JPWO2013047296A1 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

低温定着性、耐オフセット性及び耐熱保存性に優れる静電荷像現像用トナーを提供する。結着樹脂、着色剤、及び軟化剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記軟化剤として、下記一般式(1)で示されるジエステル化合物を前記着色樹脂粒子100質量部に対して1〜15質量部含有し、且つフローテスターにおけるトナーの軟化温度Tsが55〜70℃、流出開始温度Tfbが80〜100℃、及びガラス転移温度が40〜70℃であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。(上記一般式(1)中、R1はエチレン基又はトリメチレン基を示し、R2及びR3は炭素数11〜25の直鎖アルキル基を示し、R2及びR3は互いに独立である。)

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられる静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)に関する。
電子写真においてトナーで可視化された静電潜像を定着するのに加熱ローラを用いる方式が広く採用されている。この方式では、トナーに対し低温定着性に優れること(すなわち、定着下限温度が低いこと)、及び定着温度領域が広いことが望まれている。
加熱ローラへのオフセットが発生する場合には、定着温度領域は、ホットオフセット温度(T)と、定着下限温度(T)との差(T−T)で示される。一般に、分子量の低いポリマーを結着樹脂として用いると、定着下限温度は低くなるが、ホットオフセット温度も低くなり、耐熱保存性も低下する。一方、分子量の高いポリマーを結着樹脂として用いると、ホットオフセット温度は高くなり、保存性も向上するが、逆に定着下限温度が高くなるという問題が発生する。
ホットオフセット温度及び保存性と、定着下限温度とが、互いにトレードオフとなることにより生ずる課題の解決を目的とした技術は、これまでにも知られている。
例えば、特許文献1には、少なくとも結着樹脂、荷電制御剤及びワックス成分を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、当該ワックスのDSC曲線が所定の吸熱ピーク及び半値幅等を有し、且つ、当該ワックスの所定の吸熱ピークに起因するワックス成分が所定のエステルワックスであり、且つ重量平均粒径が所定の範囲内であることを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている。
また、特許文献2には、スチレン重合体又はスチレン共重合体で形成されている結着樹脂、着色剤、極性樹脂及び所定の固体ワックスを含有するトナー粒子を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている。
また、特許文献3には、電子写真用トナーに含有されるワックスであって、炭素数が32〜41の第1カルボン酸エステル化合物と、炭素数が42〜46の第2カルボン酸エステル化合物と、炭素数が47〜62の第3カルボン酸エステル化合物とを、それぞれ所定の割合で含有することを特徴とするトナー用ワックスが開示されている。
特開平10−133412号公報 特開平8−297376号公報 特開2011−133753号公報
しかしながら、特許文献1及び2には、これらの文献に開示された静電荷像現像用トナーが、幅広い温度領域において光沢感を発揮することを示す実験結果は一切ない。また、特許文献2には、当該文献に開示された静電荷像現像用トナーが、優れた保存性を示すことを証明する実験結果は一切ない。さらに、特許文献3には、当該文献に開示されたワックスを用いたトナーが、幅広い温度領域において光沢感を発揮することを示す実験結果は一切ない。
本発明の課題は、低温定着性、耐オフセット性及び耐熱保存性に優れる静電荷像現像用トナーを提供することである。また、広い温度領域で印字物に高いグロス(光沢感)を与えるトナーを提供する。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のジエステル化合物を軟化剤として用い、且つ、トナーの軟化温度Ts、流出開始温度Tfb、及びガラス転移温度をそれぞれ特定の範囲内とすることにより、上記課題が解決できることを見いだした。
即ち、本発明によれば、結着樹脂、着色剤、及び軟化剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記軟化剤として、下記一般式(1)で示されるジエステル化合物を前記着色樹脂粒子100質量部に対して1〜15質量部含有し、且つフローテスターにおけるトナーの軟化温度Tsが55〜70℃、流出開始温度Tfbが80〜100℃、及びガラス転移温度が40〜70℃であることを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供される。
Figure 2013047296
(上記一般式(1)中、Rはエチレン基又はトリメチレン基を示し、R及びRは炭素数11〜25の直鎖アルキル基を示し、R及びRは互いに独立である。)
本発明においては、前記軟化剤として、更にジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物を含有してもよい。
本発明において、前記ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物は下記一般式(2)で示される構造を有していてもよい。
Figure 2013047296
(上記一般式(2)中、R〜Rは炭素数11〜25の直鎖アルキル基を示し、且つ、互いに独立である。)
本発明においては、前記着色樹脂粒子が、湿式法により製造されたものであることが好ましい。
本発明においては、前記ジエステル化合物及び前記ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物の含有比が、ジエステル化合物:ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物=20質量%:80質量%〜80質量%:20質量%であってもよい。
本発明において、前記軟化剤の酸価は、0.01〜2mgKOH/gであることが好ましい。
本発明において、前記軟化剤の水酸基価は、0.1〜15mgKOH/gであることが好ましい。
上記の如き本発明の静電荷像現像用トナーによれば、特定の化学構造を有するジエステル化合物を含み、且つ、特定の範囲の軟化温度Ts、流出開始温度Tfb、及びガラス転移温度を有することにより、優れた耐熱保存性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性を有し、且つ、印刷面を平滑にでき、さらに高いグロス(光沢感)の印字物を与えるトナーが提供される。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤、及び軟化剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記軟化剤として、下記一般式(1)で示されるジエステル化合物を前記着色樹脂粒子100質量部に対して1〜15質量部含有し、且つフローテスターにおけるトナーの軟化温度Tsが55〜70℃、流出開始温度Tfbが80〜100℃、及びガラス転移温度が40〜70℃であることを特徴とする。
Figure 2013047296
(上記一般式(1)中、Rはエチレン基又はトリメチレン基を示し、R及びRは炭素数11〜25の直鎖アルキル基を示し、R及びRは互いに独立である。)
以下、本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)について説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、及び特定の軟化剤、並びに外添剤を含有する。
以下、本発明に用いられる着色樹脂粒子の製造方法、当該製造方法により得られる着色樹脂粒子、当該着色樹脂粒子を用いた本発明のトナーの製造方法及び本発明のトナーについて、順に説明する。
1.着色樹脂粒子の製造方法
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別され、画像再現性等の印字特性に優れたトナーが得られ易いことから湿式法が好ましい。湿式法の中でも、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つトナーを得やすいことから、乳化重合凝集法、及び懸濁重合法等の重合法が好ましく、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
