JP2013056992A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】微粒子含有繊維のゴム中での分散性を向上させて、加工性の向上と、氷雪路面上での排水効果、スタッドレス効果を発揮して、氷上性能を大幅に向上させることができる空気入りタイヤの提供。
【解決手段】天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分に対して、金属酸化物、金属炭酸塩及び金属を含有する粘土鉱物よりなる群から選択される少なくとも一種の微粒子と親水性樹脂とからなる微粒子含有繊維と、アルカノールアミドから選ばれる少なくとも1種と、発泡剤とを含有するゴム組成物をタイヤトレッド部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
【選択図】なし

Description

本発明は、親水性樹脂と微粒子とからなる微粒子含有繊維を含むゴム組成物をトレッド部に用いた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、微粒子含有繊維の分散性を向上させ、加工性の向上、並びに、氷雪路面上での排水効果、スタッドレス効果を向上させて優れた氷上性能を発揮することができる空気入りタイヤに関する。
スパイクタイヤが規制されて以来、氷雪路面上でのタイヤの制動性や駆動性(氷上性能)を向上させるため、特に、タイヤのトレッド部について種々の検討がなされている。
例えば、タイヤのトレッドゴム中に中空繊維を配合することにより、氷雪路面上の水を該中空繊維の中空部分で排除し、タイヤの氷上性能を向上させることが行われている。しかしながら、この場合、トレッドゴム成形時における圧力、ゴム流れ、温度等により、中空繊維は中空形状を保つことができず、タイヤの氷上性能が充分に得られないという問題があった。
この問題に対して、1)発泡剤含有繊維を含むゴム組成物をトレッド部に用いたタイヤにおいて、トレッド部にミクロな排水溝を形成することで、タイヤの排水性を向上させ、氷上性能を向上させる技術(例えば、特許文献1、2参照)、2)微粒子含有有機繊維を含むゴム組成物をトレッド部に用いたタイヤにおいて、有機繊維中に含まれる微粒子の含有量を増加させることにより、トレッドの水膜除去能に加えて、引掻き効果が向上し、氷上性能を更に向上できる技術(例えば、特許文献3参照)が知られている。
しかしながら、タイヤの氷上性能については、上記特許文献1〜3に記載の各技術より更に優れた技術が切望されており、更なる改善が必要となっている。
また、氷上性能を向上させる他のアプローチとして、繊維に微粒子を含有させる方法が知られているが、微粒子の量を多くすると、氷上性能は高くなるものの、微粒子の含有量には限界がある。例えば、上記特許文献3に記載の微粒子含有有機繊維は、繊維の製造工程における樹脂を高温で引き伸ばす紡糸・延伸の段階で、樹脂中に混入する微粒子が繊維の切断を誘発することがあるため、該微粒子を増加させると、繊維の製造が著しく困難になるという課題がある。
特開平11−60770号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2001−2832号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2001−233993号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等について、これを解消しようとするものであり、微粒子含有繊維を含有するゴム組成物をトレッド部に用いた空気入りタイヤにおいて、微粒子含有繊維のゴム中での分散性を向上させて、加工性の向上と、氷雪路面上での排水効果、スタッドレス効果を発揮して、氷上性能を大幅に向上させることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の課題等に鑑み、鋭意検討した結果、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分(A)に対して、金属酸化物、金属炭酸塩及び金属を含有する粘土鉱物よりなる群から選択される少なくとも一種の微粒子と親水性樹脂とからなる微粒子含有繊維(B)と、特定のアルカノールアミドから選ばれる少なくとも1種(C)と、発泡剤(D)とを含有するゴム組成物をタイヤトレッド部に用いることにより、上記目的の空気入りタイヤが得られることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(10)に存する。
(1) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分(A)に対して、金属酸化物、金属炭酸塩及び金属を含有する粘土鉱物よりなる群から選択される少なくとも一種の微粒子と親水性樹脂とからなる微粒子含有繊維(B)と、下記一般式(I)で表わされるアルカノールアミド(C)から選ばれる少なくとも1種と、発泡剤(D)とを含有するゴム組成物をタイヤトレッド部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、また、Rは、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基であり、Rは、水素原子、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である。〕
