JP6595995B2 - 高炭酸飲料の供給方法 - Google Patents
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Description
この炭酸飲料を供給する飲料ディスペンサは、炭酸液と原料液をそれぞれノズルから別々に容器に供給して飲料液とするものである。
この飲料ディスペンサでは、ベース飲料用のノズルと添加シロッ用のノズルとは左右に近接して並んで配置される構造となっているため、ベース飲料(酎ハイ等)と添加シロップは同じ方向に吐出される。
その結果、炭酸ガスの溶け込み率の低い、いわゆる炭酸の効きが悪い飲料液となってしまう。
このような問題点を解決するものとして、特許文献2に示すような飲料液供給装置が開発されている。
そして、希釈液ノズルの希釈液吐出口を飲料容器の内壁面に対峙するように配設し、希釈液を内壁面に向けて吐出して流下させるものである。
そのため、炭酸ガスの抜け出しが少なくなり、いわゆる炭酸の効きがよい高炭酸の飲料を調製することができる。
またノズルの配置構造においても希釈液ノズルの希釈液吐出口を飲料容器の内壁面に対峙するように配設しているので、希釈液は容器内の氷には衝突しにくいものの、内壁面に直接衝突することとなる。
そのため、容器の内壁面への衝突時に炭酸液に含まれている炭酸ガスが抜け出してしまう。
本発明は、このような技術的な問題点を解決するものである。
そのため、後ほど吐出される炭酸液が氷片7と接触しても炭酸液に含まれる炭酸ガスは抜け出さない。
また炭酸液を容器6の内壁面に沿うようにして吐出することにより、炭酸液が容器6の内壁面に直接、衝突することはないので、炭酸水に含まれる炭酸ガスが抜け出さない。
原料液を位置決めされた容器6の中央部に吐出することにより、入っている氷片7の全体に偏りなく降りかけられる。
ここで中央部とは平面視における中央部をいう。
原料液を複数の孔を備えた原料液ノズル1から吐出するものであることにより、より確実に氷片7の全体に偏りなく降りかけられる。
炭酸液の吐出方向を容器の内壁面の水平接線方向に対して角度θだけ傾斜させることにより、炭酸液が確実に内壁面に沿って吐出でき、炭酸水に含まれる炭酸ガスが抜け出さない。
容器の位置を、上下方向及び左右方向の2方向に位置決めすることにより、容器を原料液ノズルと炭酸液ノズルに対し適切な位置に簡便に位置決めすることができる。
図1は本実施形態の高炭酸飲料の供給方法を示す工程図である。
図1に示すように、本実施形態の高炭酸飲料の供給方法は、2つの工程を有する。
すなわち高炭酸飲料の供給方法においては、最初に、氷片7を入れた容器6に原料液を氷片7に接触させながら吐出する工程(「原料液吐出工程」)が遂行され、その後、炭酸液を容器6の内壁面に接触させながら吐出する工程(「炭酸液吐出工程」)が遂行される。
この前後差を設けることにより炭酸液が粗い氷片7の表面に接触することなく滑らかになった氷片7の表面に接触することとなる。
そのため炭酸液に溶けている炭酸ガスが抜け出ることはなく、高炭酸の飲料液が得られるのである。
本発明では、これら原料液と炭酸液とが容器6内で混合されて高炭酸の飲料液となる。
また氷片7(氷塊)としては、その表面がまだ円滑化されていなく、バリ等のある表面が粗いもので、形状としては立方体、球形、角形体等の種々のものが好ましく使用される。
尤も、氷の表面が滑らかになった氷片も使用可能なことはいうまでもない。
この場合であっても、原料液の吐出により氷の表面が原料液でコーティングされた状態になることから、その後の炭酸液吐出での炭酸液と氷との接触による炭酸ガス抜けが抑制される。
容器6内にある氷片7に対して偏りなく効率的に原料液が降りかかるようにするために原料液ノズル1は、容器6の中央部に位置するように設けられている。
なお、後述するが、容器6は容器の受け部3の上にガイド部4により一定の場所に位置決めされる。
最初に原料液をこの原料液ノズル1から吐出させるが、位置決めされた容器6の中央部に吐出する。
その結果、原料液は偏りなく容器内にある氷片7全体に散布される。
その結果、原料液は、より確実に偏りなく容器内にある氷片7全体に散布される。
原料液は常温でも冷却されたものでもよく、常温の場合は主に原料液と氷との温度差により、また冷却されていた場合は原料液と氷との接触による反応熱により、原料液の散布を受けた氷片7は、その表面に存在するバリが溶けてなくなり、表面が均一に且つ滑らかになる。併せて、原料液の吐出により氷の表面が原料液でコーティングされた状態になるので氷片7の表面が更に滑らかになる。
本発明においては、「原料液吐出工程」を経ることにより、容器6内の氷片7の表面の粗さは消失して滑らかに変化するので、この状態においては氷片7に炭酸液が接触しても溶け込んでいる炭酸ガスが抜け出すことはない。
