JP5666380B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物に関し、また、該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
自動車の低燃費化の要求は近年ますます高まり、タイヤについても低燃費化が求められている。タイヤの低燃費化には、使用するゴム組成物の発熱性が関係することが知られており、ゴム組成物のヒステリシスロスを低減すること、すなわち、損失係数(tanδ)を低く抑えることが、低燃費化には効果的である。
このことに関連して、下記特許文献1には、エポキシ基を含有するジエン系ゴムに、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン化合物と、窒素吸着比表面積が50〜250m/gであるカーボンブラックを配合してなるゴム組成物が開示されている。この文献では、エポキシ基を含有するジエン系ゴムにアミン化合物を併用することで、ウェットグリップ性と低燃費性の双方を改善できるが、エポキシ基を有しないジエン系ゴムにアミン化合物を添加したのでは、高温域でのtanδが大きくなって低燃費性が悪化すると開示されている。
なお、ジアミン化合物であるヘキサメチレンジアミンは、一般に、フッ素ゴムや、アクリルゴム、塩素化ポリエチレンなどのポリメチレン型の飽和主鎖を持つゴムに対する加硫剤として使用されているが、これらはカーボンブラックの分散性向上に寄与するものではない。
一方、下記特許文献2には、化学変性されていないジエン系ゴムをゴム成分として、該ゴム成分に、溶解度パラメーター(SP値)が10(cal/cm1/2以下であるジアミン化合物と、窒素吸着比表面積が20〜80m/gであるカーボンブラックとを配合してなるゴム組成物が開示されている。この文献によれば、上記特定の窒素吸着比表面積を有するカーボンブラックを使用した配合系において、特定の溶解度パラメーター(SP値)を持つジアミン化合物を添加することにより、カーボンブラックの分散性が向上して、低発熱性を改善することができる。しかしながら、この文献では、窒素吸着比表面積が80m/gを超える小粒径のカーボンブラックは、ジアミン化合物の添加による低発熱性の改善効果は得られず、却って悪化すると記載されており、より小粒径で補強性の高いカーボンブラックにおいて低発熱性の改善効果を発揮することができなかった。
他方、下記特許文献3には、窒素吸着比表面積が130m/g以上のカーボンブラックにアミン系やキノリン系の化合物を付加させてなる表面処理カーボンブラックを、ジエン系ゴムからなるゴム成分に配合することにより、分散性を改良することが開示されている。しかしながら、この文献は、窒素吸着比表面積が130m/g以上である極めて小粒径のカーボンブラックを対象とするだけでなく、アミン系化合物としても、p−フェニレンジアミン系化合物やナフチルアミン系化合物などの一般に老化防止剤として汎用されているものが用いられており、上記特定の溶解度パラメーターを持つジアミン系化合物も開示されていない。
特開平08−217855号公報 特開2011−016984号公報 特開昭62−250042号公報
上記のように特許文献2には、化学変性されていないジエン系ゴムに溶解度パラメーターが10以下のジアミン化合物を配合することにより、カーボンブラックの分散性を向上させて低発熱性を改善できることが開示されているが、窒素吸着比表面積が80m/g以下である比較的大粒径のカーボンブラックでないと低発熱性の改善効果は得られないと考えられていた。しかしながら、ゴム組成物の用途によっては、より小粒径で補強性の高いカーボンブラックを用いることが要求される場合があり、その場合に特許文献2に開示の技術では十分に応えることができない。
そこで、本発明は、より小粒径のカーボンブラックを用いる場合であっても、低発熱性を改善することができるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の点に鑑み鋭意検討していく中で、特定のジアミン化合物をカーボンブラックの表面に予め均一に反応させておくことにより、上記特許文献2の開示内容に反し予想外にも、窒素吸着比表面積が80m/gを超える比較的小粒径のカーボンブラックにおいて、加硫ゴムのヒステリシスロスを低減して低発熱性を改善することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るゴム組成物は、化学変性されていないジエン系ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が80m2/g超かつ120m2/g以下のカーボンブラックを溶解度パラメーター(SP値)が9〜10(cal/cm31/2でありかつ炭素数7〜12の直鎖状アルキレン基の両末端に−NH2を持つジアミン化合物で予め表面処理してなる表面処理カーボンブラックを20〜200質量部配合してなるものである。また、本発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を少なくとも一部に使用してなるものである。
