JP7147284B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
(A) G*(4%)-G*(64%)≦65 [kPa]
(式中、G*(4%)は100℃における4%歪み印加時のせん断弾性率、G*(64%)は100℃における64%歪み印加時のせん断弾性率である。)
メルカプト系シランカップリング剤は、スルフィド系シランカップリング剤と比較し、シリカとの反応が遅い場合がある。上記ゴム組成物では、上記ピロリドン化合物によって系がアルカリ性になることで、シリカとの反応が促進され、低燃費性が向上したと考えられる。
(A) G*(4%)-G*(64%)≦65 [kPa]
(式中、G*(4%)は100℃における4%歪み印加時のせん断弾性率、G*(64%)は100℃における64%歪み印加時のせん断弾性率である。)
なお、スチレン量は、1H-NMR測定によって測定できる。
なお、上記化合物(変性剤)による変性は公知の方法で実施可能である。
なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
式(S1)におけるR1009の例として、直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられ、分枝状アルキレン基としては、イソプロピレン基、イソブチレン基、2-メチルプロピレン基等が挙げられる。
なお、結合単位A、Bの含有量は、結合単位A、Bがシランカップリング剤の末端に位置する場合も含む量である。結合単位A、Bがシランカップリング剤の末端に位置する場合の形態は特に限定されず、結合単位A、Bを示す式(I)、(II)と対応するユニットを形成していればよい。
アルキル基の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは5以上であり、また、好ましくは12以下、より好ましくは8以下である。
アルケニル基の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは5以上であり、また、好ましくは12以下、より好ましくは8以下である。
アルキニル基の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは5以上であり、また、好ましくは12以下、より好ましくは8以下である。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217-2:2001に準拠して測定される値である。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等を用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果が良好に得られるという理由から、プロセスオイルが好ましく、アロマ系プロセスオイルがより好ましい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
すなわち、上記ゴム組成物を、未加硫の段階で各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
SBR:日本ゼオン(株)製のNS116R(溶液重合SBR、スチレン量:23質量%)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:98質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックN220(N2SA:114m2/g)
シリカ1:エボニックデグッサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g)
シリカ2:エボニックデグッサ社製のウルトラシル9000GR(N2SA:240m2/g)
シランカップリング剤1:Momentive社製のNXT(3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン)
シランカップリング剤2:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
シランカップリング剤3:Momentive社製のNXT-Z45(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(結合単位A:55モル%、結合単位B:45モル%))
ピロリドン化合物1:東京化成工業(株)製の1-n-オクチル-2-ピロリドン(R:n-オクチル基)
ピロリドン化合物2:アスタテック社製の1-n-ペンチル-2-ピロリドン(R:n-ペンチル基)
ピロリドン化合物3:東京化成工業(株)製の1-フェニル-2-ピロリドン(R:フェニル基)
ピロリドン化合物4:東京化成工業(株)製の1-ベンジル-2-ピロリドン(R:ベンジル基)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
オイル:(株)ジャパンエナジー製のX140(アロマオイル)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3-ジフェニルグアニジン)
表1に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。
次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で10分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
上記未加硫ゴム組成物のせん断弾性率G*[kPa]を、αテクノロジー社製RPA2000を用いて測定した。測定温度は100℃とした。歪み4%~64%の範囲で測定を実施し、ΔG*=G*(4%)-G*(64%)を算出した。ΔG*が小さいほど、ゴム組成物中のシリカが良好に分散していることを示す。
上記未加硫ゴム組成物を細かく切り、エタノールを用いて24時間抽出を行った。抽出液中に抽出された未反応のシランカップリング剤量をガスクロマトグラフで測定し、仕込みシランカップリング剤量から未反応のシランカップリング剤量(質量%)を算出した。この値が小さいほど、混練り終了後の未加硫ゴム組成物中に未反応で存在するシランカップリング剤量が少なく、混練り中にシランカップリング剤とシリカの反応が充分に進行したことを示す。
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータVESを用いて、測定温度30℃、初期歪10%、動歪2.5%、周波数10Hzの条件で、上記加硫ゴム組成物のtanδを測定し、比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど、tanδが小さく、低燃費性に優れることを示す。
Claims (8)
- 下記式(A)を満たす請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
(A) G*(4%)-G*(64%)≦65 [kPa]
(式中、G*(4%)は100℃における4%歪み印加時のせん断弾性率、G*(64%)は100℃における64%歪み印加時のせん断弾性率である。) - 前記式(A)において、G*(4%)-G*(64%)≦60である請求項2記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記シリカの窒素吸着比表面積が200m2/g以上である請求項1~3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記メルカプト系シランカップリング剤が、下記式(S1)で表わされるシランカップリング剤、及び/又は、下記式(I)で示される結合単位Aと下記式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤である請求項1~4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記式(1)において、Rが炭素数5~8のアルキル基、フェニル基又はベンジル基である請求項1~5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分100質量部に対する前記ピロリドン化合物の含有量が0.2~10質量部である請求項1~6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1~7のいずれかに記載のゴム組成物で構成されたタイヤ部材を有する空気入りタイヤ。
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