JP6656001B2 - 泡付け装置及び泡付け方法 - Google Patents
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Description
例えば、ビールに浸漬させた噴気ノズルからガスを吹き込み、ビールを発泡させることによって、泡の層を形成する泡付け装置が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載されている装置で泡の層を形成させても、業務用のビールサーバーで提供されるビールのような微細な泡の層を形成させることはできなかった。
(1)発泡性飲料が収容されるとともに、泡付け孔が形成された容器と、発泡性飲料を前記容器内に封じるダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを介して前記容器内の発泡性飲料とは逆側に圧縮気体を収容する押圧容器と、前記押圧容器内の圧縮気体によって前記ダイヤフラムを前記容器内の発泡性飲料側に押圧する押圧手段と、を備え、前記容器と前記押圧容器とは、取り外し可能な状態で連結しており、前記ダイヤフラムは、前記容器と前記押圧容器とで挟持されている泡付け装置。
(2)前記ダイヤフラムの周縁には、環状凸部が設けられており、前記環状凸部が、前記押圧容器の開口端に設けられた環状凹部に嵌め込むように取り付けられる前記1に記載の泡付け装置。
(3)前記泡付け孔から注出された泡を飲用容器内の発泡性飲料の上に誘導する誘導管を備え、前記誘導管の先端部は、前記飲用容器内の発泡性飲料の液面に沿うように曲がって形成されている前記1または前記2に記載の泡付け装置。
(4)飲用容器内の発泡性飲料に泡を付ける泡付け方法であって、泡付け孔が形成された容器に収容されている発泡性飲料を、ダイヤフラムを介して押圧し、押圧された発泡性飲料を前記泡付け孔によって泡として前記飲用容器内の発泡性飲料に供給する泡付け方法であり、前記ダイヤフラムを介して発泡性飲料を押圧する際に、前記ダイヤフラムと前記容器とで構成される収容空間が発泡性飲料で満たされた状態となっている泡付け方法。
まず、本実施形態に係る泡付け装置及び泡付け方法に使用する発泡性飲料、及び、泡付け装置によって得られる発泡性飲料の状態を、図1を参照して説明する。
発泡性飲料3は、泡の層3b、3cの形成が望まれる飲料であれば特に限定されず、例えば、ビール、発泡酒等である。
泡付け装置1によって、発泡性飲料3に泡の層3b、3cを形成させる場合、まず、発泡性飲料3を発泡させないように静かに飲用容器6に注ぐ。そして、この発泡性飲料3の上に、泡付け装置1で生成させた微細な泡3aを供給すればよい。そうすると、飲用容器6内の発泡性飲料3の上に、微細な泡の層3bが形成されるだけでなく、この微細な泡の層3bの下に極めて微細な泡、いわゆるフロスティミストの層3cが形成される。
フロスティミストの層3cが形成されていない場合、時間経過と共に消泡していくだけである。しかし、フロスティミストの層3cが形成されていると、発泡性飲料3を飲用する際の飲用容器6の動きによって、フロスティミストの微細な泡が核となり、その動きの衝撃で発泡性飲料3が発泡し、泡層が増加していく現象が起こり、泡が飲用の最後まで残る。
第1実施形態に係る泡付け装置の構成について、図1を参照して説明する。
泡付け装置1は、ジョッキ、グラス等の飲用容器6に注がれた発泡性飲料3の上に微細な泡3aを供給して泡の層3b、3cを形成させる装置である。そして、泡付け装置1は、発泡性飲料3を収容する容器2と、発泡性飲料3を容器2内に封じるダイヤフラム4と、ダイヤフラム4を容器2内の発泡性飲料3側に押圧する押圧手段5と、を備える。
容器2は、発泡性飲料3を一時的に収容する器である。そして、容器2は、全体として底面を有する円筒状を呈し、底面の中央には泡付け孔2aが形成されている。そして、容器2の内面全体とダイヤフラム4の下面とで、発泡性飲料3を収容する収容空間2bを構成する。
なお、収容空間2bの体積は、数cm程度の泡の層3c、3dを形成させるために必要となる発泡性飲料3の体積よりも大きければよい。
なお、容器2の底面に泡付け孔2aを複数形成させてもよいが、生成させる泡3aをより確実に微細にするために、1つであるのが好ましい。
ダイヤフラム4は、発泡性飲料3を容器2内に封じる部材である。そして、ダイヤフラム4は、全体として円盤状を呈するとともに、容器2の開口部を閉塞するダイヤフラム本体4aと、ダイヤフラム本体4aの外縁近傍の上面に突出する環状凸部4bと、を一体形成してなる。
なお、ダイヤフラム4は、容器2の内面に張り付くような状態まで変形して、元の形状に戻ることが可能な弾性部材、例えば、ゴム、合成樹脂等で構成される。
