JPWO2013084848A1 - 乳化液状調味料 - Google Patents

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Abstract

離水、分離及びセットが抑制された、低カロリー及び低コレステロールの乳化液状調味料を提供すること。本発明の乳化液状調味料は、架橋デンプン、オクテニルコハク酸処理デンプン、及び増粘多糖類を含有することを特徴とする。本発明の乳化液状調味料は、乳化液状調味料の全体量に対して、0.3〜2.2質量%の上記架橋デンプン、0.5〜2.5質量%の上記オクテニルコハク酸処理デンプン、及び0.2〜0.6質量%の上記増粘多糖類を含有していてもよい。

Description

本発明は、乳化液状調味料に関する。
近年、生活習慣病の予防等への関心から、消費者の健康志向が高まっている。そのため、例えばドレッシング等の乳化液状調味料について、カロリーやコレステロールの量が低減されたものに対するニーズがある。
乳化液状調味料のカロリーを低減する方法としては、乳化液状調味料中の油脂の配合量を減らすことが挙げられる。しかし、乳化液状調味料中の油脂の配合量を減らした場合、うま味やコク味がなくなる。また、乳化液状調味料中の油脂の配合量を減らすと、水分を多く配合することになるため、乳化液状調味料中の乳化粒子間に存在する水分が増え、その結果、水分が沈降してしまう可能性がある。そのため、乳化液状調味料を保存用容器等に保存している間に、容器の底部で離水(乳化液状調味料から水層が分かれる現象)が生じる可能性がある。
離水を防止する方法として、乳化液状調味料中に増粘多糖類を配合して、乳化粒子の分散性を安定させる方法が知られている。しかし、乳化液状調味料中の増粘多糖類の配合量が多い場合、セット(乳化液状調味料の流動性がなくなり、ゲル状になる現象)が生じる可能性がある。
また、乳化液状調味料のコレステロールを低減する方法としては、乳化液状調味料中の成分として卵黄を使用しないことが挙げられる。しかし、乳化液状調味料中の成分として卵黄を使用しない場合、卵黄の代わりに、乳化剤としてオクテニルコハク酸デンプン等を使用する必要がある。しかし、オクテニルコハク酸デンプン等の配合量が多いと、乳化液状調味料の風味及び食感が悪くなる可能性がある。一方、オクテニルコハク酸デンプンの配合量を抑えると、乳化安定性が低下し、分離(乳化液状調味料から油層が分かれる現象)が生じる可能性がある。
卵黄を使用せず、油脂の配合量が少ない、低カロリー及び低コレステロールの乳化液状調味料としては、大豆蛋白質を含有するマヨネーズタイプの調味料(特許文献1)や、2段階の乳化処理によって製造される乳化型ドレッシング(特許文献2)等が提案されている。しかし、これらの技術は、乳化液状調味料の離水、分離及びセットの抑制について十分に検討されたものであるとは言えない。
以上の通り、離水、分離及びセットを生じさせずに、低カロリー及び低コレステロールの乳化液状調味料を製造することは困難であった。
特開2004−350525号公報 特開平7−75522号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、離水、分離及びセットが抑制された、低カロリー及び低コレステロールの乳化液状調味料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、乳化液状調味料中の成分として、架橋デンプン、オクテニルコハク酸処理デンプン、及び、増粘多糖類を乳化液状調味料に配合することで、低カロリー及び低コレステロールの乳化液状調味料の離水、分離及びセットを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 架橋デンプン、オクテニルコハク酸処理デンプン、及び増粘多糖類を含有することを特徴とする乳化液状調味料。
(2) 乳化液状調味料の全体量に対して、0.3〜2.2質量%の上記架橋デンプン、0.5〜2.5質量%の上記オクテニルコハク酸処理デンプン、及び0.2〜0.6質量%の上記増粘多糖類を含有することを特徴とする(1)に記載の乳化液状調味料。
(3) 上記架橋デンプンが、アセチル化アジピン酸架橋デンプンであり、かつ、上記オクテニルコハク酸処理デンプンが、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の乳化液状調味料。
(4) 上記増粘多糖類としてキサンタンガムを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化液状調味料。
(5) 上記増粘多糖類としてタマリンドシードガムを含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の乳化液状調味料。
