JP2010275373A - 光学フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型組成物及び活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシート - Google Patents

光学フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型組成物及び活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシート Download PDF

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Abstract

【課題】従来の粘着剤が、粘着力と耐熱性のバランスが充分ではなく、粘接着剤が、重合体が非感光性である場合は耐熱性が不充分であり、感光性である場合は耐熱性と密着性を両立させることが困難であるという問題点が解決された、光学フィルム用活性エネルギー線硬化型組成物の提供。
【解決手段】不飽和二重結合に置換基を有することもあるマレイミド基及び当該マレイミド基以外のエチレン性不飽和基を有する分子量1,000以下の化合物(A)、ウレタン結合及びエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量3,000以上の化合物(B)、(A)及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(C)を含む活性エネルギー線硬化型組成物であって、活性エネルギー線照射で半硬化させ粘接着性硬化膜を形成させ、光学フィルム又はシートの製造に使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム又はシートの製造で使用される活性エネルギー線硬化型組成物、当該組成物を半硬化させて得られた粘接着性硬化膜を有する活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシート、及びこれらを使用した光学積層体の製造方法に関し、これら技術分野に属する。
尚、下記においては、便宜上、特に断りがない場合は、「光学フィルム又はシート」を「光学フィルム」と記載し、「粘接着フィルム又はシート」を「粘接着シート」と記載する。
粘着剤は、感圧接着剤ともいい、常温で粘着性(タック性とも呼称される)を有する接着剤の一種であり、JIS K 6800においては「常温で粘着性を有し、軽い圧力で被着体に接着する物質」と定義されている。
粘着剤は、被着体同士を短時間で接着できることから、粘着テープ、粘着ラベル及び粘着フィルム等に広く使用されている。
粘着剤は一般的にガラス転移温度の低い高分子を主成分とし、凝集力を向上させるため少量の架橋剤を用いることが多い。
粘着剤を、ディスプレイ用途に使用される光学フィルムなど、被着体が高温に晒される可能性のある用途へ展開しようする場合は、高温における凝集力を高める必要があるため、高架橋密度化やガラス転移点の向上、高分子量化などの対策が必要となる。しかし、接着力と耐熱性は一般的にトレードオフの関係であり、高温での凝集力を向上させようとすると、剥離強度が犠牲となるため、両者が高いレベルでバランスする粘着剤を得ることは極めて困難であった。
このような技術的背景から、従来の粘着剤の欠点を補うため、接合時には粘着剤の簡便性を有し、接合後に熱又は活性エネルギー線の照射により反応・固化して凝集力を向上させる、いわゆる「粘接着剤」が提案されている。
特許文献1には、a)カルボキシル基、水酸基又はアミノ基を有する不飽和単量体のポリマー、b)イソシアネート基含有化合物、エポキシ基含有化合物又はアジリジニル基含有化合物の中から選ばれた架橋剤、c)少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ前記a)及びb)と反応しない光重合性化合物並びにd)光増感剤を含む光硬化性粘着剤組成物を、シート状又はフィルム状等に成形してなる光硬化型粘着剤成形物が提案されている。
特許文献2には、基材シート又は離型シート上に、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、イソシアネート基又はアミド基のいずれかを有するポリマー(A)、該官能基と反応可能な不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する混合物を塗布、乾燥して粘着剤層を設けた粘接着シートが提案されている。
特許文献3には、(a)重量平均分子量が1万〜200万で、ガラス転移温度が−100℃〜100℃であるポリマー、(b)炭素−炭素二重結合を1個以上有するモノマー及び(c)開始剤を含む光学記録媒体用粘接着剤組成物が提案されている。
しかし、これらの粘接着剤は、主成分であるポリマー自体は感光性を有さないため、活性エネルギー線照射後の架橋密度を高くすることができず、接着剤の耐熱性がまだ不充分という問題点があった。
特許文献4には、エチレン性不飽和基含有アクリル系ポリマー(A)、(メタ)アクリル系ポリオールを少なくとも1種含むポリオール、ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー(B)、光重合開始剤(C)及び架橋剤(D)からなる硬化型樹脂組成物が提案されている。
この粘接着剤は、主成分であるポリマー自体がエチレン性不飽和基を含有するため、感光性を有する。そのため、活性エネルギー線照射後の架橋密度を高くすることができ、接着剤の耐熱性を高くできる利点がある。
しかし、この粘着剤は、架橋密度を上げると硬化時の収縮が大きくなるため、耐熱性と密着性を両立させることが困難という問題もあった。
特許文献5には、水酸基含有(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤からなる光カチオン硬化型粘接着剤組成物が提案されている。
特許文献6には、ポリアクリレート等の粘着性重合体、エポキシ樹脂等のカチオン硬化性の化合物及び光カチオン重合開始剤からなる光カチオン硬化型粘接着剤組成物が提案されている。
特許文献7には、偏光子の少なくとも一面に熱可塑性ノルボルネン系樹脂よりなる保護フィルムが積層されてなる偏光板用として、熱可塑性高分子、 光カチオン重合性化合物、及び光カチオン性重合開始剤を含む光硬化型粘接着剤組成物が提案されている。
しかし、特許文献5〜7に開示されている、光カチオン硬化型粘接着剤組成物では、光カチオン重合そのものの欠点が避けられなかった。その欠点としては、高湿度環境下や吸水性又は親水性基材上では硬化性が悪くなること、光カチオン重合開始剤由来の酸、イオンに起因する腐食の問題等が挙げられる。
以上、特許文献1〜7に開示されている粘接着剤組成物はいずれの場合も溶剤を使用し、環境問題や作業環境の点から好ましくないため、無溶剤の光硬化型粘接着剤が求められている。
そこで、特許文献8には、室温で塗工可能な粘度の無溶剤の光硬化型粘接着剤の製造方法、すなわち、光硬化型組成物を基材に塗布した後、光を適量照射して半硬化状態とすることで、粘着状態を得る方法が提案されている。この状態は半硬化状態であるため、被着体と貼り合せて再度光照射すると、残存モノマーが重合して硬化し(本硬化し)、接着剤となる。
本発明は、液晶ディスプレイやプロジェクションテレビ等のレンズシートのレンズ部分のような凸部を、他の板或いはフィルムにパターン形状を埋没させることなく接着させる用途に特に好適であった。
しかし、特許文献8に開示されている、光硬化型粘接着剤では、光学部品として使用されるプラスチックフィルム又はプラスチックシート等の薄層被着体のラミネート接着や、液晶表示素子、タッチパネル表示素子、EL(エレクトロルミネッセンス)表示素子、EL(エレクトロルミネッセンス)照明、電子ペーパー表示素子、プロジェクション表示素子、FED(フィールドエミッション(電界放出)ディスプレイ)表示素子、プラズマ表示素子、太陽電池等に使用される各種光学フィルム又はシートの製造に用いた場合には、粘接着剤の光硬化性、積層体の耐熱性及び密着性の全てを満足させることが困難という問題点があった。
特公平02−016942号公報 特開2006−111651号公報 特開2004−303404号公報 特開2005−239856号公報 特許3043292号公報 特開平10−120995号公報 特開2004−118078号公報 特願2007−306854号公報
前記した通り、従来の粘着剤は、粘着力と耐熱性のバランスが充分ではなく、粘接着剤では、重合体が非感光性である場合は耐熱性が不充分であり、感光性である場合は耐熱性と密着性を両立させることが困難であるという問題点があった。
本発明は、前記問題点が解決された、光学フィルム用活性エネルギー線硬化型組成物、当該組成物を半硬化させて得られる粘接着性硬化膜が形成された活性エネルギー線硬化型粘接着シート、及びこれを用いて得られる光学積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、マレイミド基及びエチレン性不飽和基を有する低分子量化合物、ウレタン結合及びエチレン性不飽和基を有する高分子量化合物を主成分とする活性エネルギー線硬化型組成物、及び前記組成物を半硬化させて得られる粘接着性硬化膜が形成された活性エネルギー線硬化型粘接着シートが前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物及び活性エネルギー線硬化型粘接着剤シートによれば、被着体との接合時には粘着性を有して仮接着させることができ、活性エネルギー線の照射により架橋・硬化させ被着体を強固に接着することができ、その硬化膜は耐熱性に優れる。
そのため、軽量・薄型かつ耐久性も良好な光学フィルム積層体を、生産性良く製造することが可能となる。
本発明の組成物は、飽和二重結合に置換基を有することもあるマレイミド基及び当該マレイミド基以外のエチレン性不飽和基する分子量1,000以下の化合物(A)〔以下、単に(A)成分という〕、ウレタン結合及びエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量3,000以上の化合物(B)〔以下、単に(B)成分という〕、(A)及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(C)〔以下、単に(C)成分という〕を含む光学フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型組成物である。