上記乳化重合凝集法は、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子エマルションを得て、着色剤分散液等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する。また、上記溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分を有機溶媒に溶解又は分散した溶液を水系媒体中で液滴形成し、当該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法であり、それぞれ公知の方法を用いることができる。
本発明の着色樹脂粒子は、湿式法、または乾式法を採用して製造することが出来る。湿式法の中でも好ましい懸濁重合法を採用し、以下のようなプロセスにより行われる。
(A)懸濁重合法
(A−1)重合性単量体組成物の調製工程
まず、重合性単量体、着色剤、及び軟化剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いる。
本発明で重合性単量体は、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等のニトリル化合物;アクリルアミド、及びメタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルが、好適に用いられる。
ホットオフセット改善及び保存性改善のために、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の2個以上の水酸基を持つアルコールに炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸が2つ以上エステル結合したエステル化合物;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等の、その他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜2質量部の割合で用いることが望ましい。
また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、得られるトナーの保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマー又はポリマーである。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」と称することがある。)よりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーは、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは0.05〜1質量部用いることが望ましい。
本発明では、着色剤を用いるが、カラートナーを作製する場合、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの着色剤を用いることができる。
ブラック着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等を用いることができる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、その誘導体、及びアントラキノン化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、186、及び213等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントレッド31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、237、238、251、254、255、269及びC.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
本発明では、各着色剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。着色剤の量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部である。
本発明に用いられる着色樹脂粒子は、軟化剤として、上記一般式(1)で示されるジエステル化合物を含有する。
上記一般式(1)中、Rはエチレン基(−CH−CH−)又はトリメチレン基(−CH−CH−CH−)を示し、エチレン基が好ましい。
上記一般式(1)中、R及びRは炭素数11〜25の直鎖アルキル基を示し、且つ、これらR及びRは互いに独立である。したがって、R及びRは同じ基であってもよいし、互いに異なる基であってもよい。R及びRは、低温定着性に優れた(定着下限温度が低い)トナーが得られるとの観点から、好ましくは炭素数13〜21の直鎖アルキル基、より好ましくは炭素数15〜19の直鎖アルキル基である。
上記一般式(1)で示されるジエステル化合物として、具体的には、エチレングリコールジステアレート(R=−C−、R=R=−C1735)、トリメチレングリコールジステアレート(R=−C−、R=R=−C1735)、エチレングリコールアラキジネートステアレート(R=−C−、R=−C1939、R=−C1735)、トリメチレングリコールアラキジネートステアレート(R=−C−、R=−C1939、R=−C1735)、エチレングリコールステアレートパルミテート(R=−C−、R=−C1735、R=−C1531)、トリメチレングリコールステアレートパルミテート(R=−C−、R=−C1735、R=−C1531)、エチレングリコールジミリステート(R=−C−、R=R=−C1327)、トリメチレングリコールジミリステート(R=−C−、R=R=−C1327)、エチレングリコールジペンタデカネート(R=−C−、R=R=−C1429)、トリメチレングリコールジペンタデカネート(R=−C−、R=R=−C1429)、エチレングリコールジパルミテート(R=−C−、R=R=−C1531)、トリメチレングリコールジパルミテート(R=−C−、R=R=−C1531)、エチレングリコールジマルガレート(R=−C−、R=R=−C1633)、トリメチレングリコールジマルガレート(R=−C−、R=R=−C1633)、エチレングリコールジノナデカネート(R=−C−、R=R=−C1837)、トリメチレングリコールジノナデカネート(R=−C−、R=R=−C1837)、エチレングリコールジアラキジネート(R=−C−、R=R=−C1939)、トリメチレングリコールジアラキジネート(R=−C−、R=R=−C1939)、エチレングリコールジベヘネート(R=−C−、R=R=−C2143)、トリメチレングリコールジベヘネート(R=−C−、R=R=−C2143)等が挙げられる。これらのジエステル化合物の中でも、エチレングリコールジステアレート、トリメチレングリコールジステアレートがより好ましい。
本発明に用いられる着色樹脂粒子は、軟化剤として、更にジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物を含有してもよい。本発明に用いられるジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物は、下記一般式(2)に示す構造を有することが好ましい。
Figure 2013047296
(上記一般式(2)中、R〜Rは炭素数11〜25の直鎖アルキル基を示し、且つ、互いに独立である。)
上記一般式(2)中、R〜Rは全て同じ基であってもよいし、一部が互いに同じ基であってもよいし、全て互いに異なる基であってもよい。R〜Rは、低温定着性に優れた(定着下限温度が低い)トナーが得られるとの観点から、好ましくは炭素数13〜21の直鎖アルキル基、より好ましくは炭素数15〜19の直鎖アルキル基である。
