JP2016078858A - 泡コック - Google Patents
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このようなビールディスペンサは、ビールコックを前面に備えるとともに冷却装置が内蔵されたディスペンサ本体と、ディスペンサ本体に供給するビールが詰められたビール樽と、ビール樽に供給する炭酸ガスが充填されているガスボンベと、を備えている。
ビール樽には、ガスボンベからの炭酸ガスが供給されるガス流路と、ビール樽内のビールをビールコックへ供給するためのビール流路とが接続される。ガスボンベから所定圧力に調整された炭酸ガスがガス流路を介してビール樽に供給される。供給された炭酸ガスはビール樽内のビール液面上の空洞部分の気圧を高め、ビール樽内ではビールの液面が押圧された状態となっている。ビールコックの操作レバーを操作すると、ビール樽内のビールがビール流路に圧送され、冷却装置を通過する際に冷却され、ジョッキに注出される。
弁機構を開放して発泡性飲料を通流すると、前記発泡性飲料は発泡機構で発泡させられ、ノズル部に備えられた注出部から泡として注出される。例えばこのような泡コックを、発泡性飲料の一例としてのビールのためのディスペンサに、ビールコックとは別に設けることにより、ビールコックから容器に適量のビールを注出し、その後、泡コックから適量の泡を注ぎ足すことができるため、従来の単一のコックで生じていた問題が解消できるようになった。また、熟練者でなくても容易に適量の泡を注出することができるようになった。
気体の液体に対する溶解度は、圧力が高いほうが大きく、圧力が低いほうが小さい。また、液体の流路において、その流速が速いほど圧力は低くなる。高圧により飲料中に二酸化炭素を溶け込ました発泡性飲料を狭隘な泡作孔を通過させると、発泡性飲料の流速が速くなり圧力が低くなる。その結果、溶存しきれなくなった気体が泡として現れる。このように、発泡性飲料流路に狭隘な泡作孔を設けるという極めて簡単な構成で発泡機構を実現することができる。
泡作孔を通過する発泡性飲料の流速を速めるためには孔径を小さくすればよい。その反面、発泡作孔の孔径が小さいと流れに対する抵抗が増加するため、泡の発生量は減少する。泡作孔を複数個備えることで、泡の発生量を確保することができる。また、泡作孔を円周方向に沿って等間隔位置に設けているので、泡作孔から流下した泡は円周方向での圧力分布が均等となるため、発生した泡のきめを揃えることができる。
上述の構成により、前記泡作孔で発生した泡を、前記発泡性飲料流路の内壁に衝突させて撹拌することができる。その結果、泡のきめをより細かくすることができる。
整流孔を円周方向に沿って等間隔位置に設けているので、整流孔から流下した泡の流れが円周方向での均等となるため整流効果が高い。
上述の構成により、発泡機構で発生させられた泡を前記発泡性飲料流路の中心側へ集合させることができる。
上述の構成により、ノズル部に収容された発泡カートリッジの発泡機構と整流機構の間に撹拌空間が区画される。発泡機構で発生させられた泡が撹拌空間でさらに撹拌され、きめ細かい泡が発生させられる。
整流部材を、キャップ部材と、整流機構と、前記発泡性飲料流路の流路壁で区画される整流空間の中心に前記発泡性飲料流路の上流方向に沿って備えることで、整流部材によって整流孔で整流された泡をさらに整流することができる。このように整流されて注出孔から注出された泡を集合突部によって集合させ、集合突部を容器の内壁に当接ないし近接させることで、泡を容器の内壁を伝わらせて発泡性飲料の上に注出することができる。これにより、容器に注出される泡が、発泡性飲料の液面を叩いて粗い泡が発生するような虞を回避することができる。
ビールディスペンサ1は、ビールをジョッキJに注出するためのビールコック3が設けられたディスペンサ本体4と、注出すべきビールが詰められたビール樽2と、ビール樽2に炭酸ガスを供給するガスボンベ5を備えている。
ディスペンスヘッド6には、ガスボンベ5からの炭酸ガスが供給されるガス流路7と、ディスペンサ本体4へビールを供給するビール流路8a及びビール流路8aと分岐した泡用ビール流路8bとが接続されている。
冷却槽11には、ビール流路8a及び泡用ビール流路8bが浸漬配置されている。ビール樽2から圧送されたビールは冷却槽11を通過する際に冷却される。
