JP2015013923A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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浩二 藤澤
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Abstract

【課題】茶変色等の変色を抑止しながら、耐熱性を高め、特にゴムの硬化劣化を抑制して、長寿命化することが可能なゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物で変性された変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来からタイヤ等に用いられるゴム組成物には、ゴム組成物の耐熱性を高めるために老化防止剤が広く使用されており、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)やN−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)等のアミン系老化防止剤が使用されている。
しかしながら、近年、耐熱性向上の要求は更に高まり、更なる長寿命化が求められている。老化防止剤の増量によって長寿命化は達成できるが、6PPDやIPPDのタイヤ表面への析出により表面が茶変色し、タイヤの外観不良を引き起こす等の問題がある。従って、老化防止剤を増量させることなく、耐熱性を向上し、長寿命化できるゴム組成物の提供が望まれている。
特許文献1には、ジエン系ゴムに、老化防止剤としてのN−(1−メチルヘプチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、及びワックスを配合したゴム組成物が開示されている。しかし、茶変色等の変色を抑止しながら、耐熱性を改善して長寿命化するという点について、未だ改善の余地を残している。
特開平10−324779号公報
本発明は、前記課題を解決し、茶変色等の変色を抑止しながら、耐熱性を高め、特にゴムの硬化劣化を抑制して、長寿命化することが可能なゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物で変性された変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物に関する。
前記耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物は、下記式(1)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2015013923
(式中、R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、又は置換若しくは非置換の1価炭化水素基を表す。Rは、同一若しくは異なって、置換若しくは非置換の2価炭化水素基を表す。)
前記ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中、前記変性共役ジエン系重合体を10質量%以上含むものであることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物で変性された変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物であるので、耐熱性を改善でき、特にゴムの硬化劣化の抑制が可能となる。従って、ゴム組成物の茶変色等の変色を抑止しながら、長寿命化することが可能となり、タイヤの各部材に好適に適用できる。
本発明のゴム組成物は、耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物で変性された変性共役ジエン系重合体を含む。
耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物で変性した変性共役ジエン系重合体は、該化合物が重合体の鎖中や末端に結合していることから、タイヤ表面に析出しにくく、必要以上の表面析出を抑制できる。従って、前記化合物のタイヤ表面への必要以上の析出を抑制して変色を防止すると同時に、当該化合物の作用により耐熱性が改善され、特にゴムの硬化劣化を抑制できる。従って、良好な耐変色性を得つつ、ゴム組成物を長寿命化でき、タイヤの各部材に好適に適用できる。
なお、ゴムの硬化劣化とは、劣化因子として酸素が存在する条件下で熱が加わったときに、ゴムが初期状態に比べ硬くなる劣化現象のことであり、本発明では、このような劣化を効果的に抑制できる。
本発明における変性共役ジエン系重合体は、ジエン系重合体に耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物を反応させることで作製できる。該重合体に該化合物を反応(変性)させる方法としては、例えば、モノマーの重合後、引き続き、得られるリビングポリマーの活性末端に、耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物を添加し、ポリマーの活性末端を耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物と反応(変性)させることにより、変性共役ジエン系重合体が得られる。また、ジエン系重合体の主鎖等の鎖中に前記化合物を反応させることで、変性共役ジエン系重合体を得ることもできる。該変性共役ジエン系重合体を用いることで、良好な耐変色性を得ながら、耐熱性を高め、特にゴムの硬化劣化を抑制して、長寿命化できる。
具体的には、変性共役ジエン系重合体は、炭化水素溶媒中で、共役ジエンモノマー、又は共役ジエンモノマー及び芳香族ビニルモノマーを、アルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物を反応させることにより、本発明における変性共役ジエン系重合体を調製できる。
共役ジエンモノマーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。なかでも、得られる重合体の物性、工業的に実施する上での入手性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどが挙げられる。なかでも、得られる重合体の物性、工業的に実施する上での入手性の観点から、スチレンが好ましい。
炭化水素溶媒としては、アルカリ金属系触媒を失活させないものであれば特に限定されず、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素が挙げられる。具体的には、炭素数3〜12個を有するプロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
アルカリ金属系触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどの金属、これらの金属を含有する炭化水素化合物などが挙げられる。好ましいアルカリ金属系触媒としては、2〜20個の炭素原子を有するリチウム又はナトリウム化合物が挙げられ、具体的には、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−フロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウムなどが挙げられる。
重合用モノマーとしては、共役ジエンモノマーのみを用いてもよく、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーを併用してもよい。共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーを併用する場合の両者の比率は、共役ジエンモノマー/芳香族ビニルモノマーの質量比で50/50〜90/10が好ましく、更に好ましくは55/45〜85/15である。
重合に際しては、アルカリ金属系触媒、炭化水素溶媒、ランダマイザー、共役ジエン単位のビニル結合含有量調節剤など通常使用されているものを用いることが可能であり、重合体の製造方法は特に限定されない。
