JP2011013392A - 電子写真用正帯電性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】環境特性に優れた正帯電性トナーに適し、無色で安定した帯電特性を有し、さらには配合成分の変色が起こり難い帯電制御剤、及び前記帯電制御剤を用いて、細線再現性に優れ、カブリが小さい等のトナーとしての基本的な要求品質を満たし、且つ色の安定性が高い電子写真用正帯電性トナーを提供する。
【解決手段】5〜6員環の環状アミン構造を有する化合物と、スルホン酸化合物とのアンモニウム塩である帯電制御剤、結着樹脂及び着色剤を含有する電子写真用正帯電性トナーを作製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用正帯電性トナー(以下、単に「正帯電性トナー」又は「トナー」と称することがある。)に関する。
フルカラーの電子写真装置、特にデジタル化されたフルカラー電子写真装置が注目されてきており、OA化の伸展に伴って広く市場に展開しつつある。電子写真装置は、一般には光導電性物質からなる感光体の表面を種々の手段で一様に帯電させた後、当該感光体上に静電潜像を形成し、次いでトナーを用いて、当該静電潜像を現像し、必要に応じて用紙等の記録材にトナー画像を転写した後、加熱等により定着し複写物を得るものである。
電子写真装置に用いられるトナーは、結着樹脂、着色剤、及び帯電制御剤等の添加剤からなり、その製造方法は一般に、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合法、分散重合法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別される。
カラートナーでは細線再現性、帯電安定性、耐久性、低温定着性などのトナーとしての基本的な要求品質に加え、色調や色の安定性などが要求される。トナーでは帯電特性を向上させるために、特に一成分系トナーにおいて帯電制御剤を配合するが、帯電制御剤には、帯電特性に加え、特にカラートナー用途としては無色又は淡色でトナーの色調に影響を与えないことや、熱や光によって変色を起こさないことが要求される。
トナーには正帯電性のものと負帯電性のものがあり、環境面から考えると正帯電性のものの方がオゾンの発生が少なく環境に優しいと考えられているが、一般には負帯電性のものが多く使用されている。この理由のひとつとして、正帯電性トナーに適した帯電制御剤のうち、着色がなく帯電特性が安定したものが限られていたということが挙げられる。
電子写真用正帯電性トナー用で着色がなく帯電特性が安定した帯電制御剤としては、4級アンモニウム型のものが従来知られている。
例えば、特許文献1には、4級アンモニウム塩を含有する高分子量型の帯電制御剤(帯電制御樹脂)が、安定性に乏しく、結着樹脂との相溶性に劣るという従来の帯電制御剤の問題点を解決し、安定した帯電性を有し、結着樹脂中へ無色又は淡色透明状態で相溶し、カラートナーとしても好適に用いることのできることが開示されている。
また、特許文献2には、4級アンモニウムと芳香族スルホン酸イオンとの塩を帯電制御剤として用いると、画像濃度が高く、コピー汚れがなく、カブリの小さい良好な画質が得られることが開示されている。
一方、カラートナーでは、形成された画像の長期安定性が求められるようになってきたが、帯電制御剤の熱安定性が十分でない場合、トナーの変色や帯電制御効果の減退を引き起こすことが知られている。特許文献3では、ポリカチオン型成型化合物とポリアニオン型成型化合物からなるインター−高分子電解質コンプレックスが、無色で、且つ良好な帯電制御特性と、高い熱安定性を有することが開示されている。
特開昭62−210472号公報 特開平8−123095号公報 特開平11−124565号公報
しかしながら、特許文献1〜3には、帯電制御剤自体が無色で優れた帯電制御特性を有することや高い熱安定性を有することが記載されているが、帯電制御剤を含有させたトナー中の着色剤や結着樹脂等の光や熱に対する安定性、及びこれら配合成分自体の分解による変色や退色等の色の変化に関しては一切記載がない。
本発明の目的は、環境特性に優れ、細線再現性に優れ、カブリが小さい等のトナーとしての基本的な要求品質を満たし、且つ色の安定性が高い電子写真用正帯電性トナーを提供することである。
すなわち本発明の電子写真用正帯電性トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び帯電制御剤を含有し、該帯電制御剤が、下記一般式(1)で表される5〜6員環の環状アミン構造を有する化合物と、スルホン酸化合物とを反応させて得られるアンモニウム塩である電子写真用正帯電性トナーである。
Figure 2011013392
(式(1)中、Rは水素原子又は有機基であり、当該Rが有機基である場合には置換基又は分子中の他の構成部分に結合する連結基のいずれであってもよい。R〜Rは炭素原子数1〜3のアルキル基である。Aは、式(1)に表記されている窒素原子に隣接する2つの炭素原子と連結して含窒素5〜6員環を形成する炭素原子数2〜3の直鎖状炭化水素構造であり、Aを構成する炭素原子は式(1)に表記されているような少なくとも1つの結合部位を有しており、当該結合部位は、式(1)に表記されているZに結合しており、Zは、水素原子、置換基又は同一分子内あるいは式(1)で表記されている他の分子内の他の構成部分である。Aは式に示されていない他の結合部位及び/又は置換基を有していてもよい。)
前記帯電制御剤において、前記一般式(1)で表される化合物のR〜Rがメチル基であることが好ましい。
前記帯電制御剤において、前記スルホン酸化合物が芳香族スルホン酸化合物であることが好ましい。
前記電子写真用正帯電性トナーにおいて、前記帯電制御剤の含有量が、前記結着樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部であることが好ましい。
前記電子写真用正帯電性トナーは湿式重合法により製造されたものであることが好ましい。
上記の如き本発明によれば、環境特性に優れたトナーが得られ、無色で安定した帯電特性を有し、細線再現性に優れ、カブリが小さい等のトナーとしての基本的な要求品質を満たし、且つ色の安定性が高い電子写真用正帯電性トナーが提供される。
以下において本発明を詳しく説明する。
<帯電制御剤>
本発明で使用する帯電制御剤は、分子中に下記一般式(1)で表される5〜6員環の環状アミン構造を有する化合物と、スルホン酸化合物とを反応させて得られるアンモニウム塩である。
Figure 2011013392
(式(1)中、Rは水素原子又は有機基であり、当該Rが有機基である場合には置換基又は分子中の他の構成部分に結合する連結基のいずれであってもよい。R〜Rは炭素原子数1〜3のアルキル基である。Aは、式(1)に表記されている窒素原子に隣接する2つの炭素原子と連結して含窒素5〜6員環を形成する炭素原子数2〜3の直鎖状炭化水素構造であり、Aを構成する炭素原子は、式(1)に表記されているような少なくとも1つの結合部位を有しており、当該結合部位は、式(1)に表記されているZに結合しており、Zは、水素原子、置換基又は同一分子内あるいは式(1)で表記されている他の分子内の他の構成部分である。Aは式に示されていない他の結合部位及び/又は置換基を有していてもよい。)