上記一般式(2)で示されるジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物として、具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート(R〜R=−C1735)、ジペンタエリスリトールトリアラキジネートトリステアレート(R〜R=−C1939、R〜R=−C1735)、ジペンタエリスリトールトリステアレートトリパルミテート(R〜R=−C1735、R〜R=−C1531)、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート(R〜R=−C1327)、ジペンタエリスリトールヘキサペンタデカネート(R〜R=−C1429)、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート(R〜R=−C1531)、ジペンタエリスリトールヘキサマルガレート(R〜R=−C1633)、ジペンタエリスリトールヘキサノナデカネート(R〜R=−C1837)、ジペンタエリスリトールヘキサアラキジネート(R〜R=−C1939)等が挙げられる。これらのジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物の中でも、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールトリアラキジネートトリステアレート、及びジペンタエリスリトールトリステアレートトリパルミテートがより好ましい。
軟化剤の含有量は、着色樹脂粒子100質量部に対して1〜15質量部である。2種類以上の軟化剤を用いる場合には、着色樹脂粒子100質量部に対して、全ての軟化剤の総含有量が1〜15質量部である。当該含有量が1質量部未満である場合には、軟化剤が少なすぎる結果、低温定着性が悪くなるおそれがある。一方、当該含有量が15質量部を超える場合には、軟化剤が多すぎる結果、保存性が悪くなるおそれがある。
軟化剤の含有量は、着色樹脂粒子100質量部に対して好ましくは3〜13質量部であり、より好ましくは5〜12質量部である。
軟化剤として、ジエステル化合物及びジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物をいずれも含む場合には、ジエステル化合物及びジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物の含有比が、ジエステル化合物:ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物=20質量%:80質量%〜80質量%:20質量%であってもよい。ジエステル化合物の含有比が高くなりすぎると、低温定着性に劣るおそれがある。一方、ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物の含有比が高くなりすぎると、耐ホットオフセット性に劣るおそれがある。
ジエステル化合物及びジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物の含有比は、ジエステル化合物:ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物=40質量%:60質量%〜70質量%:30質量%であることが好ましい。
軟化剤としては、他のエステル化合物を含んでいてもよい。他のエステル化合物としては、具体的には、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラパルミネート、ペンタエリストールテトラステアレート等のペンタエリスリトールエステル化合物;ヘキサグリセリンオクタベヘネート、ペンタグリセリンヘプタベヘネート、テトラグリセリンヘキサベヘネート、トリグリセリンペンタベヘネート、ジグリセリンテトラベヘネート、グリセリントリベヘネート等のグリセリンエステル化合物等が挙げられる。
上記軟化剤の酸価は、0.01〜2mgKOH/gであることが好ましく、0.03〜1mgKOH/gであることがより好ましく、0.05〜0.5mgKOH/gであることがさらに好ましい。なお、軟化剤の酸価は、日本工業規格制定の化学製品の酸価の試験方法を用いて、JIS K 0070に準拠して測定される値である。
上記軟化剤の酸価が、上記上限を超える場合には、当該軟化剤中に未反応の1価の脂肪酸由来のカルボン酸基が残存することから、液滴形成工程において、重合性単量体組成物の液滴を安定して形成することが難しくなり、着色樹脂粒子の粒径特性に悪影響を及ぼし、カブリ等による画質の劣化が起り易くなる他、定着時に揮発性物質の発生を促して臭気の原因になる場合もある。
上記軟化剤の水酸基価は、0.1〜15mgKOH/gであることが好ましく、0.3〜10mgKOH/gであることがより好ましく、0.5〜5.0mgKOH/gであることがさらに好ましく、1.0〜4.0mgKOH/gであることが特に好ましい。なお、軟化剤の水酸基価は、日本工業規格制定の化学製品の水酸基価の試験方法を用いて、JIS K 0070に準拠して測定される値である。
上記軟化剤の水酸基価が、上記上限を超える場合には、当該軟化剤中に未反応の原料由来の水酸基が残存することから、液滴形成工程において、重合性単量体組成物の液滴を安定して形成することが難しくなり、着色樹脂粒子の粒径特性に悪影響を及ぼす場合や、カブリ等による画質の劣化が起り易くなる場合がある。
上記軟化剤の製造方法としては、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル付加反応に代表されるエステル基導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化物とアルコール化合物からの反応、エステル交換反応等が挙げられる。軟化剤の製造には適宜触媒を用いることもできる。触媒としては、エステル化反応に用いる一般の酸性又はアルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物等が好ましい。エステル化反応後、再結晶、蒸留等により目的生成物を精製してもよい。
軟化剤の製造方法の典型例は以下の通りである。なお、本発明に用いられる軟化剤の製造方法は、以下の典型例に限定されない。
まず、反応容器に、原料となるアルコールとカルボン酸を加える。アルコールとカルボン酸のモル比は、目的とする軟化剤の化学構造に合わせて適宜調整する。例えば、ジエステル化合物の場合は、アルコール:カルボン酸=1:2のモル比となるようにアルコールとカルボン酸を混合する。一方、ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物の場合には、ジペンタエリスリトール:カルボン酸=1:6のモル比となるようにジペンタエリスリトールとカルボン酸を混合する。なお、脱水縮合反応における反応性等を考慮して、アルコールとカルボン酸のうちいずれか一方を、上記比より若干過剰に加えてもよい。
次に、混合物を適宜加熱し、脱水縮合反応を行う。脱水縮合反応により得られるエステル化粗生成物に対し、塩基性水溶液、及び適宜有機溶媒を加え、未反応のアルコール及びカルボン酸を脱プロトン化し水相に分離する。あとは、適宜水洗、溶媒留去、及びろ過を行うことにより、所望の軟化剤が得られる。
その他の添加物として、トナーの帯電性を向上させるために、正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。
また、その他の添加物として、重合して結着樹脂となる重合性単量体を重合する際に、分子量調整剤を用いることが好ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いることが望ましい。
(A−2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
本発明では、少なくとも重合性単量体、着色剤、軟化剤を含む重合性単量体組成物を、分散安定剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行う。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(株式会社荏原製作所製、商品名「マイルダー」)、高速乳化分散機(特殊機化工業製、商品名「T.K.ホモミクサー MARK II型」)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩:4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルブタノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久性も優れることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
有機過酸化物の中でも、開始剤効率がよく、残留する重合性単量体も少なくすることができることから、パーオキシエステルが好ましく、非芳香族パーオキシエステルすなわち芳香環を有しないパーオキシエステルがより好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系媒体中へ分散された後、液滴形成前に添加されても良いが、水系媒体中へ分散される前の重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、さらに好ましくは0.3〜15質量部であり、特に好ましくは1〜10質量部である。
