≪≪表面保護フィルム≫≫
本発明の表面保護フィルムは、粘着剤組成物から形成される粘着剤層と基材層とを有する。
基材層は、1層のみであっても良いし、2層以上であっても良い。本発明の表面保護フィルムは、基材層と粘着剤層の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の層を有していても良い。
図1は、本発明の好ましい実施形態による表面保護フィルムの概略断面図である。表面保護フィルム10は、基材層1と粘着剤層2を備える。本発明の表面保護フィルムは、必要に応じて、任意の適切な他の層をさらに有していてもよい(図示せず)。
基材層1の粘着剤層2を付設しない面に対しては、巻戻しが容易な巻回体の形成などを目的として、例えば、基材層に、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミン、長鎖アルキル系添加剤等を添加して離型処理を行ったり、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの任意の適切な剥離剤からなるコート層を設けたりすることができる。
本発明の表面保護フィルムは、離型性を有する剥離ライナーが貼り合わせられていても構わない。
本発明の表面保護フィルムの厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。本発明の効果を十分に発現するための観点から、好ましくは5μm〜250μmであり、より好ましくは10μm〜200μmであり、さらに好ましくは15μm〜175μmであり、特に好ましくは20μm〜150μmである。
本発明の表面保護フィルムは、23℃×50%RHでの銅に対する粘着力が0.001N/25mm〜0.07N/25mmであり、23℃×50%RHでの濡れ速度が10秒未満であり、60℃×90%RH48時間貼付け後での残留接着力が90%以上であり、銅に対する550nm反射率変化が50%以下である。
本発明の表面保護フィルムは、23℃×50%RHでの銅に対する粘着力、23℃×50%RHでの濡れ速度、60℃×90%RH48時間貼付け後での残留接着力、銅に対する550nm反射率変化がそれぞれ上記の範囲内に調整されることにより、金属に対して軽剥離性を発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性に優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性を発現でき、金属の腐食を効果的に防止できる。
本発明の表面保護フィルムは、23℃×50%RHでの銅に対する粘着力が、好ましくは0.003N/25mm〜0.06N/25mmであり、より好ましくは0.005N/25mm〜0.05N/25mmであり、さらに好ましくは0.007N/25mm〜0.04N/25mmである。本発明の表面保護フィルムの23℃×50%RHでの銅に対する粘着力を上記範囲内に調整することにより、金属に対して軽剥離性を発現できる表面保護フィルムを提供することができる。なお、23℃×50%RHでの銅に対する粘着力の詳細については後述する。
本発明の表面保護フィルムは、23℃×50%RHでの濡れ速さが、好ましくは15秒以下であり、より好ましくは13秒以下であり、さらに好ましくは10秒以下である。本発明の表面保護フィルムの23℃×50%RHでの濡れ速さを上記範囲内に調整することにより、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性に優れる表面保護フィルムを提供することができる。なお、23℃×50%RHでの濡れ速さの詳細については後述する。
本発明の表面保護フィルムは、60℃×90%RH48時間貼付け後での残留接着力が、好ましくは92%以上であり、より好ましくは94%以上であり、さらに好ましくは96%以上であり、特に好ましくは97%以上である。本発明の表面保護フィルムの60℃×90%RH48時間貼付け後での残留接着力を上記範囲内に調整することにより、金属メッシュフィルムに対して低汚染性を発現できる表面保護フィルムを提供することができる。なお、60℃×90%RH48時間貼付け後での残留接着力の詳細については後述する。
本発明の表面保護フィルムは、銅に対する550nm反射率変化が、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは10%以下である。本発明の表面保護フィルムの銅に対する550nm反射率変化を上記範囲内に調整することにより、金属の腐食を効果的に防止できる表面保護フィルムを提供することができる。なお、銅に対する550nm反射率変化は、下記式で求められ、その詳細については後述する。
銅に対する550nm反射率変化(%)=[1−{(60℃×90%RHで120時間保存後の550nm反射率)/(60℃×90%RHで120時間保存前の550nm反射率)}]×100
本発明の表面保護フィルムは、23℃×50%RHでのアクリル板に対する粘着力が、好ましくは0.001N/25mm〜0.06N/25mmであり、より好ましくは0.003N/25mm〜0.05N/25mmであり、さらに好ましくは0.005N/25mm〜0.04N/25mmであり、特に好ましくは0.007N/25mm〜0.03N/25mmである。本発明の表面保護フィルムの23℃×50%RHでのアクリル板に対する粘着力を上記範囲内に調整することにより、金属メッシュフィルムの表面全体への粘着性が適度に優れる表面保護フィルムを提供することができる。なお、23℃×50%RHでのアクリル板に対する粘着力の詳細については後述する。
≪≪粘着剤組成物≫≫
粘着剤組成物は、好ましくは、樹脂とアゾール化合物を含む。
≪樹脂≫
粘着剤組成物に含まれる樹脂は、好ましくは、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種である。粘着剤組成物に含まれる樹脂として、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種を採用することにより、金属に対して軽剥離性をより発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性により優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性をより発現できる、粘着剤組成物を提供することができる。
粘着剤組成物に含まれる樹脂は、より好ましくは、ポリウレタン系樹脂である。粘着剤組成物に含まれる樹脂として、ポリウレタン系樹脂を採用することにより、金属に対して軽剥離性をより一層発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性により一層優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性をより一層発現できる、粘着剤組成物を提供することができる。
<ポリエステル系樹脂>
ポリエステル系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリエステル系樹脂を採用し得る。
ポリエステル系樹脂としては、好ましくは、側鎖を有するジカルボン酸およびジオールを重縮合して得られるポリエステルまたはその誘導体である。なお、ポリエステルの合成方法としては、任意の適切な重合方法を用いることができる。
ジカルボン酸としては、好ましくは、側鎖を有し、官能基としてカルボキシル基を2個有するものであり、より好ましくは、該側鎖がアルキル基である。ジカルボン酸が側鎖を有することにより、ポリエステルの柔軟性が増し得るので、好ましい。側鎖がアルキル基であることにより、ポリエステルの加水分解を起こりにくくし得るので、好ましい。
ジカルボン酸としては、例えば、植物由来のジカルボン酸などが挙げられる。このようなジカルボン酸としては、例えば、ヒマシ油由来のセバシン酸、オレイン酸、エルカ酸などから誘導されるダイマー酸などが挙げられ、その他としては、アジピン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ドデセニル無水琥珀酸、フマル酸、琥珀酸、ドデカン二酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族や脂環族ジカルボン酸等や、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも特に、ダイマー酸等は、植物由来で、地球環境にやさしいなどの観点から、好ましい。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
ジオールとしては、本発明の特性を損なわないものであれば、任意の適切なジオールを採用し得る。このようなジオールとしては、例えば、官能基としてヒドロキシル基を2個有するものなどが挙げられ、好ましくは、該ジオールが側鎖を有し、より好ましくは、該側鎖がアルキル基である。ジオールが側鎖を有することにより、ポリエステルの柔軟性が増し得るので、好ましい。側鎖がアルキル基であることにより、ポリエステルの加水分解を起こりにくくし得るので、好ましい。
ジオールとしては、例えば、植物由来のジオールなどが挙げられる。このようなジオールとしては、例えば、ヒマシ油から誘導される脂肪酸エステルや、オレイン酸、エルカ酸などから誘導されるダイマージオール、グリセロールモノステアレートなどが挙げられ、その他としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族グリコールや、該脂肪族グリコール以外のものとして、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリカーボネートグリコール等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
ジカルボン酸とジオールのモル比は、1:1.08〜2.10であることが好ましく、1:1.09〜2.05がより好ましく、1:1.10〜2.00がさらに好ましい。ジカルボン酸1に対するジオールのモル比が1.08より小さくなると、得られるポリエステルの分子量が大きくなり、官能基となるヒドロキシル基が少なくなり、架橋剤(たとえば、多官能性イソシアネート)を使用しても、架橋反応を促進させることが困難となり、所望のゲル分率を有する粘着剤組成物(または粘着剤層)を得られなくなるおそれがある。ジカルボン酸1に対するジオールのモル比が2.10を超えると、所望の分子量より小さなポリエステルしか得られない傾向があり、架橋剤を使用しても、ゲル化を促進することができず、所望のゲル分率を有する粘着剤組成物(または粘着剤層)が得られなくなるおそれがある。また、ジカルボン酸とジオールのモル数が近くなり、モル比が1:1により近づくと、得られるポリエステルの分子量が増大し、これに伴い粘着力(剥離力)が増大し、軽剥離を実現できなくなるため、特に、表面保護用途の粘着フィルムとしては、好ましくない。
ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5000〜50000であり、より好ましくは5500〜45000であり、さらに好ましくは6000〜40000である。ポリエステルの重量平均分子量が5000未満の場合は、ポリエステルを用いた粘着剤組成物(または粘着剤層)の粘着力が低下する原因となるおそれがあり、被着体に対して、表面保護フィルム(粘着剤層)自体を固定できなくなるおそれがある。また、重量平均分子量が50000を超えると、凝集力の低下や、保持力の低下などの原因となるおそれがある。
ポリエステルの特性を損なわない程度であれば、ポリエステルを製造する際に、その他の成分を重合したり、また、重合後に添加したりすることも可能である。例えば、多価ヒドロキシル基含有化合物のトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3官能以上のヒドロキシル基含有化合物や、多価カルボン酸のトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の3官能以上のカルボン酸化合物、さらに、ヒドロキシル基等とカルボキシル基等を併せ持つ化合物として、グリコール酸、ヒドロキシピバリン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
ジカルボン酸とジオールとの重合(縮合重合)反応は、溶剤を使用して行っても良いし、無溶剤で行っても良いし、その他の任意の適切な方法が使用できる。
ジカルボン酸とジオールとの重合(縮合重合)反応で生成する水を除去する方法としては、トルエンやキシレンを用いて共沸脱水させる方法や、反応系内に不活性ガスを吹き込み、不活性ガスと共に、生成した水や、モノアルコールを反応系外に排出する方法、減圧下で溜出する方法等が挙げられる。
ジカルボン酸とジオールとの重合(縮合重合)反応に用いられる重合触媒としては、通常のポリエステル製造の際の重合触媒に用いられる任意の適切な重合触媒を使用し得る。このような重合触媒としては、例えば、チタン系、錫系、アンチモン系、亜鉛系、ゲルマニウム系等の種々の金属化合物や、p−トルエンスルホン酸や硫酸などの強酸化合物が挙げられる。
ポリエステル系樹脂は、好ましくは、ポリエーテルポリオールを含有する。ポリエステルとポリエーテルポリオールを、架橋剤を用いて架橋反応させることにより、粘着剤組成物中にポリエーテルポリオールを挿入することができる。特に、ポリエーテルポリオールを配合することで、濡れ性が良好で、気泡の噛み込みを抑制した粘着剤層(またはそれを有する表面保護フィルム)を得ることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリエーテルポリオールを採用し得る。このようなポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の二官能型ポリエーテルポリオールや、トリメチロールプロパントリポリオキシエチレンエーテル等の三官能型ポリエーテルポリオール、ペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテル等の四官能ポリエーテルポリオール、ポリトリメチレンエーテルグリコール等のポリオキシアルキレングリコール、1〜20モル%の3−メチルテトラヒドロフランとテトラヒドロフランの共重合ポリエーテルポリオール(例えば、保土ヶ谷化学社製「PTG−L1000」、「PTG−L2000」、「PTG−L3000」等)、ネオペンチルグリコールとテトラヒドロフランの共重合ポリエーテルグリコール、ポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。なお、植物由来のポリエーテルポリオールは、地球環境にやさしいなどの観点から、好ましい。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリエーテルポリオールとして、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のブロック共重合型やランダム共重合型を用いることもできる。また、一部の末端をメチル基、エチル基、アリル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基などの脂肪族系炭化水素基や、フェニル基、メチルフェニル基、ノニルフェニル基、ベンジル基などの芳香族系炭化水素基で、末端ヒドロキシル基を変性し、反応性を無くしてもよい。ただし、全官能基を変性すると、完全に反応性がなくなるため、ポリエステルとの架橋反応ができなくなり、ポリエーテルポリオール自体が、粘着剤表面へブリードアウトすることの原因となるため好ましくない。特に良好な粘着特性を得るためには、ポリプロピレングリコールや、ポリブチレングリコールなどの分子骨格中に分岐鎖を持つ構造のものを使用することが好ましい。これは、ポリマー鎖の運動性が高く、粘着剤表面近傍での寄与が大きくなることが推測されるからである。また、これらの全末端ヒドロキシル基(末端官能基)の一部を変性したタイプがさらに有用である。これは、変性して反応性のなくなった分子鎖が自由であることにより、さらに分子運動性が高まり、所望の粘着特性に調整することが容易となるからである。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)は、全末端ヒドロキシル基(末端官能基)が未変性のものについては、好ましくは100〜5000であり、より好ましくは200〜4000であり、さらに好ましくは300〜3000である。ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)が100より小さくなると、粘着特性の改善効果が小さくなるおそれがある。ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)が5000よりも大きくなると、ポリエーテルポリオール自体がブリードアウトしやすくなり、汚染の原因となるおそれがある。また、ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)を上記範囲内に調整することにより、良好な濡れ性や、気泡の噛み込みの抑制などの効果が得られ、また、ポリエステルとの相溶性も良好であり、外観不良が生じることなく、ブリードアウト等が発生等の原因を抑制でき、被着体に汚染を残すことがなく、好ましい。
