JP5139675B2 - 架橋剤およびこの架橋剤を含むゴム組成物およびこのゴム組成物を用いて製造したタイヤ - Google Patents

架橋剤およびこの架橋剤を含むゴム組成物およびこのゴム組成物を用いて製造したタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、新規架橋剤、この架橋剤を含有する耐熱性および耐疲労性に優れたゴム組成物およびこのゴム組成物を用いた耐熱性および耐疲労性に優れたタイヤに関する。
従来、タイヤなどの各種ゴム製品用の架橋ゴムの耐熱性向上を図るため、電子線加硫やサルファードナー架橋剤を配合し、モノスルフィドの多い架橋構造をつくることが知られている。しかし、このようなモノスルフィド架橋構造は、ポリマー分子の運動性を拘束し、耐疲労性が大きく低下してしまう傾向がある。一方、通常加硫と呼ばれるポリスルフィド架橋構造では、耐疲労性には優れるが、S−S結合が熱的に弱いため、一般に耐熱性に劣る傾向がある。
特許文献1には、特定のゴム成分に有機加硫剤を配合することで、グリップ性能および引っ張り強度を向上させたゴム組成物が開示されている。しかし、耐熱性を重視していないため、熱的に弱いS−S結合を含んでいるため、耐熱性と耐疲労性を両立できず、両性能を高度なレベルで両立しうる架橋剤はいまだに存在しないのが現状である。
特開2006−249403号公報
本発明は、新規架橋剤、この架橋剤を含有する耐熱性および耐疲労性に優れたゴム組成物およびこのゴム組成物を用いて製造した耐熱性および耐疲労性に優れたタイヤを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、架橋剤が1分子内に環状ジスルフィド結合を2個含むことにより、優れた耐熱性および耐疲労性を示すことを見出した。
すなわち、本発明は、式(1):
X−R1−Y (1)
(式中、R1はヘテロ原子を含んでいてもよい2価の炭素数1〜10000の炭化水素基;XおよびYは同じかまたは異なり、いずれも式(2):
Figure 0005139675
で表わされる炭素数1〜10の1価の3〜12員環残基である)で表わされる架橋剤に関する。
前記架橋剤の式(1)に含まれるR1が共役ジエン系化合物または芳香族ビニル化合物の単独重合構造またはそれらの共重合構造を含む2価の炭化水素基であることが好ましい。
また、本発明はゴム成分100重量部に対して、前記架橋剤を0.1〜200重量部含有するゴム組成物に関する。
さらに、本発明は前記ゴム組成物を用いて製造したタイヤに関する。
本発明によれば、1分子内に環状ジスルフィド結合を2個含む架橋剤をゴム中に配合することにより、耐熱性および耐疲労性の優れたゴム組成物を提供することができる。また、上記ゴム組成物をタイヤに用いることで、耐熱性および耐疲労性に優れたタイヤを提供することができる。
本発明の架橋剤は、式(1):
X−R1−Y (1)
(式中、R1はヘテロ原子を含んでいてもよい2価の炭素数1〜10000の炭化水素基;XおよびYは同じかまたは異なり、いずれも式(2):
Figure 0005139675
で表わされる炭素数1〜10の1価の3〜12員環残基である)で表わされる架橋剤である。
式(1)中、R1は2価の炭素数1以上の炭化水素基であり、炭素数が3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。また、R1は2価の炭素数10000以下の炭化水素基であり、炭素数が8000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。R1の炭素数が10000をこえると、架橋効率が悪くなり、また、ゴム中に多量に配合することが必要になるために高コストになる傾向がある。
式(1)中、XおよびYは同じかまたは異なり、いずれも式(2):
Figure 0005139675
で表される炭素数1以上の1価の3員環以上の残基であり、炭素数2以上の1価の4員環以上の残基であることが好ましく、炭素数3以上の1価の5員環以上の残基であることがより好ましい。また、式(2)は炭素数が10以下の1価の12員環以下の残基であり、炭素数9以下の1価の11員環以下の残基であることが好ましく、炭素数8以下の1価の10員環以下の残基であることがより好ましい。式(2)が炭素数10をこえる1価の12員環をこえる残基であると、加硫時に開裂したS−S結合の硫黄が異なるポリマーと結合する可能性が高くなり、架橋点間距離を制御しにくくなる傾向がある。架橋構造、架橋点間距離をできるだけ統一するという点からXおよびYは同じである方が好ましい。
本発明の架橋剤を得る方法はとくに限定されないが、例えば環状ジスルフィド結合を含むカルボン酸とジオールとを縮合反応させることにより得られる。
前記方法で本発明の架橋剤を得る場合、前記環状ジスルフィド結合を含むカルボン酸としては、例えば、1,2−ジチオラン−3−ペンタン酸(通称名:リポ酸)、1,2−ジチオラン−3−ヘキサン酸、1,2−ジチアン−3−ペンタン酸、1,2−ジチアン−3−ヘキサン酸などがあげられる。なかでも、入手容易性、コストという点から、リポ酸が好ましい。
ジオールとしてはとくに限定されないが、ポリオレフィングリコールのようなポリオレフィン構造を有するジオール、ポリオキシプロピレングリコールのようなポリオキシアルキレン構造を有するジオール、その他ポリ共役ジエン構造を有するジオール、あるいはポリ芳香族ビニル構造を有するジオールなどがあげられる。なかでも、ジエン系ゴムとの相溶性の観点から、ジオールが共役ジエン化合物または芳香族ビニル化合物の単独重合構造または共重合構造を含むことが好ましい。
