JP7434897B2 - トレッドゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッドゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。
タイヤは経年劣化により新品時から物性が変化するのが一般的で、その大きな原因の一つに使用時の熱による劣化がある。新品時と劣化時の物性差を抑制する技術として、硫黄のモノ架橋を増やし、熱によって結合が切れやすい-S-S-結合(ポリ架橋)を減少させる手法等が提案されている。
更に特許文献1には、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム、シリカ、アロマオイル、所定の化合物等を含み、耐熱性等を改善したゴム組成物が開示されている。しかしながら、性能改善の要求は大きく、耐摩耗性等の更なる改善が望まれている。
特開2012-219124号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐摩耗性に優れたトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10質量%以上、ブタジエンゴムの含有量が10質量%以上で、かつ熱老化前後の硬度変化絶対値|ΔHs|が下記式(1)、熱老化前後のSwell変化絶対値|ΔSwell|が下記式(2)を満たすトレッド用ゴム組成物に関する。
|ΔHs|≦3.0 (1)
|ΔSwell|≦20% (2)
前記ゴム組成物は、硫黄と、硫黄以外の架橋剤とを含むことが好ましい。
前記ゴム組成物は、硫黄以外の架橋剤のみを含むことが好ましい。
前記ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量が25質量%以上であることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物で構成されたトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10質量%以上、ブタジエンゴムの含有量が10質量%以上で、かつ熱老化前後の硬度変化絶対値|ΔHs|が前記式(1)、熱老化前後のSwell変化絶対値|ΔSwell|が前記式(2)を満たすトレッド用ゴム組成物であるので、タイヤトレッド用ゴムとしてグリップ性能等の必要な性能を発揮し、また、耐摩耗性を顕著に改善できる。
本発明は、ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10質量%以上、ブタジエンゴムの含有量が10質量%以上で、かつ熱老化前後の硬度変化絶対値|ΔHs|、熱老化前後のSwell変化絶対値|ΔSwell|が前記式(1)、(2)を満たすトレッド用ゴム組成物である。
これにより、必要なグリップ性能等を発揮するだけでなく、優れた耐摩耗性を得ることができる。
このような作用効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推察される。
熱老化(熱劣化)が大きく現れる物性として、ゴムの硬さや架橋度が考えられ、先ず、ポリマーの架橋を-S-S-よりも強い結合を持つ材料で行うことで、硬さや架橋度の変化を抑制できると考えた。そして、所定量のスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)を含む配合ゴムにおいて、ゴムの硬さHs、架橋度の指標としてSwellを用い、熱老化前後の硬度変化絶対値|ΔHs|が式(1)、熱老化前後のSwell変化絶対値|ΔSwell|が式(2)を満たすように調整することで、タイヤの新品時と劣化時の性能差を抑制できるという知見を見出した。従って、所定量のSBRとBRを含み、かつ式(1)、(2)を満たす場合、長期間に渡って、優れた耐摩耗性が得られるものと推察される。
そして、硫黄のみの架橋では、熱老化抑制に限度があるため、架橋剤として、硫黄と他の架橋剤を併用することや、硫黄を含まない架橋剤を用いること、等の技術を用いることで、熱老化が抑制されると考えた。架橋剤として、例えば、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを用いると、この化合物がポリマー間に-S-(CH-S-という結合を形成し、このS-C結合が硫黄の-S-S-結合よりも活性化エネルギーが高く、結合が切れにくいため、熱老化を抑制する効果が顕著に奏すると推察される。また、硫黄を含まない架橋剤として、例えば、ジクミルパーオキサイドを用いると、ポリマー間に架橋剤(ジクミルパーオキサイド)が入ることなく、直接ポリマー同士で強固なC-C結合を形成するため、強い熱老化の抑制効果が得られると推察される。従って、例えば、このような架橋剤を用いた場合、式(1)、(2)を満たすゴム組成物を提供でき、優れた耐摩耗性が得られるものと推察される。
このように、本発明は、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムを所定量含む配合において、式(1)、(2)を満たすトレッド用ゴム組成物の構成にすることにより、耐摩耗性の改善という課題(目的)を解決するものである。すなわち、式(1)、(2)のパラメーターは課題(目的)を規定したものではなく、本願の課題は、耐摩耗性の改善であり、そのための解決手段として当該パラメーターを満たすような構成にしたものである。
ここで、前記式(1)、(2)、後述の式(1-1)、(2-1)を満足させる手法としては、(a)ポリマー間にS-C結合を含む結合を形成できる架橋剤(1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等)を用いる方法、(b)直接ポリマー同士によるC-C結合を形成できる架橋剤(有機過酸化物等)を用いる方法、(c)(a)及び/又は(b)に加え、必要に応じて硫黄を併用する方法、(d)微粒子カーボンブラックを配合する方法、(e)これらの含有量を調整する方法、(f)SBR、BRの含有量を調整する方法、(g)ジチオリン酸亜鉛化合物を用いる方法、等を単独又は適宜組み合わせる手法が挙げられる。
前記ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)は、耐摩耗性の観点から、熱老化前後の硬度変化絶対値|ΔHs|(|熱老化後のゴム組成物のHs-熱老化前のゴム組成物のHs|)が下記式(1)を満たす。
|ΔHs|≦3.0 (1)
