付加塩における、酸としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。
化合物(IV)の溶媒和物としては、メタノール和物や水和物等が挙げられる。
化合物(IV)中の炭素−炭素二重結合とR及びCO−Rとの結合については、炭素−炭素二重結合の立体がE体の化合物、Z体の化合物、又は、E体の化合物及びZ体の化合物の混合物のいずれであってもよい。中でも炭素−炭素二重結合の立体がZ体である化合物が好ましい。
また、化合物(IV)としては、式(IV−I)で表される化合物が好ましい。
Figure 2018211932
(式(IV−I)中、R、R、R、R及びXは、上記と同じ意味を表す。)
における炭素数2〜12のアルカンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の直鎖状のアルカンジイル基;イソプロピレン基、イソブチレン基、2−メチルトリメチレン基、イソペンチレン基、イソへキシレン基、イソオクチレン基、2−エチルへキシレン基、イソデシレン基等の分岐状のアルカンジイル基;等が挙げられる。中でも、アルカンジイル基の炭素数は3〜12が好ましく、3〜6がより好ましい。また、直鎖状のアルカンジイル基が好ましい。
アルカンジイル基が有していてもよい置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン原子;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の炭素数6〜12のアリール基;ヒドロキシ基等が挙げられる。置換基を有するアルカンジイル基としては、例えば以下の基が挙げられる。なお、式中の*は結合手を表す。
Figure 2018211932
における炭素数3〜12のシクロアルカンジイル基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロドデシレン基等が挙げられる。
炭素数3〜12のシクロアルカンジイル基が有していてもよい置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基等の炭素数1〜7のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数3〜4のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等の炭素数7〜11のアリールオキシカルボニル基;アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等の炭素数2〜7のアシルオキシ基;等が挙げられる。
炭素数3〜12のシクロアルカンジイル基としては、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、t−ブチルシクロヘキシレン基が好ましい。
B1及びB2における炭素数1〜12のアルカンジイル基としては、上記炭素数3〜12のアルカンジイル基で挙げたものと、メチレン基とが挙げられる。
Arにおける炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。
R1における*−B1−Ar−B2−*基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、下記の基等が挙げられる。なお、式中の*は結合手を表す。
Figure 2018211932
Arに含まれる水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、及びハロゲン原子からなる群から選ばれる1以上の基で置換されていてもよい。
R1としては、炭素数2〜12のアルキレン基、フェニレン基又は下記の基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
Figure 2018211932
及びRにおけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。
及びRにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
及びRにおける炭素数6〜12のアリール基は、炭素数6〜12の単環式又は縮合多環式芳香族炭化水素を示し、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。
及びRにおける炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
及びRが互いに結合した炭素数2〜12のアルカンジイル基としては、上記素数3〜12のアルカンジイル基で挙げたものと同じ基が挙げられ、炭素数3又は4のアルカンジイル基であることが好ましい。また、R及びRが一緒になって、それらが結合している炭素原子と共に形成する環状構造としては、例えばシクロペンテン環、シクロヘキセン環等が挙げられる。
及びRとしては、Rが水素原子であり、Rが水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、R及びRが水素原子であることがより好ましい。
における炭素数1〜6のアルコキシ基としては、上記のR及びRにおける炭素数1〜6のアルキル基と同じ基が挙げられる。
における炭素数6〜12のアリールオキシ基としては、上記のR及びRにおける炭素数6〜12のアリール基にオキシ基が結合した基等が挙げられ、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
における炭素数7〜15のアリールアルコキシ基としては、フェニルエチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェニルプロピルオキシ等が挙げられる。
における−NRとしては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、エチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
におけるYn+は、式(IV)で表される化合物のカルボキシラート塩を形成し得るn価のカチオンを表す。
としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び周期表IB、IIB族の遷移元素からなる群から選ばれる金属のカチオン、アミン等のカルボキシ基と塩形成しうる有機塩基類のカチオン等が挙げられ、例えばLi、Na、K、Mg2+、Ca2+、Ba2+、Zn2+、Cu2+、Cu、Ag、(NH、[NH(C、[NH(C)(i−CN−(CH−NH N−(CH−NH 等が挙げられる。
