JP5825147B2 - 偏光板の製造方法 - Google Patents
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Description
尚、下記においては、便宜上、特に断りがない場合は、「フィルム又はシート」を「フィルム」、「アクリレート又はメタクリレート」を「(メタ)アクリレート」と記載する。
例えば、特許文献1及び2には、偏光子保護フィルムや位相差フィルムとして、ウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化組成物を硬化して得られるUAフィルムが検討されている。
これら特許文献には、当該フィルムを光学フィルムとして利用することが開示されているものの、当該フィルム同士、又は当該フィルムとこれと他の素材からなるフィルムを接着させる例は開示されておらず、当然活性エネルギー線硬化型接着剤組成物に関する開示はない。
しかしながら、光カチオン重合は、水分や塩基性物質による重合阻害が起こることが一般的に広く知られており、湿度の高い環境や、水分を多く含む基材、表面が塩基性の基材においては十分な剥離強度を得ることが困難であった。又、多官能エポキシ樹脂を主成分として含む組成物とすることで、重合阻害による硬化性低下の影響を小さくすることが可能であるが、このような組成物は、粘度が上昇してしまい、塗工装置によっては薄膜塗工ができない等の問題を有するものであった。
前記基材の一方がウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化型組成物をフィルム状又はシート状に硬化させたフィルム又はシートであり、
前記基材のもう一方がポリビニルアルコール系樹脂から形成される偏光子である
偏光板の製造方法に関する。
◆活性エネルギー線硬化型接着剤組成物:硬化性成分及び光重合開始剤を含む組成物であって、
硬化性成分が、(A)成分:分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物(硬化性成分中に10〜80重量%)、
(B)成分:分子内に1個のエチレン性不飽和基を有する化合物(硬化性成分中に20〜89重量%)及び
(C)成分:分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(硬化性成分中に1〜20重量%)を含み、
光重合開始剤が、(D)成分:光カチオン重合開始剤(硬化性成分合計量に対して0.1〜20重量%)及び
(E)成分:光ラジカル重合開始剤(硬化性成分合計量に対して0.1〜20重量%)を含む、
活性エネルギー線硬化型接着剤組成物
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書では、組成物に活性エネルギー線照射して得られる架橋物及び硬化物を、まとめて「硬化物」と表す。
(A)成分は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、種々の化合物が使用可能である。
(A)成分としては、例えば、分子内に2個以上のエポキシ基と芳香環骨格を有する化合物(以下、「芳香族エポキシ化合物」という)、分子内に2個以上のエポキシ基を有し、そのうちの少なくとも1個が脂環式エポキシ基(こここで、脂環式エポキシ基とは、環を構成する隣り合う2個の炭素原子の間でエポキシドを形成する脂環式基を表す。)(以下、「脂環式エポキシ化合物」という)、分子内に2個以上のエポキシ基有し、芳香環を含まない、上記「脂環式エポキシ化合物」以外の化合物(以下、「脂肪族エポキシ化合物」という)等が挙げられる。
又、これら以外にも、文献「エポキシ樹脂−最近の進歩−」(昭晃堂、1990年発行)2章や、文献「高分子加工」別冊9・第22巻増刊号エポキシ樹脂(高分子刊行会、昭和48年発行)の4〜6頁、9〜16頁、29〜55頁に記載されている様な化合物を挙げることができる。
ここで、エポキシ樹脂とは、分子中に平均2個以上のエポキシ基を有し、反応により硬化する化合物又はポリマーをいう。この分野での慣例に従い、本明細書では、硬化性のエポキシ基を分子内に2個以上有する化合物であれば、モノマーであってもエポキシ樹脂と称することがある。
又、これら以外にも、文献「エポキシ樹脂−最近の進歩−」(昭晃堂、1990年発行)2章や、文献「高分子加工」別冊9・第22巻増刊号エポキシ樹脂(高分子刊行会、昭和48年発行)の7頁、18〜20頁に記載されている様な化合物を挙げることができる。
これら以外にも、前記文献「高分子加工」別冊エポキシ樹脂の3〜6頁に記載されている化合物を挙げることができる。
又、(A)成分としては、組成物が低粘度で硬化性に優れるものとなり、硬化物が接着性に優れる点から、芳香族エポキシ化合物及び脂環式エポキシ化合物が好ましい。具体的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、レゾルシンジグリシジルエーテル、リモネンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートが挙げられる。
(A)成分の割合が10重量%に満たないと、硬化物の耐熱性や耐水性が低下してしまい、80重量%を超えると、組成物が高粘度となり塗工性が低下したり、硬化物の接着力が低下してしまう。
(B)成分は、分子内に1個のエチレン性不飽和基を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル系化合物及びアリル化合物等が挙げられる。
(B)成分としては、エポキシ基を有しない化合物が好ましい。
アリル化合物としては、アリル基を1個有する化合物が挙げられる。具体的には、アリルアルコール等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミドとしては、(メタ)アクリルアミド基を1個有する化合物が挙げられる。具体的には、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;
フェニル(メタ)アクリレート、フェノール誘導体の(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリレート、クレゾールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリレート、トリブロモフェノールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステルの芳香族(メタ)アクリレートの芳香族(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ω−カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボン酸含有(メタ)アクリレート;
N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(1,2−シクロヘキサ−1−エンジカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート、ファンクリルFA−502A(日立化成工業製)等のイミド(メタ)アクリレート;並びに
2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸(メタ)アクリレートが挙げられる。
(B)成分は、前記した化合物の1種のみを使用することも、2種以上を併用することもできる。
(b1)成分としては、前記した脂環式(メタ)アクリレート及び芳香族(メタ)アクリレートが好ましく、これらの中でも耐熱性及び接着性を高くできるという理由で、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(1,2−シクロヘキサ−1−エンジカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