共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエンがあげられる。なかでも、重合活性や入手し易さの点からブタジエンが好ましい。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンがあげられる。なかでも、重合活性や入手し易さの点からスチレンが好ましい。
ジオールは、共役ジエン化合物や芳香族ビニル化合物とスチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシドなどを重合することで得られる。なかでも、取扱いや入手し易さという点から、スチレンオキシドが好ましい。
前記ジオールの重量平均分子量が50以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましい。重量平均分子量が50未満であると、架橋時の架橋点間分子量が小さくなり、耐疲労性が低下する傾向がある。また、ジオールの重量平均分子量が20000以下であることが好ましく、10000以下であることがより好ましい。重量平均分子量が20000をこえると、ゴムを架橋させるために大量の架橋剤が必要となり実用的でない。
前記縮合反応によって架橋剤を得る方法としては、とくに制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、環状ジスルフィド結合を含むカルボン酸とジオールを、必要に応じて脱水縮合剤の存在下で縮合反応させることにより、本願の架橋剤が得られる。
脱水縮合剤としては、一般的に使用されている公知の化合物の中から任意のものを用いることができる。例えば、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、4−ジメチルアミノピリジン、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド、N−カルボベンゾキシオキシスクシンイミド、2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド、ジフェニルホスホリルアジド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシスクシンイミド、2−メシチレンスルホニルクロライド、1,2,4−トリアゾール、2,4,5−トリクロロフェノールなどがあげられる。
本発明において、ゴム組成物のゴム成分としては硫黄架橋可能なゴムであるジエン系ゴムを用いることが好ましい。ジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/またはジエン系合成ゴムからなり、ジエン系合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などがあげられる。これらのゴムは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。なかでも、タイヤへの適用の点から、NR、IR、BR、SBRが好ましい。
本発明のゴム組成物においては、前記架橋剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、0.1重量部以上であり、0.5重量部以上であることが好ましい。配合量が0.1重量部未満であると架橋密度が低く、充分な強度が得られない傾向がある。また、前記架橋剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、200重量部以下であり、150重量部以下であることが好ましい。200重量部をこえるとコストが高くなり実用的でない。
補強剤としては、カーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して5重量部以上であることが好ましく、10重量部以上がより好ましい。カーボンブラックの配合量が5重量部未満では充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して150重量部以下であることが好ましく、100重量部以下であることがより好ましい。カーボンブラックの配合量が150重量部をこえると、加工性が悪化し、耐疲労性が低下する傾向がある。
また、補強剤としては、シリカおよび/または式(3):
mM・xSiOy・zH2O (3)
(Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウムおよびジルコニウムからなる群から選ばれる金属、該金属の酸化物および水酸化物、および、それらの水和物、ならびに、該金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも1種であり、m、x、yおよびzは定数である。)で表わされる無機充填剤も用いることができる。