全末端ヒドロキシル基(末端官能基)の一部が変性されたものの数平均分子量(Mn)は、好ましくは100〜1500であり、より好ましくは200〜1200であり、さらに好ましくは300〜1000である。全末端ヒドロキシル基(末端官能基)の一部が変性されたものの数平均分子量(Mn)が100より小さいと、粘着特性の改善効果が小さくなるおそれがある。全末端ヒドロキシル基(末端官能基)の一部が変性されたものの数平均分子量(Mn)が1500よりも大きいと、ポリエーテルポリオール自体がブリードアウトしやすくなり、汚染の原因となるおそれがある。
ポリエーテルポリオールの配合量は、全末端ヒドロキシル基(末端官能基)が未変性のものについては、ポリエステル100重量部に対して、好ましくは1重量部〜400重量部であり、より好ましくは3重量部〜300重量部であり、さらに好ましくは5重量部〜200重量部である。全末端ヒドロキシル基(末端官能基)が未変性のポリエーテルポリオールの配合量が、ポリエステル100重量部に対して、1重量部より少ないと、粘着特性の改善効果が得られないおそれがある。全末端ヒドロキシル基(末端官能基)が未変性のポリエーテルポリオールの配合量が、ポリエステル100重量部に対して、400重量部より多いと、ポリエーテルポリオール自体がブリードアウトしやすくなり、汚染の原因となるおそれがある。全末端ヒドロキシル基(末端官能基)が未変性のポリエーテルポリオールの配合量が上記範囲内に調整されることにより、良好な濡れ性や、気泡の噛み込みの抑制などの効果が得られ、また、ポリエステルとの相溶性も良好であり、外観不良が生じることなく、ブリードアウト等が発生等の原因を抑制でき、被着体に汚染を残すことがなく、好ましい。
ポリエーテルポリオールの配合量は、全末端ヒドロキシル基(末端官能基)の一部が変性されたものについては、ポリエステル100重量部に対して、好ましくは1重量部〜35重量部であり、より好ましくは3重量部〜32重量部であり、さらに好ましくは5重量部〜28重量部である。全末端ヒドロキシル基(末端官能基)の一部が変性されたポリエーテルポリオールの配合量が、ポリエステル100重量部に対して、1重量部より少ないと、粘着特性の改善効果が得られないおそれがある。全末端ヒドロキシル基(末端官能基)の一部が変性されたポリエーテルポリオールの配合量が、ポリエステル100重量部に対して、35重量部より多いと、ポリエーテルポリオール自体がブリードアウトしやすくなり、汚染の原因となるおそれがある。全末端ヒドロキシル基(末端官能基)の一部が変性されたポリエーテルポリオールの配合量が上記範囲内に調整されることにより、良好な濡れ性や、気泡の噛み込みの抑制などの効果が得られ、また、ポリエステルとの相溶性も良好であり、外観不良が生じることなく、ブリードアウト等が発生等の原因を抑制でき、被着体に汚染を残すことがなく、好ましい。
架橋剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な架橋剤を採用し得る。このような架橋剤としては、例えば、多価イソシアヌレート、多官能性イソシアネート、多官能性メラミン化合物、多官能性エポキシ化合物、多官能性オキサゾリン化合物、多官能性アジリジン化合物、金属キレート化合物などが挙げられ、特に、得られる粘着剤組成物(または粘着剤層)の透明性や、高いゲル分率の粘着剤組成物(または粘着剤層)を得るという観点から、多価イソシアヌレートや多官能性イソシアネート化合物が好ましい。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
多価イソシアヌレートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体などが挙げられる。これらを用いることにより、得られる粘着剤組成物(または粘着剤層)の透明性や、高いゲル分率の粘着剤組成物(または粘着剤層)を得るという目的を達成することができ、有効である。
多価イソシアヌレートとしては、市販品を使用することもでき、具体的には、商品名「デュラネートTPA−100」(旭化成ケミカルズ社製)、商品名「コロネートHK」、「コロネートHX」、「コロネート2096」(日本ポリウレタン工業社製)等が挙げられる。
多官能性イソシアネート化合物としては、例えば、分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有する化合物であることが好ましく、分子中に少なくとも3個以上のイソシアネート基を有する化合物であることがより好ましく、具体的には、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、芳香族ポリイソシアネート類などを挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネート類としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネートや、1,2−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−テトラメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネートなどのテトラメチレンジイソシアネート、1,2−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5−ヘキサメチレンジイソシアネートなどのヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネート類としては、例えば、イソホロンジイソシアネートや、1,2−シクロヘキシルジイソシアネート、1,3−シクロヘキシルジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネートなどのシクロヘキシルジイソシアネート、1,2−シクロペンチルジイソシアネート、1,3−シクロペンチルジイソシアネートなどのシクロペンチルジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート類としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能性イソシアネート化合物として、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、芳香族ポリイソシアネート類以外に、芳香脂肪族ポリイソシアネート類による二量体や三量体を用いることができ、具体的には、ジフェニルメタンジイソシアネートの二量体や三量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなどの重合物などが挙げられる。
多官能性イソシアネート化合物として、市販品を使用することもでき、具体的には、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートの三量体付加物として、商品名「コロネートL」(日本ポリウレタン工業社製)や、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートの三量体付加物として、商品名「コロネートHL」(日本ポリウレタン工業社製)等が挙げられる。
多官能性メラミン化合物としては、メチル化メチロールメラミン、ブチル化ヘキサメチロールメラミンなどが挙げられ、多官能性エポキシ化合物としては、ジグリシジルアニリン、グリセリンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
架橋剤の配合量としては、例えば、粘着剤組成物(または粘着剤層)のゲル分率が40重量%〜95重量%になるように配合することが好ましく、より好ましくは45重量%〜93重量%になるように配合し、さらに好ましくは50重量%〜92重量%になるように配合する。粘着剤組成物(または粘着剤層)のゲル分率が40重量%未満であると、未反応のポリエーテルポリオールが多く残存し、被着体を汚染するおそれがあり、また、ハンドリング性に劣るおそれがある。また、粘着剤組成物(または粘着剤層)のゲル分率が40重量%未満であると、粘着力(剥離力)が経時で上昇したり、表面保護フィルム(具体的には、それが有する粘着剤層)を剥離する際に被着体を汚染したりするおそれがあり、軽剥離性(再剥離性)に劣るおそれがある。粘着剤組成物(または粘着剤層)のゲル分率が95重量%を超えると、ポリエーテルポリオールが拘束されてしまい、粘着剤層の表面に出なくなるおそれがあり、被着体への濡れ性が低下したり、粘着力が低くなりすぎて被着体に対して表面保護フィルム自体を固定できなくなったりするおそれがあり、表面保護用途として使用できなくなるおそれがある。
架橋剤の配合量としては、例えば、ポリエステル100重量部に対して、好ましくは2重量部〜30重量部であり、より好ましくは3重量部〜28重量部であり、さらに好ましくは4〜26重量部である。ポリエステル100重量部に対する架橋剤の配合量が2重量部未満であると、粘着剤組成物(または粘着剤層)とした場合に、凝集力の向上を図ることができないおそれがあり、また、未反応のポリエーテルポリオールが多く存在することになって被着体への汚染の原因となるおそれがある。ポリエステル100重量部に対する架橋剤の配合量が30重量部を超えると、架橋剤が過剰となるため、貼り合わせ後、経時で粘着力が上昇したり、被着体を汚染させたりするなどの不具合が生じるおそれがある。
架橋剤の配合量としては、例えば、ポリエステルとポリエーテルポリオールの合計100重量部に対して、好ましくは2重量部〜50重量部であり、より好ましくは3重量部〜40重量部であり、さらに好ましくは4重量部〜30重量部である。ポリエステルとポリエーテルポリオールの合計100重量部に対する架橋剤の配合量が2重量部未満であると、粘着剤組成物(または粘着剤層)とした場合に、凝集力の向上を図ることができないおそれがあり、また、未反応のポリエーテルポリオールが多く存在することになって被着体への汚染の原因となるおそれがある。ポリエステルとポリエーテルポリオールの合計100重量部に対する架橋剤の配合量が50重量部を超えると、架橋剤が過剰となるため、貼り合わせ後、経時で粘着力が上昇したり、被着体を汚染させたりするなどの不具合が生じるおそれがある。
粘着剤組成物(または粘着剤層)のゲル分率を効率よく調整するため、架橋触媒を適宜使用することができる。このような架橋触媒としては、例えば、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルスズオキシド、ジオクチルスズジウラレート等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
架橋触媒の配合量としては、例えば、ポリエステル100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜1重量部であり、より好ましくは0.05重量部〜0.5重量部である。ポリエステル100重量部に対する架橋触媒の配合量が0.01重量部未満であると、触媒添加の効果が得られないおそれがあり、ポリエステル100重量部に対する架橋触媒の配合量が1重量部を超えると、シェルフライフが著しく短くなり、塗布の安定性が低下するおそれがある。
シェルフライフを延長するため、遅延剤として、アセチルアセトンやメタノール、オルト酢酸メチルなどを、適宜、配合することも可能である。
粘着剤組成物(または粘着剤層)に所望の特性を付与させるため、ポリエステルに、架橋剤と共に、粘着付与樹脂を組み合わせても良い。
粘着付与樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着付与樹脂を採用し得る。このような粘着付与樹脂としては、例えば、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、キシレン樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂などが挙げられ、特にバイオマス度を向上させるため、植物由来の原料により製造されるロジン系やテルペン系粘着付与樹脂を用いることが好ましい。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。なお、バイオマス度とは、前記ポリエステル系粘着剤組成物を構成する使用原料全体の重量に対する植物由来の使用原料の重量から、植物由来の使用原料の割合を計算したものを意味する。
テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、及び、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられ、具体的には、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体や、これらをフェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性したテルペン系樹脂などが挙げられる。
フェノール系粘着付与樹脂としては、例えば、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アルキルフェノール、レゾルシンなどの各種フェノール類と、ホルムアルデヒドとの縮合物などが挙げられる。また、上記フェノール類とホルムアルデヒドとを、アルカリ触媒下で付加反応させて得られるレゾールや、上記フェノール類とホルムアルデヒドとを、酸触媒下で縮合反応させて得られるノボラック、未変性または変性ロジンやこれらの誘導体などのロジン類に、フェノールを酸触媒下で付加させ、熱重合することにより得られるロジン変性フェノール樹脂などが挙げられる。
ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、水添ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、ロジンフェノール樹脂などが挙げられ、具体的には、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン)や、これらを水添化、不均化、重合、その他の化学的に修飾された変性ロジン、これらの誘導体などが挙げられる。
粘着付与樹脂の配合量は、ポリエステル100重量部に対して、好ましくは0重量部〜50重量部であり、より好ましくは2重量部〜30重量部であり、特に好ましくは5重量部〜20重量部である。ポリエステル100重量部に対する粘着付与樹脂の配合量が50重量部を超えると、粘着剤組成物(または粘着剤層)の粘着力が高くなり、高温環境下に曝した後の再剥離が困難になるおそれがある。
ポリエステル系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、光安定剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料や染料などの着色剤、老化防止剤、界面活性剤などの一般的な添加剤が含まれていても良い。
<ポリウレタン系樹脂>
ポリウレタン系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリウレタン系樹脂を採用し得る。ポリウレタン系樹脂としては、好ましくは、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂、または、ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂である。ポリウレタン系樹脂として上記のようなものを採用することにより、金属に対して軽剥離性をより一層発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性により一層優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性をより一層発現できる、粘着剤組成物を提供することができる。
<ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂>
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂は、具体的には、好ましくは、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させて得られるポリウレタン系樹脂である。ポリオール(A)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。多官能イソシアネート化合物(B)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリオール(A)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひまし油系ポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリオール成分と酸成分とのエステル化反応によって得ることができる。
ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。酸成分としては、例えば、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、ダイマー酸、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェエルジカルボン酸、これらの酸無水物などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、低分子ポリオール(プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、ジヒドロキシベンゼン(カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンなど)などを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ε−カプロラクトン、σ−バレーロラクトンなどの環状エステルモノマーの開環重合により得られるカプロラクトン系ポリエステルジオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記ポリオール成分とホスゲンとを重縮合反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分と、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロビル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル、エチルブチル炭酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジル等の炭酸ジエステル類とをエステル交換縮合させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分を2種以上併用して得られる共重合ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとカルボキシル基含有化合物とをエステル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエーテル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとエステル化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとジカルボン酸化合物とを重縮合反応させて得られるポリエステル系ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとアルキレンオキサイドとを共重合させて得られる共重合ポリエーテル系ポリカーボネートポリオール;などが挙げられる。
ひまし油系ポリオールとしては、例えば、ひまし油脂肪酸と上記ポリオール成分とを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ひまし油脂肪酸とポリプロピレングリコールとを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。
ポリオール(A)としては、好ましくは、OH基を3個有する数平均分子量Mnが8000〜20000のポリオール(A1)を含有する。ポリオール(A1)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。ポリオール(A)が、OH基を3個有する数平均分子量Mnが8000〜20000のポリオール(A1)を含有することにより、金属に対して軽剥離性をより一層発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性により一層優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性をより一層発現できる、粘着剤組成物を提供することができる。
ポリオール(A)100重量部に対するポリオール(A1)の含有割合は、好ましくは70重量部以上であり、より好ましくは70重量部〜100重量部であり、さらに好ましくは70重量部〜90重量部である。ポリオール(A)100重量部に対するポリオール(A1)の含有割合を上記範囲内に調整することにより、金属に対して軽剥離性をより一層発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性により一層優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性をより一層発現できる、粘着剤組成物を提供することができる。
ポリオール(A1)の数平均分子量Mnは8000〜20000であり、好ましくは8000〜18000であり、より好ましくは8500〜17000であり、さらに好ましくは9000〜16000であり、特に好ましくは9500〜15500であり、最も好ましくは10000〜15000である。ポリオール(A1)の数平均分子量Mnを上記範囲内に調整することにより、金属に対して軽剥離性をより一層発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性により一層優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性をより一層発現できる、粘着剤組成物を提供することができる。
ポリオール(A)は、OH基を3個以上有する数平均分子量Mnが5000以下のポリオール(A2)を含有していても良い。ポリオール(A2)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。ポリオール(A2)の数平均分子量Mnは、好ましくは500〜5000であり、より好ましくは800〜4500であり、さらに好ましくは1000〜4000であり、特に好ましくは1000〜3500であり、最も好ましくは1000〜3000である。ポリオール(A2)の数平均分子量Mnが上記範囲内から外れると、特に、粘着力の経時上昇性が高くなるおそれがある。ポリオール(A2)は、好ましくは、OH基を3個有するポリオール(トリオール)、OH基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、OH基を6個有するポリオール(ヘキサオール)である。
ポリオール(A2)として、OH基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、OH基を6個有するポリオール(ヘキサオール)の少なくとも1種の合計量は、ポリオール(A)中の含有割合として、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは7重量%以下であり、さらに好ましくは6重量%以下であり、特に好ましくは5重量%以下である。ポリオール(A)中に、ポリオール(A2)として、OH基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、OH基を6個有するポリオール(ヘキサオール)の少なくとも1種を上記範囲に調整することにより、透明性に一層優れたウレタン系粘着剤を提供することができる。
ポリオール(A)100重量部に対するポリオール(A2)の含有割合は、好ましくは30重量部以下であり、より好ましくは0重量部〜30重量部である。ポリオール(A)100重量部に対するポリオール(A2)の含有割合を上記範囲内に調整することにより、金属に対して軽剥離性をより一層発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性により一層優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性をより一層発現できる、粘着剤組成物を提供することができる。
ポリオール(A2)は、その中におけるOH基を4個以上有する数平均分子量Mnが5000以下のポリオールの含有割合が、ポリオール(A)100重量部に対して、好ましくは10重量部未満であり、より好ましくは8重量部以下であり、さらに好ましくは7重量部以下であり、特に好ましくは6重量部以下であり、最も好ましくは5重量部以下である。ポリオール(A2)中におけるOH基を4個以上有する数平均分子量Mnが5000以下のポリオールの含有割合が、ポリオール(A)100重量部に対して、10重量部以上であると、ウレタン系粘着剤が白化しやすくなって透明性が低下するおそれがある。
多官能イソシアネート化合物(B)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
多官能イソシアネート化合物(B)としては、ウレタン化反応に用い得る任意の適切な多官能イソシアネート化合物を採用し得る。このような多官能イソシアネート化合物(B)としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物などが挙げられる。
多官能脂肪族系イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能脂環族系イソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,3−シクロへキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソソアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,2’一ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物(B)としては、上記のような各種多官能イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体なども挙げられる。また、これらを併用しても良い。
ポリウレタン系樹脂は、具体的には、好ましくは、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させて得られる。このような組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオール(A)および多官能イソシアネート化合物(B)以外の任意の適切なその他の成分を含み得る。このようなその他の成分としては、例えば、触媒、ポリウレタン系樹脂以外の他の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、導電剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤などが挙げられる。
ポリウレタン系樹脂は、好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤といった劣化防止剤を含む。ポリウレタン系樹脂が劣化防止剤を含むことにより、被着体に貼着した後に加温状態で保存しても被着体に糊残りが生じにくいなど、糊残り防止性に優れるようになり得る。したがって、粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有する本発明の表面保護フィルムにおいて、被着体への汚染をより少なくし得る。劣化防止剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。劣化防止剤として、特に好ましくは、酸化防止剤である。