(2) 前記微粒子含有繊維(B)の親水性樹脂が、カルボキシル基、水酸基、エステル基、エーテル基及びカルボニル基よりなる群から選択される少なくとも一種の官能基を含む樹脂であること特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3) 前記微粒子含有繊維(B)の金属酸化物が、酸化チタン、酸化アルミニウム、セラミックス及びゼオライト(アルミノケイ酸塩)から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4) 前記微粒子含有繊維(B)の金属炭酸塩が炭酸カルシウムであることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(5) 前記微粒子含有繊維(B)の金属を含有する粘土鉱物がモンモリロナイトであることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(6) 前記微粒子含有繊維(B)は、平均径が1〜100μmであり、平均長さが0.1〜20mmであることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(7) 前記微粒子含有繊維(B)が、親水性樹脂100質量部に対し、微粒子を0.5〜200質量部含有することを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(8) 前記一般式(I)中のRとRが共にオキシアルキレンユニットの場合は、下記式(II)及び(III)で表され、RとRはそれぞれ独立した炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、n、mは1〜5となるそれぞれ独立した数であることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
−(RO)n−H ………(II)
−(RO)m−H ………(III)
(9) 更に、ゴム組成物には、無機充填剤(E)を含有することを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
(10) ゴム成分100質量部に対して、前記微粒子含有繊維(B)が0.5〜30質量部、前記一般式(I)で表わされるアルカノールアミド(C)から選ばれる少なくとも1種が0.5〜15質量部となるゴム組成物を用いることを特徴とする上記(1)〜(9)の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、微粒子含有繊維のゴム中での分散性を向上させて、加工性の向上と、氷雪路面上での排水効果、スタッドレス効果を発揮して、氷上性能を大幅に向上させることができる空気入りタイヤが提供される。
本発明の空気入りタイヤの一例を示す断面図である。 本発明の空気入りタイヤのタイヤトレッド部中の構造を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の空気入りタイヤは、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分(A)に対して、金属酸化物、金属炭酸塩及び金属を含有する粘土鉱物よりなる群から選択される少なくとも一種の微粒子と親水性樹脂とからなる微粒子含有繊維(B)と、下記一般式(I)で表わされるアルカノールアミド(C)から選ばれる少なくとも1種と、発泡剤(D)とを含有するゴム組成物をタイヤトレッド部に用いたことを特徴とするものである。
〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、また、Rは、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基であり、Rは、水素原子、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である。〕
<ゴム成分(A)>
本発明に用いるゴム成分(A)は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。これらのゴム成分(A)は、一種単独で用いても、二種以上をブレンドして用いてもよい。
<微粒子含有繊維(B)>
本発明に用いる微粒子含有繊維(B)は、金属酸化物、金属炭酸塩及び金属を含有する粘土鉱物よりなる群から選択される少なくとも一種の微粒子と、親水性樹脂とから構成されるものである。
この微粒子含有繊維(B)を含有することにより、長尺状気泡を親水性の樹脂で被覆することができる。なお、ゴム組成物中に繊維を含有することにより、ミクロな排水溝として機能する長尺状気泡が形成されるものであり、樹脂を直接含有するだけでは、形成されないものである。
また、後述する一般式(I)で表わされるアルカノールアミド(C)は、微粒子含有繊維(B)の分散性改良剤となるものであり、微粒子含有繊維(B)と併用することにより、親水性樹脂の表面が疎水性のアルキル基で覆われるため疎水化により、ゴム中での微粒子含有繊維(B)の分散性が向上して、上記ミクロな排水溝として機能する長尺状気泡が効率良く形成されるものとなる。
上記微粒子含有繊維(B)を構成する親水性樹脂は、例えば、カルボキシル基、水酸基、エステル基、エーテル基、カルボニル基等の官能基を含む樹脂が挙げられる。
用いることができる親水性樹脂としては、例えば、アイオノマー樹脂(官能基:カルボキシル基)などを挙げることができる。上記親水性樹脂としては、水酸基又はカルボキシル基を含む樹脂が特に好ましい。
