JP2022141417A - 飲料サーバー - Google Patents
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Abstract
【課題】注出される泡の品質を高めることができると共に、細かな泡の注出のための構成を容易に実現させることができる飲料サーバーを提供する。【解決手段】一実施形態に係る飲料サーバーは、発泡性飲料の液体が通る液体用シリンダユニット22と、発泡性飲料の泡が通る泡用シリンダユニット23とを制御して飲料容器に発泡性飲料を注出する飲料サーバー1であって、飲料容器が載置される載置台31と、載置台31に載置された飲料容器を傾斜させる傾斜部32と、液体用シリンダユニット22、泡用シリンダユニット23及び傾斜部32を制御する制御部24と、を備え、制御部24は、傾斜させた飲料容器を傾斜させる前の状態に戻すときに泡用シリンダユニット23を制御して飲料容器への泡の注出を開始し、泡用シリンダユニット23は、発泡性飲料が通る内部流路と、内部流路に配置されており発泡性飲料が通る複数の孔が形成された飲料流通部と、を有する。【選択図】図1
Description
本開示は、飲料サーバーに関する。
特開2016-182962号公報には、発泡性飲料自動注出装置が記載されている。発泡性飲料自動注出装置は、液状態と泡状態のビールを選択的に注出する注出コックと、ビールを受けるグラスを載置する受台、及びグラスを傾動させる傾動基板を有する受台装置と、傾動基板を傾斜姿勢から起立姿勢に復帰させる受台傾動装置とを備える。
発泡性飲料自動注出装置は、受台傾動装置によって傾動基板を傾斜姿勢から起立姿勢に復帰させる過程で注出コックの弁機構部を泡用開放状態にすることによって泡状態のビールを所定量注出するように制御する制御装置を備える。制御装置は、傾動基板を傾斜姿勢から起立姿勢に復帰させる速度を、起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させる速度よりも遅くするように制御を行う。
国際公開第2018/109834号には、飲料注出コック、弁棒及び飲料ディスペンサが記載されている。飲料注出コックは、飲料ディスペンサの本体に取り付けられるハウジングと、弁本体と、弁棒と、可動部と、レバーと、バネとを含む。飲料の注出時には、レバーが反時計回りに回動されて可動部が移動すると共に弁棒が移動し、弁棒の移動に伴って弁本体の弁座と弁棒の弁体との間に流路が形成されて当該流路から飲料が注出される。
また、レバーが時計回りに回動されると可動部が上記とは逆方向に移動し、可動部と弁棒との間に流路が形成されて当該流路から上記飲料の泡が注出される。弁棒は、第1流路と、第1流路から分岐している複数の第2流路を内部に有し、第2流路から弁棒の外部に放出される飲料から泡が生成される。
第2流路は、第1流路から延びる内部流路である第1部分と、第1部分の第1流路との反対側に位置する第2部分とを有する。第2部分の内径は第1部分の内径よりも小さく、第2部分は第2流路の内径を絞るオリフィスとして機能する。第2流路にオリフィスが設けられることによって飲料の流速を速めることにより、細かな泡の効率的な形成を図っている。
前述した発泡性飲料自動注出装置では、注出コックを傾動させることによって飲料、及び飲料の泡の注出が行われる。従って、飲料及び泡の注出のための構成が複雑となりうる。前述した飲料ディスペンサにおいても同様である。また、前述した飲料ディスペンサでは、第2流路の第2部分にオリフィスを設けることによって細かな泡の形成を図っている。しかしながら、第2流路の第2部分にオリフィスを設けて第2部分の内径を小さくするだけでは、注出される泡の品質の点において改善の余地がある。更に、前述した飲料ディスペンサでは、微小な第2流路の内側の第2部分にオリフィスを形成しなければならないので、細かな泡を注出するための構成を容易に実現できないという問題がある。
本開示は、注出される泡の品質を高めることができると共に、細かな泡の注出のための構成を容易に実現させることができる飲料サーバーを提供することを目的とする。
本開示に係る飲料サーバーは、発泡性飲料の液体が通る液体用シリンダユニットと、発泡性飲料の泡が通る泡用シリンダユニットとを制御して飲料容器に発泡性飲料を注出する飲料サーバーであって、飲料容器が載置される載置台と、載置台に載置された飲料容器を傾斜させる傾斜部と、液体用シリンダユニット、泡用シリンダユニット及び傾斜部を制御する制御部と、を備え、制御部は、傾斜させた飲料容器を傾斜させる前の状態に戻すときに泡用シリンダユニットを制御して飲料容器への泡の注出を開始し、泡用シリンダユニットは、発泡性飲料が通る内部流路と、内部流路に配置されており発泡性飲料が通る複数の孔が形成された飲料流通部と、を有する。
この飲料サーバーは液体用シリンダユニットと泡用シリンダユニットとを備え、制御部が液体用シリンダユニット及び泡用シリンダユニットを制御して発泡性飲料の液体及び泡の注出を行う。従って、傾動させる注出コックを不要にできるので、液体及び泡の注出のための構成を簡易にすることができる。飲料サーバーは、飲料容器が載置される載置台と、載置台に載置された飲料容器を傾斜させる傾斜部とを備え、制御部は傾斜部を制御する。制御部は、傾斜させた飲料容器を傾斜させる前の状態に戻すときに泡用シリンダユニットを制御して飲料容器への泡の注出を開始する。従って、傾斜させた飲料容器を戻しながら泡の注出が行われるので、液面に対する泡のたたきを抑制して液面の上にクリーミーな泡を注出することが可能となる。よって、注出される泡の品質を高めることができる。泡用シリンダユニットは、内部流路と、内部流路に配置された飲料流通部とを備え、飲料流通部には発泡性飲料が通る複数の孔が形成されている。従って、内部流路に配置される飲料流通部に複数の孔を形成して発泡性飲料の流路を形成することが可能となるので、細かな泡を注出するための構成を容易に実現させることができる。また、飲料流通部に複数の孔が形成されていることにより、泡を均一に注出することができるので、更なる泡の高品質化に寄与する。
飲料流通部には3個以上の孔が形成されていてもよい。この場合、飲料流通部に3個以上の孔が形成されていることにより、泡をより均一に注出できるので、泡の品質を一層良好にすることができる。
内部流路の内径は、4mm以上であってもよい。この場合、泡用シリンダユニットの内部流路の内径が4mm以上であることにより、細かな泡の注出を効率よく行うことができる。