共役ジエン部のビニル結合含有量を調節するためには、ルイス塩基性化合物として、各種の化合物を使用できるが、エーテル化合物又は第三級アミン化合物が、工業的実施上の入手容易性の点で好ましい。エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテルなどの脂肪族ジエーテルが挙げられる。また、第三級アミン化合物としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミンなどが挙げられる。
耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物(以下、「耐オゾン変性剤」とも称する。)としては、ゴム組成物に耐オゾン性を付与し、かつジエン系重合体等のポリマーに対する反応性を有する化合物であれば特に限定されない。
耐オゾン変性剤として、例えば、ポリマーに対する反応性を持つアミン系老化防止剤(該反応性を持つ芳香族アミン系又はアミン−ケトン系のアミン系老化防止剤など)が挙げられる。なかでも、耐オゾン性と耐変色性の性能バランスを改善できるという点から、耐オゾン変性剤として、下記式(1)で示される化合物を好適に使用できる。
Figure 2015013923
(式中、R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、又は置換若しくは非置換の1価炭化水素基を表す。Rは、同一若しくは異なって、置換若しくは非置換の2価炭化水素基を表す。)
、R、R及びRの置換若しくは非置換の1価炭化水素基としては、置換又は非置換の炭素数1〜18の直鎖、環状若しくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が好ましい。Rの置換若しくは非置換の2価炭化水素基としては、直鎖、環状若しくは分枝のいずれの基でもよく、特に直鎖状の基が好ましい。具体的には、置換若しくは非置換の炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数5〜18のシクロアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキルアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基等が挙げられ、なかでも、置換若しくは非置換の炭素数1〜18のアルキレン基が好ましい。なお、R〜Rの炭化水素基の置換基は、特に限定されず、水酸基などの官能基が挙げられ、なかでも、Rが置換基を有することが好ましい。
、R、R及びRの置換若しくは非置換の1価炭化水素基の具体例としては、置換若しくは非置換のメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。Rの置換若しくは非置換の2価炭化水素基の具体例としては、置換若しくは非置換のメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。上記式において、R、R及びRは水素原子、Rは置換若しくは非置換の直鎖状アルキレン基、Rはメチル基などのアルキル基であることが特に好ましい。
耐オゾン変性剤の具体的化合物としては、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミンが挙げられる。
アルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、耐オゾン変性剤を添加して変性共役ジエン系重合体を製造する際に使用する量は、アルカリ金属を付加する際に使用するアルカリ金属系触媒1モル当たり、通常0.03〜3モル、好ましくは0.2〜2モルである。0.03モル未満であれば、充分な老化防止効果が得られない傾向があり、3モルを超えると、硬度が上がり、機械物性が低くなる傾向がある。
耐オゾン変性剤とアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体との反応は、迅速に起きるので、反応温度及び反応時間は広範囲に選択できるが、一般的には、室温〜100℃、数秒〜数時間である。反応は、上記活性共役ジエン系重合体と耐オゾン変性剤とを接触させればよく、例えば、アルカリ金属系触媒を用いて、ジエン系重合体を調製し、該重合体溶液中に該耐オゾン変性剤を所定量添加する方法などが挙げられる。
反応終了後、反応溶媒中から凝固剤の添加又はスチーム凝固など通常の溶液重合によるゴムの製造において使用される凝固方法がそのまま用いられ、凝固温度も何ら制限されない。このような製法で得られた変性共役ジエン系重合体は、分子末端に耐オゾン変性剤が導入されている。
また、ジエン系重合体に対し、ポリマーの主鎖等の鎖中に耐オゾン変性剤を反応(変性)させて変性共役ジエン系重合体を調製する場合、ポリマーに耐オゾン変性剤を反応させることが可能な公知の方法を用いて変性共役ジエン系重合体を作製できる。
前記変性共役ジエン系重合体は、芳香族ビニルモノマー結合量(該重合体の構成モノマー100質量%中の芳香族ビニルモノマーの含有量)が10〜60質量%、好ましくは15〜40質量%、より好ましくは18〜30質量%である。10質量%未満であると、充分なドライグリップ性が得られないおそれがあり、60質量%を超えると、ゴムが硬くなりすぎて良好なドライグリップ性が得られないおそれがある。なお、芳香族ビニルモノマー結合量は、NMR分析により測定できる。
前記変性共役ジエン系重合体を構成する共役ジエン化合物が1,3−ブタジエンである場合、該重合体のブタジエン部のビニル結合量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは30〜62質量%である。30質量%未満であると、ドライグリップ性が充分に得られないおそれがある。なお、変性共役ジエン系重合体が変性SBRの場合も、スチレン結合量、ビニル結合量は前記範囲が望ましい。ビニル結合量は、NMR分析により測定できる。
前記変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2.0×10〜3.0×10、より好ましくは3.0×10〜1.0×10である。2.0×10未満であると、耐摩耗性が低下するおそれがあり、3.0×10を超えると、粘度が増加し、加工性が悪化するおそれがある。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による測定値を基に標準ポリスチレン換算で測定できる。
変性共役ジエン系重合体としては、グリップ性能、耐摩耗性及び転がり抵抗特性をバランス良く改善できる点から、変性ブタジエンゴム(変性BR)、変性スチレンブタジエンゴム(変性SBR)が好ましく、変性SBRがより好ましい。
前記ゴム組成物において、前記変性共役ジエン系重合体の含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは35質量%以上である。10質量%未満であると、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。また、該含有量の上限は特に限定されず、100質量%でもよいが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。なお、前記変性共役ジエン系重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用できる他のゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)などのジエン系ゴムを使用することができる。なかでも、NR、SBR、BRを使用することが好ましい。
NRとしては、公知の市販品等を使用できる。SBRとしては、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)など、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。BRとしては、高シス含有量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBRなどを使用できる。