本発明の組成物は、前記効果に加え、シート製造時に粘接着剤が基材からはみ出すことがなく、光学フィルム積層体の製造においては、剥離シートとの剥離性にも優れ、粘着剤より薄い膜厚でも耐熱性に優れるものとなる。
以下、(A)成分〜(C)成分について説明する。
1.(A)成分
(A)成分は、不飽和二重結合に置換基を有することもあるマレイミド基(以下、単にマレイミド基という)及びマレイミド基以外のエチレン性不飽和基を有する分子量1,000以下の化合物である。
前記(A)成分におけるマレイミド基としては、下記一般式(1)で表される基が好ましい。
Figure 2010275373
〔但し、一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基若しくはアリール基を表すか、又はR1及びR2は一つとなって5員環若しくは6員環を形成する炭化水素基を表す。〕
アルキル基としては、炭素数4以下のアルキル基が好ましい。
アルケニル基としては、炭素数4以下のアルケニル基が好ましい。
アリール基としてはフェニル基等を挙げることができる。
一つとなって5員環若しくは6員環を形成する炭化水素基としては、基−CH2CH2CH2−、基−CH2CH2CH2CH2−、基−CH=CH−CH2CH2−等が挙げられる。
一般式(1)におけるマレイミド基の好ましい具体例を、以下の式(3)〜式(8)に示す。尚、式(7)において、Xは塩素原子又は臭素原子を表す。又、式(8)におけるPhは、フェニル基を表す。
Figure 2010275373
Figure 2010275373
Figure 2010275373
アルキル基としては、炭素数4以下のアルキル基が好ましい。一つとなって5員環若しくは6員環を形成する飽和の炭化水素基としては、基−CH2CH2CH2−、基−CH2CH2CH2CH2−が挙げられ、不飽和の炭化水素基としては、基−CH=CHCH2−、基−CH2CH=CHCH2−等が挙げられる。尚、不飽和の炭化水素基において、マレイミド基が2量化反応するためには、最終的に得られる5員環又は6員環が芳香族性を有しないものを選択する必要がある。当該炭化水素基としては、飽和の炭化水素基が好ましい。
1及びR2としては、一方が水素原子で他方が炭素数4以下のアルキル基、R1及びR2の両方が炭素数4以下のアルキル基、並びにそれぞれが一つとなって炭素環を形成する飽和炭化水素基が、半硬化の制御が容易である点で好ましい。
さらに、これらの中でも、それぞれが一つとなって炭素環を形成する飽和炭化水素基が
半硬化の制御が特に容易であり、接着力にも優れる点でより好ましい。
マレイミド基以外のエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びビニルエーテル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
(A)成分としては、エチレン性不飽和基とマレイミド基とが、エーテル骨格、エステル骨格及びウレタン骨格等の骨格と結合した化合物が挙げられる。
(A)成分としては、下記一般式(2)で表される化合物が、製造が容易で、硬化性に優れるため好ましい。
Figure 2010275373
〔但し、式(2)において、R1及びR2は前記と同義である。又、R3はアルキレン基を表し、R4は水素原子又はメチル基を表し、nは1から6の整数を表す。〕
3のアルキレン基としては、直鎖状であっても又は分岐状を有していても良い。より好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基である。
(A)成分の好ましい配合割合は、組成物中に5〜70重量%であり、より好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。配合割合が上記範囲であると、半硬化の制御が容易であること、粘着性硬化膜に活性エネルギー線照射して完全に硬化(以下、本硬化という)後の接着力に優れること、及び被着体を貼り合せて再度活性エネルギー線を照射する際の硬化性に優れることから好ましい。
2.(B)成分
(B)成分は、ウレタン結合及びエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量3,000以上の化合物である。
本発明の組成物において、前記(A)成分は低分子量の化合物であり、さらに後記(C)成分も低分子量の化合物である場合、組成物が低粘度となり塗工性が不十分となってしまう。本発明では、重量平均分子量(以下、Mwという)3,000以上のオリゴマー又はポリマーである高分子量の(B)成分を配合することにより、塗工性を改善することができる。
(B)成分のMwとしては、3,000〜50,000が好ましく、より好ましくは、3,000〜30,000である。
尚、本発明において、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定された分子量をポリスチレン換算した値をいう。
又、(B)成分は、分子中にウレタン結合を有する化合物であり、これにより組成物の硬化膜の凝集力を向上することができる。
さらに、(B)成分は、エチレン性飽和基を有する化合物であり、これにより組成物の硬化膜を3次元架橋したものとすることができる。
(B)成分におけるエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、ビニル基及びビニルエーテル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基及びマレイミド基が好ましい。
さらに、マレイミド基としては、前記一般式(1)で表されるマレイミドと同じもので良く、R1及びR2において、一方が水素原子で他方が炭素数4以下のアルキル基である基が、架橋性に優れる点で好ましい。特に好ましくは、式(5)で表されるシトラコイミド基である。
(B)成分の具体例としては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーやマレイミド基及び/又は(メタ)アクリロイル基を有するウレタンオリゴマーが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネート反応物に対して、さらにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させた反応物等が挙げられる。
ここで、ポリオールとしては、低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオール等がある。
低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、これら低分子量ポリオール又は/及びポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分との反応物が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートジオール等が挙げられる。
有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
マレイミド基及び/又は(メタ)アクリロイル基を有するウレタンオリゴマーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネート反応物に対して、さらにマレイミド基含有アルコール及び/又はヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させた反応物等が挙げられる。
ポリオール及び有機ポリイソシアネートとしては、前記と同様のものが挙げられる。
マレイミド基含有アルコールにおけるマレイミド基としては、前記(A)成分におけるマレイミド基と同様で良く、一般式(1)で表される基が好ましい。さらに、3次元架橋し易いという理由で、一般式(1)において、R1及びR2において、一方が水素原子で他方が炭素数4以下のアルキル基である基であり、特に好ましくは、式(5)で表されるシトラコイミド基である。
マレイミド基含有アルコールとしては、マレイミド基と水酸基がアルキレン基で結合された化合物が挙げられる。
(B)成分としては、前記した化合物の1種又は2種以上用いることができる。
(B)成分としては、前記した化合物の中でも、接着力や耐熱性に優れる点で、ウレタン(メタ)アクリレートやマレイミド基含有ウレタンメタクリレートが好ましい。
さらに、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、原料ポリオールとして、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール又はポリカーボネートポリオールから製造されたものが、耐侯性や透明性、接着力に優れる点で好ましい。又、原料有機ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートから製造されたものが、耐侯性に優れる点で好ましい。
(B)成分の好ましい配合割合は、組成物中に10〜70重量%であり、より好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。配合割合が上記範囲であると、本硬化後の接着力に優れることから好ましい
3.(C)成分
(C)成分は、(A)及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
(C)成分におけるエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びビニルエーテル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
(C)成分としては、エチレン性不飽和基を有する化合物であれば種々の化合物を使用することができ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合としては、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、単官能(メタ)アクリレートという〕及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、多官能(メタ)アクリレートという〕を挙げることができる。
