JPWO2012173247A1 - 透明粘着テープ、金属薄膜付フィルム積層体、カバーパネル−タッチパネルモジュール積層体、カバーパネル−ディスプレイパネルモジュール積層体、タッチパネルモジュール−ディスプレイパネルモジュール積層体、及び、画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以下に本発明を詳述する。
高温条件下において、ポリカーボネート板、アクリル板等の高温環境下でアウトガスを発生する被着体と粘着剤層との界面に発生する浮き剥がれは、該被着体からアウトガスが生じ、そのガス圧力により気泡が成長することによって起こると考えられる。そのため、粘着剤層のポリカーボネート板及びアクリル板に対する密着性又は粘着力を高めることにより、ポリカーボネート板又はアクリル板との界面における気泡の成長を妨げることができるものと考えられる。
本発明者は、高温環境下において発生する浮き剥がれが、粘着剤層の高温条件において測定した剪断貯蔵弾性率と相関することを見出した。即ち、高温環境下においてポリカーボネート板、アクリル板等と粘着剤層との界面に発生する浮き剥がれは、測定周波数10Hz、200℃における粘着剤層の剪断貯蔵弾性率が大きいほど少なく、剪断貯蔵弾性率が小さくなるほど多くなる傾向にある。本発明者は、更に鋭意検討の結果、粘着剤の200℃における剪断貯蔵弾性率を2.5×104Pa以上とすることにより、浮き剥がれの発生を防止できることを見出した。
高温環境下における浮き剥がれは、被着体から発生するアウトガスの圧力に粘着剤層が耐えられなくなり、変形しながら剥離することが原因であると考えられる。粘着剤層の200℃における剪断貯蔵弾性率を高くすることにより、高温環境下でも粘着剤層が変形し難くなることから、浮き剥がれの発生を防止できるものと考えられる。
なお、上記粘着剤層の200℃の剪断貯蔵弾性率(G’)の上限は特に限定されないが、好ましい上限は4.0×106Paである。200℃の剪断貯蔵弾性率(G’)が4.0×106Paを超えると、被着体への粘着性が劣る傾向になり浮き剥がれの発生が起こる可能性がある。
まず、本発明の透明粘着テープを一定の大きさに切断して試験片を作製する。得られた試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、200メッシュのステンレスメッシュを介して試験片を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。そして、乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出する。
式中、W0は基材の重量を表し、W1は浸漬前の試験片の重量を表し、W2は浸漬し乾燥した後の試験片の重量を表す。透明粘着テープが基材を有さない場合はW0=0である。
C≦100−3×(100−B) (b)
式中、Aはゾル成分の重量換算分子量を表し、Bは粘着剤層のゲル分率(重量%)を表し、Cはゾル成分中に含まれる分子量10万以下のゾル成分のゾル成分全体に対する重量換算含有率(重量%)を表す。
上記粘着剤層のゾル成分中に含まれる分子量10万以下のゾル成分が、式(b)右辺の値を超えると、高温環境下において、被着体から発生するアウトガスの圧力による粘着剤層の変形が起こり、気泡の成長を抑えることができない。
従って、高温環境下において、被着体から発生するアウトガスの圧力による粘着剤層の変形による気泡の成長を抑えるには、式(a)、式(b)の少なくともどちらか一方の式を満たすことが好ましく、式(a)、式(b)の両式満たすことがより好ましい。
まず、本発明の透明粘着テープを一定の大きさに切断して試験片を作製する。得られた試験片をテトラヒドロフラン中に23℃にて24時間浸漬した後、フィルターにより溶液のみを分取する。分取した溶液について、カラムとして例えばWaters社製「2690 Separations Model」を用いて、GPC法によってポリスチレン換算によるゾル成分の重量平均分子量、分子量分布を測定する。なお、このポリスチレン換算による重量平均分子量を、重量換算分子量とした。
なお、本明細書では、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
なお、本明細書において「主成分とする」とは、上記粘着剤が(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を全量に対して、通常、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上含有することを意味する。
一方、上記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が上記一般式(2)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位を含有することにより、周波数10Hzにおける動的粘弾性スペクトルの損失正接を所定の範囲内としたまま、200℃の剪断貯蔵弾性率を所定の範囲内に調整することができる。これは、上記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の主鎖の分子鎖長が長くなることにより、分子鎖同士の絡み合いが増すためであると考えられる。