複数の孔の総面積が0.85mm2以下であってもよい。この場合、飲料流通部に形成された孔の総面積が0.85mm2以下であることにより、より細かな泡の注出が可能となる。従って、泡の品質を更に向上させることができる。
制御部は、飲料容器への泡の注出時間が2.4秒以上となるように泡用シリンダユニットを制御してもよい。この場合、飲料容器への泡の注出をゆっくりと行うことができるので、液面への泡のたたきをより確実に抑制して泡の品質を更に向上させることができる。
複数の孔のそれぞれの直径が0.3mm以上且つ0.6mm以下であってもよい。この場合、各孔の直径が0.3mm以上であることによって泡の注出を効率よく行うことができる。各孔の直径が0.6mm以下であることより、より細かな泡を注出できるので、泡の品質を向上させることができる。
本開示によれば、注出される泡の品質を高めることができると共に、細かな泡の注出のための構成を容易に実現させることができる。
以下では、図面を参照しながら本開示に係る飲料サーバーの実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
図1は、実施形態に係る例示的な飲料サーバー1を示す斜視図である。図2は、飲料サーバー1の側面図である。図1及び図2に示されるように、飲料サーバー1は箱状を呈する。飲料サーバー1は、例えば、飲食店に設けられる業務用の飲料サーバーであり、顧客の注文等に応じて操作することによって飲料を注出可能となっている。
飲料は、例えば、発泡性飲料D(図10(c)参照)である。発泡性飲料Dは、例えば、炭酸ガス等のガス含有発酵酒を含んでおり、飲料容器Cに注出されたときに液体Lの上に泡Bの層が形成される泡立ち特性と、形成された泡Bが一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料である。
発泡性飲料Dは、例えば、EBC(European Brewry Convention:欧州醸造協会)法によるNIBEM値が50秒以上を示す飲料である。NIBEM値は飲料の泡持ち特性を示す指標値である。発泡性飲料Dはビールテイスト飲料であってもよい。ビールテイスト飲料は、ビールのような味わいを奏する飲料、及び、ビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料を含む。アルコール度数が1%以上であるビールテイスト飲料は、ビールテイストアルコール飲料とも称される。
ビールテイスト飲料は、原料として麦芽を使用するビール、発泡酒、ノンアルコールビール、リキュール(例えば、酒税法上「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)を含んでいる。なお、発泡性飲料Dは、ビールテイスト飲料ではない飲料であってもよい。以下では、液体Lがビール液であり、発泡性飲料Dがビールである例について説明する。
例えば、飲料サーバー1は、カラン(例えば、操作レバーを備えるカラン)を有しない。一例として、飲料サーバー1は、ボタン操作によって飲料容器Cに発泡性飲料Dを注出可能なオートサーバーである。このように、飲料サーバー1はカランを有しないオートサーバーであるため、簡単な操作で飲料容器Cに容易に発泡性飲料Dを注出することができる。
例示的な飲料サーバー1は、複数種類(一例として2種類)の発泡性飲料Dを提供可能となっている。飲料サーバー1は、箱状の筐体10と、発泡性飲料Dを注出する飲料注出部20と、飲料容器Cが載置される載置部30と、落下した発泡性飲料D等を受け入れる受台40とを備える。以下では、説明の便宜のため、飲料注出部20が設けられる方向を前又は前側、その反対の方向を後又は後側と称することがある。しかしながら、これらの方向は、説明の便宜上のものであり、部品の配置等を限定するものではない。
例えば、飲料サーバー1は、第1方向D1に沿って並ぶ複数の載置部30を備え、複数の載置部30のそれぞれに飲料容器Cを載せることが可能とされている。例えば、複数の載置部30のうちの一方に載せられた飲料容器Cに注出される発泡性飲料Dの種類と、複数の載置部30のうちの他方に載せられた飲料容器Cに注出される発泡性飲料Dの種類とは互いに異なっている。受台40は、例えば、載置部30の下方に設けられた受け皿である。受台40は、一例として、液体を下方に通す複数の孔41を有し、受台40に落下した液体は孔41を通って受台40の内部に溜められる。
筐体10は、一例として、ステンレス製である。筐体10は、鉛直上方を向く上面10bと、飲料サーバー1の幅方向である第1方向D1に沿って並ぶ一対の側面10cと、飲料サーバー1の奥行方向である第2方向D2の一方側を向く前面10dと、第2方向D2の他方側を向く背面10fと、鉛直下方を向く下面10gとを有する。例えば、上面10b、一対の側面10c、前面10d、背面10f、及び下面10gは平坦状とされている。
筐体10は、筐体10の内部空間を開閉可能な蓋部11を備え、蓋部11によって上面10bが構成されている。筐体10の内部空間には、例えば、発泡性飲料Dを収容する飲料管、及び発泡性飲料Dを冷却する冷凍サイクル装置が収容されている。この場合、蓋部11を開けることによって当該飲料管及び当該冷凍サイクル装置を視認することが可能である。
例示的な筐体10は、飲料サーバー1の内部に液体Lが流入する流入口部12を備える。例えば、筐体10は複数(一例として2個)の流入口部12を備える。例えば、流入口部12は前面10dから突出しており、当該突出した部分に挿し込まれた飲料ホースから流入口部12を介して筐体10の内部に液体Lが流入する。
筐体10は、更に、筐体10の内部から水を排水する排水口部13を備えてもよい。例えば、排水口部13は、流入口部12の下部に設けられる。一例として、排水口部13は前面10dから突出しており、当該突出した部分に挿し込まれたホースに排水口部13から水が排出される。
例えば、筐体10は、排気口14と電源コード15とを備える。電源コード15は、例えば、筐体10の下端から後方に延び出している。排気口14は、一例として、筐体10の側面10c及び背面10fのそれぞれに形成されている。例えば、筐体10は複数の排気口14を有し、側面10cにおいて複数の排気口14が第2方向D2及び第3方向D3に沿って格子状に配列されている。例えば、背面10fにおいて複数の排気口14が第1方向D1及び第3方向D3に沿って格子状に配列されている。なお、第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に交差する方向であり、例えば、鉛直方向である。