としては、ヒドロキシ基又は−O−(Yn+1/nが好ましく、ヒドロキシ基又は−O−(Yn+1/n(Yがアルカリ金属)がより好ましい。
以下に化合物(IV)の具体例を示す。
Figure 2018211932
なお、化合物(IV)は、例えば式(a)、式(b)及び式(c)に示される反応を行なうことにより製造することができる。
Figure 2018211932
(式(a)、式(b)及び式(c)中、R、R、R及びRは上記と同じ意味を表す。Pは保護基を表す。)
前記Pで表される保護基としては、tert-ブトキシカルボニル基等が挙げられる。保護基を使用した場合には、その保護基を汎用される方法にて除去することができる。
式(IV−I)で表される化合物は、無水マレイン酸等の対応する酸無水物を、エステル化反応、アミド化反応又は塩形成反応することにより製造することができる。
・式(V)で表される化合物
前記カーボンブラック分散剤を構成する化合物として、式(V)で表される化合物(以下、「化合物(V)ともいう。)が挙げられる。
Figure 2018211932
(式中、Mn+は、H又はn価の金属イオンを表す。nは、1又は2の整数を表す。R31及びR32は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表すか、あるいは、R31とR32とが互いに結合して、それらが結合している窒素原子とともに環を形成する。mは、2〜9の整数を表す。)
31及びR32における炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基が挙げられる。
31とR32とが互いに結合して、それらが結合している窒素原子とともに環を形成している場合、R31とR32とが互いに結合して形成する基としてはポリメチレン基が挙げられ、ポリメチレン基としては、エチレン基(ジメチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。R31及びR32としては、水素原子が好ましい。
n+としては、H、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、銅イオン、亜鉛イオン等が挙げられ、好ましくはH又はアルカリ金属イオンであり、より好ましくはH又はナトリウムイオンである。
式(V)で表される化合物としては、例えば、S−(アミノアルキル)チオ硫酸、S−(アミノアルキル)チオ硫酸塩、S−(N,N−ジアルキルアミノアルキル)チオ硫酸、S−(N,N−ジアルキルアミノアルキル)チオ硫酸塩、S−(N−モノアルキルアミノアルキル)チオ硫酸、S−(N−モノアルキルアミノアルキル)チオ硫酸塩等が挙げられ、好ましくはS−(アミノアルキル)チオ硫酸又はS−(アミノアルキル)チオ硫酸塩である。
ここで、S−(アミノアルキル)チオ硫酸としては、S−(アミノエチル)チオ硫酸、S−(アミノプロピル)チオ硫酸、S−(アミノブチル)チオ硫酸、S−(アミノペンチル)チオ硫酸、S−(アミノヘキシル)チオ硫酸、S−(アミノヘプチル)チオ硫酸、S−(アミノオクチル)チオ硫酸、S−(アミノノニル)チオ硫酸等が挙げられる。
S−(アミノアルキル)チオ硫酸塩としては、S−(アミノエチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム、S−(アミノブチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(アミノペンチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(アミノヘキシル)チオ硫酸ナトリウム、S−(アミノヘプチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(アミノオクチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(アミノノニル)チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。
S−(N,N−ジアルキルアミノアルキル)チオ硫酸としては、S−(N,N−ジメチルアミノエチル)チオ硫酸、S−(N,N−ジメチルアミノプロピル)チオ硫酸、S−(N,N−ジメチルアミノブチル)チオ硫酸、S−(N,N−ジメチルアミノペンチル)チオ硫酸、S−(N,N−ジメチルアミノヘキシル)チオ硫酸、S−(N,N−ジメチルアミノヘプチル)チオ硫酸、S−(N,N−ジメチルアミノオクチル)チオ硫酸、S−(N,N−ジメチルアミノノニル)チオ硫酸等が挙げられる。
S−(N,N−ジアルキルアミノアルキル)チオ硫酸塩としては、S−(N,N−ジメチルアミノエチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N,N−ジメチルアミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N,N−ジメチルアミノブチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N,N−ジメチルアミノペンチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N,N−ジメチルアミノヘキシル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N,N−ジメチルアミノヘプチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N,N−ジメチルアミノオクチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N,N−ジメチルアミノノニル)チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。
S−(N−モノアルキルアミノアルキル)チオ硫酸としては、S−(N−メチルアミノエチル)チオ硫酸、S−(N−メチルアミノプロピル)チオ硫酸、S−(N−メチルアミノブチル)チオ硫酸、S−(N−メチルアミノペンチル)チオ硫酸、S−(N−メチルアミノヘキシル)チオ硫酸、S−(N−メチルアミノヘプチル)チオ硫酸、S−(N−メチルアミノオクチル)チオ硫酸、S−(N−メチルアミノノニル)チオ硫酸等が挙げられる。
