JP6870482B2 - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6870482B2
JP6870482B2 JP2017109189A JP2017109189A JP6870482B2 JP 6870482 B2 JP6870482 B2 JP 6870482B2 JP 2017109189 A JP2017109189 A JP 2017109189A JP 2017109189 A JP2017109189 A JP 2017109189A JP 6870482 B2 JP6870482 B2 JP 6870482B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
group
atom
parts
tetrazine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017109189A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018203850A (ja
Inventor
勇人 吉安
勇人 吉安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2017109189A priority Critical patent/JP6870482B2/ja
Publication of JP2018203850A publication Critical patent/JP2018203850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6870482B2 publication Critical patent/JP6870482B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
近年、タイヤに用いられるゴム組成物には良好な低燃費性能を得るために、カーボンブラックよりもシリカを用いることが多くなっており、その配合量も増加してきている(例えば、特許文献1)。しかし、シリカはゴムとの親和性が低いため、シリカの配合量が多くなるほどゴム中での分散性が悪化し、シリカ配合による本来の性能が得られず、従来の技術では、低燃費性能、耐摩耗性能をバランスよく改善するという点では改善の余地があった。
特表2013−544936号公報
本発明は、低燃費性能、耐摩耗性能がバランスよく改善されたタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、SP値が6.0〜12.0のゴム成分と、
SP値が7.0〜30.0のテトラジン系化合物と、
SP値が7.0〜15.0かつ重量平均分子量が300〜9000の炭化水素化合物と、
カーボンブラックとを混練する第1工程と、
上記第1工程で得られた混練物とシリカとを混練する第2工程とを含み、
上記第1工程において、上記第1工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック1〜50質量部が混練されるタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
上記テトラジン系化合物が、下記一般式(1)で表されるテトラジン系化合物であることが好ましい。
Figure 0006870482
[式中、R及びRは同一でも異なっていても良く、各々水素原子、−COOR(Rは水素原子またはアルキル基を示す)又は炭素数1〜11の一価の炭化水素基を示し、該炭化水素基はヘテロ原子を有してもよい。また、R及びRは塩を形成してもよい。]
上記テトラジン系化合物が、下記一般式(1−1)、(1−2)、(1−3)、又は(1−4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006870482
[式(1−1)中、R11は、水素原子、−COOR17(R17は水素原子又はアルキル基を示す)又は炭素数1〜11の一価の炭化水素基を示し、該炭化水素基はヘテロ原子を有してもよい。また、R11は塩を形成してもよい。]
[式(1−2)中、R12は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびケイ素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を示す。また、R12は塩を形成してもよい。]
[式(1−3)中、R13及びR14は同一でも異なっていても良く、各々水素原子又はアルキル基を示す。また、R13及びR14は塩を形成してもよい。]
[式(1−4)中、R15及びR16は同一でも異なっていても良く、各々水素原子、−COOR18(R18は水素原子又はアルキル基を示す)、又は窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびケイ素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を示す。また、R15及びR16は塩を形成してもよい。]
上記テトラジン系化合物が、下記式(1−1−1)、(1−1−2)、(1−2−1)、(1−3−1)、(1−4−1)又は(1−4−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006870482
本発明は、SP値が6.0〜12.0のゴム成分と、
SP値が7.0〜30.0のテトラジン系化合物と、
SP値が7.0〜15.0かつ重量平均分子量が300〜9000の炭化水素化合物と、
カーボンブラックとを混練する第1工程と、
前記第1工程で得られた混練物とシリカとを混練する第2工程とを含み、
前記第1工程において、前記第1工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック1〜50質量部が混練されるタイヤ用ゴム組成物の製造方法であるので、低燃費性能、耐摩耗性能がバランスよく改善されたタイヤ用ゴム組成物を提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、
SP値が6.0〜12.0のゴム成分と、
SP値が7.0〜30.0のテトラジン系化合物と、
SP値が7.0〜15.0かつ重量平均分子量が300〜9000の炭化水素化合物と、
カーボンブラックとを混練する第1工程と、
上記第1工程で得られた混練物とシリカとを混練する第2工程とを含み、
上記第1工程において、上記第1工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック1〜50質量部が混練される。
本発明では、以下の作用効果により、低燃費性能、耐摩耗性能がバランスよく改善されるものと推察される。
タイヤ用途に使用されるゴム成分は、シリカとの親和性が低く、シリカを充分に分散できないという問題があった。