例示的な飲料注出部20は、筐体10から前方に突出するように配置されている。飲料注出部20は、例えば、箱状を呈し、筐体10の前面10dに固定されている。飲料注出部20は、発泡性飲料Dを注出する操作を行う操作部21を備える。操作部21は、例えば、筐体10の内部において冷却された液体Lから発泡性飲料Dを生成して発泡性飲料Dを注出するボタン式のスイッチである。
本実施形態に係る飲料サーバー1では、載置部30に載置された飲料容器Cを傾斜させながら飲料容器Cに液体Lを注出し、その後泡Bを注出する(図9又は図10参照)。操作部21では、例えば、液体Lの注出停止の何秒後に泡Bの注出を開始するか(泡注出待ち時間)を設定可能とされている。この泡注出待ち時間は、適宜設定可能であるが、例えば、0秒以上且つ2秒以下に設定される。また、本実施形態に係る飲料サーバー1では、傾斜させた飲料容器Cを何秒で元(一例として飲料容器Cの底面が水平方向と平行になる状態、以下では「正立状態」と称することもある)に戻すか(正立戻り時間とも称される)を設定可能とされている。この正立戻り時間は、適宜設定可能であるが、例えば、1.0秒以上且つ6.0秒以下に設定される。
飲料注出部20は、例えば、液体Lが通る液体用シリンダユニット22と、泡Bが通る泡用シリンダユニット23と、液体用シリンダユニット22、泡用シリンダユニット23及び載置部30を制御する制御部24とを備える。一例として、制御部24には操作部21が電気的に接続されている。この場合、飲料サーバー1の使用者が操作部21を操作すると、制御部24の制御によって液体用シリンダユニット22、泡用シリンダユニット23及び載置部30が作動し、載置部30に載置された飲料容器Cに液体L及び泡Bが注出される。液体用シリンダユニット22及び泡用シリンダユニット23については後に詳述する。
例示的な載置部30は、飲料容器Cが載置される載置台31と、載置台31に載置された飲料容器Cを傾斜させる傾斜部32とを備える。載置台31は、一例として、板状を呈し、初期状態(飲料容器Cを傾斜させていない状態)において水平方向に延在している(正立状態とされている)。傾斜部32は、例えば、前面10dに固定された固定部32bと、固定部32bにおいて第1方向D1に延在する軸Aを中心として回転可能とされた回転部32cと、回転部32cから載置台31まで延びる容器支持部32dとを有する。例えば、載置台31は、容器支持部32dの下端から前方に突出している。
制御部24は、例えば、操作部21における使用者の操作に応じて載置台31を傾動させる。この場合、制御部24は、傾斜部32の固定部32bに対して回転部32cを回転させて容器支持部32d及び載置台31を前方に傾動させる。載置台31に飲料容器Cを載せた状態で制御部24が載置台31を前方に傾動させることにより、飲料容器Cを傾けることが可能となる。
図3は、液体用シリンダユニット22及び泡用シリンダユニット23を示す断面図である。図2及び図3に示されるように、液体用シリンダユニット22及び泡用シリンダユニット23は、シリンダユニット25として一体化されている。例えば、液体用シリンダユニット22及び泡用シリンダユニット23は、エアシリンダを含む。シリンダユニット25は、第3方向D3に延びる第1内部空間26bを有する第1筒状部26と、第1内部空間26bから第1方向D1に延びる第2内部空間27bを有する第2筒状部27と、第1筒状部26に液体用シリンダユニット22を支持する支持部28とを備える。
例示的な液体用シリンダユニット22は、液体Lが通る第1液体用ノズル22bと、第1液体用ノズル22bの上方に位置しており第1筒状部26の第1内部空間26bで上下移動する第2液体用ノズル22cと、第2液体用ノズル22cを上下移動させる第1駆動部22dとを有する。第1駆動部22dの内部には、シリンダ及びピストンが設けられる。第1液体用ノズル22bは第3方向D3に沿って延びる筒状を呈する。第1液体用ノズル22bの下方の端部に位置する端面22fは、例えば、第3方向D3に直交する平面に対して斜めに傾斜している。
一例として、支持部28は、第1筒状部26の上部に固定される第1板部28bと、第1板部28bの上方に位置する第2板部28cと、第1板部28b及び第2板部28cの間で上下(第3方向D3)に延びると共に第2板部28cから上方に突出する複数の柱部28dとを備える。複数の柱部28dの上に第1駆動部22dが載せられており、例えば、第1駆動部22dと第2板部28cの間にナット28fが介在している。
第2液体用ノズル22cは、第3方向D3に延びる筒状を呈する。例えば、第2液体用ノズル22cの外周面には、OリングR1が入り込む環状凹部22gが形成されている。第2液体用ノズル22cは、例えば、複数(一例として3つ)のOリングR1を有し、複数のOリングR1は第3方向D3に沿って並ぶように配置される。これにより、第1筒状部26の第1内部空間26bにおける気密が確保される。シリンダユニット25は、外部からシリンダユニット25の内部に液体Lを流入させる第1流入口22kと、第2液体用ノズル22cに形成されており第1流入口22kから第2液体用ノズル22cの内部に液体Lを流入させる第2流入口22hとを有する。第2流入口22hから第2液体用ノズル22cの内部に流入した液体Lは、例えば、下方に移動して第1液体用ノズル22bから液体用シリンダユニット22の下方に流出する。
例えば、第2液体用ノズル22cからは流路29が延び出しており、流路29の第2液体用ノズル22cとの反対側に泡用シリンダユニット23が設けられる。流路29は、第2筒状部27の第2内部空間27bと比較して細い流路である。流路29は、第2液体用ノズル22cから延びる細径流路29bと、細径流路29bから第2内部空間27bまで延びる太径流路29cとを含む。
細径流路29b及び太径流路29cは、第1筒状部26の内部に形成されている。例えば、第2液体用ノズル22cが下方に移動して第2流入口22hの上下位置が第1流入口22kの位置に一致するときに第1流入口22k及び第2流入口22hを介して第2液体用ノズル22cに液体Lが流入する。第2液体用ノズル22cに流入した液体Lは、第2液体用ノズル22cの内部において下方に流れ、第1液体用ノズル22bから注出される。
例示的な泡用シリンダユニット23は、泡Bが通る泡用ノズル50と、泡用ノズル50の上方に位置しており、第2筒状部27の第2内部空間27bで移動する泡制御部23cと、泡制御部23cを移動させる第2駆動部23dとを有する。第2駆動部23dの内部には、シリンダ及びピストンが設けられる。泡用ノズル50は、例えば、移動することなく、第1筒状部26に形成された凹部26cに嵌合して第1筒状部26に固定されている。一例として、凹部26cは、第1筒状部26の下端から上方に窪んでおり、泡用ノズル50は下方から凹部26cに入り込んで第1筒状部26に固定されている。
