JP2014065207A - 積層体の製造方法及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に段差を有する被着体に貼合する際に気泡の発生を防止でき、かつ、紫外線照射後はオーブンを使用して85℃、85%RHなどの高温・高湿度での環境条件下における耐久試験を行った時およびオーブンから取り出した後でも白濁がない光硬化性樹脂組成物を用いた積層フィルムが、表面に段差を有する被着体に貼合されてなる積層体の製造方法及び積層体の提供。
【解決手段】(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーの100重量部に対して、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーが5〜10重量部と、(C)光重合開始剤が0.5〜1重量部と、(D)2官能性の架橋剤を、主剤ポリマーの架橋点に対して0.1当量以下となる0.2〜0.8重量部とを含有させて、24℃、1Hzでの貯蔵弾性率(G’)が1×10Pa以上かつ9×10Pa未満である光硬化性樹脂組成物を調製する工程を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物を用いた積層体の製造方法及び積層体に関する。さらに詳細には、印刷段差などに追従して気泡の発生を防止でき、かつ、UV照射した後には、高温・高湿度での環境条件下における耐久試験において白濁がない光硬化性樹脂組成物を用いた積層フィルムが被着体に貼合されてなる積層体の製造方法及び積層体を提供することに関する。
携帯電話などの表示ディスプレイとして用いられる液晶パネルでは、液晶パネルの前面に衝撃吸収用の保護板が、液晶パネルの割れ防止のために空気層を介して取り付けられている。しかし、最近では、軽量化と薄型化、及び視認性の向上を図るため、携帯電話の液晶パネルの前面に空気層を設けないで、粘着剤層を用いて直接に薄い保護板を貼合することが行われている。
また、ディスプレイ表示装置の出荷前には、ディスプレイの性能試験の1つとして、オーブンを使用しての、高温・高湿度での環境条件下における耐久試験が行われる。
表示ディスプレイの前面ガラス板の表面には、スクリーン印刷などにより形成された遮光層の黒枠が配設されているため、該前面ガラス板と遮光層の黒枠との間に、厚さ10μm〜50μm程度の段差が生じている。また、携帯電話等の保護板には、意匠性向上のため、厚さ10μm〜数十μm程度の印刷が施されている場合が多い。各種の光学フィルムや保護板を、粘着剤層を使用してディスプレイに貼合する時には、被着体の表面に印刷層などによる段差があると、粘着剤層がその段差に追従できず、粘着剤層に生じた浮きによって空気層を巻き込んでしまい粘着剤層と被着体との間に気泡が発生するという問題があった。
粘着剤層を介して貼合した保護板などを、加熱しながら加圧することにより、発生した気泡は、分散されて目視できなくなるが、オーブンによる加熱試験を、供試体に実施した場合に、粘着剤層が動くことで気泡が再び凝集し、目視できる大きさの気泡となり、粘着剤層が被着体から剥がれる原因となる。
また、供試体をオーブンから取り出した後、粘着剤層が白濁してしまうことがある。粘着剤層の片側にフィルムを貼合している場合は、その白濁は数時間でなくなり透明になる。
しかし、ガラス同士やガラス/アクリル板などの硬いもの同士を、粘着剤層にて貼合すると、白濁した現象が数日間に渡り残る場合があり、ディスプレイの商品価値を損なうという問題があった。
このように、光学フィルムや保護板を、粘着剤層を介してディスプレイに貼合した時に、被着体の表面にある段差に起因して粘着剤層に微小気泡が生じるという問題や、ディスプレイの性能試験の1つとして、オーブンを使用しての高温・高湿度の環境条件下で耐久性試験を行った後、オーブンから取り出した時に、粘着剤層に白濁が生じるという問題があった。この問題を解決するために、従来から様々な取り組みが行なわれている。
例えば、特許文献1には、液晶パネルと保護パネルとを、ポリオルガノシロキサン層を介して密接着させた積層体が開示されている。このポリオルガノシロキサン層は、JIS K6249による可塑度が100〜800(温度25℃)であり、剪断弾性率G’が0.01〜5MPa(温度30℃、周波数0.1Hz)であり、全光線透過率が85%以上である。所定のポリオルガノシロキサン組成物は、適度な柔らかさを有するので、液晶パネルと保護パネルとの間隙に隙間なく埋めることができ、かつ、入射する光の反射や吸収を防止すると共に、光の屈折によって生じる光の散乱を防止することができるとしている。
また、特許文献2には、ポリオキシアルキレン系重合体と、アルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を、ヒドロシリル基を有する化合物及びヒドロシリル化触媒を用いて架橋してなる、表示モジュールに保護透明板を密着一体化させるための、フラットパネルディスプレイ用透明粘着シートが開示されている。−30℃でのせん断貯蔵弾性率G’が6.0×10Pa以下であり、低温で剛直化しないため、氷点下の温度下でも高い粘着力を維持するので、低温での接着安定性が優れているとしている。
また、特許文献3には、所定の形状アスペクトを有する導電性フィラーをアクリル系粘着剤の全固形分100重量部に対して14〜45重量部含有し、粘着剤中の全フィラー中に占める該導電性フィラーの割合が90重量%以上である粘着剤から構成される厚み10〜30μmの粘着剤層を有する粘着テープが開示されている。フィラーの粒径と粘着剤層厚みとが、d85>粘着剤層厚み>d50の関係にあり、架橋構造化した後の粘着剤の、動的粘弾性試験による0〜40℃の範囲における貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上1×10Pa未満、かつ損失正接tanδのピーク温度が0℃以下である。薄膜でありながら、粘着性と導電性を両立し、しかも、段差のある部分に貼付した場合でも被着体から「浮き」を生じることがないため、電気・電子機器などの生産性、品質が向上するとしている。
また、特許文献4には、屈折率がアクリル系粘着剤の屈折率に近い値であり、表面に水酸基を有する超微粒子を含有することを特徴とするアクリル系透明粘着フィルム又はシートが開示されている。高温・多湿環境や温水浸漬あるいは煮沸等の条件下に長時間保持されても、アクリル系粘着フィルム又はシートの白化を抑制できるとしている。
また、特許文献5には、画像表示装置等の保護に必要な衝撃吸収のための、アクリル酸系誘導体、アクリル酸系誘導体ポリマー、及び高分子量架橋剤を含有した樹脂組成物が開示されている。画像表示用パネルの割れ防止あるいは応力及び衝撃の緩和に有用で透明性に優れているとしている。また、樹脂シートを60℃、90%RHの高温・高湿試験槽に50時間入れる吸湿試験を行なった後、目視にて確認した結果、発泡が少なく透明性に優れているとしている。
特開2004−212521号公報 特開2008−266473号公報 特開2009−079127号公報 特開2002−348546号公報 特開2008−248221号公報
近年、ディスプレイの用途が拡大していることに伴い、ディスプレイに使用される各種部材に対して低コスト化を図ることの要求が増大している。また、ディスプレイに使用される各種部材に対する要求品質についても、従来の環境試験条件に比較して、更に厳しい環境条件下での耐久性能が求められている。例えば、車載用のディスプレイに使用される光学フィルムを貼合する粘着テープでは、85℃、85%RHの環境条件下においても粘着剤層の白濁が生じない粘着剤組成物、及びそれを用いた粘着テープが必要とされている。
従来技術である、特許文献1〜3に記載の粘着剤組成物及び粘着剤層は、段差追従性を向上させるために、粘着剤の貯蔵弾性率を所定の範囲とするものである。
しかしながら、特許文献1に記載のポリオルガノシロキサン組成物、及び特許文献2に記載のポリオキシアルキレン系重合体硬化物は、高価であることから、比較的に安価なアクリル系粘着剤による課題の解決が望まれる。
また、特許文献3に記載の粘着テープは、多量の導電性フィラーを含んだ不透明なもので、透明な粘着フィルムとして使用できないため、透明性や白濁に関する記載もない。アクリル系粘着剤の記載はあるが、多量の導電性フィラーを含んでも粘着性をもたせる必要があるので、粘着剤に重合ロジン等の粘着付与樹脂を含ませている。しかしながら、重合ロジンは黄色〜褐色を帯びているので、高い透明性を要する光学フィルムの用途には不適である。
また、特許文献4に記載の粘着フィルムは、高温・多湿環境や温水浸漬あるいは煮沸等の条件下に長時間保持されても、アクリル系粘着フィルム又はシートの白化を抑制できるとされている。しかし、親水性シリカ超微粒子といった特殊な粒子を添加したものであって低コスト化は困難である。また、粘着剤層を、段差に追従させるための構成は示されていない。