単官能(メタ)アクリレートの具体的としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソボロニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチルアクリレート等のフェノールのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート;ノニルフェノキシプロピルアクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の置換基を有するフェノールのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシロキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート等の所謂単官能エポキシ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸又は(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸のマイケル付加反応生成物である2量体以上のオリゴマー;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びコハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート;アルコキシシリル基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
又、多価イソシアネート及びヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応物も挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、モノマー及びオリゴマーが挙げられる。
モノマーとしては、エチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート等のグリコールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールの(メタ)アクリレート、並びにこれらポリオールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキシド付加物等のポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分とからの反応物等が挙げられる。
エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加反応させたもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート及びポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付物等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
ビニル系化合物の例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、無水マレイン酸、スチレン、ジアリルフタレート及びジビニルエーテル等が挙げられる。
ジビニルエーテルとしては、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。
(C)成分としては、水酸基を有する化合物が、基材との密着性に優れるため好ましい。当該化合物の好ましい例としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、その具体例は前記した通りである。
(C)成分としては、(メタ)アクリレートを主成分とするものが好ましい。この場合、(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和基を有する化合物の割合としては、組成物中に0〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0〜10重量%である。
さらに、(C)成分としては、(C)成分中に、単官能アクリレートを20重量%以上含むことが好ましく、30重量%以上であることがより好ましく、40重量%以上であることが特に好ましい。(C)成分中に単官能アクリレートを40重量%以上含むものは、半硬化状態を制御しやすく、本硬化後の接着力にも優れるため好ましい。
(C)成分の好ましい配合割合は、組成物中に20〜85重量%であり、より好ましくは40〜70重量%である。配合割合が上記範囲であると、半硬化の制御が容易であること、及び被着体を貼り合せて再度活性エネルギー線を照射する際の硬化性に優れることから好ましい。
4.その他の成分
本発明の組成物は、前記(A)〜(C)成分を必須とするものであるが、目的に応じて種々の成分を配合することができる。
具体的には、光ラジカル重合開始剤〔以下、(D)成分という〕、マレイミド基の光二量化反応を増感する化合物〔以下、(E)成分という〕、光重合開始助剤、無機材料、レベリング剤、シランカップリング剤、重合禁止剤又は/及び酸化防止剤、耐光性向上剤、並びに有機溶剤及び/又は水等を挙げることができる。
以下これらの成分について説明する。
●(D)成分
本発明の組成物は、前記(A)成分等のマレイミド基を有する化合物を含むもので、紫外線又は可視光を照射する場合においても、光ラジカル重合開始剤なしでも光二量化するものである。
活性エネルギー線として紫外線又は可視光が使用される場合には、硬化性をより優れたものとすることができるため、(D)成分の光ラジカル重合開始剤を配合することが好ましい。尚、活性エネルギー線として、電子線を使用する場合は、(D)成分を配合する必要は必ずしもない。
本発明の(D)成分は、活性エネルギー線の照射でラジカルを発生する化合物であれば種々の化合物が使用できる。
(D)成分の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン〕及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルファイド等のベンゾフェノン系化合物;メチルベンゾイルフォルメート、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−〔2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ〕−エチルエステル及びオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−〔2−ヒドロキシ−エトキシ〕−エチルエステル等のα−ケトエステル系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チタノセン系化合物;1−(4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフィニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノン/ベンゾフェノンハイブリッド系光開始剤;1,2−オクタンジオン、1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム))等のオキシムエステル系光開始剤;並びにカンファーキノン等が挙げられる。
これらのうち、より好ましい化合物はフォスフィンオキサイド系化合物であり、特に好ましくはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイドである。
(D)成分の好ましい配合割合は、組成物中に0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%である。配合割合が上記範囲であると、半硬化の制御が容易であること、及び被着体を貼り合せて再度光照射する際の硬化性に優れることから、好ましい。
●(E)成分
活性エネルギー線として紫外線又は可視光が使用される場合には、(E)成分のマレイミド基の光二量化反応を増感する化合物を配合することが好ましい。これにより、優れた硬化性を発揮する。
(E)成分は、マレイミド基の光二量化反応を増感する化合物であれば種々の化合物を使用することができ、好適な具体例としては、ジエチルチオキサントン及びジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン、並びにアセトフェノン及びベンゾフェノン等のフェニルケトンが挙げられる。
これらの中でも、マレイミド基の光二量化反応を増感する効果が大きいため、チオキサントン系化合物がより好ましい。
(E)成分の好ましい配合割合は、組成物中に0.1〜3重量%であり、特に好ましくは0.3〜2重量%である。配合割合が3重量%以下であると、硬化後の黄変が目立たなくなるため好ましい。又、配合割合が0.1重量%以上であると、被着体を貼り合せて再度光照射する際の硬化性が向上するため好ましい。
●光重合開始助剤
本発明の組成物には、さらに反応性を高めるために、光重合開始助剤として添加することもできる。
光重合開始助剤としては、脂肪族アミンあるいはジエチルアミノフェノン、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸イソアシル等の芳香族アミン等が挙げられる。
光重合開始助剤の配合割合は、組成物中に0〜10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%である。
●無機材料
無機材料は、組成物の硬化時のひずみを緩和させたり、接着力を向上させる目的で配合することもできる。
無機材料としては、コロイダルシリカ、シリカ、アルミナ、タルク及び粘土等が挙げられる。
無機材料の配合割合は、組成物中に0〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜10重量%である。
●レベリング剤
レベリング剤としては、シリコン系化合物及びフッ素系化合物等が挙げられる。
レベリング剤の配合割合は、組成物中に0.5重量%以下であることが、接着性能への悪影響が小さいため好ましい。
●シランカップリング剤
シランカップリング剤は、ガラス、金属、金属酸化物等の無機物への接着性能を高める目的等で添加することもできる。