泡用ノズル50と太径流路29cとの間には、流路29及び泡用ノズル50を互いに接続する接続流路29dが形成されている。一例として、接続流路29dは、太径流路29cから斜め下方に延在しており、凹部26cに連通している。例えば、接続流路29dは、太径流路29cから延びる細径部29fと、細径部29fから凹部26cまで延びる太径部29gとを含む。
一例として、第2駆動部23dは、第2筒状部27の第1筒状部26との反対側の端部に固定されている。泡制御部23cは、例えば、第2筒状部27の第2内部空間27bにおいて第2駆動部23dから流路29まで延在しているロッドである。一例として、泡制御部23cは、第2内部空間27bに位置する細径部23fと、流路29(太径流路29c)の内面29hに対向する太径部23gとを含む。太径部23gの外周面には、内面29hに密着するパッキンR5が設けられ、第2駆動部23dの駆動によって泡制御部23cが移動するときにパッキンR5が内面29hにおいて摺動する。これにより、太径流路29cの気密が確保されている。
第1流入口22kは流路29に連通している。第2液体用ノズル22cが上方に移動して第2流入口22hが第1流入口22kよりも上方に位置するときに、第1流入口22kからの液体Lが流路29(細径流路29b)に入り込む。流路29に入り込んだ液体Lは泡制御部23cと細径流路29bとの間の隙間Sを通る。この隙間Sを液体Lが通るときに液体Lが泡Bに変換され、変換された泡Bが接続流路29dを通り泡用ノズル50を介して下方に注出される。隙間Sの幅(第1方向D1の長さ)は、例えば、3.5mm以下である。また、隙間Sの幅は、1.0mm以上且つ3.5mm未満であってもよい。この場合、泡Bの注出停止後に生じうる余分な泡Bをより確実に抑制することができる。
図4は、例示的な泡用ノズル50を示す側面図である。図5は、泡用ノズル50の断面図である。図3、図4及び図5に示されるように、泡用ノズル50は、第3方向D3に沿って延びる筒状を呈する。泡用ノズル50は、第1筒状部26(凹部26c)に連結される連結部51と、連結部51から下方に延びる筒状の泡流路部52と、泡流路部52の内部に配置される飲料流通部53とを備える。
連結部51は、上側に向けられる第1拡径部51bと、下側に向けられる第2拡径部51cと、第1拡径部51b及び第2拡径部51cの間に位置する第3拡径部51dとを有する。例えば、第1拡径部51bの外径は、第2拡径部51cの外径、及び第3拡径部51dの外径よりも小さい。第2拡径部51cの外径は、第3拡径部51dの外径よりも小さい。
第1拡径部51bは、第1筒状部26の凹部26cに嵌まり込む部位である。泡用ノズル50は、例えば、第1拡径部51bが凹部26cに嵌まり込むことによって第1筒状部26に固定される。例えば、第1拡径部51bと第3拡径部51dの間には第1くびれ部51fが形成されており、第1くびれ部51fにはOリングR2が入り込んでいる。泡用ノズル50が第1筒状部26に固定されている状態において、OリングR2は泡用ノズル50と第1筒状部26との間に介在する。OリングR2が泡用ノズル50及び第1筒状部26に密着することによって、泡用ノズル50及び第1筒状部26の気密が確保される。
第2拡径部51cは、泡流路部52に嵌まり込む部位である。連結部51は、第2拡径部51cが泡流路部52に嵌まり込むことによって泡流路部52に固定される。第2拡径部51cと第3拡径部51dの間には第2くびれ部51gが形成されており、第2くびれ部51gにはOリングR3が入り込んでいる。泡流路部52に連結部51が固定されている状態において、OリングR3は第2くびれ部51gと泡流路部52の内周面との間に介在する。第2くびれ部51gに嵌まったOリングR3が泡流路部52の内周面に密着することによって、連結部51及び泡流路部52の間の気密が確保される。
例えば、泡用ノズル50(連結部51)は、発泡性飲料D(例えば泡B)が通る内部流路54を有する。内部流路54の内径X(直径)は、例えば、4mm以上である。内径Xは、4.5mm以上又は5mm以上であってもよい。また、内径Xは、6mm以下、5.5mm以下又は5mm以下であってもよい。なお、内径Xの値は特に限定されない。
泡流路部52は、例えば、上方に向けられる大径部52bと、大径部52bから下方に延びる小径部52cとを有する。大径部52bには連結部51の第2拡径部51cが入り込んでおり、大径部52bの端面52dは第3拡径部51dに対向している。一例として、大径部52bの外径は、第3拡径部51dの外径と同程度である。
例えば、泡流路部52の内部には飲料流通部53が保持されており、飲料流通部53は小径部52cに嵌まり込んでいる。一例として、飲料流通部53は、発泡性飲料D(例えば泡B)を通す飲料流通部材55を含んでいる。飲料流通部材55は、一例として、樹脂プレートである。
飲料流通部材55は、例えば、板状を呈する。一例として、飲料流通部材55は円板状とされている。例えば、飲料流通部材55は樹脂製である。しかしながら、飲料流通部材55は、樹脂以外の材料(一例として金属)によって構成されていてもよく、飲料流通部材55の材料は特に限定されない。例えば、飲料流通部材55は、大径部52bにおいて内部流路54に対向している。
例えば、飲料流通部材55と連結部51(一例として第2拡径部51c)との間にはOリングR4が挟み込まれている。このOリングR4により、内部流路54と飲料流通部材55の間の空間Yにおける気密が確保されている。従って、内部流路54を流れる発泡性飲料Dが空間Yにおいて漏れることなく飲料流通部材55に入り込む。
図6は、例示的な飲料流通部材55を示す正面図である。図6に示されるように、飲料流通部材55は、発泡性飲料Dが通る複数の孔56を有する。飲料流通部材55の幅W(飲料流通部材55が円板状である場合には飲料流通部材55の直径)は、例えば、10mm以上且つ11mm以下であり、一例として10.5mmである。飲料流通部材55の厚さ(第3方向D3の長さ)は、例えば、0.5mm以上且つ2mm以下であり、1mm以上且つ1.5mm以下であってもよい。なお、飲料流通部材55の幅及び厚さは、上記の各値に限定されない。
孔56は、飲料流通部材55を厚さ方向(第3方向D3)に貫通しており、飲料流通部材55に入り込む発泡性飲料Dを下方に通す。複数の孔56のそれぞれの直径Zは、例えば、0.3mm以上且つ0.6mm以下である。直径Zは、0.35mm以上、0.4mm以上、又は0.45mm以上であってもよい。また、直径Zは、0.55mm以下、0.5mm以下、又は0.45mm以下であってもよい。しかしながら、直径Zの値は、上記の値以外であってもよい。