好ましくは|ΔHs|≦2.5、より好ましくは|ΔHs|≦2.0、更に好ましくは|ΔHs|≦1.5、特に好ましくは|ΔHs|≦1.0、最も好ましくは|ΔHs|≦0.5である。上記範囲内の場合、熱老化前後における硬さHsの変化が少なく、優れた耐摩耗性が長期間に渡って得られる傾向がある。
熱老化前後のゴム組成物は、共に、耐摩耗性及びトレッドゴムとしての実用性の観点から、硬度(Hs)が下記式(1-1)を満たすことが好ましい。
40≦Hs≦80 (1-1)
好ましくは50≦Hs≦75、より好ましくは55≦Hs≦70、更に好ましくは60≦Hs≦68である。上記範囲内の場合、優れたトレッドゴムとしての実用性や耐摩耗性が得られる傾向がある。また、Hsの下限又は上限は、50.0、55.0、60.0、64.0、64.5、65.0、65.5、66.0、66.5、67.0、67.5、68.0、68.5、69.0、69.5、70.0、71.0、72.0、73.0、74.0、75.0、76.0でもよい。
前記ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)は、耐摩耗性の観点から、熱老化前後のSwell変化絶対値|ΔSwell|(|熱老化後のゴム組成物のSwell-熱老化前のゴム組成物のSwell|)が下記式(2)を満たす。
|ΔSwell|≦20% (2)
好ましくは|ΔSwell|≦15%、より好ましくは|ΔSwell|≦10%、更に好ましくは|ΔSwell|≦5%である。上記範囲内の場合、熱老化前後における架橋度(Swell)の変化が少なく、優れた耐摩耗性が長期間に渡って得られる傾向がある。また、|ΔSwell|は、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、14%以下、13%以下、11%以下、8%以下、4%以下でもよい。
熱老化前後のゴム組成物は、共に、耐摩耗性の観点から、Swellが下記式(2-1)を満たすことが好ましい。
150%≦Swell≦450% (2-1)
好ましくは200%≦Swell≦400%、より好ましくは230%≦Swell≦350%、更に好ましくは250%≦Swell≦300%である。上記範囲内の場合、優れた耐摩耗性が得られる傾向がある。また、Swellの下限又は上限は、245、262、264、268、271、279、280、283、286、288、292、296、302、304、310、311、312、316、319、320、322、327、331、335、336、339、341でもよい。
なお、熱老化は、JIS K6257:2010に準じ、熱老化条件(100℃、96時間)で実施する。ゴムの硬さ(Hs)はJIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従ってタイプAデュロメーターにより測定でき、ΔHsは熱老化前後のHsの変化である。Swellはトルエン浸漬前後の試験片(加硫後のゴム組成物)の浸漬前後の体積変化(%)を意味し、ΔSwellは熱老化前後のSwellの変化(%)である。
前記ゴム組成物は、ゴム成分として、スチレンブタジエンゴム(SBR)を含む。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、耐摩耗性、及びグリップ性能等のトレッド用としての実用性の観点から、10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは18質量%以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。また、SBRの含有量の下限又は上限は、20質量%、25質量%でもよい。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、該スチレン含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。上記範囲内にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。更に、該スチレン含有量の下限又は上限は、23.5質量%でもよい。
なお、スチレン含有量は、H-NMR測定により算出される。
SBRは、スチレン単位及びブタジエン単位を有するゴムであれば特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等が挙げられる。なお、SBRは、ゴム100質量%中のスチレン単位及びブタジエン単位の合計含有率が、例えば、95質量%以上であり、98質量%以上でも、100質量%でもよい。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
SBRは、非変性SBR、変性SBRのいずれであってもよい。変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)、アミド基が好ましい。
変性SBRに使用される変性剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4-ジグリシジルベンゼン、1,3,5-トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’-ジグリシジル-ジフェニルメチルアミン、4,4’-ジグリシジル-ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、N,N’-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル-p-フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物;
ビス-(1-メチルプロピル)カルバミン酸クロリド、4-モルホリンカルボニルクロリド、1-ピロリジンカルボニルクロリド、N,N-ジメチルカルバミド酸クロリド、N,N-ジエチルカルバミド酸クロリド等のアミノ基含有酸クロリド;1,3-ビス-(グリシジルオキシプロピル)-テトラメチルジシロキサン、(3-グリシジルオキシプロピル)-ペンタメチルジシロキサン等のエポキシ基含有シラン化合物;
(トリメチルシリル)[3-(トリメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリブトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジブトキシシリル)プロピル]スルフィド等のスルフィド基含有シラン化合物;