すなわち前述の炭酸ガス抜け出し要因1は解消されている。
次に「炭酸液吐出工程」においては、炭酸液を吐出するが、既に「原料液吐出工程」を経たことにより、前述の抜け出し要因1は解消されている。
したがって、容器6に炭酸液が吐出され氷片7と接触しても、炭酸ガスは抜け出さない。
ここで炭酸液を容器6に吐出する場合、炭酸液を、直接、容器6の内壁面に衝突しないように、容器6の内壁面に沿うようにして吐出することが好ましい。
そのため炭酸液ノズル2はパイプ状のノズルが下方に伸びて屈曲し容器6の内壁面に沿うような状態で配置される。
詳しくは、炭酸液ノズル2の液の吐出方向(液の飛び出し方向)は、対向する容器6の内壁面の水平接線方向に対して一定角度θだけ傾斜して吐出するように設けられている。この場合、角度θは、炭酸液ノズル2の中心軸線と内壁面との交差点における接線方向とのなす角をいう。
詳しくは、炭酸液は、容器6の内壁面に沿って略水平方向に吐出された後、重力により内壁面に沿って螺旋を描くように効率良く流れる。
そのため炭酸液が容器6の内壁面に直接衝突しその衝撃により溶け込んでいる炭酸ガスが抜け出すようなことが回避され、前述の第2の抜け出し理由も解消される。
その結果、高炭酸飲料が得られることとなる。
以上、高炭酸飲料の供給方法を工程別に述べたが、次に高炭酸飲料の供給方法を達成するための装置を以下に説明する。
炭酸飲料サーバ装置Xの前面部には高炭酸飲料の供給装置Aが備わっている。
高炭酸飲料の供給装置Aは、原料液を吐出する原料液ノズル1と、炭酸液を吐出する炭酸液ノズル2とを備え、これら各ノズルから所定の距離離れた下方には容器6の受け部3が設けられ、この受け部3の目皿部31の上に、使用するべき氷片7を入れた容器6が仮置きされることとなる。
目皿部31は、高炭酸飲料の供給が終わった容器6も仮置きでき、容器6に対して更なる作業を行う場合の作業台としても使用することができる。
更なる作業とは、カットした果実片(レモン、ライム、グレープフルーツ等)を容器6に投入する、原料液と炭酸液の混合がなんらかの理由で不十分に思われた場合にマドラーなどで手動により攪拌混合する、などである。
ここで図4は、ガイド部を拡大して示す斜視図であり、図5は、ガイド部と容器上部との配設関係を拡大して示す図であり、(A)は、容器を位置決めする前、(B)は、容器を位置決めした後を示す。
ガイド部4は、容器6の上部側面形状に応じたカーブを有する部分である凹部41と、容器6の上端部の一部に被さる部分である凸部42を備える。
位置決めの際は、受け部3に仮置きした容器6を持ち上げてこのガイド部4に合わせることにより、容器6は、宙に浮いた状態で、上下方向及び左右方向の2方向が共に原料液ノズル1と炭酸液ノズル2の下方の適正な部位に位置決めされる。
なお、ガイド部4は省略している。
ここで原料液ノズル1は、図示しない原料液タンクに連結されており、位置決めされた容器6の中央部に吐出するように配置されている。
そして原料液ノズル1は、複数の孔Hを備えており、確実に氷片7の全体に偏りなく原料液を散布することができる。
この例は、中心部の孔Hの他、更に周囲に8個の孔Hを備え、合計9個の孔を有するものである。
なお、高炭酸飲料の供給装置Aには、原料液ノズル1と連結されたカートリッジ貯留器A1が備わっており(図3参照)、このカートリッジ貯留器A1に一定量充填された原料液が原料液操作レバー11を操作することで一定量(ワンショット分)ごとに原料液ノズル1を介して容器6に吐出される。
ワンショットとは、容器一杯分の高炭酸飲料の供給に必要な原料液の量で30ml、45ml、60ml等であることが多いが、原料液の種類や作りたい高炭酸飲料の種類により適宜設定される。
一方、炭酸液ノズル2は図示しない炭酸液製造タンクに連結されており、炭酸液操作レバー21を操作することで炭酸液製造タンクから冷却された炭酸液が炭酸液ノズル2を介して容器6に供給される。
そして炭酸液ノズル2は、容器6の内壁面に対して傾斜して配置される。
詳しくは、炭酸液ノズル2の液の吐出方向(液の飛び出し方向)を、対向する容器6の内壁面の水平接線方向に対して一定角度θだけ傾斜して吐出するようにした。
ここで、角度θは、炭酸液ノズル2の中心軸線と内壁面との交差点における接線方向とのなす角をいう。
この場合、傾斜する角度θは、90度未満が採用されるが、炭酸ガスの泡発生を極力抑える観点から、例えば10〜70度が好ましく採用される。
このように液の吐出方向を角度θだけ傾斜させたことにより、炭酸液は確実に容器6の内壁面に沿うようにして螺旋状に効率よく流れることとなる。
1)まず、最初に氷片7を入れた容器6を用意する(図6(B)参照)。