NRの含有量は、ゴム成分100質量%中に、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。また、該含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。上記範囲外であると、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。
SBR(非変性)を配合する場合、該SBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、グリップ性能が悪化する傾向がある。該含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。90質量%を超えると、耐摩耗性が低下する傾向がある。
BR(非変性)を配合する場合、該BRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。該含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。90質量%を超えると、グリップ性能が低下する傾向がある。
ゴム組成物には、カーボンブラック、シリカ等、ゴム分野において公知の補強用充填剤を配合することが好ましい。
カーボンブラックとしては、ISAF、SAFなどが挙げられる。このようなカーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができ、また良好な硬化劣化抑制効果も得られる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、90m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのNSAは、150m/g以下が好ましく、130m/g以下がより好ましい。90m/g未満の場合、150m/gを超える場合には、硬化劣化抑制効果を確認しづらいおそれがある。なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。20質量部未満では、硬化劣化抑制効果が良好に得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。100質量部を超えると、フィラーの分散性が悪化するおそれがある。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(無水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカの配合により、耐熱性(特に硬化劣化抑制効果)を改善できる。
シリカのBET比表面積(BET)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは80m/g以上である。また、シリカのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。50m/g未満の場合、250m/gを超える場合には、硬化劣化抑制効果が得られないおそれがある。なお、シリカのBET比表面積(NSA)は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。20質量部未満では、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。該シリカの含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。100質量部を超えると、シリカの分散が悪くなり、硬化劣化抑制効果が得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物にシリカを配合する場合、更にシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、スルフィド系、メルカプト系、ビニル系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系などのシランカップリング剤が挙げられる。なかでも、シランカップリング剤の補強性効果と加工性という点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、7質量部以上がより好ましい。3質量部未満では、破壊強度が大きく低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。15質量部を超えると、シランカップリング剤を添加することによる破壊強度の増加や転がり抵抗低減などの効果が得られない傾向がある。
本発明では、上記カーボンブラック、シリカ以外に、他の充填剤を配合してもよい。他の充填剤としては、クレー、炭酸カルシウムなどの無機充填剤等が挙げられる。
本発明のゴム組成物において、充填剤の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。20質量部未満では、硬化劣化抑制効果が良好に得られないおそれがある。該合計含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。100質量部を超えると、充填剤の分散が悪くなり、硬化劣化抑制効果が得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、ワックス、硫黄又は硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、前記のとおり、耐オゾン変性剤で変性した変性共役ジエン系重合体を含むものであるが、必要に応じて適宜、別途、老化防止剤を配合してもよい。老化防止剤としては、破壊特性に優れる点から、アミン系老化防止剤が好適に使用される。アミン系老化防止剤としては、例えば、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのアミン誘導体が挙げられる。ジフェニルアミン系誘導体としては、例えば、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどが挙げられる。p−フェニレンジアミン系誘導体としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
老化防止剤の配合量の下限は特に限定されず、前記変性共役ジエン系重合体で所望の耐熱性、硬化劣化抑制効果が得られるなら、特段添加する必要はないが、添加する場合、その配合量の下限は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満であると、所望の耐熱性、硬化劣化抑制効果が得られないおそれがある。また、該配合量は、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下、更に好ましくは1.5質量部以下である。3.0質量部を超えると、ブルームが表面に発生するおそれがある。
本発明では、加硫剤として硫黄を好適に使用できる。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上である。0.5質量部未満では、本発明の効果が少ないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下、更に好ましくは4質量部以下である。10質量部を超えると、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。
加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)などが挙げられ、例えば、ゴム成分100質量部に対して、DPGを0.1〜2.0質量部配合してもよい。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、トレッド、サイドウォール、内部コンポーネント等のタイヤの各部材に好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下の製造例1〜5、比較製造例1に従って、重合体1〜5、比較重合体1を調製した。以下の方法で測定した各重合体の物性を表1に示す。