図2及び図3に示すように、泡コック10は、オペレータが把持するための把持部60と、コック本体30と、コック本体30に組み付けられ、泡用ビール流路8bを開閉するための弁機構40を操作するための操作レバー50と、コック本体30から斜め前方下方に延出したノズル部33と、ノズル部33の先端に配設された注出部20等を備えている。
筒状部材61の外周はオペレータが把持しやすいように凹凸状に形成されている。
泡用ビール流路8b及び可撓性ホース12の先端は、筒状部材61の一端から挿通され、泡用ビール流路8bの先端が筒状部材61の他端に配設されたシャンクナット62に連通部材63を介して接続されている。
シャンクナット62は、コック本体30の右端の外周面に形成されたネジ部32に螺着され、これにより把持部60とコック本体30が接続されるとともに、可撓性ホース12に外囲された泡用ビール流路8bの端部がコック本体30内の泡用ビール流路8bに連通する。
コック本体30の右端には、拡径部34が形成され、拡径部34の外周に形成されたネジ部32に、シャンクナット62が螺着される。
拡径部34の内部は、第一流路31aの孔径より広い凹部空間35が形成され、凹部空間35に第一流路31aの右端が開口している。
凹部空間35には、泡用ビール流路8bの上流から下流にかけて縮径して第一流路31aに連なる縮径面36が備えられている。
弁棒41には、その右端に第一流路31aの孔径より大きい直径を有する弁体42が一体的に備えられ、弁体42にはパッキン43が周設されている。
弁体42は、凹部空間35においてパッキン43が縮径面36に対向するように収容される。操作レバー50の操作に応じた弁棒41すなわち弁体42の閉塞位置では、弁体42のパッキン43は縮径面36に密接する。一方、弁体42の開放位置では、弁体42のパッキン43は縮径面36から離間する。
なお、弁体42には、可撓性ホースから凹部空間35に供給されるビールの圧力により、常時左方への圧力が作用する。
前記付勢手段は、スプリング44が内蔵されたスプリングケース45と、スプリングケース45の左方に配設された止めネジ部材46を備え、止めネジ部材46が、弁棒41の左端に形成されたネジ孔47に螺合されることで、スプリング44の弾性力によって、弁棒41は常時左方へ付勢される。
従って、操作レバー50を操作しないときは、弁棒41の弁体42は閉塞位置で閉塞状態に維持され、弁体42のパッキンと縮径面36との間には高い水密性が確保される。
垂直孔38には、操作レバー50の操作を弁棒41に伝達するための伝達ロッド51が配設されている。
伝達ロッド51の球状支点部53は、垂直孔38に形成されたロッド支持部39によって回動可能に支持される。
球状支点部53にはパッキン55,56が周設されている。球状支点部53はパッキン55,56を介してキャップ部材57によって垂直孔38に対して上下の移動が規制される。
ネジ部52はキャップ部材57を上方に突出し、ネジ部52に操作レバー50の基部が嵌合されている。固定ナット58によって操作レバー50と伝達ロッド51とが固定される。
操作レバー50の操作をやめると、ビールの圧力及びスプリング44の弾性力によって弁棒41は左方へ移動し、弁体42が縮径面36に密接し、第一流路31aへのビールの供給が停止される。
以上のようにして可撓性ホース12を介してビール樽2から供給されたビールの第一流路31aへの通流を制御する弁機構が構成される。
ノズルボディ70は、その下端に注出部20が備えられるとともに、注出部20との間に、コック本体30に供給されたビールを発泡させる発泡機構を構成する発泡カートリッジ80を収容する。
ノズルボディ70には、第二流路31bに連通する第三流路73が貫通形成され、第三流路73の下端は拡径部74に開口している。
第一中空筒部81の内面底部にはすり鉢状の第一傾斜面85が形成され、第一傾斜面85に円周方向に沿って4個の泡作孔86が等間隔位置に貫通形成されている。泡作孔86は、第三流路73の流路方向と交差する方向、本実施形態では、上流側から下流側にかけて円周方向外方に傾斜して配設されている。泡作孔86で発生した泡を、泡作孔86の下流の拡径部74の内壁に衝突させて撹拌することができる。その結果、泡のきめをより細かくすることができる。
