JP2012144601A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的強度、低燃費性を向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、ベーストレッド)に用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】天然ゴムと、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物と、カーボンブラックとを含み、ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が80質量%以上、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物の合計含有量が、カーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対して0.3〜10質量部であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
[化1]
Figure 2012144601

[式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
現在、輸送業界では、燃料代の高騰や環境規制の導入による経費増大等の理由から、低燃費性に優れたタイヤが望まれている。低燃費性を改善する方法の1つとして、カーボンブラック等の充填剤を減量する方法が知られている。しかし、この方法では、低燃費性は向上できるものの、機械的強度(破壊強度)が低下し、耐カット性が悪化するという問題がある。
特許文献1〜3では、低燃費性の向上を目的として、シリカを含む配合において、ゴムに特定の極性基を付加することによりシリカと親和性を持たせ、シリカの分散性を高め、低燃費性に優れたゴム組成物を得る方法が記載されているが、他の方法の提供も求められている。
特開2001−114939号公報 特開2005−126604号公報 特開2005−325206号公報
本発明は、前記課題を解決し、機械的強度、低燃費性を向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、ベーストレッド)に用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、天然ゴムと、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物と、カーボンブラックとを含み、ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が80質量%以上、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物の合計含有量が、カーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対して0.3〜10質量部であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 2012144601
[式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]
式(2)中のMr+で表される金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、又は亜鉛イオンであることが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオンであることがより好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、下記式(A)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2012144601
[式(A)中、Yは、炭素数2〜10のアルキレン基、R10及びR11は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。]
上記タイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラックの含有量が、ゴム成分100質量部に対して30〜60質量部であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ベーストレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。上記空気入りタイヤは、トラック・バス用タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、特定量の天然ゴムと、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物と、カーボンブラックとを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、機械的強度、低燃費性を向上できる。該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、ベーストレッド)に使用することにより、上記性能に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、特定量の天然ゴムと、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物と、カーボンブラックとを含む。
特定量の天然ゴムと、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物と、カーボンブラックとを併用することにより、機械的強度、低燃費性を向上できる。
本発明では、ゴム成分として天然ゴム(NR)が使用される。NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である。80質量%未満であると、機械的強度、低燃費性を充分に向上できない。
NR以外に本発明に使用されるゴム成分としては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物が使用される。
Figure 2012144601
[式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]
上記式(2)で表される化合物は任意の公知の方法により製造することができる。具体的には、ハロアルキルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩とジハロアルカンとを反応させて、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法等が挙げられる。
具体的には、qが6の化合物の場合、例えば、6−ハロヘキシルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩と1,6−ジハロヘキサンとを反応させて、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法等が挙げられる。
また、qが3の化合物の場合、例えば、3−ハロプロピルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩と1,3―ジハロプロパンとを反応させて、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法等が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物は、例えば、上記式(2)で表される化合物とプロトン酸とを反応させることにより製造することができる。
本発明では、上記式(1)で表される化合物と上記式(2)で表される化合物の混合物を用いることもできる。かかる混合物は、上記式(1)で表される化合物と上記式(2)で表される化合物とを混合する方法、金属アルカリ(上記Mで示される金属を含有する水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩等)を用いて上記式(1)で表される化合物の一部を金属塩化する方法、プロトン酸を用いて上記式(2)で表される化合物の一部を中和する方法により製造することができる。このようにして製造した上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物は、濃縮、晶析等の操作により、反応混合物から取り出すことができ、取り出された上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物は、通常0.1〜5%程度の水分を含む。本発明では、上記式(1)で表される化合物のみを用いることができ、また、上記式(2)で表される化合物のみを用いることもできる。また、複数種の上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物を併用することもできる。
式(1)中、pは2〜8の整数を表し、2〜5が好ましい。式(2)中、qは2〜8の整数を表し、2〜5が好ましい。
r+で示される金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオンおよび亜鉛イオンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが更に好ましい。rは金属イオンの価数を表わし、当該金属において可能な範囲であれば、限定されない。金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオンのようなアルカリ金属イオンの場合、rは通常1であり、金属イオンがコバルトイオンの場合、rは通常2または3である。金属イオンが、銅イオンの場合、rは通常1〜3の整数であり、金属イオンが、亜鉛イオンの場合、rは通常2である。上記製法によれば、通常、上記式(1)で表される化合物のナトリウム塩が得られるが、カチオン交換反応を行うことにより、ナトリウム塩以外の金属塩に変換することができる。