S−(N−モノアルキルアミノアルキル)チオ硫酸塩としては、S−(N−メチルアミノエチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N−メチルアミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N−メチルアミノブチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N−メチルアミノペンチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N−メチルアミノヘキシル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N−メチルアミノヘプチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N−メチルアミノオクチル)チオ硫酸ナトリウム、S−(N−メチルアミノノニル)チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。
化合物(V)は、例えば、3−クロロプロピルアミン塩酸塩とチオ硫酸ナトリウムとを反応させて製造することができる。化合物(V)の金属塩を、例えば塩酸や硫酸等のプロトン酸で中和して、化合物(V)を得てもよい。化合物(V)の金属塩は、例えば、3−ハロプロピルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法や、フタルイミドカリウム塩と1,3−ジハロプロパンとを反応させ、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法、等の任意の公知の方法により製造することができる。
なお、上述した式(I)〜(V)で表された化合物については、いずれも、前記カーボンブラックの分散性を高める効果を得ることができるが、本発明では、式(I)又は(II)で表された化合物を用いることが好ましい。より優れた低発熱性及び耐摩耗性が得ることができるためである。
(HSPが27以上の化合物)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述したゴム成分、カーボンブラック、シリカ及びカーボンブラック分散剤に加えて、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)が27以上の化合物をさらに含む。
前記HSPが27以上の化合物は、極性が高く、上述したカーボンブラック分散剤よりも優先的にシリカの表面に吸着され、シリカの表面を覆うシールディング剤としての効果を果たすこととなり、シリカ表面にカーボンブラックが吸着されるのを抑制できる。その結果、前記カーボンブラック分散剤による、カーボンブラックの分散性をより高めることができるため、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を従来技術に比べて向上させることができる。
ここで、ハンセンの溶解度パラメーター(HSP)は、物質の溶解性の示すためのパラメータである。本発明では、HSPの値を、Charles M. Hansen, Hansen Solubility Parameters: A user's handbook, Second Edition(2007)に記載の方法から算出された値とする。
前記HSPについては、27以上とする必要があるが、27未満の場合には、前記シリカの表面をシールディングする効果が薄れるため、前記カーボンブラック分散剤が一部シリカの表面に吸着されやすくなり、十分な低発熱性及び耐摩耗性が得られない。
同様の理由から、前記化合物のHSPは、29以上であることが好ましい。
前記化合物については、HSPが27以上であること以外には特に限定はされない。例えば、より優れた低発熱性及び耐摩耗性が得られる点からは、炭素数9以上の脂肪酸、並びに、窒素及び酸素のうちから選択される少なくとも1つの原子を含むことが好ましい。同様の観点から、前記化合物は、炭素数9以上の脂肪酸、並びに、OH、NRR’及びC(=O)−ORから選択される少なくとも1つの基を含むことがより好ましい。ここで、R及びR’は、水素、炭素、炭化水素又はアルコールであり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R100の炭素数の上限は、特に限定されないが、30以下である事が好ましく、25以下である事がより好ましい。R及びR’の炭素数は、特に限定されないが1〜10が望ましい。
また、前記HSPが27以上である化合物については、さらに優れた低発熱性及び耐摩耗性が得られる点からは、R100−N−RR’、R100− C(=O)−OR及びR100−C(=O)−N−RR’から選択される少なくとも一種であることが特に好ましい。ここで、R100は、炭素数9以上の炭化水素基であり、R及びR’は、水素、炭素、炭化水素又はアルコールであり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R100の炭素数の上限は、特に限定されないが、30以下である事が好ましく、25以下である事がより好ましい。R及びR’の炭素数は、特に限定されないが1〜10が望ましい。
これらの化合物としては、例えば、グリセロースモノステアレート、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ステアリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ラウリン酸アミド等が挙げられる。
なお、前記HSPが27以上である化合物については、一種単独で用いることもできるし、複数の種類を混合して用いることもできる。
また、前記HSPが27以上の化合物の含有量は、より優れた低発熱性及び耐摩耗性を得る点からは、前記ゴム成分100質量部に対して、3〜30質量部含むことが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
前記HSPが27以上の化合物の含有量が前記ゴム成分100質量部に対して3質量部以上の場合には、前記シリカの表面をシールディングする効果が十分に得られ、より優れた低発熱性が得られる。一方、前記化合物の含有量が前記ゴム成分100質量部に対して20質量部以下の場合、十分な耐摩耗性が確保できる。
(その他の成分)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述したゴム成分、カーボンブラック、シリカ、カーボンブラック分散剤及びHSPが27以上の化合物に加えて、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、シランカップリング剤、老化防止剤、亜鉛華等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して含むことができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