押圧手段5は、容器2に収容されている発泡性飲料3を、ダイヤフラム4を介して押圧する手段である。そして、押圧手段5は、圧縮気体を生成するコンプレッサ51と、コンプレッサ51で生成された圧縮気体を収容する押圧容器52と、コンプレッサ51と押圧容器52との間に設けられる開閉弁53と、コンプレッサ51内の圧縮気体の圧力を計測する圧力計54と、を備える。
なお、開閉弁53は、圧縮気体の導入を制御できる構成のものであれば、特に限定されず、例えば、ボタンを押圧操作することで、弁体が開弁・閉弁に切り替わる操作部を備えた押釦式のバルブを使用することができる。
次に、第1実施形態に係る各部材の取り付け方法について、図1を参照して説明する。
押圧手段5にダイヤフラム4を取り付ける場合、押圧手段5の押圧容器52の下側開口端部付近に設けられている環状凹部52cに、ダイヤフラム4の環状凸部4bを嵌め込めばよい。一方、押圧手段5からダイヤフラム4を取り外す場合、ダイヤフラム4を下方に引っ張るだけで容易に取り外すことができる。よって、ダイヤフラム4の交換作業を非常に容易に実施することができる。
次に、第1実施形態に係る泡付け装置による泡付け方法について、図1を参照して説明する。
その後、ダイヤフラム4が設置されている状態の押圧容器52に対して、容器2を取り付ける。この際、容器2内の発泡性飲料3とダイヤフラム4との間に空間を形成させないことが好ましい。言い換えると、収容空間2bが発泡性飲料3で満たされている状態となっているのが好ましい。これにより、容器2内の発泡性飲料3を押圧する際に、この発泡性飲料3に余計な空気が溶け込むのを抑制することができる。
第2実施形態に係る泡付け装置の構成について、図2を参照して説明する。
第2実施形態に係る泡付け装置1Aは、発泡性飲料3を収容する容器2Aと、発泡性飲料3を容器2A内に封じるダイヤフラム4と、ダイヤフラム4を容器2A内の発泡性飲料3側に押圧する押圧手段5Aと、泡3aを飲用容器6内の発泡性飲料3の上に誘導する誘導管7と、を備える。
そして、第2実施形態に係る泡付け装置1Aは、第1実施形態に係る泡付け装置1と比較すると、容器2Aの構成と、押圧手段5Aの構成と、が相違するとともに、誘導管7の有無の点でも相違する。
以下、第2実施形態に係る泡付け装置の構成を説明するにあたり、第1実施形態と共通する点については説明を省略し、相違する点を中心に説明する。
容器2Aは、発泡性飲料3を一時的に収容する器である。そして、容器2Aは、全体として底面を有する円筒状を呈し、底面の中央には泡付け孔2Aaが形成され、側面には発泡性飲料供給部2Acが形成されている。そして、容器2Aの内面全体とダイヤフラム4の下面とで、発泡性飲料3を収容する収容空間2Abを構成する。
なお、図2の逆止弁は、球体を呈する弁体2Aeと、弁体2Aeが上方に移動した際に流体の流れを堰き止める弁座2Afと、弁体2Aeの収容空間2Abへの移動を規制する網状部材2Agとで構成されるが、この構成に限定されず、公知の逆止弁を使用することができる。
押圧手段5Aは、容器2Aに収容されている発泡性飲料3を、ダイヤフラム4を介して押圧する手段である。そして、押圧手段5Aは、容器2Aの上部に連結された中空円筒状を呈するシリンダ51Aと、シリンダ51A内の空気をダイヤフラム4側(容器2A内の発泡性飲料3側)に押圧することができるピストン52Aと、を備える。
なお、シリンダ51Aとピストン52Aとの構成は、ダイヤフラム4を押圧できる構成であれば特に限定されない。
誘導管7は、泡付け孔2Aaから注出された泡を飲用容器6内の発泡性飲料3の上に誘導する部材である。そして、誘導管7は、泡付け孔2Aaに連結して設けられ、先端部7aが飲用容器6内の発泡性飲料の液面に沿うように曲がって形成される。詳細には、誘導管7は、泡付け孔2Aaから略下方向に延びる縦管部7bと、縦管部7bの下端から飲用容器6内の発泡性飲料3の液面に沿うように伸びる先端部7aと、縦管部7bと先端部7aとの間の曲部7cと、から構成される。よって、誘導管7の先端部7aを飲用容器6内に配置した場合、先端部7aの注出口は、飲用容器6の内壁6aに略対向することとなる。
なお、誘導管7の先端部7aが、「飲用容器6内の発泡性飲料3の液面に沿うように曲がって形成」されているとは、詳細には、先端部7aと飲用容器6内の発泡性飲料の液面とのなす角が、液面を基準として上下に45°以内であり、30°以内であるのが好ましく、15°以内であるのがより好ましい。
第2実施形態に係る各部材の取り付け方法については、第1実施形態と略同じであるため説明を省略する。
次に、第1実施形態に係る泡付け装置による泡付け方法について、図1を参照して説明する。
以下、第2実施形態に係る泡付け装置による泡付け方法を説明するにあたり、第1実施形態と共通する点については説明を省略し、相違する点を中心に説明する。