上記一般式(1)におけるRは、水素原子又は有機基であり、有機基である場合には分子末端を停止する置換基又は分子中の他の構成部分に結合する連結基のいずれであってもよい。なお本発明において「有機基」とは、異種原子を含んでいてもよい炭化水素基を意味する。
である有機基としては、例えば、メチル基など炭素数1〜6のアルキル基、アルキル基以外の炭化水素基、エステル、エーテル、アミドの構造を含む炭化水素基のような異種原子を含む炭化水素基、ポリエステル、ポリエーテル構造を含む炭化水素基のようなポリマー構造の有機基が挙げられる。
〜Rは、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキル基であり、中でもメチル基が好ましい。
上記一般式(1)における符号Aは、式(1)に表記されている窒素原子に隣接する2つの炭素原子と連結して含窒素5〜6員環を形成する炭素原子数2〜3の直鎖状炭化水素構造であり、Aを構成する炭素原子は、少なくとも1つの結合部位(式に示した結合部位)を有している。当該結合部位は、式(1)に表記されているZに結合しており、Zは水素原子、置換基又は同一分子内あるいは式(1)で表記されている他の分子内の他の構成部分である。
置換基としては、例えば、上記した有機基Rと同様の置換基のほか、水酸基などの炭素を含まない官能基が挙げられる。
Aは、一般式(1)に示されていない他の結合部位を有していてもよい。その場合、同一分子内あるいは式(1)で表記されている他の分子内の他の構成部分との結合部位は、1〜2つ程度であることが好ましい。Aは、環を形成する直鎖状炭化水素構造の1つの炭素原子が2つの結合部位を有するスピロ構造をとっていてもよい。
またAは、一般式(1)に示されていない置換基を有していてもよい。
本発明で使用する帯電制御剤であるアンモニウム塩は、上記一般式(1)で表される環状アミン構造を複数有する化合物の塩であってもよい。環状アミン構造を複数有する化合物としては、例えば、2つ以上の環状アミン化合物を1つの多官能化合物に結合した反応物や、環状アミン構造を有する繰返し単位が連結した重合体などが挙げられる。この重合体としては、環状アミンのペンダント構造を有する繰返し単位が連結したもの、及び、上記一般式(1)における有機基Rと符号Aの結合部位又は当該結合部位の置換基が連結することで環状アミン構造が主鎖の連結構造の一部となったものなどを挙げることができる。
上記一般式(1)で表される環状アミン構造は、6員環すなわちピペリジン環構造であることがより好ましい。この場合、ピペリジン環の4位の炭素原子が、同一分子内あるいは式(1)で表記されている他の分子内の他の構成部分との結合部位を有していることが好ましい。
上記一般式(1)で表される5〜6員環の環状アミン構造の好ましい例として、下記構造式(2)〜(4)で表される環状アミン構造を挙げることができる。下記化合物の中でも、一般式(4)で表される重合体が特に好ましい。
Figure 2011013392
(式(2)中、R、Rは水素原子又は有機基であり、当該R、Rが有機基である場合には置換基又は同一分子内あるいは式(1)で表記されている他の分子内の他の構成部分に結合する連結基のいずれであってもよい。)
Figure 2011013392
(式(3)中、R〜Rは水素原子又は有機基であり、当該R〜Rが有機基である場合には置換基又は同一分子内あるいは式(1)で表記されている他の分子内の他の構成部分に結合する連結基のいずれであってもよい。)
Figure 2011013392
(式(4)中、Rは有機基であり、nは1以上の整数である。)
分子中にこれらの環状アミン構造を有する化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
環状アミン構造を有する化合物が分子内に環状アミン構造を2つ以上有する場合、環状アミン構造を有する化合物の数平均分子量を、当該分子内に含まれる環状アミン構造の数で割った値は、2000以下であることが好ましく、100以上1000以下であることがより好ましい。この当量の値が大きすぎる場合には、化合物の量の割りには環状アミン構造の量が少ないので、帯電制御、変色抑制などの効果が充分に得られない場合がある。また、100以下であると帯電特性が安定しない場合がある。
上記の環状アミン構造を有する化合物(塩の前駆体)としては、ヒンダードアミン化合物として従来知られている環状アミン化合物を好適に用いることができる。ヒンダードアミン化合物は、樹脂材料を安定化する効果が高いことから、様々な樹脂に安定剤として広く使用され、特に光による劣化を抑制するために用いられている。
ヒンダードアミン化合物の市販品としては、例えば、クラリアント社製の市販品としては、Hostavin N20、Hostavin N30、チバ・ジャパン社製の市販品としては、CHIMASSORB 119 FL、CHIMASSORB 2020 FDL、CHIMASSORB 944 FDL、TINUVIN 622 LD、TINUVIN 144、TINUVIN 765、TINUVIN 770 DF等が挙げられる。
上記式構造式(2)〜(4)で表される環状アミン構造を有する化合物に該当する市販品の構造式を以下に示す。
Figure 2011013392
Figure 2011013392
Figure 2011013392
Figure 2011013392
Figure 2011013392
本発明では、上記一般式(1)で表される環状アミン構造を有する化合物と反応させるスルホン酸化合物は、スルホン酸及びスルホン酸エステルのことをいう。スルホン酸化合物としては、脂肪族スルホン酸化合物および芳香族スルホン酸化合物の中から適宜選択し用いてよいが、帯電安定性および変色防止の点で芳香族スルホン酸化合物の方が優れており、好ましい。
脂肪族スルホン酸化合物は、直鎖状、分岐状および脂環式いずれの脂肪族残基を有するスルホン酸化合物であっても用いることができる。その脂肪族残基は炭素以外の異種原子を含んでいてもよい。本発明において脂肪族スルホン酸化合物を用いる場合、通常、構成炭素原子数が5〜25程度の脂肪族残基を有するものが用いられる。
脂肪族スルホン酸化合物としては、例えば、10−カンファースルホン酸等のビシクロアルキルスルホン酸が挙げられる。
芳香族スルホン酸化合物は、単環および縮合多環のいずれの芳香族環残基を有するスルホン酸化合物であっても用いることができる。その芳香族環残基は、置換基を有していてもよいし、炭素以外の異種原子を含んでいてもよい。本発明において芳香族スルホン酸化合物を用いる場合、通常、単環又は2〜3つ程度の環を含む縮合多環からなる芳香族環残基を有するものが用いられる。
なお、水酸基を有する芳香族スルホン酸化合物は、水酸基が酸化されて着色の原因となる場合があるので、芳香族スルホン酸化合物としては、水酸基を有さない芳香族スルホン酸化合物を用いることが好ましい。