劣化防止剤の含有割合は、ポリオール(A)100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜10重量部であり、より好ましくは0.05重量部〜7重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部〜5重量部であり、特に好ましくは0.1重量部〜3重量部であり、最も好ましくは0.1重量部〜1重量部である。劣化防止剤の含有割合を上記範囲内に調整することによって、被着体に貼着した後に加温状態で保存しても被着体に糊残りがより生じにくいなど、糊残り防止性に一層優れるようになり得る。したがって、粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有する本発明の表面保護フィルムにおいて、被着体への汚染をより少なくし得る。劣化防止剤の含有割合が少なすぎると、糊残り防止性が十分に発現できなくなるおそれがある。劣化防止剤の含有割合が多すぎると、コスト的に不利になる問題が生じたり、粘着特性が維持できないという問題が生じたり、被着体が汚染されたりするという問題が生じたりするおそれがある。
酸化防止剤としては、例えば、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤などが挙げられる。
ラジカル連鎖禁止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などが挙げられる。
過酸化物分解剤としては、例えば、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
モノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリン−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。
ビスフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
高分子型フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)トリオン、トコフェノールなどが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイトなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’,−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、[2(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線安定剤などが挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート]、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートなどを挙げることができる。
紫外線安定剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、[2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチレート、ニッケル−ジブチルジチオカーバメート、ベンゾエートタイプのクエンチャー、ニッケル−ジブチルジチオカーバメートなどが挙げられる。
ポリウレタン系樹脂は、好ましくは、脂肪酸エステルを含む。ポリウレタン系樹脂が脂肪酸エステルを含むことにより、濡れ速さがより向上し得る。脂肪酸エステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
脂肪酸エステルの含有割合は、ポリオール(A)100重量部に対して、好ましくは5重量部〜50重量部であり、より好ましくは7重量部〜40重量部であり、さらに好ましくは8重量部〜35重量部であり、特に好ましくは9重量部〜30重量部であり、最も好ましくは10重量部〜20重量部である。脂肪酸エステルの含有割合を上記範囲内に調整することによって、濡れ速さが一層向上し得る。脂肪酸エステルの含有割合が少なすぎると、濡れ速さが十分に向上できないおそれがある。脂肪酸エステルの含有割合が多すぎると、コスト的に不利になる問題が生じたり、粘着特性が維持できないという問題が生じたり、被着体が汚染されたりするという問題が生じたりするおそれがある。
脂肪酸エステルの数平均分子量Mnは、好ましくは200〜400であり、より好ましくは210〜395であり、さらに好ましくは230〜380であり、特に好ましくは240〜360であり、最も好ましくは270〜340である。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnを上記範囲内に調整することによって、濡れ速さがより一層向上し得る。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが小さすぎると、添加部数が多くても濡れ速さが向上しないおそれがある。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが大きすぎると、乾燥時の粘着剤の硬化性が悪化し、濡れ特性に留まらずその他粘着特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
脂肪酸エステルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な脂肪酸エステルを採用し得る。このような脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、べへニン酸モノグリセライド、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル、オレイン酸オクチルなどが挙げられる。
ポリウレタン系樹脂は、好ましくは、ケト−エノール互変異性を起こす化合物を含む。ケト−エノール互変異性とは、一般に良く知られているように、カルボニル化合物のα−炭素原子に結合している水素原子がカルボニル基の酸素原子に移る、いわゆるエノール化としても知られている異性化である。ポリウレタン系樹脂がケト−エノール互変異性を起こす化合物を含むことにより、触媒との作用によって、ポリウレタン系樹脂を形成させるために用いる組成物の保存段階におけるポットライフを十分に長くでき、他方、該組成物を用いて(好ましくは硬化させて)ポリウレタン系樹脂を形成させる際にはポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)の架橋反応が速やかに進行する。
ケト−エノール互変異性を起こす化合物としては、例えば、アセチルアセトン、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、6−メチルヘプタン−2,4−ジオン、2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、ノナン−4,6−ジオン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン、トリデカン−6,8−ジオン、1−フェニルブタン−1,3−ジオン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、アスコルビン酸などのβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸tert−ブチル、プロピオニル酢酸メチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸n−プロピル、プロピオニル酢酸イソプロピル、プロピオニル酢酸n−ブチル、プロピオニル酢酸sec−ブチル、プロピオニル酢酸tert−ブチル、アセト酢酸ベンジル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルなどのβ−ケトエステル類;無水酢酸などの酸無水物類;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、メチルフェニルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;などが挙げられる。
ケト−エノール互変異性を起こす化合物としては、β−ジケトン類が好ましく、アセチルアセトンがより好ましい。ケト−エノール互変異性を起こす化合物として、このような化合物を採用することにより、触媒との作用によって、ポリウレタン系樹脂を形成させるために用いる組成物の保存段階におけるポットライフをより十分に長くでき、他方、該組成物を用いて(好ましくは硬化させて)ポリウレタン系樹脂を形成させる際にはポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)の架橋反応がより速やかに進行する。
ケト−エノール互変異性を起こす化合物と触媒との含有割合は、モル比で、ケト−エノール互変異性を起こす化合物/触媒が、好ましくは0.006〜300であり、より好ましくは0.007〜100であり、さらに好ましくは0.008〜20であり、さらに好ましくは0.009〜1.1であり、さらに好ましくは0.010〜1.0であり、さらに好ましくは0.010〜0.9であり、特に好ましくは0.010〜0.8であり、最も好ましくは0.010〜0.7である。ケト−エノール互変異性を起こす化合物と触媒との含有割合を上記範囲内に調整することにより、触媒との作用によって、ポリウレタン系樹脂を形成させるために用いる組成物の保存段階におけるポットライフをより十分に長くでき、他方、該組成物を用いて(好ましくは硬化させて)ポリウレタン系樹脂を形成させる際にはポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)の架橋反応がより速やかに進行する。また、特に、ケト−エノール互変異性を起こす化合物/触媒のモル比が、0.006〜0.7の範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムにおいて、白化を効果的に抑制でき、非常に高い透明性を付与できる。
ポリウレタン系樹脂は、好ましくは、フルオロ有機アニオンを含むイオン性液体を含む。ポリウレタン系樹脂がフルオロ有機アニオンを含むイオン性液体を含むことにより、帯電防止性に非常に優れたポリウレタン系樹脂を提供することができる。ポリウレタン系樹脂に含まれるイオン性液体は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
本発明において、イオン性液体とは、25℃で液状を呈する溶融塩(イオン性化合物)を意味する。
イオン性液体は、フルオロ有機アニオンを含むイオン性液体であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なイオン性液体を採用し得る。このようなイオン性液体としては、好ましくは、フルオロ有機アニオンとオニウムカチオンから構成されるイオン性液体である。イオン性液体として、フルオロ有機アニオンとオニウムカチオンから構成されるイオン性液体を採用することにより、帯電防止性にきわめて非常に優れたポリウレタン系樹脂を提供することができる。
イオン性液体を構成し得るオニウムカチオンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なオニウムカチオンを採用し得る。このようなオニウムカチオンとしては、好ましくは、窒素含有オニウムカチオン、硫黄含有オニウムカチオン、リン含有オニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種である。これらのオニウムカチオンを選択することにより、帯電防止性にきわめて非常に優れたポリウレタン系樹脂を提供することができる。
イオン性液体を構成し得るオニウムカチオンとしては、好ましくは、一般式(1)〜(5)で表される構造を有するカチオンから選ばれる少なくとも1種である。
一般式(1)において、Raは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良く、RbおよびRcは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rcはない。
一般式(2)において、Rdは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良く、Re、Rf、およびRgは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。
一般式(3)において、Rhは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良く、Ri、Rj、およびRkは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。
一般式(4)において、Zは、窒素原子、硫黄原子、またはリン原子を表し、Rl、Rm、Rn、およびRoは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。ただしZが硫黄原子の場合、Roはない。
一般式(5)において、Xは、Li原子、Na原子、またはK原子を表す。
一般式(1)で表されるカチオンとしては、例えば、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオンなどが挙げられる。
一般式(1)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン;1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピロリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピロリジニウムカチオン等のピロリジニウムカチオン;1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピペリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピペリジニウムカチオン等のピペリジニウムカチオン;2−メチル−1−ピロリンカチオン;1−エチル−2−フェニルインドールカチオン;1,2−ジメチルインドールカチオン;1−エチルカルバゾールカチオン;などが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン;1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン等のピロリジニウムカチオン;1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン等のピペリジニウムカチオン;などが挙げられ、より好ましくは、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオンである。
一般式(2)で表されるカチオンとしては、例えば、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオンなどが挙げられる。
一般式(2)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムカチオン;1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン等のテトラヒドロピリミジニウムカチオン;1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオンなどのジヒドロピリミジニウムカチオン;などが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムカチオンであり、より好ましくは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