上記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体がビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーに由来する構成成分を含有することにより、得られる粘着剤層は、ポリカーボネート板又はアクリル板に対する粘着力が劇的に向上する。このように粘着力が向上することにより、高温環境下における浮き剥がれの発生をよりいっそう防止することができる。
なお、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の水酸基価は、下記の式より計算される。
=56110×n×W/M
M:水酸基含有モノマーの分子量(−)
n:水酸基含有モノマー一分子中の水酸基数(個)
W:(メタ)アクリル酸エステル系共重合体中の
水酸基含有モノマーの重量含有割合(wt%)
上記重合方法は特に限定されず、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の従来公知の重合方法が挙げられる。なかでも、溶液重合が好適である。
上記溶液重合に用いる溶媒は特に限定されず、例えば、酢酸エチル、トルエン、ジメチルスルホキシド、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル等が挙げられる。
上記過硫酸塩は特に限定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。上記有機過酸化物は特に限定されず、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ラウロイルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物は特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ系架橋剤は特に限定されないが、脂肪族エポキシ系架橋剤が好ましい。上記脂肪族エポキシ系架橋剤のうち、市販品として、例えば、デナコールEX212、デナコールEX214(いずれもナガセケムテックス社製)、E−5C(綜研化学社製)等が挙げられ、その他のエポキシ系架橋剤としては、例えば、E−AX(綜研化学社製)等が挙げられる。
上記粘着付与樹脂は特に限定されず、例えば、キシレン樹脂、フェノール樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、キシレン樹脂が好ましく、キシレン樹脂のアルキルフェノール反応物がより好ましい。
また、上記粘着付与樹脂として、水素添加された樹脂が好ましく、このような水素添加された樹脂を用いることで、得られる粘着剤層の透明性が高まる。
上記基材は、透明性を有する基材であれば特に限定されず、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
特に、本発明の透明粘着テープを製造する方法として、上記混合モノマー、光重合開始剤、及び、必要に応じて添加剤等を含有し、かつ、溶剤を含有しないモノマー組成物を、一方の面が離型処理された透明な合成樹脂フィルムの離型処理面に塗工してモノマー層を形成した後、このモノマー層上に、一方の面が離型処理された別の透明な合成樹脂フィルムの離型処理面を重ね合わせ、合成樹脂フィルムを透してモノマー層に紫外線照射等の光照射を行うことにより、上記混合モノマーをラジカル重合させる方法が好適に用いられる。
ただし、ベンゾトリアゾールのような防錆剤の存在下で光重合を行った場合には、重合阻害により高い分子量を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を得ることができないことがある。従って、防錆剤の存在下で重合を行う場合には、溶液重合等の光重合以外の手段を採用することが好ましい。
なお、上記透明な合成樹脂フィルムは特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。
上記多官能(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、水添ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、得られる粘着剤層の応力分散性の低下が小さく粘着性能に優れる点から、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、水添ポリブタジエンジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、ポリエステルジアクリレートが好ましい。
上記多官能(メタ)アクリレートの配合量は、上記混合モノマー中のより好ましい下限が0.05重量%、より好ましい上限が3重量%である。
上記光重合開始剤の配合量は、上記混合モノマー100重量部に対するより好ましい下限が0.03重量部、より好ましい上限が1重量部である。
上記波長400nm以下に発光分布を有するランプとして、例えば、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウエーブ励起水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。なかでも、上記光重合開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光するとともに、上記モノマー層に含まれる上記光重合開始剤以外の成分の光吸収が少なく、上記モノマー層の内部にまで光が充分に到達して上記混合モノマーを効果的に重合させることができることから、ケミカルランプが好ましい。
