JPWO2016013151A1 - 高炭酸飲料の供給装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この炭酸飲料を供給する飲料ディスペンサは、炭酸液と原料液をそれぞれノズルから別々に容器に供給して飲料液とするものである。
このような飲料ディスペンサとして例えば、特許文献1には、ベース飲料(酎ハイ等)と添加シロップを各ノズルから同時にカップに供給する構造の飲料ディスペンサが提供されている。
この飲料ディスペンサでは、ベース飲料用のノズルと添加シロップ用のノズルとは左右に近接して並んで配置される構造となっているため、ベース飲料(酎ハイ等)と添加シロップは同じ方向に吐出される。
その結果、炭酸ガスの溶け込み率の低い、いわゆる炭酸の効きが悪い飲料液となってしまう。
このような問題点を解決するものとして、特許文献2に示すような飲料液供給装置が開発されている。
そして、希釈液ノズルの希釈液吐出口を飲料容器の内壁面に対峙するように配設し、希釈液を内壁面に向けて吐出して流下させるものである。
そのため、炭酸ガスの抜け出しが少なくなり、いわゆる炭酸の効きがよい高炭酸の飲料を調製することができる。
そのため容器の内壁面への衝突時に炭酸液に含まれている炭酸ガスが抜け出してしまう。
本発明は、このような技術的な問題点を解決するものである。
すなわち、本発明は、炭酸液が容器の内壁面に衝突して炭酸液から炭酸ガスが極力抜け出すようなことがない高炭酸飲料の供給装置を提供することを目的とする。
また炭酸液が容器の内壁面に、直接、衝突することはなく、炭酸水に含まれる炭酸ガスが抜け出しにくい。
(高炭酸飲料の供給装置)
本発明の高炭酸飲料の供給装置Aは、原料液を注出する原料液ノズル1と炭酸液を吐出する炭酸液ノズル2と、容器6を載置する受け部3と、容器の位置決めを行うガイド部4とを備えている。
受け部3に一旦仮置きされた後、持ち上げられてガイド部4で位置決めされた状態の氷片7入り容器6に対して、原料液ノズル1と炭酸液ノズル2とから、それぞれ原料液と炭酸液とを吐出することができる。
尤も、氷の表面が滑らになった氷片も使用可能なことはいうまでもない。
本発明では、それぞれのノズルから吐出された原料液と炭酸液とが容器6内で混合されて高炭酸の飲料液となる。
炭酸飲料サーバ装置Xの前面部には高炭酸飲料の供給装置Aが備わっている。
高炭酸飲料の供給装置Aは、原料液を吐出する原料液ノズル1と、炭酸液を吐出する炭酸液ノズル2とを備えており、これら各ノズルから所定の距離離れた下方には容器6を載置する受け部3が設けられている。
この受け部3には、液落とし用の切欠き部がある目皿部31が設けられており、容器6はこの目皿部31の上に仮置きされる。
容器6に付着した水分やあふれた液は目皿部31から下方に落下し受け部3に溜まる。
また、図3は、ガイド部と容器上部との配設関係を拡大して示す図であり、(A)は、容器を位置決めする前、(B)は容器を位置決めした後を示す。
ガイド部4は、容器6の上部側面形状に応じたカーブを持つ部分である凹部41と、容器6の上端部の一部に被さる部分である凸部42を有する。
位置決めは、受け部3に仮置きした容器6を持ち上げてこのガイド部4に合わせることにより、容器6は上下、左右方向ともに原料液ノズル1と炭酸液ノズル2の下方の適正な部位に位置決めされる。
図5は、原料液ノズル1と炭酸液ノズル2と容器6の内壁面との配設関係を示した概略斜視図である。
なお、この図ではガイド部は省略している。
ここで原料液ノズル1は、図示しない原料液タンクに原料液供給流路を介して連結されており、位置決めされた容器6の中央部に吐出するように配置されている。
そして原料液ノズル1は、複数の孔Hを備えており、氷片7の全体に偏りなく確実に原料液を散布することができる。
原料液は常温(室温)でも冷却されたものでもよく、常温の場合は主に原料液と氷との温度差により、また冷却されていた場合は原料液と氷との接触による反応熱により、原料液の散布を受けた氷片7は、その表面に存在するバリ(棘状のトゲトゲ)が溶けてなくなり、表面が均一に且つ滑らかになる。