(6) 乳化液状調味料の全体量に対して1〜30質量%の油脂を含有し、上記油脂は20℃で液状であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の乳化液状調味料。
本発明によれば、離水、分離及びセットが抑制された、低カロリー及び低コレステロールの乳化液状調味料が提供される。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
[乳化液状調味料]
本発明の乳化液状調味料は、架橋デンプン、オクテニルコハク酸処理デンプン、及び、増粘多糖類を成分として含む。このような成分が組み合わせて配合されることにより、本発明によれば、離水、分離及びセットが抑制された、低カロリー及び低コレステロールの乳化液状調味料が提供される。
本発明における乳化液状調味料とは、水中油滴型(O/W型)で乳化した液状調味料を指し、ドレッシング、タレ、ソース、又はその他これらに類する食品を指す。本発明の乳化液状調味料の好ましい態様としてはドレッシングが挙げられ、より具体的には、日本農林規格(JAS)において定義される「乳化液状ドレッシング」等が挙げられる。なお、本発明の乳化液状調味料には、マヨネーズ等の半固体状ドレッシングは含まれない。
また、以下、本発明における低カロリー及び低コレステロールの乳化液状調味料とは、原料として卵黄が使用されておらず、油脂の配合量が少ないもの(例えば、乳化液状調味料の全体量に対して、油脂の配合量が1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%、さらに好ましくは8〜15質量%であるもの)を指す。乳化液状調味料中に含まれる油脂としては特に限定されず、乳化液状調味料の製造において通常使用される食用油であってもよい。
以下、本発明の乳化液状調味料中に含まれる各成分について詳述する。
(架橋デンプン)
本発明における架橋デンプンとは、デンプン又はアセチル基、もしくはヒドロキシプロピル基等の官能基を付与した加工デンプンと、リン酸基又はアジピン酸基等とを反応させることによって架橋処理したデンプンを指す。架橋デンプンは、一般的に、乳化液状調味料に好適な優れた耐剪断性及び耐酸性等を有することが知られる。本発明における架橋デンプンは、乳化液状調味料の水分を保持して、乳化液状調味料に適度な粘度及び流動性を与えることで乳化液状調味料のセットを抑制することができる。
本発明において使用できる架橋デンプンは、特に限定されないが、例えば、デンプンに対して架橋処理と加工処理とを同時に行うことで得られたものや、加工処理を先に行うことで加工デンプンを調製した後に、これを架橋処理することで得られたものでもよい。
本発明において使用できる架橋デンプンの具体例としては、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン等が挙げられる。入手の容易性から、アセチル化アジピン酸架橋デンプンが好ましい。
本発明の乳化液状調味料中の架橋デンプンの配合量は、乳化液状調味料の全体量に対して、好ましくは0.3〜2.2質量%、より好ましくは0.5〜2.2質量%、最も好ましくは0.8〜1.7質量%である。架橋デンプンの配合量が少ない場合、乳化液状調味料の離水が生じやすくなる可能性がある。一方、架橋デンプンの配合量が多い場合、デンプン臭、ベタついた食感等が生じ、乳化液状調味料の風味や食感が悪くなる可能性がある。
(オクテニルコハク酸処理デンプン)
本発明におけるオクテニルコハク酸処理デンプンとは、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、コーンデンプン(コーンスターチ)、ワキシーコーンスターチ等、及びそれらの加水分解物を、オクテニルコハク酸でエステル化したデンプンである。本発明におけるオクテニルコハク酸処理デンプンは、乳化液状調味料中の乳化粒子を微細化させ、乳化安定性を高め、乳化液状調味料の離水及び分離を抑制することができる。
本発明において使用できるオクテニルコハク酸処理デンプンは、特に限定されないが、例えば、オクテニルコハク酸処理デンプンにおけるカルボン酸基のうちの一方と、デンプン又はその加水分解物とが、エステルを構成しているものが挙げられる。この場合、他方のカルボン酸基は遊離であってもよく、ナトリウム、カリウム、アンモニア、又はアミン類等の塩を構成していてもよい。入手の容易性から、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムが好ましい。
本発明の乳化液状調味料中のオクテニルコハク酸処理デンプンの配合量は、乳化液状調味料の全体量に対して、好ましくは0.5〜2.5質量%、より好ましくは1.0〜2.2質量%、最も好ましくは1.5〜2.0質量%である。オクテニルコハク酸処理デンプンの配合量が少ない場合、乳化液状調味料中の乳化粒子が細かくなりにくく、乳化液状調味料を口に含んだ際のなめらかさに欠ける可能性がある。一方、オクテニルコハク酸処理デンプンの配合量が多い場合、口どけの悪さ、後味の悪さ等が生じ、乳化液状調味料の風味や食感が悪くなる可能性がある。
