JP5521376B2 - プラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物 - Google Patents
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尚、本明細書においては、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。
又、以下において、特に明示する必要がない場合は、プラスチック製フィルム又はシートをまとめて「プラスチックフィルム等」と表し、フィルム又はシートを、まとめて「フィルム等」と表す。
この方法で使用される接着剤組成物は、一般に組成物の塗布量を均一にするため溶剤を多く含むものであるが、このため乾燥時に多量の溶剤蒸気が揮散してしまい、毒性、作業安全性及び環境汚染性が問題となっている。又、当該接着剤組成物は、薄層被着体を貼り合わせた直後に、得られたラミネートフィルムを接着するためのヒートシール、溝を刻設する罫線工程等の後加工工程において、薄層被着体同士が剥離してしまうという問題を有している。
これらの問題を解決する接着剤組成物として、無溶剤系の接着剤組成物が検討されている。
2液型接着剤組成物としては、主に末端に水酸基を有するポリマーを主剤とし、末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を硬化剤とする、いわゆるポリウレタン系接着剤組成物が用いられている。しかしながら該組成物は、硬化に長時間を要するという欠点があり、このため薄層被着体の貼り合わせ直後に罫線工程等の後加工工程に入ることができない等の生産性上の問題がある。
これに対して、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、硬化速度が速いことから生産性に優れ、最近注目されている。
近年、当該液晶表示素子に使用される各種光学フィルム等の貼り合わせにも、活性エネルギー線硬化型接着剤が使用されてきている。
一方、活性エネルギー線硬化型接着剤の粘度を低減する手段としては、いわゆる反応性稀釈剤と称される低分子量の(メタ)アクリレートを配合する方法がある。しかしながら、反応性の希釈剤を配合すると、接着剤の粘度を低減させることができるものの、接着性能が低下してしまうという問題と有するものであった。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、必須成分の(A)成分〜(C)成分について説明する。
アルケニル基としては、炭素数4以下のアルケニル基が好ましい。
アリール基としてはフェニル基等を挙げることができる。
一つとなって5員環若しくは6員環を形成する炭化水素基としては、基−CH2CH2CH2−、基−CH2CH2CH2CH2−等が挙げられ不飽和の炭化水素基としては、基−CH=CHCH2−、基−CH2CH=CHCH2−等が挙げられる。尚、不飽和の炭化水素基において、マレイミド基が2量化反応するためには、最終的に得られる5員環又は6員環が芳香族性を有しないものを選択する必要がある。当該炭化水素基としては、飽和の炭化水素基が好ましい。
・加藤清ら、有機合成化学協会誌30(10),897,(1972)
・Javier de Abajoら、Polymer,vol33(5),(1992)
・特開昭56−53119号公報、特開平1−242569号公報
(B)成分は、1個のエチレン性不飽和基と、水酸基、アミド基、アミノ基又はカルボキシル基を有する分子量200未満の化合物である。
(A)成分と併用できるエチレン性不飽和基を有する化合物としては、(A)成分以外のものであれば種々の化合物が使用できる。
(B)成分は、1種のみを使用することも、2種以上を併用することもできる。
(A)成分と併用できるエチレン性不飽和基を有する化合物としては、モノマー、オリゴマー及びポリマーを挙げることができる。
モノマーとしては、エチレン性不飽和基としてビニル基を有する化合物の例としては、ビニル系化合物及びアリル化合物が挙げられ、エチレン性不飽和基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物の例としては、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
アリル化合物としては、アリルアルコール等が挙げられる。
これら以外にも、文献「最新UV硬化技術」[(株)印刷情報協会、1991年発行]の53〜56頁に記載されているような化合物等が挙げられる。
オリゴマーとしてはポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート及びポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトール等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
カルボン酸又はその無水物としては、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸及びトリメリット酸等の二塩基酸又はその無水物等が挙げられる。
これら以外のポリエステルポリ(メタ)アクリレートとしては、前記文献「UV・EB硬化材料」の74〜76頁に記載されているような化合物等が挙げられる。
レート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族エポキシ樹脂としては、具体的には、レゾルシノールジグリシジルエーテル;ビスフエノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル;フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;グリシジルフタルイミド;o−フタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
これら以外にも、文献「エポキシ樹脂−最近の進歩−」(昭晃堂、1990年発行)2章や、文献「高分子加工」別冊9・第22巻増刊号 エポキシ樹脂[高分子刊行会、昭和48年発行]の4〜6頁、9〜16頁に記載されている様な化合物を挙げることができる。
これら以外にも、前記文献「高分子加工」別冊エポキシ樹脂の3〜6頁に記載されている化合物を挙げることができる。
エポキシ化合物、例えばTEPIC[日産化学(株)]、デナコールEX−310[ナガセ化成(株)]等が挙げられ、又前記文献「高分子加工」別冊エポキシ樹脂の289〜296頁に記載されているような化合物等が挙げられる。
上記において、アルキレンオキサイド付加物のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が好ましい。
ポリマーとしては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系ポリマー、官能基を有する(メタ)アクリル系ポリマーに、側鎖に(メタ)アクリロイル基を導入したものであり、前記文献「UV・EB硬化材料」の78〜79頁に記載されているような化合物等が挙げられる。
ここで親水性化合物とは、その化合物が水に対して10重量%以上の溶解性を有するものをいう。
水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例は、前記した通りである。