シランカップリング剤は、1分子中に1個以上のアルコキシシリル基と1個以上の有機官能基を有する化合物であり、有機官能基としては、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アミノ基、チオール基が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
シランカップリング剤の配合割合は、組成物中に5重量%以下であることが、アウトガス低減の点から好ましい。
●重合禁止剤又は/及び酸化防止剤
本発明の組成物には、重合禁止剤又は/及び酸化防止剤を添加することが、本発明の組成物及び光硬化型粘接着シートの保存安定性を向上させことができ、好ましい。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、並びに種々のフェノール系酸化防止剤が好ましいが、イオウ系二次酸化防止剤、リン系二次酸化防止剤、クロペン系酸化防止剤等を添加することもできる。
これら重合禁止剤又は/及び酸化防止剤の総配合割合は、組成物中に0.001〜3重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。
●耐光性向上剤
本発明の組成物には、用途に応じて、紫外線吸収剤や光安定剤を添加することができる。
耐光性向上剤の配合割合は、組成物中に0〜10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%である。
●有機溶剤及び/又は水
本発明の組成物には、塗工性や密着性を高める目的で少量添加しても良いが、本発明の組成物の特長である「無溶剤」であることが損なわれるため、添加しないことが好ましい。
5.光学フィルム用活性エネルギー線硬化型組成物
本発明は、前記(A)〜(C)成分を必須成分として含む以下の用途で使用する活性エネルギー線硬化型組成物である。
○用途:前記組成物を、活性エネルギー線を照射し半硬化させ粘接着硬化性膜を形成し、これを光学フィルム又はシート製造に使用する。
組成物の製造方法としては、常法に従えばよく、前記(A)〜(C)成分を使用し、必要に応じてその他の成分をさらに使用し、これらを攪拌・混合して得ることができる。
前記した用途をより具体的に説明すると、基材に組成物を塗工した後、活性エネルギー線を照射して半硬化させて粘接着膜を形成し、これとその他の基材を貼り合せ、再度活性エネルギー線を照射して完全硬化させるというものである。
まず、本発明が適用できる光学フィルムについて、下記で詳細に説明する。
本発明の光学フィルムとしては、光学フィルム製造に使用されるプラスチックフィルム又はプラスチックシート等の薄層被着体、さらに液晶表示素子、EL(エレクトロルミネッセンス)表示素子、タッチパネル、プロジェクション表示素子、FED(フィールドエミッション(電界放出)ディスプレイ)表示素子、プラズマ表示素子等に使用される各種光学フィルム又はシート等が挙げられる。
光学フィルム製造に使用される薄層被着体としては、おもにプラスチックフィルムが使用され、活性エネルギー線を透過できるものである必要がある。プラスチックフィルムにおける、プラスチックとしては、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、セルロース系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。使用用途に応じて、表面に金属蒸着等の処理がなされているものも使用できる。
液晶表示装置等に使用される各種光学フィルム又はシートとしては、偏光板、偏光子保護フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、光拡散フィルム及び導光フィルム等が挙げられる。
以下、これらの中でも、本発明にとり好ましい、偏光板、偏光子保護フィルム及び位相差フィルムについて説明する。
●偏光板
偏光板とは、偏光子に保護層が積層されたもの、又は偏光子単体を指す。
偏光子とは、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過する機能を有するものである。
例えば、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着・配向させたヨウ素系偏光フィルム、ポリビニルアルコール系フィルムに二色性の染料を吸着・配向させた染料系偏光フィルム、二色性染料をコーティングし、配向・固定化した塗布型偏光子等が挙げられる。これら、ヨウ素系偏光フィルム、染料系偏光フィルム及び塗布型偏光子は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を吸収する機能を有するもので、吸収型偏光子と呼ばれている。これらの偏光子の中でも、視認性に優れている吸収型偏光子を用いるのが好ましい。吸収型偏光子の厚みは、5〜40μm 程度である。
●偏光子保護フィルム
先述の吸収型偏光子は、楕円偏光板を構成する材料として使用された場合、多種多様な環境で使用されるため、少なくとも片面に透明保護層が積層された直線偏光板として使用される。
透明保護層に用いる保護フィルムは、光透過性、具体的には可視光に対する光透過率が80%以上の、ポリマーフィルムが用いることが好ましい。保護フィルムとしては、セルロースアシレート系フィルム、ポリオレフィン系フィルム及びアクリル系フィルムが好ましい。
セルロースアシレート系フィルムとしては、酢酸セルロース系樹脂に代表され、セルロースの少なくとも一部が酢酸エステル化されたものであって、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等が挙げられる。市販のトリアセチルセルロースフィルムとしては、富士フイルム(株)から販売されている“フジタックフィルム”(各種グレードがある)、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC8UX2M”、“KC8UY”及び“KC4UY”等(いずれも商品名)がある。
ポリオレフィン系フィルムとしては、環状オレフィン系樹脂に代表され、例えばノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような、環状オレフィンからなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂であり、上記環状オレフィンの開環重合体や2種以上の環状オレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であることができるほか、環状オレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体であってもよい。又、極性基が導入されていてもよい。市販のポリオレフィン系フィルムとしては、ドイツのTicona社から販売されている“Topas”、JSR(株)から販売されている“アートン”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノア(ZEONOR)”及び“ゼオネックス(ZEONEX)”、三井化学(株)から販売されている“アペル”等(いずれも商品名)がある。
又、アクリル系フィルムとしては、メタクリル系樹脂に代表され、市販のアクリル系フィルムとしては、日本触媒(株)から販売されている“アクリビュアー”(商品名)等がある。
偏光子と保護フィルムとは、接着剤により接着される。偏光子と透明保護層との接着に用いる接着剤は、それぞれの接着性を考慮して任意のものを用いることができる。
接着剤としては、具体的には、水溶媒系接着剤、有機溶媒系接着剤、ホットメルト系接着剤及び無溶剤系接着剤などが挙げられるが、本発明の活性エネルギー線硬化型粘接着シートを好適に用いることができる。
酢酸セルロース系樹脂フィルムは、偏光子との接着性を高めるため、通常はケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が採用できる。その表面には、用途に応じて、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理等の表面処理が施されてもよい。
●位相差フィルム
位相差フィルムは、熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸して得られる。熱可塑性樹脂としては、透明性の良好なものであれば特に限定するものでは無く、オレフィン系重合体、ポリオレフィン系重合体、ポリカーボネート重合体、ポリエステル系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体等が挙げられる。吸湿性、光学特性の面から好適な例として環状オレフィン系樹脂を用いる場合は、例えばノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような、環状オレフィンからなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂であり、上記環状オレフィンの開環重合体や2種以上の環状オレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であることができるほか、環状オレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体であってもよい。又、極性基が導入されていてもよい。
環状オレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との共重合体とする場合、鎖状オレフィンの例としては、エチレンやプロピレン等が挙げられ、又ビニル基を有する芳香族化合物の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレン等が挙げられる。このような共重合体において、環状オレフィンからなるモノマーのユニットは、50モル%以下、例えば、15〜50モル%程度であってもよい。特に、環状オレフィンと鎖状オレフィンとビニル基を有する芳香族化合物との三元共重合体とする場合、環状オレフィンからなるモノマーのユニットは、このように比較的少ない量であることができる。かかる三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度、ビニル基を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度である。