一般式(3)で表されるカチオンとしては、例えば、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオンなどが挙げられる。
一般式(3)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン等のピラゾリウムカチオン;1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン等のピラゾリニウムカチオン;などが挙げられる。
一般式(4)で表されるカチオンとしては、例えば、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、上記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基、さらにはエポキシ基に置換されたものなどが挙げられる。
一般式(4)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオンなどの非対称のテトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオンなどが挙げられ、より好ましくは、トリメチルプロピルアンモニウムカチオンである。
イオン性液体を構成し得るフルオロ有機アニオンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なフルオロ有機アニオンを採用し得る。このようなフルオロ有機アニオンは、完全にフッ素化(パーフルオロ化)されていても良いし、部分的にフッ素化されていても良い。
このようなフルオロ有機アニオンとしては、例えば、フッ素化されたアリールスルホネート、パーフルオロアルカンスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド、シアノパーフルオロアルカンスルホニルアミド、ビス(シアノ)パーフルオロアルカンスルホニルメチド、シアノ−ビス−(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、トリフルオロアセテート、パーフルオロアルキレート、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、(パーフルオロアルカンスルホニル)トリフルオロアセトアミドなどが挙げられる。
これらのフルオロ有機アニオンの中でも、より好ましくは、パーフルオロアルキルスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドであり、より具体的には、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
ポリウレタン系樹脂に含まれるイオン性液体の具体例としては、上記カチオン成分と上記アニオン成分の組み合わせから適宜選択して用いられ得る。このようなイオン性液体の具体例としては、例えば、1−ヘキシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムペンタフルオロエタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムノナフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド,1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド,1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムパーフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N,N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンス
ルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピルーN,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド,1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルビス(ペンタフルオロエタンタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドなどが挙げられる。
これらのイオン性液体の中でも、より好ましくは、1−ヘキシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムペンタフルオロエタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムノナフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである。
イオン性液体は、市販のものを使用してもよいが、下記のようにして合成することも可能である。イオン性液体の合成方法としては、目的とするイオン性液体が得られれば特に限定されないが、一般的には、文献「イオン性液体−開発の最前線と未来−」((株)シーエムシー出版発行)に記載されているような、ハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法などが用いられる。
下記にハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法について、窒素含有オニウム塩を例にその合成方法について示すが、その他の硫黄含有オニウム塩、リン含有オニウム塩など、その他のイオン性液体についても同様の手法により得ることができる。
ハロゲン化物法は、反応式(1)〜(3)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミンとハロゲン化アルキルと反応させてハロゲン化物を得る(反応式(1)、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)。
得られたハロゲン化物を目的とするイオン性液体のアニオン構造(A−)を有する酸(HA)あるいは塩(MA、Mはアンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウムなど目的とするアニオンと塩を形成するカチオン)と反応させて目的とするイオン性液体(R4NA)が得られる。
水酸化物法は、反応式(4)〜(8)に示すような反応によって行われる方法である。まずハロゲン化物(R4NX)をイオン交換膜法電解(反応式(4))、OH型イオン交換樹脂法(反応式(5))または酸化銀(Ag2O)との反応(反応式(6))で水酸化物(R4NOH)を得る(ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)。
得られた水酸化物について上記ハロゲン化法と同様に反応式(7)〜(8)の反応を用いることにより、目的とするイオン性液体(R4NA)が得られる。
酸エステル法は、反応式(9)〜(11)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミン(R3N)を酸エステルと反応させて酸エステル物を得る(反応式(9)、酸エステルとしては、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸などの無機酸のエステルやメタンスルホン酸、メチルホスホン酸、ギ酸などの有機酸のエステルなどが用いられる)。
得られた酸エステル物について上記ハロゲン化法と同様に反応式(10)〜(11)の反応を用いることにより、目的とするイオン性液体(R4NA)が得られる。また、酸エステルとしてメチルトリフルオロメタンスルホネート、メチルトリフルオロアセテートなどを用いることにより、直接イオン性液体を得ることもできる。
中和法は、反応式(12)に示すような反応によって行われる方法である。3級アミンとCF3COOH,CF3SO3H,(CF3SO2)2NH、(CF3SO2)3CH、(C2F5SO2)2NHなどの有機酸とを反応させることにより得ることができる。
上記の反応式(1)〜(12)に記載のRは、水素または炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。
イオン性液体の配合量としては、使用するポリマーとイオン性液体の相溶性により変わるため一概に定義することができないが、一般的には、ポリウレタン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001重量部〜50重量部であり、より好ましくは0.01重量部〜40重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜30重量部であり、特に好ましくは0.01重量部〜20重量部であり、最も好ましくは0.01重量部〜10重量部である。イオン性液体の配合量を上記範囲内に調整することにより、帯電防止性に非常に優れたポリウレタン系樹脂を提供することができる。イオン性液体の上記配合量が0.01重量部未満であると十分な帯電防止特性が得られないおそれがある。イオン性液体の上記配合量が50重量部を超えると被着体への汚染が増加する傾向がある。
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物は、好ましくは、任意の適切な溶剤を含む。
多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合は、ポリオール(A)100重量部に対して、多官能イソシアネート化合物(B)が、好ましくは5重量部〜60重量部であり、より好ましくは8重量部〜60重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜60重量部である。多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合を上記範囲内に調整することにより、金属に対して軽剥離性をより一層発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性により一層優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性をより一層発現できる、粘着剤組成物を提供することができる。
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)における、NCO基とOH基の当量比は、NCO基/OH基として、好ましくは1.0〜5.0であり、より好ましくは1.2〜4.0であり、さらに好ましくは1.5〜3.5であり、特に好ましくは1.8〜3.0である。NCO基/OH基の当量比を上記範囲内に調整することにより、金属に対して軽剥離性をより一層発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性により一層優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性をより一層発現できる、粘着剤組成物を提供することができる。
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させてポリウレタン系樹脂を得る方法としては、塊状重合や溶液重合などを用いたウレタン化反応方法など、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法を採用し得る。
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させるために、好ましくは触媒を用いる。このような触媒としては、例えば、有機金属系化合物、3級アミン化合物などが挙げられる。
有機金属系化合物としては、例えば、鉄系化合物、錫系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、鉛系化合物、コバルト系化合物、亜鉛系化合物などを挙げることができる。これらの中でも、反応速度と粘着剤層のポットライフの点で、鉄系化合物、錫系化合物が好ましい。
鉄系化合物としては、例えば、鉄アセチルアセトネート、2−エチルヘキサン酸鉄などが挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルフィド、トリブチル錫メトキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキシド、トリブチル錫エトキシド、ジオクチル錫オキシド、ジオクチル錫ジラウレート、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫などが挙げられる。
チタン系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどが挙げられる。
ジルコニウム系化合物としては、例えば、ナフテン酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネートなどが挙げられる。
鉛系化合物としては、例えば、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などが挙げられる。
コバルト系化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸コバルト、安息香酸コバルトなどが挙げられる。
亜鉛系化合物としては、例えば、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などが挙げられる。
3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシク口−(5,4,0)−ウンデセン−7などが挙げられる。
触媒は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。また、触媒と架橋遅延剤などを併用しても良い。触媒の量は、ポリオール(A)100重量部に対して、好ましくは0.02重量部〜0.10重量部であり、より好ましくは0.02重量部〜0.08重量部であり、さらに好ましくは0.02重量部〜0.06重量部であり、特に好ましくは0.02重量部〜0.05重量部である。触媒の量を上記範囲内に調整することにより、金属に対して軽剥離性をより一層発現できるとともに、金属メッシュフィルムの表面全体への濡れ性により一層優れ、金属メッシュフィルムに対して低汚染性をより一層発現できる、粘着剤組成物を提供することができる。
<ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂>
ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂は、いわゆる「ウレタンプレポリマー」を原料として用いて得られるポリウレタン系樹脂であれば、任意の適切なポリウレタン系樹脂を採用し得る。
ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂は、例えば、ウレタンプレポリマー(C)としてのポリウレタンポリオールと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂が挙げられる。ウレタンプレポリマー(C)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。多官能イソシアネート化合物(B)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ウレタンプレポリマー(C)としてのポリウレタンポリオールは、好ましくは、ポリエステルポリオール(a1)と、ポリエーテルポリオール(a2)とを、触媒存在下または無触媒下で、有機ポリイソシアネ−ト化合物(a3)と反応させてなるものである。