芳香族スルホン酸化合物としては、無置換又はカルボキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アセチルアミノ基、N−モノアルキルアミノ基及びN,N−ジアルキルアミノ基から選ばれた1又は2種類以上の官能基が置換したベンゼンモノスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンモノスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、アントラキノンモノスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸がある。
より具体的には、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、及びテトラデシルベンゼンスルホン酸等のベンゼンモノスルホン酸;m−ベンゼンジスルホン酸、トルエン−3,4−ジスルホン酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸、及び1,3−ジヒドロキシベンゼン−2,5−ジスルホン酸等のベンゼンジスルホン酸;1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、及び1−アミノ−8−ヒドロキシ−2,4−ナフタレンスルホン酸等のナフタレンモノスルホン酸;1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、7−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸、及び1−ナフトール−8−ヒドロキシ−3,6−ジスルホン酸等のナフタレンジスルホン酸が挙げられ、これらの中でも、パラトルエンスルホン酸のような置換基を有していてもよいベンゼンモノスルホン酸が特に好ましい。
上述したスルホン酸およびスルホン酸エステルを用いることで、後述する塩合成工程において、環状アミンの窒素原子に結合して、環状アミン化合物をアンモニウム塩とすることができる。得られるアンモニウム塩はその安定性から4級アンモニウム塩が好ましい。従って、スルホン酸化合物としては、環状アミン化合物を4級アンモニウム化するのに適した構造を有するスルホン酸エステルであることが望ましい。
かかる観点から、スルホン酸エステルのエステル基を構成する有機基としては、炭素原子数1〜6程度のアルキル基や、ベンジル基、フェニル基およびこれらの炭素原子数1〜3程度のアルキル基置換体などが挙げられ、これらの中でもメチル基、エチル基およびベンジル基が好ましい。
スルホン酸エステルとしては、反応の容易さからパラトルエンスルホン酸メチル(PTSM)が、特に好ましい。
これらのスルホン酸化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
本発明の帯電制御剤である塩は、一般式(1)で表される環状アミン化合物と、塩形成剤であるスルホン酸化合物を、溶媒中で混合することによって合成することができる。
合成段階における環状アミン化合物とスルホン酸化合物の混合量は、ほぼ等しい当量比となるようにする。一般的には、環状アミン化合物の当量aとスルホン酸化合物の当量bの比(a:b)を、70:30〜40:60の範囲とし、好ましくは55:45〜45:55とする。
本発明の塩形成に使用される溶媒は特に限定されないが、好ましく得られる4級アンモニウム塩の良溶媒である有機溶媒が好ましく、その中でも、反応副生物の少ないことから、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等、およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。この中でも、取り扱いやすく沸点が50℃以上であるジメチルホルムアミド(DMF) 、トルエンなどが特に好ましい。
本発明で帯電制御剤として使用するアンモニウム塩は、上述した環状アミン化合物とスルホン酸化合物とを、室温以上かつ溶剤の沸点以下の温度でアンモニウム化反応を行うことが好ましい。この反応温度は、使用する溶剤により異なるが、50℃以上であることが好ましく、60〜98℃であることがより好ましい。また、反応時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
アンモニウム塩の精製は未反応原料を除去するため、石油エーテルやシクロヘキサン等の疎水性貧溶剤で洗浄するのが好ましく、さらに水溶性不純物を除去するため水洗するのが好ましい。アンモニウム化反応の際には上記溶媒は乾燥したもの(溶媒中から水分を取り除いたもの)を用い、さらに窒素などの不活性気体雰囲気で反応させることが不純物の生成を少なくすることができる。
<電子写真用正帯電性トナー>
以下、本発明の帯電制御剤を用いた電子写真用正帯電性トナーについて詳しく説明する。
本発明の電子写真用正帯電性トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び帯電制御剤を含有する電子写真用正帯電性トナーであって、前記帯電制御剤が上述した反応により得られるアンモニウム塩である。
結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂等の従来からトナーに広く用いられている樹脂を挙げることができるが、中でも、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体などの、スチレンと(メタ)アクリル系モノマーの共重合体が特に好ましい。
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、分散重合法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別され、細線再現性などの印字性能に優れたトナーが得られ易いことから湿式法が好ましい。湿式法の中でも、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つトナーが得られ易いことから、乳化重合凝集法、分散重合法、及び懸濁重合法等の湿式重合法が好ましく、湿式重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
上記乳化重合凝集法は、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子を得て、着色剤等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する。また、上記溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分を有機溶媒に溶解又は分散した溶液を水系媒体中で液滴形成し、当該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法であり、それぞれ公知の方法を用いることができる。