市販の熱可塑性環状オレフィン系樹脂としては、ドイツのTicona社から販売されている“Topas”、JSR(株)から販売されている“アートン”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノア(ZEONOR)”及び“ゼオネックス(ZEONEX)”、三井化学(株)から販売されている“アペル”等(いずれも商品名)がある。
このような環状オレフィン系樹脂を製膜して、フィルムとすることになるが、製膜には、溶剤キャスト法や溶融押出法等、公知の製膜手法が適宜用いられる。
製膜された環状オレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、積水化学工業(株)から販売されている“エスシーナ”及び“SCA40”、(株)オプテスから販売されている“ゼオノアフィルム”、JSR(株)から販売されている“アートンフィルム”等(いずれも商品名)がある。
環状オレフィン系樹脂フィルムは、公知の延伸方法により配向処理を施して任意の位相差値を付与することができる。通常、延伸はフィルムをロールから巻き出しながら連続的に行われ、加熱炉にて、ロールの進行方向へ、又は進行方向と直交する方向へ一軸や二軸の熱延伸法を採用することができる。加熱炉の温度は、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度近傍からガラス転移温度+100℃の範囲が、通常採用される。延伸の倍率は、通常1.1〜6倍程度、好ましくは1.1〜3.5倍である。又、この際に加熱炉内の搬送方向や張力を調整して幅方向に対して任意の角度に傾斜させるような延伸を行うことも可能である。
環状オレフィン系樹脂フィルム及び酢酸セルロース系樹脂フィルムの厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣るものとなり、一方で厚すぎると透明性が低下したり、重量が大きくなったりする等の問題が生じる。そこで、これらのフィルムの適当な厚みは、例えば、5〜200μm 程度であり、好ましくは20〜100μm である。
又、位相差フィルムとしては、基材表面に液晶性化合物が塗付され配向されている光学補償フィルムを用いてもよい。基材表面に液晶性化合物が塗付され配向されている光学補償フィルムに相当する市販品としては、新日本石油(株)から販売されている“NHフィルム”や“NRフィルム”、富士写真フイルム(株)から販売されている“WVフィルム”等(いずれも商品名)などがある。
6.使用方法
本発明の組成物は、目的に応じて種々の使用方法を採用することができ、具体的には、基材に組成物を塗工した後、活性エネルギー線を照射し半硬化させて粘接着性硬化膜を形成させた後、別の基材と貼り合せた後、さらに活性エネルギー線を照射させて完全硬化させ、別の基材と接着させる方法等が挙げられる。
基材としては、前記した光学フィルムの他、光学フィルムを構成する基材及び剥離処理されたフィルム等が挙げられる。
塗工方法としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、従来公知のバーコート、ドクターブレード、ナイフコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター及びマイクログラビアコーター等で塗工する方法が挙げられる。
活性エネルギー線の照射条件としては、第一回目の活性エネルギー線照射においては、組成物が粘接着性硬化膜を形成できる条件であれば任意であり、第二回目の活性エネルギー線照射においては、基材同士を接着できる様な条件であれば任意である。
活性エネルギー線の照射条件としては、第一回目の活性エネルギー線照射後における硬化物の25℃貯蔵弾性率(以下、単にG'という)が1.0×104Pa以上1.0×107Pa以下であり、第二回目の活性エネルギー線照射後における硬化物の85℃貯蔵弾性率(以下、単にE'という)が2.0×106Pa以上となる条件で活性エネルギー線を照射させる方法が好ましい。
第一回目の活性エネルギー線照射後における硬化物のG’が1.0×104以上1.0×107Pa以下とすることにより、離型フィルムを糊残りなく剥離でき、かつ被着体への転写が容易な接着剤とすることができる。このG’としては、2.0×104〜1.0×107Paがより好ましい。
又、第二回目の活性エネルギー線照射後における硬化物のE’が2.0×106Pa以上とすることにより、耐熱性及び密着性に優れた接着剤とすることができる。このE’としては、2.0×106Pa〜1.0×109Paがより好ましい。
第一回目の活性エネルギー線照射後における硬化物のG'は、所定の厚さのサンプルを作製した後、JIS K7244−4に準じて、ずりモードにおける動的粘弾性を測定することで求めたものである。サンプルの厚さは、サンプルの弾性率や与える歪み量などによって適切に選択される。
本発明においてG'とは、厚さ1mm、紫外線積算光量が1.2J/cm2(365nm光)となるように半硬化させたサンプルを、歪み0.2%、測定周波数1Hz、昇温速度2℃/分で測定を行い、25℃で測定した値をいう。
第二回目の活性エネルギー線照射後における硬化物のE’は、第一回目の活性エネルギー線照射後のサンプルに、さらに活性エネルギー線を照射することによりサンプルを完全硬化させ、得られた硬化物をJIS K7244−4に準じて、引張モードにおける動的粘弾性を測定することで求めたものである。サンプルの厚さは、サンプルの弾性率やサンプルの幅、与える歪み量などによって適切に選択される。
本発明においてE'とは、厚さ0.36mm、紫外線積算光量が36J/cm2(365nm光)となるように完全硬化させたサンプルを、歪み0.5%、周波数1Hz、昇温速度2℃/分で測定を行い、85℃で測定した値をいう。
活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、X線及び電子線等が挙げられ、安価な装置を使用できることから、紫外線又は/及び可視光線を使用することが好ましい。紫外線又は/及び可視光線により硬化させる場合の光源としては、種々のものが使用可能である。好適な光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、UV無電極ランプ及び紫外線又は/及び可視光を放射するLED等が挙げられる。
活性エネルギー線照射における、照射強度等の照射条件は、使用する組成物、基材及び目的等に応じて適宜設定すれば良い。
7.活性エネルギー線硬化型粘接着シート
本発明の組成物は、活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシート(以下、「AE硬化型粘接着シート」という)の製造に好ましく使用できる。
本発明の組成物によれば、被着体との接合時には粘着性を有して仮接着させることができ、活性エネルギー線の照射により反応して被着体を強固に接着できる、耐熱性に優れる活性エネルギー線硬化型粘接着シートを製造することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型粘接着シートによれば、特に軽量・薄型かつ耐久性も良好な光学フィルム積層体を、生産性良く製造することが可能となる。
以上の特長から、本発明の活性エネルギー線硬化型粘接着シートは、光学部品として使用されるプラスチックフィルム又はプラスチックシート等の薄層被着体のラミネート接着に好適に使用され、さらに液晶表示素子、タッチパネル表示素子、EL(エレクトロルミネッセンス)表示素子、EL(エレクトロルミネッセンス)照明、電子ペーパー表示素子、プロジェクション表示素子、FED(フィールドエミッション(電界放出)ディスプレイ)表示素子、プラズマ表示素子、太陽電池等に使用される各種光学フィルム又はシートの製造に好適に使用することができる。
又、タッチパネルとLCDパネルの接着、タッチパネルとフロントウィンドウの接着、封止構造が完全固体構造である有機ELディスプレイ及び有機EL照明の封止ガラス又は封止フィルムの接着、TFTガラス基板エッチング転写用にも好適に使用することができる。
以下、AE硬化型粘接着シートの製造方法、及びこれを使用した積層体の製造について説明する。
尚、以下においては、図1〜図3に基づき一部説明する。
7−1.AE硬化型粘接着シートの製造方法
AE硬化型粘接着シートの製造方法としては常法に従えば良く、例えば、組成物を基材に塗布して製造することができる。
図1は、基材/AE硬化性の粘接着層(以下、粘接着層という)/離型処理された保護フィルム(以下、離型材という)から構成されるAE硬化型粘接着シートの好ましい製造方法の一例を示す。
図1において、(1)は基材を意味し、(3)は離型材を意味する。
まず、組成物が無溶剤型の場合(図1:A1)は、組成物を基材(1)に塗工する。組成物が有機溶剤等を含む場合(図1:A2)は、組成物を基材(1)に塗工した後に、乾燥させて有機溶剤等を蒸発させる(図1:1−1)。
これらの方法により、基材上にAE硬化型組成物層(以下、単に組成物層という)(2)が形成された、AE硬化型組成物シートB1を製造することができる。
次に、AE硬化型組成物シートの組成物層に、基材として離型材(3)をラミネートした後(図1:B2)、活性エネルギー線を照射することで、粘接着層(4)が形成された、AE硬化型粘接着シートを製造することができる(図1:C1)。
この方法以外にも、AE硬化型組成物シートB1の組成物層に、活性エネルギー線を直接照射して粘接着層(4)を形成して、AE硬化型粘接着シートC2を製造することもできる。AE硬化型粘接着シートC2は、粘接着層(4)に離型材(3)をラミネートし、AE硬化型粘接着シートC1を製造することもできる。
上記において、基材(1)としても離型材を使用すれば、離型材/粘接着層/離型材から構成されるAE硬化型粘接着シートを製造することができる。
この場合において、基材上に形成された組成物層に活性エネルギー線を照射し粘接着層を形成する際、活性エネルギー線から365nm未満の波長を除くことが、マレイミド基の半硬化制御が容易であるために好ましい。
365nm未満の波長を除く方法としては、365nm未満に吸収を有するフィルム又はシート越しに活性エネルギー線照射する方法が簡便であり好ましい。
365nm未満に吸収を有するフィルム又はシートとしては、紫外線カットフィルターや365nm未満に吸収を有するポリエチレンレテフタレートフィルム等が好ましい。