なお、第1実施形態と異なり、容器2Aへの発泡性飲料3を供給する際、容器2Aを泡付け装置1から取り外す必要がない。
第1、2実施形態に係る泡付け装置1、1Aは、ダイヤフラム4を介して容器2、2A内の発泡性飲料3を押圧し、容器2、2Aの泡付け孔2a、2Aaから泡を注出させることにより、微細な泡の層3bと、この微細な泡の層3bの下に極めて微細な泡、いわゆるフロスティミストの層3cを形成させることができる。
一方、第1、2実施形態に係る泡付け装置1、1Aは、ダイヤフラム4を介して容器2、2A内の発泡性飲料3を押圧する構成であるため、発泡性飲料3が付着して残存してしまうような液だまりとなる箇所がない。
よって、第1、2実施形態に係る泡付け装置1、1Aは、図2のダイヤフラム4を設けない場合の泡付け装置と比較して、衛生面においても優れている。
なお、ダイヤフラム4の交換可能な構成とは、具体的には、押圧手段5の押圧容器52や押圧手段5Aのシリンダ51Aの下側開口端部付近に設けられている環状凹部52cに、ダイヤフラム4の環状凸部4bを嵌め込むといった構成である。
なお、本発明は、前記した第1、2実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
図1の第1実施形態の泡付け装置1は、容器2、ダイヤフラム4、押圧手段5を、一つの筐体内に設けてよい。このように構成すれば、小型で持ち運びし易い装置となる。
図1、2の容器2、2Aは、底面に泡付け孔2a、2Aaを形成させているが、側面に形成させてもよい。
また、図1に示す容器2の雄ねじ部2cと押圧容器52の雌ねじ部52dとは、互いに螺合し合うものであればよく、雄ねじ部2cと雌ねじ部52dとを逆にして形成してもよい。
また、雄ねじ部2cと雌ねじ部52dとは、容器2と押圧容器52とを密閉状態に連結可能であれば、ねじ手段に限定されず、凹凸形状等の係止手段であってもよい。
図1に示すダイヤフラム4は、収容空間2bを構成するように着脱可能に設置されていればよく、ダイヤフラム4の環状凸部4bを押圧容器52の環状凹部52cに嵌め込む構成に限定されるものではない。また、例えば、容器2の上側開口端部に環状凹部を設けて、ダイヤフラム4を容器2側に設置してもよい。さらに、ダイヤフラム4は、容器2の上側開口端部や内壁、あるいは、押圧容器52の下側開口端部や内壁に固定する構成であってもよい。
図1の押圧手段5は、気体を用いてダイヤフラム4を介して容器2内の発泡性飲料3を押圧する構成であるが、気体の種類は限定されず、さらに、液体で押圧する構成であってもよい。
また、図1の押圧手段5は、圧力計54の圧縮気体の圧力値を制御手段(図示せず)が取得し、圧縮気体の圧力値が所定値になったと制御手段が判断した場合に開閉弁53を開弁制御する構成となっていてもよい。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
2、2A 容器
2a、2Aa 泡付け孔
3 発泡性飲料
3a 泡
3b 微細な泡の層
3c フロスティミストの層
4 ダイヤフラム
5、5A 押圧手段
6 飲用容器
7 誘導管
Claims (4)
- 発泡性飲料が収容されるとともに、泡付け孔が形成された容器と、
発泡性飲料を前記容器内に封じるダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムを介して前記容器内の発泡性飲料とは逆側に圧縮気体を収容する押圧容器と、
前記押圧容器内の圧縮気体によって前記ダイヤフラムを前記容器内の発泡性飲料側に押圧する押圧手段と、を備え、
前記容器と前記押圧容器とは、取り外し可能な状態で連結しており、
前記ダイヤフラムは、前記容器と前記押圧容器とで挟持されている泡付け装置。 - 前記ダイヤフラムの周縁には、環状凸部が設けられており、
前記環状凸部が、前記押圧容器の開口端に設けられた環状凹部に嵌め込むように取り付けられる請求項1に記載の泡付け装置。 - 前記泡付け孔から注出された泡を飲用容器内の発泡性飲料の上に誘導する誘導管を備え、
前記誘導管の先端部は、前記飲用容器内の発泡性飲料の液面に沿うように曲がって形成されている請求項1または請求項2に記載の泡付け装置。 - 飲用容器内の発泡性飲料に泡を付ける泡付け方法であって、
泡付け孔が形成された容器に収容されている発泡性飲料を、ダイヤフラムを介して押圧し、押圧された発泡性飲料を前記泡付け孔によって泡として前記飲用容器内の発泡性飲料に供給する泡付け方法であり、
前記ダイヤフラムを介して発泡性飲料を押圧する際に、前記ダイヤフラムと前記容器とで構成される収容空間が発泡性飲料で満たされた状態となっている泡付け方法。
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