JP6813297B2 - 液体調味料 - Google Patents

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Description

本発明はゴマを含有する液体調味料に関する。
近年のサラダ嗜好の傾向等により、ドレッシングなどの各種調味料が市場に出回っている。中でも乳化液状のドレッシングは風味の多様性があり、ゴマ成分(ペースト等)を含有したゴマ含有調味料は独特の風味が好まれ、液体調味料の代表的なものとなっており、生野菜、ゆで野菜、湯通しした肉、魚介類のフライなど幅広い用途が知られている。
しかしながら、従来のこれらゴマを含有する液体調味料は、保存中に液層の分離や固形分の沈殿等が生じやすく安定性に問題があった。またゴマ成分を含む層がゲル化してゴマ含有調味料が容器の口から出にくくなるなど、その商品価値が著しく損なわれる場合があった。
これらの解決方法としてキサンタンガムやセルロース等の増粘多糖類を用いる方法(例えば、特許文献1〜3など参照)、脱脂卵黄の酸加水分解物、あるいは酸分解および酵素分解を併用した分解物と、特定の卵白酵素分解物とを含有しているゴマ含有調味料(特許文献4)、全粒ごまとガム類との混合液状物を磨砕処理してごまペーストとした後、他の原料と共に攪拌混合することを特徴とするごまペースト含有調味料の製造方法(特許文献5)、エステル化度25%以下のペクチン、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を含む原料及び分散すべき固形物を含むことを特徴とする固形物分散調味液組成物(特許文献6)、胡麻ペースト、化工澱粉を含有する胡麻含有液状調味料(特許文献7)、ごまの酵素処理物を含有することを特徴とする調味料組成物(特許文献8)、発酵セルロース、サイリウムシードガム、ネイティブジェランガム、スクシノグリカン又はピルビン酸含量が2.5%未満であるキサンタンガムのいずれか1種を安定剤として含有する液体調味料(特許文献9)等が提案されているが、これらの方法を用いても、長期間保存した場合は、下層分離やゲル化が生じることを完全に防止することはできなかった。例えば、キサンタンガムの量が少量であれば、乳化成分の分離を抑制しきれずに下層分離を起こし、また、比較的多量のキサンタンガムを配合した場合、下層分離は抑えられても、液体調味料全体がゲル化して容器の口から容易に流れ出にくくなるといった問題が起こっていた。さらに、キサンタンガムによるゲル化を抑制するためにセルロース系安定剤を併用した場合、キサンタンガムやゴマ成分の量に応じてセルロース系安定剤が多量に必要となり、セルロース由来のざらつきや白濁といった問題が発生していた。そこで、長期間保存しても、下層分離や沈殿、ゲル化のいずれも発生せず、添加した多糖類による影響も抑えた保存安定性に優れた乳化液状調味料やゴマ含有調味料が求められていた。
特開平4−16161号公報 特開平11−290036号公報 特開2004−159530号公報 特開2008−154486号公報 特開2007−28994号公報 特開2007−6730号公報 特開2003−250484号公報 特開2003−306114号公報 特開2012−235717号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、特に本発明は、長期間保存しても下層分離や沈殿、ゴマによるゲル化が生じない、保存安定性に優れ、かつ低粘度で容器から容易に注ぎ出すことができる液体調味料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねたところ、ゴマを含有する液体調味料にウェランガムを添加し、粘度を100〜2500mPa・sとすることで、長期間保存しても分離や沈殿、ゲル化が生じない保存安定性に優れた液体調味料が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
つまり本発明は、安定剤としてウェランガムまたはウェランガムと多糖類を組合せた安定剤を含有する、ゴマを含有する液体調味料及び該調味料の保存安定性向上方法に関する。
本発明により、長期間保存しても分離・沈殿、下層分離やゲル化を生じず、低粘度であるので容器から容易に注ぎ出すことができる、保存安定性に優れた液体調味料が得られる。さらには、調味料の経時的な粘度の変化(低下)を抑制し、またサラダや具材への付着性に優れたゴマを含有する液体調味料が得られる。
本発明は、安定剤としてウェランガム又はウェランガムと多糖類の組合せを含み、粘度が100〜2500mPa・sの範囲にあることを特徴とする、ゴマを含有する液体調味料に関する。