エチレンイミン、プロピレンイミン等のN-置換アジリジン化合物;メチルトリエトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-N,N-ジ-t-ブチルアミノベンゾフェノン、4-N,N-ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、N,N,N’,N’-ビス-(テトラエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有する(チオ)ベンゾフェノン化合物;4-N,N-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-N,N-ジフェニルアミノベンズアルデヒド、4-N,N-ジビニルアミノベンズアルデヒド等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有するベンズアルデヒド化合物;N-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-フェニル-2-ピロリドン、N-t-ブチル-2-ピロリドン、N-メチル-5-メチル-2-ピロリドン等のN-置換ピロリドンN-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-2-ピペリドン、N-フェニル-2-ピペリドン等のN-置換ピペリドン;N-メチル-ε-カプロラクタム、N-フェニル-ε-カプロラクタム、N-メチル-ω-ラウリロラクタム、N-ビニル-ω-ラウリロラクタム、N-メチル-β-プロピオラクタム、N-フェニル-β-プロピオラクタム等のN-置換ラクタム類;の他、
N,N-ビス-(2,3-エポキシプロポキシ)-アニリン、4,4-メチレン-ビス-(N,N-グリシジルアニリン)、トリス-(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン類、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルマレイミド、N,N-ジエチル尿素、1,3-ジメチルエチレン尿素、1,3-ジビニルエチレン尿素、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、1-メチル-3-エチル-2-イミダゾリジノン、4-N,N-ジメチルアミノアセトフェン、4-N,N-ジエチルアミノアセトフェノン、1,3-ビス(ジフェニルアミノ)-2-プロパノン、1,7-ビス(メチルエチルアミノ)-4-ヘプタノン等を挙げることができる。
なお、上記化合物(変性剤)による変性は公知の方法で実施可能である。
SBRとしては、例えば、ZSエラストマー(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
前記ゴム組成物は、ゴム成分として、ブタジエンゴム(BR)を含む。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、耐摩耗性の観点から、10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは18質量%以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。また、BRの含有量の下限又は上限は、20質量%、25質量%でもよい。
BRのシス含量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上であり、上限は特に限定されない。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、BRのシス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
BRは、ブタジエン単位を主たる単位とする重合体であれば特に限定されず、例えば、高シス含量のBR、低シス含量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、BRは、ゴム100質量%中のブタジエン単位の含有率が、例えば、95質量%以上であり、98質量%以上でも、100質量%でもよい。ブタジエン単位及びスチレン単位を含むゴムは、SBRに該当し、BRには該当しない。
BRは、非変性BR、変性BRのいずれでもよく、変性BRとしては、前述の官能基が導入された変性BRが挙げられる。市販品としては、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、ゴム成分として、イソプレン系ゴムを含むことが好ましい。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。また、上限は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。上記範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。更に、イソプレン系ゴムの含有量の下限又は上限は、50質量%、60質量%でもよい。
イソプレン系ゴムは、イソプレン単位を主たる単位とする重合体であれば特に限定されず、例えば、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム、天然ゴム(NR)、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、イソプレン系ゴムは、ゴム100質量%中のイソプレン単位の含有率が、例えば、95質量%以上であり、98質量%以上でも、100質量%でもよい。
前記ゴム組成物に用いるゴム成分は、SBR、BR、イソプレン系ゴム以外の他のゴム成分を配合してもよい。他のゴム成分としては、例えば、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ゴム組成物は、耐摩耗性の観点から、微粒子カーボンブラックを含むことが好ましい。
微粒子カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは120m/g以上、より好ましくは150m/g以上、更に好ましくは160m/g以上である。下限以上にすることで、充分な補強効果が発揮され、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。微粒子カーボンブラックのNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。上限以下にすることで、カーボンブラックの分散性が確保される傾向がある。また、微粒子カーボンブラックのNSAの下限又は上限は、181m/gでもよい。