一方、これに対して、本発明者は、ゴム成分と、テトラジン系化合物とが反応することにより、具体的には、ゴム成分の2重結合に、テトラジン系化合物を反応させることにより、ゴム成分の側鎖が増え、この側鎖とシリカとの作用により、元々はシリカとの親和性が低いゴム成分であっても、シリカとの親和性が向上し、ゴム成分近傍にもシリカを分散させることが可能となり、ゴム組成物中において、シリカをより均一に分散させることが可能となり、低燃費性能、耐摩耗性能がバランスよく改善でき、この効果は、シリカの配合量が多い場合に更に顕著に得られることが明らかとなった。
更に、本発明者が鋭意検討した結果、単にゴム成分とテトラジン系化合物を混練しただけでは、ゴム組成物中においてテトラジン系化合物が均一に分散されないため、テトラジン系化合物を配合したことによる効果が充分に得られていないことが明らかとなった。本発明者がこの原因について検討した結果、テトラジン系化合物はゴム成分との親和性が低いこと、すなわち、テトラジン系化合物のSP値は比較的高く、ゴム成分のSP値は比較的低く、その結果、両者の親和性が低いことが原因であることが明らかとなった。そこで、両者の中間のSP値を有する低分子量の炭化水素化合物をゴム成分、テトラジン系化合物と共に混練することにより、テトラジン系化合物のゴム組成物中における分散性を改善することに成功した。
更に、本発明者が鋭意検討した結果、両者の中間のSP値を有する低分子量の炭化水素化合物をゴム成分、テトラジン系化合物と共に混練する際に、特定量のカーボンブラックを共に混練することにより、ゴムのまとまりがより良好となり、また、ゴム成分の2重結合と、テトラジン系化合物との反応性を向上させることに成功した。
このように、ゴム成分、テトラジン系化合物を混練する際に、両者の中間のSP値を有する低分子量の炭化水素化合物も混練することにより、テトラジン系化合物のゴム組成物中における分散性を改善でき、特定量のカーボンブラックを共に混練することにより、ゴム成分の2重結合と、テトラジン系化合物との反応性を向上させることができ、両効果が相乗的に作用し、得られた混練物とシリカとを混練することにより、シリカの分散性を改善でき、低燃費性能、耐摩耗性能をバランスよく改善できるものと予想される。
このように、本発明では、ゴム成分とテトラジン系化合物と両者の中間のSP値を有する低分子量の炭化水素化合物とカーボンブラックの相互作用により、低燃費性能、耐摩耗性能の性能バランスを相乗的に改善できる。
なお、本明細書において、SP値は、化合物の構造に基づいてHoy法によって算出される溶解度パラメーター(Solubility Parameter)を意味する。Hoy法とは、例えば、K.L.Hoy “Table of Solubility Parameters”,Solvent and Coatings Materials Reserch and Development Department,Union Carbites Corp.(1985)に記載された計算方法である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、
SP値が6.0〜12.0のゴム成分と、
SP値が7.0〜30.0のテトラジン系化合物と、
SP値が7.0〜15.0かつ重量平均分子量が300〜9000の炭化水素化合物と、
カーボンブラックとを混練する第1工程と、
前記第1工程で得られた混練物とシリカとを混練する第2工程とを含み、
前記第1工程において、前記第1工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック1〜50質量部が混練される。
<第1工程>
第1工程では、例えば、混練機を用いて、上記ゴム成分と、上記テトラジン系化合物と、上記炭化水素化合物と、上記カーボンブラック等とを混練する。混練機としては従来公知のものを使用でき、例えば、バンバリーミキサーやニーダーなどの密閉型設備が挙げられる。なお、以下に述べる混練工程でも同様の混練機を使用できる。
第1工程の混練条件としては、混練温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは80〜190℃、更に好ましくは110〜160℃であり、混練時間は、好ましくは30秒〜30分であり、より好ましくは1分〜30分、更に好ましくは2分〜20分である。
使用できるゴム成分としては、SP値が6.0〜12.0のゴム成分であれば特に限定されず、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴムの他、ブチル系ゴムなどが挙げられる。イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、SBR、BRが好ましい。
なお、第1工程において複数のゴム成分を使用する場合、ゴム成分のSP値とは、最も多く配合されるゴム成分のSP値を意味する。すなわち、第1工程において複数のゴム成分を使用する場合、最も多く配合されるゴム成分のSP値が上記範囲内であればよい。
ここで、本発明では、ゴム成分は、重量平均分子量(Mw)が30万以上(好ましくは35万以上)のゴムを意味する。Mwの上限は特に限定されないが、好ましくは150万以下、より好ましくは100万以下である。
なお、本明細書において、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
タイヤ用途に汎用されるゴム成分である天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムのSP値はそれぞれ、7.9〜8.4、7.9〜8.4、8.1〜8.6、8.1〜8.7である。そのため、ゴム成分のSP値は6.0〜12.0であるが、下限値は好ましくは6.5以上、より好ましくは7.0以上、更に好ましくは7.9以上であり、上限値は好ましくは11.0以下、より好ましくは10.0以下、更に好ましくは9.0以下、特に好ましくは8.7以下である。上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上である。また、該スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
SBRのビニル量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。また、上記ビニル量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、ビニル量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30万以上、より好ましくは35万以上、更に好ましくは80万以上である。上記Mwは、好ましくは150万以下、より好ましくは130万以下である。上記Mwが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
また、SBRとしては、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。