ウェランガムは、スフィンゴモナス属細菌(Sphingomonas sp.)の培養液から得られた多糖類を主成分とするものである。簡便には、一般に流通している市販製品を利用することが可能であり、具体的には三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のビストップW等が例示できる。
本発明で使用される多糖類とは、食品製造用として使用される多糖類であり、具体的にはセルロース系安定剤、ネイティブ型ジェランガムを例示できる。
上記セルロース系安定剤とは、実質的にセルロース系素材単独からなるもの、或いはセルロース系素材と親水性高分子からなるセルロース複合体を含む。セルロース系素材とは、植物由来の結晶セルロース、微結晶セルロース、微小繊維状セルロースあるいは微生物由来の発酵セルロースを指す。
また、セルロース複合体とは、上記セルロース系素材と親水性高分子からなる複合体であり、例えば、特公昭40−12174号公報、特公昭57−14771号公報、特開平7−268129号公報、特開平11−178517号公報、特開昭61−212295号公報、特開平3−157402号公報、特開平9−121787号公報等で開示された物質を使用することが出来る。
前述の親水性高分子とは、食品に用いられる水と親和性の高い高分子を意味する。具体的に例示すると、例えば、ガラクトマンナン、カルボキシメチルセルロース(CMC)とその塩、キサンタンガム、タマリンド種子ガム、ペクチン、トラガントゴム、カラヤガム、カラギナン、寒天、アルギン酸とその塩、ジェランガム、カードラン、プルラン、サイリウムシードガム、グルコマンナン、キチン、キトサン、デキストリン、でん粉等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、また複数を選択しても良い。
本発明で使用されるセルロース複合体は、上記セルロース系素材と親水性高分子とにより複合体を形成したものを利用できる。これらの乾燥粉末体は商業上入手可能であり、例えば旭化成ケミカルズ株式会社のセオラスRC−N30、FMC社のアビセルBV−1518、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のサンアーティストPG等が挙げられる。
本発明において用いられるネイティブ型ジェランガムは、コーンシロップ等から、シュードモナス エロデア (Pseudomonas elodea)ATCC31461又はその変異株により生産される発酵多糖類である。ネイティブジェランガムは、天然に起源を有するものであるため、用いる産生微生物や精製条件によっては、その構造も微妙に変わりうる。従って、本発明で用いられるネイティブジェランガムは、特定の構造式に基づいて一義的に限定されることなく、微生物(例えば、ATCC31461)により産生されるネイティブジェランガムの性質を有するものであればよい。利用できる市販品の例として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のケルコゲルLT 100などが挙げられる。
本発明にかかるゴマを含有する液体調味料とは、水中油滴型の乳化液状ドレッシング、タレ様の食品であり、一般的には、油脂、卵黄又は全卵、及び酸味料からなり、該成分にゴマ成分、各種調味料、香辛料、デンプン、増粘剤、着色料、香料等の食品素材や食品添加物を適宜配合して得られる。卵黄又は全卵の代わりに、食品用乳化剤を用いてもよく、あるいはこれらを併用しても良い。
本発明のゴマ成分とは、白ゴマ、金ゴマ、黒ゴマ、茶ゴマなどのゴマ種子をミル等で流動性の認められる程度まですり潰したペースト状のもの(練りゴマ)や、焙煎ゴマ(煎りゴマ)を粉砕したすりゴマなどが該当する。或いは、適宜これらを混合したものであっても良い。ゴマ成分の配合量は、たとえば、調味料の全体量に対して、0.1〜30質量部の範囲で用いることが出来る。0.1質量部未満では、ゴマ特有の風味に乏しくゴマ含有調味料として物足りなさを感じ、30質量部を超えるとゴマを含有する液体調味料の粘度が増大して、乳化液状ドレッシング様を呈さなくなってしまい容器の口から流れ出にくくなる。好ましくは5〜20質量部である。
上記ゴマを含有する液状調味料は、その粘度が100〜2500mPa・s(粘度測定条件:B型回転粘度計、20℃、60rpm、ローター2)となるように調製することが好ましい。液体調味料の粘度が100mPa・s以下では、ゴマ成分の分散が不十分となり均一な状態に維持できなくなる。また、液体調味料の流動性が高くなり野菜等の素材と十分に絡まず、流れ落ちてしまうため好ましくない。また、液体調味料の粘度が2500mPa・s以上となると、粘度が高くなりすぎるため製造効率の低下や容器から流れ出にくくなるといった不都合が生じるため好ましくない。