上記微粒子含有繊維(B)を構成する親水性樹脂は、融点又は軟化点が、ゴム組成物の加硫時における該ゴム組成物が達する最高温度、具体的には、加硫最高温度未満であることが好ましい。
後述する発泡剤(D)を含有するゴム組成物中に微粒子含有繊維(B)が含有されている場合、該微粒子含有繊維(B)を構成する親水性樹脂は加硫中に溶融又は軟化し、一方、ゴムマトリクス中で加硫中に発泡剤(D)から発生したガスは、加硫反応が進行したゴムマトリクスに比べ、繊維を構成していた溶融又は軟化した親水性樹脂の内部に留まる傾向がある。ここで、上記親水性樹脂の融点又は軟化点が加硫最高温度未満であれば、ゴム組成物の加硫時に該樹脂が速やかに溶融又は軟化し、長尺状気泡を効率的に形成することができる。一方、上記親水性樹脂の融点又は軟化点が加硫最高温度に近くなり過ぎると、加硫初期に速やかに親水性樹脂が溶融(軟化を含む)せず、加硫終期に親水性樹脂が溶融する。加硫終期では、発泡剤(D)から発生したガスが加硫したゴムマトリクス中に分散乃至取り込まれてしまっており、溶融した樹脂内には十分な量のガスが保持されないこととなる。
上記親水性樹脂の融点又は軟化点の上限は、以上の点を考慮して選択するのが好ましく、一般的には、ゴム組成物の加硫最高温度よりも、10℃以上低いことが好ましく、20℃以上低いことが更に好ましい。ゴム組成物の工業的な加硫温度は、一般的には最高で約190℃程度であるが、例えば、加硫最高温度が190℃に設定されている場合には、親水性樹脂の融点又は軟化点としては、通常190℃以下の範囲で選択され、180℃以下が好ましく、170℃以下が更に好ましい。
上記微粒子含有繊維(B)を構成する微粒子は、親水性樹脂と接着作用を示す。上記微粒子としては、例えば、酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)等の金属酸化物の微粒子、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩の微粒子、モンモリロナイト等の粘土鉱物の微粒子等が挙げられ、これらの中でも、金属イオンが存在する理由から粘土鉱物の微粒子が特に好ましい。これら微粒子は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。なお、上記金属酸化物をセラミックス又はゼオライト(アルミノケイ酸塩)として用いてもよい。
本発明において、上記微粒子含有繊維(B)を構成する微粒子は、製造容易性の観点から、その粒径が0.1〜500μmであることが望ましい。該粒径が0.1μm未満では、氷雪路面上での引掻き効果が十分に得られず、一方、500μmを超えると、繊維製造時(溶融紡糸時)に糸が切断するため、細径化が困難となる。
用いる微粒子含有繊維(B)において、親水性樹脂100質量部に対し、微粒子を0.5〜200質量部、更に好ましくは、1〜100質量部含有することが望ましい。該微粒子の含有量が0.5質量部未満では、氷雪路面上での引掻き効果が十分に得られず、一方、200質量部を超えると、紡糸操業性に劣り糸切れが生じるおそれがある。
本発明において、上記微粒子含有繊維(B)の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.5〜30質量部であることが好ましい。該微粒子含有繊維の含有量が0.5質量部未満では、加硫ゴムに占める長尺状の空隙の体積比率が小さいため、氷上性能を十分に得られないおそれがあり、一方、30質量部を超えると、ゴム組成物中での微粒子含有繊維の分散性が低下し、ゴム組成物の加工性が低下するおそれがある。
用いる微粒子含有繊維(B)は、平均径が1〜100μmであることが好ましく、10〜100μmであることが更に好ましい。この場合、繊維を構成していた親水性樹脂で覆われる長尺状気泡がミクロな排水溝として効率的に機能することができる。また、微粒子含有繊維の平均径が1μm未満では、親水性樹脂と微粒子から紡糸することができないおそれがあり、一方、100μmを超えると、微粒子含有繊維の重量が増加し、ゴム組成物中の配合部数が高くなり過ぎるおそれがある。
また、用いる微粒子含有繊維は、平均長さが0.1〜20mmであることが好ましく、0.5〜20mmであることが更に好ましく、1〜10mmであることが一層好ましい。この場合、繊維を構成していた親水性樹脂で覆われる長尺状気泡がミクロな排水溝として効率的に機能することができる。また、微粒子含有繊維の平均長さが0.1mm未満では、長尺状気泡が形成され難い。一方、微粒子含有繊維の平均長さが20mmを超えると、繊維の硬度が高くなり過ぎ、十分に混練りすることができず、また、トレッドのサイプが通常20mm程度であり、繊維の平均長さが20mmを超えても、氷上性能の効果が得難い。
本発明に用いる微粒子含有繊維(B)は、常法により製造することができ、該繊維の製造方法としては、溶融紡糸法、ゲル紡糸法、溶液紡糸法等が挙げられる。例えば、溶融紡糸法では、押出機中で原料樹脂を加熱・溶融した後、微粒子を分散させ、次いで紡糸ノズルより押し出された繊維の束を紡糸筒内で引き伸ばしつつ空気流により冷却して固化させ、その後、油剤を付与して1本にまとめ、巻き取ることにより、微粒子含有繊維を製造することができる。一方、溶液紡糸法では、原料樹脂を溶解したポリマー溶液に微粒子を分散させ、これを紡糸ノズルより押し出し、脱溶媒等を行うことにより繊維化し、繊維を製造することができる。
<アルカノールアミド(C)>