本発明に係るゴム組成物であると、上記のようにジアミン化合物をカーボンブラックの表面に予め処理してなる表面処理カーボンブラックを用いることにより、ゴム組成物の低発熱性を改善することができる。また、耐スコーチ性も改善することができ、アミン系化合物を用いることによる加工性の悪化を抑えることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物において、ゴム成分としては、化学変性されていないジエン系ゴムが用いられる。化学変性されていないジエン系ゴムを用いた場合でも、低発熱性を改善することができるので、汎用のジエン系ゴムの使用により低コスト化を図ることができる。
化学変性されていないジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴムなどの、ヘテロ原子含有の極性基を有しない各種ジエン系ゴムが挙げられる。好ましくは、ゴム成分は、天然ゴムを主成分とすることであり、すなわち、ゴム成分は、未変性の天然ゴム単独、又は、未変性の天然ゴム50質量%以上と、他の未変性のジエン系ゴム(好ましくは、未変性のブタジエンゴム及び/又はスチレンブタジエンゴム)50質量%以下からなることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、特定の比表面積を持つカーボンブラックを特定のSP値を持つジアミン化合物で予め表面処理してなる表面処理カーボンブラックが配合される。これによりカーボンブラックの表面にジアミン化合物を効果的に反応させることができ、該ジアミン化合物によりジエン系ゴムとの相溶性を改善させて、ゴム組成物中でのカーボンブラックの分散性を向上することができ、低発熱性を改善することができる。また、ジアミン化合物を予め表面処理しておくことにより、ゴム混合時に塩基性が高くなるのを抑えて耐スコーチ性を改善することができ、加工性の悪化を抑えることができる。
表面処理の対象となるカーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積(NSA)が80m/gを超え、かつ120m/g以下のカーボンブラックが用いられ、このような比較的小粒径のカーボンブラックを用いることを特徴とする。上記のように従来技術では、ジアミン化合物の添加による低発熱性改善のためにはカーボンブラックの窒素吸着比表面積が80m/g以下であることが必要とされていたが、本実施形態では、表面処理することによって、より小粒径のカーボンブラックにおいても低発熱性の改善効果が得られるようにした点に特徴がある。窒素吸着比表面積が80m/g以下のものでは、事前に表面処理しなくても低発熱性の改善効果が得られ、事前に表面処理することによる低発熱性の改善効果は小さい。一方、窒素吸着比表面積が120m/gを超えるものでは、事前に表面処理しても低発熱性の改善効果はほとんど得られない。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、より好ましくは90m/g以上120m/g以下である。ここで、窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準じて測定される値である。
カーボンブラックに表面処理するジアミン化合物としては、溶解度パラメーター(SP値)が10(cal/cm1/2以下のジアミン化合物が用いられる。ジアミン化合物は、そのアミノ基がカーボンブラックの表面に存在するカルボキシル基などの官能基と反応することにより、カーボンブラックと結合する。また、そのSP値が10(cal/cm1/2以下であり、SP値が8〜9(cal/cm1/2程度である上記ジエン系ゴムに近い値を持つことから、該ジエン系ゴムとの相溶性に優れる。そのため、ゴム組成物中でのカーボンブラックの分散性を向上して低発熱性を改善することができる。ジアミン化合物のSP値は、9〜10(cal/cm1/2であることが好ましく、より好ましくは9.00〜9.80(cal/cm1/2である。ここで、SP値は、向井淳二、金城徳幸著「技術者のための実学高分子」(講談社、1981年10月1日発行)の71〜77頁に記載の方法により算出される値であり、特には、同文献に記載のFedorsの式により算出される25℃における値δ[(cal/cm1/2]である。なお、1(cal/cm1/2=2.05(MJ/m1/2であり、そのため、SP値が10(cal/cm1/2以下とは20.5(MJ/m1/2以下を意味する。