なお、前述の本発明にかかる多糖類以外の安定剤を本発明の効果に影響を与えない程度に添加することが出来る。例えば、キサンタンガム、グァーガム、サイリウムシードガム、タラガム、ローカストビーンガム、カラギナン、ペクチン、プルラン、カシアガム、脱アシル型ジェランガム、タマリンドシードガム、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カードラン、ガティガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ハイドロキシプロピルセルロース、ハイドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、コンニャク粉、コンニャクグルコマンナン、水溶性ヘミセルロース、大豆多糖類、加工・化工澱粉、未加工・未化工澱粉(生澱粉)などの中から選ばれる1種または2種以上を併用することも可能である。
その他、本発明のゴマを含有する液体調味料に配合するその他の原料としては、通常使用される原料、例えば、油脂、調味料(酢、醤油、食塩など)、乳化剤、糖類、高甘味度甘味料(スクラロース、ソーマチン、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビアなど)、果汁、酸味料、香辛料、化学調味料等や、香料、着色料、保存料、日持ち向上剤、酸化防止剤などを挙げることができる。
更には、油脂として、植物油脂あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交換油脂、動物油脂等の中から一種又は二種以上を併用することができる。植物油脂の例としては、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、米油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、パーム油、パーム核油及びヤシ油を挙げることができる。
乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル(蒸留モノグリセライド、反応モノグリセライド、ジ・トリグリセライド、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等)及び、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ユッカ抽出物、サポニン、ステアロイル乳酸塩(ナトリウムもしくはカルシウム)、ポリソルベート及び大豆レシチン、卵黄レシチン、酵素処理レシチン等を挙げることができる。また、ビタミン、カルシウム、鉄、DHAの栄養剤等を併用することも可能である。
更には、ゴマ以外の固形物を分散させても良い。分散させる固形物としては、スパイス、ハーブ、コショウ、ガーリック、乾燥こんにゃく加工品、抹茶、緑茶などの粉末茶、リンゴなどの果実やダイコン、ショウガ、タマネギなどの野菜のカット品、おろし、ピューレ、パルプ、さのうなどや、カットゼリーなど特に限定されない。これらから選ばれる1種以上を使用することが出来る。
本発明のゴマを含有する液体調味料の製造方法としては、前記の本発明にかかる多糖類を使用する以外は常法により製造することができる。例えば、ウェランガム又はウェランガムと多糖類の組合せ、及びその他の粉末原料を水に添加して攪拌溶解した後、食酢、調味料などを添加し、更に攪拌混合した後、ホモミキサーなどの攪拌機を使用して油脂と前記溶液とを混合して、乳化を行い、脱気後、容器充填する方法などを挙げることができる。撹拌は減圧下で行うことも可能である。溶解や殺菌の目的で加熱しても良い。
尚、本発明で用いるウェランガム又はウェランガムと多糖類を組み合わせた安定剤は、ゴマを含有する液体調味料の種類に応じて適宜その添加量を調整して使用することができる。また、必要に応じて他の多糖類との併用も、本発明の効果を妨げない範囲であれば任意で行うこともできる。
以下、本発明の内容を以下の実験例および実施例で具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り単位は質量部とし、文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を示す。
実験例1 ゴマだれ(結晶セルロース併用)
次の処方に基づき、ゴマだれを調製した。使用した安定剤とその添加量については、表1に示す。また、安定剤単独添加と結晶セルロース(MCCと略す。旭化成ケミカルズ社 セオラスRC−N30)併用による試験を行った。得られたゴマだれの粘度と下隙を測定し、食感評価の結果を併せて表1に示す。
<処方>
1 果糖ぶどう糖液糖 25.0
2 うすくち醤油 12.0
3 練りゴマ 10.0
4 すりゴマ 4.0
5 食塩 2.0
6 醸造酢(酸度10) 4.0
7 酵素分解レシチン 0.1
(辻製油社 SLPホワイトリゾ)
8 安定剤 表1参照