本発明において、水系媒体とは、水を主成分とする媒体のことを言う。
本発明において、水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の無機化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機化合物が挙げられる。上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定化剤の中でも、無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドが好ましい。無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることにより、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、また、洗浄後の分散安定化剤残存量を少なくできるため、得られるトナーが画像を鮮明に再現することができ、且つ環境安定性が優れたものとなる。
(A−3)重合工程
上記(A−2)のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散媒体を加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液を形成する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
着色樹脂粒子は、そのまま外添剤を添加して重合トナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(又は、「カプセル型」ともいう)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点を有する物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上述した、上記着色樹脂粒子を用いて、コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等の、Tgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の、過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の、アゾ系開始剤;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100質量部に対して、好ましくは、0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
(A−4)洗浄、ろ過、脱水、及び乾燥工程
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
上記の洗浄の方法としては、分散安定化剤として無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸、又はアルカリの添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定化剤として、難水溶性の無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、着色樹脂粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
脱水、ろ過の方法は、種々の公知の方法等を用いることができ、特に限定されない。例えば、遠心ろ過法、真空ろ過法、加圧ろ過法等を挙げることができる。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。
(B)粉砕法
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行われる。
まず、結着樹脂、着色剤、及び軟化剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、ヘンシェルミキサー(:商品名)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー、フォールバーグ等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラ等を用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機、気流式分級機等の分級機により、所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
なお、粉砕法で用いる結着樹脂、着色剤、及び軟化剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物は、前述の(A)懸濁重合法で挙げたものを用いることができる。また、粉砕法により得られる着色樹脂粒子は、前述の(A)懸濁重合法により得られる着色樹脂粒子と同じく、in situ重合法等の方法によりコアシェル型の着色樹脂粒子とすることもできる。
結着樹脂としては、他にも、従来からトナーに広く用いられている樹脂を使用することができる。粉砕法で用いられる結着樹脂としては、具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂等を例示することができる。
2.着色樹脂粒子
上述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法等の製造方法により、着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は、好ましくは4〜12μmであり、更に好ましくは5〜10μmである。Dvが4μm未満である場合には、重合トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、画像濃度が低下したりする場合がある。Dvが12μmを超える場合には、画像の解像度が低下する場合がある。
また、着色樹脂粒子は、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が、好ましくは1.0〜1.3であり、更に好ましくは1.0〜1.2である。Dv/Dnが1.3を超える場合には、転写性、画像濃度及び解像度の低下が起こる場合がある。着色樹脂粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、粒度分析計(ベックマン・コールター製、商品名「マルチサイザー」)等を用いて測定することができる。
本発明の着色樹脂粒子の平均円形度は、画像再現性の観点から、0.96〜1.00であることが好ましく、0.97〜1.00であることがより好ましく、0.98〜1.00であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が0.96未満の場合、印字の細線再現性が悪くなるおそれがある。
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。
3.本発明のトナーの製造方法
本発明においては、上記着色樹脂粒子を、外添剤と共に混合攪拌して外添処理を行うことにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を付着させて1成分トナー(現像剤)とする。
なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分現像剤としてもよい。
外添処理を行う攪拌機は、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることができる攪拌装置であれば特に限定されず、例えば、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、細川ミクロン社製)、及びメカノミル(:商品名、岡田精工社製)等の混合攪拌が可能な攪拌機を用いて外添処理を行うことができる。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び/又は酸化セリウム等からなる無機微粒子;ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、及び/又はメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、無機微粒子の中でも、シリカ、及び/又は酸化チタンが好ましく、特にシリカからなる微粒子が好適である。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることができる。中でも粒径の異なる2種以上のシリカを併用することが好ましい。