例えば、上記光重合開始剤としてアセトフェノン系光重合開始剤を用いた場合、該アセトフェノン系光重合開始剤の光分解に有効な波長領域の光照射強度は、0.1〜100mW/cm2であることが好ましい。なお、上記アセトフェノン系光重合開始剤の光分解に有効な波長領域は、光重合開始剤によって異なるが、通常、365nm〜420nm程度である。
本発明の透明粘着テープを介してカバーパネルとタッチパネルモジュールとが接着されたカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体、本発明の透明粘着テープを介してカバーパネルとディスプレイパネルモジュールとが接着されたカバーパネル−ディスプレイパネルモジュール積層体、本発明の透明粘着テープを介して、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとが接着されたタッチパネルモジュール−ディスプレイパネルモジュール積層体もまた、本発明の1つである。
本発明の透明粘着テープを介して、2枚の金属薄膜付フィルムを積層してなる金属薄膜付フィルム積層体もまた、本発明の1つである。
本発明のITOフィルム積層体、本発明のカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体、本発明のカバーパネル−ディスプレイパネルモジュール積層体、又は、本発明のタッチパネルモジュール−ディスプレイパネルモジュール積層体を有する画像表示装置もまた、本発明の1つである。
(1)(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、エチルアクリレート30重量部と、n−ブチルアクリレート44.8重量部と、イソボルニルアクリレート21重量部と、ポリエチレンオキサイド鎖を有するモノマーとしてブレンマーPME−1000(エチレンオキサイドの繰り返し数=23、末端メチル基、日油社製)3重量部と、アクリル酸1重量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2重量部と、これらモノマー100重量部に対して酢酸エチル60重量部とを加え、窒素ガスを30分間吹き込んで窒素置換した後、反応器を70℃に加熱した。30分間後、モノマー100重量部に対して0.12重量部の重合開始剤としてのt−ヘキシルパーオキシピバレートを40重量部の酢酸エチルで希釈し、得られた重合開始剤溶液を上記反応器内に5時間かけて滴下添加した。その後、70℃にて、重合開始剤の添加開始から8時間反応させて、固形分50%の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体溶液を得た。
また、得られた(メタ)アクリル酸エステル系共重合体について、カラムとしてWaters社製「2690 Separations Model」を用いて、GPC法によってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定した。得られた重量平均分子量を表1に示した。
更に、上記方法により得られた(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の水酸基価を表1に示した。
得られた(メタ)アクリル酸エステル系共重合体溶液に、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の固形分100重量部に対して、架橋剤としてマイテックNY260A(三菱化学社製)を固形分換算で3重量部、シランカップリング剤としてKBM−403(信越化学工業社製)を固形分換算で0.5重量部となるように添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。
得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、100℃で10分間乾燥させて粘着剤組成物溶液中の酢酸エチルを除去して、厚み50μm及び100μmの粘着剤層を形成し、更に得られた粘着剤層の上に、離型処理面が粘着剤層に接するようにして新たに用意した離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを重ね合わせて積層体を得た。得られた積層体をゴムローラにより加圧することにより、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムが両面に貼り付けられた透明粘着テープ(厚み50μm及び100μm)を得た。
得られた厚さ100μmの透明粘着テープを重ね合わせることにより厚さ1mmの透明粘着テープを得た。得られた透明粘着テープの200℃における剪断貯蔵弾性率(G’)を、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製、DVA−200)により周波数10Hz、昇温速度5℃/分にて測定した。更に、−50℃から200℃における剪断貯蔵弾性率(G’)及び剪断損失弾性率(G’’)を、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製、DVA−200)を用いて、測定モードを剪断モードとし、周波数10Hz、昇温速度5℃/分の条件にて測定し、横軸を温度、縦軸を損失正接(tanδ)としてグラフを作成し、損失正接が極大値をとる温度を求めた。