また、特許文献5に記載の粘着剤組成物は、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキルアクリレート(A)及びヒドロキシル基含有アクリレート(B)の混合物を重合して得られるコポリマーと、前記(A)及び(B)のモノマー混合物と、高分子量架橋剤とを加えた後、架橋反応させて得られる粘着剤組成物である。特許文献5に記載の粘着剤組成物の場合、85℃、95%RHの環境条件下においても粘着層の白濁が生じない粘着剤組成物、及びそれを用いた粘着テープであることの記載がない。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを過剰に導入しているため、特許文献5の実施例のように、型枠に樹脂を流し込んで、ガラスで紫外線を弱めて長時間照射する必要があるなどの設備の工夫が必要である。また、60℃、90%RHの環境条件下においても粘着層の白濁が生じない粘着剤組成物、及びそれを用いた粘着テープであるとしているが、弱い紫外線を長時間に渡り照射する必要があるため、生産性が悪い。
このように、従来技術においては、被着体である表示ディスプレイの前面ガラス板と遮光層の黒枠との間に生じた段差などに追従し、貼合する際に、気泡の発生を防止でき、また、著しく過酷な高温高湿の環境条件である、例えば、車載用のディスプレイに適用される、85℃、95%RHの環境条件下においても粘着剤層(光硬化性樹脂層)の白濁が生じない光硬化性樹脂組成物を用いた積層フィルムが、表面に段差を有する被着体に貼合されてなる積層体の製造方法及び積層体は知られていなかった。
上記の事情に鑑み、本発明の課題は、表面に50μm以上の印刷段差を有する被着体に貼合する際に、気泡の発生を防止でき、かつ、紫外線照射後はオーブンを使用して85℃、85%RHなどの高温・高湿度での環境条件下における耐久試験を行った時およびオーブンから取り出した後でも白濁がない光硬化性樹脂組成物を用いた積層フィルムが、表面に段差を有する被着体に貼合されてなる積層体の製造方法及び積層体の提供とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、表面に段差を有する被着体に、前記段差を埋めるために用いる光硬化性樹脂層が積層された積層フィルムを貼合してなる積層体の製造方法であって、少なくとも、次の工程(1)〜(5)
(1)(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーを準備する工程、
(2)前記主剤ポリマーの100重量部に対して、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーの少なくとも1種類が5〜10重量部と、(C)光重合開始剤が0.5〜1重量部と、(D)2官能性の架橋剤を、ポリマーの架橋点に対して0.1当量以下となる0.2〜0.8重量部と、を含有させて、24℃、1Hzでの貯蔵弾性率(G’)が1×10Pa以上かつ9×10Pa未満である光硬化性樹脂組成物を調製する工程、
(3)基材またはセパレーターの片面に、前記光硬化性樹脂組成物を塗布した後、加熱乾燥して、光硬化性樹脂層の固化層が形成された積層フィルムを作製する工程、
(4)前記の表面に段差を有する被着体に、前記光硬化性樹脂層の固化層を介して前記積層フィルムを貼合する工程、
(5)前記基材またはセパレーターの上から、光照射による重合反応及び養生による架橋反応をさせて前記光硬化性樹脂層の固化層を硬化させる工程、
を、(1)〜(5)の順番に経て製造することを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記の製造方法により得られた、表面に段差を有する被着体に、前記段差を埋めるために用いる光硬化性樹脂層が積層された積層フィルムを貼合してなる積層体を提供する。
また、本発明は、前記被着体が、ディスプレイに用いる光学部材である、上記の光硬化性樹脂組成物が積層された積層フィルムを貼合してなる積層体を提供する。
本発明の積層フィルムが貼合された積層体の製造方法によれば、印刷段差を有する被着体に、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーに、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーと、(C)光重合開始剤と、(D)2官能性の架橋剤とを含有する光硬化性樹脂組成物を積層した樹脂塗布層を有する積層フィルムを用いて、貼合することによって、50μm以上の印刷段差に追従可能となる。また、積層フィルムを被着体に貼合後にUV照射することによって、水分子の凝集を防ぐことが可能であり、高温・高湿度環境下での耐久性試験を経た後でも白濁が生じるのを防ぐことができる。
また、本発明に係わる積層体は、酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーに、ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーの少なくとも1種類と、光重合開始剤と、2官能性の架橋剤とを加えて光重合させた光硬化性樹脂層を形成している。このため、金属に対する腐食性が弱く、本発明に係わる積層体の光硬化性樹脂層を、透明導電性フィルムのITO面に貼り合せても、透明導電膜(ITO)の抵抗値の変化を低く抑えることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて形成された光硬化性樹脂層を有する積層フィルムの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて形成された光硬化性樹脂層を有する積層フィルムの製造方法の一例を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の、好適な実施の形態について説明する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、少なくとも1種類のヒドロキシル基含有モノマーを、そのモノマーを重合させるための光重合開始剤、主剤ポリマーおよび主剤ポリマーを架橋するための架橋剤に混合したものである。この光硬化性樹脂組成物は、エネルギー線により重合する光重合性化合物として、少なくとも1種類のヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートを含有する。(メタ)アクリレートのモノマーは、光重合開始剤とラジカル重合可能なビニル基である(メタ)アクリル基を有する重合性化合物であって、例えば、300nm〜400nmの範囲内の紫外線に対して硬化性を有する、紫外線硬化性樹脂材料である。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
主剤ポリマーは、光硬化性樹脂組成物の主剤となり、かつ、ヒドロキシル基を含有したアクリル系モノマーが分散しやすいものであれば良い。
ヒドロキシル基含有モノマーが分散し易いためには、主剤ポリマーは、アクリル系ポリマーであることが好ましく、さらには親水性モノマーを共重合していることが好ましい。これは、ヒドロキシル基含有モノマーがアクリル系であることと、ヒドロキシル基を含有しているためである。
また、本発明の積層体に用いる光硬化性樹脂組成物は、光学用途に使用されることから透明性を有することが必要であり、かつ粘着力の強弱を制御することが簡便であることからも、主剤ポリマーは、アクリル系ポリマーが好ましい。
上記光硬化性樹脂組成物は、少なくとも、次の工程(1)〜(2)
(1)(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーを準備する工程、
(2)前記主剤ポリマーの100重量部に対して、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーの少なくとも1種類が5〜10重量部と、(C)光重合開始剤が0.5〜1重量部と、(D)2官能性の架橋剤を、前記主剤ポリマーの架橋点に対して0.1当量以下となる0.2〜0.8重量部と、を含有させて、24℃、1Hzでの貯蔵弾性率(G’)が1×10Pa以上かつ9×10Pa未満である光硬化性樹脂組成物を調製する工程、
を、(1)〜(2)の順番に経て製造される。