ポリエステルポリオール(a1)としては、任意の適切なポリエステルポリオールを用い得る。このようなポリエステルポリオール(a1)として、例えば、酸成分とグリコール成分とを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。酸成分としては、例えば、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、ポリオール成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。ポリエステルポリオール(a1)としては、その他に、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオールなども挙げられる。
ポリエステルポリオール(a1)の分子量としては、低分子量から高分子量まで使用可能である。ポリエステルポリオール(a1)の分子量としては、数平均分子量が、好ましくは500〜5000である。数平均分子量が500未満では、反応性が高くなり、ゲル化しやすくなるおそれがある。数平均分子量が5000を超えると、反応性が低くなり、さらにはポリウレタンポリオール自体の凝集力が小さくなるおそれがある。ポリエステルポリオール(a1)の使用量は、ポリウレタンポリオールを構成するポリオール100重量部に対して、好ましくは10重量部〜90重量部である。
ポリエーテルポリオール(a2)としては、任意の適切なポリエーテルポリオールを用い得る。このようなポリエーテルポリオール(a2)としては、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の低分子量ポリオールを開始剤として用いて、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を重合させることにより得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。このようなポリエーテルポリオール(a2)としては、具体的には、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の官能基数が2以上のポリエーテルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a2)の分子量としては、低分子量から高分子量まで使用可能である。ポリエーテルポリオール(a2)の分子量としては、数平均分子量が、好ましくは1000〜5000である。数平均分子量が1000未満では、反応性が高くなり、ゲル化しやすくなるおそれがある。数平均分子量が5000を超えると、反応性が低くなり、さらにはポリウレタンポリオール自体の凝集力が小さくなるおそれがある。ポリエーテルポリオール(a2)の使用量は、ポリウレタンポリオールを構成するポリオール100重量部中、好ましくは20重量部〜80重量部である。
ポリエーテルポリオール(a2)は、必要に応じてその一部を、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のグリコール類や、エチレンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン等の多価アミン類などに置き換えて併用することができる。
ポリエーテルポリオール(a2)としては、2官能性のポリエーテルポリオールのみを用いても良いし、数平均分子量が1000〜5000であり、且つ、1分子中に少なくとも3個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールを一部もしくは全部用いても良い。ポリエーテルポリオール(a2)として、平均分子量が1000〜5000であり、且つ、1分子中に少なくとも3個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールを一部もしくは全部用いると、粘着力と軽剥離性のバランスが良好となり得る。このようなポリエーテルポリオールにおいては、数平均分子量が1000未満では、反応性が高くなり、ゲル化しやすくなるおそれがある。また、このようなポリエーテルポリオールにおいては、数平均分子量が5000を超えると、反応性が低くなり、さらにはポリウレタンポリオール自体の凝集力が小さくなるおそれがある。このようなポリエーテルポリオールの数平均分子量は、より好ましくは2500〜3500である。
有機ポリイソシアネート化合物(a3)としては、任意の適切な有機ポリイソシアネート化合物を用い得る。このような有機ポリイソシアネート化合物(a3)としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
有機ポリイソシアネート化合物(a3)としては、トリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体なども併用することができる。
ポリウレタンポリオールを得る際に用い得る触媒としては、任意の適切な触媒を用い得る。このような触媒としては、例えば、3級アミン系化合物、有機金属系化合物などが挙げられる。
3級アミン系化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。
有機金属系化合物としては、例えば、錫系化合物、非錫系化合物などが挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫などが挙げられる。
非錫系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系化合物;オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系化合物;2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系化合物;安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系化合物;ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系化合物;ナフテン酸ジルコニウムなどのジルコニウム系化合物;などが挙げられる。
ポリウレタンポリオールを得る際に触媒を使用する場合、ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールの2種類のポリオールが存在する系では、その反応性の相違のため、単独の触媒の系では、ゲル化したり反応溶液が濁ったりするという問題が生じやすい。そこで、ポリウレタンポリオールを得る際に2種類の触媒を用いることにより、反応速度、触媒の選択性等が制御しやすくなり、これらの問題を解決し得る。このような2種類の触媒の組み合わせとしては、例えば、3級アミン/有機金属系、錫系/非錫系、錫系/錫系が挙げられ、好ましくは錫系/錫系であり、より好ましくはジブチル錫ジラウレートと2−エチルヘキサン酸錫の組み合わせである。その配合比は、重量比で、2−エチルヘキサン酸錫/ジブチル錫ジラウレートが、好ましくは1未満であり、より好ましくは0.2〜0.6である。配合比が1以上では、触媒活性のバランスによりゲル化しやすくなるおそれがある。
ポリウレタンポリオールを得る際に触媒を使用する場合、触媒の使用量は、ポリエステルポリオール(a1)とポリエーテルポリオール(a2)と有機ポリイソシアネ−ト化合物(a3)の総量100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜1.0重量部である。
ポリウレタンポリオールを得る際に触媒を使用する場合、反応温度は、好ましくは100℃未満であり、より好ましくは85℃〜95℃である。100℃以上になると反応速度、架橋構造の制御が困難となるおそれがあり、所定の分子量を有するポリウレタンポリオールが得難くなるおそれがある。
ポリウレタンポリオールを得る際には、触媒を用いなくても良い。その場合は、反応温度が、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは110℃以上である。また、無触媒下でポリウレタンポリオールを得る際は、3時間以上反応させることが好ましい。
ポリウレタンポリオールを得る方法としては、例えば、1)ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、触媒、有機ポリイソシアネートを全量フラスコに仕込む方法、2)ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、触媒をフラスコに仕込んで有機ポリイソシアネ−トを滴下する添加する方法が挙げられる。ポリウレタンポリオールを得る方法として、反応を制御する上では、2)の方法が好ましい。
ポリウレタンポリオールを得る際には、任意の適切な溶剤を用い得る。このような溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトンなどが挙げられる。これらの溶剤の中でも、好ましくはトルエンである。
多官能イソシアネート化合物(B)としては、前述したものを援用し得る。
ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含み得る。このようなその他の成分としては、前述したものを援用し得る。
ウレタンプレポリマー(C)を含有する組成物から得られるポリウレタン系樹脂を製造する方法としては、いわゆる「ウレタンプレポリマー」を原料として用いてポリウレタン系樹脂を製造する方法であれば、任意の適切な製造方法を採用し得る。
≪アゾール化合物≫
粘着剤組成物に含まれるアゾール化合物は、好ましくは、1,2,3−トリアゾール構造を有して該2位にフェニル環構造が結合されたアゾール化合物以外のアゾール化合物である。ここで、アゾール化合物とは、窒素を1つ以上含む複素5員環構造を有する化合物の総称である。
粘着剤組成物に含まれるアゾール化合物として、1,2,3−トリアゾール構造を有して該2位にフェニル環構造が結合されたアゾール化合物以外のアゾール化合物を採用することにより、金属の腐食をより効果的に防止できる粘着剤組成物を提供することができる。
粘着剤組成物に含まれるアゾール化合物は、より好ましくは、イミダゾール系化合物、イミダゾール系化合物の異性体、1,2,3−トリアゾール構造を有して該2位にフェニル環構造が結合されていないベンゾトリアゾール系化合物から選ばれる少なくとも1種である。
イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、ピラゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾールなどが挙げられる。
1,2,3−トリアゾール構造を有して該2位にフェニル環構造が結合されていないベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2,2’−[[メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル]メチル]イミノ]ビスエタノール、1,2,3−ベンゾトリアゾールナトリウム塩などが挙げられる。
粘着剤組成物に含まれる樹脂100重量部に対する、上記アゾール化合物の含有割合は、好ましくは0.05重量部〜5重量部であり、より好ましくは0.06重量部〜4重量部であり、さらに好ましくは0.07重量部〜3重量部であり、特に好ましくは0.08重量部〜2重量部であり、最も好ましくは0.1重量部〜1重量部である。粘着剤組成物に含まれる樹脂100重量部に対する、上記アゾール化合物の含有割合を上記範囲内に調整することにより、金属の腐食をより効果的に防止できる粘着剤組成物を提供することができる。
≪粘着剤層≫
粘着剤層は、粘着剤組成物から形成される。
粘着剤層の厚みとしては、用途に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm〜100μmであり、より好ましくは2μm〜90μmであり、さらに好ましくは3μm〜80μmであり、特に好ましくは4μm〜60μmであり、最も好ましくは5μm〜30μmである。粘着剤層の厚さが1μm未満であると、十分な粘着力を得にくく、被着体に対して、表面保護フィルム(具体的には粘着剤層)自体を固定できず、剥離しやすくなるおそれがあり、厚さが100μmを超えると、粘着力が経時で上昇して剥がれにくくなるおそれがある。なお、粘着剤層としては、単層、積層体のいずれの形態であっても良い。
粘着剤層は、任意の適切な製造方法によって製造し得る。このような製造方法としては、例えば、粘着剤層の形成材料である粘着剤組成物を基材層上に塗布し、基材層上において粘着剤層を形成する方法が挙げられる。このような塗布の方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコートなどが挙げられる。
粘着剤層は粘着剤組成物以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含有しうる。このような他の成分としては、例えば、ウレタン系粘着剤以外の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤などが挙げられる。
≪基材層≫
基材層の厚みとしては、用途に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。基材層の厚みは、好ましくは5μm〜250μmであり、より好ましくは7μm〜200μmであり、さらに好ましくは10μm〜175μmであり、特に好ましくは15μm〜150μmである。
基材層は、単層でも良いし、2層以上の積層体であっても良い。基材層は、延伸されたものであっても良い。
基材層の材料としては、用途に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、プラスチック、紙、金属フィルム、不織布などが挙げられる。好ましくは、プラスチックである。基材層は、1種の材料から構成されていても良いし、2種以上の材料から構成されていても良い。例えば、2種以上のプラスチックから構成されていても良い。
上記プラスチックとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、オレフィンモノマーの単独重合体、オレフィンモノマーの共重合体などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば、ホモポリプロピレン;エチレン成分を共重合成分とするブロック系、ランダム系、グラフト系等のプロピレン系共重合体;リアクターTPO;低密度、高密度、リニア低密度、超低密度等のエチレン系重合体;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合体;などが挙げられる。