複数の孔56の総面積(各孔56の面積の総和)は、例えば、0.85mm2以下である。複数の孔56の総面積は、0.35mm2以上であってもよい。この場合、泡用シリンダユニット23(泡用ノズル50)から泡Bが出づらくなる問題を確実に回避することができる。複数の孔56の総面積は、0.4mm2以上、0.45mm2以上、0.5mm2以上、0.55mm2以上、又は0.6mm2以上であってもよい。また、複数の孔56の総面積は、0.8mm2以下、0.75mm2以下、0.7mm2以下、0.65mm2以下、又は0.6mm2以下であってもよい。しかしながら、複数の孔56の総面積は、上記の値以外の値であってもよい。
複数の孔56の直径Zは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。例えば、飲料流通部材55は、5個の孔56を有する。一例として、飲料流通部材55において5個の孔56が正五角形状に配置されていてもよい。このように、複数の孔56を備える飲料流通部材55において、複数の孔56が正多角形状に配置されていてもよい。
図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、変形例に係る飲料流通部材55A,55B,55Cのそれぞれを示している。図7(a)、図7(b)及び図7(c)に示されるように、孔56の数は、5個に限られず、適宜変更可能である。一例としての飲料流通部材55Aは3個の孔56を有し、例えば3個の孔56が正三角形状に配置されている。別の例としての飲料流通部材55Bは4個の孔56を有し、例えば4個の孔56が正方形状に配置されている。
更に別の例としての飲料流通部材55Cは2個の孔56を有する。例えば、2個の孔56は、2個の孔56を結ぶ仮想の線分Eが飲料流通部材55Cの中心Fを通る位置に配置されている。以上、飲料流通部材が2個、3個又は4個の孔56を有する例について説明した。しかしながら、飲料流通部材が有する孔56の数は6個以上であってもよい。
以上の泡用ノズル50を有する泡用シリンダユニット23、及び液体用シリンダユニット22を備えた飲料サーバー1を用いて飲料容器Cに発泡性飲料Dを注出する発泡性飲料Dの注出方法について説明する。まず、図1及び図2に示される飲料サーバー1の載置部30の載置台31に飲料容器Cを載せる(載置台に飲料容器を載せる工程)。
そして、操作部21が操作される(操作部を操作する工程)。このとき、例えば、傾斜させた飲料容器Cを何秒で水平状態に戻すか(正立戻り時間)が操作部21で設定される。また、液体Lの注出を停止してから何秒後に泡Bの注出を開始するかを示す泡注出待ち時間が操作部21で設定される。そして、例えば、操作部21の注出開始ボタンが押されて載置台31に載せられた飲料容器Cへの発泡性飲料Dの注出が開始される。
このとき、制御部24が傾斜部32を制御して飲料容器Cを傾斜させながら発泡性飲料Dを注出する。図8は、飲料容器Cの傾斜角度θの時系列データを模式的に示すグラフである。図8に示されるように、操作部21が操作されたタイミングを時刻0とすると、制御部24は時間t1をかけて飲料容器Cを傾斜させる(飲料容器を傾斜させる工程)。
図9(a)、図9(b)及び図9(c)は、傾斜させた飲料容器Cに発泡性飲料Dを注出する工程を模式的に示す図である。図8及び図9(a)に示されるように、制御部24は、時間t1をかけて飲料容器Cを傾斜角度θだけ傾斜させる。具体的には、制御部24は、水平面Hに対する飲料容器Cの底部(下面)の角度が傾斜角度θとなるように飲料容器Cを傾斜させる。
傾斜角度θは、例えば、10°以上且つ45°以下である。傾斜角度θは、15°以上、20°以上、25°以上又は30°以上であってもよい。また、傾斜角度θは、40°以下、35°以下又は30°以下であってもよい。更に、傾斜角度θは10°未満であってもよい。このように、傾斜角度θの値は適宜変更可能である。
図9(b)及び図9(c)に示されるように、制御部24は、飲料容器Cを傾斜角度θだけ傾斜させた状態で飲料容器Cに液体Lを注出する(液体を注出する工程)。例えば、制御部24は、液体用シリンダユニット22を飲料容器Cの内部(下方)に突出させて液体用シリンダユニット22から液体Lを注出する。
例えば、飲料容器Cに注出される液体Lの量は、操作部21によって事前に設定可能であってもよい。この場合、例えば、飲料容器Cの容積の7割程度の液体Lが飲料容器Cに注出される。液体Lの注出が完了した後には、下方に突出していた液体用シリンダユニット22が上方に移動して液体用シリンダユニット22が元の位置に戻される。
図10(a)、図10(b)及び図10(c)は、発泡性飲料Dの注出方法に関する続きの工程を模式的に示す図である。液体Lが注出されて時間t2となった後には、図10(a)に示されるように、傾斜させた飲料容器Cを傾斜させる前の状態に戻す(飲料容器を傾斜させる前の状態に戻す工程)。すなわち、制御部24は、飲料容器Cの底部が水平面Hに一致するように飲料容器Cの傾斜状態を徐々に傾斜させる前の正立状態に戻していく。傾斜状態から正立状態へは、設定された正立戻り時間をかけて遷移する。
そして、図10(b)に示されるように、液体Lの注出が終わって設定された泡注出待ち時間が経過した後に、制御部24が泡用シリンダユニット23を制御して泡用シリンダユニット23が飲料容器Cに泡Bを注出する(泡を注出する工程)。例えば、制御部24は、飲料容器Cへの泡Bの注出時間(泡付け時間とも称される)が2.4秒以上となるように泡用シリンダユニット23を制御する。
飲料容器Cへの泡Bの注出時間は、例えば、12秒以下であってもよい。飲料容器Cへの泡Bの注出時間は、3秒以上、5秒以上、6秒以上、又は7秒以上であってもよい。また、飲料容器Cへの泡Bの注出時間は、10秒以下、9秒以下又は8秒以下であってもよい。なお、飲料容器Cを傾斜させる前の状態に戻しはじめるタイミング、泡Bの注出を開始するタイミング、及び泡Bの注出時間は、操作部21によって設定可能であってもよい。
本実施形態では、飲料容器Cを戻しはじめるタイミングが泡Bの注出開始タイミングよりも前とされている。しかしながら、飲料容器Cを戻しはじめるタイミングは、泡Bの注出開始タイミングと同時であってもよいし、泡Bの注出開始タイミングよりも後とされていてもよい。