イオン交換水にて全量 100.0部
<調製方法>
1) 室温のイオン交換水に7と8を加え、ホモミキサーにて6,000rpm、5分間撹拌溶解した。
2) 1〜6を加え、さらに6,000rpmにて5分間撹拌した。
3) 90℃まで加熱し、スクリュー瓶容器にホットパック充填した。

・粘度測定条件:B型回転粘度計、20℃、60rpm、ローター2
・下隙は、37℃、7週間保存後に容器底部に生じた層の厚さを測定した。
<評価>
安定剤としてキサンタンガムを単独で使用した場合(比較例1、2)、ゲル化が生じていた。
ウェランガムを単独で安定剤として使用した場合、0.05部添加(実施例1)で、ゴマ由来成分のゲル化を抑制する安定化効果が認められ、3mmの下隙が生じたものの粘度も適度なものとなっていた。ウェランガム0.1部添加(比較例3)では、完全にゲル化した。
キサンタンガム0.1部添加の調味料において、併用する結晶セルロース(MCC)の添加量を0.3部とした場合ではゲル化していた(比較例4)。さらにMCCの添加量を増やした比較例5では、ゲル化を抑制できたもののMCCに由来するざらついた食感となり、液状調味料としては好ましいものではなかった。一方、ウェランガムとMCCを併用した場合(実施例2、3)では、ゲル化することなく適度な粘度が付与された、下隙のない均一な調味料が得られていた。
ウェランガムを単独で使用した場合では、わずかな下隙(実施例1)やゲル化(比較例3)を生じていた。しかし、MCCと併用することで、ウェランガムの添加量をキサンタンガムのものよりも少なくした場合(実施例2)でも、比較例5と同程度の安定性を示していた。キサンタンガムと同量のウェランガムを添加した実施例3では、ゲル化を生じず比較例5と同程度の安定性を示していた。しかし、キサンタンガムを使用した比較例5では、ぬめりを感じ、液状調味料としては好ましくない食感となっていた。
実験例2 ゴマだれ(発酵セルロース複合体併用)
実験例1の処方において併用する安定剤として使用したMCCに代えて、発酵セルロース複合体(サンアーティスト※PG*)を使用したゴマだれを、実験例1と同様の手順にて調製した。使用した安定剤(キサンタンガム、ウェランガム)の添加量と、併用した発酵セルロース複合体の添加量について、表2に示す。得られたゴマだれの粘度と下隙(測定方法は実験例1と同じ)を測定し、同じく表2に示す。
<評価>
キサンタンガムを使用し発酵セルロース複合体を併用したゴマだれ(比較例6、7)はゲル化してしまったが、ウェランガムを使用し発酵セルロース複合体を併用した実施例4及び5のゴマだれでは、ゲル化せず好適な粘度を保ち、下隙も生じなかった。
実験例3 ゴマだれ(練りゴマ高含量ゴマだれ)
続いて、練りゴマ含量を高く設定したゴマだれを調製し、その安定性について評価を行った。実験例1の練りゴマの添加量を倍の20部とし、すりゴマの添加量を0部として、実験例1と同じ手順でゴマだれを調製した。使用した安定剤(キサンタンガム、ウェランガム)の添加量と、併用したMCCの添加量、並びに得られたゴマだれの粘度と下隙(測定方法は、実験例1と同じ)を測定したものを表3に示す。
<評価>
キサンタンガムとMCCを併用したゴマだれ(比較例8、9)では、練りゴマの含量が高くなった場合においてもゲル化していた。一方のウェランガムとMCCを併用したゴマだれ(実施例6、7)では、練りゴマの含量が高くなることで多少の粘度の上昇は生じたものの、ゲル化や下隙を生じない安定な練りゴマ高含有ゴマだれを調製できた。
実験例4 ゴマだれ(すりゴマのみ)
次の処方に従い、すりゴマのみを用いたゴマだれを調製した。添加した安定剤の種類と添加量は、表4に示す。得られたゴマだれのすりゴマの状態(沈殿・浮上の有無)とゲル化物の有無、及び食感を評価した。その結果も表4に示す。
<処方>
1 すりゴマ 15.0
2 砂糖 12.0
3 うすくち醤油 10.0
4 醸造酢(酸度10) 7.0
5 食塩 2.0
6 グルタミン酸ナトリウム 0.3
7 調味料(サンライク※カツオM*) 0.2
8 甘味料(サンスイート※SA−8020*) 0.02
9 安定剤 下表参照
イオン交換水にて全量 100.0部
<調製方法>
1)80℃の交換水に9を加え、プロペラ撹拌機を用いて10分間撹拌溶解した。
2)その他の原料1〜8を加え、さらに5分間撹拌した。
3)90℃まで加熱し、スクリュー瓶容器にホットパック充填した。

食感評価法
○:粘りやぬめりが気にならず、好ましい食感
△:やや粘り・ぬめりが感じられるが、食感として許容できる
×:粘り・ぬめりが強く、好ましくない食感
<結果>