得られた厚さ100μmの透明粘着テープを50mm×25mmの平面長方形状に切断して試験片を作製し、作製した試験片の重量W1を測定した。試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、200メッシュのステンレスメッシュを用いて試験片を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量W2を測定し、下記式によりゲル分率を算出した。
式中、W0は基材の重量を表し、W1は浸漬前の試験片の重量を表し、W2は浸漬し乾燥した後の試験片の重量を表す。透明粘着テープが基材を有さない場合はW0=0である。
得られた厚さ100μmの透明粘着テープを50mm×50mmの平面長方形状に切断して試験片を作製し、テトラヒドロフラン中に23℃にて24時間浸漬した。その後、フィルターにより溶液のみを分取し、カラムとしてWaters社製「2690 Separations Model」を用いて、GPC法によってポリスチレン換算によるゾル成分の重量換算分子量及び分子量分布を測定した。
表には、ゾル成分の重量平均分子量が下記式(a)を満たし、かつ、分子量10万以下の成分の割合が下記式(b)を満たす場合を「○」、どちらか一方のみを満たす場合を「△」、両方を満たさない場合を「×」と記載した。
C≦100−3×(100−B) (b)
式中、Aはゾル成分の重量換算分子量を表し、Bは粘着剤層のゲル分率(重量%)を表し、Cはゾル成分中に含まれる分子量10万以下のゾル成分のゾル成分全体に対する重量換算含有率(重量%)を表す。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を構成するモノマー種及び比率、シランカップリング剤量、架橋剤種及び量等を表1〜4のようにした以外は実施例1と同様にして(メタ)アクリル酸エステル系共重合体及び透明粘着テープを得た。また、実施例1と同様にして、損失正接の極大温度、200℃の剪断貯蔵弾性率、ゲル分率、及び、ゾル成分の分子量等を測定した。
実施例及び比較例で得られた透明粘着テープ及びフィルム積層体について、下記の評価を行った。結果を表1〜4に示した。
得られた厚さ100μmの透明粘着テープを40mm×60mmの平面形状を有するように裁断した。裁断された透明粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが75μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム上に貼り合わせた。更に、透明粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面をスライドガラス(商品名「S−1214」、MATSUNAMI社製)に貼り合わせて、粘着剤層/スライドガラスの層構造を有する試験片を作製した。この試験片を85℃かつ相対湿度(RH)85%の高温高湿下に放置した。放置開始前及び240時間放置後の試験片のヘーズ値(%)を、ヘーズメーター(全自動ヘーズメーター「TC−HIIIDPK」、東京電色社製)を用いて測定し、下記式によりΔヘーズ値を算出した。
={240時間放置後のヘーズ値(%)}−{放置開始前のヘーズ値(%)}
得られた厚さ100μmの透明粘着テープを40mm×60mmの平面形状を有するように裁断した。裁断された透明粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが25μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム上に貼り合わせた。更に、透明粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが0.18mmのITO付フィルム(非晶質ITO膜、尾池工業社製)のITO面に貼り合わせて、粘着剤層/ITO膜の層構造を有する試験片を作製した。
この試験片を85℃かつ85%RHの高温高湿下に放置した。放置開始前及び240時間放置後の試験片のヘーズ値(%)を、ヘーズメーター(全自動ヘーズメーター「TC−HIIIDPK」、東京電色社製)を用いて測定し、上記式によりΔヘーズ値を算出した。Δヘーズ値が、1未満であった場合を「○」と、1以上3未満であった場合を「△」と、3以上であった場合を「×」として評価した。
得られた厚さ100μmの透明粘着テープを40mm×60mmの平面形状を有するように裁断した。更に2角を10mm×10mmのサイズで切断し、凸状のテープシート状に裁断した。裁断された透明粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが25μmのポリエチレンテレフタレート上に貼り合わせた。更に、透明粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を40mm×60mmの平面形状を有する厚みが0.18mmのITO付フィルム(非晶質ITO膜、尾池工業社製)のITO面上に貼り合わせることにより、ITO付フィルムのITO面上に、透明粘着テープとポリエチレンテレフタレートとがこの順で積層されている導電性フィルム積層体を得た。
式中、R0は初期抵抗値を表し、R1は高温高湿下で240時間放置した後の抵抗値を表す。
得られた厚さ100μm及び50μmの透明粘着テープを45mm×60mmの平面形状を有するように裁断した。裁断された透明粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが0.18mmのタッチパネルモジュール上に貼り合わせた。更に、透明粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが1mmの平面形状を有するポリカーボネート板(PC板)上に貼り合わせることにより、ポリカーボネート板(PC板)上に、透明粘着テープとタッチパネルモジュールとがこの順で積層されているモジュール積層体を得た。