変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性能が向上するという理由から、BRのシス含量は97質量%以上が好ましい。
BRの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30万以上、より好ましくは35万以上である。上記Mwは、好ましくは55万以下、好ましくは50万以下、より好ましくは45万以下である。上記Mwが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
また、BRとしては、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。変性BRとしては、変性SBRと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
使用できるテトラジン系化合物としては、SP値が7.0〜30.0のテトラジン系化合物(環構造中に4つの窒素原子を含む六員環を有する化合物)であれば特に限定されない。
テトラジン系化合物のSP値は7.0〜30.0であり、好ましくは7.5〜24.0、より好ましくは8.0〜21.0、更に好ましくは8.0〜18.0、特に好ましくは8.0〜15.0である。上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
上記テトラジン系化合物としては、下記一般式(1)で表されるテトラジン系化合物が好ましい。
Figure 0006870482
[式中、R及びRは同一でも異なっていても良く、各々水素原子(−H)、−COOR(Rは水素原子(−H)またはアルキル基を示す)又は炭素数1〜11の一価の炭化水素基を示し、該炭化水素基はヘテロ原子を有してもよい。また、R及びRは塩を形成してもよい。]
上記ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。
及びRの炭化水素基の炭素数は1〜11であり、好ましくは2〜9、より好ましくは4〜7である。
及びRとしては、補強性充填剤(特に、カーボンブラック、シリカ)との相互作用が生じやすいと考えられ、より良好な低燃費性能、耐摩耗性能が得られるという理由から、−COOR又はヘテロ原子を有する炭化水素基が好ましく、R及びRが共にヘテロ原子を有する炭化水素基であることがより好ましい。
及びRの炭化水素基としては、特に限定されないが、補強性充填剤(特に、カーボンブラック、シリカ)との相互作用が生じやすいと考えられ、より良好な低燃費性能、耐摩耗性能が得られるという理由から、単素環基、複素環基が好ましく、少なくとも一方が複素環基であることがより好ましく、双方が複素環基であることが更に好ましい。
なお、本明細書において、単素環基とは、環構造が炭素原子のみによって構成される基を意味し、複素環基とは、環構造が炭素原子を含む2種類以上の元素によって構成される基を意味する。
単素環基としては、例えば、アリール基、シクロアルキル基等が挙げられる。なかでも、アリール基が好ましい。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。なかでも、フェニル基が好ましい。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
複素環基としては、環を構成するヘテロ原子として窒素原子を含有する含窒素複素環基が好ましく、環を構成するヘテロ原子として窒素原子のみを含有する含窒素複素環基がより好ましい。
含窒素複素環基としては、例えば、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、、ピペリジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、イミダゾリジル基、ピペラジニル基、ピラゾリジル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等が挙げられる。なかでも、ピリジル基、ピリミジル基が好ましく、ピリジル基が更に好ましい。
上記単素環基、上記複素環基が有する水素原子は、置換基により置換されていてもよい。補強性充填剤(特に、カーボンブラック、シリカ)との相互作用が生じやすいと考えられ、より良好な低燃費性能、耐摩耗性能が得られるという理由から、置換基により置換されていることが好ましい。
置換基としては、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基、スルホン酸基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。なお、これらの置換基は、更に上記置換基を有していてもよく、上記置換基以外にも例えば、アルキレン基、アルキル基等を有していてもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、カルボキシル基、上記−COOR、アミノ基(好ましくは下式(A)で表される基、下式(B)で表される基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
Figure 0006870482
なお、置換基は、上式(A)、(B)で表される基のように、塩を形成してもよい。塩を形成する例としては、例えば、アミノ基とハロゲン原子との塩、カルボキシル基とNa、K等の1価の金属との塩、スルホン酸基と上記1価の金属との塩等が挙げられる。
上記−COORのRは水素原子又はアルキル基を示す。該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜3である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
としては、アルキル基が好ましい。
上記一般式(1)で表されるテトラジン系化合物としては、ジエン系ゴムと反応可能なものであれば特に限定されない。テトラジン系化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、下記一般式(1−1)、(1−2)、(1−3)、又は(1−4)で表される化合物(特に、下記一般式(1−1)又は(1−4)で表される化合物)が好ましく、下記式(1−1−1)、(1−1−2)、(1−2−1)、(1−3−1)、(1−4−1)又は(1−4−2)で表される化合物(特に、下記式(1−1−1)又は(1−4−1)で表される化合物)がより好ましい。
上記一般式(1)で表されるテトラジン系化合物は、市販品を用いてもよく、公知の方法により合成してもよい。
Figure 0006870482
[式(1−1)中、R11は、水素原子(−H)、−COOR17(R17は水素原子(−H)又はアルキル基を示す)又は炭素数1〜11の一価の炭化水素基を示し、該炭化水素基はヘテロ原子を有してもよい。また、R11は塩を形成してもよい。]