上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物のメディアン径は、好ましくは0.05〜100μmの範囲であり、より好ましくは1〜100μmの範囲である。かかるメディアン径は、レーザー回折法にて測定することができる。
上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物は、予め担持剤と混合してから使用してもよい。担持剤としては、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」第510〜513頁に記載されている「無機充てん剤、補強剤」が挙げられ、なかでも、カーボンブラック、シリカ、焼成クレー、水酸化アルミニウムが好ましい。担持剤の使用量は、特に限定されないが、上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物の合計量100質量部に対して、10〜1000質量部の範囲が好ましい。
上記式(1)及び上記式(2)で表される化合物の合計含有量はカーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対して、0.3質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.7質量部以上である。0.3質量部未満であると、機械的強度、低燃費性を充分に向上できない。また、該合計含有量は、カーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対して、10質量部以下、好ましくは8質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。10質量部を超えると、機械的強度、耐摩耗性が悪化する。
本発明では、カーボンブラックが使用される。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40m/g以上、より好ましくは60m/g以上である。40m/g未満では、機械的強度、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、該カーボンブラックのNSAは、好ましくは120m/g以下、より好ましくは90m/g以下である。120m/gを超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。また、分散性に劣り、耐摩耗性、機械的強度が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは60ml/100g以上、より好ましくは80ml/100g以上である。60ml/100g未満であると、低燃費性が悪化する傾向がある。
また、カーボンブラックのDBPは、好ましくは140ml/100g以下、より好ましくは120ml/100g以下である。140ml/100gを超えると、機械的強度が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。30質量部未満であると、機械的強度を充分に向上できないおそれがある。上記カーボンブラックの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。60質量部を超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。
本発明では、カーボンブラックと共に、特定量の天然ゴムと、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物とを併用することにより、機械的強度、低燃費性を向上できる。そのため、低燃費性の向上のために、カーボンブラックを減量する必要がなく、カーボンブラックの含有量を上記量とすることができるので、機械的強度の低下を抑制でき、低燃費性、機械的強度がバランス良く得られる。
本発明では、加硫剤として、下記式(A)で表される化合物を配合することが好ましい。本発明では、上記併用により、機械的強度、低燃費性を向上できるものの、タイヤ走行により発生する熱によりゴムの劣化が起こり、熱劣化後の機械的強度が低下するおそれがあるが、下記式(A)で表される化合物を配合することにより、結合エネルギーが高く、熱安定性が高いCC結合をゴム組成物に保有させることができるため、良好な低燃費性を維持しながら、耐熱劣化性を改善でき、低燃費性、機械的強度、熱劣化後の機械的強度(耐久性)をバランス良く向上できる。なお、下記式(A)で表される化合物と共に硫黄を配合してもよい。
Figure 2012144601
[式(A)中、Yは、炭素数2〜10のアルキレン基、R10及びR11は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。]
Yのアルキレン基(炭素数2〜10)としては、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のものがあげられるが、なかでも、直鎖状のアルキレン基が好ましい。炭素数は4〜8が好ましい。アルキレン基の炭素数が1では、熱的な安定性が悪く、アルキレン基を有することによる効果が得られない傾向があり、炭素数が11以上では、−S−S−Y−S−S−で表される架橋鎖の形成が困難になる傾向がある。
上記条件を満たすアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などがあげられる。なかでも、ポリマー間に−S−S−Y−S−S−で表される架橋がスムーズに形成され、熱的にも安定であるという理由から、ヘキサメチレン基が好ましい。
10及びR11としては、チッ素原子を含む1価の有機基であれば特に限定されないが、芳香環を少なくとも1つ含むものが好ましく、炭素原子がジチオ基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものがより好ましい。また、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、分岐状が好ましい。
10及びR11は、それぞれ同一でも、異なっていてもよいが、製造の容易さなどの理由から、同一であることが好ましい。
上記条件を満たす化合物としては、例えば、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン、1,3−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン、1,4−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン、1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン、1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン、1,9−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンなどがあげられる。なかでも、熱的に安定であり、分極性に優れるという理由から、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ましい。
式(A)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上である。0.3質量部未満であると、熱劣化後の機械的強度の向上効果が小さい傾向がある。式(A)で表される化合物の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下、特に好ましくは1.5質量部以下である。10質量部を超えると、架橋密度が高くなり過ぎて、熱劣化後の機械的強度が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ、クレー等の補強用充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又は、キサンテート系加硫促進剤が挙げられる。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)等が挙げられる。なかでも、TBBSが好ましい。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。0.5質量部未満であると、機械的疲労を受けやすくなり耐久性が低下し、低燃費性との両立も困難となる傾向がある。上記硫黄の含有量は、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.5質量部以下、更に好ましくは3.0質量部以下、特に好ましくは1.8質量部以下、最も好ましくは1.6質量部以下である。4.0質量部を超えると、熱劣化後の機械的強度が低下するおそれがある。
本発明では、カーボンブラックと、特定量の天然ゴムと、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物とを併用することにより、機械的強度、低燃費性を向上できる。そのため、低燃費性の向上のために、硫黄を増量する必要がなく、硫黄の含有量を上記量とすることができるので、熱劣化後の機械的強度の低下を抑制でき、低燃費性、機械的強度、熱劣化後の機械的強度がバランス良く得られる。
オイルの含有量は、好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、特に好ましくは0.1質量部以下、最も好ましくは0質量部(含有しない)である。8質量部を超えると、機械的強度、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、ベーストレッド)に好適に使用できる。