0.01mm以上の大きさの気泡が全く観察されなかった場合を「5点」、0.01mm以上の大きさの気泡が1つのカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体当たり1〜2個観察された場合を「4点」、と、0.01mm以上の大きさの気泡が1つのカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体当たり3〜5個観察された場合を「3点」、0.01mm以上の大きさの気泡が1つのカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体当たり6〜9個観察された場合を「2点」、0.01mm以上の大きさの気泡が1つのカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体当たり10個以上観察された場合を「1点」として、気泡発生状態を評価した。
(1)(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、n−ブチルアクリレート56.5重量部と、2−エチルヘキシルアクリレート10重量部と、イソボルニルアクリレート30重量部と、ポリエチレンオキサイド鎖を有するモノマーとしてブレンマーPSE−1300(日油社製)1.5重量部と、アクリル酸1重量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレート1重量部と、これらモノマー100重量部に対して酢酸エチル100重量部とを加え、窒素ガスを30分間吹き込んで窒素置換した後、反応器を60℃に加熱した。モノマー100重量部に対して0.1重量部の重合開始剤としてのアゾビスイソブチルニトリルを1重量部の酢酸エチルで希釈した。30分後、得られた重合開始剤溶液を上記60℃の反応器内に添加し、重合開始剤の添加開始から6時間反応させて、固形分50%の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル酸エステル系共重合体溶液に、シランカップリング剤、防錆剤、硬化剤等を表5に記載した配合量で添加した以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物及び透明粘着テープを得た。また、実施例1と同様にして、損失正接の極大温度、200℃の貯蔵弾性率、ゲル分率、及び、ゾル成分の分子量等を測定した。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を構成するモノマー種及び比率、製造方法、シランカップリング剤量、硬化剤の種類及び配合量を表5に記載したようにした以外は実施例30と同様にして(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、粘着剤組成物及び透明粘着テープを得た。また、実施例1と同様にして、損失正接の極大温度、200℃の貯蔵弾性率、ゲル分率、及び、ゾル成分の分子量等を測定した。
n−ブチルアクリレート56.5重量部と、2−エチルヘキシルアクリレート10重量部と、イソボルニルアクリレート30重量部と、ポリエチレンオキサイド鎖を有するモノマーとしてブレンマーPSE−1300(日油社製)1.5重量部と、アクリル酸1重量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレート1重量部と、これらモノマー100重量部に対して光重合開始剤として2,2−ジメトシキ−2−フェニルアセトフェノン(日本チバガイギー社製、商品名「イルガキュア651」)0.04重量部をガラス反応容器中でよく攪拌し、窒素ガスを30分間吹き込んで窒素置換した後、低圧水銀ランプで数分間、ランプを照射して粘性液体を得た。得られた組成物に架橋剤として1,6−へキサンジオールジアクリレート0.06重量部、追加の光重合開始剤として2,2−ジメトシキ−2−フェニルアセトフェノン0.02重量部、防錆剤としてベンゾトリアゾール(和光純薬工業社製)1重量部、シランカップリング剤としてKBM−403(信越化学工業社製)1重量部加えて、充分に攪拌した。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を構成するモノマー種及び比率、シランカップリング剤量、架橋剤種及び量等を表6、7のようにした以外は実施例1と同様にして(メタ)アクリル酸エステル系共重合体及び透明粘着テープを得た。また、実施例1と同様にして、損失正接の極大温度、200℃の剪断貯蔵弾性率、ゲル分率、及び、ゾル成分の分子量等を測定した。
実施例及び比較例で得られた透明粘着テープ及びフィルム積層体について、上記の方法により(1)白化の発生評価(ヘーズ値の測定)、(2)ITO膜に貼り付けた際の白化の有無、(3)ITO膜間の抵抗評価、(4)気泡発生状態(耐発泡性試験)を評価した。更に、下記の評価を行った。結果を表5〜7に示した。
ただし、比較例7で得られた透明粘着テープについては、分子量が上がっておらず、テープ形状が保てなかったことから、ガラス板及び強化ガラス板に対する粘着力評価を行うことができなかった。