上記の光硬化性樹脂組成物を用いて、基材(またはセパレーターでも良い。)の片面に、光硬化性樹脂層の固化層が形成された積層フィルムを作製する工程、前記の表面に段差を有する被着体に、前記光硬化性樹脂層の固化層を介して前記積層フィルムを貼合する工程、前記基材またはセパレーターの上から、光照射による重合反応及び養生による架橋反応をさせて前記光硬化性樹脂層の固化層を硬化させる工程、を順番に経て、本願発明に係わる光硬化性樹脂層が積層された積層フィルムを貼合してなる積層体が得られる。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、架橋剤の含有量はポリマーの架橋点に対して1当量未満(好ましくは、例えば0.5当量以下)とすることが好ましい。これにより、架橋剤がイソシアネート化合物のように、ヒドロキシル基含有のモノマーのヒドロキシル基と架橋反応し得るものであっても、ヒドロキシル基含有のモノマーのヒドロキシル基の少なくとも一部が架橋されず、その未架橋のヒドロキシル基が分散して存在することによって、水分の吸着性能に優れた光硬化性樹脂組成物が得られる。さらには、上述したように、主剤ポリマーの100重量部に対して、(D)2官能性の架橋剤を、前記主剤ポリマーの架橋点に対して0.1当量以下となる0.2〜0.8重量部とすることが好ましい。
図1に、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて形成された光硬化性樹脂層2を有する積層フィルム5の一例を模式的に示す。この積層フィルム5は、光硬化性樹脂層2の支持体となる基材1の片面に光硬化性樹脂層2が形成され、光硬化性樹脂層2の表面がセパレーター3で保護されている。使用時には、セパレーター3を剥離して光硬化性樹脂層を露出し、光硬化性樹脂層2の裏面に基材1が積層されたまま、被着体に貼合される。
また、特に図示しないが、基材の両面に光硬化性樹脂層が形成され、それぞれの光硬化性樹脂層の表面が、セパレーターで保護された構造を有する積層フィルムとしても良い。
本発明における、高温・高湿度での環境条件下における白濁の発生を防止できる改善効果については、ガラス(無機ガラス)やアクリル樹脂(アクリルガラス)などの水分の透過性が悪いものの場合に、特に著しい効果が得られる。これは次の理由による。
水分子の透過性の良い樹脂フィルムを貼合する場合は、光硬化性樹脂層に分散している水分子が、樹脂フィルムの場合は簡単に透過して通り抜けることができるため、水分子の凝集する確率が減る。また、仮に水分子が凝集しても、すぐに樹脂フィルムを通して抜けていくために、白濁している時間が短くなる。しかし、水分子の透過性の悪い材料を貼合する場合は、水分子が凝集して白濁すると、光硬化性樹脂層の周辺端に水分子が拡散した後に抜けるため、長時間に渡り白濁が続くことになる。
本発明では、主剤ポリマーの原料となるモノマーとして、エステル基(−COO−)を有するアクリル系モノマーの少なくとも1種類と、カルボキシル基(−COOH)を有するアクリル系モノマーの少なくとも1種類とを、主剤ポリマーの酸価が0〜33となる含有量にて含有することが好ましく、その他、種々の化合物を用いることができる。エステル基(−COO−)を有するアクリル系モノマーとしては、例えば、一般式CH=CR−COOR(式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1〜14のアルキル基を示す。)で表わされるアルキル(メタ)アクリレートや、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、本発明では、主剤ポリマーの原料となるモノマーとして、エステル基(−COO−)を有するアクリル系モノマーの少なくとも1種類を含有し、カルボキシル基(−COOH)を有するアクリル系モノマーを含有しないアクリル系ポリマーも用いることができ、その他、種々の化合物を用いることができる。
一般式CH=CR−COOR(式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1〜14のアルキル基を示す。)で表わされるアルキル(メタ)アクリレートとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらを単独で又は二種以上を併用して使用することができる。このうち2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
アルキル(メタ)アクリレートは、光硬化性樹脂層の付着力の観点から、アルキル基Rの炭素数が1〜14とされる。アルキル基の炭素数が15以上であると、付着力が低下する可能性があるので好ましくない。このアルキル基Rは、炭素数が1〜12であることが好ましく、炭素数が4〜12であることが好ましく、炭素数が4〜8であることがより好ましい。
また、アルキル基Rの炭素数が1〜14のアルキル(メタ)アクリレートのうち、アルキル基Rの炭素数が1〜3または13〜14のアルキル(メタ)アクリレートをモノマーの一部分として用いても良いが、アルキル基Rの炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートを必須として(例えば50〜100モル%)用いることが好ましい。
なお、これらのアルキル基Rは、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。
また、ヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、カルボキシル基を含有するアクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、2−アクリロイルエチル琥珀酸などが挙げられる。
主剤ポリマーの原料モノマーには、他のモノマーを添加することもできる。例えば、カルボキシル基、アルコキシシリル基、アミノ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基などの親水基を持つモノマーを選定して使用することができる。
主剤ポリマーを構成するモノマーのうち、アルキル(メタ)アクリレートと親水基を有するモノマーとの配合比は、光硬化性樹脂組成物に求められる特性やモノマーの種類、1分子中に親水基が占める重量比などによっても異なるが、例えば5〜50重量%が親水基を有するモノマーであり、50〜95重量%がアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、アルコキシシリル基を含有するアクリル系モノマーとしては、例えば、γ−トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、γ−メチルジメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、γ−トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、アルコキシシリル基を含有する非アクリル系モノマーとしては、例えば、ビニルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、アミノ基を含有するアクリル系モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を含有する(メタ)アクリレートのほか、(メタ)アクリル酸アミド、イタコン酸アミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
主剤ポリマーは、その大部分(例えば50重量%以上、より好ましくは80重量%以上)がアクリル系モノマー(アルキル(メタ)アクリレートおよび親水基を有するアクリル系モノマー)から構成されることが好ましいが、本発明の効果を損ねない程度に、アクリル系モノマー以外のモノマー(非アクリル系モノマー)を併用することもできる。
主剤ポリマーを構成するアクリル系モノマー及び任意に配合される非アクリル系モノマーを重合させるには、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法により行うことができるが、除熱の容易な溶液重合が好適に用いられる。溶液重合反応において使用される有機溶媒としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素類、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられるが、上記重合反応を阻害しなければ、特に限定されない。これらの溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は、適宜に決定すればよい。必要に応じて、適宜の触媒を用いることが好ましい。
一般的に、溶液重合反応においては、重合温度が高くなるに従い、生成されるポリマーの分子量は低下する。重合反応を溶媒の還流温度で行わせるに当たり、重合反応に適した沸点温度を有する溶媒を使用することにより、重合反応熱を除去しながらポリマーを得ることができる。
主剤ポリマーの分子量分布は、数平均分子量(Mn)で7万以上、かつ重量平均分子量(Mw)で100万以上であることが好ましい。さらに、重量平均分子量(Mw)が1200万以上であることがより好ましい。このようにポリマーAの分子量が大きいと、耐熱性および耐候性がより優れたものとなる。