前記加硫剤は、従来公知のものを用いることができ、特に限定されるものではないが、本発明においては、硫黄を好適に用いることができる。その含有量は、前記ゴム成分100質量部に対し通常0.6〜2.5質量部、特に1.0〜2.3質量部とすることが好ましい。加硫剤の配合量が0.6質量部以上であると、十分に加硫効果が得られ、一方、2.5質量部以下とすることで、ゴム強度の低下等を招くおそれがない。
前記加硫促進剤としては、従来公知のものを用いることができ、特に制限されるものではないが、例えば、CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBSI(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンイミド)等のスルフェンアミド系の加硫促進剤;DPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤;テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジアルキルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。その配合量としては、前記ゴム成分100質量部に対し、0.5〜3質量部程度である。
前記軟化剤は、従来公知のものを用いることができ、特に制限されるものではないが、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤や、パーム油、ひまし油、綿実油、大豆油等の植物系軟化剤等が挙げられる。使用の際にはこれらの中から1種単独で又は2種以上を適宜選択使用すればよい。前記軟化剤を配合する場合には、取り扱い容易性の観点から、上述した軟化剤中でも、25℃等の常温で液体であるもの、例えば、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤を配合することが好ましく、また、植物系軟化剤を配合しないことが好ましい。
さらに、軟化剤を配合する場合には、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以下で配合することが好ましく、5質量部以下で配合することがより好ましい。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカを含有しているため、シランカップリング剤をさらに含有することが好ましい。シリカによる補強性及び低発熱性の効果をさらに向上させることができるからである。なお、シランカップリング剤は、公知のものを適宜使用することができる。好ましいシランカップリング剤の含有量については、シランカップリング剤の種類などにより異なるが、シリカに対して、好ましくは2〜25質量%の範囲であることが好ましく、2〜20質量%の範囲であることがより好ましく、5〜18質量%であることが特に好ましい。含有量が2質量%以上であれば、カップリング剤としての効果が充分に発揮され、また、25質量%以下であればゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがない。
なお、本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、特に限定はされない。例えば、上述した、ゴム成分、カーボンブラック、シリカ、カーボンブラック分散剤、HSPが27以上の化合物及びその他の成分を、公知の方法で、配合し、混錬することで得ることができる。
(タイヤ)
本発明のタイヤは、上述した本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いてなることを特徴とする。本発明のタイヤ用ゴム組成物をタイヤ材料として含むことで、優れた低発熱性及び耐摩耗性を実現できる。
前記ゴム組成物を適用する部位については、タイヤの中でもトレッドに用いることが好ましい。本発明のタイヤ用ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、低発熱性及び耐摩耗性に優れる。
なお、本発明のタイヤは、上述した本発明のタイヤ用ゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。なお、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜5)
表1に示す配合処方で、各実施例及び比較例のゴム組成物を調製した。
調製した各ゴム組成物のサンプルに対して、下記の方法で、低発熱性及び耐摩耗性について、評価を行った。評価結果を表1に示す。
(1)tanδ(低発熱性)
各サンプルのゴム組成物を、145℃で33分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムに対し、粘弾性測定装置[レオメトリックス社製]を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzで損失正接(tanδ)を測定した。
なお、tanδは、比較例1の値を100としたときの指数で示し、小さい程、低発熱性に優れることを示す。
(2)摩耗試験(耐摩耗性)
調製した各加硫ゴムから円板状(直径16.2mm×厚さ6mm)に切り抜いた試験片を用い、JIS K6264-2:2005に準じて、DIN摩耗試験を行い、室温でDIN摩耗試験を行った際の摩耗量(mm3)を測定した。
なお、各サンプルにおいて測定した摩耗量については、比較例1の摩耗量の逆数を100とした場合の、各サンプルの摩耗量の逆数を指数として表示している。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性が良好であることを示す。
Figure 2018211932
*1:RSS#1
*2:旭カーボン(株)製「♯80」
*3:東ソー・シリカ(株)製「ニプシルAQ」
*4:ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド、Evonik社製 商品名「Si75」(登録商標)
*5:三共油化工業(株)製「A/O MIX」
*6:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業(株)製「ノクラック224」
*7:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業(株)製「サンセラーNS」
*8:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、三新化学工業(株)製「サンセラーCM」