また、比較例9では、重合時に粘着剤溶液がゲル化してしまい、粘着剤を調製することができず、データ採取が不可能であった。
得られた厚さ100μmの透明粘着テープを25mm×100mmの平面形状を有するように裁断した。裁断された透明粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に貼り合わせた。更に、透明粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが1mmのガラス板(商品名「S−1214」、MATSUNAMI社製)上に貼り合わせることにより、ガラス板上に、透明粘着テープとポリエチレンテレフタレートフィルムとがこの順で積層されている積層サンプルを得た。なお、透明粘着テープの露出した面をガラス板に貼り合わせる際には、上面のポリエチレンテレフタレートフィルム上に2.0kgのゴムローラを載せて、300mm/分の速度でゴムローラを一往復させることにより貼り合わせを行った。その後、23℃かつ相対湿度(RH)50%の条件下に20分時間放置し、試験サンプルを用意した。
得られた試験サンプルについて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行い、粘着力(N/25mm)を測定した。
得られた厚さ100μmの透明粘着テープを25mm×100mmの平面形状を有するように裁断した。裁断された透明粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に貼り合わせた。更に、透明粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが1mmの強化ガラス板(商品名「ゴリラガラス」、コーニング社製)上に貼り合わせることにより、強化ガラス板上に、透明粘着テープとポリエチレンテレフタレートフィルムとがこの順で積層されている積層サンプルを得た。なお、透明粘着テープの露出した面を強化ガラス板に貼り合わせる際には、上面のポリエチレンテレフタレートフィルム上に2.0kgのゴムローラを載せて、300mm/分の速度でゴムローラを一往復させることにより貼り合わせを行った。その後、23℃かつ相対湿度(RH)50%の条件下に20分時間放置し、試験サンプルを用意した。
得られた試験サンプルについて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行い、粘着力(N/25mm)を測定した。
得られた厚さ100μmの透明粘着テープを40mm×60mmの平面形状を有するように裁断した。裁断された透明粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、透明粘着テープの露出した面を厚みが35μmの銅箔上に貼り合わせた。この試験片を温度85℃湿度85%の恒温恒湿機に投入し、120時間後の試験片の表面の変色について目視で観察した。変色なしの場合を「○」、変色ありの場合を「×」として評価した。
2 本発明の透明粘着テープ
3 カバーパネル
4 タッチパネルモジュール
5 ディスプレイパネルモジュール
6 金属薄膜付フィルム
7 本発明の透明粘着テープ
8 支持体(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)
9 金属薄膜付フィルム積層体
10 タッチパネルモジュール
Claims (28)
- (メタ)アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する透明粘着テープであって、
前記粘着剤層は、周波数10Hzでの動的粘弾性スペクトルの損失正接が−20〜20℃の温度領域に極大値を有しており、200℃における剪断貯蔵弾性率が2.5×104Pa以上であり、かつ、ゲル分率が70重量%以上である
ことを特徴とする透明粘着テープ。 - 粘着剤層は、ゾル成分の重量換算分子量が下記式(a)を満たし、かつ、ゾル成分全体に対する分子量10万以下のゾル成分量が重量換算含有率において下記式(b)を満たすことを特徴とする請求項1記載の透明粘着テープ。
250000≧A≧2000×(100−B)1.5 (a)
C≦100−3×(100−B) (b)
式中、Aはゾル成分の重量換算分子量を表し、Bは粘着剤層のゲル分率(重量%)を表し、Cはゾル成分中に含まれる分子量10万以下のゾル成分のゾル成分全体に対する重量換算含有率(重量%)を表す。 - 一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート及びイソオクチル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1つの(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有することを特徴とする請求項3記載の透明粘着テープ。
- 一般式(2)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1つの(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有することを特徴とする請求項3記載の透明粘着テープ。
- 一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、n−ブチル(メタ)アクリレートを含有し、一般式(2)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、エチル(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項3記載の透明粘着テープ。