2)氷片7を入れた容器6を受け部3に仮置する。
ついで容器6を持ち上げ、容器6をガイド部4に合わせる。
この時、容器6は、宙に浮いた状態で、ガイド部4によって上下方向と左右方向の2方向ともに位置決めされ、原料液ノズル1が容器6の中央部上方に位置し、且つ炭酸液ノズル2は容器6の内壁面に沿うように配置される(図5、図7参照)。
なお、便宜上、図8では炭酸液ノズル2からも炭酸液を吐出するように螺旋状の矢印を示しているが、この炭酸液の吐出は、後ほど行われるものである。
吐出された原料液は、容器6内の氷片7に降りかかり、氷片7の粗い表面を滑らかにする。
これで上述の炭酸ガス抜け出し要因1が解消される。
原料液ノズル1は、容器6の中央部に位置しているので、原料液は氷片7全体に偏りなく降りかかり、また原料液ノズル1のノズル口部1Aが複数の孔を備えていることにより(図9参照)、原料液は氷片7全体に散布される。
しかも炭酸液の吐出方向を容器6の内壁面に対して角度θだけ傾斜させた状態で吐出させるので、衝撃がなく炭酸ガスが抜け出すことはない。
このように炭酸液は容器6の内壁面に直接衝突しないだけでなく、氷片7にも、直接には極力降りかからない。
因みに容器6の底部で溜まった炭酸液が氷片7に接触しても、既に原料液によって氷片7の表面が均一に円滑化されているので炭酸液から炭酸ガスが抜け出さない。
6)最後に炭酸飲料が入った容器6をガイド部4から取り去る。
以上で氷片7の入った容器6に原料液と炭酸液を供給する手順が完了する。
例えば、炭酸飲料を飲む者の好みに対応できるように、濃さを調整のための別の原料液ノズルを設けることも可能である。
このような場合は、炭酸飲料を濃くするため更に加算用原料液を追加する原料液追加用ノズル(原料液タンクに連結されている)を設けることで対応する。
ところで図11及び図12に示す高炭酸飲料の供給装置は、カートリッジ貯留器A1を備えていて、原則的に、ワンショット分の原料液を容器に吐出する機能を有するものである。
そのため原料液ノズル1と原料液追加用ノズル5と炭酸液ノズル2の3つのノズルが必要となる。カートリッジ貯留器A1を備えず、直接、原料液タンクTから原料液ノズル1に原料液を流すようにすることで、ノズルの数を少なくすることができる。
ここでは、原料液タンクTと原料液ノズル1との間に、原料液供給流路14Aを設け、該原料液供給流路14Aに弁体13Aを設ける。
この場合、弁体13Aを電磁弁にしてスイッチの切り替えにより開閉可能とすることにより、容器に吐出する原料液の量を多くしたり、或いは少なくしたり、自由に調整することができる。
電気的駆動により電磁弁を切り替えをする場合、原料液を一定量の吐出量になるように設定することも当然可能である。
また原料液操作レバーを動かして機械的駆動により弁体13Aを開閉できるようにすることも当前、設計変更可能である。
そして原料液操作レバーの操作により、容器に吐き出す原料液の量を多くしたり、或いは少なくしたり、自由に調整することができる。
この場合、カートリッジ貯留器A1の前後である原料液注出流路12と原料液供給流路14には、それぞれ第1弁体13と第2弁体15とが設けられている。
そのため、後ほど吐出される炭酸液が氷片7と接触しても炭酸液に含まれる炭酸ガスは抜け出さない。
この原理を利用できる限りガスを含む液を吐出する方法に広く利用が可能である。
1A・・・ノズル口部
12・・・原料液注出流路
13・・・第1弁体
14・・・原料液供流路
15・・・第2弁体
2・・・炭酸液ノズル
2A・・・開口面
21・・・炭酸液操作レバー
3・・・受け部
31・・・目皿部
4・・・ガイド部
5・・・原料液追加用ノズル
6・・・容器
7・・・氷片
A・・・高炭酸飲料の供給装置
A1・・・カートリッジ貯留器
H・・・孔
X・・・炭酸飲料サーバ装置
Claims (4)
- 氷片が入った容器に原料液と炭酸液とを吐出して高炭酸飲料を供給する方法において、最初に原料液を氷片に接触させながら吐出し、該原料液の吐出が終了した後、炭酸液を容器に吐出し、
前記原料液を前記容器の中央部に吐出し、
前記原料液を複数の孔を備えた原料液ノズルから吐出するものであることを特徴とする高炭酸飲料の供給方法。 - 炭酸液を容器の内壁面に沿うようにして吐出することを特徴とする請求項1記載の高炭酸飲料の供給方法。
- 炭酸液の吐出方向を容器の内壁面の水平接線方向に対して角度θだけ傾斜させることを特徴とする請求項2記載の高炭酸飲料の供給方法。
- 容器を上下方向及び左右方向の2方向に位置決めすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の高炭酸飲料の供給方法。
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