併せて、原料液の吐出により氷の表面が原料液でコーティングされた状態になるので氷片7の表面が更に滑らかになる。
この例は、中心部の孔Hの他、更に周囲に8個の孔Hを備え、合計9個の孔を有するものである。
炭酸液ノズル2はパイプ状のノズルが下方に伸びて屈曲し容器6の内壁面に沿うような状態で配置される。
そして炭酸液ノズル2の吐出方向(液の飛び出し方向)は、対向する容器6の内壁面の水平接線方向に対して一定角度θだけ傾斜して吐出するように設けられている。
この場合、角度θは、炭酸液ノズル2の中心軸線と内壁面との交差点における接線方向とのなす角度をいう。
このように液の吐出方向を角度θだけ傾斜させたことにより、炭酸液は確実に容器6の内壁面に沿うようにして螺旋状に効率よく流れることとなる。
この場合、傾斜する角度θは、90度未満が採用されるが、炭酸ガスの泡発生を極力抑止する観点から、例えば10〜70度が好ましく採用される。
このカートリッジ貯留器A1は、原料液供給流路14を介して図示しない原料液タンクと連結されており、この原料液タンクからカートリッジ貯留器A1に原料液が追加供給される。
また、カートリッジ貯留器A1は原料液注出流路12を介して原料液ノズル1と連結されており、このカートリッジ貯留器A1に、充填されている一定量(ワンショット分)Wの原料液が、原料液操作レバー11を動かすことで、原料液ノズル1を介して容器6に吐出される。
なお、カートリッジ貯留器A1が空(カラ)になった場合は、原料液タンクから原料液供給流路14を通って原料液が一定量(ワンショット分)カートリッジ貯留器A1に充填されるようになっている。
(A)は、第3弁体23が閉じた炭酸液を吐出できない状態(待機状態)を示し、(B)第3弁体23が開いて炭酸液を吐出できる状態を示す。
なお、炭酸液操作レバー21の動きを第3弁体23に伝える構造は省略している。
垂直にある炭酸液操作レバー21を動かし水平にすると、閉じている第3弁体23が開き、炭酸液注出流路22が通過可能となる。
そのため炭酸液ノズル2から炭酸液が吐出される。
ところで前述したように、カートリッジ貯留器A1は原料液タンクに連結されており、原料液タンクから原料液供給流路を通って原料液が一定量(ワンショット分)カートリッジ貯留器A1に充填される。
ワンショットとは、容器一杯分の高炭酸飲料の製造に必要な原料液の量で30ml、45ml、60ml等であることが多いが、原料液の種類や作りたい高炭酸飲料の種類により適宜設定される。
そして、原料液操作レバーを動かすことで、カートリッジ貯留器A1から一定量(ワンショット分)の原料液が原料液ノズル1を介して容器6に吐出される。
この場合、原料液タンクからカートリッジ貯留器A1に至る原料液供給流路14と、カートリッジ貯留器A1に充填された原料液を導いて外部に注出する原料液注出流路12との間に弁切り替え安全機構が設けられている。
なお、カートリッジ貯留器A1を覆うカバー体A1aは便宜的に省略した。
図10は、カートリッジ貯留器A1に原料液が充填された状態であって、第1弁体13が閉じて原料ノズルから原料液が吐出できない状態(待機状態)を示す。
図12は、第1弁体13が閉じ第2弁体15が開いて、空のカートリッジ貯留器A1に原料液が供給される状態を示す。
そしてこの両流路を通過可能又は通過不能とするための、すなわち各弁体を開閉するためのカム棒16が共通に設けられている。
詳しくは、カム棒16が第1弁体13と第2弁体15とに垂直に当接しており、カム棒16の動きによって第1弁体13と第2弁体15を同期的に開閉することができる。
第1弁体13は、通常、バネで下方に付勢されて流路が通過不能となっているが、バネに打ち勝って押し上げられると開く構造である。
また第2弁体15は、通常、バネで下方に付勢されて流路が通過可能となっているが、バネに打ち勝って押し上げられると閉じる構造である。
A)最初、第1弁体13は閉じて第2弁体15は開いており、カートリッジ貯留器A1に一定量(ワンショット分)の原料液が充填されている(図10参照)。
いわゆる待機状態である。
同時に、太径部16Aで第2弁体15を押し上げ第2弁体15が閉じる(すなわち原料液供給流路14が通過不能となる)。
