JP5977079B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
前記自己分散性カーボンブラックは、含酸素親水性官能基を有することが好ましい。ここで、前記含酸素親水性官能基は、カルボキシル基及び/又はそのアルカリ金属塩であることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
なお、本明細書において、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定される。
なお、自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度は、X線光電子分光法により測定できる。
3−ブロモプロピルアミン臭化水素酸塩:関東化学(株)製
チオ硫酸ナトリウム・五水和物:関東化学(株)製
フタルイミドカリウム:関東化学(株)製
ジメチルホルムアミド:関東化学(株)製
1,6−ジブロモヘキサン:関東化学(株)製
ヒドラジン・一水和物:関東化学(株)製
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN110(N2SA:145m2/g)
次亜塩素酸ナトリウム溶液:和光純薬社製
窒素ガスで置換した反応容器に3−ブロモプロピルアミン臭化水素酸塩75g、チオ硫酸ナトリウム・五水和物85.26g、メタノール375ml、水375mlを加え、これらの混合物を70℃、5時間還流した。放冷した後、減圧下でメタノールを除去した。残渣に水酸化ナトリウム13.68gを加え、室温で1時間攪拌した後、減圧下で溶媒を除去した。得られた残渣にエタノール600mlを加えて1.5時間還流した。熱ろ過を行い、ろ液を減圧下で濃縮し結晶を得た。結晶をろ過により取り出し、エタノールで洗浄し、更にヘキサンでの洗浄を行った。得られた結晶を真空乾燥し、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウムを得た。
窒素ガスで置換した反応容器にS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム52g、水90ml、5mol/l塩酸を加え、得られた溶液を減圧下で濃縮し、ろ過により結晶を取り出した。得られた結晶を真空乾燥し、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸を得た。
反応容器に、フタルイミドカリウム99.2g及びジメチルホルムアミド480mlを加えた。この混合物に1,6−ジブロモヘキサン200gとジメチルホルムアミド200mlとの混合物を室温で滴下した。滴下終了後、得られた混合物を120℃まで昇温して5時間還流し、放冷後、反応混合物から溶媒を留去した。酢酸エチルと水とを加えて分液した後、有機層を濃縮した。得られた残渣にヘキサンと酢酸エチルを加え、結晶を析出させた。結晶を取り出し、真空乾燥して、N−(6−ブロモヘキシル)フタルイミドを得た。
反応容器に、N−(6−ブロモヘキシル)フタルイミド40g、チオ硫酸ナトリウム・五水和物32.0g、メタノール200ml、水200mlを加え、これらの混合物を5時間還流させ、放冷後、反応混合物から溶媒を留去した。得られた残渣に、エタノール200mlを加えて1.5時間還流した。熱ろ過を行い、ろ液を減圧下で濃縮し結晶を得た後、静置した。結晶をろ過により取り出し、エタノールで洗浄し、更にヘキサンでの洗浄を行った。得られた結晶を真空乾燥し、6−フタルイミドヘキシルチオ硫酸ナトリウム塩を得た。
窒素置換した反応容器に、6−フタルイミドヘキシルチオ硫酸のナトリウム塩20.0g(54.7mmol)及びエタノール200mlを仕込み、得られた混合物にヒドラジン・一水和物4.25g(84.8mmol)を滴下した。滴下終了後、得られた混合物を70℃で5時間攪拌した後、減圧下でエタノールを留去した。残渣にメタノール100mlを加えて1時間還流させた。熱ろ過により結晶を取得し、これをメタノールで洗浄し、真空乾燥することにより、S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸ナトリウム塩を得た。
窒素ガスで置換した反応容器に、S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸ナトリウム26g、水45ml、5mol/l塩酸を加え、得られた溶液を減圧下で濃縮し、ろ過により結晶を取り出した。得られた結晶を真空乾燥し、S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸を得た。
<測定操作>
両性化合物A〜Bを分散溶媒(トルエン)と分散剤(10質量%スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム/トルエン溶液)との混合溶液に室温で分散させ、得られた分散液に超音波を照射しながら、該分散液を5分間撹拌して試験液を得た。該試験液を回分セルに移し、1分後に測定した。(屈折率:1.70−0.20i)
カーボンブラックを次亜塩素酸カリウム溶液中に懸濁し、25℃で24時間撹拌し、カーボンブラックの湿式酸化処理を行い、カーボンブラックにカルボキシル基を生成させた。その後、6Nの塩酸を加えて中和した後、水により洗浄し、乾燥して、カーボンブラック(B)を得た。
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B
カーボンブラック(A):カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN110(N2SA:145m2/g)
カーボンブラック(B):製造例3で調製した自己分散性カーボンブラック(表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度:630μmol/g)
カーボンブラック(C):オリエント化学工業(株)製のSMP(表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度:900μmol/g、チッ素吸着比表面積が200m2/gのカーボンブラックを酸化処理することによって得られたもの)
両性化合物(A):S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸(製造例1で調製)
両性化合物(B):S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸(製造例2で調製)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
表1に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を160℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で15分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表1に示した。
未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300に準拠したムーニー粘度の測定方法に従い、130℃で測定した。比較例1のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、各配合を指数表示した(ムーニー粘度指数)。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れる。
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合(加硫ゴム組成物)の損失正接(tanδ)を測定した。比較例1のtanδを100として、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど転がり抵抗特性(低燃費性)が優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
加硫ゴム組成物について、ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃,スリップ率20%及び試験時間2分間の条件下でランボーン摩耗量を測定した。更に、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、比較例1の容積損失量を100とし、下記計算式により、各配合の容積損失量を指数表示した(ランボーン摩耗指数)。ランボーン摩耗指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(ランボーン摩耗指数)=(比較例1の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
Claims (9)
- 天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、酸性及び塩基性官能基を有する両性化合物と、自己分散性カーボンブラックとを含有し、
ゴム成分100質量%中の天然ゴム及びブタジエンゴムの合計含有量は、80質量%以上、前記自己分散性カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して10〜100質量部、前記両性化合物の含有量は、前記自己分散性カーボンブラック100質量部に対して0.01〜30質量部であるタイヤ用ゴム組成物。 - 前記式(I−2)中のMr+で表される金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、又は亜鉛イオンである請求項3記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記自己分散性カーボンブラックが含酸素親水性官能基を有する請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記含酸素親水性官能基がカルボキシル基及び/又はそのアルカリ金属塩である請求項5記載のタイヤ用ゴム組成物。
- ゴム成分100質量部に対して、オイルの含有量が1〜15質量部、加硫促進剤の含有量が0.2〜3質量部である請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- チッ素吸着比表面積が80〜280m 2 /gのカーボンブラックに酸化処理を施して前記自己分散性カーボンブラックを得る工程1と、
前記自己分散性カーボンブラック、前記ゴム成分、並びに、前記両性化合物を混練する工程2と
を含む請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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