なお、微粒子カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217-2:2001に準拠して測定できる。
微粒子カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは35質量部以上、特に好ましくは40質量部以上である。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。該微粒子カーボンブラックの含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。上限以下にすることで、カーボンブラックの分散性が確保される傾向がある。また、該微粒子カーボンブラックの含有量の下限又は上限は、45質量部でもよい。
微粒子カーボンブラックは、例えば、特開2000-319539号公報、特表平8-507555号公報等に記載の方法で製造することが出来る。
微粒子カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、シリカを含むことが好ましい。シリカを用いることで、グリップ性能と燃費性能を両立することができる。
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。上限は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内にすることで、グリップ性能と燃費性能を両立することができる傾向がある。また、該シリカの含有量の下限又は上限は、20質量部、40質量部でもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40m/g以上、より好ましくは80m/g以上、更に好ましくは100m/g以上である。上記NSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは200m/g以下、更に好ましくは180m/g以下である。上記範囲内にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、シリカのNSAの下限又は上限は、175m/gでもよい。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、カーボンブラック、シリカ以外の他の充填剤(補強性充填剤)を配合してもよい。他の充填剤としては特に限定されず、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。
充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは55質量部以上、特に好ましくは65質量部以上である。下限以上にすることで、耐摩耗性が向上する傾向がある。また、該充填剤の含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。上限以下にすることで、良好な加工性等が得られる傾向がある。また、該充填剤の含有量の下限又は上限は、85質量部でもよい。
前記ゴム組成物がシリカを含む場合、更にシランカップリング剤を含むことが好ましい。これにより、良好な強度等が得られる傾向がある。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは16質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。上記範囲内にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT-Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、前記効果が良好に得られるという理由から、スルフィド系、メルカプト系が好ましい。
前記ゴム組成物は、有機樹脂を含むことが好ましい。有機樹脂を配合することで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
前記ゴム組成物が有機樹脂を含む場合、有機樹脂の含有量(合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.5質量部以下である。上記範囲内であると、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
有機樹脂としては、例えば、芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素との共重合体を好適に使用できる。
上記共重合体は、スチレン等の芳香族炭化水素と、エチレン、プロピレン等の脂肪族炭化水素とを構成モノマーとして含むポリマー(樹脂)であり、市販品としては、ストラクトール社、performance additive社等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、エチレン、プロピレン及びスチレンを構成モノマーとして含む樹脂(エチレンプロピレンスチレン共重合体)が好ましい。
上記共重合体の軟化点は、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、好ましくは140℃以下、より好ましくは100℃以下である。
上記共重合体がエチレンプロピレンスチレン共重合体である場合、エチレンプロピレンスチレン共重合体100質量%中のエチレンプロピレンの含有量(EP含有量)は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
前記ゴム組成物は、耐摩耗性と加工性の両立の観点から、軟化剤を配合することが好ましい。軟化剤とは、常温(25℃)で液体状態の軟化作用を有する成分である。軟化剤としては特に限定されないが、オイル、液状ポリマー(液状ジエン系重合体)などが挙げられる。これらは、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
軟化剤の含有量(合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、2質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましい。また、該含有量は、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、7質量部以下が更に好ましい。上記範囲内にすることで、良好な耐摩耗性等が得られる傾向がある。なお、本明細書において、軟化剤の含有量には、油展ゴムに含まれるオイルの量も含まれる。