このようなSP値を持つジアミン化合物としては、下記一般式(1)で表されるジアミノアルカンが好ましく用いられる。このように2つのアミノ基がともにアルキル基などで置換されていない非置換のアミノ基を持つジアミノアルカンを用いることにより、カーボンブラック表面のカルボキシル基などの官能基との反応性が高く、低発熱性により優れる。
N−R−NH …(1)
式中、Rは、アルキレン基であり、好ましくは炭素数6〜14のアルキレン基であり、更に好ましくは炭素数7〜12のアルキレン基である。アルキレン基は直鎖状でも分岐していてもよいが、好ましくは直鎖状であり、その両末端にアミノ基を有するものである。
このようなジアミン化合物の具体例としては、1,12−ジアミノドデカン(SP値=9.34(cal/cm1/2)、1,11−ジアミノウンデカン(SP値=9.39(cal/cm1/2)、1,10−ジアミノデカン(SP値=9.46(cal/cm1/2)、1,9−ジアミノノナン(SP値=9.53(cal/cm1/2)、1,8−ジアミノオクタン(SP値=9.62(cal/cm1/2)、及び1,7−ジアミノヘプタン(SP値=9.73(cal/cm1/2)などが好ましいものとして挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ジアミン化合物をカーボンブラックに表面処理する方法については、特に限定されず、例えば、ミキサーやブレンダー中で、カーボンブラックを攪拌し流動させながら、ジアミン化合物を添加し加熱混合することにより、カーボンブラックにジアミン化合物を付加反応させて表面処理カーボンブラックが得られる。その際、ジアミン化合物は、そのまま添加してもよいが、水溶液や有機溶剤に溶解させた溶液の状態で添加してもよく、その場合、反応後に加熱乾燥することにより水分又は溶剤を除去することができる。
上記表面処理カーボンブラックにおいて、ジアミン化合物の使用量(表面処理量)は、特に限定されないが、カーボンブラック100質量部に対して0.1〜10質量部(即ち、0.1〜10質量%)であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。ジアミン化合物の使用量が少なすぎると、表面処理による効果が不十分となるおそれがある。逆に、ジアミン化合物の使用量が多すぎると、塩基性が高くなって加硫速度が上昇することにより、スコーチタイムが短縮して加工性が損なわれるおそれがある。
上記表面処理カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、20〜200質量部であり、より好ましくは30〜100質量部であり、更に好ましくは40〜80質量部である。表面処理カーボンブラックの配合量が少なすぎると、補強性を確保することが難しく、また表面処理カーボンブラックを用いることによる低発熱性の改善効果を十分に発揮することが困難となる。逆に、200質量部を超えるような多量の配合量では、加工性を確保することが困難となる。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の各成分の他に、シリカ等の他の無機充填剤、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、軟化剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。また、充填剤としては、上記表面処理カーボンブラックとともに、未処理のカーボンブラックを配合してもよい。
上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量はゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階で、ゴム成分に対し、上記表面処理カーボンブラックとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られるゴム組成物の用途は、特に限定されず、トレッドやサイドウォール等のタイヤ、コンベアベルト、防振ゴムなどの各種ゴム組成物に用いることができる。特には、タイヤに用いることが好適であり、常法に従い、例えば140〜200℃で加硫成形することにより、各種空気入りタイヤのゴム部分(トレッドゴムやサイドウォールゴムなど)を構成することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用成分の詳細]
・カーボンブラック1:東海カーボン株式会社製「シースト3」(NSA=79m/g)
・カーボンブラック2:東海カーボン株式会社製「シースト6」(NSA=119m/g)
・カーボンブラック3:東海カーボン株式会社製「シーストKH」(NSA=93m/g)
・カーボンブラック4:東海カーボン株式会社製「シースト9」(NSA=142m/g)
・ジアミン化合物1:1,12−ジアミノドデカン(SP値=9.34(cal/cm1/2
