JP7240249B2 - 半固体状水中油滴型乳化食品およびその製造方法 - Google Patents

半固体状水中油滴型乳化食品およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、未加熱時にはマヨネーズ様の物性でありながら、加熱処理により伸展性・曳糸性を発揮する半固体状水中油滴型乳化食品およびその製造方法に関する。
マヨネーズやマヨネーズ様食品である半固体状水中油滴型乳化食品は、多様な食品に使用されており、例えば惣菜パンにはトッピングやスプレッドとしてパン生地に塗布・トッピングしたり、フィリングとして内包させた後、オーブン等で焼成や、電子レンジで再加熱される。しかしながら、マヨネーズやマヨネーズ様食品である半固体状水中油滴型乳化食品は加熱処理により油相分離を生じやすく、これを防止し、耐熱性を付与するためにホスホリパーゼ処理した卵黄や乳化澱粉が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、ピザ類や総菜パンには、チーズがトッピングされたり、内包されることがあるが、これらチーズは加熱により、溶け伸び、見た目にもインパクトを与え、食欲をそそる。チーズに溶け伸びといった伸展性・曳糸性を付与するために、タピオカまたは馬鈴薯由来のヒドロキシプロピル化澱粉を用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、マヨネーズ様食品に関する技術としては、柔軟性や伸展性を付与して利便性・作業性を向上させるために、DE2~5の馬鈴薯由来のデキストリンと増粘多糖類を併用することが知られている(例えば、特許文献3参照)。また、マヨネーズ様食品の低カロリー化を実現するために、油脂を使用せず、油脂代替原料として特定の加熱糊化型澱粉、水あめを用いてマヨネーズ様のテクスチャーを付与することも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、溶け伸びといった伸展性・曳糸性を有するマヨネーズまたはマヨネーズ様食品は全く知られていない。例え、伸展性・曳糸性を有するマヨネーズまたはマヨネーズ様食品を開発したとしても、マヨネーズまたはマヨネーズ様食品を総菜パンやピザ類にトッピングしたり、ハンバーグなどに内包させようとすると、その伸展性・曳糸性により作業性が極めて悪化するという問題が生じると考えられる。このため、伸展性・曳糸性を有するマヨネーズまたはマヨネーズ様食品は開発されていない。一方で、食品の製造工程で作業性に問題がなく、且つ喫食時に伸展性・曳糸性を有するマヨネーズまたはマヨネーズ様食品が開発されれば、目新しさ・インパクト、新たな嗜好性を求める消費者のニーズをつかみ、総菜パンやピザ類などのベーカリーだけでなく、ハンバーグなどの総菜類にこれまでにない特長・付加価値を付与することができると考えられる。
したがって、未加熱時にはマヨネーズ様の物性でありながら、加熱処理により伸展性・曳糸性を発揮し、冷めても伸展性・曳糸性に優れ、しかも保形性や食感に優れる半固体状水中油滴型乳化食品およびその製造方法の速やかな提供が強く求められている。
特許第3443399号公報 特開2014-108055号公報 特開2011-24529号公報 特開2010-57375号公報
本発明は、このような要望に応え、現状を打破し、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、未加熱時にはマヨネーズ様の物性でありながら、加熱処理により伸展性・曳糸性を発揮し、冷めても伸展性・曳糸性に優れ、しかも保形性や食感に優れる半固体状水中油滴型乳化食品およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、特定量の(A)未糊化の澱粉若しくは未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩を除く)をα化(糊化)せずに、特定量の(B)オクテニルコハク酸澱粉またはその塩、特定量の(C)食用油および特定量の(D)水分と配合することにより、未加熱時にはマヨネーズ様の物性でありながら、加熱処理により伸展性・曳糸性を発揮し、冷めても伸展性・曳糸性に優れ、しかも保形性や食感に優れる半固体状水中油滴型乳化食品とすることができることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)未糊化の澱粉若しくは未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩以外を除く)1~10質量%;
(B)オクテニルコハク酸澱粉またはその塩0.1~10質量%;
(C)食用油10~60質量%;および
(D)水分20~70質量%を含有することを特徴とする半固体状水中油滴型乳化食品である。
<2> 前記(A)成分が、タピオカまたは馬鈴薯由来のものである前記<1>に記載の半固体状水中油滴型乳化食品である。
<3> さらに(E)α化加工澱粉0.1~5質量%を含有する前記<1>または<2>に記載の半固体状水中油滴型乳化食品である。
<4> さらに(F)水飴および/またはデキストリン0.5~20質量%を含有する前記<1>~<3>のいずれかに記載の半固体状水中油滴型乳化食品である。
<5> さらに(G)増粘多糖類0.05~3質量%を含有する前記<1>~<4>のいずれかに記載の半固体状水中油滴型乳化食品である。
