JP5954504B1 - 変性ゴム及びその製造方法、ゴム組成物、並びにタイヤ - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(1)又は式(2)で表される化合物、を提供する。(式中、Xは、グアニジン部位と塩を形成している酸であり、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)

Description

本発明は、新規なビスアルキリデンジアミノグアニジン及びその塩、変性ゴム、ゴム組成物、並びにタイヤに関する。
アミノグアニジンは、医薬、染料、写真薬、火薬等の合成原料であり、特に、医薬分野において抗糖化作用を示すことが広く知られている(例えば、非特許文献1参照)。アミノグアニジンの抗糖化作用としては、in vitroにおけるAGEsの生成抑制、タンパク質の架橋・重合形成の抑制、糖尿病モデル動物における腎症・網膜症・神経障害の予防、及び糖尿病合併症進展阻止効果が確認されている(例えば、非特許文献2参照)。
近年、アミノグアニジンは、上記用途以外にも、アルデヒド類の臭気成分の吸収剤、即ちアルデヒドキャッチャー剤としての用途が見出され(例えば、特許文献1参照)、ゴム添加剤として用いられている(例えば、特許文献2参照)。該用途に要求される物性はますます多様化しており、従来のアミノグアニジンに替わる化合物の提供が求められている。
また、ゴムに用いられる充填材は、ゴムに混合して、ゴムを補強、増量する、又はゴムに特殊機能を付与する等の目的で用いられる、配合剤である。代表的な充填材であるカーボンブラックは、ゴムの弾性率、破断強度等の力学特性の向上(補強効果)に寄与しているのみならず、導電性を付与する等の機能も有する。
カーボンブラックと同様にゴムの補強効果が得られ、発熱性の低い、即ち低ロス性であるゴム組成物を得ることができる方法として、シリカ等の無機充填材を使用する方法が知られており、その方法は環境性に配慮した低燃費タイヤ向けのゴム組成物等の製造方法に応用されている。
無機充填材を配合するゴム組成物において、無機充填材を配合する際、無機充填材、特に表面にシラノール基を有する親水性のシリカは、疎水性のゴムとの親和性が低く、ゴム組成物中で凝集してしまう。よって、シリカによる補強性を高め、低発熱化効果を得るには、シリカとゴムとの親和性を高める必要がある。その方法として、極性基で末端変性することにより無機充填材との親和性を向上させた合成ゴム(例えば、特許文献3参照)、極性基含有単量体を共重合させて無機充填材との親和性を向上させた合成ゴム(例えば、特許文献4参照)等が知られている。天然ゴムを変性して極性基を導入する方法としては、天然ゴムを酸化した後、極性基を有するヒドラジド化合物で変性する方法(例えば、特許文献5参照)、極性基を導入した変性天然ゴムとシリカを含むゴム組成物にシランカップリング剤を添加することにより、シリカの分散性を更に向上させる方法(例えば、特許文献6参照)が知られている。
「グアニジン塩」、ファインケミカル、シーエムシー出版、平成20年6月、第37巻、第6号、p.72−75 内藤淳子、他一名、「体内の抗糖化注目素材の機能と開発」ファインケミカル、シーエムシー出版、平成24年6月、第41巻、第6号、p.21−26
特開2005−97340号公報 特開2010−248334号公報 特開2010−209253号公報 特開2011−38009号公報 特開2009−108204号公報 特開2011−246513号公報
今後、大気中の二酸化炭素濃度上昇、大気汚染等の環境問題に対する世の中の関心はますます高くなることが予想され、タイヤの転がり抵抗を抑え、自動車の低燃費化につながる、変性ゴム、該変性ゴムとシリカ等の無機充填材を含有する、低ロス性に優れたゴム組成物、及びタイヤを提供する技術が求められている。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、ゴム添加剤等として有用な、新規のビスアルキリデンジアミノグアニジン及びその塩を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、新規なビスアルキリデンジアミノグアニジン及びその塩の製造に成功し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
[1]
式(1)又は式(2)で表される、化合物。
Figure 0005954504
(式中、Xは、グアニジン部位と塩を形成している酸であり、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
Figure 0005954504
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
[2]
式(3)で表される化合物及び式(4)で表される化合物を反応させて得られる、[1]に記載の化合物。
Figure 0005954504
(式中、Xは、式(3)のグアニジン部位と塩を形成している酸である。)
Figure 0005954504
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アルケニル基(これらの基はいずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)及び水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
[3]
式(1)又は式(2)に記載のR及びRが、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、及びアルケニル基、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の化合物。
[4]
融点が50〜300℃である、[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物。
[5]
式(5)〜(10)、及び(12)〜(14)のいずれかで表される、[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物。
Figure 0005954504
Figure 0005954504
Figure 0005954504
Figure 0005954504
Figure 0005954504
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Figure 0005954504
Figure 0005954504
Figure 0005954504
[6]
天然ゴム及び合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種を、[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物によって変性させて得られる、変性ゴム(A)。
[7]
前記天然ゴム及び合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種と前記式(1)又は式(2)で表される化合物とを、20〜180℃の温度下で混合し、変性させて得られる、[6]に記載の変性ゴム(A)。
[8]
前記式(1)又は式(2)で表される化合物の使用量が、天然ゴム及び合成ゴムの総量に対して、0.01〜10質量%である、[6]又は[7]に記載の変性ゴム(A)。
[9]
[6]〜[8]のいずれかに記載の変性ゴム(A)、無機充填材(B)を含む充填材、及びシランカップリング剤(C)を含有する、ゴム組成物。
[10]
前記無機充填材(B)がシリカである、[9]に記載のゴム組成物。
[11]
前記充填材がカーボンブラックを含む、[9]又は[10]に記載のゴム組成物。
[12]
前記式(1)又は式(2)で表される化合物と、前記天然ゴム及び合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、前記無機充填材(B)を含む充填材と、前記シランカップリング剤(C)とを混合して得られ、
[9]〜[11]のいずれかに記載の変性ゴム(A)を含有する、ゴム組成物。
[13]
混合時の温度が、20〜180℃の範囲にある、[12]に記載のゴム組成物。
[14]
前記式(1)又は式(2)で表される化合物の使用量が、前記天然ゴム及び前記合成ゴムの総量に対して、0.01〜10質量%である、[12]又は[13]に記載のゴム組成物。
[15]
[9]〜[14]のいずれかに記載のゴム組成物をタイヤ部材のトレッドに用いた、タイヤ。
本発明に係るビスアルキリデンジアミノグアニジン及びその塩は、ゴム添加剤等として有用である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
<ビスアルキリデンジアミノグアニジン及びその塩>
本実施形態の化合物は、式(1)又は式(2)で表される化合物(以下、「ビスアルキリデンジアミノグアニジン」、「ビスアルキリデンジアミノグアニジン塩」、又は「ビスアルキリデンジアミノグアニジン又はその塩」ともいう。)である。