上記オイルとしては、特に限定されず、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイル、TDAE、MES等の低PCA(多環式芳香族)プロセスオイル、植物油脂、及びこれらの混合物等、従来公知のオイルを使用できる。なかでも、ゴム物性の点では、アロマ系プロセスオイルが好ましい。
例えば、市販品として、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オイルの含有量は、加工性等の観点から、ゴム成分100質量部に対して、2質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましい。また、該含有量は、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、7質量部以下が更に好ましい。上記範囲内にすることで、良好な耐摩耗性と加工性の両立が得られる傾向がある。なお、本明細書において、オイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイルの量も含まれる。
液状ポリマーとは、常温(25℃)で液体状態の重合体であり、例えば、液状ジエン系重合体等が挙げられる。
液状ジエン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×10~2.0×10であることが好ましく、3.0×10~1.5×10であることがより好ましい。
なお、本明細書において、液状ジエン系重合体のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。
液状ポリマー(液状ジエン系重合体)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、4質量部以上が更に好ましい。また、該含有量は、40質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましく、30質量部以下が更に好ましく、27質量部以下が特に好ましい。
前記ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)は、架橋剤を含むことが好ましい。
架橋剤としては、硫黄(硫黄加硫剤)、硫黄以外の架橋剤(ポリマー間にS-C結合を含む結合を形成できる架橋剤、直接ポリマー同士によるC-C結合を形成できる架橋剤、ジチオリン酸亜鉛等)が挙げられる。なかでも、架橋剤として、硫黄及び硫黄以外の架橋剤の併用、硫黄以外の架橋剤のみの使用が好ましく、硫黄及びポリマー間にS-C結合を含む結合を形成できる架橋剤の併用、直接ポリマー同士によるC-C結合を形成できる架橋剤のみの使用、硫黄及びジチオリン酸亜鉛の併用が特に好ましい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分100質量部に対する硫黄(硫黄加硫剤)の含有量は、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上である。上限は、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以下である。上記範囲にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、該硫黄の含有量の下限又は上限は、0.5質量部でもよい。
前記ポリマー間にS-C結合を含む結合を形成できる架橋剤としては、下記式(I)で表される化合物等を好適に使用できる。これにより、結合エネルギーが高く、熱安定性が高いCC結合をゴム組成物に保有させることができる。
Figure 0007434897000001
(式中、Eは炭素数2~10のアルキレン基、R101及びR102は、同一若しくは異なって、窒素原子を含む1価の有機基を表す。)
Eのアルキレン基としては、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のものがあげられるが、なかでも、直鎖状のアルキレン基が好ましい。
Eのアルキレン基の炭素数は、2~10、好ましくは4~8である。アルキレン基の炭素数が1では、熱的な安定性が悪く、アルキレン基を有することによる効果が充分に得られない傾向があり、炭素数が11以上では、-S-S-E-S-S-で表される架橋鎖の形成が困難になる傾向がある。
上記条件を満たすアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などがあげられる。なかでも、ポリマー間に-S-S-E-S-S-で表される架橋がスムーズに形成され、熱的にも安定であるという理由から、ヘキサメチレン基が好ましい。
101及びR102としては、窒素原子を含む1価の有機基であれば特に限定されないが、芳香環を少なくとも1つ含むものが好ましく、炭素原子がジチオ基に結合したN-C(=S)-で表される結合基を含むものがより好ましい。R101及びR102は、それぞれ同一でも異なっていてもよいが、製造の容易さなどの理由から同一であることが好ましい。
式(I)で表される化合物としては、例えば、1,2-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン、1,3-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン、1,4-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン、1,5-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン、1,8-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン、1,9-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンなどがあげられる。なかでも、熱的に安定であり、分極性に優れるという理由から、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ましい。