この場合、原料液ノズル1から図示しない外部の容器6に原料液が吐出されるが(図11参照)、第2弁体15が閉じているので原料液供給流路14を介してカートリッジ貯留器A1に原料液は充填されない。
同時に、細径部16Bにより第2弁体15を押し下げ第2弁体15が開く。
なお、原料液を供給する圧は例えばフロージェットポンプの圧による。
この場合、第1弁体13が閉じているので原料液ノズル1から原料液は吐出されない。
A)〜C)から分かるように、カム棒16の順方向の動きによって第2弁体15が閉じてから第1弁体13が開き、またカム棒16の逆方向の動きによって第1弁体13が閉じてから第2弁体15が開く。
原料液を容器6に注いでいる途中で、不用意にカートリッジ貯留器A1に原料液が供給されるようなことがなく、それが原因で容器6へ原料液が余分に注入されることが防止される。
このような弁切り替え安全機構により安心して容器6に原料液を注ぐことができる。
因みに、カートリッジ貯留器A1の一定量(ワンショット分)を変えるには、その内部空間の体積を変更することによって行うが詳細は省略する。
ところで炭酸液から炭酸ガスが抜け出る原因は、二つあり、その一つは炭酸液が粗い表面を有する氷片7に接触することで溶け込んでいる炭酸ガスが抜け出すから(炭酸ガス抜け出し要因1)であり、他の一つは、炭酸液が容器6の内壁面に直接衝突しその衝撃によって溶け込んでいる炭酸ガスが抜け出すから(炭酸ガス抜け出し要因2)である。
炭酸液吐出は、必ず、原料液吐出の後に行うことが高炭酸飲料を製造するキーポイント、すなわちコツである。
ついで、容器6を持ち上げて、ガイド部4に合わせると、容器6の上下、左右方向とも適正に位置決めされ、原料液ノズル1が容器6の中央部上方に位置し、且つ炭酸液ノズル2は容器6の内壁面に沿うように配置される。(図3、図5参照)
詳しくは前述したように炭酸液ノズル2の吐出方向が容器6の内壁面の水平接線方向に対して角度θだけ傾斜して配置される(図8参照)。
吐出された原料液は、容器6内の氷片7に降りかかり、まず氷片7の粗い表面を滑らかにする。
すなわち、氷片7の表面のバリ等を消失させて滑らかな面にする。
これで上述した炭酸ガス抜け出し要因1が解消される。
原料液ノズル1は、容器6の中央部に位置しているので、原料液は氷片7全体に偏りなく降りかかり、また原料液ノズル1が複数の孔を備えていることにより、原料液は氷片7全体に散布される。
しかも炭酸液ノズル2の吐出方向を容器6の内壁面の水平接線方向に対して角度θだけ傾斜させた状態とするので、衝撃がなく炭酸ガスが抜け出すことはない。
これで上述した炭酸ガス抜け出し要因2が解消される。
このように炭酸液は容器6の内壁面に衝撃的に衝突しないだけでなく、氷片7にも、直接には極力降りかからない。
因みに容器6の底部で溜まった炭酸液が氷片7に接触しても、既に原料液によって氷片7の表面が均一に円滑化されているので炭酸液から炭酸ガスが抜け出さない。
以上で氷片7の入った容器6に原料液と炭酸液を供給する手順が完了する。
例えば、炭酸飲料を飲む者の好みに対応できるように、濃さを調整のための別の原料液ノズルを設けることも可能である。
本来、ワンショット分の原料液は、その量が規定されているので、お客の好みにより濃い炭酸飲料が求められる場合には対応できない。
このような場合は、炭酸飲料を濃くするため更に加算用原料液を追加する原料液追加用ノズル(原料液タンクに連結されている)を設けることで対応する。
図14は、原料液追加用ノズル5を設けた場合における容器6の内壁面との配設関係を示した概略斜視図である。
従って、原料液の濃い飲料液を好む者に対しては、この原料液追加用ノズル5の操作レバー(図示しない)を操作して加算用原料液を容器6に余分に追加する。
原料液追加用ノズル5からの加算用原料液の追加は、上述した原料液吐出の後でもよいし、また炭酸液吐出の後でもよい。
そのため原料液ノズル1と原料液追加用ノズル5と炭酸液ノズル2の3つのノズルが必要となる。