本発明の着色樹脂粒子は、乳化重合凝集法や懸濁重合法など湿式重合法、溶解懸濁法を採用して製造することができる。重合法によるトナーは、従来の粉砕法によるトナーより画像再現性などに優れる。湿式重合法の中でも懸濁重合法を採用して着色樹脂粒子を製造するのが好ましい。本発明の着色樹脂粒子を溶解懸濁法で製造した場合には、溶剤が残留して外添剤がトナー表面から脱離して転写残が発生する可能性や、耐久性とクリーニング性に効果がない可能性がある。
湿式重合法の中でも好ましい懸濁重合法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行われる。
(懸濁重合法)
(1)重合性単量体組成物の調製工程
先ず、重合性単量体、着色剤、帯電制御剤、さらに、必要に応じてその他の添加物を混合、溶解又は分散して重合性単量体組成物の調製を行なう。重合性単量体組成物を調製する際には、例えば、メディア型湿式粉砕機を用いて行なう。
重合性単量体とは、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を用いることが好ましい。
モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、及びメタクリルアミド;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;等が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合性単量体の一部として、トナーの保存性(耐ブロッキング性)を改善するために、上記モノビニル単量体と共に、任意の架橋性の重合性単量体を用いることができる。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を有するモノマーのことをいう。
架橋性の重合性単量体としては、一般に、トナー用の架橋性の重合性単量体として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の二官能性のエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等のヘテロ原子含有ジビニル化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びジメチロールプロパンテトラアクリレート等の3個以上のビニル基を有する化合物;等が挙げられる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
また、重合性単量体の一部として、トナーの保存性と低温定着性とのバランスを向上させるために、上記モノビニル単量体と共に、任意のマクロモノマーを用いることができる。
マクロモノマーとは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有し、数平均分子量(Mn)が、通常1,000〜30,000の反応性のオリゴマー又はポリマーのことをいう。マクロモノマーとして、重合性単量体を重合して得られる重合体(結着樹脂)のガラス転移温度(Tg)よりも高いTgを有するオリゴマー又はポリマーを用いることが好ましい。
本発明では、マクロモノマーを、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
着色剤としては、カラートナー(通常、ブラックトナー、シアントナー、イエロートナー、及びマゼンタトナーの4種類のトナーが用いられる。)を製造する場合、ブラック着色剤、シアン着色剤、イエロー着色剤、及びマゼンタ着色剤をそれぞれ用いることができる。
ブラック着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等の顔料を用いることができる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン顔料、その誘導体、及びアントラキノン顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Blue2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、及び186等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Red31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、及びC.I.Pigment Violet19等が挙げられる。
本発明では、それぞれの着色剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよく、重合性単量体100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明においては、トナーの色の安定性と帯電特性の安定性を向上させる観点から、上述の帯電制御剤を用いる。
本発明では、帯電制御剤を、重合性単量体100重量部に対して、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部、より好ましくは0.2〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
帯電制御剤の添加量が上記上限を超える場合には、帯電量が高すぎて、クリーニング不良やカブリを生じる場合があり、一方、帯電制御剤の添加量が上記下限未満の場合には、帯電量が低下して、画像濃度の低下を引き起こす場合がある。
その他の添加物として、トナーの定着ロールからの剥離性を向上させるために、離型剤を用いることができる。
離型剤としては、一般にトナー用の離型剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等のポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリン、及びペトロラタム等の石油ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、及びペンタエリスリトールテトララウレート等のペンタエリスリトールエステル、並びに、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、及びジペンタエリスリトールヘキサラウレート等のジペンタエリスリトールエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル化合物;等が挙げられる。これらの離型剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、離型剤を、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、結着樹脂の分子量や分子量分布を調整するために、分子量調整剤を用いることができる。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N'−ジメチル−N,N'−ジフェニルチウラムジスルフィド、及びN,N'−ジオクタデシル−N,N'−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、重合性単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)