本発明に用いる下記式(I)で表されるアルカノールアミドは、微粒子含有繊維(B)の分散性を向上させ、加工性を改良して本発明の効果を発揮させるために含有するものである。また、後述する無機充填剤(E)として、シリカを含有せしめた場合も、下記式(I)で表されるアルカノールアミドにより、シリカの分散性も併せて向上させることができる。
〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、また、Rは、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基であり、Rは、水素原子、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である。〕
上記式(1)において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、イソステアリル基、ドコシル基、テトラコシル基などのアルキル基、アリル基、3−ブテニル基、メタリル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1,−ジメチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基、オレイル基、テトラコシリレン基などのアルケニル基が挙げられ、好ましくは、炭素数6〜18、さらに好ましくは炭素数11〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセニル基である。モノアルカノールアミドの原料となる脂肪酸としては、好ましくは、オクタン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
上記式(I)において、Rは、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数2〜3がより好ましい。
また、Rは、水素原子、あるいは、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数2〜3がより好ましい。
本発明において、上記式(I)のRが、水素原子を選択する場合は、上記式(I)で表されるアルカノールアミドは、モノアルカノールアミドとなる。
更に、上記式(I)中のRとRが、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である場合、すなわち、ジアルカノールアミドとなる場合には、下記式(II)および(III)で表されるものが好ましく、RとRはそれぞれ独立した炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、n、mはそれぞれ1〜10の数であることが好ましく、更に好ましくは、n、mの合計数が2〜8となるそれぞれ独立した数であることが望ましい。
−(RO)n−H ………(II)
−(RO)m−H ………(III)
中でも、RとRが、共に、エチレン基やプロピレン基が好ましく、n+mは2〜5となるものが好ましく、さらに2となるものが好ましい。なお、n、mは独立して1〜7が好ましく、1〜4がさらに好ましく、1がより好ましい。n個のR、及びm個のRは、同一でも異なっていてもよい。
具体的に用いることができる上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドとしては、例えば、オクタン酸モノエタノールアミド、オクタン酸モノイソプロパンプロパノールアミド、POE(2)オクタン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミドの少なくとも1種を挙げることができ、中でもラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミドの使用が望ましい。なお、上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドの合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
また、上記式(I)で表されるジアルカノールアミドとしては、例えば、オクタン酸ジエタノールアミド、オクタン酸ジイソプロパノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、POE(5)ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、POE(5)オレイン酸ジエタノールアミドの少なくとも1種を挙げることができ、中でも、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、POE(5)オレイン酸ジエタノールアミドの使用が望ましい。なお、上記式(I)で表されるジアルカノールアミドの合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
これらの(C)成分であるモノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドの(合計)含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜15質量部、更に好ましくは、本発明の更なる効果を発揮せしめる観点から、3〜15質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。また、これらのアルカノールアミドの含有量は、微粒子含有繊維(B)100質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましく、2〜12質量部がより更に好ましい。