前記ポリマー間にS-C結合を含む結合を形成できる架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。該含有量は、好ましくは8.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは4.0質量部以下である。上記範囲にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。なお、該架橋剤として式(I)で表される化合物を用いる場合も同様の範囲が好適である。また、該架橋剤、式(I)で表される化合物の含有量の下限又は上限は、2.0質量部、3.0質量部でもよい。
前記直接ポリマー同士によるC-C結合を形成できる架橋剤としては、有機過酸化物等が挙げられる。有機過酸化物としては特に限定されず、従来公知の化合物を使用できる。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド等のアシルパーオキサイド類、1-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシフタレートなどのパーオキシエステル類、メチルエチルケトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、ジ-t-ブチルパーオキシベンゾエート、1,3-ビス(1-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどのアルキルパーオキサイド類、t-ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、耐摩耗性の観点から、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイドが好ましい。
前記直接ポリマー同士によるC-C結合を形成できる架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上である。該含有量は、好ましくは1.0質量部以下、より好ましくは0.8質量部以下、更に好ましくは0.6質量部以下である。上記範囲にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。なお、該架橋剤として有機過酸化物を用いる場合も同様の範囲が好適である。また、該架橋剤、有機過酸化物の含有量の下限又は上限は、0.4質量部でもよい。
ジチオリン酸亜鉛としては、例えば、下記一般式で表される化合物を好適に使用できる。ジチオリン酸亜鉛は、その構造の中心に亜鉛原子を保持しており、酸化亜鉛に比べて優れた架橋促進作用を発揮する。ジチオリン酸亜鉛を用いることにより、充分な架橋を行うことができる。
Figure 0007434897000002
(式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数1~18の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は炭素数5~12のシクロアルキル基を表す。)
~Rが表す直鎖若しくは分岐鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、4-メチルペンチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、オクタデシル基等が挙げられ、一方、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。なかでも、ゴム組成物中で分散し易いという点から、R~Rは、炭素数2~8の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基であることが好ましく、n-ブチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-オクチル基であることがより好ましく、n-ブチル基であることが更に好ましい。
ジチオリン酸亜鉛としては、例えば、ラインケミー社製のTP-50、ZBOP-S、ZBOP-50や、これらに類似する化合物(例えば、上記式において、R~Rがn-ブチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基又はn-オクチル基のもの)等を使用することができる。
前記ジチオリン酸亜鉛の含有量(有効成分の含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上である。該含有量は、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは7.0質量部以下、更に好ましくは4.0質量部以下である。上記範囲にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。なお、ジチオリン酸亜鉛として前記一般式で表される化合物(ジチオリン酸亜鉛)を用いる場合も同様の範囲が好適である。また、該ジチオリン酸亜鉛、前記一般式で表される化合物の含有量の下限又は上限は、0.75質量部、1.5質量部でもよい。
前記ゴム組成物は、加硫促進剤を含んでもよい。特に、架橋剤として、硫黄、ポリマー間にS-C結合を含む結合を形成できる架橋剤を用いる場合、加硫促進剤を用いることで、良好な加硫特性が得られ、優れた耐摩耗性を付与できる。
加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM(2,2’-ジベンゾチアゾリルジスルフィド))、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系、チアゾール系加硫促進剤が好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.7質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下、更に好ましくは1.5質量部以下である。上記範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ワックスを含んでもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。市販品として、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。