・ジアミン化合物2:1,7−ジアミノヘプタン(SP値=9.73(cal/cm1/2
・天然ゴム(NR):RSS3号
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「1号亜鉛華」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS−20」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「5%油処理粉末硫黄」。
・加硫促進剤:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
[表面処理CB1](比較例)
1kgのカーボンブラック1を、ミキサー(株式会社カワタ製「SMV−20」)内で、1900rpm、90℃×5分間保温及び粉砕して流動させた。次いで、800rpmにて90℃×20分間攪拌しながらジアミン化合物1の5質量%水溶液を130mL噴霧し、その後、1900rpmにて90℃×15分間攪拌してジアミン化合物1をカーボンブラックに反応させた後、160℃で2時間乾燥させることにより、ジアミン化合物1の表面処理量が0.65質量%である表面処理カーボンブラック(表面処理CB1)を得た。
[表面処理CB2](実施例)
1kgのカーボンブラック2を、ミキサー(株式会社カワタ製「SMV−20」)内で、1900rpm、90℃×5分間保温及び粉砕して流動させた。次いで、800rpmにて90℃×20分間攪拌しながらジアミン化合物1の5質量%水溶液を130mL噴霧し、その後、1900rpmにて90℃×15分間攪拌してジアミン化合物1をカーボンブラックに反応させた後、160℃で3時間乾燥させることにより、ジアミン化合物1の表面処理量が0.65質量%である表面処理カーボンブラック(表面処理CB2)を得た。
[表面処理CB3](実施例)
ジアミン化合物1の10質量%水溶液を330mL噴霧し、その他は表面処理CB2と同様にして、ジアミン化合物1の表面処理量が3.3質量%である表面処理カーボンブラック(表面処理CB3)を得た。
[表面処理CB4](実施例)
ジアミン化合物2の5質量%水溶液を130mL噴霧し、その他は表面処理CB2と同様にして、ジアミン化合物2の表面処理量が0.65質量%である表面処理カーボンブラック(表面処理CB4)を得た。
[表面処理CB5](実施例)
ジアミン化合物2の10質量%水溶液を330mL噴霧し、その他は表面処理CB2と同様にして、ジアミン化合物2の表面処理量が3.3質量%である表面処理カーボンブラック(表面処理CB5)を得た。
[表面処理CB6](実施例)
1kgのカーボンブラック3を、ミキサー(株式会社カワタ製「SMV−20」)内で、1900rpm、90℃×5分間保温及び粉砕して流動させた。次いで、800rpmにて90℃×20分間攪拌しながらジアミン化合物1の10質量%水溶液を330mL噴霧し、その後、1900rpmにて90℃×15分間攪拌してジアミン化合物1をカーボンブラックに反応させた後、160℃で3時間乾燥させることにより、ジアミン化合物1の表面処理量が3.3質量%である表面処理カーボンブラック(表面処理CB6)を得た。
[表面処理CB7](比較例)
1kgのカーボンブラック4を、ミキサー(株式会社カワタ製「SMV−20」)内で、1900rpm、90℃×5分間保温及び粉砕して流動させた。次いで、800rpmにて90℃×20分間攪拌しながらジアミン化合物2の10質量%水溶液を330mL噴霧し、その後、1900rpmにて90℃×15分間攪拌してジアミン化合物2をカーボンブラックに反応させた後、160℃で4時間乾燥させることにより、ジアミン化合物2の表面処理量が3.3質量%である表面処理カーボンブラック(表面処理CB7)を得た。
[実験例1]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、まず、第一混合段階で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で硫黄と加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製した。なお、各配合では、表面処理剤を除くカーボンブラック分の量が60質量部で一定となるように配合量を設定した。
得られた各ゴム組成物について、スコーチを測定するとともに、150℃×30分で加硫した所定形状の試験片についてtanδを測定した。各測定方法は次の通りである。
・スコーチ:JIS K6300に準拠したムーニースコーチ試験をレオメーター(L形ロータ)を用いて行い、予熱1分、温度125℃で測定時のt5値(分)を求め、比較例1からの差を表示した。マイナスの値は比較例1よりもスコーチしやすいことを示し、その絶対値が大きいほど、加工性に劣ることを示す。