*9:3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド、東京化成工業(株)製
*10: 2,6−ジヒドロキシベンゾヒドラジド、大塚化学(株)製
*11:S−(2−(ベンズイミダゾリル−2)エチル)チオ硫酸、四国化成工業(株)製
*12: ナトリウム(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、住友化学(株)製「スミリンク200」
*13:S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸、住友化学(株)製「スミリンク100」
*14:花王(株)製「エキシルS−95」、HSP値:35.6
*15:日本化成(株)製「ダイヤミッドY 」、HSP値:29.2
*16:モノ[POP(5)ラウリルエーテル]マレイン酸エステル、HSP値:26.2
*17:花王(株)製「ファーミンDM8098」、HSP値:21.7
表1の結果から、各実施例のゴム組成物は、いずれも、良好な低発熱性及び耐摩耗性を示すことがわかった。
本発明によれば、低発熱性及び耐摩耗性に優れたタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。また、本発明によれば、低発熱性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することができる。

Claims (9)

  1. ジエン系ゴムを含有するゴム成分、カーボンブラック及びシリカを含むゴム組成物であって、
    該ゴム組成物は、式(I)〜(V)で表される化合物、並びに、式(IV)で表される化合物の塩、溶媒和物及び塩の溶媒和物、からなる群より選択される少なくとも一種であるカーボンブラック分散剤と、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)が27以上の化合物とを、さらに含むことを特徴とする、タイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2018211932
    (式中、Aは、アリール基であり、該アリール基は、少なくとも1つの極性基を有し、2つ以上の極性基を有する場合、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基であり、さらに、該置換基は、酸素、硫黄及び窒素原子のうちの一種以上を含んでいてもよい。)
    Figure 2018211932
    (式中、Aは、アリール基であり、該アリール基は、少なくとも1つの極性基を有し、2つ以上の極性基を有する場合、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R13は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基からなる置換基であり、さらに、該置換基は、酸素、硫黄及び窒素原子のうちの一種以上を含んでいてもよい。)
    Figure 2018211932
    (式中、Rは炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。)
    Figure 2018211932
    (式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルカンジイル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルカンジイル基、又は*−B−Ar−B−*基を表し、*は結合手を表す。B及びBは、単結合又は炭素数1〜12のアルカンジイル基を表す。Arは、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表すか、或いは、互いに結合して炭素数2〜12のアルカンジイル基を形成する。Rは、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数7〜15のアリールアルコキシ基、−NR又は−O(Yn+1/nを表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは、−NH−又は−O−を表す。)
    Figure 2018211932
    (式中、Mn+は、H又はn価の金属イオンを表す。nは、1又は2の整数を表す。R31及びR32は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表すか、あるいは、R31とR32とが互いに結合して、それらが結合している窒素原子とともに環を形成する。mは、2〜9の整数を表す。)
  2. 前記カーボンブラック分散剤を、前記ゴム成分100質量部に対して、0.05〜30質量部含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記HSPが27以上の化合物を、前記シリカの含有量に対して、3〜30質量%含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分が、天然ゴムを60質量%以上含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記カーボンブラックを、前記ゴム成分100質量部に対して、10〜160質量部含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記ゴム組成物中の、カーボンブラックの含有量をa、シリカの含有量をbとしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項5に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    0.05<b/(a+b)<0.9
  7. 前記ゴム組成物中の、カーボンブラックの含有量をa、シリカの含有量をbとしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項5に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    0.05<b/(a+b)<0.9
  8. 前記HSPが27以上の化合物が、炭素数9以上の脂肪酸、並びに、窒素及び酸素のうちから選択される少なくとも1つの原子を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いてなることを特徴とする、タイヤ。
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