<6> 前記(G)成分が、キサンタンガム、タマリンドシードガムおよびグアーガムからなる群から選択される少なくとも1種を含む前記<5>に記載の半固体状水中油滴型乳化食品である。
<7> (H)卵黄成分の含有量が1質量%未満である前記<1>~<6>のいずれかに記載の半固体状水中油滴型乳化食品である。
<8> マヨネーズ様調味料である前記<1>~<7>のいずれかに記載の半固体状水中油滴型乳化食品である。
<9> (A)未糊化の澱粉若しくは未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩を除く)1~10質量%;
(B)オクテニルコハク酸澱粉またはその塩0.1~10質量%;
(C)食用油10~60質量%;および
(D)水分20~70質量%を含有する原料を乳化処理することを含むことを特徴とする半固体状水中油滴型乳化食品の製造方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、未加熱時にはマヨネーズ様の物性でありながら、加熱処理により伸展性・曳糸性を発揮し、冷めても伸展性・曳糸性に優れ、しかも保形性や食感に優れる半固体状水中油滴型乳化食品およびその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の半固体状水中油滴型乳化食品の一態様である試験例1におけるマヨネーズ様調味料1の加熱前の状態を表す図である。 図2は、本発明の半固体状水中油滴型乳化食品の一態様である試験例1におけるマヨネーズ様調味料1の加熱後の状態を表す図である。 図3は、本発明の半固体状水中油滴型乳化食品の一態様である試験例1におけるマヨネーズ様調味料1の加熱後の状態を表す図である。
(半固体状水中油滴型乳化食品)
本発明の半固体状水中油滴型乳化食品は、(A)未糊化の澱粉若しくは未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩を除く)と、(B)オクテニルコハク酸澱粉またはその塩と、(C)食用油と、(D)水分とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<(A)未糊化の澱粉若しくは未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩を除く)>
前記(A)未糊化の澱粉若しくは未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩を除く)(以下、「(A)成分」と称することがある。)としては、特に制限はなく、適宜選択することができ。例えば、未糊化の澱粉としては、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、甘藷澱粉等;未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩を除く)としては、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、甘藷澱粉等に、エーテル化、エステル化、リン酸架橋エーテル化等の加工処理を施した加工澱粉類;であって、糊化ないしα化していない澱粉類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より伸展性・曵糸性が優れるという観点から、タピオカまたは馬鈴薯由来の澱粉が好ましく、老化を起こしにくいという観点から、エーテル化澱粉がより好ましく、ヒドロキシプロピル化澱粉がさらに好ましく、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉、ヒドロキシプロピル化馬鈴薯澱粉が特に好ましい。
通常、半固体状水中油滴型乳化食品の原料として澱粉類を含有させる場合には、α化処理により冷水膨潤する澱粉が使用されるが、本発明の場合には、未糊化の状態で配合・含有させ、半固体状水中油滴型乳化食品をパン生地等に塗布・トッピングしたり、フィリングとして内包させた後、オーブン等で焼成や、電子レンジで加熱される過程でα化(糊化)し、これにより伸展性・曳糸性を発揮させることを特徴とする。
前記(A)成分は、市販品を適宜使用することができる。
前記(A)成分の半固体状水中油滴型乳化食品における含有量としては、1~10質量%であれば、特に制限はなく、適宜選択することができるが、2~8質量%が好ましい。前記(A)成分の含有量が1質量%未満であると、半固体状水中油滴型乳化食品に十分な伸展性・曳糸性が付与されず、10質量%を超えて含有させると、却って保形性や食感に悪影響が生じたり、加熱処理により油相分離を起こすおそれがある。
<(B)オクテニルコハク酸澱粉またはその塩>
前記(B)オクテニルコハク酸澱粉またはその塩(以下、「(B)成分」と称することがある。)としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、または甘藷澱粉にオクテニルコハク酸化処理を施した澱粉またはその塩が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。これらの中でも、乳化力、乳化安定性が高いという観点から、オクテニルコハク酸ワキシーコーンスターチまたはその塩(例えばナトリウム塩)が好ましい。
前記(B)成分は、市販品を適宜使用することができる。
前記(B)成分の半固体状水中油滴型乳化食品における含有量としては、0.1~10質量%であれば、特に制限はなく、適宜選択することができるが、0.5~7質量%が好ましい。前記(B)成分の含有量が0.1質量%未満であると、半固体状水中油滴型乳化食品の離水や解乳化が生じるおそれがあり、10質量%を超えて含有させると、却って食感に悪影響を及ぼすおそれがある。