上記(1)重合性単量体組成物の調製工程により得られた重合性単量体組成物を、水系分散媒体中に懸濁させて懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。ここで、懸濁とは、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させることを意味する。液滴形成のための分散処理は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:エバラマイルダー)、高速乳化・分散機(プライミクス社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
水系分散媒体としては、水単独でもよいが、低級アルコール、及び低級ケトン等の水に溶解可能な溶剤を併用することもできる。
液滴形成において、着色樹脂粒子の粒径コントロール、及び円形度を向上させるために、水系分散媒体中に分散安定化剤を含有させて用いることが好ましい。
分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物、並びに、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物などの金属化合物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子化合物;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤等の有機高分子化合物;等が挙げられる。
上記分散安定化剤の中でも、金属化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定化剤は、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、洗浄後の分散安定化剤残存量が少ないので、得られる重合トナーは、画像を鮮明に再現することができ、特に、高温高湿下の画像品質を悪化させないので好ましい。
上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。分散安定化剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。
重合性単量体組成物の重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の無機過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;等が挙げられる。これらの中でも、有機過酸化物が好ましく用いられる。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に分散させた後、液滴形成前の段階で添加されてもよいが、重合性単量体組成物に直接添加されてもよい。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、1.0〜10重量部であることがさらに好ましい。
(3)重合工程
上記(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)により得られた、所望の懸濁液(重合性単量体組成物の液滴を含有する水系分散媒体)を、加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液が得られる。
本発明における重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜98℃であることがより好ましい。また、本発明における重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
なお、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、本重合工程においても上記(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行いながら重合反応を進行させてもよい。
重合工程により得られる着色樹脂粒子を、コア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、コアシェル構造(又は、「カプセル型」ともいう。)を有する着色樹脂粒子としてもよい。
コアシェル構造を有する着色樹脂粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質であるシェル層で被覆することにより、トナーの定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスをとることができる。
上記コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては、特に制限はなく従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の観点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)とシェル用重合開始剤を添加し、重合を行なうことでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様のものを用いることができる。その中でも、スチレン、メチルメタクリレート等のTgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いるシェル用重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸金属塩;2,2'−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2'−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の水溶性のアゾ化合物;等の重合開始剤を挙げることができる。
本発明において用いるシェル用重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
シェル層の重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜95℃であることがより好ましい。また、シェル層の重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
(4)分離・洗浄、濾過、脱水、及び乾燥工程
上記(3)重合工程後に得られる着色樹脂粒子の水分散液は、常法に従い、分離・洗浄、濾過、脱水、及び乾燥の一連の操作を、必要に応じて数回繰り返し行なわれることが好ましい。
着色樹脂粒子の水分散液中に残存する分散安定化剤を除去するために、着色樹脂粒子の水分散液に、酸又はアルカリを添加し洗浄を行なうことが好ましい。
使用した分散安定化剤が、酸に可溶な無機化合物である場合、着色樹脂粒子水分散液へ酸を添加し、一方、使用した分散安定化剤が、アルカリに可溶な無機化合物である場合、着色樹脂粒子水分散液へアルカリを添加する。