分子量が大きすぎると粘度が高すぎて加工適性が悪くなる。塗料の温度を上げるなど塗工方法を工夫することでこの上限はさらに広げられると考えられるが、室温で塗工をする場合、例えば、Mw500万未満の材料が好ましいと考えられる。
主剤ポリマーとしては、カルボキシル基(−COOH)を有するアクリル系モノマーや他の酸性官能基を有するモノマーの含有量が少ないアクリル系ポリマーを用いることもできる。主剤ポリマーの酸価は0〜33であることが好ましい。ここで、「酸価」とは、酸の含有量を表す指標の一つであり、ポリマー1gを中和するのに要する、水酸化カリウムのmg数で表される。主剤ポリマーの酸価が0の場合、酸性官能基を有するモノマーをまったく含有しないことを意味する。被着体が酸による腐食や劣化の懸念されるものである場合、主剤ポリマーの酸価が小さいことが好ましく、主剤ポリマー以外の添加物からも酸を避けることが望ましい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーの少なくとも1種類を含有する。
本発明の光硬化性樹脂組成物の一つの好ましい実施態様においては、ヒドロキシル基を含有しないアルキル(メタ)アクリレート及びアクリル酸のモノマーを重合させて得られたアクリル系ポリマーと、ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーとが、共重合しないで別々に分散した混合状態で存在する。また、別の好ましい実施態様においては、親水性モノマーを含むモノマーを重合させて得られた主剤ポリマーと、ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーとが、光硬化性樹脂組成物中に含まれる。
ヒドロキシル基含有のモノマーの含有量(ヒドロキシル基含有のモノマーが2種類以上である場合にはその合計量)は、主剤ポリマー100重量部に対して、4〜20重量部であることが好ましく、85℃×85%RH環境下での試験を行うなど高耐久性を必要とする場合、4〜15重量部であることがより好ましい。さらには、主剤ポリマーの100重量部に対して、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーの少なくとも1種類が5〜10重量部であることがより好ましい。
なお、公知のヒドロキシル基を含有するアクリル系ポリマーからなる光硬化性樹脂組成物において、未反応モノマーとしてヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリレートのモノマーを若干含有することがあるが、その含有率は、本発明の光硬化性樹脂組成物におけるヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートの含有率に比べると、著しく低いものに過ぎない。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、主剤ポリマーと、ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーと、光重合開始剤と、架橋剤とを含有したアクリルシロップの状態、もしくは塗布及びヒドロキシル基含有モノマーの均一な分散のため、上記アクリルシロップが有機溶媒に溶解している樹脂溶液として調製される。
ヒドロキシル基含有モノマーを、前記主剤ポリマーに溶解させてアクリルシロップを得る工程においては、ヒドロキシル基含有モノマーを主剤ポリマーに溶解させる前に、重合反応で用いた有機溶媒を除去して、得られた液状の主剤ポリマーを分離し、必要に応じて水や有機溶媒等で洗浄することが好ましい。これにより、主剤ポリマーの重合反応を完全に停止させ、また、主剤ポリマーから未反応のアクリル系モノマーを除去することができる。また、主剤ポリマーの重量をより正確に定量して、次工程で用いるヒドロキシル基含有モノマー、架橋剤及び光重合開始剤の含有量をより適切に調整されたアクリルシロップが作製できる。アクリルシロップを作製する場合、主剤ポリマーにヒドロキシル基含有モノマーを溶解させた後に上記の重合反応に用いた有機溶媒の除去作業を行ってもかまわない。
また、アクリルシロップに光重合開始剤を添加した後は、室内光や太陽光に含まれる紫外光がアクリルシロップに作用すると重合反応が進行するおそれがあり、管理が難しくなるため、光重合開始剤は、後工程である塗布工程のなるべく直前に添加することが好ましい。これは、アクリルシロップが有機溶媒に溶解している樹脂溶液でも同様の扱いで、注意すべきは光開始剤が何らかの外的要因で塗布・製膜前に反応を開始してしまうことを防ぐことである。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、基材への塗布に適した流動性を付与するため、適量の有機溶媒を配合した光硬化性樹脂組成物の塗布液とすることが好ましい。光硬化性樹脂組成物の塗布液において、使用される有機溶媒としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素類、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられるが、上記塗布及び分散の目的を達することができるものであれば、特に限定されない。
光硬化性樹脂組成物の塗布液を調製する際、主剤ポリマー、ヒドロキシル基含有モノマー、光重合開始剤、架橋剤の4種が互いに適切な配合比で有機溶媒に溶解した有機溶媒液が得られれば良く、その溶解させる順序は特に限定されない。例えば、主剤ポリマーを重合して得られるアクリルシロップに直接、ヒドロキシル基含有モノマー、光重合開始剤、架橋剤を投入したり、ヒドロキシル基含有モノマー、光重合開始剤、架橋剤を適量の有機溶媒に溶解した液を投入したりしても良い。
本発明でヒドロキシル基含有のモノマーとして使用されるヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーは、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシルペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシルヘキシル(メタ)アクリレート、7−ヒドロキシルヘプチル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシルオクチル(メタ)アクリレート、7−メチル−8−ヒドロキシルオクチル(メタ)アクリレート、2−メチル−8−ヒドロキシルオクチル(メタ)アクリレート、9−ヒドロキシルノニル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシルデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシルラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよい。特に、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレートが好適に使用される。
ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートとしては、二価アルコール(ジオール化合物)の有する2つのヒドロキシル基のうち一つのヒドロキシル基を、アクリル酸またはメタクリル酸でエステル化して得られ、1分子にヒドロキシル基及びビニル基を1つずつ有する、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
本発明で使用するモノマー(主剤ポリマーを構成するモノマー、およびヒドロキシル基含有のモノマー)の種類は、必要とされる積層フィルムの付着力、貯蔵弾性率によって変わるが、リワーク性を有する積層フィルムにする場合、貯蔵弾性率が高くて固い光硬化性樹脂組成物でも良いため、モノマーのおおよその指針としてはTgが室温以上のものが好ましい。強い付着力を必要とする場合や貯蔵弾性率を低くしたい場合は、その逆でTgが室温より低く、好ましくはTgがマイナス温度となるモノマーが必要となる。