Figure 0005954504
(式中、Xは、グアニジン部位と塩を形成している酸であり、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
Figure 0005954504
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
式(1)のXとしては、特に限定されないが、有機酸及び無機酸が挙げられ、より具体的には、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、スルファミン酸、過塩素酸、ケイ酸、ホウ酸、フェニルホスフィン酸等が挙げられる。これらのうち、原料化合物のグアニジン塩の商業的な入手が容易な塩酸、硫酸、炭酸、硝酸が好ましく、製造時の精製の容易さから塩酸、炭酸がより好ましい。
本実施形態の化合物において、式(1)又は式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種であり、その中でも炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、及びアルケニル基、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
このような置換基の具体例としては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、ビニル基、1−メチルビニル基、2−メチルビニル基、1−エチルビニル基、2−エチルビニル基、1,2−ジメチルビニル基、1−プロピルビニル基、1−イソプロピルビニル基、1−エチル−2−メチルビニル基、2−エチル−1−メチルビニル基、1−ブチルビニル基、1−sec−ブチルビニル基、1−tert−ブチルビニル基、1−イソブチルビニル基、2−ブチルビニル基、2−sec−ブチルビニル基、2−tert−ブチルビニル基、2−イソブチルビニル基、2−メチル−1−プロピルビニル基、2−メチル−1−イソプロピルビニル基、1,2−ジエチルビニル基、1−メチル−2−プロピルビニル基、1−メチル−2−イソプロピルビニル基、2−フェニルビニル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ビニル基、1−メチルビニル基、2−メチルビニル基、2−フェニルビニル基が好ましい。
本実施形態の式(1)又は式(2)で表される化合物の具体例としては、特に限定されないが、ビスエチリデンジアミノグアニジン(塩)、ビスプロピリデンジアミノグアニジン(塩)、ビスブチリデンジアミノグアニジン(塩)、式(11)で表されるビス(2−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビスペンチリデンジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−メチルブチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−メチルブチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2,2−ジメチルプロピリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビスヘキシリデンジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−メチルペンチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−メチルペンチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(4−メチルペンチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2,3−ジメチルブチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2,2−ジメチルブチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3,3−ジメチルブチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(1−メチルエチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、式(14)で表されるビス(1−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジン(塩)、式(5)で表されるビス(1,2−ジメチルプロピリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(1−メチルブチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(1,2−ジメチルブチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(1,3−ジメチルブチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、式(6)で表されるビス(1−メチルペンチリデン)ジアミノグアニジン(塩)、式(7)で表されるビス(1−メチルヘキシリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(1−エチルプロピリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(1−イソプロピル−2−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジン(塩)、式(12)で表されるビスアリリデンジアミノグアニジン(塩)、ビス(1−メチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(1−エチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(1−プロピルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、式(8)で表されるビス(2−メチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(1,2−ジメチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−エチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−プロピルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−イソプロピルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−ブチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−イソブチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−sec−ブチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−tert−ブチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−(1−メチルブチル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−(2−メチルブチル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−(3−メチルブチル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−(1−エチルプロピル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−(2−エチルプロピル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−(1,1−ジメチルプロピル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(2−(2,2−ジメチルプロピル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、式(9)で表されるビス(3−メチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−エチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−プロピルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−イソプロピルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−ブチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−イソブチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−sec−ブチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−tert−ブチルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−(1−メチルブチル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−(2−メチルブチル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−(3−メチルブチル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−(1,1−ジメチルプロピル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−(2−エチルプロピル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−(1,2−ジメチルプロピル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−(2,2−ジメチルプロピル)アリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、ビス(3−フェニルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)、式(10)及び式(13)で表されるビス(1−メチル−3−フェニルアリリデン)ジアミノグアニジン(塩)等が挙げられる。
上記した式(1)又は式(2)で表される化合物の中でも、下記式(11)で表される化合物を除く化合物が好ましい。
Figure 0005954504
また、上記した式(1)又は式(2)で表される化合物の中でも好ましい化合物は、以下の式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005954504
Figure 0005954504
Figure 0005954504
Figure 0005954504
Figure 0005954504
Figure 0005954504
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Figure 0005954504
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本実施形態の式(1)又は式(2)で表される化合物は、公知の方法で得ることができるが、例えば式(3)で表される化合物(「1,3−ジアミノグアニジン塩」、単に「グアニジン塩」ともいう。)及び式(4)で表される化合物(「カルボニル化合物」ともいう。)を反応させて得られる。このような製造方法は、製造コストの点から好ましい。より具体的には、式(1)又は式(2)で表される化合物は、式(3)で表される化合物と、式(4)で表される、アルキリデン骨格を形成するアセトン、メチルエチルケトン等とを、水又はメタノール等のアルコール溶媒中で、必要に応じて酸を添加して反応させることにより得られる。
Figure 0005954504
(式中、Xは、式(3)のグアニジン部位と塩を形成している酸である。)
Figure 0005954504
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
得られる式(1)又は式(2)で表される化合物は、式(1)で表される塩である場合が多いが、式(2)で表される塩でない化合物が得られることもある。塩を形成する場合は、例えば、式(3)で表される化合物及び添加する酸の種類に応じて、式(1)で表される化合物で塩を形成する酸を適宜選択することができる。
得られる式(1)又は式(2)で表される化合物は、式(1)で表される塩である場合が多いが、式(4)で表される化合物の種類、製造条件によっては、式(1)又は式(2)で表される化合物1モルに対して用いた酸が1モル以下である場合や酸と塩を形成しない場合もある。
式(3)で表される化合物は、その分子内に存在する複数の窒素原子によって共役酸のプラスの電荷が共鳴安定化されるため、強い塩基性を示し、通常は酸との複合体(塩)で存在する。式(3)で表される化合物として具体的には、特に限定されないが、1,3−ジアミノグアニジン炭酸塩、1,3−ジアミノグアニジン塩酸塩、1,3−ジアミノグアニジンヨウ化水素酸塩、1,3−ジアミノグアニジン硫酸塩、1,3−ジアミノグアニジン硝酸塩、1,3−ジアミノグアニジンシュウ酸塩、1,3−ジアミノグアニジンリン酸塩、1,3−ジアミノグアニジン酢酸塩、1,3−ジアミノグアニジンスルファミン酸塩、1,3−ジアミノグアニジン過塩素酸塩、1,3−ジアミノグアニジン臭化水素酸塩、1,3−ジアミノグアニジンケイ酸塩、1,3−ジアミノグアニジンホウ酸塩、1,3−ジアミノグアニジンフェニルホスフィン酸塩等が挙げられる。これらの中でも、商業的に入手が容易な1,3−ジアミノグアニジン塩酸塩、1,3−ジアミノグアニジン硫酸塩、1,3−ジアミノグアニジン炭酸塩、1,3−ジアミノグアニジン硝酸塩が好ましく、製造時の精製の容易さから1,3−ジアミノグアニジン炭酸塩、1,3−ジアミノグアニジン塩酸塩が好ましい。
式(4)で表される化合物としては、特に限定されないが、R及びRが炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である化合物であり、その中でも炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、及びアルケニル基、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である化合物が、経済的に入手しやすいこと、又は水溶媒で使用可能であることが好ましい。
式(4)で表される化合物の具体例としては、特に限定されないが、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド、ピバルアルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、2−ペンテナール、2−ヘキセナール、2−ヘプテナール、2−オクテナール、ベンジリデンアセトン等が挙げられ、その中でも商業的な入手の容易さの観点からアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンジリデンアセトンが好ましい。
これらのカルボニル化合物は、いずれも公知の化合物であり、市販品として入手することもできる。なお、クロトンアルデヒドのようにtrans体とcis体との異性体が存在する化合物もあるが、これらはtrans体とcis体との混合物、及びtrans体のみの化合物のうち、いずれを用いてもよい。
式(3)で表される化合物と、式(4)で表される化合物との反応条件について詳細に説明する。その反応は、例えば、式(3)で表される化合物1モルに対し、式(4)で表される化合物を2.0モル〜過剰量、及び必要に応じて酸触媒を縮合促進剤として0.001〜2.0モル、好ましくは0.01〜1.0モル使用し、水、アルコール等の極性溶媒中、常圧で、0.0〜100℃で10分〜24時間程度撹拌して反応させることにより進行する。また、反応後、公知の方法により目的物を精製するとよい。例えば、氷水で冷却させ結晶を析出、単離して粗結晶を得る方法が挙げられる。
式(3)で表される化合物と、式(4)で表される化合物との使用割合はモル比で、好ましくは1.0:2.0〜1.0:100、より好ましくは1.0:2.0〜1.0:10である。反応は室温下で行っても、必要に応じて高温下で行ってもよく、原料であるカルボニル化合物の沸点を考慮すると、好ましくは0.0〜100℃、より好ましくは20〜80℃程度で行う。
反応を行う雰囲気としては、空気雰囲気下でもよいが、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
反応圧力については大気圧下で行うことが経済性の点で好ましいが、高圧下又は減圧下で行うこともできる。
反応系中のpHとしては、中性でもよいが、上記の酸を縮合促進剤に用いると、反応が速やかに進行するため、好ましい。
上記の極性溶媒としては、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール等が挙げられる。原料となるカルボニル化合物、すなわち、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、イソプロピルアルデヒド、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンジリデンアセトン等も用いることができる。経済性の面から水溶媒が好ましい。