無機充填剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して5重量部以上が好ましく、10重量部以上であることがより好ましい。無機充填剤の配合量が5重量部未満では充分な補強性が得られない傾向がある。また、無機充填剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して150重量部以下が好ましく、100重量部以下であることがより好ましい。無機充填剤の配合量が150重量部をこえると、加工性が悪化し、耐疲労性が低下する傾向がある。補強剤は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
補強剤としてシリカを配合する場合、シランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどがあげられる。なかでも、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよび3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の配合量は、シリカ100重量部に対して1重量部以上であることが好ましく、2重量部以上であることがより好ましい。シランカップリング剤の配合量が1重量部未満では、未加硫ゴム組成物の粘度が高く加工性が悪くなる傾向がある。また、シランカップリング剤の配合量は、シリカ100重量部に対して20重量部以下であることが好ましく、15重量部以下であることがより好ましい。シランカップリング剤の配合量が20重量部をこえると、その配合量ほどのシランカップリング剤配合効果が得られず、コストが高くなる傾向がある。
本発明のゴム組成物には、その他の補強剤、架橋剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、カップリング剤、ステアリン酸、ワックスなどのタイヤ用または一般のゴム組成物用に配合される各種配合剤および添加剤を必要に応じて適宜配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記配合剤を混練したのち、加硫することによりゴム組成物を製造することができる。
本発明のゴム組成物の用途としては、タイヤ、ベルト、ゴムロール、くつ底などがあげられる。なかでも、前記ゴム組成物が優れた耐熱性および耐疲労性を示すことから、タイヤに用いることが好ましい。本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッド、サイドウォール、ブレーカー、ビードエイペックス、インサートに用いることができる。なかでも、優れた耐熱性および耐疲労性を示すことから、トレッド、サイドウォールに用いることが好ましい。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて前記各種薬品を配合した本発明のゴム組成物を未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを得る。このようにして得られた本発明のタイヤは、優れた耐熱性および耐疲労性を示すものである。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するか、本発明は、これらに限定されるものではない。
(重量平均分子量Mwの測定)
重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ)を用い、検知器として示差屈折計を用い、分子量は標準ポリスチレンより校正した。
以下に、合成で用いた各種薬品について説明する。
ブタジエン:東京化成工業(株)製
スチレン:東京化成工業(株)製
シクロヘキサン:東京化成工業(株)製
テトラヒドロフラン(THF):東京化成工業(株)製
1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン:東京化成工業(株)製
sec−ブチルリチウム(1.6mol/lのヘキサン溶液):東京化成工業(株)製
スチレンオキシド:東京化成工業(株)製
リポ酸:東京化成工業(株)製
1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール:東京化成工業(株)製
クロロホルム:東京化成工業(株)製
(ジオール1の合成)
あらかじめ充分に窒素置換した1000mLのオートクレーブにヘキサン、ブタジエン、テトラヒドロフランを添加し、別の容器内にあらかじめヘキサン、sec−ブチルリチウム1.6mol/lのヘキサン溶液、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエンを混ぜたヘキサン溶液をオートクレーブ内に添加する。50℃で1時間撹拌した後、スチレンオキシドを添加し、5分後、イソプロパノールを加えて重合を停止した。生成物を蒸留水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去することでジオール1を得た。
(ジオール2〜6の合成)
表1に示す処方により、ジオール1と同様の方法にて合成した。
Figure 0005139675
(架橋剤1の合成)
あらかじめ充分に窒素置換した1000mLのフラスコにクロロホルム250mL、リポ酸12.4g、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール8.2gを加え、別の容器内にあらかじめクロロホルム250mL、ジオール1 120gを混ぜて調整したクロロホルム溶液をフラスコ内に滴下した。80℃で6時間撹拌した後、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィーで精製分離することで架橋剤1を得た。架橋剤1の構造を以下に示す。架橋剤1は、式(1)中のR1が炭素数が約490の2価の炭化水素基であり、XおよびYが炭素数が3の5員環残基である。