基材としては、接着を目的とする材料(以下、被着体という)であってもよく、被着体とは無関係の離型可能な離型材であっても良い。
被着体としては、前記した光学フィルム及び光学フィルムを構成する材料の他、以下に示す基材であっても良い。
当該基材の材質としては、ガラス、セラミックス、鋼板やアルミ等の金属、金属や金属酸化物の蒸着膜、シリコン及びポリマー等が挙げられる。
ポリマーとしては、セロハン、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ユリア・メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエーテルサルホン、上記ポリマーの共重合体、液晶ポリマー及びフッ素樹脂等が挙げられる。
ポリマーとしては、シート又はフィルム状のものが好ましい。
離型材としては、表面未処理OPPフィルム(ポリプロピレン)及びシリコーン処理PETフィルム等が挙げられる。
ポリマーを接着する場合、層間接着力を大きくするために、一方又は両方の表面に活性化処理を行うことができる。表面活性化処理としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、薬液処理、粗面化処理、エッチング処理及び火炎処理等が挙げられ、これらを併用しても良い。
本発明の組成物の塗工量としては、使用する用途に応じて適宜選択すればよいが、有機溶剤等を乾燥した後の膜厚が0.5〜500μmとなるよう塗工するのが好ましく、より好ましくは5〜50μmである。
組成物が有機溶剤等を含む場合は、塗布後に乾燥させ、有機溶剤等を蒸発させる。
乾燥条件は、使用する有機溶剤等に応じて適宜設定すれば良く、40〜120℃の温度に加熱する方法等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、前記と同様のものが挙げられ、前記と同様のものが好ましい。
活性エネルギー線照射における照射強度等の照射条件は、使用する組成物、基材及び目的等に応じて適宜設定すれば良いが、前記した第一回目の活性エネルギー線照射条件が好ましい。
7−2.光学積層体の製造方法
本発明のAE硬化型粘接着シートは、光学フィルム用の積層体の製造に好ましく使用できる。
積層体の製造方法としては、AE硬化型粘接着シートの基材又は被着体の少なくともいずれか一方を透明性材料とし、これらを貼り合せ、透明性材料側から活性エネルギー線を照射して硬化させる方法等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、前記と同様のものが挙げられ、前記と同様のものが好ましい。
活性エネルギー線照射における、照射強度等の照射条件は、使用する組成物、基材及び目的等に応じて適宜設定すれば良いが、前記した第二回目の活性エネルギー線照射条件が好ましい。
図2は、離型材でラミネートされたAE硬化型粘接着シートを使用し、基材シート側から活性エネルギー線を照射して積層体を製造する例を示している。図2のAE硬化型粘接着シートC1において、(1)は基材シート、(4)は粘接着層、(3)は離型材を意味する。
図2では、使用直前にAE硬化型粘接着シートから離型材を離型し(図2:2−1)、粘接着層と被着体(5)を密着させた後(図2:2−2)、基材シート側から活性エネルギー線を照射し(図2:2−3)、積層体(図2:2−4)が製造される。
図3は、離型材2枚でラミネートされたAE硬化型粘接着シートC3を使用し、2枚の被着体を接着して積層体を製造する例を示している。図3のAE硬化型粘接着シートC3において、(4)は粘接着層、(3)は離型材を意味する。
図3では、使用直前にAE硬化型粘接着シートC3から離型材(3)を離型し(図3:3−1)、粘接着層と被着体(6)を密着させた後(図3:3−2)、もう一方の離型材を離型し(図3:3−3)、粘接着層と別の被着体(7)を密着させた後(図3:3−4)、被着体(6)側から活性エネルギー線を照射し(図3:3−5)、積層体(図3:3−6)が製造される。
上記の方法で得られる光学フィルム用積層体の例としては、位相差フィルム付き偏光板、輝度向上フィルム付き偏光板及び光拡散フィルム付き偏光板等が挙げられる。
以下、これらの例ついて説明する。
●位相差フィルム付き偏光板
位相差フィルム付き偏光板の基本的な層構成の例である、位相差フィルムを1枚積層した例としては、以下から構成されるものが挙げられる。
・偏光板(1-1)
保護F/偏光子/粘接着L/位相差F/粘着剤層
・偏光板(1-2)
保護F/偏光子/保護F/粘接着剤L/位相差F/粘着剤層
偏光板(1-1)及び(1-2)において、保護Fとは偏光子保護フィルムを意味し、粘接着Lとは粘接着剤硬化物層を意味し、位相差Fとは位相差フィルムを意味する。
偏光板(1-1)及び(1-2)の相違点は、偏光板(1-2)では、偏光子の両面を保護Fで挟んだ積層構成のものを使用した点のみが異なる。
偏光子保護フィルム、偏光子及び位相差フィルムとしては、前記したものと同様のものが挙げられる。粘着剤層として使用される粘着剤としては、アクリル系粘着剤等といった従来公知のものを使用することができる。
いずれの場合も、実際の製品としては、粘着剤層に離型材が貼り付けられた構造のものが好ましく、使用に先立って離型材を外して、基材に貼り付ける。
このように位相差板と偏光板を組み合わせれば、視野角補償機能が付与された直線偏光板としても、円偏光板としても使用することができる。直線偏光板として使用する場合は第1位相差フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸を直交させることが好ましく、円偏光板として使用する場合は、第1位相差フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸を所定の角度で交差させる。
次に、位相差フィルム付き偏光板の基本的な層構成の別の例である、位相差フィルムを2枚積層した例としては、以下から構成されるものが挙げられる。
・偏光板(2-1)
保護F/偏光子/粘接着L/1位相差F/粘接着L/2位相差F/粘着剤層
・偏光板(2-2)
保護F/偏光子/保護F/粘接着L/1位相差F/粘接着L/2位相差F/粘着剤層
偏光板(2-1)及び(2-2)において、保護F及び粘接着Lは、前記と同様の意味である。1位相差F及び2位相差Fとは、それぞれ第1位相差フィルム及び第2位相差フィルムを意味する。
偏光板(2-1)及び(2-2)の相違点は、偏光板(2-2)では、偏光子の両面を保護Fで挟んだ積層構成のものを使用した点のみが異なる。
偏光子保護フィルム、偏光子及び位相差フィルムとしては、前記したものと同様のものが挙げられる。粘着剤層として使用される粘着剤としては、アクリル系粘着剤等といった従来公知のものを使用することができる。
いずれの場合も、実際の製品としては、粘着剤層に離型材が貼り付けられた構造のものが好ましく、使用に先立って離型材を外して、基材に貼り付ける。
円偏光板として使用した際に良好な表示品位の円偏光状態を得るためには、偏光板(1-1)及び(1-2)における第1位相差フィルムが各波長に対して1/4波長の位相差値を有するような位相差フィルム(以下、λ/4板と略す)である必要がある。
しかしながら、一般的に高分子フィルムを延伸して作製した位相差フィルムは全測定波長に対して1/4の位相差値を有するような逆波長分散特性が得られないために、ある限られた波長範囲でしか完全円偏光状態にならない場合が多い。そこで、広帯域にわたり完全な円偏光状態を得るためには、各波長に対して1/2波長の位相差値を有するような位相差フィルム(以下、λ/2板と略す)少なくとも1枚と、λ/4板少なくとも1枚を積層してなる、いわゆる広帯域λ/4板とすることが好ましい。
上記の理由から本発明を広帯域の円偏光板として効果的に機能させる場合は、偏光板(2-1)及び(2-2)のように、λ/2板に相当する第1位相差フィルムに粘接着剤を介してλ/4板に相当する第2位相差フィルムを積層した形態で用いることが好ましい。
ここで、λ/2板とλ/4板を貼り合わせるときの各遅相軸の角度設定は、広帯域波長で円偏光板として機能するようであれば、特に制限は無い。好ましくは、λ/2板とλ/4板の遅相軸の成す角が凡そ60°となるように設定される。
●輝度向上フィルム付き偏光板
輝度向上フィルムを用いる積層体の例としては、偏光板への水分の浸入を防ぎ、光漏れを抑制するために使用される偏光板と輝度向上フィルムを密着させたものが挙げられる。
偏光板と輝度向上フィルムとの接着に、本発明の組成物又は活性エネルギー線硬化型粘接着シートを好適に用いることができる。
輝度向上フィルムとしては、光源(バックライト)からの出射光を透過偏光と反射偏光又は散乱偏光に分離するような機能を有する偏光変換素子が用いられる。かかる輝度向上フィルムは、反射偏光又は散乱偏光のバックライトからの再帰光を利用して、直線偏光の出射効率を向上できる。
例えば、異方性反射偏光子があげられる。異方性反射偏光子としては、一方の振動方向の直線偏光を透過し、他方の振動方向の直線偏光を反射する異方性多重薄膜があげられる。
異方性多重薄膜としては、例えば3M製の“DBEF”が挙げられる(例えば、特開平4−268505号公報等参照)。又異方性反射偏光子としては、コレステリック液晶層とλ/4板の複合体が挙げられる。かかる複合体としては、日東電工製の“PCF”が挙げられる(特開平11−231130号公報等参照)。又異方性反射偏光子としては、反射グリッド偏光子が挙げられる。反射グリッド偏光子としては、金属に微細加工を施し可視光領域でも反射偏光を出すような金属格子反射偏光子(米国特許第6288840号明細書等参照)、金属の微粒子を高分子マトリック中に入れて延伸したようなもの(特
開平8−184701号公報等参照)が挙げられる。
●光拡散フィルム付き偏光板
光拡散フィルムを使用した積層体の例としては、偏光板の片側表面上と光拡散フィルムを密着させたものが挙げられる。
偏光板と光拡散フィルムとの接着に、本発明の組成物又は活性エネルギー線硬化型粘接着シートを好適に用いることができる。