本発明では、外添剤を、着色樹脂粒子100質量部に対して、通常、0.05〜6質量部、好ましくは0.2〜5質量部の割合で用いることが望ましい。外添剤の添加量が0.05質量部未満の場合には転写残が発生することがある。外添剤の添加量が6質量部を超える場合にはカブリが発生することがある。
4.本発明のトナー
本発明のトナーのフローテスターにおける軟化温度Tsは55〜70℃である。フローテスターにおけるトナーの軟化温度Tsが55℃未満である場合には、保存性が悪くなるおそれがある。一方、当該軟化温度Tsが70℃を超える場合には、低温定着性が悪くなる(定着下限温度が高くなる)おそれがある。
本発明のトナーの、フローテスターにおける軟化温度Tsは、好ましくは57〜67℃であり、より好ましくは60〜65℃である。軟化温度Tsは、重合性単量体の組成、重合開始剤の量、分子量調整剤の量により制御できる。
本発明のトナーのフローテスターにおける流出開始温度Tfbは80〜100℃である。フローテスターにおけるトナーの流出開始温度Tfbが80℃未満である場合には、耐ホットオフセット性が悪くなる(ホットオフセット温度が低くなる)おそれがある。一方、当該流出開始温度Tfbが100℃を超える場合には、印刷物のグロス(光沢感)が低くなるおそれがある。
本発明のトナーの、フローテスターにおける流出開始温度Tfbは、好ましくは83〜97℃であり、より好ましくは85〜95℃である。流出開始温度Tfbは、重合性単量体の組成(中でも特に架橋性単量体の量)、重合開始剤の量、分子量調整剤の量により制御できる。
本発明のトナーのガラス転移温度は40〜70℃である。ガラス転移温度が40℃未満である場合には、保存性が悪くなるおそれがある。一方、ガラス転移温度が70℃を超える場合には、低温定着性が悪くなる(定着下限温度が高くなる)おそれがある。
本発明のトナーのガラス転移温度は、好ましくは45〜60℃であり、より好ましくは50〜55℃である。ガラス転移温度は、重合性単量体の組成、重合開始剤の量、分子量調整剤の量により制御できる。
フローテスターにおけるトナーの軟化温度Ts、及び流出開始温度Tfbは、フローテスターを用いて測定した溶融粘度から算出できる。具体的には、まず、フローテスター(島津製作所製、商品名:CFT−500C等)を用いて、所定の開始温度、昇温速度、予熱時間、及び剪断応力の条件下で溶融粘度を測定する。次に、得られた溶融粘度から、トナーの軟化温度Ts、及び流出開始温度Tfbを求めることができる。
トナーのガラス転移温度は、例えば、ASTM D3418−82に準拠して測定できる。具体的には、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製「SSC5200」等)を用いて試料を昇温速度10℃/分で昇温し、その過程で得られたDSC曲線よりガラス転移温度を求めることができる。
本発明のトナーは、特定の化学構造を有するジエステル化合物を含み、且つ、特定範囲の軟化温度Ts、流出開始温度Tfb、及びガラス転移温度を有することにより、優れた耐熱保存性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性を有し、且つ、印刷面を平滑にでき、さらに高いグロス(光沢感)の印字物を与えるトナーである。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
1.軟化剤の作製
[製造例1]
温度計、窒素導入管、攪拌機及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、ステアリン酸312.9g(1.1mol)と、エチレングリコール31g(0.5mol)とを加え、窒素気流下、180℃で反応水を留去しつつ、15時間常圧で反応させた。この反応によって得られたエステル化粗生成物100部に対して、トルエン20部と、エタノール4部とを加え、さらに、前記エステル化粗生成物の酸価の1.5倍当量に相当する量の水酸化カリウムを含む10%水酸化カリウム水溶液を加え、70℃で30分間攪拌した。攪拌後30分間静置した後、エステル相から分離した水相(下層)を除去することによって、前記エステル化粗生成物を水洗した。水相のpHが7になるまで、上記水洗を4回繰り返した。その後、180℃、1kPaの減圧条件下で、水洗されたエステル相から溶媒を留去し、濾過を行い、軟化剤A(エチレングリコールジステアレート)を得た。得られた軟化剤Aの酸価は0.1mgKOH/gであり、水酸基価は2.6mgKOH/gであった。
軟化剤Aの化学構造を下記式(1A)に示す。
Figure 2013047296
[製造例2]
製造例1において、エチレングリコール31gをジペンタエリスリトール43.2g(0.17mol)に変更した以外は、製造例1と同様にして軟化剤B(ジペンタエリスリトールヘキサステアレート)を得た。得られた軟化剤Bの酸価は0.1mgKOH/gであり、水酸基価は3.8mgKOH/gであった。
軟化剤Bの化学構造を下記式(2B)に示す。
Figure 2013047296
[製造例3]
製造例1において、エチレングリコール31gを1,4−ブタンジオール45.1g(0.5mol)に変更した以外は、製造例1と同様にして軟化剤C(1,4−ブタンジオールジステアレート)を得た。得られた軟化剤Cの酸価は0.1mgKOH/gであり、水酸基価は3.2mgKOH/gであった。
軟化剤Cの化学構造を下記式(1C)に示す。
Figure 2013047296
[製造例4]
製造例1において、エチレングリコール31gを1,6−ヘキサンジオール59.1g(0.5mol)に変更した以外は、製造例1と同様にして軟化剤D(1,6−ヘキサンジオールジステアレート)を得た。得られた軟化剤Dの酸価は0.1mgKOH/gであり、水酸基価は3.5mgKOH/gであった。
軟化剤Dの化学構造を下記式(1D)に示す。
Figure 2013047296
[製造例5]
製造例1において、ステアリン酸312.9gをコハク酸118.1g(1mol)、エチレングリコール31gをステアリルアルコール148.7g(0.55mol)に変更した以外は、製造例1と同様にして軟化剤E(ジステアリルスクシナート)を得た。得られた軟化剤Eの酸価は0.1mgKOH/gであり、水酸基価は4.7mgKOH/gであった。
軟化剤Eの化学構造を下記式(1E)に示す。
Figure 2013047296
[製造例6]
製造例1において、ステアリン酸312.9gをベヘン酸374.6g(1.1mol)に変更した以外は、製造例1と同様にして軟化剤F(エチレングリコールジベヘネート)を得た。得られた軟化剤Fの酸価は0.1mgKOH/gであり、水酸基価は3.0mgKOH/gであった。
軟化剤Fの化学構造を下記式(1F)に示す。
Figure 2013047296
2.軟化剤の評価
軟化剤A〜軟化剤F、及び、グリセリンエステル化合物(日本油脂社製、商品名「WEP7」:以下、軟化剤Gと称する場合がある。)について、JIS K 0070に準拠して酸価及び水酸基価を測定した。
軟化剤A〜軟化剤Fの測定結果を、軟化剤の原料と併せて下記表1に示す。なお、軟化剤Gの酸価は0.5mgKOH/gであり、水酸基価は4.8mgKOH/gである。
Figure 2013047296
3.静電荷像現像用トナーの製造
[実施例1]
モノビニル単量体としてスチレン75部及びアクリル酸n−ブチル25部、ブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」)7部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.60部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.0部、及びマクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成社製、商品名「AA6」)0.25部を、メディア型湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行った後、帯電制御剤として正帯電性の帯電制御樹脂(4級アンモニウム基含有スチレン/アクリル共重合体)1部、軟化剤として、製造例1で作製した軟化剤Aを10部、混合して、重合性単量体組成物を得た。