前記ゴム組成物は、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。市販品としては、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤(より好ましくは、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)が好ましい。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは2.0質量部以上である。また、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下である。
前記ゴム組成物は、脂肪酸、特にステアリン酸を含むことが好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
脂肪酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10.0質量部以下である。
前記ゴム組成物は、脂肪酸亜鉛を含有することが好ましい。脂肪酸亜鉛としては、炭素数14~20の複数の炭素数からなる飽和脂肪酸亜鉛を好適に使用できる。
脂肪酸亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは2.0質量部以上である。該含有量は、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。該合計含有量が6.0質量部を超えると、耐摩耗性及び破断時伸びが低下するおそれがある。上記範囲内であると、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下である。
前記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合でき、加工助剤、界面活性剤等を例示できる。
トレッド用ゴム組成物(加硫後のトレッド用ゴム組成物)の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
混練条件としては、架橋剤(加硫剤)及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100~180℃、好ましくは120~170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは85~110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140~190℃、好ましくは150~185℃である。尚、有機過酸化物を用いる場合は、必要に応じて二次加硫を行ってもよい。これにより、架橋に関与出来なかった不必要な有機過酸化物やその残渣を除去し、熱老化前後におけるHsやSwellの変化を小さくすることが出来る。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド(単層トレッド、多層トレッドのキャップトレッド等の路面に接触する部材)等の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
前記タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、レース用タイヤ(高性能タイヤ)などに使用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
SBR:JSR(株)製のJSR1502(スチレン含有量23.5質量%)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量98質量%)
微粒子カーボンブラック:試作用カーボンブラック(NSA181m/g)
シリカ:デグッサ社製のULTRASIL VN3(NSA175m/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスNH-70S(アロマ系プロセスオイル)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
老化防止剤6C:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
老化防止剤FR:住友化学(株)製のアンチゲンFR(アミンとケトンの反応品を精製したものでアミンの残留がないもの、キノリン系老化防止剤)
有機樹脂:ストラクトール社製のストラクトール40MS(エチレンプロピレンスチレン共重合体、軟化点78℃、EP含有量82質量%)
脂肪酸亜鉛:ストラクトール社製のEF44
ステアリン酸:日油(株)製のつばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
硫黄:細井化学(株)製のHK-200-5(5%オイル硫黄)
架橋剤1:ランクセス社製のVulcuren VP KA9188(1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
架橋剤2:ジクミルパーオキサイド
架橋剤3:ラインケミー社製のTP-50(ジチオリン酸亜鉛及びポリマーの混合物、前記一般式において、R~Rがn-ブチル基、有効成分50質量%)
加硫促進剤NS:三新化学工業(株)製のサンセラーNS-G
(実施例及び比較例)
表1~4に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃の条件下で10分間プレス加硫して試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を得た。
尚、実施例1-4、2-4、3-4、4-4に関しては、プレス加硫後、加硫ゴム組成物、試験用タイヤとも、オーブン等を用いて120℃で2時間二次加硫を行った。
<熱老化試験>
新品(熱老化前)の加硫ゴム組成物について、JIS K6257:2010に準じて熱老化(100℃、96時間)を実施し、熱老化後の加硫ゴム組成物を得た。
得られた試験用タイヤ、新品及び熱老化後の加硫ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)を用いて、下記により評価した。結果を表1~4に示す。なお、表1、2、3、4の基準比較例は、それぞれ比較例1-1、2-1、3-1、4-1である。
(ゴムの硬さ(Hs))
熱老化前、熱老化後の各加硫ゴムシート(加硫ゴム組成物)からなる各試験片について、JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従ってタイプAデュロメーターにより、新品、熱老化後の試験片のHs(硬度)をそれぞれ測定した(測定温度23℃±2℃)。
(架橋度(Swell))
熱老化前、熱老化後の各加硫ゴムシート(加硫ゴム組成物)の試験片(20mm×20mm×2mm)について、トルエンに25℃で24時間浸漬し、浸漬前後の体積変化(Swell(%))をそれぞれ測定した。