<(C)食用油>
前記(C)食用油(以下、「(C)成分」と称することがある。)としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、大豆油、菜種油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、綿実油、コーン油、ひまわり油、米油、ゴマ油、牛脂、ラード、サフラワー油、紅花油、グレープシード油、オリーブ油、落花生油、クルミ油、カカオ脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、不飽和脂肪酸が多く解乳化を起こしにくい点で、大豆油、菜種油が好ましく、大豆油がより好ましい。
前記(C)成分は、市販品を適宜使用することができる。
前記(C)成分の半固体状水中油滴型乳化食品における含有量としては、10~60質量%であれば、特に制限はなく、適宜選択することができるが、20~50質量%が好ましい。前記(C)成分の含有量が好ましい範囲内であると、食感が良好であり、伸展性・曳糸性がより優れる点で、有利である。
<(D)水分>
前記(D)水分(以下、「(D)成分」と称することがある。)の半固体状水中油滴型乳化食品における含有量としては、半固体状水中油滴型乳化食品に伸展性・曳糸性を付与するために、20~70質量%であれば、特に制限はなく、適宜選択することができるが、30~60質量%が好ましい。前記好ましい範囲内であると、半固体状水中油滴型乳化食品により優れた伸展性・曳糸性を付与することができる点で、有利である。
<その他の成分>
前記半固体状水中油滴型乳化食品におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、(E)α化加工澱粉、(F)水飴および/またはデキストリン、(G)増粘多糖類、(H)卵黄成分や、従来の半固体状水中油滴型乳化食品に用いられている成分や食品に用いることができる成分を適宜選択することができ、水相を構成する原料としては、例えば、食酢;食塩、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等の調味料;砂糖、ぶどう糖、果糖、ぶどう糖果糖液糖等の糖類;果汁類;香辛料;着香料などが挙げられ、油相を構成する原料としては、例えば、親油性のある着香料、香辛料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。さらにからしやマスタード、チーズ等の風味付けを行ってもよい。
前記その他の成分は、公知の方法により調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分の半固体状水中油滴型乳化食品における含有量としては、特に制限はなく、適宜選択することができる。
<<(E)α化加工澱粉>>
本発明の半固体状水中油滴型乳化食品には、加熱処理前の保形性を付与するために、さらに前記(E)α化加工澱粉(以下、「(E)成分」と称することがある。)を含有させることが好ましい。
前記(E)成分としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、甘藷澱粉などの各種に、エーテル化、エステル化、エーテル化リン酸架橋等の加工処理を施した加工澱粉類であって、糊化ないしα化した澱粉類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、老化を起こしにくいという観点から、α化エーテル化澱粉、α化エーテル化リン酸架橋澱粉が好ましく、α化ヒドロキシプロピル化リン酸澱粉がより好ましい。また、澱粉の種類としては、ワキシーコーンスターチがより好ましい。
前記(E)成分は、市販品を適宜使用することができる。
前記(E)成分の半固体状水中油滴型乳化食品における含有量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、0.1~5質量%が好ましい。
<<(F)水飴および/またはデキストリン>>
本発明の半固体状水中油滴型乳化食品には、半固体状水中油滴型乳化食品の伸展性・曳糸性を向上させるために、さらに前記(F)水飴および/またはデキストリン(以下、「(F)成分」と称することがある。)を含有させることが好ましい。
前記水飴としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、通常DE値が20以上のものであり、25~55のものが好ましい。
前記デキストリンとしては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、通常DE値が10以下のものであり、5~10のものが好ましく、7~9のものがより好ましい。
前記(F)成分は、いずれか一方だけを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(F)成分は、市販品を適宜使用することができる。
前記(F)成分の半固体状水中油滴型乳化食品における含有量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、0.5~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましい。前記(F)成分の含有量が0.5質量%未満であると、半固体状水中油滴型乳化食品の伸展性・曳糸性が低く、20質量%を超えて含有させると、却って保形性や食味に悪影響が生じるおそれがある。