上記の縮合促進剤としては、特に限定されないが、塩酸、硫酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、スルファミン酸、過塩素酸等が挙げられる。原料であるジアミノグアニジン塩の酸と同じ酸を用いることが好ましい。
反応終了後、冷却操作等により結晶が析出した場合は、得られた結晶を濾別し、水、アルコール等で洗浄後、減圧下で乾燥させることで本実施形態の化合物を得ることができる。
反応終了後、結晶が析出せずに均一溶液の場合は、例えば以下の方法により、結晶を析出させることができる。均一な反応溶液に対して、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、またはそれらを含有する弱塩基性の水溶液を加えることにより、ビスアルキリデンジアミノグアニジン又はその炭酸塩の結晶が析出する。これを濾別し、上記と同様の操作により、本実施形態の化合物を得ることができる。
上記の炭酸塩を含む水溶液を加える操作により得られる生成物は、炭酸と塩を形成している場合が殆どであるが、用いるカルボニル化合物の種類によっては、予想に反して塩を形成していないビスアルキリデンジアミノグアニジンが得られる場合もある。塩を形成しないビスアルキリデンジアミノグアニジンが得られるカルボニル化合物としては、特に限定されないが、アクロレイン、イソブチルアルデヒド、ベンジリデンアセトン等が挙げられ、ビスアルキリデンジアミノグアニジン炭酸塩として得られるカルボニル化合物としては、特に限定されないが、メタクロレイン、クロトンアルデヒド等が挙げられる。
本実施形態の式(1)又は式(2)で表される化合物がビスアルキリデンジアミノグアニジン骨格を有していることは、H−NMRにより同定することができ、酸と塩を形成していることは、元素分析により同定することができる。
本実施形態の式(1)又は式(2)で表される化合物をゴム添加剤として用いた場合に、シリカ等の無機充填材を含む加硫ゴム組成物の低ロス性と引張り破断強度とを向上させる観点から、その化合物の融点が50〜300℃であることが好ましく、50〜200℃がより好ましい。融点が50〜300℃であると、常温で固体のため作業性が良く、更に50〜200℃であるとゴムの混練温度、又は加硫温度で溶けてゴムと混ざりやすくなる傾向にある。
<変性ゴム>
本実施形態の変性ゴム(A)(以下、単に「変性ゴム」ともいう。)は、天然ゴム及び合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種(以下、「原料ゴム」、単に「ゴム」、「原料」ともいう。)を、式(1)又は式(2)で表される化合物(以下、「ゴム変性剤」、単に「変性剤」ともいう。)によって変性させて得られる。本実施形態の変性ゴム(A)をシリカ等の無機充填材を含有するゴム組成物として用いると、低ロス性、破断強度等について優れた効果を発揮できる。
本実施形態の変性ゴム(A)の原料ゴムとしては天然ゴム、合成ゴム、及びその両方のいずれをも用いることができるが、特に天然ゴムを用いた場合に本実施形態の効果を顕著に得ることができ、好適である。合成ゴムは、上記特許文献3に示されている極性基で末端変性することにより無機充填材との親和性を向上させた合成ゴム、又は上記特許文献4に示されている極性基含有単量体を共重合させて無機充填材との親和性を向上させた合成ゴムのように、重合時に極性基を簡便に導入できるのに対し、天然ゴムはそのような手法を用いることができないからである。
天然ゴムとしては、特に限定されないが、天然ゴムラテックスを凝固、乾燥して得られるシートゴム、ブロックゴムのいずれの形状も原料として用いることができる。シートゴムとしては、特に限定されないが、「天然ゴム各種等級品の国際品質包装基準」(通称グリーンブック)の格付けにより分類した、シートを煙で燻しながら乾燥させたリブドスモークドシート(RSS)、シートを熱風乾燥させたエアドライシート(ADS)凝固物を充分に水洗し熱風で乾燥させたクレープ等が挙げられ、この他に、TCラバー(Technically Classified Rubber)、SPラバー(Super Processing Rubber)、MGラバー、PPクレープ、軟化剤、しゃく解剤添加ゴム等が挙げられる。ブロックゴムとしては、特に限定されないが、マレーシアのSMR(Standard Malaysian Rubber)、インドネシアのSIR、タイのTTR、スリランカのSCR、シンガポールのSSR等が挙げられる。これら天然ゴム原材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、天然ゴムラテックスを酸化処理した後に凝固させたゴムを用いてもよく、天然ゴムラテックスの酸化は公知の方法で行うことができる。例えば、特開平8−81505号公報の記載に従って、有機溶剤に1.0〜30質量%の割合で溶解した天然ゴムラテックスを金属系酸化触媒の存在下で空気酸化することによって天然ゴムラテックスの酸化を行うことができる。また、特開平9−136903号公報に記載されているように、天然ゴムラテックスにカルボニル化合物を添加して、酸化を行うこともできる。酸化方法として空気酸化を行う場合は、特開平9−136903号公報に記載されているように、空気酸化を促進するためにラジカル発生剤の存在下で空気酸化を行ってもよい。ラジカル発生剤としては、特に限定されないが、過酸化物系ラジカル発生剤、レドックス系ラジカル発生剤、アゾ系ラジカル発生剤が好適に用いられる。
変性ゴム(A)の原料として用いることのできる合成ゴムとしては、特に限定されないが、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリイソプレン、3,4−ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、末端変性スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の、分子内に二重結合を有するジエン系ゴムが挙げられる。
本実施形態では、上記した天然ゴム、合成ゴム、変性ゴムのいずれを用いてもよい。これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のゴム変性剤は、上述した式(1)又は式(2)で表される化合物(以下、「ビスアルキリデンジアミノグアニジン塩」、又は「ビスアルキリデンジアミノグアニジン」ともいう。)である。
Figure 0005954504
(式中、Xは、グアニジン部位と塩を形成している酸であり、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
Figure 0005954504
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
本実施形態の変性ゴムをゴム組成物に用いたときに、低ロス性に優れる要因は次のように推察される(ただし、要因はこれに限定されない)。上記変性剤とゴムとが反応して得られる変性ゴムは、変性剤由来のヒドラジン部位がゴムと結合している。変性ゴムは、アミノ基等の極性基を有するため、無機充填材の極性基、特にシリカの場合はシリカ表面のシラノール基と親和性が向上することにより、ゴム−無機充填材間の密着性が向上して、タイヤ等のゴム成形体を得たときに、低ロス性に優れたゴム成形体となる。特に、変性剤由来のグアニジン部位が、変性ゴムの極性基として働き、シリカ表面のシラノール基と水素結合を強く形成することに起因して、ゴム−無機充填材間の密着性向上に寄与している。この強い水素結合の形成は、グアニジン部位が有する、極性の高さ、塩基性の強さ等に起因している。
他方、ビスアルキリデンジアミノグアニジン塩又はビスアルキリデンジアミノグアニジンのアルキリデン部位は、その分子内に存在するヒドラジン部位(グアニジルアミノ基)の反応性を制御する役割があると推察される(ただし、要因はこれに限定されない)。すなわち、ビスアルキリデンジアミノグアニジン塩又はビスアルキリデンジアミノグアニジンのアルキリデンは、ゴムとの反応性がアルキリデン置換されていないものに比べて低いため、ゴム及び無機充填材と混合する際、ゴム粘度の上昇を抑制し、加工性を向上させることができる。
次に、本実施形態の変性ゴムの製造法について述べる。本実施形態の変性ゴムは、式(1)又は式(2)で表される化合物及びゴムをミキサー、押出機、混練機等を用いて混ぜ合わせることにより得られる。分散性向上の点から混練機で混合することが好ましい。式(1)又は式(2)で表される化合物をミキサー、押出機、混練機等に添加する方法として、粉体をそのまま添加する方法、溶媒に溶解させて溶液として添加する方法、エマルジョン溶液として添加する方法、いずれを用いてもよい。