[式(1−2)中、R12は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびケイ素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を示す。また、R12は塩を形成してもよい。]
[式(1−3)中、R13及びR14は同一でも異なっていても良く、各々水素原子(−H)又はアルキル基を示す。また、R13及びR14は塩を形成してもよい。]
[式(1−4)中、R15及びR16は同一でも異なっていても良く、各々水素原子(−H)、−COOR18(R18は水素原子(−H)又はアルキル基を示す)、又は窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびケイ素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を示す。また、R15及びR16は塩を形成してもよい。]
Figure 0006870482
11のヘテロ原子としては、R及びRのヘテロ原子と同様の原子が挙げられる。
11の炭化水素基の炭素数はR及びRの炭化水素基と同様であり、好適な態様も同様である。
11としては、補強性充填剤(特に、カーボンブラック、シリカ)との相互作用が生じやすいと考えられ、より良好な低燃費性能、耐摩耗性能が得られるという理由から、−COOR17又はヘテロ原子を有する炭化水素基が好ましい。
11の炭化水素基としては、R及びRの炭化水素基と同様の基が挙げられ、好適な態様も同様である。
上記−COOR17のR17は水素原子又はアルキル基を示す。該アルキル基としては、Rのアルキル基と同様の基が挙げられ、好適な態様も同様である。
17としては、アルキル基が好ましい。
12の窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびケイ素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基としては、上記置換基と同様の基が挙げられ、好適な態様も同様である。
12は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれの位置であってもよいが、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、パラ位が好ましい。
13及びR14のアルキル基は、Rのアルキル基と同様の基が挙げられ、好適な態様も同様である。R13及びR14としては、アルキル基が好ましい。
15及びR16としては、より良好な低燃費性能、耐摩耗性能が得られるという理由から、水素原子、又は窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびケイ素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基が好ましい。
−COOR18のR18は水素原子又はアルキル基を示す。該アルキル基としては、Rのアルキル基と同様の基が挙げられ、好適な態様も同様である。
18としては、アルキル基が好ましい。
15及びR16の窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびケイ素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基としては、上記置換基と同様の基が挙げられ、好適な態様も同様である。
15及びR16は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれの位置であってもよいが、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、パラ位が好ましく、R15及びR16共にパラ位がより好ましい。
なお、第1工程において複数のテトラジン系化合物を使用する場合、テトラジン系化合物のSP値とは、最も多く配合されるテトラジン系化合物のSP値を意味する。すなわち、第1工程において複数のテトラジン系化合物を使用する場合、最も多く配合されるテトラジン系化合物のSP値が上記範囲内であればよい。
使用できる炭化水素化合物としては、SP値が7.0〜15.0かつ重量平均分子量(Mw)が300〜9000の炭化水素化合物であれば特に限定されない。本発明では、上記作用機構から明らかなように、特定のSP値、重量平均分子量(Mw)を満たす炭化水素化合物を使用することが重要であり、炭化水素化合物自体の組成、化学構造に関わらず、特定のSP値、重量平均分子量(Mw)を満たす炭化水素化合物を使用すれば、上記作用機構が発揮される。
本明細書において、炭化水素化合物とは、炭化水素を主成分(50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上)とする化合物を意味する。
炭化水素化合物のSP値は7.0〜15.0であり、好ましくは7.5〜13.0、より好ましくは8.0〜12.0、更に好ましくは8.4〜11.0である。上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
炭化水素化合物の重量平均分子量(Mw)は300〜9000であり、好ましくは400〜8000、より好ましくは500〜7000、更に好ましくは600〜6000である。上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
上記炭化水素化合物としては、オイル、液状ポリマー、樹脂が挙げられる。当業者であれば、公知のオイル、液状ポリマー、樹脂から、上記SP値、重量平均分子量(Mw)を満たすオイル、液状ポリマー、樹脂を容易に選択可能である。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
液状ポリマーとしては、常温(25℃)で液体状態のポリマーであれば特に限定されないが、低分子量ジエン系ポリマーが好ましい。
低分子量ジエン系ポリマーを構成するモノマー成分としては、ジエン系モノマーであれば特に限定されず、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエン化合物、ミルセン、ファルネセンなどの分枝共役ジエン化合物が挙げられる。また、ジエン系モノマーと共に、スチレン、α−メチルスチレン、α−ビニルナフタレン、β−ビニルナフタレンなどのビニル化合物がモノマー成分として使用されてもよい。
低分子量ジエン系ポリマーとしては、例えば、スチレンブタジエン共重合体、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ミルセン重合体、ファルネセン重合体、ミルセンブタジエン共重合体、ミルセンスチレン共重合体、ファルネセンブタジエン共重合体、ファルネセンスチレン共重合体等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スチレンブタジエン共重合体、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、ミルセン重合体、ファルネセン重合体、ミルセンブタジエン共重合体、ミルセンスチレン共重合体、ファルネセンブタジエン共重合体、ファルネセンスチレン共重合体が好ましい。