分散安定化剤として、酸に可溶な無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子水分散液へ酸を添加し、pHを6.5以下に調整することが好ましい。より好適にはpH6以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸、及び蟻酸、酢酸等の有機酸を用いることができるが、分散安定化剤の除去効率が大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
重合工程により得られた着色樹脂粒子の水分散液に、酸又はアルカリを添加して洗浄を行なった後は、濾過分離を行ない、得られた固形分にイオン交換水を加えて再スラリー化させて、水などの洗浄液による洗浄処理(洗浄・濾過・脱水)を数回繰り返し行ない、得られた固形分を、乾燥させることにより着色樹脂粒子が得られる。
洗浄処理、及び乾燥処理の方法は、特に限定されず、種々の公知の方法を用いることができ、洗浄処理に用いる装置としては、例えば、ピーラーセントリフュージ、及びサイホンピーラーセントリフュージ等が挙げられ、乾燥処理に用いる方法としては、例えば、真空乾燥、気流乾燥、及びスーパードライヤー等が挙げられる。
(着色樹脂粒子)
以下において、上述の懸濁重合法により得られる着色樹脂粒子の粒径特性について述べる。
なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は、高画質の画像形成を行なう観点から、5〜15μmであることが好ましく、6〜12μmであることがより好ましく、7〜10μmであることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が、上記範囲未満である場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が、上記範囲を超える場合には、高精細な画像形成が難しくなり、得られる画像の解像度が低下し易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比である粒径分布(Dv/Dn)は、高画質の画像形成を行なう観点から、1.0〜1.3であることが好ましく、1.0〜1.2であることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子の粒径分布(Dv/Dn)が、上記範囲を超える場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
なお、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒径測定機を用いて測定される値であり、例えば、ベックマン・コールター社製の粒径測定機(商品名:マルチサイザー)を用いて測定することができる。
着色樹脂粒子の平均円形度は、高画質の画像形成を行なう観点から、0.965〜0.995であり、0.970〜0.995であることが好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が、上記範囲未満である場合には、トナー印字の細線再現性が低下し易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
ここで、「円形度」とは、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度は、0.4μm以上の円相当径の粒子について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下記計算式1よりそれぞれ求め、次いで、下記計算式2より平均円形度(Ca)を求める。
計算式1:
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
Figure 2011013392
上記計算式2において、fiは、円形度(Ci)の粒子の頻度である。
上記円形度及び平均円形度は、例えば、シスメックス社製のフロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」、「FPIA−2100」、及び「FPIA−3000」等を用いて測定することができる。
(5)外添工程
上記(4)分離・洗浄、濾過、脱水、及び乾燥工程を経て得られる着色樹脂粒子は、トナーの帯電性、流動性、及び保存性等を調整する観点から、外添剤と共に混合攪拌して外添処理を行なうことにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を付着添加させて1成分トナーとする。また、当該1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分現像剤としてもよい。
外添処理を行なう攪拌機は、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることができる攪拌装置であれば特に限定されず、例えば、ヘンシェルミキサー(:商品名、三井鉱山社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、三井鉱山社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、細川ミクロン社製)、及びメカノミル(:商品名、岡田精工社製)等の混合攪拌が可能な攪拌機を用いて外添処理を行なうことができる。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び/又は酸化セリウム等からなる無機微粒子;ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、及び/又はメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、無機微粒子の中でも、シリカ、及び/又は酸化チタンからなる微粒子が好ましく、特にシリカからなる微粒子が好適である。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることが好ましい。
本発明では、外添剤を、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部、好ましくは0.2〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
(トナー)
上記(1)〜(5)工程で得られるトナーは、帯電制御剤として、上述した分子中に一般式(1)で表される環状アミン構造を有する化合物とスルホン酸化合物とを反応して得られるアンモニウム塩を特定量用いることにより、細線再現性に優れ、カブリが小さい等のトナーとしての基本的な要求品質を満たし、且つ色の安定性が高いトナーである。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
(2)着色樹脂粒子の粒径特性