(増粘多糖類)
本発明の乳化液状調味料には、増粘多糖類が含まれる。本発明における増粘多糖類は、乳化液状調味料の乳化を安定させ、乳化液状調味料の離水及び分離を抑制する作用を有する。
本発明において使用できる増粘多糖類としては、特に限定されないが、キサンタンガムが好ましい。キサンタンガムは、その網目構造によって、乳化液状調味料中の乳化粒子の分散性を安定させることができる。そのため、乳化液状調味料にキサンタンガムを配合すると、乳化液状調味料の乳化を安定させることができる結果、乳化液状調味料の離水及び分離を抑制することができる。
本発明において使用できるその他の増粘多糖類としては、特に限定されないが、タマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、プルラン、サイリウムシードガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、結晶セルロース、寒天、又はグルコマンナン等、及びこれらのうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
本発明の乳化液状調味料中の増粘多糖類の配合量は、乳化液状調味料の全体量に対して、増粘多糖類の合計が0.2〜0.6質量%であることが好ましく、合計が0.2〜0.5質量%であることがより好ましく、合計が0.2〜0.45質量%であることが最も好ましい。増粘多糖類の配合量が少ない場合、乳化液状調味料の乳化が不安定となり、分離が起こりやすくなる可能性がある。一方、増粘多糖類の配合量が多いと、セット(乳化液状調味料の流動性がなくなり、ゲル状になる現象)が生じる可能性がある。
本発明の乳化液状調味料中に増粘多糖類としてキサンタンガムが含まれる場合、キサンタンガムの配合量は、乳化液状調味料の全体量に対して、0.05質量%以上であることが好ましい。キサンタンガムの配合量がこの範囲であると、乳化液状調味料中の乳化粒子の分散性を効果的に安定させられるため、乳化液状調味料の離水を抑制できる。
また、本発明の乳化液状調味料中には、増粘多糖類として、キサンタンガム及びタマリンドシードガムを配合することが好ましい。増粘多糖類としてキサンタンガムとタマリンドシードガムとを組み合わせることによって、乳化液状調味料の乳化の安定性が高まる。増粘多糖類としてキサンタンガムとタマリンドシードガムとを組み合わせる場合、タマリンドシードガムの配合量は、乳化液状調味料の全体量に対して、0.1〜0.55質量%が好ましく、0.3〜0.45質量%がより好ましく、0.3〜0.4質量%が最も好ましい。
本発明の乳化液状調味料においては、架橋デンプン、オクテニルコハク酸処理デンプン、及び、増粘多糖類が、互いの機能を阻害することなく作用する。そのため、本発明によれば、低カロリー及び低コレステロールの乳化液状調味料の離水、分離及びセットが効果的に抑制された乳化液状調味料が提供される。乳化液状調味料の離水及び分離は、乳化液状調味料を遠心分離した後の乳化液状調味料の外観を目視観察(乳化液状調味料から水層及び/又は油層が分かれているかどうかを観察する)することで評価できる。乳化液状調味料のセットは、乳化液状調味料を静置保存した後の乳化液状調味料の流動性を目視観察(乳化液状調味料の流動性がなくなり、ゲル状に固まっているかどうかを観察する)することで評価できる。
(20℃で液状である油脂)
本発明の乳化液状調味料中には、20℃で液状である油脂が含まれていてもよい。乳化液状調味料中にこのような油脂が含まれることにより、乳化液状調味料にうま味やコク味等を与えることができる。
本発明において使用できる、20℃で液状である油脂としては、特に限定されないが、大豆油、菜種油、コーン油、ヤシ油、パーム油、米油、ゴマ油、綿実油、ひまわり油、紅花油、亜麻仁油、シソ油、オリーブ油、落花生油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、米糠油、小麦胚芽油、及び香味オイル(ハーブオイル、ガーリックオイル等)等から選択される1種の油脂又はこれらのうち2種以上を組み合わせた混合油脂が挙げられる。また、これらの油脂の分別油、硬化油、エステル交換油等を用いることもできる。乳化液状調味料の風味を阻害せず、かつ、乳化液状調味料にコク味を与えることができるという観点から、0℃において5.5時間保存後に、液状かつ清澄であるように調整された植物油(いわゆるサラダ油)を使用することが好ましい。