カートリッジ貯留器A1を備えず、直接、原料液タンクTから原料液ノズル1に原料液を流すようにすることで、ノズルの数を少なくすることができる。
ここでは、原料液タンクTと原料液ノズル1との間に、原料液供給流路14Aを設け、該原料液供給流路14Aに弁体13Aを設ける。
この場合、弁体13Aを電磁弁にしてスイッチの切り替えにより開閉可能とすることにより、容器に吐出する原料液の量を多くしたり、或いは少なくしたり、自由に調整することができる。
電気的駆動により電磁弁を切り替えをする場合、原料液を一定量の吐出量になるように設定することも当然可能である。
また原料液操作レバーを動かして機械的駆動により弁体13Aを開閉できるようにすることも当然、設計変更可能である。
この場合は、原料液操作レバーの操作により、容器に吐出する原料液の量を多くしたり、或いは少なくしたり、自由に調整することができる。
また炭酸液が容器の内壁面に、直接、衝突することはなく、炭酸水に含まれる炭酸ガスが抜け出しにくい。
この原理を利用できる限り、ガスを含む液の吐出装置等にも広く利用が可能である。
1A・・・ノズル口部
11・・・原料液操作レバー
12・・・原料液注出流路
13・・・第1弁体
13A・・・弁体
14・・・原料液供給流路
14A・・・原料液供給流路
15・・・第2弁体
16・・・カム棒
16A・・・太径部
16B・・・細径部
2・・・炭酸液ノズル
2A・・・開口面
21・・・炭酸液操作レバー
22・・・炭酸液注出流路
23・・・第3弁体
3・・・受け部
31・・・目皿部
4・・・ガイド部
41・・・凹部
42・・・凸部
5・・・原料液追加用ノズル
6・・・容器
7・・・氷片
A・・・高炭酸飲料の供給装置
A1・・・カートリッジ貯留器
A1a・・・カバー体
H・・・孔
T・・・原料液タンク
X・・・炭酸飲料サーバ装置
Claims (9)
- 原料液を注出する原料液ノズルと炭酸液を注出する炭酸液ノズルと、容器を載置する受け部とを備え、ガイド部によって位置決めされた容器に原料液ノズルと炭酸液ノズルとからそれぞれ原料液と炭酸液とを吐出できる高炭酸飲料の供給装置であって、原料液ノズルが容器の中央部に位置するように設けられており、炭酸液ノズルのノズル孔は、容器の内壁面に沿って配置され、且つ炭酸液の吐出方向が内壁面の水平接線方向に対して角度θだけ傾斜して吐出するように設けられていることを特徴とする高炭酸飲料の供給装置。
- 原料液ノズルが原料液を多方向に吐出する複数の孔を備えるものであることを特徴とする請求項1記載の高炭酸飲料の供給装置。
- 角度θが10度〜70度であることを特徴とする請求項1又は2記載の高炭酸飲料の供給装置。
- ガイド部は、容器の上部側面形状に応じたカーブを持つ凹部と、容器の上端部の一部に被さる凸部を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の高炭酸飲料の供給装置。
- 原料液を一時的に一定量だけ貯蔵するカートリッジ貯留器を備え、該カートリッジ貯留器は原料液供給流路を介して原料液タンクに連結されており、且つ該カートリッジ貯留器は原料液注出流路を介して原料液ノズルに連結されており、カートリッジ貯留器の原料液を一定量だけ原料液ノズルから吐出するものであることを特徴とする請求項1記載の高炭酸飲料の供給装置。
- 原料液供給流路に第1弁体が設けられ、且つ原料液注出流路には第2弁体が設けられ、両弁体を開閉操作するための共通のカム棒が設けられていることを特徴とする請求項5記載の高炭酸飲料の供給装置。
- カム棒は第1弁体と第2弁体とに垂直に当接しており、カム棒の動きによって第1弁体と第2弁体とを開閉することを特徴とする請求項6記載の高炭酸飲料の供給装置。
- カム棒の順方向の動きによって第2弁体が閉じてから第1弁体が開き、またカム棒の逆方向の動きによって第5弁体が閉じてから第2弁体が開くものであることを特徴とする請求項7記載の高炭酸飲料の供給装置。
- 加算用原料液を追加するための原料液追加用ノズルを更に設けたことを特徴とする請求項1記載の高炭酸飲料の供給装置。
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