これらのアルカノールアミドの含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上では、微粒子含有繊維(B)の分散効果が高く、一方、作業性、加硫速度に与える影響の点から、15質量部以下が好ましい。
<発泡剤(D)>
本発明に用いる発泡剤(D)としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、p,p´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N´−ジメチル−N,N´−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p´−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等が挙げられる。これら発泡剤の中でも、製造加工性の観点から、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)が好ましく、特にアゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましい。これら発泡剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。また、該発泡剤の含有量は、特に限定されるものではないが、後述するように、好ましい発泡率となるように好適な量で調整でき、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲が好ましい。
また、上記発泡剤(D)には、発泡助剤として尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛や亜鉛華等を併用することが好ましい。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。発泡助剤を適宜量併用することにより、発泡反応を促進して反応の完結度を高め、経時的に不要な劣化を抑制することができる。
<無機充填剤(E)>
本発明の空気入りタイヤに用いるゴム組成物には、更に、補強性充填剤として無機充填剤(E)を含有することができる。
用いることができる無機充填剤(E)としては、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム等が挙げられ、これらの中でも、補強性の観点から、カーボンブラック、シリカ及び水酸化アルミニウムが好ましく、カーボンブラック及び/又はシリカが特に好ましい。
用いることができるカーボンブラックは、特に制限なく、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。
また、用いることができるシリカとしては、特に制限はなく、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)等を使用することができ、一方、水酸化アルミニウムとしては、ハイジライト(登録商標、昭和電工製)を用いることが好ましい。
用いることができるシリカは、BET表面積が40〜350m/gであることが好ましい。シリカのBET表面積が40m/g未満の場合、該シリカの粒子径が大きすぎるために耐摩耗性が大きく低下してしまい、また、シリカのBET表面積が350m/gを越える場合、該シリカの粒子径が小さすぎるためにヒステリシスロスが大きく増加してしまうこととなる。
これらの無機充填剤(E)の含有量は、上記ゴム成分(A)100質量部に対して、0〜140質量部の範囲、好ましくは、50〜120質量部の範囲とすることが望ましい。
無機充填剤(E)の含有効果を発揮せしめる点から、5質量部以上とすることが好ましく、一方、140質量部を超えると、作業性が著しく悪化するためである。
なお、無機充填剤(E)として、シリカを用いる場合には、補強性の観点から、シランカップリング剤を用いることが好ましい。
用いることができるシランカップリング剤は、特に制限なく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。
これらのシランカップリング剤の含有量は、シリカの配合量によって変動するものであるが、好ましくは、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部、更に好ましくは、発熱性の観点から、6〜12質量部の範囲が望ましい。
シランカップリング剤の含有量がシリカ100質量部に対し、カップリング剤を入れる効果の観点から、1質量部以上が好ましく、一方、補強性、発熱性を維持する観点から、20質量部以下が好ましい。
<空気入りタイヤ>
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム成分(A)に、微粒子含有繊維(B)、上記式(I)で表されるアルカノールアミド(C)の少なくとも1種、発泡剤(D)、並びに、必要に応じて発泡助剤、無機充填剤(E)と共に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、軟化剤、ステアリン酸、老化防止剤、亜鉛華、加硫促進剤、加硫剤等を本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して含有したゴム組成物を調製し、該ゴム組成物をタイヤトレッド部に用いることにより製造することができる。