本発明の乳化液状調味料中の、20℃で液状である油脂の配合量は、乳化液状調味料の全体量に対して、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、8〜15質量%が最も好ましい。なお、通常の乳化液状調味料には、30〜50質量%の油脂が含まれるが、本発明の乳化液状調味料においては、油脂の総量(つまり、油脂が20℃で液状であるかどうかに関わらない油脂の総量)が、この値よりも低い量の油脂となるように配合される。
20℃で液状である油脂の配合量が上記の範囲よりも少ない場合、乳化液状調味料に十分なうま味やコク味を与えることが困難になる。一方、20℃で液状である油脂の配合量が上記の範囲よりも多い場合、乳化液状調味料のカロリー値が増加し、低カロリー食品へのニーズに応えることが困難となる。また、20℃で液状である油脂の配合量が上記の範囲よりも多い場合、乳化液状調味料の油の分離が生じる可能性が高まる。
[本発明の乳化液状調味料の製造方法]
本発明の乳化液状調味料は、通常の乳化液状調味料の製造方法に従って製造できる。例えば、油脂以外の原料(例えば、架橋デンプン、オクテニルコハク酸処理デンプン、増粘多糖類、酢酸、食塩等)を加熱撹拌して原料を均一に分散させ、常温程度まで冷却した後に、得られたものに油脂を加えて乳化する方法等が挙げられる。
本発明の乳化液状調味料には、食塩、食酢、醤油、果汁、酸味料、うま味調味料、たんぱく加水分解物、糖類、甘味料、エキス類、香料、酸化防止剤、具材(キザミ野菜、すりおろし野菜等)、粉末チーズ、トマトペースト、コーンペースト、ごま等を使用してもよい。このような原料等を使用することにより、本発明の乳化液状調味料に所望の風味や食感を与えることができる。
例えば、製造しようとする乳化液状調味料がドレッシングである場合、上述の原料等を使用して、コールスロードレッシング、シーザーサラダドレッシング、コーンドレッシング、ごまドレッシング、和風ドレッシング、サウザンアイランドドレッシング、フレンチドレッシング等を調製できる。
本発明の乳化液状調味料は、離水やセットをより確実に抑制するために、粘度を所定の値の範囲内に調整することが好ましい。本発明の乳化液状調味料の粘度は、好ましくは1000〜7000mPa・s、より好ましくは1500〜6000mPa・s、最も好ましくは2000〜5000mPa・sである。乳化液状調味料の粘度がこれらの値よりも低い場合、乳化が不安定となり、離水や分離が生じる可能性がある。一方、乳化液状調味料の粘度がこれらの値よりも高い場合、セットが生じる可能性がある。また、乳化液状調味料が低粘度又は高粘度のいずれの状態であっても、他の食品素材(例えば、サラダ用の野菜等)と和えにくくなる可能性がある。
乳化液状調味料の粘度は、通常知られる方法によって調整できる。例えば、乳化液状調味料中の増粘多糖類、油脂、及び架橋デンプン等の配合量を適宜調整することによって所望の値にすることができる。
本発明の乳化液状調味料は、細菌等の繁殖を抑制するために、pHを、好ましくは3.0〜5.5、さらに好ましくは3.0〜4.5の範囲にしてもよい。乳化液状調味料のpHは、食酢、果汁、エキス類、うま味調味料、酸味料等の配合量を適宜調整することによって所望の値にすることができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜14、比較例1〜3;コールスロードレッシングの製造−I]
アセチル化アジピン酸架橋デンプン(製品名;コルフロ67、日本エヌエスシー株式会社製)、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム(製品名;エマルスター500、松谷化学工業株式会社製)、キサンタンガム(製品名;エコーガムGM、CPケルコ社製)、タマリンドシードガム(製品名;グリロイド3S、株式会社シキボウ堺製)、果糖ぶどう糖液糖、及び水を、表1及び2記載の配合量でプロペラ撹拌機付きの加温可能な容器に投入し、100rpmで撹拌しながら品温が90℃になるまで加熱した。
次いで、品温を90℃に保持しながら原料を溶解させ、残りの原料(キャノーラ油以外)を投入し、さらに5分間撹拌し、品温が20℃になるまで冷却した。次いで、これに少量ずつキャノーラ油を投入しながら、卓上ホモミキサーで6500rpm、10分の条件で乳化を行い、コールスロードレッシングを製造した。
なお、表1及び2中、「合計(1)」は、キサンタンガム及びタマリンドシードガムの組成の合計を指す。「合計(2)」は、コールスロードレッシングの製造に使用した全ての原料組成の合計を指す。
また、以下、表中の「%」は「質量%」を示す。
<評価>
製造した各ドレッシングについて、下記の指標に基づき、評価を行った。
(離水及び分離の評価)
10mLサイズの遠沈管に各ドレッシングを10mL入れ、遠心分離機で40×g(半径15cm、500rpm)の遠心力で8時間遠心分離を行った後、ドレッシングの外観を目視で観察して評価した。評価基準は下記の通りである。
