JP7369619B2 - 変性植物油及びその製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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Description
本実施形態に係る変性植物油は、炭素-炭素二重結合を含む植物油にテトラジン化合物を反応させたものである。
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分と、上記変性植物油と、シリカとを含むものである。かかる変性植物油を配合することにより、ゴム組成物の耐摩耗性を改良することができる。その理由は、これにより限定されることを意図するものではないが、次のように推測される。すなわち、植物油とテトラジン化合物とを反応させることにより、植物油中の炭素-炭素二重結合を減らし、シリカと親和性の高い変性植物油が得られるので、ゴム組成物中でのシリカの分散性を向上することができ、耐摩耗性が改善すると考えられる。また、シリカの分散性を改善することにより、ウェットグリップ性(湿潤路面におけるグリップ性能)や低発熱性などのタイヤ性能の改善にもつながる。
本実施形態に係るタイヤは、上記ゴム組成物を用いて作製されたものである。該ゴム組成物をタイヤに用いる場合、その適用部位としては、トレッド部、サイドウォール部などのタイヤの各部位が挙げられ、好ましくはタイヤの接地面を構成するトレッドゴムに用いることである。すなわち、一実施形態に係るタイヤは、上記ゴム組成物からなるトレッドゴムを備えたものである。タイヤとしては、乗用車用タイヤ、トラックやバスの重荷重用タイヤなど各種用途、各種サイズの空気入りタイヤが挙げられる。
大豆油100gをビーカーに入れてオイルバスにて120℃まで加熱し、温度が一定になった後、テトラジン化合物(東京化成工業(株)製、3,6-ジ(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン)を1.0g加えて5分間撹拌した。撹拌後、室温で放冷することにより変性大豆油を得た。
大豆油をあまに油に代え、その他は製造例1と同様にして変性あまに油を得た。この場合も、テトラジン化合物はあまに油と加熱混合することで赤色が消失しており、あまに油の二重結合とのディールス・アルダー反応が進行したことが分かる。
大豆油をひまわり油に代え、その他は製造例1と同様にして変性ひまわり油を得た。この場合も、テトラジン化合物はひまわり油と加熱混合することで赤色が消失しており、ひまわり油の二重結合とのディールス・アルダー反応が進行したことが分かる。
・大豆油:カネダ株式会社製大豆油、脂肪酸組成:オレイン酸25質量%、リノール酸52質量%、リノレン酸7質量%(C18不飽和脂肪酸の含有量:84質量%、不飽和脂肪酸の含有量:84質量%)。
・あまに油:カネダ株式会社製あまに油、脂肪酸組成:オレイン酸18質量%、リノール酸20質量%、リノレン酸50質量%(C18不飽和脂肪酸の含有量:88質量%、不飽和脂肪酸の含有量:90質量%)。
・ひまわり油:カネダ株式会社製ひまわり油、脂肪酸組成:オレイン酸84質量%、リノール酸8質量%(C18不飽和脂肪酸の含有量:92質量%、不飽和脂肪酸の含有量:92質量%)。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ゴム成分に対し硫黄及び加硫促進剤を除く配合剤を添加し混練した(排出温度=160℃)。次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練した(排出温度=90℃)。これによりゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・NR:RSS#3
・テトラジン化合物:東京化成工業(株)製、3,6-ジ(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン
・石油系オイル:JXTGエネルギー(株)製「プロセスNC140」
・大豆油、あまに油、ひまわり油:カネダ株式会社製の大豆油、あまに油、ひまわり油(脂肪酸組成は上記のとおり)
・変性大豆油、変性あまに油、変性ひまわり油:製造例1~3での調製品
・シリカ:エボニックインダストリーズ社製「Ultrasil VN3」
・シランカップリング剤:エボニックインダストリーズ社製「Si69」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「酸化亜鉛2種」
・老化防止剤:住友化学株式会社製「アンチゲン6C」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS-20」
・ワックス:日本精鑞(株)製「OZOACE0355」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「5%油入微粉末硫黄」
・加硫促進剤1:住友化学株式会社製「ソクシノールCZ」
・加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
得られた各ゴム組成物について、160℃×30分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、ウェットグリップ性、低発熱性、及び耐摩耗性を評価した。各測定・評価方法は以下の通りである。
シリカ及びシランカップリング剤の配合量を増量し、その他は第1実施例と同様にゴム組成物を調製し、試験片を作製した後、ウェットグリップ性、低発熱性、及び耐摩耗性を評価した。各測定・評価方法は上記のとおりであるが、ここではいずれも比較例6の値を100とした指数で表示した。
Claims (5)
- 炭素-炭素二重結合を含む植物油に下記一般式(1)で表される化合物又はその塩であるテトラジン化合物を反応させてなる変性植物油であって、
前記植物油は、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸からなる群から選択される少なくとも1種のC18不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含み、構成脂肪酸100質量%中の前記C18不飽和脂肪酸の含有量が35質量%以上である、変性植物油。
- 前記植物油100質量部に対する前記テトラジン化合物の量が0.1~10質量部である、請求項1に記載の変性植物油。
- ゴム成分100質量部に対して、請求項1又は2に記載の変性植物油1~50質量部と、シリカ10~120質量部と、を含む、ゴム組成物。
- 請求項3に記載のゴム組成物を用いて作製されたタイヤ。
- 炭素-炭素二重結合を含む植物油と下記一般式(1)で表される化合物又はその塩であるテトラジン化合物とを加熱混合することを含む、変性植物油の製造方法であって、
前記植物油は、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸からなる群から選択される少なくとも1種のC18不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含み、構成脂肪酸100質量%中の前記C18不飽和脂肪酸の含有量が35質量%以上であり、前記植物油100質量部に対する前記テトラジン化合物の量が0.1~10質量部である、変性植物油の製造方法。
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