具体的には、本発明の空気入りタイヤにおいては、上記ゴム組成物を用いて未加硫トレッドゴムを形成し、常法に従って、該未加硫トレッドゴムをトレッド部に備える生タイヤを形成し、該生タイヤを加硫することで、後述するように、微粒子含有繊維を構成していた親水性樹脂で覆われた長尺状気泡をトレッド部に効率良く形成させることができる。
本発明の空気入りタイヤを図面を参照しながら更に詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りタイヤの一例の断面図であり、図2は本発明の空気入りタイヤのタイヤトレッド部中の構造を模式的に示す断面図である。
図1に示す空気入りタイヤは、左右一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるタイヤトレッド部3とを有し、前記一対のビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部1、2、3を補強するカーカス4と、該カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルト5とを備える。
ここで、本発明の空気入りタイヤは、タイヤトレッド部3に上述したゴム組成物(加硫ゴム)を適用したものである。
図1に示す空気入りタイヤのカーカス4は、一枚のカーカスプライから構成されており、また、上記ビード部1内に夫々埋設した一対のビードコア6間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア6の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、本発明の空気入りタイヤにおいて、カーカス4のプライ数及び構造は、これに限られるものではない。
また、図1に示す空気入りタイヤのベルト5は、二枚のベルト層から構成されており、各ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層、好ましくは、スチールコードのゴム引き層からなり、更に、二枚のベルト層が、該ベルト層を構成するコードが互いにタイヤ赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト5を構成している。なお、図中のベルト5は、二枚のベルト層からなるが、本発明の空気入りタイヤにおいて、ベルト8を構成するベルト層の枚数は、これに限られるものではない。
本発明の空気入りタイヤにおいて、タイヤトレッド部3中には、図2に示すとおり、タイヤトレッド部3の構造中には、長尺状気泡7を有し、該長尺状気泡7が被膜8で囲まれており、該長尺状気泡7を囲む被膜8が上記微粒子含有繊維を構成していた親水性樹脂8aと微粒子8bからなるものである。ここで、被膜8を構成する微粒子8bにより氷雪路面上での引掻き効果を高めつつ、親水性樹脂8aにより氷雪路面上の水を効率的に集め、ミクロな排水溝として作用する長尺状気泡7により排水することにより、タイヤの氷上性能を大幅に向上させることができる。
図2に示す長尺状気泡7は、一定方向に配向しているが、この長尺状気泡の配向を揃える手法としては、未加硫ゴム組成物中に分散している微粒子含有繊維を一定方向に配列させればよく、例えば、流路断面積が出口に向かって低減する押出機を用いて、微粒子含有繊維(B)を含むゴム組成物を押し出す方法が挙げられる。
更に、本発明の空気入りタイヤは、排水性を向上させる観点から、上記長尺状気泡がタイヤ周方向に配向されていることが好ましい。この場合、上述の方法により得た、繊維が一定方向に配列しているゴム組成物を用いて未加硫トレッドゴムを形成し、ゴム組成物中の繊維の配向方向がタイヤ周方向と一致するように該未加硫トレッドゴムを配設すればよい。なお、本発明の空気入りタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスを用いることができる。
本発明(実施例を含む)の空気入りタイヤにおいて、タイヤトレッド部3の発泡率(Vs)は、3〜50%が好ましく、3〜40%が更に好ましく、特に好ましくは、5〜35%が一層望ましい。
この発泡率が3%未満では、氷雪路面上の水を除去することができる長尺状気泡の体積が小さ過ぎ、排水性能が低下するおそれがあり、一方、50%を超えると、長尺状気泡の数が多過ぎ、タイヤの耐久性が低下する。なお、上記発泡率(Vs)は、長尺状気泡と、微粒子含有繊維を構成していた親水性樹脂の内部に留まらずに形成された気泡との合計の発泡率である。
上記発泡率(Vs)(%)は、下記式:
Vs =(ρ0/ρ1−1)×100
[式中、ρは加硫ゴムの密度(g/cm)、ρは加硫ゴムにおける固相部の密度(g/cm)である]により算出できる。
このように構成される空気入りタイヤが、何故、氷雪路面上での排水効果、スタッドレス効果を発揮して、氷上性能を大幅に向上させることができることとなるかは以下のように推察される。
すなわち、本発明の空気入りタイヤでは、タイヤトレッド部を構成する微粒子含有繊維(B)を含むゴム組成物(発泡ゴム)中に、上記式(I)で表されるアルカノールアミドの少なくとも1種が含有されると、微粒子含有繊維(B)の親水性樹脂の表面が疎水性のアルキル基に覆われる疎水化により、ゴム中での分散性が著しく向上するため、加工性も向上し、また、無機充填剤(E)として、シリカを併用した場合には、シリカ表面も併せて疎水化することができるので、シリカの分散性も向上することができ、しかも、ゴム組成物のヒステリシスロスを大幅に低下させつつ、上記ゴム組成物より得た加硫ゴムをトレッド部に備えることで、少なくとも接地部分に長尺状気泡が効率良く形成されており、かつ、耐摩耗性を向上させられる上、微粒子含有繊維(B)を含有することにより微粒子により氷雪路面上での引掻き効果を高めつつ、親水性樹脂により氷雪路面上の水を効率的に集め、ミクロな排水溝として作用する長尺状気泡により排水することにより、タイヤの氷上性能を大幅に向上させることができるものとなる。また、スタッドレス効果を発揮しながら、過度なグリップを抑えてタイヤの燃費も向上させることができ、低グリップによる摩耗ライフも向上するものとなる。