光拡散フィルムは一層のフィルムであっても、又積層フィルムであってもよい。積層フィルムの態様の例としては、光透過性ポリマーフィルムの上に、光散乱層を有する光拡散フィルムが挙げられる。光拡散フィルムは、上下左右方向に視角を傾斜させたときの視野角改良に寄与するものであり、表示面側の偏光板の外側に反射防止層を配置した態様において、特に高い効果を奏する。光拡散フィルム(又はその光散乱層)は微粒子をバインダー中に分散させた組成物から形成することができる。微粒子は無機微粒子であっても有機微粒子であってもよい。バインダーと微粒子とは、屈折率差が0.02〜0.20程度あるのが好ましい。又、前記光拡散フィルム(又はその光散乱層)は、ハードコート機能を兼ね備えていてもよい。本発明に利用可能な光拡散フィルムについては、例えば、光散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子の相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等が挙げられる。
○製造例1〔(B)成分の製造〕
攪拌機を備えた500mL反応容器に、数平均分子量が2,000のポリエステルポリオール((株)クラレ製 P−2010、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールのエステル化物)を138g(0.07モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートを16.2g(0.14モル)、希釈剤としてイソボルニルアクリレートを185g、触媒としてジブチルスズジラウレートを185mg、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを92.7mg仕込み、5容量%の酸素を含む窒素の雰囲気下、これらを攪拌しながら液温が70℃になるまで加温した。
反応溶液にイソホロンジイソシアネート31.1g(0.14モル)を徐々に添加し、9時間反応させた。赤外線吸収スペクトル装置(Perkin Elmer製FT−IR Spectrum100)によりスペクトルを測定し、イソシアネート基が完全に消費されたことを確認した。
得られたウレタンアクリレートを、ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:Waters製HSPgel HR MB−L)により測定した結果、ポリスチレン換算のMwは14,000であった。
○製造例2〔(B)成分の製造〕
攪拌機を備えた500mL反応容器に、数平均分子量が2,000のポリエステルポリオール((株)クラレ製 P−2010、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールのエステル化物)を138g(0.07モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレートを4.6g(0.04モル)、N−(2−ヒドロキシエチル)シトラコンイミドを15.5g(0.10モル)、希釈剤としてイソボルニルアクリレートを79g、触媒としてジブチルスズジラウレートを185mg、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを92.7mg仕込み、5容量%の酸素を含む窒素の雰囲気下、これらを攪拌しながら液温が70℃になるまで加温した。
反応溶液にイソホロンジイソシアネート31.1g(0.14モル)を徐々に添加し、10時間反応させた。赤外線吸収スペクトル装置(Perkin Elmer製FT−IR Spectrum100)によりスペクトルを測定し、イソシアネート基が完全に消費されたことを確認した。
得られたウレタンアクリレートを、ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:Waters製HSPgel HR MB−L)により測定した結果、ポリスチレン換算のMwは15,000であった。
○実施例1及び同2、比較例1及び同2
(1)活性エネルギー線硬化型組成物の製造
表1に示す化合物を表1に示す割合でステンレス製容器に投入し、室温にてマグネチックスターラーで均一になるまで撹拌し、活性エネルギー線硬化型組成物を得た。
尚、表1における略号は、下記を意味する。
(A)成分
・M−145:下記式(9)で表される化合物、東亞合成(株)製アロニックスM−145。
Figure 2010275373
(B)成分
・UA−1:製造例1で得られたポリエステルウレタンアクリレート(両末端アクリロイル基)
・UA−2:製造例2で得られた両末端アクリロイル基ポリエステルウレタンアクリレート、片末端シトラコンイミド基ポリエステルウレタンアクリレート及び両末端シトラコンイミド基ポリエステルウレタンの混合物
(C)成分
・ビスコート190:エトキシエトキシエチルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製ビスコート190。
・HBA:4−ヒドロキシルブチルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製4−HBA
・IB−XA:イゾボルニルアクリレート、共栄社化学(株)製ライトアクリレートIB−XA。
・ビスコート150:テトラヒドロフルフリルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製ビスコート190。
(D)成分
・Irg819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア819。
・BR−87:メタクリル系ポリマー(分子量25,000)、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBR−87。
得られた組成物を使用して、下記の方法に従い、第一回目の活性エネルギー線照射後における硬化物のG'及び第二回目の活性エネルギー線照射後における硬化物のE'を測定した。それらの結果を表1に示す。
〔第一回目の活性エネルギー線照射後における硬化物のG'〕
組成物をポリエリチレンテレフタレート(以下、PETという)フィルム上に厚さ1mmとなるように塗布し、上面からPETフィルムをラミネートした後、表裏からPETフィルム越しにメタルハライドランプ(365nm光の照度1.8W/cm,0.6J/cm2)で紫外線照射(合計1.2J/cm2)し(合計)、PETフィルムを除去することによって、粘弾性測定用サンプルを作製した。
このサンプルの動的粘弾性をJIS K7244−4に準じて測定(周波数1Hz ,昇温速度2℃/分)し、ずりモードにおける25℃でのG'を算出した。
〔第二回目の活性エネルギー線照射後における硬化物のE'〕
第一回目の活性エネルギー線照射で得られた硬化物(厚さ0.36mm)の表裏から、更にメタルハライドランプ(365nm光の照度1.8W/cm)で18J/cm2ずつ紫外線照射(合計36J/cm2)することによって、粘弾性測定用サンプルを作製した。
このサンプルの機械特性をJIS K7244−4に準じて測定(周波数1Hz ,昇温速度2℃/分)し、引張モードにおける85℃でのE'を算出した。
(2)活性エネルギー線硬化型粘接着シートの製造
幅300mm×長さ300mmのリンテック株式会社製離型フィルム「RL−6」(シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ75μm)に、得られた組成物の膜厚が10μmになるようバーコーターで塗工した。
その後、組成物層に、幅300mm×長さ300mmの東レフィルム加工株式会社離型フィルム「セラピールBK」(シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ38μm)をラミネートし、アイグラフィックス(株)製のコンベア式UV照射機(120W/cmメタルハライドランプ、集光コールドミラー付き、ランプ高さ10cm、UV−Aの照射強度2,200mW/cm2(EIT社製UV POWER PUCKの測定値))により、コンベア速度を調整して「セラピールBK」側から600mJ/cm2紫外線照射し、活性エネルギー線硬化型粘接着シートを得た。
(3)粘着シートの製造
ベースポリマーとして、ブチルアクリレート:アクリル酸=95:5(重量比)の共重合体からなる重量平均分子量100万のアクリル系ポリマーを含有する溶液(固形分15%)を用いた。上記アクリル系ポリマー溶液に、当該ポリマー固形分100部に対して、コロネートL(日本ポリウレタン製)を0.2部加え、粘着剤溶液を調製した。
前記粘着剤溶液を、東レフィルム加工株式会社離型フィルム「セラピールBX」(シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ38μm)に乾燥後の膜厚が15μmになるようバーコーターで塗工し、熱風乾燥機で100℃×5分乾燥した。その後、粘着剤層に、東レフィルム加工株式会社離型フィルム「セラピールBK」(シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ38μm)をラミネート後、23℃で1週間養生して、粘着シートを製造した。
(4)位相差フィルム付き偏光板の製造
各構成材料は、下記に示すものを使用した。
・偏光板:偏光板W(吸収軸0°)〔両TAC偏光板(商品名;偏光フィルムワイド版KN3115821、(株)テックジャム製)厚さ180μm〕
・粘接着剤:前記で得られた粘接着シート
・位相差フィルム:λ/4板(遅相軸45°)〔シクロオレフィン系樹脂フィルム(商品名;アートン、JSR(株)製)厚さ26μmの1軸延伸品〕
・粘着剤:粘着シート
位相差フィルムは、両面とも、コロナ放電処理を施したものを使用した。
前記した位相差フィルム付き偏光板である偏光板(1-2)を製造した。
前記で得られた活性エネルギー線硬化型粘接着シートの片方の離型材を剥ぎ取り、粘接着性硬化膜と偏光板Wを貼り合せた後、もう一方の離型材を剥ぎ取り粘接着性硬化膜と位相差フィルムを貼付した後、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製のコンベア式UV照射機(Light Hammer6 Dバルブ、ランプ高さ20cm、365nmの照射強度230mW/cm2(ウシオ電機社製UIT−150の測定値)により、コンベア速度を調整して位相差フィルム側から1,500mJ/cm2紫外線照射を行い、円偏光板としての機能を有する位相差フィルム付き偏光板を得た。
さらに、位相差フィルムのもう片方の面に粘着剤を貼付して、粘着剤付き位相差フィルム付き偏光板を得た。
このようにして得られた粘着剤付き位相差フィルム付き偏光板の厚みは、偏光板W(180μm)+粘接着剤(10μm)+位相差フィルム(26μm)+粘着剤(15μm)=231μmであった。