○:離水及び分離が認められない
△:軽微な離水及び/又は分離が認められるが、ドレッシングとして使用できる
×:離水及び/又は分離が明確に認められる
(セットの評価)
100mLサイズのビーカーに各ドレッシングを50mL入れ、4℃で7日間、静置保存した後に、各ドレッシングの流動性を目視で観察して評価した。評価基準は下記の通りである。
○:流動性があり、セットが認められない
△:流動性が低いが、セットは認められない
×:流動性がなく、セットが認められる
(粘度の評価)
各ドレッシングを、24時間、20℃の温度で保温し、BM型粘度計を使用して粘度を測定した。なお、ローターNo.3を使用して12rpmで回転させ、5回転時の値を粘度とした。評価基準は下記の通りである。
○:粘度が1000〜7000mPa・sである
×:粘度が1000mPa・s未満であるか、又は7000mPa・s超である
(風味評価)
パネラー5名を参加させ、各ドレッシング(2ml)を口に含んだ後の風味を点数化した。点数化の基準は下記の通りである。
2点:1点のものよりもさらに味と食感の両方が良好である
1点:味と食感の両方が良好である
0点:異味がある、かつ/又は食感が悪い
点数化された風味について、パネラー5名分の評価点に基づいて平均値を算出し、下記の基準によって評価を行った。
◎:1.6〜2
○:1〜1.4
×:0.8以下
(総合判定)
上記の各種評価に基づき、各ドレッシングについて総合的な評価を行った。評価基準は下記の通りである。
◎:離水、分離、セット、及び粘度が全て○であり、かつ、風味評価が◎である
○:離水、分離、及びセットが全て○又は△である
×:離水、分離、及びセットのいずれかが×である
各コールスロードレッシングについての評価結果を表1及び2に示す。
Figure 2013084848
Figure 2013084848
表1及び2に示される通り、本発明の乳化液状調味料は、油脂配合量が低く、卵黄を含まないにも関わらず、離水、分離及びセットが抑制されていた。
[実施例15;シーザーサラダドレッシングの製造−I]
表3記載の原料を使用して、上記コールスロードレッシングと同様の方法によってシーザーサラダドレッシングを製造した。なお、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、及びキサンタンガムについては、上記コールスロードレッシングの製造において使用した原料と同様の原料を使用した。
<評価>
製造したドレッシングについて、上記コールスロードレッシングと同様の指標に基づき、評価を行った。その評価結果を表3に示す。
Figure 2013084848
表3に示される通り、本発明の乳化液状調味料は、油脂配合量が低く、卵黄を含まないにも関わらず、離水、分離及びセットが良好に抑制されていた。
[実施例16;コーンドレッシングの製造−I]
表4記載の原料を使用して、上記コールスロードレッシングと同様の方法によってコーンドレッシングを製造した。なお、還元水飴は果糖ぶどう糖液糖とともに投入した。また、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、及びキサンタンガムについては、上記コールスロードレッシングの製造において使用した原料と同様の原料を使用した。
<評価>
製造したドレッシングについて、上記コールスロードレッシングと同様の指標に基づき、評価を行った。その評価結果を表4に示す。
Figure 2013084848
表4に示される通り、本発明の乳化液状調味料は、油脂配合量が低く、卵黄を含まないにも関わらず、離水、分離及びセットが良好に抑制されていた。
[実施例17;ごまドレッシングの製造−I]
表5記載の原料を使用して、上記コールスロードレッシングと同様の方法によってごまドレッシングを製造した。なお、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、キサンタンガム、及びタマリンドシードガムについては、上記コールスロードレッシングの製造において使用した原料と同様の原料を使用した。
<評価>
製造したドレッシングについて、上記コールスロードレッシングと同様の指標に基づき、評価を行った。その評価結果を表5に示す。
Figure 2013084848
表5に示される通り、本発明の乳化液状調味料は、油脂配合量が低く、卵黄を含まないにも関わらず、離水、分離及びセットが良好に抑制されていた。
[実施例18〜25;コールスロードレッシングの製造−II]