次に、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
<微粒子含有繊維(B)の製造例、繊維A〜F>
下記表1に示す配合処方の親水性樹脂及び微粒子を用い、通常の溶融紡糸法に従って微粒子含有繊維を製造した。なお、該繊維の平均径及び平均長さを下記の方法で測定した。これらの結果を下記表1に示す。
(1)平均径及び平均長さ
得られた微粒子含有繊維を無作為に20箇所選択し、光学顕微鏡を用いて直径(μm)及び長さ(mm)を測定し、その平均値を求めた。
<一般式(I)で表わされるアルカノールアミド(C)の製造例、アルカノールアミドA〜F>
用いるモノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドは、下記各製造法等により得たものを使用した。
(製造例1:アルカノールアミドA)
500mLの4つ口フラスコにラウリン酸メチル350g(1.63モル)、及び2−アミノ−1−プロパノール122.6g(1.63モル)を仕込み、得られた混合物の0.05質量%のナトリウムメトキシドを加えて、減圧(45mmHg)/窒素雰囲気下、85℃で7時間攪拌して反応により生成したメタノールを除去した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド396gを得た。
(製造例2:アルカノールアミドB)
2.5リッターのエチレンオキサイド付加装置に、アミノーンC-01[花王(株)製]900g(3.70モル)とその0.1質量%のナトリウムメトキシドを仕込み、120℃でエチレンオキサイド326g(7.40モル)を付加させた。その後、真空にて脱気を行い、70℃まで冷却して抜き出した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド1140gを得た。
(製造例3:アルカノールアミドC)
上記製造例1から、エステルをステアリン酸メチル390g(1.31モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン79.8g(1.31モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、ステアリン酸モノエタノールアミド402gを得た。
(製造例4:アルカノールアミドD)
500mLの4つ口フラスコにステアリン酸メチル350g(1.17モル)、及びジエタノールアミン123.3g(1.17モル)を仕込み、得られた混合物の0.05質量%のナトリウムメトキシドを加えて、減圧(50mmHg)/窒素雰囲気下、100℃で5時間攪拌して反応により生成したメタノールを除去した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、ステアリン酸ジエタノールアミドを411g得た。
(製造例5:アルカノールアミドE)
上記製造例1から、4つ口フラスコを1000mlに、エステルをオレイン酸メチル690g(2.33モル)に、ジエタノールアミンの量を244.7g(2.33モル)に変えた以外は、製造例4と同様に反応を行い、オレイン酸ジエタノールアミドを812g得た。
(製造例6:アルカノールアミドF)
2.5リッターのエチレンオキサイド付加装置に、製造例5で得たオレイン酸ジエタノールアミド750g(2.03モル)とその0.1質量%のナトリウムメトキシドを仕込み、120℃でエチレンオキサイド447g(10.15モル)を付加させた。その後、真空にて脱気を行い、70℃まで冷却して抜き出した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、POE(5)オレイン酸ジエタノールアミドを1125g得た。
(実施例1〜16及び比較例1〜13)
下記表2及び表3に示す配合処方に従い、配合した微粒子含有繊維(B)〔繊維A〜F〕が一定方向に配列しているゴム組成物を調製した。
得られた各ゴム組成物を用いてトレッドゴムを作製し、ゴム組成物中の微粒子含有繊維(B)がタイヤ周方向に配向するように、該トレッドゴムを配設して生タイヤを作製した。
次に、得られた生タイヤを加硫し、サイズ185/70R13の乗用車用ラジアルタイヤを作製した。なお、各ゴム組成物の加硫中の加硫最高温度は、いずれも200℃であった。
得られたタイヤについて、発泡率(Vs)を上述の式で算出し、氷上性能、未加硫ゴム粘度、耐摩耗性及び動的粘弾性(転がり抵抗)を下記の方法で評価した。
これらの結果を下記表2及び表3に示す。
(氷上性能)
トレッド部の摩耗率が20%のタイヤを装着した乗用車にて、氷上平坦路を走行させ、時速20km/hの時点でブレーキをかけてタイヤをロックさせ、停止状態になるまでの制動距離を測定した。比較例1のタイヤの制動距離の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、氷上での制動性に優れることを示す。なお、トレッド部の摩耗率は、下記式により算出された。