得られた位相差フィルム付き偏光板を使用し、以下の方法で耐久性試験を行った。それらの結果を表1に示す。
〔耐熱性試験〕
得られた位相差フィルム付き偏光板を使用し、4インチサイズ(80×60mm 偏光板の吸収軸0°)にカットし、100×100mm(厚み0.7mm)の無アルカリガラス基板の片面に貼り合わせて、耐久性試験用サンプルとした。
この接合体を23℃、50%RHの雰囲気下で24時間放置した後、85℃及び105℃恒温槽中に500時間放置し、剥がれ(偏光板‐位相差フィルム間の剥がれの有無)や発泡(粘接着剤層中の100μm以上の気泡発生の有無)を観察することで、粘接着シートの耐熱耐久性を評価した。それらの結果を表1に示す。
Figure 2010275373
本発明の活性エネルギー線組成物である実施例1及び2の組成物では、第二回目の活性エネルギー線照射後の接着力及び凝集力に優れ、85℃及び105℃のいずれの場合も、500時間経過後も、剥がれ及び発泡は観察されなかった。
これに対して、比較例1は、(B)成分を含まない組成物であるが、第二回目の活性エネルギー線照射後の接着力が不充分なため、85℃及び105℃のいずれの場合も、剥がれが発生した。比較例2は、(A)成分を含まない組成物であるが、第二回目の活性エネルギー線照射後の凝集力が不充分なため、85℃及び105℃のいずれの場合も、24時間で4インチ面内に視認できる100μm以上の気泡が多数発生した。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、活性エネルギー線硬化型粘接着シートの製造に好適に使用することができる。さらに、光学部品として使用されるプラスチックフィルム又はプラスチックシート等の薄層被着体のラミネート接着に好適に使用され、さらに液晶表示素子、タッチパネル表示素子、EL(エレクトロルミネッセンス)表示素子、EL(エレクトロルミネッセンス)照明、電子ペーパー表示素子、プロジェクション表示素子、FED(フィールドエミッション(電界放出)ディスプレイ)表示素子、プラズマ表示素子、太陽電池等に使用される各種光学フィルム又はシートの製造に好適に使用することができる。
図1は、本発明の組成物を使用した活性エネルギー線硬化型粘接着シートの製造の1例を示す。 図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型粘接着シートを使用した、積層体製造の1例を示す。 図3は、本発明の活性エネルギー線硬化型粘接着シートを使用した、積層体製造の1例を示す。

Claims (20)

  1. 不飽和二重結合に置換基を有することもあるマレイミド基及び当該マレイミド基以外のエチレン性不飽和基を有する分子量1,000以下の化合物(A)、ウレタン結合及びエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量3,000以上の化合物(B)、(A)及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(C)を含む以下の用途で使用する光学フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型組成物。
    ○用途:前記組成物を、活性エネルギー線を照射し半硬化させ粘接着性硬化膜を形成し、これを光学フィルム又はシート製造に使用する。
  2. 前記(A)成分における前記マレイミド基が、下記一般式(1)で表される基である請求項1記載の光学フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型組成物。
    Figure 2010275373
    〔但し、一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基若しくはアリール基を表すか、又はR1及びR2は一つとなって5員環若しくは6員環を形成する炭化水素基を表す。〕
  3. 前記(A)成分が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項2記載の光学フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型組成物。
    Figure 2010275373
    〔但し、式(2)において、R1及びR2は前記と同義である。又、R3はアルキレン基を表し、R4は水素原子又はメチル基を表し、nは1から6の整数を表す。〕
  4. 前記(B)成分におけるエチレン性不飽和基が、(メタ)アクリロイル基のみである化合物、不飽和二重結合に置換基を有することもあるマレイミド基のみである化合物、又は(メタ)アクリロイル基及び不飽和二重結合に置換基を有することもあるマレイミド基の両方を含む化合物である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光学フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型組成物。
  5. 前記(C)成分が、(メタ)アクリレートである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. さらに、光重合開始剤(D)を含む請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光学フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型組成物。
  7. さらに、(A)成分の光二量化反応を増感する化合物(E)を含む請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光学フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型組成物。
  8. 光学フィルム又はシートに前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の組成物の粘接着性硬化膜が形成されてなる活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又シート。
  9. 光学フィルム又はシートに前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の組成物を塗工した後、活性エネルギー線を照射し半硬化させて粘接着性硬化膜を形成させる請求項8記載の活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシートの製造方法。
  10. 活性エネルギー線照射後における硬化物の25℃貯蔵弾性率G’が1.0×104Pa以上1.0×107Pa以下となる条件で活性エネルギー線を照射する請求項9に記載の活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシートの製造方法。
  11. 365nm未満の波長を除いた活性エネルギー線を照射し半硬化させて粘接着性硬化膜を形成させる請求項9又は請求項10に記載の活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシートの製造方法。
  12. 請求項8記載の活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシートと光学フィルム又はシートを粘着させた後、活性エネルギー線を照射する光学積層体の製造方法。
  13. 活性エネルギー線照射後における硬化物の85℃貯蔵弾性率E’が2.0×106Pa以上となる条件で活性エネルギー線を照射する請求項12記載の光学積層体の製造方法。
  14. 離型処理された基材、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の組成物から得られる粘接着性硬化膜及び離型処理された基材が、この順に形成されてなる活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシート。
  15. 離型処理された基材に前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の組成物を塗工し、他の離型処理された基材を貼り合せた後、活性エネルギー線を照射し半硬化させて粘接着性硬化膜を形成させる請求項14記載の活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシートの製造方法。
  16. 離型処理された基材に前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の組成物を塗工した後、活性エネルギー線を照射し半硬化させて粘接着性硬化膜を形成させ、粘接着性硬化膜と他の離型処理された基材を貼り合せる請求項15記載の活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシートの製造方法。
  17. 活性エネルギー線照射後における硬化物の25℃貯蔵弾性率G’が1.0×104Pa以上1.0×107Pa以下となる条件で活性エネルギー線を照射する請求項15又は請求項16に記載の活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシートの製造方法。
  18. 365nm未満の波長を除いた活性エネルギー線を照射し半硬化させて粘接着性硬化膜を形成させる請求項15〜請求項17のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型粘接着フィルム又はシートの製造方法。
  19. 請求項14記載の粘接着フィルム又はシートの一方の離型処理された基材を剥ぎ取り、露出した粘接着性硬化膜の面と光学フィルム又はシートとを粘着させた後、もう一方の離型処理された基材を剥ぎ取り、露出した粘接着性硬化膜の面と他の光学フィルム又はシートとを粘着させた後、活性エネルギー線を照射する光学積層体の製造方法。
  20. 活性エネルギー線照射後における硬化物の85℃貯蔵弾性率E’が2.0×106Pa以上となる条件で活性エネルギー線を照射する請求項19記載の光学積層体の製造方法。
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