また、本実施形態では、飲料容器Cを正立状態(初期状態)から傾斜状態にするまでの時間t1よりも、飲料容器Cを傾斜状態から正立状態に戻すまでの正立戻り時間(t3-t2)の方が長い。これにより、飲料容器Cをゆっくりと正立状態に戻しながら泡Bを注出できるので、液体Lの上に一層クリーミーな泡Bを注出することが可能となる。以上のように、飲料容器Cの傾斜状態を傾斜させる前の状態に戻しながら泡Bを注出し、図10(c)に示されるように、飲料容器Cの傾斜状態が元に戻って泡Bの注出が完了した後に、発泡性飲料Dの注出方法に関する一連の工程が完了する。
次に、本実施形態に係る飲料サーバー1から得られる作用効果について説明する。図1及び図2に例示されるように、飲料サーバー1は液体用シリンダユニット22と泡用シリンダユニット23とを備え、制御部24が液体用シリンダユニット22及び泡用シリンダユニット23を制御して発泡性飲料Dの液体L及び泡Bの注出を行う。従って、傾動させる注出コックを不要にできるので、液体L及び泡Bの注出のための構成を簡易にすることができる。
飲料サーバー1は、飲料容器Cが載置される載置台31と、載置台31に載置された飲料容器Cを傾斜させる傾斜部32とを備え、制御部24は傾斜部32を制御する。制御部24は、傾斜させた飲料容器Cを傾斜させる前の状態(例えば正立状態)に戻すときに泡用シリンダユニット23を制御して飲料容器Cへの泡Bの注出を開始する。従って、傾斜させた飲料容器Cを戻しながら泡Bの注出が行われるので、液体Lの液面に対する泡のたたきを抑制して当該液面の上にクリーミーな泡Bを注出することが可能となる。よって、注出される泡Bの品質を高めることができる。
図5及び図6に例示されるように、泡用シリンダユニット23(泡用ノズル50)は、内部流路54と、内部流路54に配置された飲料流通部53とを備え、飲料流通部53(飲料流通部材55)には発泡性飲料Dが通る複数の孔56が形成されている。従って、内部流路54に配置される飲料流通部53に複数の孔56を形成して発泡性飲料Dの流路を形成することが可能となるので、細かな泡Bを注出するための構成を容易に実現させることができる。また、飲料流通部53に複数の孔56が形成されていることにより、泡Bを均一に注出することができるので、更なる泡Bの高品質化に寄与する。
飲料流通部53には3個以上の孔56が形成されていてもよい。この場合、飲料流通部53に3個以上の孔56が形成されていることにより、泡Bをより均一に注出できるので、泡Bの品質を一層良好にすることができる。
内部流路54の内径Xは、4mm以上であってもよい。この場合、泡用シリンダユニット23の内部流路54の内径Xが4mm以上であることにより、細かな泡Bの注出を効率よく行うことができる。
複数の孔56の総面積が0.85mm2以下であってもよい。この場合、飲料流通部53に形成された孔56の総面積が0.85mm2以下であることにより、より細かな泡Bの注出が可能となる。従って、泡Bの品質を更に向上させることができる。
制御部24は、飲料容器Cへの泡Bの注出時間が2.4秒以上となるように泡用シリンダユニット23を制御してもよい。この場合、飲料容器Cへの泡Bの注出をゆっくりと行うことができるので、液面への泡Bのたたきをより確実に抑制して泡Bの品質を更に向上させることができる。
複数の孔56のそれぞれの直径Zが0.3mm以上且つ0.6mm以下であってもよい。この場合、各孔56の直径Zが0.3mm以上であることによって泡Bの注出を効率よく行うことができる。各孔56の直径Zが0.6mm以下であることより、より細かな泡Bを注出できるので、泡Bの品質を向上させることができる。
以上、本開示に係る飲料サーバーの実施形態について説明した。しかしながら、本開示に係る飲料サーバーは、前述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。飲料サーバーの各部の形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、上記の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、前述の実施形態では、流入口部12、排水口部13、排気口14及び電源コード15を有する筐体10を備える飲料サーバー1について例示した。しかしながら、飲料サーバーの筐体の構成は、上記の例に限られず適宜変更可能である。また、前述の実施形態では、液体用シリンダユニット22及び泡用シリンダユニット23を一体とするシリンダユニット25を備える例について説明した。しかしながら、シリンダユニットの構成(シリンダユニットの駆動機構及び内部の流路等)は、前述した実施形態の例に限られず適宜変更可能である。更に、シリンダユニットを備えておらず液体用シリンダユニットと泡用シリンダユニットとが別々に設けられていてもよい。
また、前述の実施形態では、泡用シリンダユニット23が泡用ノズル50を備え、泡用ノズル50の内部に飲料流通部材55が設けられる例について説明した。しかしながら、泡用シリンダユニットの構成は上記の例に限られず適宜変更可能である。液体用シリンダユニットの構成についても、上記同様、適宜変更可能である。
(実施例)
次に、本開示に係る飲料サーバーの実施例について説明する。なお、本開示に係る飲料サーバーは以下の実施例に限定されない。実施例では、飲料サーバー1を用いて飲料容器Cを傾斜状態にし、泡Bを注出したときにおける泡Bの液面のたたきと泡Bの品質について評価する実験を行った。泡Bの液面のたたき、及び泡Bの品質は、目視にて判断を行った。泡Bの品質は、きめ細かくクリーミーであって品質の良好な泡が多く且つ粗い泡が少ない状態を「◎」、「○」及び「△」として評価した。「◎」が最も品質が良い泡Bの状態、「○」が次に品質が良い泡Bの状態、「△」は「◎」及び「○」よりは品質が劣る泡Bの状態を示している。
次に、本開示に係る飲料サーバーの実施例について説明する。なお、本開示に係る飲料サーバーは以下の実施例に限定されない。実施例では、飲料サーバー1を用いて飲料容器Cを傾斜状態にし、泡Bを注出したときにおける泡Bの液面のたたきと泡Bの品質について評価する実験を行った。泡Bの液面のたたき、及び泡Bの品質は、目視にて判断を行った。泡Bの品質は、きめ細かくクリーミーであって品質の良好な泡が多く且つ粗い泡が少ない状態を「◎」、「○」及び「△」として評価した。「◎」が最も品質が良い泡Bの状態、「○」が次に品質が良い泡Bの状態、「△」は「◎」及び「○」よりは品質が劣る泡Bの状態を示している。