また、低分子量ジエン系ポリマーの共役ジエン部の二重結合は、水素添加されていてもよい。
樹脂としては、タイヤ工業において一般的に用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、クマロン系樹脂、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
なお、第1工程において複数の炭化水素化合物を使用する場合、炭化水素化合物のSP値、重量平均分子量(Mw)とは、最も多く配合される炭化水素化合物のSP値、重量平均分子量(Mw)を意味する。すなわち、第1工程において複数の炭化水素化合物を使用する場合、最も多く配合される炭化水素化合物のSP値及び重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であればよい。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、5m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。また、上記NSAは、300m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
第1工程において混練される成分として、上記ゴム成分と、上記テトラジン系化合物と、上記炭化水素化合物と、上記カーボンブラックの他に、本発明の効果が妨げられない範囲で、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、シリカ、クレーなどの補強性充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、ワックス等を混練してもよい。
ゴム組成物に配合されるゴム成分100質量%中、第1工程において混練されるゴム成分の割合は、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%(全量)である。
第1工程においてSBRを使用する場合、第1工程において混練されるゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。また、上記SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
第1工程においてBRを使用する場合、第1工程において混練されるゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、上記BRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
第1工程におけるSBR、BRの合計含有量は、第1工程において混練されるゴム成分100質量%中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
ゴム組成物に配合される上記テトラジン系化合物100質量%中、第1工程において混練される上記テトラジン系化合物の割合は、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%(全量)である。
第1工程において混練される上記テトラジン系化合物の含有量は、第1工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.8質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下、更に好ましくは1.5質量部以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
ゴム組成物に配合される上記炭化水素化合物100質量%中、第1工程において混練される上記炭化水素化合物の割合は、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%(全量)である。
第1工程において混練される上記炭化水素化合物の含有量は、第1工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
ゴム組成物に配合されるカーボンブラック100質量%中、第1工程において混練されるカーボンブラックの割合は、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%(全量)である。
第1工程において混練されるカーボンブラックの含有量は、第1工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、50質量部以下、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
<第2工程>
第2工程では、例えば、混練機を用いて、上記第1工程で得られた混練物と、シリカとを混練する。
第2工程の混練条件としては、混練温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは80〜190℃、更に好ましくは110〜160℃であり、混練時間は、好ましくは30秒〜30分であり、より好ましくは1分〜30分、更に好ましくは2分〜20分である。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは90m/g以上、より好ましくは120m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。下限以上にすることで、より良好な耐摩耗性能、ウェットグリップ性能が得られる。上記NSAは、好ましくは400m/g以下、より好ましくは200m/g以下、更に好ましくは180m/g以下である。上限以下にすることで、より良好な低燃費性能が得られる。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
第2工程ではシリカ以外の他の薬品も混練することが好ましい。他の薬品としては、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、クレーなどの補強性充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、ワックス等が挙げられる。なかでも、シランカップリング剤、老化防止剤、ワックス、酸化亜鉛、ステアリン酸を配合する場合には、これらの薬品は、第2工程において、混練されることが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、スルフィド系又はメルカプト系が好ましい。
シランカップリング剤としては、式(2)で表されるシランカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、より良好な低燃費性能、耐摩耗性能が得られる。
Figure 0006870482