(耐摩耗性)
各試験用タイヤを国産FF車に装着し、走行距離8000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、基準比較例を100とした時の指数で表示した(耐摩耗性指数)。指数が大きいほど、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離が長く、耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 0007434897000003
Figure 0007434897000004
Figure 0007434897000005
Figure 0007434897000006
表1~4より、SBR10質量%以上・BR10質量%以上の配合において、前記式(1)、(2)を満たす実施例では、優れた耐摩耗性が得られた。

Claims (7)

  1. ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10質量%以上、ブタジエンゴムの含有量が10質量%以上であり、
    チッ素吸着比表面積が120m/g以上のカーボンブラックの含有量が、ゴム成分100質量部に対して、45質量部以上であり、かつ
    以下の熱老化試験の熱老化前、熱老化後の加硫ゴム組成物について、以下のゴムの硬さ(Hs)の測定、架橋度(Swell)の測定を用いて測定する熱老化前後の硬度変化絶対値|ΔHs|が下記式(1)、熱老化前後のSwell変化絶対値|ΔSwell|が下記式(2)を満たすトレッド用ゴム組成物。
    |ΔHs|≦3.0 (1)
    |ΔSwell|≦20% (2)
    <熱老化試験>
    熱老化前の加硫ゴム組成物について、JIS K6257:2010に準じて熱老化(100℃、96時間)を実施し、熱老化後の加硫ゴム組成物を得る。
    (ゴムの硬さ(Hs)の測定)
    熱老化前、熱老化後の加硫ゴム組成物からなる各試験片について、JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従ってタイプAデュロメーターにより、熱老化前、熱老化後の試験片のHs(硬度)を測定する(測定温度23℃±2℃)。
    (架橋度(Swell)の測定)
    熱老化前、熱老化後の加硫ゴム組成物の各試験片(20mm×20mm×2mm)について、トルエンに25℃で24時間浸漬し、浸漬前後の体積変化(Swell(%))を測定する。
  2. ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10質量%以上、ブタジエンゴムの含有量が10質量%以上であり、
    イソプレン系ゴムを含み、かつ
    以下の熱老化試験の熱老化前、熱老化後の加硫ゴム組成物について、以下のゴムの硬さ(Hs)の測定、架橋度(Swell)の測定を用いて測定する熱老化前後の硬度変化絶対値|ΔHs|が下記式(3)、熱老化前後のSwell変化絶対値|ΔSwell|が下記式(4)を満たすトレッド用ゴム組成物。
    |ΔHs|≦2.5 (3)
    |ΔSwell|≦19% (4)
    <熱老化試験>
    熱老化前の加硫ゴム組成物について、JIS K6257:2010に準じて熱老化(100℃、96時間)を実施し、熱老化後の加硫ゴム組成物を得る。
    (ゴムの硬さ(Hs)の測定)
    熱老化前、熱老化後の加硫ゴム組成物からなる各試験片について、JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従ってタイプAデュロメーターにより、熱老化前、熱老化後の試験片のHs(硬度)を測定する(測定温度23℃±2℃)。
    (架橋度(Swell)の測定)
    熱老化前、熱老化後の加硫ゴム組成物の各試験片(20mm×20mm×2mm)について、トルエンに25℃で24時間浸漬し、浸漬前後の体積変化(Swell(%))を測定する。
  3. ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10質量%以上、ブタジエンゴムの含有量が10質量%以上であり、
    芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素との共重合体を含み、かつ
    以下の熱老化試験の熱老化前、熱老化後の加硫ゴム組成物について、以下のゴムの硬さ(Hs)の測定、架橋度(Swell)の測定を用いて測定する熱老化前後の硬度変化絶対値|ΔHs|が下記式(1)、熱老化前後のSwell変化絶対値|ΔSwell|が下記式(2)を満たすトレッド用ゴム組成物。
    |ΔHs|≦3.0 (1)
    |ΔSwell|≦20% (2)
    <熱老化試験>
    熱老化前の加硫ゴム組成物について、JIS K6257:2010に準じて熱老化(100℃、96時間)を実施し、熱老化後の加硫ゴム組成物を得る。
    (ゴムの硬さ(Hs)の測定)
    熱老化前、熱老化後の加硫ゴム組成物からなる各試験片について、JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従ってタイプAデュロメーターにより、熱老化前、熱老化後の試験片のHs(硬度)を測定する(測定温度23℃±2℃)。
    (架橋度(Swell)の測定)
    熱老化前、熱老化後の加硫ゴム組成物の各試験片(20mm×20mm×2mm)について、トルエンに25℃で24時間浸漬し、浸漬前後の体積変化(Swell(%))を測定する。
  4. 硫黄と、硫黄以外の架橋剤とを含む請求項1~のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
  5. 硫黄以外の架橋剤のみを含む請求項1~のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
  6. ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量が25質量%以上である請求項1~のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
  7. 請求項1~のいずれかに記載のゴム組成物で構成されたトレッドを有する空気入りタイヤ。
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