他方、攪拌槽において、室温下で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム7.4部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム4.1部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液(水酸化マグネシウム3.0部)を調製した。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、25℃で、上記重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌し、そこに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製、商品名「パーブチルO」)5部を添加後、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて、15,000rpmの回転数で高剪断攪拌して重合性単量体組成物の液滴形成を行った。
上記により得られた重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、90℃に昇温し、重合反応を開始させた。重合転化率がほぼ100%に達したときに、反応器内にメチルメタクリレート(シェル用重合性単量体)1.5部、及びイオン交換水20部に溶解した2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)(シェル用重合開始剤、和光純薬社製、商品名「VA−086」、水溶性)0.15部を添加した。その後、更に3時間、90℃で維持して、重合を継続した後、水冷して反応を停止し、着色樹脂粒子の水分散液を得た。
上記により得られた着色樹脂粒子の水分散液を、25℃で、攪拌しながら硫酸を滴下し、pHが6.5以下となるまで酸洗浄を行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分にイオン交換水500部を加えて再スラリー化させて、水洗浄処理(洗浄・濾過・脱水)を数回繰り返し行った。次いで、濾過分離を行い、得られた固形分を乾燥機の容器内に入れ、45℃で48時間乾燥を行い、乾燥した着色樹脂粒子を得た。
上記着色樹脂粒子100部に、個数平均一次粒径10nmのシリカ微粒子Aを0.7部、及びアミノ変性シリコーンオイルで疎水化処理された個数平均一次粒径55nmのシリカ微粒子Bを1部添加し、高速攪拌機(三井鉱山社製、商品名「ヘンシェルミキサー」)を用いて、混合し、外添処理を行い、実施例1の静電荷像現像用トナーを製造した。
[実施例2]
実施例1において、軟化剤Aを10部添加する替わりに、軟化剤Aを5部、軟化剤Bを5部添加した他は、実施例1と同様にして、実施例2の静電荷像現像用トナーを製造した。
[実施例3]
実施例1において、軟化剤Aを10部添加する替わりに、軟化剤Aを6.5部、軟化剤Bを3.5部添加した他は、実施例1と同様にして、実施例3の静電荷像現像用トナーを製造した。
[実施例4]
実施例1において、軟化剤Aを10部添加する替わりに、軟化剤Aを5部、グリセリンエステル化合物(軟化剤G)を5部添加した他は、実施例1と同様にして、実施例4の静電荷像現像用トナーを製造した。
[実施例5]
実施例1において、軟化剤Aを10部添加する替わりに、軟化剤Fを5部、軟化剤Bを5部添加した他は、実施例1と同様にして、実施例5の静電荷像現像用トナーを製造した。
[比較例1]
実施例1において、軟化剤Aを10部添加する替わりに、軟化剤Cを10部添加した他は、実施例1と同様にして、比較例1の静電荷像現像用トナーを製造した。
[比較例2]
実施例1において、軟化剤Aを10部添加する替わりに、グリセリンエステル化合物(軟化剤G)を10部添加した他は、実施例1と同様にして、比較例2の静電荷像現像用トナーを製造した。
[比較例3]
実施例1において、軟化剤Aを10部添加する替わりに、軟化剤Cを5部、グリセリンエステル化合物(軟化剤G)を5部添加した他は、実施例1と同様に、比較例3の静電荷像現像用トナーを製造した。
[比較例4]
実施例1において、軟化剤Aを10部添加する替わりに、軟化剤Dを5部、グリセリンエステル化合物(軟化剤G)を5部添加した他は、実施例1と同様にして、比較例4の静電荷像現像用トナーを製造した。
[比較例5]
実施例1において、軟化剤Aを10部添加する替わりに、軟化剤Bを10部添加した他は、実施例1と同様にして、比較例5の静電荷像現像用トナーを製造した。
[比較例6]
実施例1において、軟化剤Aを10部添加する替わりに、軟化剤Eを5部、グリセリンエステル化合物(軟化剤G)を5部添加した他は、実施例1と同様にして、比較例6の静電荷像現像用トナーを製造した。
4.トナー及び着色樹脂粒子の特性評価
上記実施例1〜実施例5、及び比較例1〜比較例5の静電荷像現像用トナー、並びにこれらのトナーの製造に用いた各着色樹脂粒子について特性を調べた。詳細は以下の通りである。なお、比較例6のトナーは、製造時に融着してしまい、トナーとして評価できなかった。
4−1.体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)の測定、並びに粒径分布(Dv/Dn)の算出
着色樹脂粒子を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フイルム社製、商品名「ドライウエル」)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更に専用電解液(ベックマン・コールター社製、商品名「アイソトンII−PC」)を10〜30mL加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名「マルチサイザー」)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII−PC、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を測定し、粒径分布(Dv/Dn)を算出した。測定及び算出結果を下記表2に示す。
4−2.トナーの特性評価
以下の方法により、トナーの軟化温度Ts及び流動開始温度Tfbを測定した。
まず、トナーをフローテスター(島津製作所製、商品名「CFT−500C」)を用いて、下記条件で測定した。
開始温度=35℃、昇温速度=3℃/分、予熱時間=5分、シリンダー圧力=10.0kg・f/cm、ダイ直径=0.5mm、ダイ長さ=1.0mm、剪断応力=2.451×10Pa、試料投入量=1.0〜1.3g。
次に、当該測定結果から、トナーの軟化温度Ts及び流動開始温度Tfbを求めた。算出結果を下記表2に示す。
以下の方法により、トナーのガラス転移温度を測定した。
ASTM D3418−82に準拠して、トナーの最大吸熱ピーク温度を測定した。具体的には、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、商品名「SSC5200」)を用いてトナー試料を昇温速度10℃/分で昇温し、その過程で得られたDSC曲線のガラス転移温度を示す温度を測定した。測定結果を下記表2に示す。
5.着色樹脂粒子及び静電荷像現像用トナーの評価
上記実施例1〜実施例5、並びに、比較例1〜比較例5の静電荷像現像用トナーについて物性を調べた。詳細は以下の通りである。
5−1.保存性の評価
トナー10gを密閉可能な容器(ポリエチレン製、容量:100mL)に加えて密閉した後、当該容器を55℃の温度に保持した恒温水槽の中に沈めた。8時間経過した後、恒温水槽から当該容器を取り出し、容器内のトナーを42メッシュの篩上へ置いた。この際、容器内でのトナーの凝集構造を破壊しないように、容器内からトナーを静かに取り出し、注意深く篩上に移して置くようにした。
トナーを置いた篩を、粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名「パウダテスタPT−R」)を用いて、振幅1mmの条件で、30秒間振動させた後、篩上に残留したトナーの質量を測定し、凝集トナーの質量とした。最初に容器に入れたトナーの質量に対する凝集トナーの質量の割合(質量%)を算出した。
なお、1サンプルにつき上記測定を3回行い、凝集トナーの質量の割合(質量%)を算出し、その平均値を保存性の指標とした。
5−2.最低定着温度、及び耐ホットオフセット温度の測定
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターの定着ロール部の温度を変えられるように改造したプリンターを用い、当該プリンターの現像装置内のトナーカートリッジに、トナーを100g充填した後、印字用紙をセットし、下記のように定着試験を行った。