基材層は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。基材層に含有され得る添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、顔料などが挙げられる。基材層に含有され得る添加剤の種類、数、量は、目的に応じて適切に設定され得る。特に、基材層の材料がプラスチックの場合は、劣化防止等を目的として、上記の添加剤のいくつかを含有することが好ましい。耐候性向上等の観点から、添加剤として特に好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、任意の適切な酸化防止剤を採用し得る。このような酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系加工熱安定剤、ラクトン系加工熱安定剤、イオウ系耐熱安定剤、フェノール・リン系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤の含有割合は、基材層のベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)100重量部に対して、好ましくは1重量部以下であり、より好ましくは0.5重量部以下であり、さらに好ましくは0.01重量部〜0.2重量部である。
紫外線吸収剤としては、任意の適切な紫外線吸収剤を採用し得る。このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)100重量部に対して、好ましくは2重量部以下であり、より好ましくは1重量部以下であり、さらに好ましくは0.01重量部〜0.5重量部である。
光安定剤としては、任意の適切な光安定剤を採用し得る。このような光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤などが挙げられる。光安定剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)100重量部に対して、好ましくは2重量部以下であり、より好ましくは1重量部以下であり、さらに好ましくは0.01重量部〜0.5重量部である。
充填剤としては、任意の適切な充填剤を採用し得る。このような充填剤としては、例えば、無機系充填剤などが挙げられる。無機系充填剤としては、具体的には、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。充填剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)100重量部に対して、好ましくは20重量部以下であり、より好ましくは10重量部以下であり、さらに好ましくは0.01重量部〜10重量部である。
さらに、添加剤としては、帯電防止性付与を目的として、界面活性剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カーボン等の無機系、低分子量系および高分子量系帯電防止剤も好ましく挙げられる。特に、汚染、粘着性維持の観点から、高分子量系帯電防止剤やカーボンが好ましい。
≪表面保護フィルムの製造方法≫
本発明の表面保護フィルムは、任意の適切な方法により製造することができる。このような製造方法としては、例えば、
(1)粘着剤層の形成材料である粘着剤組成物の溶液や熱溶融液を基材層上に塗布する方法、
(2)それに準じ、セパレーター状に塗布、形成した粘着剤層を基材層上に移着する方法、
(3)粘着剤層の形成材料である粘着剤組成物を基材層上に押出して形成塗布する方法、
(4)基材層と粘着剤層を二層または多層にて押出しする方法、
(5)基材層上に粘着剤層を単層ラミネートする方法またはラミネート層とともに粘着剤層を二層ラミネートする方法、
(6)粘着剤層とフィルムやラミネート層等の基材層形成材料とを二層または多層ラミネートする方法、
などの、任意の適切な製造方法に準じて行うことができる。
塗布の方法としては、例えば、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法などが使用できる。
≪≪表面保護フィルム付透明導電フィルム≫≫
本発明の表面保護フィルム付透明導電フィルムは、透明樹脂基材の少なくとも一方の面に金属薄膜を有し、該金属薄膜の表面上に本発明の表面保護フィルムを有する。
透明樹脂基材は、可視領域で透明性を有し、全光線透過率が90%以上のものが好ましい。また、フレキシブル性を有する樹脂フィルムは、取扱い性に優れることから、透明樹脂基材として好ましい。
透明樹脂基材に使用される樹脂フィルムの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等からなる単層フィルムまたはこれらの樹脂からなる複数層の複合フィルムが挙げられる。
本発明の表面保護フィルム付透明導電フィルムは、透明樹脂基材の少なくとも一方の面に金属薄膜を有する。この金属薄膜は、好ましくは、透明樹脂基材の少なくとも一方の面に製膜することによって形成される。
金属薄膜の製膜の方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、蒸着、スパッタ、めっき、塗工、印刷、イオンプレート法などが挙げられる。
金属薄膜の材料となる金属としては、任意の適切な金属を採用し得る。このような金属としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、錫、クロム、チタン、ステンレス、亜鉛、これらの複合材などが挙げられる。金属薄膜の材料となる金属は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
金属薄膜の表面は、黒化処理やコーティング処理などの表面処理がされていても良い。
金属薄膜は、パターン形成されていても良い。このような金属パターンを形成する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、銀塩感光材料を用いる方法、同方法を用いてさらに得られた銀画像に無電解めっきや電解めっきを施す方法、スクリーン印刷法を用いて銀ペーストなどの導電性インキを印刷する方法、銀インクなどの導電性インクをインクジェット法で印刷する方法、蒸着やスパッタなどで導電性層を形成し、その上にレジスト膜を形成し、露光、現像、エッチング、レジスト層除去することで得る方法、銅箔などの金属箔を貼り、さらにその上にレジスト膜を形成し、露光、現像、エッチング、レジスト層除去することで得る方法などが挙げられる。
金属薄膜がパターン形成されている場合のパターン形状は、好ましくは、メッシュパターンである。メッシュパターンとしては、例えば、正方形、長方形、菱形等からなる格子状メッシュパターン、三角形、5角形以上の多角形からなるメッシュパターン、円形、楕円形からなるメッシュパターン、これらの複合形状からなるメッシュパターン、ランダムメッシュパターンなどが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。なお、「部」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量部」を意味し、「%」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量%」を意味する。
<腐食性>
表面保護フィルムを、PETフィルムに銅を蒸着させたフィルムの銅側に貼り合せ、50mm×50mmに切断し、評価用サンプルとした。評価用サンプルを、温度60℃、湿度90%RHの雰囲気下で、120時間保存し、腐食性の評価を行った。
◎:取り出した評価用サンプルから表面保護フィルムを剥がした際、銅表面の変色が無いもの。
○:取り出した評価用サンプルから表面保護フィルムを剥がした際、銅表面が僅かに変色していた場合。
×:取り出した評価用サンプルから表面保護フィルムを剥がした際、銅表面の変色が著しい場合。
<銅に対する550nm反射率変化>
評価用の被着体として、PETフィルムに銅を蒸着させたフィルムのPET側をガラスに両面テープで貼り合せ、銅を蒸着させたフィルムの銅側が表面になった評価用被着体を作成した。評価用被着体の銅の表面を、コニカミノルタ社製の分光測色計「CM−2600d」を用いて550nmの反射率(SCI測定値)を測定し、表面保護フィルムを25mm×100mmに切断して評価用被着体の銅の表面に貼り合せ、評価用サンプルとした。評価用サンプルを、温度60℃、湿度90%RHの雰囲気下で、120時間保存し、表面保護フィルムを剥離した後に、再び、550nmの反射率(SCI測定値)を測定した。
銅に対する550nm反射率の変化は、下記式で求めた。
銅に対する550nm反射率変化(%)=[1−{(60℃×90%RHで120時間保存後の550nm反射率)/(60℃×90%RHで120時間保存前の550nm反射率)}]×100
<23℃×50%RHでのアクリル板に対する粘着力>
表面保護フィルムを、幅25mm、長さ150mmに切断し、評価用サンプルとした。温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、評価用サンプルの粘着剤層面をアクリル板(三菱レイヨン社製、商品名:アクリライトL #001)に、2.0kgローラー1往復により貼り付けた。温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、30分間養生した後、万能引張試験機(ミネベア株式会社製、製品名:TCM−1kNB)を用い、剥離角度180°、引っ張り速度300mm/minで剥離し、粘着力を測定した。
<23℃×50%RHでの銅に対する粘着力>
評価用の被着体として、PETフィルムに銅を蒸着させたフィルムのPET側をガラスに両面テープで貼り合せ、銅を蒸着させたフィルムの銅側が表面になった評価用被着体を作成した。表面保護フィルムを、幅25mm、長さ150mmに切断し、評価用サンプルとした。温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、評価用サンプルの粘着剤層面を評価用被着体の銅表面に、2.0kgローラー1往復により貼り付けた。温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、30分間養生した後、万能引張試験機(ミネベア株式会社製、製品名:TCM−1kNB)を用い、剥離角度180°、引っ張り速度300mm/minで剥離し、粘着力を測定した。
<23℃×50%RHでの濡れ速さ>
表面保護フィルムを、幅25mm、長さ100mmに切断し、評価サンプルとした。被着体としてアクリル板(三菱レイヨン社製、商品名:アクリライトL #001)を用い、評価サンプルのセパレーターを剥がし、幅側の端部の一方を固定し、固定していない幅側の端部を持ち上げ、手を放してから100mm濡れ広がるまでの時間(単位:s/25mm×10mm)を測定した。
○:濡れ広がる時間が10秒未満。
×:濡れ広がる時間が10秒以上または濡れ広がらない。
<60℃×90%RH48時間貼付け後での残留接着力>
アクリル板(三菱レイヨン社製、商品名:アクリライトL #001)に、表面保護フィルムをハンドローラーで全面に貼り合せ、温度60℃、湿度90%RHの雰囲気下で、48時間保管した後、0.3m/minの速度で表面保護フィルムを剥離し、長さ150mmに切断した19mm幅のNo.31Bテープ(日東電工(株)製、基材厚:25μm)を温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、2.0kgローラー1往復により貼り付けた。温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、30分間養生した後、万能引張試験機(ミネベア株式会社製、製品名:TCM−1kNB)を用い、剥離角度180°、引っ張り速度300mm/minで剥離し、粘着力を測定した。
別途、上記のような処理を行っていないアクリル板に対しても、同様に、19mm幅のNo.31Bテープの粘着力を測定し、下記の式で残留接着力を算出した。
残留接着力(%)=(表面保護フィルム剥離後のアクリル板に対するNo.31B粘着力/アクリル板に対するNo.31B粘着力)×100
この残留接着力は、表面保護フィルムの粘着剤成分が被着体に対してどの程度表面に転写し汚染しているかの指標となる。残留接着力の値が高いほど、被着体を汚染せずより良い表面保護フィルムであり、残留接着力の値が低いほど、被着体の表面を粘着剤成分などで汚染していると言える。
<汚染性>
○:残留接着力が90%以上。
×:残留接着力が90%未満。
〔比較例1〕
(粘着剤組成物)
ポリオールとして、OH基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子株式会社製、Mn=10000):85重量部、OH基を3個有するポリオールであるサンニックスGP−3000(三洋化成株式会社製、Mn=3000):13重量部、OH基を3個有するポリオールであるサンニックスGP−1000(三洋化成株式会社製、Mn=1000):2重量部を用い、多官能イソシアネート化合物としてトリメチロ−ルプロパン/トリレンジイソシアネ−ト(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHX):17.7重量部(固形分換算)、触媒としてナーセム第二鉄(日本化学産業(株)製):0.04重量部、劣化防止剤としてIrganox1010(BASF製):0.50重量部を用いて配合し、固形分が35重量%となる様に酢酸エチルで希釈し、ディスパーで撹拌し、ポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(C1)を得た。
(表面保護フィルム)
ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)にファウンテンコーターで乾燥後の厚みが10μmとなるよう粘着剤組成物(C1)を塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間2分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ38μmのポリエステル樹脂(三菱樹脂(株)製、厚さ:38μm、商品名「ダイアホイルMRF♯38」)のシリコーン処理面を貼合せて、さらに50℃で3日間放置し、表面保護フィルム(C1)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例1〕
(粘着剤組成物)
さらに、1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT−120、城北化学工業製)が固形分で0.1重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したBT−120溶液を配合した以外は、比較例1と同様に行い、ポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(1)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(1)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(1)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例2〕
(粘着剤組成物)