本実施形態の変性ゴムを得るための反応条件は、特に限定されないが、ゴムと変性剤とを、20〜180℃の温度下で混合し、変性させることが好ましく、50〜160℃の温度下で混合し、変性させることがより好ましい。20℃〜180℃の温度下であるとゴムと変性剤を十分に混合することができ、更に変性剤の分解を抑えることができる傾向にある。ゴムの混練時間は上記反応温度で0.5〜30分間となるように調節されることが好ましく、2.0〜10分間であるとより好ましい。0.5〜30分間であると生産性を悪化させることなくゴムと変性剤を十分に反応させることができる傾向にある。反応の雰囲気としては、空気下等の酸素存在下で行うことが好ましい。酸素存在下で混練することにより、ゴムが一部酸化されて変性剤との反応性が向上する傾向にあるためである。
また、本実施形態の変性ゴムは、変性剤とゴムを一度に押出機、混練機等で混ぜ合わせることによっても得られるが、天然ゴムラテックスを酸化処理した後に凝固させたゴムを用いる手法や、変性剤を添加する前に素練りと呼ばれる原料ゴムに機械力を加え分子凝集(会合)をほぐし分子鎖を切断してゴムの可塑度を加工しやすいレベルに調節する工程を行う手法を用いることも、変性剤とゴムの反応性を向上させることができる傾向にあるため好ましい。上記の素練り工程は、しゃく解剤(ペプタイザー)を用いてもよい。
変性剤、ゴム、無機充填材、及びシランカップリング剤に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合し、ミキサー、押出機、混練機等を用いて混合することによっても、ゴム組成物中に変性ゴムが一部生成する。この手法は、上記の変性剤及びゴムを混ぜ合わせる手法より作業効率の点で好ましい。この操作を行うと、本実施形態のゴム組成物を得ることができる。
本実施形態の変性ゴムを製造するに際して用いる変性剤の使用量は、得られた変性ゴムが、ゴムの各分子にまんべんなく少量の極性基が導入されることにより、加工性を低下させずにシリカ、カーボンブラック等の充填材に対する親和性が向上し、低ロス性に優れたゴム組成物を与える点から、原料ゴムの総量(100質量%)に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3.0質量%であることがより好ましい。
<ゴム組成物>
本実施形態のゴム組成物は、変性ゴム(A)、無機充填材(B)を含む充填材、及びシランカップリング剤(C)を含有する。
本実施形態のゴム組成物は、変性ゴム(A)、無機充填材(B)を含む充填材、及びシランカップリング剤(C)を混合して得られる。また、本実施形態のゴム組成物は、変性剤と、原料ゴムと、無機充填材(B)を含む充填材と、シランカップリング剤(C)とを混合して得られる、変性ゴム(A)を含有するゴム組成物としてもよい。また、その混合時の温度が、20〜180℃の範囲にあることが好ましく、50〜160℃の範囲にあることがより好ましい。さらに、その混合時において、変性剤の使用量が、原料ゴムの総量(100質量%)に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3.0質量%であることがより好ましい。
本実施形態の無機充填材(B)とは、ケイ素、典型金属又は遷移金属の酸化物又は水酸化物及びそれらの水和物、並びにこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種を含む無機化合物を指す。
無機充填材(B)として具体的には、当業界で用いられる無機充填材であれば特に限定されない。なお、後述するカーボンブラックは、ここでいう無機充填材(B)には含まれないものであり、無機充填材(B)にはあたらない。無機充填材は、表面が活性なシリカ、表面処理クレー等の補強性充填材と、炭酸カルシウム、クレー、タルク等の非補強性充填材に大別される。無機充填材(B)の具体例としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム(クレー)、ケイ酸マグネシウム(タルク)、ケイ酸カルシウム、亜鉛華等が挙げられる。変性ゴムとの相互作用を考慮すると、補強性充填材であることが好ましく、シリカであることがより好ましい。シリカとしては、特に限定されず、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)等を使用することができる。
シリカを用いる場合には、BET比表面積が40〜350m/gであることが好ましい。シリカのBET比表面積がこの範囲であれば、シリカの粒子径が適切となり、引張り強度が向上し、ヒステリシスロスが低下する傾向にある。BET比表面積は、JIS Z8830:2013に準拠して測定することができる。
本実施形態のゴム組成物に用いる充填材として、上記の無機充填材(B)の他に、補強効果を高めるため、カーボンブラックを添加することもできる。すなわち、上記充填材がカーボンブラックを含む。なお、カーボンブラックは、上記の無機充填材(B)とは別異の充填材であり、無機充填材(B)とは明確に区別されるものである。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、GPF、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFといった種々のグレードのもの等が挙げられる。
本実施形態のゴム組成物における無機充填材(B)とカーボンブラックの合計含有量は、特に限定されるものではないが、加工性を悪化させず、充分な低ロス効果又は補強効果が得られる含有量として、原料ゴム100質量部に対して、5.0〜100質量部の範囲にあることが好ましく、20〜80質量部の範囲にあることがより好ましい。
本実施形態のシランカップリング剤(C)としては、特に限定されないが、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィド等が挙げられる。その含有量は、上記無機充填材100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。
本実施形態のゴム組成物には、上記変性ゴム、ゴム、無機充填材の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤として、特に限定されないが、老化防止剤、軟化剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本実施形態の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これらの配合剤は、市販品を好適に使用することができる。
老化防止剤の種類としては、特に限定されないが、例えば、ナフチルアミン系、p−フェニレンジアミン系、ヒドロキノン誘導体、ビス,トリス,ポリフェノール系、ジフェニルアミン系、キノリン系、モノフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系等を挙げることができ、更なる老化防止効果の点で、p−フェニレンジアミン系、ジフェニルアミン系のアミン系老化防止剤が好ましい。ジフェニルアミン系老化防止剤としては、特に限定されないが、4,4′−ビス(α−メチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、ジ(4−オクチルフェニル)アミン等が挙げられ、これらの中で、更に高い老化防止効果の点で、4,4′−ビス(α−メチルベンジル)ジフェニルアミンがより好ましい。また、p−フェニレンジアミン系老化防止剤としては、特に限定されないが、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられ、これらの中で、更に高い老化防止効果及びコスト面から、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンがより好ましい。老化防止剤のゴム組成物における含有量は、ゴム組成物中におけるゴム成分の0.1〜5.0質量%含有させることが好ましい。
軟化剤の種類としては、特に限定されないが、石油やコールタール由来の鉱物油系軟化剤、脂肪油や松樹由来の植物油系軟化剤、合成樹脂系軟化剤等が挙げられる。
加硫促進剤の種類としては、特に限定されないが、例えば、メルカプトベンゾチアゾール、2,2′−ジベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N′−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系、ジフェニルグアニジン等のグアニジン系が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量はゴム成分100質量部に対して0.1〜5.0質量部であることが好ましい。加硫促進助剤としては、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸、亜鉛華が挙げられる。
加硫剤の種類としては、特に限定されないが、通常当業界で用いられるものを適宜使用することができ、硫黄、過酸化物等が挙げられるが、好ましくは硫黄である。加硫剤の含有量はゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0質量部である。加硫剤の含有量が0.1質量部以上であることにより、十分な加硫が得られる傾向にあり、また、加硫剤の含有量が5.0質量部以下であることにより、いわゆるスコーチ時間が短くなることと、混練り中にゴムが焦げてしまうことを抑制できる傾向にある。