定着試験は、黒ベタ(印字濃度100%)を印字して、改造プリンターの定着ロールの温度を5℃ずつ変化させ、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定し、温度−定着率の関係を求めた。
なお、5℃ずつ変化させる各温度において、定着ロールの温度を安定化させるために、5分以上その温度状態を維持させた。
定着率は、黒ベタ(印字濃度100%)の印字領域においてテープ剥離を行い、テープ剥離前後の画像濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度(Image Density)をID(前)、テープ剥離後の画像濃度をID(後)とすると、定着率は、下記式により算出できる。
定着率(%)=(ID(後)/ID(前))×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名「スコッチメンディングテープ810−3−18」)を貼り、円盤型の金属ロール(直径15cm×厚さ2cm、重さ:1kg)を用いて、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。また、画像濃度は、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名「RD914」)を用いて測定した。
この定着試験において、定着率が80%以上になる最低定着ロール温度をトナーの最低定着温度とした。また、温度を5℃ずつ上げて定着ロール上にオフセットによるトナーの残留付着物を確認できた温度をホットオフセット温度とした。ホットオフセットは230℃まで試験した。下記表2中に「230<」と記載されているものは、230℃でもホットオフセットが発生しなかったことを示す。
5−3.グロス評価
上記のプリンターを用い、ベタ画像の紙面上トナー量が0.45(mg/cm)となるようにプリンターの調整を行った後、定着ロールの温度(定着温度)を170〜200℃の間で10℃ずつ変化させて、5cm四方のベタ画像を用紙(HammerMill製、商品名「Laser Print Paper24」)に印字した。得られた5cm四方のベタ画像を、グロスメーター(日本電色工業製、商品名「VGS−SENSOR」)を用いて、入射角60°によりグロスの値を測定した。なお、グロスの値は、大きい程光沢感があることを示す。
実施例1〜実施例5、及び比較例1〜比較例6の静電荷像現像用トナーの測定並びに評価結果を、軟化剤の種類及び含有量と併せて表2に示す。なお、下記表2中、「軟化剤1」及び「軟化剤2」とは便宜上付した名前であり、軟化剤の優先順位や添加の順序等を特に意味するものではない。
Figure 2013047296
6.トナーの評価
以下、表1及び表2を参照しながら、静電荷像現像用トナーの評価結果について検討する。
まず、比較例1のトナーについて検討する。表1及び表2より、比較例1のトナーは、酸価が0.1mgKOH/g、水酸基価が3.2mgKOH/gである軟化剤C(1,4−ブタンジオールジステアレート)を10質量部用いて製造したトナーである。表2より、比較例1のトナーは、フローテスターにおける軟化温度Tsが59℃、流出開始温度Tfbが85℃、ガラス転移温度が48℃である。
表2より、比較例1のトナーは、凝集トナーの割合が2.0質量%であり、グロスの値が170〜200℃の各温度において、8.5〜9.6である。したがって、比較例1のトナーについては、少なくとも保存性及び光沢感に問題は見られない。
しかし、比較例1のトナーは、最低定着温度が150℃と高く、さらにホットオフセット温度が160℃と低い。特に、比較例1のトナーのホットオフセット温度は、実施例1〜実施例5、及び比較例1〜比較例5のトナー中、最も低い値である。したがって、軟化剤として、上記一般式(1)におけるRがテトラメチレン基である1,4−ブタンジオールジステアレートのみを用いた比較例1のトナーは、低温定着性、及び耐ホットオフセット性にいずれも劣り、特に耐ホットオフセット性に極めて劣ることが分かる。
次に、比較例2のトナーについて検討する。表2より、比較例2のトナーは、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が4.8mgKOH/gである軟化剤G(グリセリンエステル化合物)を10質量部用いて製造したトナーである。表2より、比較例2のトナーは、フローテスターにおける軟化温度Tsが62℃、流出開始温度Tfbが106℃、ガラス転移温度が53℃である。
表2より、比較例2のトナーは、凝集トナーの割合が0.1質量%であり、ホットオフセット温度が230℃を超える。したがって、比較例2のトナーについては、少なくとも保存性及び耐ホットオフセット性に問題は見られない。
しかし、比較例2のトナーは、最低定着温度が165℃と高く、グロスの値が170〜200℃の各温度において、3.0〜4.5と低い。特に、比較例2のトナーの最低定着温度は、実施例1〜実施例5、及び比較例1〜比較例5のトナー中、最も高い値である。また、比較例2のトナーのグロスの値は、180〜200℃のいずれの温度においても、実施例1〜実施例5、及び比較例1〜比較例5のトナー中、最も低い値である。したがって、軟化剤として軟化剤Gのみを用い、且つ、フローテスターにおける流出開始温度Tfbが100℃を超える比較例2のトナーは、低温定着性、及び光沢感に格段に劣ることが分かる。
続いて、比較例3のトナーについて検討する。表1及び表2より、比較例3のトナーは、軟化剤C(1,4−ブタンジオールジステアレート)を5質量部、及び、軟化剤G(グリセリンエステル化合物)を5質量部、それぞれ用いて製造したトナーである。表2より、比較例3のトナーは、フローテスターにおける軟化温度Tsが60℃、流出開始温度Tfbが98℃、ガラス転移温度が49℃である。
表2より、比較例3のトナーは、ホットオフセット温度が200℃である。したがって、比較例3のトナーについては、少なくとも耐ホットオフセット性に問題は見られない。
しかし、比較例3のトナーは、凝集トナーの割合が4.0質量%と高く、最低定着温度が160℃と高く、グロスの値が170〜200℃の各温度において、6.3〜7.1と低い。したがって、軟化剤として、1,4−ブタンジオールジステアレート及び軟化剤Gを併用した比較例3のトナーは、保存性、低温定着性、及び光沢感にいずれも劣ることが分かる。
次に、比較例4のトナーについて検討する。表1及び表2より、比較例4のトナーは、酸価が0.1mgKOH/g、水酸基価が3.5mgKOH/gである軟化剤D(1,6−ヘキサンジオールジステアレート)を5質量部、及び軟化剤G(グリセリンエステル化合物)を5質量部、それぞれ用いて製造したトナーである。表2より、比較例4のトナーは、フローテスターにおける軟化温度Tsが60℃、流出開始温度Tfbが100℃、ガラス転移温度が49℃である。
表2より、比較例4のトナーは、ホットオフセット温度が220℃である。したがって、比較例4のトナーについては、少なくとも耐ホットオフセット性に問題は見られない。
しかし、比較例4のトナーは、凝集トナーの割合が5.0質量%と高く、最低定着温度が150℃と高く、グロスの値が170〜200℃の各温度において、6.0〜7.3と低い。特に、比較例4のトナーの凝集トナーの割合は、実施例1〜実施例5、及び比較例1〜比較例5のトナー中、最も高い。したがって、軟化剤として、上記一般式(1)におけるRがヘキサメチレン基である1,6−ヘキサンジオールジステアレート、及び、軟化剤Gを併用した比較例4のトナーは、保存性、低温定着性、及び光沢感にいずれも劣り、特に保存性に極めて劣ることが分かる。
続いて、比較例5のトナーについて検討する。表1及び表2より、比較例5のトナーは、酸価が0.1mgKOH/g、水酸基価が3.8mgKOH/gである軟化剤B(ジペンタエリスリトールヘキサステアレート)を10質量部用いて製造したトナーである。表2より、比較例5のトナーは、フローテスターにおける軟化温度Tsが65℃、流出開始温度Tfbが100℃、ガラス転移温度が54℃である。
表2より、比較例5のトナーは、凝集トナーの割合が0.1質量%であり、ホットオフセット温度が230℃を超える。したがって、比較例5のトナーについては、少なくとも保存性及び耐ホットオフセット性に問題は見られない。
しかし、比較例5のトナーは、最低定着温度が160℃と高く、グロスの値が170〜200℃の各温度において、4.0〜5.0と低い。特に、比較例5のトナーのグロスの値は、170〜180℃のいずれの温度においても、実施例1〜実施例5、及び比較例1〜比較例5のトナー中、最も低い値である。したがって、軟化剤としてジペンタエリスリトールヘキサステアレートのみを用いた比較例5のトナーは、低温定着性、及び光沢感にいずれも劣り、特に光沢感に極めて劣ることが分かる。