(2−1)体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、及び粒径分布(Dv/Dn)
着色樹脂粒子を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フィルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mlを加えた。そのビーカーへ、更に専用電解液(ベックマン・コールター社製、商品名:アイソトンII−PC)を10〜30ml加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイトソンII、濃度10%、測定粒子個数;50,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を測定し、粒径分布(Dv/Dn)を算出した。
(2−2)平均円形度
0.02gの着色樹脂粒子を0.1%アニオン性界面活性剤水溶液100μlに加え、なじませた後、イオン交換水10mlを加えて攪拌した。測定時の着色樹脂粒子濃度を3,000〜10,000個/μlとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シメックス社製、商品名:FPIA−2100)を用いて高倍率測定モード(HPFモード)で測定した。解析は体積基準(15μm以下の区分について)で行い、測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式1に示され、平均円形度は、その数平均を取ったものである。
計算式1:
(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
(3)トナーの印字特性
(3−1)細線再現性試験(N/N環境下)
細線再現性試験には、市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(解像度:600dpi、印刷スピード:A4サイズ17枚/1分)を用い、現像装置のトナーカートリッジに、トナーを充填した後、印字用紙をセットした。
常温常湿(N/N)環境下(温度:23℃、湿度:50%)で、24時間放置した後、同環境下にて、2×2ドットライン(幅約85μm)で連続して線画像を形成し、10,000枚まで連続印刷を行った。
500枚毎に印字評価システム(YA−MA社製、商品名:RT2000)を用いて線画像の濃度分布データを採取した。
採取した線画像の濃度分布データより、濃度の最大値の半値における線画像の線の全幅を線幅とし、1枚目に採取した印字用紙に形成された線幅を基準にして、当該線幅の差を10μm以下に維持できる連続印刷枚数を調べた。
なお、表2中、「10,000<」とあるのは、10,000枚の時点においても、線幅の差を10μm以下に維持できたことを示す。
(3−2)耐久印字試験(N/N環境下、H/H環境下)
耐久印字試験には、前述と同様のプリンターを用い、現像装置のトナーカートリッジに、トナーを充填した後、印字用紙をセットした。
常温常湿(N/N)環境下(温度:23℃、湿度:50%)で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で最大で10,000枚まで連続印字を行なった。
500枚毎に黒ベタ印字(印字濃度100%)を行ない、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名:RD918)を用いて黒ベタ画像の印字濃度を測定した。さらに、その後、白ベタ印字(印字濃度0%)を行い、白ベタ印字の途中でプリンターを停止させ、現像後の感光体上における非画像部のトナーを、粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)に付着させた後、剥ぎ取り、それを印字用紙に貼り付けた。
次に、その粘着テープを貼り付けた印字用紙の白色度(B)を、白色度計(日本電色社製、型式名:NDW−1D)で測定し、同様にして、未使用の粘着テープだけを印字用紙に貼り付け、その白色度(A)を測定し、この白色度の差(B−A)をカブリ値ΔEとした。この値が小さい方が、カブリが少なく良好であることを示す。
印字濃度が1.3以上で、且つ、カブリ値ΔEが0.7以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べた。
また、同様の耐久印字試験を、高温高湿(H/H)環境下(温度:35℃、湿度:80%)においても行なった。
なお、表2中、「10,000<」とあるのは、10,000枚の時点においても、印字濃度が1.3以上で、且つ、カブリ値ΔEが0.7以下の画質を維持できたことを示す。
(3−4)変色試験
変色試験には、前述と同様のプリンターを定着ロール部の温度を変えられるように改造したものを用い、M/A(印字用紙上のトナー乗り量) 0.3−0.45mg/cmの範囲になるよう調整し、ベタ(印字濃度100%)を印字して180℃で定着を行った。
加速状態において屋外露光試験を再現するために、ベタ印字サンプルは水冷キセノンアーク装置を用いるASTN G 26−タイプBの方法Aにしたがって、約63℃のブラックパネル温度で120分間露光した。
ベタ(印字濃度100%)の印字領域において露光前と露光後の色度座標を反射モードで、
光色差計(日本電色社製、商品名:SE−2000)によりL*a*b*表色系における色度座標を測定した。測定値から、露光前後の色差値ΔE*を以下の式により求めた。
ΔE*=√((ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)
(帯電制御剤の製造)
(製造例1)
攪拌機、コンデンサー、温度計、及び窒素導入管を備えたガラス製反応器に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)2000g、パラトルエンスルホン酸メチル(PTSM)185.2g、及び環状アミン化合物1(クラリアント社製、商品名:Hostavin N30P)268.4gを加えて、窒素導入下80℃で4時間攪拌した。
得られた反応溶液をロータリーエバポレーターで加熱下DMFを留去した後、水1000g及びトルエン1000gを添加し、反応物を溶解させた。分液ロートにてトルエン溶液を分離し、塩化カルシウムで乾燥させ、濾過しトルエンを一部除去して300mlの容量とし、石油エーテル500ml添加し、沈殿を析出させた。この沈殿を分離乾燥して、環状アミン化合物1がメチル化したアンモニウム化合物とパラトルエンスルホン酸イオンとのアンモニウム塩(帯電制御剤A)を得た。
(製造例2〜6)
環状アミンとして用いた環状アミン化合物1、及び塩形成剤として用いたパラトルエンスルホン酸メチルを表1のように変更したこと以外は、製造例1と同様にして帯電制御剤B〜Fを合成した。
(実施例1)
攪拌槽において、室温下で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)9.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)6.9部を溶解した水溶液を、撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