光重合開始剤(重合触媒)としては、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、アセトフェノン、p−(tert−ブチル)1’,1’,1’−トリクロロアセトフェノン、クロロアセトフェノン、2’,2’−ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2’−フェニルアセトフェノン、2−アミノアセトフェノン、ジアルキルアミノアセトフェノン等が挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシルシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシル2−メチル−1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシル2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシルベンゾフェノン、ヒドロキシルプロピルベンゾフェノン、アクリルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジメチルチオキサントン等が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。光重合開始剤の含有量は、重合性化合物(本発明の場合は、ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレート)の全量を100質量%とする重量百分率において、0.02〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることが特に好ましい。光重合開始剤の含有量が0.02質量%以上であれば、重合性化合物を短時間に重合でき、10質量%以下であれば、光重合開始剤の残渣が硬化物中に残存しにくい。さらには、主剤ポリマーの100重量部に対して、(C)光重合開始剤が0.5〜1重量部であることが好ましい。
また、上述したように、主剤ポリマー100重量部に対して、ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマー(2種類以上用いる場合は合計量)は4〜20重量部であることが好ましく、85℃85%RH環境下での試験を行うなど高耐久性を必要とする場合、4〜15重量部であることがより好ましく、さらには、主剤ポリマーの100重量部に対して、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーの少なくとも1種類が5〜10重量部であることが好ましいので、主剤ポリマー100重量部を基準とした光重合開始剤の含有量は、0.1〜5重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部がより好ましい。さらには、主剤ポリマーの100重量部に対して、(C)光重合開始剤が0.5〜1重量部であることが好ましい。
本発明においては、光重合後の光硬化性樹脂組成物において、モノマーのうち、40〜80重量%、好ましくは50〜75重量%の範囲で重合させることが望ましい。つまり、60〜20重量%、好ましくは50〜25重量%の範囲で未反応モノマーを残すことが望ましい。重合率が40重量%に満たない場合には、得られた重合体に充分な付着性が付与されず、また、80重量%を超える量の重合率では凝集力の低下が見られ、光硬化性樹脂層を剥離除去した時に糊残り現象を生じることがある。
本発明は、(D)成分として光硬化性樹脂組成物に2官能性の架橋剤を添加し、ポリマーを架橋しても良い。
(D)2官能性の架橋剤としては、架橋反応する官能基を1分子中に2つ有する化合物であれば、特に限定されない。このような2官能性の架橋剤としては、例えば、2官能性エポキシ化合物、2官能性イソシアネート等が挙げられる。
2官能性エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族の2官能性エポキシ化合物や、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、レゾルシンジグリシジルエーテル等の芳香族の2官能性エポキシ化合物が挙げられる。2官能性エポキシ化合物のエポキシ基は、ポリマーのカルボキシル基と架橋反応することができる。
2官能性イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族の2官能性イソシアネートや、トリレンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族の2官能性イソシアネートが挙げられる。2官能性イソシアネートのNCO基は、ポリマーのカルボキシル基やヒドロキシル基と架橋反応することができる。
2官能性の架橋剤の含有量は、ポリマーの架橋点に対して0.1当量以下となる範囲で、例えば、主剤ポリマー100重量部に対して0.5〜3.0重量部が好ましく、1.0〜3.0重量部がより好ましく、0.2〜0.8重量部がさらに好ましい。
ここで、光硬化性樹脂組成物を塗布して光硬化性樹脂の塗布層を有する積層フィルムを形成するときに用いる基材の材質は、透明性、耐熱性を有していて、及び紫外線硬化性樹脂組成物の硬化を阻害する350nm〜400nm近傍の紫外線領域に散乱・吸収が小さいものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリアクリル酸塩、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ナイロン、ポリイミド、トリアセチルセルロース(三酢酸セルロース)、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレンやポリトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、セロファン、セルロース系フィルムなどを挙げることができる。これら材料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
特に前記基材のうち、耐熱性、紫外線透過性、及び価格の面から、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
なお、基材の厚みは16μm〜200μmを有することが好ましく、50μm〜188μmを有することが更に好ましい。基材の厚みが薄過ぎるとハンドリング性が悪く、また、基材の厚みが厚過ぎると、コスト面、ハンドリング性で不利である。
光硬化性樹脂組成物を基材に塗布する塗布装置は、基材上に光硬化性樹脂組成物を均質に供給して塗布する手段を備えるものであればどういった装置でも良いが、連続的に光硬化性樹脂組成物を基材上に供給して塗布できるよう、光硬化性樹脂組成物を貯蔵するタンク、送液ポンプ、配管、異物除去フィルター、コーターヘッドからなる構成を持つ装置が好ましい(図示なし)。コーターヘッドは、例えばダイコーターなどが好適である。
塗布装置により、基材の片面に光硬化性樹脂組成物の薄膜層(塗布膜)が形成される。塗布装置で塗布した直後の光硬化性樹脂組成物は、未硬化でかつ液状であり、塗布に適した流動性を有する。
本発明の積層フィルムにおける光硬化性樹脂組成物の塗布層の厚みは、50μm〜3mmの間にあることが好ましく、より好ましくは100μm〜300μmの間である。これは本発明で定義している白濁について、白濁防止効果が顕著に見られるのが50μm以上であり、またガラスやアクリル板などの硬い被着体同士を貼合する場合はテープはより厚い方が気泡なく貼合しやすいため好ましいが、コスト面を考慮すると300μm以下が適当であると判断されるためである。
光硬化性樹脂組成物がシロップタイプの場合、塗布層の厚みは、光重合によって得られる光硬化性樹脂層の厚さにほぼ等しい。
光硬化性樹脂組成物が溶液タイプの場合は、乾燥前の塗布層の厚みはシロップタイプより厚くなり、上記の塗布層の厚みを濃度で割った数字となる。乾燥後の塗布層の厚みはシロップタイプと同様である。
塗布層が薄すぎると、光硬化性樹脂層の厚さも薄くなるので、衝撃吸収性能が悪くなる。また、塗布層が厚過ぎるとコストが上昇する点で不利である。
図2に、本発明の積層フィルムの製造方法の一例を模式的に示す。図2に示す装置において、光硬化性樹脂組成物は、ダイコーター21から基材11上に供給され、塗布層12を形成する。符号22は、ダイコーター21に対向して配置され、基材11を支持するバックアップロール22である。塗布層12が形成された基材11は、その長手方向に沿って搬送され、乾燥室23で塗布層12中の溶媒を除去するように乾燥される。乾燥後の塗布層12の上には、セパレーター供給手段24からセパレーター13が塗布層12上に供給され、ニップロール25によって貼合される。
乾燥室23内の温度は、塗布層12中の溶媒が十分に揮発する温度であれば良く、重合性化合物が熱重合しない温度に保たれることが望ましい。
セパレーター供給手段24は、セパレーター13が巻き取られたロール体と、そのロール体を保持する軸等から構成される。
ニップロール25は、塗布層12が形成された基材11と、セパレーター13とを挟み込む1対のロールからなり、両者を貼合する装置である。貼合のための加圧手段を備えることが好ましく、また、フィルムに対して均一な圧力をかけ易いよう、少なくとも一方のロールがゴム製であることが好ましい。