泡Bの注出は以下の実施例1~実施例4及び比較例1~比較例3のそれぞれの飲料サーバーにおいて行った。実施例1~実施例4及び比較例1~比較例3では、図5の内部流路54(泡付けノズル)の内径X、図6の孔56の直径Z、孔56の数、孔56の総面積、泡Bの注出開始時(泡付け開始時)の飲料容器Cの状態(正立状態か傾斜状態か)、正立状態への戻りの速さ、及び、泡Bの注出時間(泡付け時間)が互いに異なっている。以下で実施例1~実施例4及び比較例1~3の仕様について説明する。
(実施例1)
内部流路54の内径Xを4mm、孔56の直径Zを0.6mm、孔56の数を3、孔56の総面積を0.85mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を傾斜状態とし(傾斜状態において泡Bの注出を開始し)、傾斜状態から正立状態に戻るまでの正立戻り時間を約3秒とした(ゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を3.2秒とした。
(実施例2)
内部流路54の内径Xを6mm、孔56の直径Zを0.4mm、孔56の数を5、孔56の総面積を0.63mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を傾斜状態とし、正立戻り時間を約6秒とした(非常にゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を6.2秒とした。
(実施例3)
内部流路54の内径Xを6mm、孔56の直径Zを0.3mm、孔56の数を5、孔56の総面積を0.35mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を傾斜状態とし、正立戻り時間を約6秒とした(非常にゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を12秒とした。
(実施例4)
内部流路54の内径Xを6mm、孔56の直径Zを0.5mm、孔56の数を3、孔56の総面積を0.59mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を傾斜状態とし、正立戻り時間を約6秒とした(非常にゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を7.5秒とした。
(比較例1)
内部流路54の内径Xを4mm、孔56の直径Zを0.6mm、孔56の数を3、孔56の総面積を0.85mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を正立状態とし、正立戻り時間を約1.5秒とした(速く戻した)。泡Bの注出時間を1.8秒とした。
(比較例2)
内部流路54の内径Xを4mm、孔56の直径Zを0.4mm、孔56の数を5、孔56の総面積を0.63mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を正立状態とし、正立戻り時間を約6秒とした(非常にゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を6.1秒とした。
(比較例3)
内部流路54の内径Xを4mm、孔56の直径Zを0.5mm、孔56の数を3、孔56の総面積を0.59mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を正立状態とし、正立戻り時間を約6秒とした(非常にゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を7.3秒とした。
内部流路54の内径Xを4mm、孔56の直径Zを0.6mm、孔56の数を3、孔56の総面積を0.85mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を傾斜状態とし(傾斜状態において泡Bの注出を開始し)、傾斜状態から正立状態に戻るまでの正立戻り時間を約3秒とした(ゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を3.2秒とした。
(実施例2)
内部流路54の内径Xを6mm、孔56の直径Zを0.4mm、孔56の数を5、孔56の総面積を0.63mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を傾斜状態とし、正立戻り時間を約6秒とした(非常にゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を6.2秒とした。
(実施例3)
内部流路54の内径Xを6mm、孔56の直径Zを0.3mm、孔56の数を5、孔56の総面積を0.35mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を傾斜状態とし、正立戻り時間を約6秒とした(非常にゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を12秒とした。
(実施例4)
内部流路54の内径Xを6mm、孔56の直径Zを0.5mm、孔56の数を3、孔56の総面積を0.59mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を傾斜状態とし、正立戻り時間を約6秒とした(非常にゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を7.5秒とした。
(比較例1)
内部流路54の内径Xを4mm、孔56の直径Zを0.6mm、孔56の数を3、孔56の総面積を0.85mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を正立状態とし、正立戻り時間を約1.5秒とした(速く戻した)。泡Bの注出時間を1.8秒とした。
(比較例2)
内部流路54の内径Xを4mm、孔56の直径Zを0.4mm、孔56の数を5、孔56の総面積を0.63mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を正立状態とし、正立戻り時間を約6秒とした(非常にゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を6.1秒とした。
(比較例3)
内部流路54の内径Xを4mm、孔56の直径Zを0.5mm、孔56の数を3、孔56の総面積を0.59mm2、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を正立状態とし、正立戻り時間を約6秒とした(非常にゆっくり戻した)。泡Bの注出時間を7.3秒とした。