<タイヤ>
本実施形態のタイヤは、上記ゴム組成物を用いたことを特徴とし、上記ゴム組成物をタイヤ部材のトレッドに用いることが好ましい。上記ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、低燃費性に優れる。なお、本実施形態のタイヤは、上述のゴム組成物をタイヤ部材の何れかに用いる以外特に制限はなく、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
本実施形態の変性ゴムは、シリカ等の無機充填材を含有するゴム組成物及びそれを用いたタイヤとしたときに、優れた低ロス性及び破断強度を得ることができる。
以下に実施例を挙げ、本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)ビス(1,2−ジメチルプロピリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩(5)の合成
Figure 0005954504

50mLナス型フラスコに、ジアミノグアニジン塩酸塩783mg(東京化成工業株式会社製、6.2mmol)、水6mL、12N塩酸0.25mLを加え、室温で10分間撹拌した後、メチルイソプロピルケトンを1.102g(12.8mmol)加え、磁気撹拌子を用いて室温で撹拌した。撹拌中に、白色結晶が析出し、2時間撹拌した後、析出した結晶を濾取した。水洗後、50℃で22時間真空乾燥して、白色固体を445mg(1.7mmol)得た。得られた固体をH−NMRで分析し、ビス(1,2−ジメチルプロピリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩であることを確認した(H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=2.6−2.5(m;2H)、1.9(s;6H)、1.1(dd;12H))。モル収率は27%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、144−145℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,50.47;H,9.24;N,26.75に対し、実測値C,49.84;H,9.43;N,26.98であった。
(実施例2)ビス(1−メチルペンチリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩(6)の合成
Figure 0005954504

50mLナス型フラスコに、ジアミノグアニジン塩酸塩759mg(6.0mmol)、水6mL、12N塩酸0.25mLを加え、室温で10分間撹拌した後、2−ヘキサノンを1.21g(12.1mmol)加え、磁気撹拌子を用いて室温で撹拌した。撹拌中に、白色結晶が析出し、2時間撹拌した後、析出した結晶を濾取した。水洗後、50℃で16時間真空乾燥して、白色固体を1.18g(4.1mmol)得た。得られた固体をH−NMRで分析し、ビス(1−メチルペンチリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩であることを確認した(H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=0.9(m;6H)、1.2−1.3(m;4H)、1.4−1.5(m;4H)、2.0(s;6H)、2.3(t;4H)、8.0−8.2(br))。モル収率は68%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、100−101℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,53.87;H,9.74;N,24.16に対し、実測値C,53.46;H,10.03;N,24.31であった。
(実施例3)ビス(1−メチルヘキシリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩(7)の合成
Figure 0005954504
50mLナス型フラスコに、ジアミノグアニジン塩酸塩741mg(5.9mmol)、水6mL、12N塩酸0.25mLを加え、室温で10分間撹拌した後、2−ヘプタノンを1.37g(12.0mmol)加え、磁気撹拌子を用いて室温で撹拌した。撹拌中に、白色結晶が析出し、2時間撹拌した後、析出した結晶を濾取した。水及びヘキサンで洗浄後、50℃で15時間真空乾燥して、白色固体を1.51g(4.8mmol)得た。得られた固体をH−NMRで分析し、ビス(1−メチルヘキシリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩であることを確認した(H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=0.9(t;6H)、1.2−1.3(m;8H)、1.5−1.6(m;4H)、1.9(s;6H)、2.3(t;4H)、8.1(br))。モル収率は81%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、100−102℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,56.67;H,10.15;N,22.03に対し、実測値C,56.74;H,10.60;N,22.10であった。
(実施例4)ビス(2−メチルアリリデン)ジアミノグアニジン炭酸塩(8)の合成
Figure 0005954504
50mLナス型フラスコに、ジアミノグアニジン塩酸塩1.50g(11.9mmol)、水12mL、12N塩酸0.1mLを加え、室温で10分間撹拌した後、メタクロレインを1.80g(25.7mmol)加え、磁気撹拌子を用いて室温で撹拌した。撹拌中に結晶が析出し、1時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mLを加えた。析出した結晶を濾取、水洗後、50℃で20時間真空乾燥して、白色固体を922mg(3.6mmol)得た。得られた固体をH−NMRで分析し、ビス(2−メチルアリリデン)ジアミノグアニジン炭酸塩であることを確認した(H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=2.0(s;6H)、5.5(s;2H)、5.6(s;2H)、8.1(s;2H)、8.2(br))。モル収率は30%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、融点は観測されなかった。炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,47.05;H,6.71;N,27.43に対し、実測値C,45.60;H,7.22;N,29.54であった。
(実施例5)ビス(3−メチルアリリデン)ジアミノグアニジン炭酸塩(9)の合成
Figure 0005954504
50mLナス型フラスコに、ジアミノグアニジン塩酸塩1.51g(12.0mmol)、水12mL、12N塩酸0.1mLを加え、室温で10分間撹拌した後、クロトンアルデヒドを1.75g(25.0mmol)加え、磁気撹拌子を用いて室温で撹拌した。撹拌中に結晶が析出し、1時間撹拌した後、反応液に水20mLを加えた。析出した結晶を濾取、水洗後、50℃で20時間真空乾燥して、白色固体を919mg(3.6mmol)得た。得られた固体をH−NMRで分析し、ビス(3−メチルアリリデン)ジアミノグアニジン炭酸塩であることを確認した(H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=1.9(d;6H)、6.2(m;2H)、6.3(m;2H)、8.0(d;2H)、8.1(s;2H)、11.8−12.0(br))。モル収率は30%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、168−169℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,47.05;H,6.71;N,27.43に対し、実測値C,46.48;H,7.10;N,30.09であった。
(実施例6)ビス(1−メチル−3−フェニルアリリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩(10)の合成
Figure 0005954504