不飽和カルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ケイヒ酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリレートの具体例は、前記した通りである。
不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステルとしては、イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチルエステル及びマレイン酸モノブチルエステル等が挙げられる。
1個のエチレン性不飽和基と水酸基を有する化合物である水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート〔市販品としては、例えば、日本油脂(株)製「ブレンマーPE−90」「ブレンマーAE−90」等がある〕等が挙げられる。
1のエチレン性不飽和基とアミノ基又はアミド基を有する化合物としては、(メタ)アクリロイルモルホリン及びN−ビニルピロリドン等が挙げられる。
1個のエチレン性不飽和基と酸性基を有する化合物であるカルボキシル基含有(メタ)
アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸ダイマー等が挙げられる。
これらの中でも、安全性や硬化性に優れる点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明の組成物は、(A)成分を含むことにより光重合開始剤を含まなくても硬化するものであるが、(C)成分の光重合開始剤を配合することで、硬化性により優れたものとすることができる。
ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、メチル−2−ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパンー1−オン、4,4‘−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4‘−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン及び4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチルー(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロー4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチルー9−オキソー9H−チオキサントンー2−イル]オキシ]−2−ヒドロキシプロピルーN,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド及びフロロチオキサントンなどのチオキサントン系化合物;
アクリドン及び10−ブチルー2−クロロアクリドン等のアクリドン系化合物;
1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O―ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチルー6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾールー3−イル]−1−(O―アセチルオキシム)等のオキシムエステル類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体及び2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;並びに
9−フェニルアクリジン及び1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体などが挙げられる。
これらの化合物は、1種又は2種以上を併用することもできる。
これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロー4−プロピルチオキサントンが接着力や耐熱性、保存安定性の点から好ましい。
本発明の組成物には、必須成分である(A)、(B)及び(C)に加え、接着剤組成物で通常使用されるその他の成分を配合することができる。
具体的には、無機充填剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、粘着付与樹脂、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、染料、顔料、処理剤及び紫外線遮断剤のような不活性成分を配合することができる。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン酸、重合ロジン酸及びロジン酸エステル等のロジン類、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族飽和炭化水素樹脂並びに石油樹脂等が挙げられる。
これらは、(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部に対して、100重量部以下の量で配合することが好ましい。
本発明は、前記(A)〜(C)成分を必須成分として含むプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物に関する。
組成物の製造方法としては、前記前記(A)〜(C)成分を常法に従い、攪拌・混合することにより製造することができる。
(C)成分の配合割合を0.01重量%以上とすることにより、適量な紫外線光量で組成物を硬化させることができ生産性を向上させることができ、一方10重量%以下とすることで、硬化物の耐侯性や透明性に優れるものとすぐことができる。
本発明の組成物は、プラスチックフィルム等同士の接着、プラスチックフィルム等とこれ以外の種々の基材(以下、その他基材という)の接着に使用することができる。
尚、以下において、単に「基材」と表記した場合は、プラスチックフィルム等及びその他基材の総称を意味する。
その他基材としては、紙及び金属等が挙げられる。
使用方法としては、常法に従えば良く、基材に塗布した後、もう一方の基材と貼り合せ、活性エネルギー線を照射する方法等が挙げられる。
紙としては、模造紙、上質紙、クラフト紙、アートコート紙、キャスターコート紙、純白ロール紙、パーチメント紙、耐水紙、グラシン紙及び段ボール紙等が挙げられる。
金属箔としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。
又、本発明の組成物の塗布厚さは、使用する基材及び用途に応じて選択すればよいが、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜25μmである。
紫外線により硬化させる場合の光源としては、様々のものを使用することができ、例えば加圧或いは高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ、カーボンアーク灯及びLED等が挙げられる。
電子線により硬化させる場合には、使用できるEB照射装置としては種々の装置が使用でき、例えばコックロフトワルトシン型、バンデグラフ型及び共振変圧器型の装置等が挙げられ、電子線としては50〜1000eVのエネルギーを持つものが好ましく、より好ましくは100〜300eVである。