セパレーターとしては、例えば、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ノルボルネン系フィルム、フェノキシエーテル型重合体フィルム、有機耐透気性フィルムをはじめとする単層または複層プラスチックフィルムにシリコーン系剥離剤等による剥離処理を施して少なくとも片面が剥離性を有する剥離フィルム;紙にシリコーン系剥離剤等による剥離処理を施して少なくとも片面が剥離性を有する剥離紙;フッ素系樹脂フィルムやある種のポリオレフィン系フィルムなどフィルム自体が剥離性を有するフィルム;剥離剤を内添して製膜したフィルムなどが挙げられる。セパレーターの厚さに限定はないが、通常は5〜500μm、好ましくは10〜100μmとすることが多い。セパレーターは、使用する光硬化性樹脂組成物や使用用途(剥離強度)に合わせて選ばれるものとする。
また、本発明の積層フィルムとして、トランスファーテープのように、支持体のない両面とも付着する積層フィルムを製造する場合は、セパレーター13のみならず、搬送用の基材11としてもセパレーターが供給され、光硬化性樹脂層の塗布層をセパレーター上に形成する。
また、本発明の積層フィルムとして、支持体の両面に光硬化性樹脂層の塗布層を有する、両面とも付着する積層フィルムを製造する場合は、それぞれの面で同時に、または逐次に、塗布液の塗布・乾燥と塗布層の光重合を行なうことができる。
光重合反応のための光照射後には、架橋反応のための養生を行う。養生の方法は特に限定されないが、例えばロールに巻き取った積層フィルムを、所定の温度及び時間条件で放置する。養生の温度は、架橋剤の種類等にもよるが、必要に応じて加温(例えば40〜80℃)することが好ましい。
また、本発明の光硬化性樹脂層を有する積層フィルムは、表面に段差を有する被着体に貼合されるので、被着体の段差に追従することができるためには、24℃、1Hzでの貯蔵弾性率(G’)が、1×10Pa以上かつ9×10Pa未満であることが好ましい。貯蔵弾性率が、この数値範囲内の低い値であれば、光硬化性樹脂層が柔らかく変形しやすいため、被着体の段差に追従して貼合しやすく、段差付近に気泡が入ることを防ぐことができる。ここで、貯蔵弾性率としては、「光硬化性樹脂層」の貯蔵弾性率であり、具体的には、光硬化性樹脂組成物を塗布した「光硬化性樹脂層の塗布層」の貯蔵弾性率、加熱乾燥した「光硬化性樹脂層の固化層」の貯蔵弾性率、光硬化性樹脂層を光照射による重合反応及び養生による架橋反応により硬化させた「光硬化性樹脂層の硬化層」の貯蔵弾性率から選択されるいずれかの貯蔵弾性率を、適切に選択して用いるのが望ましい。
詳しくは、後述の実施例1〜3に示されるように、段差を有する被着体に貼合するときの積層フィルムにおける光硬化性樹脂層の弾性率(単位Pa)は、1×10Pa以上かつ9×10Pa未満であることが好ましい。段差を有する被着体に貼合するときの積層フィルムは、UV未照射であることが望ましく、あるいは取り扱い中に多少のUVを受けたとしても、UV照射の程度が低いことが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂層を有する積層フィルムは、光硬化性樹脂層が透明であるため、液晶パネル、有機ELパネルなどの各種ディスプレイに、部材の段差を埋めて貼合する用途に好適に用いることができる。
被着体の表面に存在する段差としては、インク等の印刷層によるもののほか、配線層、金属または導電体のメッシュパターン、粘着テープ等によるものが挙げられる。
段差の高さは、被着体の用途によって種々であり、遮光性を必要としない場合は10μm未満でも十分であるが、遮光性が必要な場合には10μm以上の厚みが必要とされている。また、印刷層の厚みは、一色当たり7〜10μmの厚みであり、必要応じて色数は増えていくため、たとえば4色であれば厚みは40μmとなり、それら様々な段差を埋められる積層フィルムが必要である。本発明の光硬化性樹脂層を有する積層フィルムにおいては、許容できる段差の高さは、段差の高低に応じて光硬化性樹脂層の厚みを増減できるので、特に限定されるものではない。本発明の光硬化性樹脂組成物は、表面に50μm以上の印刷段差を有する被着体に貼合する際に、気泡の発生を防止でき、かつ、紫外線照射後はオーブンを使用して85℃、85%RHなどの高温・高湿度での環境条件下における耐久試験を行った時およびオーブンから取り出した後でも白濁がないものであるので、50μm以上の段差を有する被着体に用いることが好ましい。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2094(綜研化学株式会社製、酸価:33)を用いた。この主剤ポリマーと、(D)2官能性の架橋剤としてE−AX(綜研化学株式会社製硬化剤)を、それぞれ100g:0.27gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た。得られた主剤・架橋剤混合溶液に、さらに、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーとして、4−ヒドロキシルブチルアクリレート(大阪有機材料工業株式会社製;4HBA)を10.0gと、(C)アルキルフェノン系の光重合開始剤(チバ・ジャパン株式会社製;製品名:Irgacure184)を1.0gと、を加えて光硬化性樹脂組成物を調製した。
その光硬化性樹脂組成物を、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名:125E−0010DG2.5AS、厚み125μm)からなる剥離フィルムの片面上に、アプリケーターを用いて、乾燥後における光硬化性樹脂の塗布層の厚みが175μmとなるように塗布した後、乾燥させて光硬化性樹脂の塗布層が積層された積層フィルムを作製した。
次に、得られた積層フィルムの光硬化性樹脂の塗布層の上面に、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名;38E−0010BDAS、厚み38μm)を貼合し、光硬化性樹脂の塗布層の積層された実施例1の積層フィルムを作成した。
(実施例2)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2147(綜研化学株式会社製、酸価:0)を用いた。この主剤ポリマーと、(D)2官能性の架橋剤としてTD−75(綜研化学株式会社製)を、それぞれ100g:0.06gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た。得られた主剤・架橋剤混合溶液に、さらに、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーとして、4−ヒドロキシルブチルアクリレート(大阪有機材料工業株式会社製;4HBA)を5.0gと、(C)アルキルフェノン系の光重合開始剤(チバ・ジャパン株式会社製;製品名:Irgacure184)を0.50gと、を加えて光硬化性樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の積層フィルムを得た。
(実施例3)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2147(綜研化学株式会社製、酸価:0)を用いた。この主剤ポリマーと、(D)2官能性の架橋剤としてTD−75(綜研化学株式会社製)を、それぞれ100g:0.06gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た。得られた主剤・架橋剤混合溶液に、さらに、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーとして、4−ヒドロキシルブチルアクリレート(大阪有機材料工業株式会社製;4HBA)を10.0gと、(C)アルキルフェノン系の光重合開始剤(チバ・ジャパン株式会社製;製品名:Irgacure184)を1.0gと、を加えて光硬化性樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の積層フィルムを得た。
(比較例1)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2094(綜研化学株式会社製、酸価:33)を用いた。この主剤ポリマーと、(D)2官能性の架橋剤としてE−AX(綜研化学株式会社製硬化剤)とを、それぞれ100g:0.27gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た。得られた主剤・架橋剤混合溶液を、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名:125E−0010DG2.5AS、厚み125μm)からなる剥離フィルムの上面に、アプリケーターを用いて、乾燥後における光硬化性樹脂の塗布層の厚みが175μmとなるように塗布した後、乾燥させて光硬化性樹脂の塗布層が積層された積層フィルムを作製した。