50mLナス型フラスコに、ジアミノグアニジン塩酸塩752mg(6.0mmol)、メタノール6mL、12N塩酸0.25mLを加え、室温で10分間撹拌した後、ベンジリデンアセトンを1.633g(11.2mmol)加え、磁気撹拌子を用いて室温で撹拌した。撹拌開始後、直ちに黄色結晶が析出し、2時間撹拌した後、析出した結晶を濾取、水洗後、50℃で17時間真空乾燥して、黄色固体を1.94g(5.1mmol)得た。得られた固体をH−NMRで分析し、ビス(1−メチル−3−フェニルアリリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩であることを確認した(H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=2.2(s;6H)、7.0(d;2H)、7.3(d;2H)、7.3(t;2H)、7.4(t;4H)、7.6(d;4H)、8.5−8.6(br)、11.6−11.7(br))。モル収率は85%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、263−265℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,64.85;H,6.18;N,17.19に対し、実測値C,66.04;H,6.33;N,18.34であった。
(実施例7)ビス(2−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジン(11)の合成
Figure 0005954504
50mLナス型フラスコに、ジアミノグアニジン塩酸塩741mg(5.9mmol)、メタノール6mL、12N塩酸0.25mLを加え、室温で10分間撹拌した後、イソブチルアルデヒドを861mg(11.9mmol)加え、磁気撹拌子を用いて室温で撹拌した。2時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mLを加えた。析出した結晶を濾取、水洗後、50℃で15時間真空乾燥して、黄色固体を321mg(1.6mmol)得た。得られた固体をH−NMRで分析し、ビス(2−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジンであることを確認したH−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=1.0(dd;12H)、2.4−2.5(m;2H)、5.8(s;2H)、7.2(dd;2H)、9.8(br))。モル収率は28%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、65−67℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,54.79;H,9.71;N,35.50に対し、実測値C,54.56;H,10.02;N,35.07であった。
(実施例8)ビスアリリデンジアミノグアニジン(12)の合成
Figure 0005954504
50mLナス型フラスコに、ジアミノグアニジン塩酸塩754mg(6.0mmol)、水6mL、12N塩酸0.05mLを加え、室温で10分間撹拌した後、アクロレインを1.01g(18.0mmol)加え、磁気撹拌子を用いて室温で撹拌した。撹拌開始後、1時間後に結晶が析出し、4時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mLを加えた。析出した結晶を濾取、水洗後、50℃で20時間真空乾燥して、白色固体を331mg(2.0mmol)得た。得られた固体をH−NMRで分析し、ビスアリリデンジアミノグアニジンであることを確認した(H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=5.4(d;2H)、5.5(d;2H)、6.5(ddd;2H)、6.0−6.3(br)、7.7(d;2H))。モル収率は33%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、149−152℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,50.89;H,6.71;N,42.39に対し、実測値C,50.03;H,6.68;N,41.27であった。重合開始温度を示差走査熱量測定装置(セイコーインスツル(株)製DSC6220、10℃/min)で重合による発熱ピークが立ち上がる時点の温度として求めたところ、150℃であった。
(実施例9)ビス(1−メチル−3−フェニルアリリデン)ジアミノグアニジン(13)の合成
Figure 0005954504
50mLナス型フラスコに、ジアミノグアニジン塩酸塩754mg(6.0mmol)、メタノール6mL、12N塩酸0.25mLを加え、室温で10分間撹拌した後、ベンジリデンアセトンを1.79g(12.2mmol)加え、磁気撹拌子を用いて室温で撹拌した。撹拌開始後、直ちに黄色結晶が析出し、2時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mLを加えた。析出した結晶を濾取、水洗後、50℃で15時間真空乾燥して、黄色固体を1.73g(5.0mmol)得た。得られた固体をH−NMRで分析し、ビス(1−メチル−3−フェニルアリリデン)ジアミノグアニジンであることを確認した(H−NMR(ACETONE−d6,500MHz,δ;ppm)=2.2(s;6H)、6.9−7.1(m;4H)、7.3(t;2H)、7.4(t;4H)、7.6(d;4H)、))。モル収率は83%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、81−83℃、160−163℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,73.02;H,6.71;N,20.27に対し、実測値C,71.57;H,8.98;N,19.54であった。
(実施例10)ビス(1−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩(14)の合成
Figure 0005954504
100mLナス型フラスコに、ジアミノグアニジン塩酸塩3.019g(24mmol)、水12mL、12N塩酸0.1mLを加え、室温で10分間撹拌した後、メチルエチルケトンを4.087g(57mmol)加え、磁気撹拌子を用いて室温で撹拌した。撹拌を開始して間もなく白色結晶が析出し、0.5時間撹拌した後、反応液をろ過、水洗後、50℃で16時間真空乾燥して、白色結晶を4.410g(19mmol)得た。得られた固体をH−NMRで分析し、ビス(1−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩であることを確認した(H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=1.1(t;6H)、2.0(s;6H)、2.3(q;4H))。モル収率は79%であった。また、微量融点測定器BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、133−134℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,46.25;H,8.62;N,29.96に対し、実測値C,46.02;H,9.05;N,29.98であった。
(実施例11)
ミキサー内を30℃に加熱したラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)に、天然ゴム凝固体(RSS#1、加藤産商(株)製)41.4gを投入し、回転数60rpmで蓋を閉めた状態で1分間、蓋を開けた状態で4分間混練した。せん断発熱によりゴムの温度が80℃まで上昇したところで、実施例10で得たビス(1−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩0.414g(1.77mmol)を投入し、更に3分間混練することにより、変性ゴム1を得た。この時、ゴムの温度は85℃に達していた。
該変性ゴム1(9.0g)をアセトンとメタノールの2:1混合溶媒200g中で2時間加熱還流することにより、未反応の1,3−ジアミノグアニジン塩酸塩の抽出を行った。溶媒を減圧留去した後、残渣を液体クロマトグラフィーで定量分析した結果、ビス(1−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩が0.0048g(0.021mmol)、ビス(1−メチルエチリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩が0.0047g(0.023mmol、ビス(1−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩に換算すると0.0053g)含まれていた。即ち、未反応のビス(1−メチルプロピリデン)アミノグアニジン塩酸塩の総量は、0.0101g(0.043mmol)であった。溶出前の該変性ゴム1(9.0g)に含まれるビス(1−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジン塩酸塩は0.0891g(0.381mmol)であり、添加したジアミノグアニジン塩酸塩の89mol%が天然ゴムと反応した。