(式(2)中、pは1〜3の整数、qは1〜5の整数、kは5〜12の整数である。)
式(2)において、pは1〜3の整数であるが、2が好ましい。pが3以下であると、カップリング反応が速い傾向がある。
qは1〜5の整数であるが、2〜4が好ましく、3がより好ましい。qが1〜5であると合成が容易である傾向がある。
kは5〜12の整数であるが、5〜10が好ましく、6〜8がより好ましく、7が更に好ましい。
式(2)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、和光純薬工業(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
ゴム組成物に配合されるシリカ100質量%中、第2工程において混練されるシリカの割合は、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%(全量)である。
第2工程において混練されるシリカの含有量は、第2工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上、特に好ましくは80質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
第2工程においてシランカップリング剤を使用する場合、シランカップリング剤の含有量は、第2工程において混練されるシリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
第2工程においてワックスを使用する場合、ワックスの含有量は、第2工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
第2工程において老化防止剤を使用する場合、老化防止剤の含有量は、第2工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
第2工程においてステアリン酸を使用する場合、ステアリン酸の含有量は、第2工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
第2工程において酸化亜鉛を使用する場合、酸化亜鉛の含有量は、第2工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記第2工程の後、得られた混練物に、例えば、混練機を用いて、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤等の成分を混練する仕上げ練り工程を行う。
仕上げ練り工程の混練条件としては、混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を配合した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
上記製法により得られるゴム組成物は、SBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。また、上記SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記製法により得られるゴム組成物は、BRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、上記BRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記製法により得られるゴム組成物は、SBR、BRの合計含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記製法により得られるゴム組成物は、上記テトラジン系化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.8質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下、更に好ましくは1.5質量部以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記製法により得られるゴム組成物は、上記炭化水素化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記製法により得られるゴム組成物は、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、50質量部以下、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記製法により得られるゴム組成物は、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上、特に好ましくは80質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記製法により得られるゴム組成物は、補強性充填剤100質量%中のシリカの含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、上限は特に限定されない。
上記製法により得られるゴム組成物は、カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは60〜200質量部、より好ましくは70〜180質量部、更に好ましくは80〜160質量部である。
上記製法により得られるゴム組成物は、シランカップリング剤を使用する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。上記範囲内にすることで、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記製法により得られるゴム組成物は、タイヤ部材、例えば、トレッド(キャップトレッド)、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチエイペックス、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層に用いることができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、ランフラットタイヤに好適に使用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR(1):スチレンブタジエンゴム(スチレン含量:40質量%、ビニル量:15質量%、Mw:120万、SP値:8.4)
SBR(2):スチレンブタジエンゴム(スチレン含量:30質量%、ビニル量:50質量%、Mw:90万、SP値:8.1)
SBR(3):スチレンブタジエンゴム(スチレン含量:40質量%、ビニル量:40質量%、Mw:100万、SP値:8.7)
BR:ハイシスBR(シス含量:97質量%、Mw:40万、SP値:8.1)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N220、NSA:111m/g)