ベーストレッドとは、多層構造を有するトレッドの内層部であり、2層構造〔表面層(キャップトレッド)及び内面層(ベーストレッド)〕からなるトレッドでは内面層である。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、ベーストレッド)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
また、本発明のタイヤは、トラック・バス用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(製造例)(S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩の製造)
反応容器内の気体を窒素ガスに置換した。該反応容器に、3−ブロモプロピルアミン臭素酸塩25g(0.11モル)、チオ硫酸ナトリウム・五水和物28.42g(0.11モル)、メタノール125mlおよび水125mlを仕込み、得られた混合物を70℃で4.5時間還流した。反応混合物を放冷し、減圧下でメタノールを除去した。得られた残渣に、水酸化ナトリウム4.56gを加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。減圧下で溶媒を完全に除去した後、残渣にエタノール200mlを加えて1時間還流した。熱ろ過により副生成物である臭化ナトリウムを除去した。ろ液を減圧下で、結晶が析出するまで濃縮し、その後静置した。結晶をろ過により取り出し、エタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた結晶を真空乾燥して、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩(下記式で表される化合物)を得た。
H−NMR(270.05MHz,MeOD)δppm:3.1(2H,t,J=6.3Hz),2.8(2H,t,J=6.2Hz),1.9−2.0(2H,m)
得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩のメディアン径(50%D)を、島津製作所製SALD−2000J型を用い、レーザー回折法(測定操作は下記のとおり)により測定したところ、メディアン径(50%D)は66.7μmであった。得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を粉砕し、そのメディアン径(50%D)が14.6μmであるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を調製した。メディアン径(50%D)が14.6μmであるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を以下の実施例で使用した。
<測定操作>
得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を下記の分散溶媒(トルエン)と分散剤(10質量%スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム/トルエン溶液)との混合溶液に室温で分散させ、得られた分散液に超音波を照射しながら、該分散液を5分間撹拌して試験液を得た。該試験液を回分セルに移し、1分後に測定した(屈折率:1.70−0.20i)。
また、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩10.0gを水30mlに溶解させて得られる水溶液のpHは11〜12であった。
Figure 2012144601
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN330(NSA:75m/g、DBP:102ml/100g)
化合物1:上記製造例で調製した化合物
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:FLEXSYS(株)製の老化防止剤6C(SANTOFLEX 6PPD)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫剤1:ランクセス社製のVulcuren VP KA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
実施例1〜10及び比較例1〜4
表1に示す配合処方(なお、化合物1の()内の配合量はカーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対する化合物1の配合量を示す)に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄、加硫剤1及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫剤1及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間、2mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(低燃費性)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合(加硫ゴム組成物)のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が小さいほど、低燃費性に優れる。
(低燃費性指数)=(各配合のtanδ)/(比較例1のtanδ)×100
(機械的強度)
JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム一引張特性の求め方」に準じて、各加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定し、破壊エネルギー(TB×EB/2)を算出した。そして、比較例1の破壊エネルギーを100とし、下記計算式により、各配合の破壊エネルギーを指数表示した。指数が大きいほど、機械的強度が高く、耐カット性や耐セパレーション性に優れることを示す。
(強度指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(比較例1の破壊エネルギー)×100
(熱劣化後の機械的強度)
得られた各加硫ゴム組成物を80℃で1週間熱劣化させ、熱劣化後の加硫ゴム組成物を得た。次いで、JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム一引張特性の求め方」に準じて、各熱劣化後の加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定し、破壊エネルギー(TB×EB/2)を算出した。そして、比較例1の破壊エネルギーを100とし、下記計算式により、各配合の破壊エネルギーを指数表示した。指数が大きいほど、熱劣化後の機械的強度が高く、タイヤとしての耐久性に優れることを示す。
(強度指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(比較例1の破壊エネルギー)×100
Figure 2012144601
表1の結果より、特定量の天然ゴムと、特定量の上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される化合物(化合物1)と、カーボンブラックとを含む実施例は、機械的強度、低燃費性を向上できた。また、上記成分と共に、上記式(A)で表される化合物(加硫剤1)を配合した実施例3〜8では、低燃費性、機械的強度、熱劣化後の機械的強度をバランス良く向上できた。

Claims (8)

  1. 天然ゴムと、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物と、カーボンブラックとを含み、
    ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が80質量%以上、
    下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物の合計含有量が、カーボンブラック及びシリカの合計100質量部に対して0.3〜10質量部であるタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2012144601
    [式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]
  2. 式(2)中のMr+で表される金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、又は亜鉛イオンである請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 式(2)中のMr+で表される金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオンである請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 下記式(A)で表される化合物を含む請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2012144601
    [式(A)中、Yは、炭素数2〜10のアルキレン基、R10及びR11は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。]
  5. カーボンブラックの含有量が、ゴム成分100質量部に対して30〜60質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. ベーストレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
  8. トラック・バス用タイヤである請求項7記載の空気入りタイヤ。
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