表4に記載の通り、ウェランガムを添加した実施例8〜11では、すりゴマの浮上や沈殿を生じず、ゲル化物の発生もない食感の良いゴマだれを得ることができた。ウェランガムとネイティブ型ジェランガムを併用したゴマダレ(実施例11)は、すりゴマの浮上や沈殿もゲル状物も生じず、食感の良いものとなっていた。ウェランガムの添加量を0.02部とした比較例16では、すりゴマの沈殿・浮上を認め、効果が不十分であることがわかった。また、ウェランガムの添加量を0.8部とした比較例17では、粘度が高くなりすぎたため流動性が失われ、食感も悪いものとなっていた。
一方のキサンタンガムを添加したゴマだれ(比較例10〜13)では、すりゴマの浮上や沈殿を生じ、それを抑えるためにキサンタンガムの添加量を増やすと、ゲル化物を生じ食感が悪化した。また、ネイティブ型ジェランガムを使用したゴマだれ(比較例14、15)では、添加量が少ないもの(比較例14 添加量0.05部)では、すりゴマが不安定となり、添加量を増やす(比較例15 添加量0.1部)とゲル化物が生じていた。
実験例5 ゴマだれ(乳化液状調味料)
次の処方に基づき、乳化液状タイプのゴマだれを調製した。添加した安定剤の種類と添加量を表5に示す。得られたゴマだれの下隙の発生の有無(下隙は調製後37℃1週間保存後に確認)、ゲル化物の有無及び食感について評価を行い、結果を表5に示す。
<処方>
1 サラダ油 30.0
2 うすくち醤油 12.0
3 砂糖 8.0
4 醸造酢(酸度10) 5.0
5 練りゴマ 5.0
6 すりゴマ 3.0
7 卵黄 2.0
8 食塩 2.0
9 調味料(サンライク※シイタケM*) 0.5
10 グルタミン酸ナトリウム 0.3
11 安定剤 下表参照
イオン交換水にて全量 100.0部
<調製方法>
1) 80℃の交換水に11を加え、プロペラ撹拌機を用いて10分間撹拌溶解した。
2) 1のサラダ油以外の各種調味料2〜10を加え、さらに5分間撹拌した。
3) 1を少量ずつ加えながらホモミキサーにて8,000rpm、5分間撹拌し乳化させた。
4) 90℃まで加熱し、スクリュー瓶容器にホットパック充填した。

食感評価法
○:粘りやぬめりが気にならず、好ましい食感
△:やや粘り・ぬめりが感じられるが、食感として許容できる
×:粘り・ぬめりが強く、好ましくない食感
<結果>
ウェランガムを添加した実施例12〜14において、実施例12では3mmの下隙を生じたもののゲル化物を生じず、実施例13においても食感の良い乳化タイプのゴマだれが得られた。また、微結晶セルロースと併用した実施例14においても、安定なゴマだれが得られた。
一方、ネイティブ型ジェランガムを単独で添加したゴマだれでは、添加量が0.03部の比較例18では下隙を10mm生じており、添加量が0.08部の比較例19ではゲル化し食感も悪くなっていた。
実験例6 ゴマだれ(併用するMCCの添加量を変化させた場合の検証)
次の処方に基づき、ウェランガムと併用するMCCの添加量を変化させたゴマだれを調製した。添加した安定剤の種類と添加量を表6〜7に示す。得られたゴマだれの粘度と下隙を、実施例1と同様の方法にて測定した。結果を表6〜7に示す。
<調製方法>
1)処方中の1〜6を予め撹拌混合した。
2)水に7と8〜10を入れ、ホモミキサーにて6,000rpmで5分間撹拌した。
3)1)で調製した調味液を2)に入れ、さらに5分間撹拌した。
4)3)の液を90℃まで加熱し、達温にて容器にホットパック充填した。
<結果>
キサンタンガム0.1部に微結晶セルロースを併用した比較例20〜23において、併用する微結晶セルロースの添加量を0.5部まで増やしてもゲル化物が生じており、下隙の測定も不可能であった。さらに微結晶セルロースの添加量を1.0部とした比較例23では、ゲル化も生じず適度な粘度が付与されていたが、キサンタンガム特有のぬめりを感じ、かつ微結晶セルロース由来の粉っぽさを感じる食感となっていた。
対してウェランガムに微結晶セルロースを併用した実施例15〜22では、ウェランガム0.1部の添加であれば、微結晶セルロースの添加量が0.2部でもゲル化が抑制でき(実施例15)、かつゴマダレの分離を生じず、安定性をも付与できることがわかった。また、ウェランガムの添加量を0.15部に増やしても安定なゴマだれを得ることができた。これらいずれの実施例のゴマだれも、ぬめりを感じることなく口どけの良い食感であり、比較例23のような粉っぽさを感じることはなかった。

Claims (2)

  1. ウェランガムを含有させB型回転粘度計を用いて、20℃、60rpmの条件下で測定した粘度が100〜2500mPa・sの範囲となるように調整することを特徴とする、練りゴマを含有する液体調味料の食感を改良する方法
  2. ウェランガムに加え、結晶セルロース、微結晶セルロース、発酵セルロース複合体及びネイティブ型ジェランガムからなる群より選択される一種以上を添加するものである請求項記載の液体調味料の食感を改良する方法
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