テトラジン系化合物A:上記式(1−1−1)で表される化合物(SP値:8.1)
テトラジン系化合物B:上記式(1−2−1)で表される化合物(SP値:14.6)
テトラジン系化合物C:上記式(1−3−1)で表される化合物(SP値:11.4)
テトラジン系化合物D:上記式(1−4−1)で表される化合物(SP値:8.5)
低分子量炭化水素(1):出光興産株式会社製のダイアナプロセスNH−70S(プロセスオイル、SP値:8.4、Mw:600)
低分子量炭化水素(2):住友ベークライト株式会社製のDurez 19900(フェノール系樹脂、SP値:10.1、Mw:2000)
低分子量炭化水素(3):東亜合成株式会社製のARUFON−UF5041(アクリル系樹脂、SP値:11.0、Mw:8000)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:モメンティブ社製のNXT(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
老化防止剤:精工化学(株)製のオゾノン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(ジフェニルグアニジン)
<実施例及び比較例>
表1に示す配合内容に従い、工程Iに示す各種薬品を、1.7Lバンバリーミキサーにて、130℃の条件下で3分間混練した。次に、工程Iにより得られた混練物及び工程IIに示す各種薬品を、1.7Lバンバリーミキサーにて、130℃の条件下で5分間混練した。そして、工程IIにより得られた混練物及び工程IIIに示す各種薬品を、オープンロールを用いて80℃の条件下で3分間混練りし(仕上げ練り工程)、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、加圧加熱を行って、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。得られた試験用タイヤを用いて下記の評価を行い、結果を表1に示した。
なお、比較例1では、工程IIより実施した。
(低燃費性能)
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例2を100とした時の指数で表示した(低燃費性能指数)。指数が大きいほど、低燃費性能に優れることを示す。
(耐摩耗性能)
各試験用タイヤを国産FF車に装着し、走行距離8000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、比較例2を100とした時の指数で表示した(耐摩耗性能指数)。指数が大きいほど、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離が長く、耐摩耗性能に優れることを示す。
Figure 0006870482
表1から、SP値が6.0〜12.0のゴム成分と、SP値が7.0〜30.0のテトラジン系化合物と、SP値が7.0〜15.0かつ重量平均分子量が300〜9000の炭化水素化合物と、カーボンブラックとを混練する第1工程と、前記第1工程で得られた混練物とシリカとを混練する第2工程とを含み、前記第1工程において、前記第1工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック1〜50質量部が混練されて製造された実施例の空気入りタイヤは、低燃費性能、耐摩耗性能がバランスよく改善されていた。
実施例1、比較例2〜4の比較により、SP値が6.0〜12.0のゴム成分と、SP値が7.0〜30.0のテトラジン系化合物と、SP値が7.0〜15.0かつ重量平均分子量が300〜9000の炭化水素化合物と、特定量のカーボンブラックとを混練する第1工程と、上記第1工程で得られた混練物とシリカとを混練する第2工程とを行うことにより、低燃費性能、耐摩耗性能を相乗的に改善できることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. SP値が6.0〜12.0のゴム成分と、
    SP値が7.0〜30.0のテトラジン系化合物と、
    SP値が7.0〜15.0かつ重量平均分子量が300〜9000の炭化水素化合物と、
    カーボンブラックとを混練する第1工程と、
    前記第1工程で得られた混練物とシリカとを混練する第2工程とを含み、
    前記第1工程において、前記第1工程において混練されるゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック1〜50質量部が混練されるタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記テトラジン系化合物が、下記一般式(1)で表されるテトラジン系化合物である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    Figure 0006870482
    [式中、R及びRは同一でも異なっていても良く、各々水素原子、−COOR(Rは水素原子またはアルキル基を示す)又は炭素数1〜11の一価の炭化水素基を示し、該炭化水素基はヘテロ原子を有してもよい。また、R及びRは塩を形成してもよい。]
  3. 前記テトラジン系化合物が、下記一般式(1−1)、(1−2)、(1−3)、又は(1−4)で表される化合物である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    Figure 0006870482
    [式(1−1)中、R11は、水素原子、−COOR17(R17は水素原子又はアルキル基を示す)又は炭素数1〜11の一価の炭化水素基を示し、該炭化水素基はヘテロ原子を有してもよい。また、R11は塩を形成してもよい。]
    [式(1−2)中、R12は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびケイ素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を示す。また、R12は塩を形成してもよい。]
    [式(1−3)中、R13及びR14は同一でも異なっていても良く、各々水素原子又はアルキル基を示す。また、R13及びR14は塩を形成してもよい。]
    [式(1−4)中、R15及びR16は同一でも異なっていても良く、各々水素原子、−COOR18(R18は水素原子又はアルキル基を示す)、又は窒素原子、酸素原子、硫黄原子、フッ素原子およびケイ素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を示す。また、R15及びR16は塩を形成してもよい。]
  4. 前記テトラジン系化合物が、下記式(1−1−1)、(1−1−2)、(1−2−1)、(1−3−1)、(1−4−1)又は(1−4−2)で表される化合物である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    Figure 0006870482