さらに、1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT−120、城北化学工業製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したBT−120溶液を配合した以外は、比較例1と同様に行い、ポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(2)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(2)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(2)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例3〕
(粘着剤組成物)
さらに、脂肪酸エステル(パルミチン酸イソプロピル、花王製、商品名:エキセパールIPP、Mn=299):30重量部、1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT−120、城北化学工業製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したBT−120溶液を配合した以外は、比較例1と同様に行い、ポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(3)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(3)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(3)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例4〕
(粘着剤組成物)
さらに、脂肪酸エステル(パルミチン酸イソプロピル、花王製、商品名:エキセパールIPP、Mn=299):30重量部、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(第一工業製薬社製、AS210):1.5重量部、ポリエーテル変性シリコーン(PEG−32メチルエーテルジメチコン、信越化学工業社製):0.01重量部、1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT−120、城北化学工業製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したBT−120溶液を配合した以外は、比較例1と同様に行い、ポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(4)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(4)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(4)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例5〕
(粘着剤組成物)
さらに、1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT−120、城北化学工業製)が固形分で1.0重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したBT−120溶液を配合した以外は、比較例1と同様に行い、ポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(5)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(5)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(5)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例6〕
(粘着剤組成物)
さらに、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール(TT−LX、城北化学工業製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したTT−LX溶液を配合した以外は、比較例1と同様に行い、ポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(6)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(6)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(6)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例7〕
(粘着剤組成物)
さらに、5−メチルベンゾトリアゾール(5M−BTA、城北化学工業製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解した5M−BTA溶液を配合した以外は、比較例1と同様に行い、ポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(7)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(7)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(7)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例8〕
(粘着剤組成物)
さらに、イミダゾール(関東化学社製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したイミダゾール溶液を配合した以外は、比較例1と同様に行い、ポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(8)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(8)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(8)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例2〕
(粘着剤組成物)
さらに、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Tinuvin PS、BASF製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したTinuvin PS溶液を配合した以外は、比較例1と同様に行い、ポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(C2)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(C2)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(C2)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例3〕
(粘着剤組成物)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(日本触媒社製):100重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製):10重量部、アクリル酸(東亜合成(株)製):0.02重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製):0.2重量部、酢酸エチル:192重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液(固形分36重量%)を調製した。得られたアクリル系ポリマー溶液中のアクリル系ポリマーの重量平均分子量は65万であった。
得られたアクリル系ポリマー溶液に、アクリル系ポリマーの固形分100重量部に対して、架橋剤としてトリメチロ−ルプロパン/トリレンジイソシアネ−ト(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHX)を固形分換算で5重量部、架橋触媒としてジオクチルスズジラウレート(東京ファインケミカル社製)を固形分換算で0.02重量部を加え、固形分が25重量%となる様に酢酸エチルで希釈し、ディスパーで撹拌し、アクリル系樹脂を含む粘着剤組成物(C3)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(C3)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(C3)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例4〕
(粘着剤組成物)
さらに、1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT−120、城北化学工業製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したBT−120溶液を配合した以外は、比較例3と同様に行い、アクリル系樹脂を含む粘着剤組成物(C4)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(C4)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(C4)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例5〕
(粘着剤組成物)
粘着剤用ウレタンプレポリマー溶液(SH−109、トーヨーケム株式会社製)に、該粘着剤用ウレタンプレポリマーの固形分100重量部に対して、架橋剤としてトリメチロ−ルプロパン/トリレンジイソシアネ−ト(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHX)を固形分換算で6重量部を加え、調製後の溶液の固形分が25%となるように酢酸エチルを加えて混合攪拌を行い、プレポリマータイプのポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(C5)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(C5)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(C5)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例9〕
(粘着剤組成物)
さらに、1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT−120、城北化学工業製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したBT−120溶液を配合した以外は、比較例5と同様に行い、プレポリマータイプのポリウレタン系樹脂を含む粘着剤組成物(9)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C1)に代えて粘着剤組成物(9)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、表面保護フィルム(9)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例10〕
(粘着剤組成物)
四つ口セパラブルフラスコに、攪拌機、温度計、窒素導入管、およびトラップ付き冷却管を付し、これに、ジカルボン酸であるダイマー酸と、ジオールであるプロピレングリコールのモル比が、1.00:1.20になるように、ダイマー酸(商品名「プリポール1009」、クローダ社製、重量平均分子量:567):619重量部、プロピレングリコール(商品名「プロピレングリコール」、和光純薬工業社製、重量平均分子量:76):100重量部、触媒として酸化ジブチルスズ(IV)(キシダ化学社製):0.1重量部を仕込み、常圧で撹拌しながら、160℃まで上昇し、この温度を保持した。冷却管により反応生成水を除去しながら、約14時間反応を続けた。さらに、窒素導入管およびトラップ付き冷却管を取り除き、真空ポンプを取り付けて、減圧雰囲気(0.002MPa)で撹拌しながら、160℃を保持した。約4時間反応を続け、ポリエステルポリマーを得た。
得られたポリエステルポリマー:100重量部に対して、ポリエーテルポリオール(商品名「スマックMP−70」、花王社製、片末端メチルエーテル型ポリプロピレングリコール):20重量部、架橋剤としてイソシアヌレート型ポリヘキサメチレンジイソシアネート(商品名「デスモジュールN3600」、住化バイエル社製):30重量部を配合し、1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT−120、城北化学工業製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したBT−120溶液を加え、溶剤として酢酸エチルを調整後の粘度が10Pa・sになるように加え、ポリエステル系樹脂を含む粘着剤組成物(10)を得た。
(表面保護フィルム)
ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)にファウンテンコーターで乾燥後の厚みが10μmとなるよう粘着剤組成物(10)を塗布し、乾燥温度100℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ38μmのポリエステル樹脂(三菱樹脂(株)製、厚さ:38μm、商品名「ダイアホイルMRF♯38」)のシリコーン処理面を貼合せて、さらに40℃で7日間放置し、表面保護フィルム(10)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例6〕
(粘着剤組成物)
付加反応型シリコーン系粘着剤(商品名「X−40−3306」、信越化学工業株式会社製):100重量部と白金系触媒(商品名「CAT−PL−50T」、信越化学工業株式会社製):0.2重量部を混合して、シリコーン系樹脂を含む粘着剤組成物(C6)を得た。
(表面保護フィルム)
一方の面にシリコーン処理を施した厚さ38μmのポリエステル樹脂(三菱樹脂(株)製、厚さ:38μm、商品名「ダイアホイルMRF♯38」)のシリコーン処理面にファウンテンコーターで乾燥後の厚みが10μmとなるよう粘着剤組成物(C6)を塗布し、乾燥温度140℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。次いで、粘着剤層の表面に、厚さ25μmのポリエステル樹脂(「ルミラーS10」(厚み25μm、東レ社製)を貼合せて、表面保護フィルム(C6)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例7〕
(粘着剤組成物)
さらに、1,2,3−ベンゾトリアゾール(BT−120、城北化学工業製)が固形分で0.5重量部加わるよう酢酸エチルで溶解したBT−120溶液を配合した以外は、比較例6と同様に行い、シリコーン系樹脂を含む粘着剤組成物(C7)を得た。
(表面保護フィルム)
粘着剤組成物(C6)に代えて粘着剤組成物(C7)以外は、比較例6と同様に行い、表面保護フィルム(C7)を得た。
結果を表1に示した。