次に、得られた積層フィルムの光硬化性樹脂の塗布層の上面に、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名;38E−0010BDAS、厚み38μm)を貼合し、光硬化性樹脂の塗布層の積層された比較例1の積層フィルムを作成した。
(比較例2)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2147(綜研化学株式会社製、酸価:0)を用いた。この主剤ポリマーと、(D)2官能性の架橋剤としてTD−75(綜研化学株式会社製)を、それぞれ100g:0.06gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た以外は、比較例1と同様にして、比較例2の積層フィルムを得た。
(比較例3)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2094(綜研化学株式会社製、酸価:33)を用いた。この主剤ポリマーと、(D)2官能性の架橋剤としてE−AX(綜研化学株式会社製硬化剤)とを、それぞれ100g:0.27gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た。
その主剤・架橋剤混合溶液を、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名:125E−0010DG2.5AS、厚み125μm)からなる剥離フィルムの上面に、アプリケーターを用いて、乾燥後における光硬化性樹脂の塗布層の厚みが175μmとなるように塗布した後、乾燥させて光硬化性樹脂の塗布層が積層された積層体を作製した。
次に、得られた積層体の光硬化性樹脂の塗布層の上面に、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名;38E−0010BDAS、厚み38μm)を貼合し、光硬化性樹脂の塗布層の積層された積層フィルムを作製した。
その後、得られた積層フィルムを搬送しながら、高圧水銀ランプを用いた連続UV照射装置により、照射量約800mJ/cmとなるように、基材である光硬化性樹脂の塗布層の積層フィルムの搬送スピード、UV照射の光量などを調整しながらUV照射を行い、光重合開始剤を用いて重合反応を行わせて、最終的に光硬化性樹脂層が積層された、比較例3の積層フィルムを得た。
(比較例4)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2147(綜研化学株式会社製、酸価:0)を用いた。この主剤ポリマーと、(D)2官能性の架橋剤としてTD−75(綜研化学株式会社製)を、それぞれ100g:0.06gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を調製した以外は、比較例3と同様にして、比較例4の積層フィルムを得た。
(比較例5)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2094(綜研化学株式会社製、酸価:33)を用いた。この主剤ポリマーと、(D)2官能性の架橋剤としてE−AX(綜研化学株式会社製硬化剤)とを、それぞれ100g:0.27gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た。
得られた主剤・架橋剤混合溶液に、さらに、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーとして、4−ヒドロキシルブチルアクリレート(大阪有機材料工業株式会社製;4HBA)を5.0gと、(C)アルキルフェノン系の光重合開始剤(チバ・ジャパン株式会社製;製品名:Irgacure184)を0.50gと、を加えて光硬化性樹脂組成物を調製した。
その光硬化性樹脂組成物を、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名:125E−0010DG2.5AS、厚み125μm)からなる剥離フィルムの上面に、アプリケーターを用いて、乾燥後における光硬化性樹脂の塗布層の厚みが175μmとなるように塗布した後、乾燥させて光硬化性樹脂の塗布層が積層された積層フィルムを作製した。
次に、得られた積層フィルムの光硬化性樹脂の塗布層の上面に、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名;38E−0010BDAS、厚み38μm)を貼合し、光硬化性樹脂の塗布層の積層された比較例5の積層フィルムを作成した。
(比較例6)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2094(綜研化学株式会社製、酸価:33)を用いた。この主剤ポリマーと、(D)2官能性の架橋剤としてE−AX(綜研化学株式会社製硬化剤)とを、それぞれ100g:0.27gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た。
得られた主剤・架橋剤混合溶液に、さらに、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーとして、4−ヒドロキシルブチルアクリレート(大阪有機材料工業株式会社製;4HBA)を5.0gと、(C)アルキルフェノン系の光重合開始剤(チバ・ジャパン株式会社製;製品名:Irgacure184)を0.50gと、を加えて光硬化性樹脂組成物を調製した。
その光硬化性樹脂組成物を、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名:125E−0010DG2.5AS、厚み125μm)からなる剥離フィルムの上面に、アプリケーターを用いて、乾燥後における光硬化性樹脂の塗布層の厚みが175μmとなるように塗布した後、乾燥させて光硬化性樹脂の塗布層が積層された積層フィルムを作製した。
次に、得られた積層フィルムの光硬化性樹脂の塗布層の上面に、セパレーター(藤森工業株式会社製;製品名;38E−0010BDAS、厚み38μm)を貼合し、光硬化性樹脂の塗布層の積層された積層フィルムを作製した。
その後、得られた積層フィルムを搬送しながら、高圧水銀ランプを用いた連続UV照射装置により、照射量約800mJ/cmとなるように、基材である光硬化性樹脂組成物の積層フィルムの搬送スピード、UV照射の光量などを調整しながらUV照射を行い、光重合開始剤を用いて重合反応を行わせて、最終的に光硬化性樹脂層が積層された、比較例6の積層フィルムを得た。
(比較例7)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2094(綜研化学株式会社製、酸価:33)を用いた。この主剤ポリマーと、架橋剤としてE−AX(綜研化学株式会社製硬化剤)、をそれぞれ100g:0.27gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た。得られた主剤・架橋剤混合溶液に、さらに、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーとして、4−ヒドロキシルブチルアクリレート(大阪有機材料工業株式会社製;4HBA)を10.0gと、(C)アルキルフェノン系の光重合開始剤(チバ・ジャパン株式会社製;製品名:Irgacure184)を1.0gと、を加えて光硬化性樹脂組成物を調製した以外は、比較例6と同様にして、比較例7の積層フィルムを得た。
(比較例8)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2147(綜研化学株式会社製、酸価:0)を用いた。この主剤ポリマーと、架橋剤としてTD−75(綜研化学株式会社製)、をそれぞれ100g:0.06gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た。得られた主剤・架橋剤混合溶液に、さらに、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーとして、4−ヒドロキシルブチルアクリレート(大阪有機材料工業株式会社製;4HBA)を5.0gと、(C)アルキルフェノン系の光重合開始剤(チバ・ジャパン株式会社製;製品名:Irgacure184)を0.50gと、を加えて光硬化性樹脂組成物を調製した以外は、比較例6と同様にして、比較例8の積層フィルムを得た。
(比較例9)