JP2017109189A 2017-06-01 2017-06-01 タイヤ用ゴム組成物の製造方法 Active JP6870482B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017109189A JP6870482B2 (ja) 2017-06-01 2017-06-01 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017109189A JP6870482B2 (ja) 2017-06-01 2017-06-01 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018203850A JP2018203850A (ja) 2018-12-27
JP6870482B2 true JP6870482B2 (ja) 2021-05-12

Family

ID=64956501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017109189A Active JP6870482B2 (ja) 2017-06-01 2017-06-01 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6870482B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7312628B2 (ja) * 2019-01-07 2023-07-21 住友ベークライト株式会社 ゴム組成物、およびゴム製品
JP7301646B2 (ja) * 2019-07-11 2023-07-03 住友ベークライト株式会社 ゴム組成物用フェノール樹脂、ゴム組成物、およびゴム製品
JP2021014502A (ja) * 2019-07-11 2021-02-12 住友ベークライト株式会社 フェノール樹脂組成物、フェノール樹脂組成物の製造方法、およびゴム製品
JP7400419B2 (ja) * 2019-12-06 2023-12-19 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7322335B2 (ja) * 2019-12-27 2023-08-08 Toyo Tire株式会社 ゴム組成物の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3357961B1 (en) * 2015-09-30 2022-01-05 Otsuka Chemical Co., Ltd. Additive for imparting low heat build-up to rubber component
CN110494480A (zh) * 2017-04-07 2019-11-22 株式会社普利司通 橡胶组合物、橡胶组合物的制造方法和轮胎
EP3597697A4 (en) * 2017-04-14 2021-01-20 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. TIRE

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018203850A (ja) 2018-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6870482B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP7031599B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2018190427A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2018190430A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP7040277B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2019182908A (ja) タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP7070016B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7095416B2 (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7516944B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP6838638B1 (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP7326966B2 (ja) ゴム組成物及びタイヤ
JP7072532B2 (ja) タイヤ
JP7225637B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2022035560A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
WO2021024667A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2022015909A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2022021503A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP7378280B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2022019299A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2023111992A (ja) 加硫ゴム組成物及びタイヤ
JP2022026506A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2022030558A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2022039314A (ja) サイド部材用ゴム組成物及びタイヤ
JP2022026505A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2022039315A (ja) 繊維被覆用ゴム組成物及びタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6870482

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250