なお、本実施形態では、泡作孔86は、泡を効率よく、かつ適当な発生量を確保するために、直径が0.5〜1.2mm、好ましくは0.8mmの微細孔で構成され、第三流路73や、第一中空筒部81の内部空間に比べて狭隘に設定されている。
なお、本実施形態では、整流孔88は、発生した泡を効率よく整流し、かつ適当な流量を確保するために、直径が1.5〜2.5mm、好ましくは約2.0mmの細孔で構成され、泡作孔86に比べて拡大に設定されている。
キャップ部材22は、整流軸23の裏面に、各注出孔24から注出された泡を集合するための集合突部25を備えている。
なお、本実施形態では、注出孔24は、整流された泡を効率よく、かつ適当な注出量を確保するために、直径が32〜4.0mm、好ましくは3.6mmの孔で構成され、整流孔88に比べて広大に設定されている。
また、流路中では流体の流速が速くなると圧力が低下する。
なお、このように流路中の流速が増加する箇所として、流路の曲がった部分、ラッパ状の急な広がり部分、流路中の通過断面が狭い部分が例示できる。
泡コック10を用いてジョッキJに泡を注出する際には、集合突部25をジョッキJの内壁面に近接、または当接させることで、泡はジョッキJの内壁を伝うので、従来のビールコックのように、注出された泡がビールの液面を叩き、粗い泡が発生する虞も回避される。
また、ビール流路8aと泡用ビール流路8bの分岐箇所については、ディスペンサ本体4の内部にあってもかまわない。
2 ビール樽
10 泡コック
12 可撓性ホース
20 注出部
21 キャップ部材
23 整流軸(整流部材)
24 注出孔
25 集合突部
30 コック本体
31a 第一流路(発泡性飲料流路)
31b 第二流路(発泡性飲料流路)
33 ノズル部
40 弁機構
50 操作レバー
60 把持部
70 ノズルボディ
80 発泡カートリッジ(発泡機構)
81 第一中空筒部
82 第二中空筒部
86 泡作孔(発泡機構)
88 整流孔(整流機構)
J ジョッキJ
Claims (8)
- ディスペンサに備えられ、発泡性飲料を発泡させた泡をノズル部に備えられた注出部から注出する泡コックであって、
前記注出部に至る発泡性飲料流路に、
前記発泡性飲料流路を開閉するための弁機構と、
前記弁機構の下流に、前記発泡性飲料流路を流下する前記発泡性飲料を発泡させる発泡機構とを備えていること特徴とする泡コック。 - 前記発泡機構は、前記発泡性飲料流路に対して狭隘な泡作孔を備えている請求項1に記載の泡コック。
- 前記泡作孔は、円周方向に沿って等間隔をおいて複数個備えられていることを特徴とする請求項2に記載の泡コック。
- 前記泡作孔は、前記発泡性飲料流路の流路方向と交差する方向に向けて配設されていることを特徴とする請求項2または3に記載の泡コック。
- 前記発泡機構の下流に、発生した泡を整流する整流機構を備え、
前記整流機構は、前記泡作孔に比べて広大な整流孔を円周方向に沿って等間隔をおいて複数個備えていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の泡コック。 - 前記整流孔は、前記発泡性飲料流路の中心に向けて配設されていることを特徴とする請求項5に記載の泡コック。
- 前記発泡機構と前記整流機構とが一体的に連結されて発泡カートリッジを構成し、
前記発泡カートリッジが、前記ノズル部に収容されていることを特徴とする請求項5から6のいずれか一項に記載の泡コック。 - 前記注出部は、
前記ノズル部の先端を覆うキャップ部材で構成され、
前記キャップ部材は、
内部の中心に、前記発泡性飲料流路の上流方向に沿って延び、前記整流孔で整流された泡をさらに整流する整流部材を備え、
前記整流部材の周囲に、前記整流孔に比べて広大な注出孔を円周方向に沿って等間隔をおいて複数個備え、
外部の中心に、前記発泡性飲料流路の下流方向に沿って延び、前記各注出孔から注出された泡を集合するための集合突部を備えていることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の泡コック。
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