摩耗率(%)=(1−摩耗後の溝深さ/新品時の溝深さ)×100
(未加硫粘度の測定方法)
未加硫ゴム粘度、スコーチタイムは、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度、ムーニースコーチタイム)に準拠して行った。
なお、評価は、比較例1の値を100として指数表示した。未加硫ゴム粘度は、値が小さいほど作業性が良好であることを示す。
(耐摩耗性試験)
JIS K 6264−2:2005に準拠し、ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、スリップ率25%の条件で試験を行い、比較例1の摩耗量の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
〔動的粘弾性(転がり抵抗)の測定方法〕
上島製作所製スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用い、周波数52 Hz、初期歪10%、測定温度60℃、動歪1%で、加硫ゴムのtanδを測定し、比較例1のtanδの値を100として指数表示した。指数値が小さい程、tanδが低く、ゴム組成物が低発熱性であることを示す。
上記表2及び表3から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜16の空気入りタイヤは、本発明の範囲外となる比較例1〜13に較べて、耐摩耗性、転がり抵抗を損なうことなく、作業性を向上させることができると共に、氷雪路面上での排水効果、スタッドレス効果を発揮して、氷上性能を大幅に向上させることができることが判明した。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
5 ベルト
6 ビードコア
7 長尺状気泡
8 被膜
8a 親水性樹脂
8b 微粒子
氷雪路面上での排水効果、スタッドレス効果を発揮して、氷上性能を大幅に向上させることができる空気入りタイヤに好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分に対して、金属酸化物、金属炭酸塩及び金属を含有する粘土鉱物よりなる群から選択される少なくとも一種の微粒子と親水性樹脂とからなる微粒子含有繊維と、下記一般式(I)で表わされるアルカノールアミドから選ばれる少なくとも1種と、発泡剤とを含有するゴム組成物をタイヤトレッド部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
    〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、また、Rは、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基であり、Rは、水素原子、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である。〕
  2. 前記微粒子含有繊維(D)の親水性樹脂が、カルボキシル基、水酸基、エステル基、エーテル基及びカルボニル基よりなる群から選択される少なくとも一種の官能基を含む樹脂であること特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記微粒子含有繊維の金属酸化物が、酸化チタン、酸化アルミニウム、セラミックス及びゼオライト(アルミノケイ酸塩)から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記微粒子含有繊維の金属炭酸塩が炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記微粒子含有繊維の金属を含有する粘土鉱物がモンモリロナイトであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記微粒子含有繊維は、平均径が1〜100μmであり、平均長さが0.1〜20mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記微粒子含有繊維が、親水性樹脂100質量部に対し、微粒子を0.5〜200質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記一般式(I)中のRとRが共にオキシアルキレンユニットの場合は、下記式(II)及び(III)で表され、RとRはそれぞれ独立した炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、n、mは1〜5となるそれぞれ独立した数であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
    −(RO)n−H ………(II)
    −(RO)m−H ………(III)
  9. 更に、ゴム組成物には、無機充填剤を含有することを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. ゴム成分100質量部に対して、前記微粒子含有繊維(B)が0.5〜30質量部、前記一般式(I)で表わされるアルカノールアミド(C)から選ばれる少なくとも1種が0.5〜15質量部となるゴム組成物を用いることを特徴とする請求項1〜9の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
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