光硬化性樹脂組成物の、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーとして、SKダイン2147(綜研化学株式会社製、酸価:0)を用いた。この主剤ポリマーと、架橋剤としてTD−75(綜研化学株式会社製)、をそれぞれ100g:0.06gで配合し主剤・架橋剤混合溶液を得た。得られた主剤・架橋剤混合溶液に、さらに、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーとして、4−ヒドロキシルブチルアクリレート(大阪有機材料工業株式会社製;4HBA)を10.0gと、(C)アルキルフェノン系の光重合開始剤(チバ・ジャパン株式会社製;製品名:Irgacure184)を1.0gと、を加えて光硬化性樹脂組成物を調製した以外は、比較例6と同様にして、比較例9の積層フィルムを得た。
(作製した積層フィルム)
実施例1〜3、及び比較例1〜9の積層フィルムについてまとめると、表1のとおりである。
Figure 2014065207
なお、表1において、「2094」、「2147」は、それぞれSKダイン(登録商標)2094、SKダイン(登録商標)2147を表す。「E−AX」、「TD−75」はいずれも綜研化学株式会社製の2官能性の架橋剤の商品名である。「4HBA」は4−ヒドロキシルブチルアクリレートを表し、Irg184はIrgacure(登録商標)184を表す。ここで、製品名:Irgacure(登録商標)184の光重合開始剤は、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを有効成分とするものである。
SKダイン(登録商標)2094、及びSKダイン(登録商標)2147は、具体的な組成は不明であるが、本発明における、(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーに該当する。
(白濁確認試験)
作製した積層フィルムの試験サンプル片を、遮光条件下で、温度85℃×湿度85%RHの高温・高湿度での環境下へ投入し、12時間後に取り出した。その後、温度23℃×湿度50%RHの環境下に放置して、試験サンプル片の外観変化を目視にて確認した。白濁したものを(×)、白濁が確認できないものを(○)と評価した。またUV未照射のサンプルをUV照射した後、同様の試験、評価を行った。
(印刷段差の追従性確認試験、及び大気圧での貼合)
スクリーン印刷により、厚さ50μmの印刷段差を形成したアクリル板と、平らなガラス板とを、作製した積層フィルムの両面のセパレーターを剥離して得た光硬化性樹脂層を介して大気圧環境下で貼合した。貼合にはクライムプロダクツ(株)製の貼合装置(製品名 SE320)を使用した。貼合後に加圧加熱処理を実施し、常温で24時間放置後、アクリル板の側から貼合後の外観を目視にて確認し、印刷段差の部分に気泡が確認できるものを(×)、確認できないものを(○)と評価した。
(貯蔵弾性率測定)
作製した積層フィルムのサンプルを1cm角に裁断し、両面のセパレーターを剥離して得た光硬化性樹脂層を治具と貼合した。この場合、片面のセパレーターを剥離して光硬化性樹脂層を治具と貼合した後、もう片面のセパレーターを剥離してもよい。このサンプルを動的粘弾性装置(UBM製 Rheogel−E4000)にて線形領域内、周波数1Hzの条件で動的粘弾性試験を行なった。光硬化性樹脂層の貯蔵弾性率の測定は、−40℃〜+80℃の温度の範囲で、昇温速度2℃/minの条件により、室温24℃における値を読み取った。
〈試験結果〉
上記試験の結果を表2に示した。G’、G”、tanδは、「m×10+n」を「mE+n」とする方式(ただし、mは任意の実数値、nは正の整数)により表記した。
Figure 2014065207
(積層フィルムの白濁確認試験の結果)
作製した積層フィルムを被着体に貼合する前に、UV照射した比較例6〜9においては、白濁が発生していることは確認できなかった。実施例1〜3、比較例1〜5においては、白濁が発生していることが確認された。
実施例1〜3、比較例5は、光硬化性樹脂組成物に(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーと(C)光重合開始剤が含有されているが、UV照射が行われていないため、ヒドロキシル基含有のモノマーが重合していない。比較例1〜4は、光硬化性樹脂組成物にヒドロキシル基含有のモノマー、光重合開始剤が含有されていないため、UV照射の有無によらずヒドロキシル基含有のモノマーが重合していない。
また、UV未照射の積層フィルムをUV照射した後、同じ実験を行った結果、実施例1〜3、比較例5は、白濁の発生していることは確認されなかった。
これらのことから、ヒドロキシル基含有のモノマーを重合させることが、白濁の発生を防止することの改善に効果があることが確認できた。
本評価は、セパレーター同士もしくはポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フィルム同士で実施した場合に起こる変化であるが、ガス透過性の悪いガラス同士やアクリル板とガラスなどのサンプルでは、白濁するタイミングは同じであるが、白濁が消滅するのに、数日間を必要とすることもある。
なお、耐熱耐湿環境試験において発生した、いずれの白濁も室温において数時間放置することにより、白濁は消滅して透明となった。
(印刷段差の追従性確認試験の結果)
大気圧下における、被着体への積層フィルムの貼合では、印刷段差の高さが50μmの場合、実施例1〜3において、印刷段差の部分に気泡が入ることなく貼合することができた。
しかし、比較例1〜9では、印刷段差の部分に気泡が入ってしまった。これは、比較例1〜9では、貯蔵弾性率が高いため、樹脂が硬くなり、被着体に存在する印刷段差への追従性が悪いためであると考えられる。
このことから、印刷段差の高さが50μmを超える場合には、実施例1〜3において段差を有する被着体に貼合するときの光硬化性樹脂層である、UV未照射の光硬化性樹脂の塗布層(光照射による重合反応及び養生による架橋反応をさせて得られる光硬化性樹脂層ではない。)の貯蔵弾性率G’を、9×10Pa以下とすることが好ましい。
(貯蔵弾性率測定の結果)
表2に示すように、印刷段差の高さが50μmの場合、実施例1〜3と、比較例1〜9との対比から分かるように、実施例1〜3に該当するとおり、段差に貼合するときの光硬化性樹脂層である、UV未照射の積層フィルムにおける光硬化性樹脂層の弾性率(単位Pa)は、1×10Pa以上かつ9×10Pa未満であることが好ましい。また、このような積層フィルムを得るため、1Hzでの貯蔵弾性率(G’)が1×10Pa以上かつ9×10Pa未満である光硬化性樹脂組成物を調製して塗布することが好ましい。
本願発明の光硬化性樹脂組成物、及びそれを用いた積層フィルムを使用することにより、被着体に印刷段差があっても、印刷段差の部分に気泡が入ることなく貼合することができる。
1…基材、2…光硬化性樹脂層、3…セパレーター、5…積層フィルム、11…搬送される基材またはセパレーター、12…塗布層、13…セパレーター、21…ダイコーター、22…バックアップロール、23…乾燥室、24…セパレーター供給手段、25…ニップロール。

Claims (3)

  1. 表面に段差を有する被着体に、前記段差を埋めるために用いる光硬化性樹脂層が積層された積層フィルムを貼合してなる積層体の製造方法であって、少なくとも、次の工程(1)〜(5)
    (1)(A)酸価が0〜33であるアクリル系樹脂からなる主剤ポリマーを準備する工程、
    (2)前記主剤ポリマーの100重量部に対して、(B)ヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートのモノマーの少なくとも1種類が5〜10重量部と、(C)光重合開始剤が0.5〜1重量部と、(D)2官能性の架橋剤を、ポリマーの架橋点に対して0.1当量以下となる0.2〜0.8重量部と、を含有させて、24℃、1Hzでの貯蔵弾性率(G’)が1×10Pa以上かつ9×10Pa未満である光硬化性樹脂組成物を調製する工程、
    (3)基材またはセパレーターの片面に、前記光硬化性樹脂組成物を塗布した後、加熱乾燥して、光硬化性樹脂層の固化層が形成された積層フィルムを作製する工程、
    (4)前記の表面に段差を有する被着体に、前記光硬化性樹脂層の固化層を介して前記積層フィルムを貼合する工程、
    (5)前記基材またはセパレーターの上から、光照射による重合反応及び養生による架橋反応をさせて前記光硬化性樹脂層の固化層を硬化させる工程、
    を、(1)〜(5)の順番に経て製造することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法により得られた、表面に段差を有する被着体に、前記段差を埋めるために用いる光硬化性樹脂層が積層された積層フィルムを貼合してなる積層体。
  3. 前記被着体が、ディスプレイに用いる光学部材である、請求項2に記載の積層体。
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