次に、比較例6のトナーについて検討する。表1及び表2より、比較例6のトナーは、酸価が0.1mgKOH/g、水酸基価が4.7mgKOH/gである軟化剤E(ジステアリルスクシナート)を5質量部、及び軟化剤G(グリセリンエステル化合物)を5質量部、それぞれ用いて製造したトナーである。しかし、比較例6のトナーは、製造時に融着してしまい、トナーとして評価できなかった。
一方、表1及び表2より、実施例1〜5のトナーは、酸価が0.1mgKOH/g、水酸基価が2.6mgKOH/gである軟化剤A(エチレングリコールジステアレート)、又は、酸価が0.1mgKOH/g、水酸基価が3.0mgKOH/gである軟化剤F(エチレングリコールジベヘネート)のいずれかを用いて製造したトナーである。表2より、実施例1〜5のトナーは、フローテスターにおける軟化温度Tsが60〜61℃、流出開始温度Tfbが85〜96℃、ガラス転移温度が50〜52℃である。
表2より、実施例1〜5のトナーは、凝集トナーの割合が2.0質量%以下と低く、最低定着温度が140℃以下と低く、ホットオフセット温度が180℃以上と高く、グロスの値が170〜200℃の各温度において、7.0〜10.8と高い。
したがって、軟化剤として、上記一般式(1)におけるRがエチレン基であり、且つ、R及びRが炭素数17のヘプタデシル基であるエチレングリコールジステアレート、又は上記一般式(1)におけるRがエチレン基であり、且つ、R及びRが炭素数21のヘンエイコシル基であるエチレングリコールジベヘネートのいずれかを用い、さらに、フローテスターにおける軟化温度Tsが60〜61℃、流出開始温度Tfbが85〜96℃、ガラス転移温度が50〜52℃である実施例1〜5のトナーは、優れた耐熱保存性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性を有し、且つ、印刷面を平滑にでき、さらに高いグロス(光沢感)の印字物を与えるトナーであることが分かる。
なお、軟化剤として、軟化剤A(エチレングリコールジステアレート)のみを用いた実施例1のトナーは、凝集トナーの割合が0.1質量%と極めて低く、最低定着温度が130℃と極めて低く、グロスの値が170〜200℃の各温度において、9.5〜10.8と極めて高い。
また、軟化剤A(エチレングリコールジステアレート)を5質量部、軟化剤G(グリセリンエステル化合物)を5質量部、それぞれ用いた実施例4のトナーは、ホットオフセット温度が230℃を超え、極めて高い。
また、軟化剤F(エチレングリコールジベヘネート)を5質量部、軟化剤B(ジペンタエリスリトールヘキサステアレート)を5質量部それぞれ用いた実施例5のトナーは、凝集トナーの割合が0.1質量%と極めて低く、ホットオフセット温度が230℃を超え極めて高く、グロスの値が170〜200℃の各温度において、9.0〜10.2と極めて高い。
加熱ローラへのオフセットが発生する場合には、定着温度領域は、ホットオフセット温度(T)と、定着下限温度(T)との差(T−T)で示される。一般に、分子量の低いポリマーを結着樹脂として用いると、定着下限温度は低くなるが、ホットオフセット温度も低くなり、耐熱保存性も低下する。一方、分子量の高いポリマーを結着樹脂として用いると、ホットオフセット温度は高くなり、耐熱保存性も向上するが、逆に定着下限温度が高くなるという問題が発生する。
ホットオフセット温度及び耐熱保存性と、定着下限温度とが、互いにトレードオフとなることにより生ずる課題の解決を目的とした技術は、これまでにも知られている。
例えば、特許文献1には、少なくとも結着樹脂、荷電制御剤及びワックス成分を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、当該ワックスのDSC曲線が所定の吸熱ピーク及び半値幅等を有し、且つ、当該ワックスの所定の吸熱ピークに起因するワックス成分が所定のエステルワックスであり、且つ重量平均粒径が所定の範囲内であることを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている。
本発明の課題は、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐熱保存性に優れる静電荷像現像用トナーを提供することである。また、広い温度領域で印字物に高いグロス(光沢感)を与えるトナーを提供する。
軟化剤としては、他のエステル化合物を含んでいてもよい。他のエステル化合物としては、具体的には、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラパルミネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等のペンタエリスリトールエステル化合物;ヘキサグリセリンオクタベヘネート、ペンタグリセリンヘプタベヘネート、テトラグリセリンヘキサベヘネート、トリグリセリンペンタベヘネート、ジグリセリンテトラベヘネート、グリセリントリベヘネート等のグリセリンエステル化合物等が挙げられる。
上記軟化剤の酸価が、上記上限を超える場合には、当該軟化剤中に未反応の脂肪酸由来のカルボン酸基が残存することから、液滴形成工程において、重合性単量体組成物の液滴を安定して形成することが難しくなり、着色樹脂粒子の粒径特性に悪影響を及ぼし、カブリ等による画質の劣化が起り易くなる他、定着時に揮発性物質の発生を促して臭気の原因になる場合もある。
4−2.トナーの特性評価
以下の方法により、トナーの軟化温度Ts及び流出開始温度Tfbを測定した。
まず、トナーをフローテスター(島津製作所製、商品名「CFT−500C」)を用いて、下記条件で測定した。
開始温度=35℃、昇温速度=3℃/分、予熱時間=5分、シリンダー圧力=10.0kg・f/cm、ダイ直径=0.5mm、ダイ長さ=1.0mm、剪断応力=2.451×10Pa、試料投入量=1.0〜1.3g。
次に、当該測定結果から、トナーの軟化温度Ts及び流出開始温度Tfbを求めた。算出結果を下記表2に示す。

Claims (7)

  1. 結着樹脂、着色剤、及び軟化剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、
    前記軟化剤として、下記一般式(1)で示されるジエステル化合物を前記着色樹脂粒子100質量部に対して1〜15質量部含有し、且つフローテスターにおけるトナーの軟化温度Tsが55〜70℃、流出開始温度Tfbが80〜100℃、及びガラス転移温度が40〜70℃であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    Figure 2013047296
    (上記一般式(1)中、Rはエチレン基又はトリメチレン基を示し、R及びRは炭素数11〜25の直鎖アルキル基を示し、R及びRは互いに独立である。)
  2. 前記軟化剤として、更にジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物は下記一般式(2)で示される構造を有することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の静電荷像現像用トナー。
    Figure 2013047296
    (上記一般式(2)中、R〜Rは炭素数11〜25の直鎖アルキル基を示し、且つ、互いに独立である。)
  4. 前記着色樹脂粒子が、湿式法により製造されたものであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記ジエステル化合物及び前記ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物の含有比が、ジエステル化合物:ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物=20質量%:80質量%〜80質量%:20質量%であることを特徴とする請求の範囲第2項乃至第4項のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記軟化剤の酸価は、0.01〜2mgKOH/gであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記軟化剤の水酸基価は、0.1〜15mgKOH/gであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
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