薄層被着体を接着する場合の使用方法は、ラミネートの製造において通常行われている方法に従えばよい。
例えば、組成物を第1の薄層被着体に塗工し、必要に応じて乾燥させた後、これに第2の薄層被着体を貼り合わせ、活性エネルギー線の照射を行う方法等が挙げられる。
プラスチックフィルム等は、活性エネルギー線を透過できるものである必要があり、膜厚としては使用する薄層被着体及び用途に応じて選択すればよいが、好ましくは厚さが0.2mm以下である。
又、本発明の組成物の塗布厚さは、使用する薄層被着体及び用途に応じて選択すればよいが、前記と同様の塗布厚さが好ましい。
本発明の組成物は、特に偏光板及び位相差フィルム付偏光板の製造に好ましく使用することができる。以下、偏光板の製造方法について説明する。
前記した通り、本発明の組成物は、親水性プラスチックの接着に好ましく使用でき、偏光板の製造においては、偏光子として使用するポリビニルアルコール、偏光子の保護フィルムとして使用するトリアセチルセルロースが親水性プラスチックに相当する。
偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着、配向させたヨウ素系偏光子、ポリビニルアルコール系フィルムに二色性の染料を吸着、配向させた染料系偏光子、(リオトロピック)液晶状態の色素をコーティングし、配向、固定化した塗布型偏光子等が挙げられる。
これら、ヨウ素系偏光子、染料系偏光子、塗布型偏光子は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、他の一方向の直線偏光を吸収する機能を有するもので、吸収型偏光子と呼ばれている。
この場合、偏光板としては、その片面又は両面に保護層を有するものを使用することができる。
この場合、保護層としては、前記保護フィルムを貼合したものでも、コーティングによって形成された保護膜であっても良い。
片面にのみ保護層を設けた偏光板は、位相差フィルムと接着する面が、保護層のある面であっても、保護層のない面であっても良い。
前記した環状ポリオレフィンは、ノルボルネン、テトラシクロドデセンや、それらの誘導体等の環状オレフィンから得られる樹脂の一般的な総称であり、たとえば、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されているものが挙げられる。
具体的には環状オレフィンの開環重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとのランダム共重合体、又これらを不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。さらには、これらの水素化物があげられる。商品としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン、TICONA社製のトーパス等が挙げられる。
当該製造方法としては、下記工程[1]〜[3]を含む方法が挙げられる。
[1]本発明の組成物を、被着体となる偏光子、偏光板、保護フィルム、保護膜、位相差フィルム、位相差膜のいずれかに塗工する工程
[2]前記組成物を塗工したフィルムに、もう一方の被着体となる偏光子、偏光板、保護フィルム、保護膜、位相差フィルム、位相差膜のいずれかを貼り合わせる工程
[3]フィルムを貼り合わせた後、本発明の組成物の塗布された基材越しに活性エネルギー線を照射する工程
保護フィルムまたは位相差フィルムを片側だけに貼合する場合は、上記手順により偏光板または位相差フィルム付偏光板が作製可能であるが、両側に貼合する場合は、[1][2]を2回繰り返した後に[3]を実施しても良いし、[1][2][3]を2回繰り返しても良い。
具体的には、偏光フィルムに対して、各波長に対して1/2波長を有する位相差フィルムを貼り合せ、さらに各波長に対して1/4波長を有する位相差フィルムを貼り合せる方法がある。この場合は、[1][2]を3回繰り返した後に[3]を実施しても良いし、[1][2][3]を3回繰り返しても良い。
下記表1に示す(A)、(B)及び(C)成分を、60℃で1時間加熱撹拌して溶解させ、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を製造した。
E型粘度計を用いて、25℃における活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の粘度を測定した。コーターでの薄膜塗工の際には、25℃粘度が低いほど好ましいため、下記の基準で判定した。
○:20mPa・s未満、△:20〜200mPa・s、×:200mPa・sを超過
HEMA:3−ヒドロキシプロピルメタクリレート
ACMO:アクリロイルモルホリン
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、チバ・ジャパン(株)製ダロキュアTPO
M1310:ポリエステル系ウレタンアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−1310
IBXA:イソボルニルメタクリレート
DETX:2,4−ジエチルチオキサントン
偏光板製造のため、親水性プラスチックである偏光子及び保護層を接着することを想定し、接着試験の基材として親水性プラスチックであるトリアセチルセルロースを用いて、以下のモデル実験を行った。
厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルム(ロンザ社製)上に、得られた組成物をバーコーターにより5μmの厚みに塗布した。これに、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルム(ロンザ社製)をラミネートした後、160W/cm集光型のメタルハライドランプ(焦点距離から30cm)を用いて、コンベアスピ−ド5m/minで硬化させ、試験体であるラミネートフィルムを製造した。
・試験片:25mm×100mm
・試験方法:T字剥離
・剥離速度:200mm/min
次に得られた試験体を、下記条件で高温試験及び高湿試験を行った後、上記と同様の方法及び条件で剥離強度を測定した。
・高温試験後:85℃で96時間
・高湿試験後:60℃、90%RHで96時間
以上の結果を表2に示す。
これに対して、本発明の(A)成分を含まない比較例1〜同3の組成物は、初期接着強度、並びに高温試験後及び高湿試験後の接着強度の全てにおいて接着強度に優れるものはなかった。特に、比較例1〜同3の組成物は、いずれも高湿試験後の接着強度が低下してしまうものであった。
Claims (4)
- (A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分を5〜50重量%及び(B)成分を50〜95重量%を含み、組成物中に(C)成分を0.01〜10重量%含む請求項1に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
- プラスチック製フィルム又はシートのいずれか一方又は両方が親水性プラスチックである請求項1又は請求項2に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の組成物を含む偏光板製造用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
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