・tanδ:JIS K6394に準じて、温度70℃、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み2%の条件で損失係数tanδを測定し、比較例2の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、発熱しにくいこと、即ち低発熱性に優れることを示す。
結果は表1に示す通りであり、窒素吸着比表面積が80m/g未満のカーボンブラック1を用いた場合、ジアミン化合物をゴム混練時に添加した比較例2でも、未添加の比較例1に対して、低発熱性が改善されており、比較例3では、ジアミン化合物を予め処理した表面処理CB1を用いたものの、比較例2に対する低発熱性の改善効果は小さかった。
Figure 0005666380
[実験例2]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合(質量部)に従い、実験例1と同様にしてゴム組成物を調製した。得られた各ゴム組成物について、実験例1と同様に、スコーチとtanδを測定した。但し、スコーチの評価は比較例4を基準とし、tanδの評価は比較例5を基準とした。
結果は、表2に示す通りであり、窒素吸着比表面積が上記特定の範囲内に入るカーボンブラック2を用いた場合、ジアミン化合物をゴム混練時に添加した比較例5,6では、未添加の比較例4に対して、低発熱性の改善効果は得られなかった。これに対し、ジアミン化合物を予め処理した表面処理カーボンブラックを用いた実施例1,2では、比較例5に対し、低発熱性が顕著に改善されていた。また、ジアミン化合物をゴム混練時に添加した比較例5,6では、比較例4に対してスコーチタイムが大幅に短縮され、加工性が劣っていたのに対し、実施例1,2では、ジアミン化合物を事前に表面処理することにより、比較例4に対してスコーチタイムの短縮は僅かであり、加工性に優れていた。
Figure 0005666380
[実験例3]
バンバリーミキサーを使用し、下記表3に示す配合(質量部)に従い、実験例1と同様にしてゴム組成物を調製した。得られた各ゴム組成物について、実験例1と同様に、スコーチとtanδを測定した。但し、スコーチの評価は比較例7を基準とし、tanδの評価は比較例8を基準とした。結果は表3に示す通りであり、SP値=9.73のジアミン化合物2を用いた場合も、SP値=9.34のジアミン化合物1を用いた場合と同様の結果が得られた。
Figure 0005666380
[実験例4]
バンバリーミキサーを使用し、下記表4に示す配合(質量部)に従い、実験例1と同様にしてゴム組成物を調製した。得られた各ゴム組成物について、実験例1と同様に、スコーチとtanδを測定した。但し、スコーチの評価は比較例10を基準とし、tanδの評価は比較例11を基準とした。結果は表4に示す通りであり、窒素吸着比表面積が93m/gであるカーボンブラック3を用いた場合も、上記実験例2,3と同様に、表面処理カーボンブラックを用いることにより、低発熱性の改善効果に優れ、また加工性の悪化も抑えられていた。
Figure 0005666380
[実験例5]
バンバリーミキサーを使用し、下記表5に示す配合(質量部)に従い、実験例1と同様にしてゴム組成物を調製した。得られた各ゴム組成物について、実験例1と同様に、スコーチとtanδを測定した。但し、スコーチの評価は比較例12を基準とし、tanδの評価は比較例13を基準とした。結果は表5に示す通りであり、窒素吸着比表面積が142m/gであるカーボンブラック4を用いた場合、ジアミン化合物を事前に表面処理しても、低発熱性は改善されておらず、加工性にも劣っていた。
Figure 0005666380
本発明に係るゴム組成物は、低発熱性を向上することができるので、各種タイヤのゴム部材として好適に用いることができ、その他、防振ゴムやベルトなどの各種用途に用いることができる。

Claims (3)

  1. 化学変性されていないジエン系ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が80m2/g超かつ120m2/g以下のカーボンブラックを溶解度パラメーター(SP値)が9〜10(cal/cm31/2でありかつ炭素数7〜12の直鎖状アルキレン基の両末端に−NH2を持つジアミン化合物で予め表面処理してなる表面処理カーボンブラックを20〜200質量部配合してなるゴム組成物。
  2. 前記表面処理カーボンブラックは、前記カーボンブラック100質量部に対して前記ジアミン化合物を0.1〜10質量部表面処理してなるものである請求項1記載のゴム組成物。
  3. 請求項1又は2記載のゴム組成物をタイヤの少なくとも一部に使用した空気入りタイヤ。
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