- (メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、更に、ビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーに由来する構成単位を有することを特徴とする請求項3、4、5又は6記載の透明粘着テープ。
- ビシクロ環構造は、イソボルニル環であることを特徴とする請求項7記載の透明粘着テープ。
- オレフィン性二重結合は、(メタ)アクリロイル基の二重結合であることを特徴とする請求項7又は8記載の透明粘着テープ。
- オレフィン性二重結合は、アクリロイル基の二重結合であることを特徴とする請求項7又は8記載の透明粘着テープ。
- (メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、更に、エチレンオキサイドの繰り返し数が8〜45のポリエチレンオキサイド鎖及び1つのオレフィン性二重結合を有するモノマーに由来する構成単位を有することを特徴とする請求項3、4、5、6、7、8、9又は10記載の透明粘着テープ。
- 一般式(3)中、R5は水素原子又はメチル基であり、R6は炭素数18のアルキル基であり、nは30であることを特徴とする請求項12記載の透明粘着テープ。
- 一般式(3)中、R5は水素原子又はメチル基であり、R6は炭素数1のアルキル基であり、nは23であることを特徴とする請求項12記載の透明粘着テープ。
- 粘着剤組成物は、更に、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100重量部に対してシランカップリング剤を0.01〜5重量部含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15記載の透明粘着テープ。
- 粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100重量部に対して防錆剤を0.01〜10重量部含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16記載の透明粘着テープ。
- 防錆剤は、ベンゾトリアゾール又はアルキルベンゾトリアゾールであることを特徴とする請求項17記載の透明粘着テープ。
- 粘着剤組成物は、更に、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、及び金属キレート系架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種の架橋剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18記載の透明粘着テープ。
- 粘着剤層の厚みが5μm〜1mmであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19記載の透明粘着テープ。
- 2枚の金属薄膜付フィルム同士の接着、カバーパネルとタッチパネルモジュールとの接着、カバーパネルとディスプレイパネルモジュールとの接着、又は、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとの接着に用いる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20記載の透明粘着テープ。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21記載の透明粘着テープを介して、2枚の金属薄膜付フィルムが接着された金属薄膜付フィルム積層体。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21記載の透明粘着テープを介して、カバーパネルとタッチパネルモジュールとが接着されたカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体。
- カバーパネルは、ポリカーボネート板又はアクリル板である請求項23記載のカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21記載の透明粘着テープを介して、カバーパネルとディスプレイパネルモジュールとが接着されたカバーパネル−ディスプレイパネルモジュール積層体。
- カバーパネルは、ポリカーボネート板又はアクリル板である請求項25記載のカバーパネル−ディスプレイパネルモジュール積層体。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21記載の透明粘着テープを介して、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとが接着されたタッチパネルモジュール−ディスプレイパネルモジュール積層体。
- 請求項22の金属薄膜付フィルム積層体、請求項23若しくは24記載のカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体、請求項25若しくは26記載のカバーパネル−ディスプレイパネルモジュール積層体、又は、請求項27記載のタッチパネルモジュール−ディスプレイパネルモジュール積層体を有する画像表示装置。
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