Figure 0005139675
(架橋剤2〜6の合成)
表2に示す処方により、架橋剤1と同様の方法にて合成した。架橋剤2〜6の構造を以下に示す。
(架橋剤2)
架橋剤2は、式(1)中のR1が炭素数が約250の2価の炭化水素基であり、XおよびYが炭素数3の5員環残基である。
Figure 0005139675
(架橋剤3)
架橋剤3は、式(1)中のR1が炭素数が約90の2価の炭化水素基であり、XおよびYが炭素数3の5員環残基である。
Figure 0005139675
(架橋剤4)
架橋剤4は、式(1)中のR1が炭素数が約70の2価の炭化水素基であり、XおよびYが炭素数3の5員環残基である。
Figure 0005139675
(架橋剤5)
架橋剤5は、式(1)中のR1が炭素数が約470の2価の炭化水素基であり、XおよびYが炭素数3の5員環残基である。
Figure 0005139675
(架橋剤6)
架橋剤6は、式(1)中のR1が炭素数が約260の2価の炭化水素基であり、XおよびYが炭素数3の5員環残基である。
Figure 0005139675
Figure 0005139675
実施例1〜6および比較例1
表3に示す配合処方にしたがって、混練り配合し、各種供試ゴム組成物を得た。これらの配合物を170℃で20分間プレス加硫して加硫物を得て、これらについて以下に示す試験方法により耐熱性および耐疲労性を評価した。なお、実施例1では架橋剤1を40重量部、実施例2では架橋剤2を20重量部、実施例3では架橋剤3を10重量部、実施例4では架橋剤4では8重量部、実施例5では架橋剤5を40重量部、実施例6では架橋剤6を20重量部、比較例1では硫黄を1重量部含有しているが、これらはすべて同一の架橋密度(同一の硬度)となるように、含有量を調整したためである。
Figure 0005139675
以下に、実施例および比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:RSS#3
SBR:日本ゼオン(株)製のニッポールNS116
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTT(テトラメチルチウラムジスルフィド)
以下に加硫ゴムの評価方法について説明する。
(耐熱性評価)
セイコーインスツル(株)製の熱機械分析装置(TMA)(SS6100)を用いて、直径8mm、高さ10mmのサンプルを用い、昇温速度10℃/分で試料の熱膨張をモニターし、試料が急激な膨張をする温度をブローアウトポイントし、比較例1を100として指数表示した。数値が大きい方が耐熱性に優れていることを示す。
(発熱性評価)
(株)上島製作所製のグッドリッチ式フレクソメーター(FT−1100)を用い、ASTM−D−623−58の方法に準拠して行なった。直径30mm、高さ25.4mmのサンプルを用い、槽内温度120℃、振動数1800rpm、荷重28kg、歪22.5%の条件で測定し、20分後の温度上昇を測定し、比較例1を100として指数表示した。数値が小さい方が発熱性は小さいことを示す。
(耐疲労性評価)
(株)上島製作所製の定応力/定歪み疲労試験機(FT−3100)を用い、ISO6943の方法に準拠して行なった。ダンベル3号の試験片を用いて、1Hz、100%の歪みを繰り返して与え続け、試験片が破断するまでの回数を求め、比較例1を100として指数表示した。数値が大きい方が耐疲労性に優れていることを示す。
表3に示すように、本発明による架橋剤を配合した実施例1〜6のゴム組成物は、従来の架橋剤を配合した比較例1のゴム組成物に比べて耐熱性および耐疲労性に優れていることがわかる。

Claims (4)

  1. 式(1):
    X−R1−Y (1)
    (式中、R1はヘテロ原子を含んでいてもよい2価の炭素数1〜10000の炭化水素基;XおよびYは同じかまたは異なり、いずれも式(2):
    Figure 0005139675
    で表わされる炭素数1〜10の1価の3〜12員環残基である)で表わされる架橋剤であって、
    前記式(1)に含まれるR 1 が共役ジエン化合物または芳香族ビニル化合物の単独重合構造またはそれらの共重合構造を含む2価の炭化水素基である架橋剤
  2. 環状ジスルフィド結合を含むカルボン酸とジオールとを縮合反応させることにより得られる、請求項1記載の架橋剤であって、
    前記環状ジスルフィド結合を含むカルボン酸が、1,2−ジチオラン−3−ペンタン酸、1,2−ジチオラン−3−ヘキサン酸、1,2−ジチアン−3−ペンタン酸および1,2−ジチアン−3−ヘキサン酸から選択されるものであり、
    前記ジオールが、共役ジエン化合物および/または芳香族ビニル化合物と、スチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシドおよびイソブチレンオキシドから選択されるものとを重合して得られるものである架橋剤。
  3. ゴム成分100重量部に対して、請求項1または2に記載の架橋剤を0.1〜200重量部含有するゴム組成物。
  4. 請求項3記載のゴム組成物を用いて製造されたタイヤ。
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