<<(G)増粘多糖類>>
本発明の半固体状水中油滴型乳化食品には、加熱処理前の保形性を付与するために、さらに前記(G)増粘多糖類(以下、「(G)成分」と称することがある。)を含有させることが好ましい。
前記(G)成分としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、キサンタンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、タラガム、アルギン酸エステル(「アルギン酸プロピレングリコールエステル」と称することもある。)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、キサンタンガム、タマリンドシードガムおよびグアーガムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記(G)成分は、市販品を適宜使用することができる。
前記(G)成分の半固体状水中油滴型乳化食品における含有量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、0.05~3質量%が好ましく、0.1~2質量%がより好ましい。
<<(H)卵黄成分>>
本発明の半固体状水中油滴型乳化食品には、さらに前記(H)卵黄成分(以下、「(H)成分」と称することがある。)を含有させてもよいが、半固体状水中油滴型乳化食品における含有量としては、1質量%未満が好ましく、0.5質量%未満がより好ましい。卵黄成分を前記範囲を超えて含有させると、半固体状水中油滴型乳化食品の伸展性・曳糸性に悪影響が生じるおそれがある。
前記(H)成分としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、生卵黄;生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、濾過処理、乾燥処理、酵素処理、脱糖処理、脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理などのうちの1種類以上の処理を施したものなどが挙げられる。前記(H)成分を使用する場合、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(H)成分は、公知の方法により調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
<態様>
前記半固体状水中油滴型乳化食品の態様としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、マヨネーズ様調味料、ドレッシング類などが好適に挙げられる。
本発明の半固体状水中油滴型乳化食品は、未加熱時にはマヨネーズ様の物性でありながら、加熱処理により伸展性・曳糸性を発揮し、冷めても伸展性・曳糸性に優れ、しかも保形性や食感に優れる。また、耐熱性に優れ、加熱調理しても解乳化が生じることがない。
本発明の半固体状水中油滴型乳化食品を製造する方法としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、本発明の半固体状水中油滴型乳化食品の製造方法により、好適に製造することができる。
(半固体状水中油滴型乳化食品の製造方法)
本発明の半固体状水中油滴型乳化食品の製造方法は、原料を乳化処理することを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
前記原料は、(A)未糊化の澱粉若しくは未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩を除く)1~10質量%と、(B)オクテニルコハク酸澱粉またはその塩0.1~10質量%と、(C)食用油10~60質量%と、(D)水分20~70質量%とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分およびその他の成分は、上記した本発明の半固体状水中油滴型乳化食品の項目に記載の各成分と同様であり、好ましい態様も同様である。
前記乳化処理の方法としては、原料を乳化できる限り、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、原料を水に溶解又は分散させ、これに油相を添加しながら撹拌し、乳化する方法などが挙げられる。
前記撹拌の方法としては、特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができ、例えば、ホモミキサー、コロイドミルなどが挙げられる。
前記撹拌の条件としても、特に制限はなく、適宜選択することができる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の半固体状水中油滴型乳化食品の製造方法によれば、未加熱時にはマヨネーズ様の物性でありながら、加熱処理により伸展性・曳糸性を発揮し、冷めても伸展性・曳糸性に優れ、しかも保形性や食感に優れる半固体状水中油滴型乳化食品を効率よく製造することができる。
以下、試験例を示して本発明を説明するが、本発明はこれらの試験例に何ら限定されるものではない。
(試験例1)
<半固体状水中油滴型乳化食品の製造>