従って、該変性ゴム1におけるビス(1−メチルプロピリデン)ジアミノグアニジンの付加量は天然ゴム原材料中の固系ゴム成分に対して0.1質量%であることを確認した。
(参考例1)
ミキサー内を30℃に加熱したラボプラストミルに、天然ゴム凝固体(RSS#1)41.4gを投入し、回転数60rpmで蓋を閉めた状態で1分間、蓋を開けた状態で4分間混練した。せん断発熱によりゴムの温度が80℃に達した後、更に3分間混練することにより、未変性ゴム1を得た。この時、ゴムの温度は85℃に達していた。
(実施例12、比較例1)
表1の組成に従い、最初に変性ゴム1又は未変性ゴム1、シリカ、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸を上記ラボプラストミルにて、140℃で5分間混練した後、一旦55℃に冷却しこれに硫黄と加硫促進剤を投入し、90℃で3分間混練してゴム組成物を調製した。続いて、プレス機(北川精機(株)製)を用いて145℃、10MPaで38〜44分間加硫することにより加硫ゴム組成物を得た。以下に用いた成分について示す。
シリカ:商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積=207m/g、東ソー・シリカ(株)製)
シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(エボニック ジャパン(株)製)
亜鉛華(和光純薬工業(株)製)
ステアリン酸(和光純薬工業(株)製)
硫黄(細井化学工業(株)製、250μm)
加硫促進剤(CBS):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(和光純薬工業(株)製)
加硫促進剤(DPG):ジフェニルグアニジン(和光純薬工業(株)製)
(実施例13、比較例2)
表2の組成に従い、最初に天然ゴム凝固体(RSS#1)、シリカ、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸、変性剤1を上記ラボプラストミルにて、140℃で5分間混練した後、一旦55℃に冷却しこれに硫黄と加硫促進剤を投入、混練し、90℃に到達した後、さらに3分間混練してゴム組成物を調製した。続いて、プレス機(北川精機(株)製)を用いて145℃、10MPaで35〜42分間加硫することにより加硫ゴム組成物を得た。以下に用いた成分について示す(表1で用いたものについては同じ。)。
変性剤1:1,3−ジアミノグアニジン塩酸塩(東京化成工業(株)製)
該加硫ゴム組成物に対して、下記の方法で発熱性及び引張り破断強度を測定、評価した。結果を表1、2に示す。
(1)発熱性
上記加硫ゴム組成物に対し、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツル(株)製DMS6100)を用い、温度50℃、歪み0.5%、周波数10Hzで損失正接(tanδ)を測定し、表1の比較例1、表2の比較例2の値を100としてそれぞれ指数表示した。指数値が小さい程、tanδが低く、ゴム組成物が低発熱性であることを示す。
(2)引張り破断強度
上記加硫ゴム組成物に対し、JIS K6251:2010に準拠して引張り試験を行い、引張り破断強度を測定し、表1の比較例1、表2の比較例2の値を100としてそれぞれ指数表示した。指数値が大きい程、引張り破断強度が大きいことを示す。
Figure 0005954504

表1中、配合処方の各成分は質量部を示す。
表1から、実施例のゴム組成物は、ビスアルキリデンジアミノグアニジン塩で変性していないジエン系ゴムを用いて混合したゴム組成物と比較して、低発熱性に優れ、引張り破断強度が大きくなることが少なくとも確認された。
Figure 0005954504
表2中、配合処方の各成分は質量部を示す。
表2から、実施例のゴム組成物は、ビスアルキリデンジアミノグアニジン塩を添加しないで混合したゴム組成物と比較して、低発熱性に優れ、引張り破断強度が大きくなることが少なくとも確認された。
本出願は、2014年9月12日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2014−186073)、及び2014年9月12日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2014−186075)に基づくものであり、それらの内容はここに参照として取り込まれる。
本発明に係る化合物、変性ゴム、及びゴム組成物は、タイヤをはじめとする種々のタイヤ部材の材料等として利用することができる。

Claims (12)

  1. 天然ゴム及び合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種を、式(1)又は式(2)で表される化合物によって変性させて得られる、変性ゴム(A)。
    Figure 0005954504
    (式中、Xは、グアニジン部位と塩を形成している酸であり、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
    Figure 0005954504
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
  2. 式(1)又は式(2)に記載のR1及びR2が、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、及びアルケニル基、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の変性ゴム(A)。
  3. 式(1)又は式(2)で表される前記化合物は、融点が50〜300℃である、請求項1又は2に記載の変性ゴム(A)。
  4. 式(1)又は式(2)で表される前記化合物は、式(5)〜(10)、及び(12)〜(14)のいずれかで表される、請求項1〜のいずれか一項に記載の変性ゴム(A)。
    Figure 0005954504
    Figure 0005954504
    Figure 0005954504
    Figure 0005954504
    Figure 0005954504
    Figure 0005954504
    Figure 0005954504
    Figure 0005954504
    Figure 0005954504
  5. 前記式(1)又は式(2)で表される化合物の使用量が、天然ゴム及び合成ゴムの総量に対して、0.01〜10質量%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の変性ゴム(A)。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の変性ゴム(A)、無機充填材(B)を含む充填材、及びシランカップリング剤(C)を含有する、ゴム組成物。
  7. 前記無機充填材(B)がシリカである、請求項に記載のゴム組成物。
  8. 前記充填材がカーボンブラックを含む、請求項6又は7に記載のゴム組成物。
  9. 前記式(1)又は式(2)で表される化合物と、前記天然ゴム及び合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、前記無機充填材(B)を含む充填材と、前記シランカップリング剤(C)とを混合して得られ、
    請求項6〜8のいずれか一項に記載の変性ゴム(A)を含有する、ゴム組成物。
  10. 前記式(1)又は式(2)で表される化合物の使用量が、前記天然ゴム及び前記合成ゴムの総量に対して、0.01〜10質量%である、請求項に記載のゴム組成物。
  11. 請求項6〜10のいずれか一項に記載のゴム組成物をタイヤ部材のトレッドに用いた、タイヤ。
  12. 天然ゴム及び合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種を、式(1)又は式(2)で表される化合物によって変性させる工程を有する、変性ゴム(A)の製造方法。
    Figure 0005954504
    (式中、Xは、グアニジン部位と塩を形成している酸であり、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
    Figure 0005954504
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアルケニル基(これらの基は、いずれも硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子を含む置換基を1つ以上有するものを含む)、並びに水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である。)
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