スチレン83部、n−ブチルアクリレート17部、P.Yピグメントイエロー74(クラリアント社製)6部、帯電制御剤A1部、t−ドデシルメルカプタン1部、及びジペンタエリスリトールヘキサミリステート10部を室温下、ビーズミルで分散させ、コア用単量体組成物を得た。
一方、メタクリル酸メチル(計算Tg=105℃)2部と水100部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用単量体水分散液を得た。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温下で、上記コア用単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで撹拌し、そこに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーブチルO)5部を添加した後、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:マイルダー)を用いて、15,000rpmの回転数で30分間高剪断攪拌してコア用単量体組成物の液滴形成を行なった。
上記により得られたコア用単量体組成物の液滴が分散した懸濁液(コア用単量体組成物分散液)を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、90℃に昇温し、重合反応を開始させた。重合転化率が、ほぼ100%に達したときに、反応器内に前記シェル用重合性単量体水分散液102部、及び蒸留水65部を溶解したシェル用重合開始剤である2,2´−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)(和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性)0.2部を添加し、さらに90℃で8時間反応を継続した後、水冷して反応を停止し、pH9.5の着色樹脂粒子の水分散液を得た。
上記により得られた着色樹脂粒子の水分散液を、室温下で、攪拌しながら硫酸を滴下し、pHが5以下となるまで酸洗浄を行った。次いで、濾過分離を行ない、得られた固形分にイオン交換水500部を加えて再スラリー化させて、水洗浄処理(洗浄・濾過・脱水)を数回繰り返し行った。次いで、濾過分離を行ない、得られた固形分を乾燥機の容器内に入れ、45℃で48時間乾燥を行ない、乾燥した着色樹脂粒子を得た。
なお、得られた着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は7.0μm、粒径分布(Dv/Dn)は1.16、平均円形度は0.970であった。
上記により得られた着色樹脂粒子100部に、外添剤としてコロイダルシリカ(日本アエロジル社製、商品名:RX−200)0.6部を添加し、高速攪拌機(三井鉱山社製、商品名:ヘンシェルミキサー)を用いて、6分間、周速30m/sで、混合攪拌して外添処理を行ない、実施例1の正帯電性トナーを作製し、試験に供した。得られたトナーの評価結果を表2に示す。
(実施例2〜6、比較例1、2)
帯電制御剤の種類と添加量を表2のように変更した以外は、実施例1と同様にして正帯電性トナーを得た。尚、比較例1では、アンモニウム塩化する前の化合物3をそのまま、比較例2では、環状アンモニウム構造を有さない市販の帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:アクリルベースFCA−207Pを用いた。
Figure 2011013392
Figure 2011013392
(結果のまとめ)
表2に記載されている評価結果より、以下のことが分かる。
比較例1のトナーは、本発明で帯電制御剤として特定した環状アミン化合物とスルホン酸との塩を用いずに、環状アミン化合物のみを用いたことに起因し、露光による変色は起こり難いものの、細線再現性、及びN/N、H/H環境下での印字耐久性に劣るトナーであった。
比較例2のトナーは、本発明で帯電制御剤として特定した環状アミン化合物とスルホン酸化合物とのアンモニウム塩を用いずに、市販の帯電制御剤を用いたことに起因し、細線再現性、及びN/N、H/H環境下での印字耐久性は比較的良好であったものの、露光による変色が起こり易いトナーであった。
これに対して、実施例1〜6のトナーは、本発明で特定した帯電制御剤である環状アミン化合物とスルホン酸化合物とのアンモニウム塩をそれぞれ特定量用いたことに起因し、細線再現性を維持し、N/N及びH/H環境下においてカブリ等による画質の劣化が起こり難く、且つ、露光による変色が起こり難いトナーであった。

Claims (5)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及び帯電制御剤を含有する電子写真用正帯電性トナーであって、
    前記帯電制御剤が、下記一般式(1)で表される5〜6員環の環状アミン構造を有する化合物と、スルホン酸化合物とを反応させて得られるアンモニウム塩である電子写真用正帯電性トナー。
    Figure 2011013392
    (式(1)中、Rは水素原子又は有機基であり、当該Rが有機基である場合には置換基又は分子中の他の構成部分に結合する連結基のいずれであってもよい。R〜Rは炭素原子数1〜3のアルキル基である。Aは、式(1)に表記されている窒素原子に隣接する2つの炭素原子と連結して含窒素5〜6員環を形成する炭素原子数2〜3の直鎖状炭化水素構造であり、Aを構成する炭素は、式(1)に示すような少なくとも1つの結合部位を有しており、当該結合部位は式(1)に表記されているZに結合しており、Zは、水素原子、置換基又は同一分子内あるいは式(1)で示される他の分子内の他の構成部分である。Aは式に示されていない他の結合部位及び/又は置換基を有していてもよい。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物のR〜Rがメチル基である請求項1に記載の電子写真用正帯電性トナー。
  3. 前記スルホン酸化合物が芳香族スルホン酸化合物である請求項1又は2に記載の電子写真用正帯電性トナー。
  4. 前記帯電制御剤の含有量が、前記結着樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用正帯電性トナー。
  5. 前記電子写真用正帯電性トナーが湿式重合法により製造されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用正帯電性トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020086267A (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 花王株式会社 非磁性一成分現像用正帯電性カラートナー

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