表6記載の原料を使用して、上記コールスロードレッシングと同様の方法によってコールスロードレッシングを製造した。なお、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、キサンタンガム、及びタマリンドシードガムについては、上記コールスロードレッシングの製造において使用した原料と同様の原料を使用した。また、上記コールスロードレッシングの製造において使用した原料に加えて、アセチル化リン酸架橋デンプン(製品名;SMS747、松谷化学工業株式会社製)、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン(製品名;パインエース#5、松谷化学工業株式会社製)、グアーガム(製品名;ビストップD−20、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を使用した。
<評価>
製造した各ドレッシングについて、上記コールスロードレッシングと同様の指標に基づき、評価を行った。その評価結果を表6に示す。
Figure 2013084848
表6に示される通り、本発明の乳化液状調味料は、油脂配合量が低く、卵黄を含まないにも関わらず、離水、分離及びセットが良好に抑制されていた。
[実施例26;シーザーサラダドレッシングの製造−II]
表7記載の原料を使用して、上記コールスロードレッシングと同様の方法によってシーザーサラダドレッシングを製造した。なお、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、及びキサンタンガムについては、上記コールスロードレッシングの製造において使用した原料と同様の原料を使用した。
<評価>
製造したドレッシングについて、上記コールスロードレッシングと同様の指標に基づき、評価を行った。その評価結果を表7に示す。
Figure 2013084848
表7に示される通り、本発明の乳化液状調味料は、油脂配合量が低く、卵黄を含まないにも関わらず、離水、分離及びセットが良好に抑制されていた。
[実施例27;コーンドレッシングの製造−II]
表8記載の原料を使用して、上記コールスロードレッシングと同様の方法によってコーンドレッシングを製造した。なお、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、及びキサンタンガムについては、上記コールスロードレッシングの製造において使用した原料と同様の原料を使用した。
<評価>
製造したドレッシングについて、上記コールスロードレッシングと同様の指標に基づき、評価を行った。その評価結果を表8に示す。
Figure 2013084848
表8に示される通り、本発明の乳化液状調味料は、油脂配合量が低く、卵黄を含まないにも関わらず、離水、分離及びセットが良好に抑制されていた。
[実施例28;ごまドレッシングの製造−II]
表9記載の原料を使用して、上記コールスロードレッシングと同様の方法によってごまドレッシングを製造した。なお、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、キサンタンガム、及びタマリンドシードガムについては、上記コールスロードレッシングの製造において使用した原料と同様の原料を使用した。
<評価>
製造したドレッシングについて、上記コールスロードレッシングと同様の指標に基づき、評価を行った。その評価結果を表9に示す。
Figure 2013084848
表9に示される通り、本発明の乳化液状調味料は、油脂配合量が低く、卵黄を含まないにも関わらず、離水、分離及びセットが良好に抑制されていた。

Claims (6)

  1. 架橋デンプン、オクテニルコハク酸処理デンプン、及び増粘多糖類を含有することを特徴とする乳化液状調味料。
  2. 乳化液状調味料の全体量に対して、0.3〜2.2質量%の前記架橋デンプン、0.5〜2.5質量%の前記オクテニルコハク酸処理デンプン、及び0.2〜0.6質量%の前記増粘多糖類を含有することを特徴とする請求項1に記載の乳化液状調味料。
  3. 前記架橋デンプンが、アセチル化アジピン酸架橋デンプンであり、かつ、前記オクテニルコハク酸処理デンプンが、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の乳化液状調味料。
  4. 前記増粘多糖類としてキサンタンガムを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳化液状調味料。
  5. 前記増粘多糖類としてタマリンドシードガムを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の乳化液状調味料。
  6. 乳化液状調味料の全体量に対して1〜30質量%の油脂を含有し、前記油脂は20℃で液状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の乳化液状調味料。
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