表1より、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を正立状態とした比較例1~3では、ビールの液垂れによる液面のたたきがあり、泡品質が「△」であることが分かった。これに対し、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を傾斜状態とした実施例1~4では、泡品質を「◎」又は「○」に改善することができた。これにより、泡Bの注出開始時の飲料容器Cの状態を傾斜状態とすることによって、泡品質を改善できることが分かった。
また、内部流路54の内径Xを4mm、孔56の直径Zを0.6mmとし、孔56の数を3個とし、正立戻り時間を3秒とし、泡Bの注出時間を3.2秒とした実施例1では、泡品質が「○」であったものの液面のたたきが若干生じた。これに対し、内部流路54の内径Xを4mmより大きくし(6mm)、孔56の直径Zを0.3mm~0.5mmとし、孔56の数を3~5個とし、正立戻り時間を6秒とし、泡Bの注出時間を6.2~12秒とした実施例2~4では、泡品質が「◎」であり液面へのたたきが生じなかった。以上より、孔56の直径Zを0.3mm~0.5mm、孔56の数を3~5個、正立戻り時間を6秒、泡Bの注出時間を6.2~12秒としたときに泡品質を更に改善し、液面へのたたきを生じないようにできることが分かった。
1…飲料サーバー、10…筐体、10b…上面、10c…側面、10d…前面、10f…背面、10g…下面、11…蓋部、12…流入口部、13…排水口部、14…排気口、15…電源コード、20…飲料注出部、21…操作部、22…液体用シリンダユニット、22b…第1液体用ノズル、22c…第2液体用ノズル、22d…第1駆動部、22f…端面、22g…環状凹部、22h…第2流入口、22k…第1流入口、23…泡用シリンダユニット、23c…泡制御部、23d…第2駆動部、23f…細径部、23g…太径部、24…制御部、25…シリンダユニット、26…第1筒状部、26b…第1内部空間、26c…凹部、27…第2筒状部、27b…第2内部空間、28…支持部、28b…第1板部、28c…第2板部、28d…柱部、28f…ナット、29…流路、29b…細径流路、29c…太径流路、29d…接続流路、29f…細径部、29g…太径部、29h…内面、30…載置部、31…載置台、32…傾斜部、32b…固定部、32c…回転部、32d…容器支持部、40…受台、41…孔、50…泡用ノズル、51…連結部、51b…第1拡径部、51c…第2拡径部、51d…第3拡径部、51f…第1くびれ部、51g…第2くびれ部、52…泡流路部、52b…大径部、52c…小径部、52d…端面、53…飲料流通部、54…内部流路、55,55A,55B,55C…飲料流通部材、56…孔、A…軸、B…泡、C…飲料容器、D…発泡性飲料、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、E…線分、F…中心、H…水平面、L…液体、R1,R2,R3,R4…Oリング、R5…パッキン、S…隙間、t1…時間、t2…時間、W…幅、X…内径、Y…空間、Z…直径、θ…傾斜角度。
Claims (6)
- 発泡性飲料の液体が通る液体用シリンダユニットと、前記発泡性飲料の泡が通る泡用シリンダユニットとを制御して飲料容器に前記発泡性飲料を注出する飲料サーバーであって、
前記飲料容器が載置される載置台と、
前記載置台に載置された前記飲料容器を傾斜させる傾斜部と、
前記液体用シリンダユニット、前記泡用シリンダユニット及び前記傾斜部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、傾斜させた前記飲料容器を傾斜させる前の状態に戻すときに前記泡用シリンダユニットを制御して前記飲料容器への前記泡の注出を開始し、
前記泡用シリンダユニットは、前記発泡性飲料が通る内部流路と、前記内部流路に配置されており前記発泡性飲料が通る複数の孔が形成された飲料流通部と、を有する、
飲料サーバー。 - 前記飲料流通部には3個以上の前記孔が形成されている、
請求項1に記載の飲料サーバー。 - 前記内部流路の内径は、4mm以上である、
請求項1又は2に記載の飲料サーバー。 - 前記複数の孔の総面積が0.85mm2以下である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料サーバー。 - 前記制御部は、前記飲料容器への前記泡の注出時間が2.4秒以上となるように前記泡用シリンダユニットを制御する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料サーバー。 - 前記複数の孔のそれぞれの直径が0.3mm以上且つ0.6mm以下である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料サーバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021041703A JP2022141417A (ja) | 2021-03-15 | 2021-03-15 | 飲料サーバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021041703A JP2022141417A (ja) | 2021-03-15 | 2021-03-15 | 飲料サーバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022141417A true JP2022141417A (ja) | 2022-09-29 |
Family
ID=83402898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021041703A Pending JP2022141417A (ja) | 2021-03-15 | 2021-03-15 | 飲料サーバー |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022141417A (ja) |
-
2021
- 2021-03-15 JP JP2021041703A patent/JP2022141417A/ja active Pending
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
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