(製造例1)
内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1560g、スチレン440g、テトラヒドロフラン328g、ヘキサン10.2kg、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液9.76mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン(ノクラックG−1(大内新興化学工業(株)製))を9.76mmol(3.18g)添加した。攪拌下に15分間反応させた後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(住友化学工業(株)製のスミライザーBHT)を加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体1を得た。
(製造例2)
N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミンの添加量を2.00モル(6.36g)に変更した以外は、製造例1と同様にして、重合体2を得た。
(製造例3)
N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミンの添加量を3.00モル(9.54g)に変更した以外は、製造例1と同様にして、重合体3を得た。
(製造例4)
N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミンの添加量を0.02モル(0.0636g)に変更した以外は、製造例1と同様にして、重合体4を得た。
(製造例5)
N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミンの添加量を0.03モル(0.0954g)に変更した以外は、製造例1と同様にして、重合体5を得た。
(比較製造例1)
内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1560g、スチレン440g、テトラヒドロフラン328g、ヘキサン10.2kg、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液9.76mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。次いで、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、比較重合体1を得た。
<スチレン結合含量>
JIS K−6383(屈折率法)に準じて測定した。
<ミクロ構造(ビニル−1,2−結合含量)>
赤外法(モレロ法)によって求めた。
<ムーニー粘度(ML1+4,100℃)>
予熱1分、測定時間4分、温度100℃で測定した。
Figure 2015013923
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
BR:宇部興産(株)製BR150B
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI(ISAFカーボン、NSA:114m/g)
シリカ:ローディアジャパン(株)製のシリカ115Gr(NSA:110m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
ステアリン酸:日油(株)製の「椿」
老化防止剤:FLEXSYS(株)製の老化防止剤6C(SANTOFLEX、6PPD)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1(TBBS):大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2(DPG):住友化学工業(株)製のソクシノールD(ジフェニルグアニジン)
(実施例及び比較例)
表2〜3に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を混練りした。得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80〜90℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で10〜20分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。得られた加硫ゴム組成物を新品サンプルとした。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:215/45R17)を得た。
(劣化条件)
上記にて作製した新品サンプルを80℃のオーブンで7日間熱劣化させた。得られたものを劣化サンプルとした。
得られた新品サンプル、劣化サンプルを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表2〜3に示す。表では、新品サンプルを100としたときの劣化サンプルの値を指数化して示しており、100に近いほど新品に比べて劣化が硬度、膨潤率、M100で少なく、耐熱劣化性能が良好であることを示す。
<硬度>
作製したサンプルを用いて、ゴムの硬度をJIS K6253に準拠し、25℃の温度で硬度計を用いて測定した(ショア−A測定)。数値が大きいほど硬いことを示す。
<膨潤率>
作製したサンプルの浸漬試験をJIS K6258に準拠して実施し、40℃のトルエンに24時間浸漬し、膨潤させた後のサンプルの体積を測定し、体積変化より算出した。数値が小さいほど架橋密度が高いことを示す。
<100%伸張時の応力(M100)>
作製したサンプルからなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準拠し、引張り速度500mm/分で引張試験を実施した。23℃における100%伸張時の応力(M100(MPa))を測定した。数値の大きい方が弾性率が高く硬いことを示す。また、M100は架橋密度の指標にもなる。
<耐変色性>
作製した試験用タイヤをオゾン50pphm、40℃で1週間放置した後、キャップトレッド表面の黒色度を色差計を用いて測定することにより、変色(茶変)を評価した。評価基準は、以下のとおりである。
○:表面が黒く、変色が認められない
△:表面がわずかに茶褐色に変色
×:表面が明らかに茶褐色に変色
Figure 2015013923
Figure 2015013923
表2、3から、本発明の変性SBRを用いることで、非変性SBRを用いた場合に比べて、優れた耐変色性、耐熱性(特に硬化劣化抑制効果)が得られることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. 耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物で変性された変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物。
  2. 前記耐オゾン作用及びポリマーとの反応性を有する化合物が下記式(1)で示される化合物である請求項1記載のゴム組成物。
    Figure 2015013923
    (式中、R、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、又は置換若しくは非置換の1価炭化水素基を表す。Rは、同一若しくは異なって、置換若しくは非置換の2価炭化水素基を表す。)
  3. ゴム成分100質量%中、前記変性共役ジエン系重合体を10質量%以上含む請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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