下記の表1~4に記載の水及び食用油以外の各成分を水に溶解又は分散し、これに食用油を加え、全量1,000gの混合物を得た。ついで、当該混合物をホモミクサーMARK II 2.5型(プライミクス株式会社製)により撹拌(4,000~6,000rpm)し、半固体状水中油滴型乳化食品であるマヨネーズ様調味料1~13を得た。
なお、下記の表1~4に記載の成分のうち、「未糊化の加工澱粉」(馬鈴薯由来・タピオカ由来)は「ヒドロキシプロピル化澱粉」を用い、「オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム」は「オクテニルコハク酸ワキシーコンスターチナトリウム」を用い、「α化加工澱粉」は「α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉」を用いた。
<評価>
上記で得られた各半固体状水中油滴型乳化食品10gをデポジッタによりホイロ済みロールパン生地(生地質量60g)にトッピングし、オーブンで180℃、8分間焼成した。
トッピング時の作業性(保形性)と、焼成直後および室温で2時間置いて放冷した後に、以下の基準により、半固体状水中油滴型乳化食品の伸展性・曳糸性および食感を評価した。なお、評価は10人のパネルにより行ない、最も多い評価結果を表1~4に示した。また、伸展性・曳糸性はパンに切れ目を入れ、手で千切ったときの半固体状水中油滴型乳化食品の伸び・曳糸性を評価した。なお、油が分離したものは、「分離」と記載した。
-作業性(保形性)-
◎ : 伸展性・粘りがなく作業性が良好である。
○ : 伸展性・粘りが認められるが、作業性は許容範囲内である。
△ : 伸展性・粘りがややあり、作業性にやや劣る。
× : 伸展性・粘りがあり作業性に劣る。
-伸展性・曳糸性-
◎ : 焼成直後から放冷後まで伸展性・曳糸性に優れる。
○ : 焼成直後から放冷後まで伸展性・曳糸性がある。
△ : 焼成直後でも伸展性・曳糸性がやや劣る。
× : 焼成直後でも伸展性・曳糸性がない。
-食感-
◎ : 食感が非常に良好である。
○ : 食感が良好である。
△ : 食感がやや劣る。
× : 食感が悪い。
Figure 0007240249000001
Figure 0007240249000002
Figure 0007240249000003
Figure 0007240249000004
表1~4に示したように、(A)未糊化の澱粉若しくは未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩を除く)1~10質量%;(B)オクテニルコハク酸澱粉またはその塩0.1~10質量%;(C)食用油10~60質量%;および(D)水分20~70質量%を含有する半固体状水中油滴型乳化食品であるマヨネーズ様調味料の中でも1、4~6および11は、未加熱時にはマヨネーズ様の物性でありながら、加熱処理により伸展性・曳糸性を発揮し、冷めても伸展性・曳糸性に優れ、しかも保形性や食感に優れることが確認された。
本発明の半固体状水中油滴型乳化食品の一態様である前記マヨネーズ様調味料1について、加熱前の状態を図1、90℃で5分間加熱後の状態を図2、食パンにトッピングし、オーブンで180℃、8分間焼成した後の状態を図3に示す。これらの図からも、本発明の半固体状水中油滴型乳化食品が、未加熱時にはマヨネーズ様の物性でありながら、加熱処理により伸展性・曳糸性を発揮し、冷めても伸展性・曳糸性に優れるものであることが確認された。

Claims (7)

  1. (A)未糊化の澱粉若しくは未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩を除く)1~10質量%;
    (B)オクテニルコハク酸澱粉またはその塩0.1~10質量%;
    (C)食用油10~60質量%
    D)水分20~70質量%
    (E)α化加工澱粉0.1~5質量%;および
    (G)増粘多糖類0.05~3質量%を含有することを特徴とする半固体状水中油滴型乳化食品。
  2. 前記(A)成分が、タピオカまたは馬鈴薯由来のものである請求項1に記載の半固体状水中油滴型乳化食品。
  3. さらに(F)水飴および/またはデキストリン0.5~20質量%を含有する請求項1または2に記載の半固体状水中油滴型乳化食品。
  4. 前記(G)成分が、キサンタンガム、タマリンドシードガムおよびグアーガムからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1~3のいずれかに記載の半固体状水中油滴型乳化食品。
  5. (H)卵黄成分の含有量が1質量%未満である請求項1~4のいずれかに記載の半固体状水中油滴型乳化食品。
  6. マヨネーズ様調味料である請求項1~5のいずれかに記載の半固体状水中油滴型乳化食品。
  7. (A)未糊化の澱粉若しくは未糊化の加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉またはその塩を除く)1~10質量%;
    (B)オクテニルコハク酸澱粉またはその塩0.1~10質量%;
    (C)食用油10~60質量%;
    (D)水分20~70質量%;
    (E)α化加工澱粉0.1~5質量%;および
    (G)増粘多糖類0.05~3質量%を含有する原料を乳化処理することを含むことを特徴とする半固体状水中油滴型乳化食品の製造方法。
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