(b2)成分としては、水酸基を1個有する(メタ)アクリレートが好ましく、具体的な化合物は前述の通りであるが、それらの中でも、組成物が低粘度となるうえ、接着性に優れるものとなるため、分子量が200未満の化合物が好ましい。当該分子量を満たす化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B)成分の割合が20重量%に満たないと、組成物を高粘度となり塗工性が低下したり、又接着力が低下してしまい、89重量%を超えると、硬化物の耐熱性や耐水性が低下してしまう。
(C)成分は、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル系化合物及びアリル化合物等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−ノナンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート;
ネオペンチルグリコールアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールルアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート等のポリオールのアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート;
ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のグリコール変性ポリオールポリ(メタ)アクリレート;
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性ポリオールポリ(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;
トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等の脂環式ジオールのジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールSアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール系化合物アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート;
水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート及び水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等の水添ビスフェノール系化合物のジ(メタ)アクリレート;
イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレートイソシアヌル酸カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌル酸のポリ(メタ)アクリレート;
ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸ジ(メタ)アクリレート及びヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のエステルジオールのジ(メタ)アクリレート;
カプロラクトン変性ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸ジ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変成エステルジオールのジ(メタ)アクリレート;
ポリオールと(メタ)アクリル酸及び炭素数2〜4の脂肪酸とを反応させて得られる、脂肪酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及び脂肪酸変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;
トリアクリルホルマール;並びに
トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、オグソールEA−0200、0500、1000(フルオレン系アクリレート、大阪ガスケミカル製)等の芳香族多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
尚、前記したアルキレンオキサイド付加物としては、エチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトール等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
カルボン酸又はその無水物としては、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸及びトリメリット酸等の二塩基酸又はその無水物等が挙げられる。
これら以外のポリエステルポリ(メタ)アクリレートとしては、前記文献「UV・EB硬化材料」の74〜76頁に記載されているような化合物等が挙げられる。
芳香族エポキシ樹脂としては、具体的には、レゾルシノールジグリシジルエーテル;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル;フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;グリシジルフタルイミド;o−フタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
これら以外にも、文献「エポキシ樹脂−最近の進歩−」(昭晃堂、1990年発行)2章や、文献「高分子加工」別冊9・第22巻増刊号 エポキシ樹脂[高分子刊行会、昭和48年発行]の4〜6頁、9〜16頁に記載されている様な化合物を挙げることができる。
これら以外にも、前記文献「高分子加工」別冊エポキシ樹脂の3〜6頁に記載されている化合物を挙げることができる。
上記において、アルキレンオキサイド付加物のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が好ましい。
この様な問題を防止する場合には、活性エネルギー線照射直後から接着層の弾性率が高くなる(C)成分の配合が極めて効果的である。又、架橋密度が高くなることで耐熱性も向上する。
(C)成分としては、前記した化合物の中でも、暗反応による不具合の防止や耐熱性を向上させるという点で、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド変性物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド変性物ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のアルキレンオキサイド変性物トリアクリレートが好ましい。
(C)成分の割合が1重量%に満たないと、暗反応による不具合が発生したり耐熱性が低下してしまい、20重量%を超えると、組成物の硬化収縮が発生して接着力が低下してしまう。
(D)成分は、光カチオン重合開始剤である。即ち、活性エネルギー線の照射によって、カチオン又はルイス酸を発生し、光カチオン重合性化合物である(A)成分の重合を開始する化合物である。
(D)成分の具体例としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩及びジアゾニウム塩等が挙げられる。
これらの中でも、活性エネルギー線硬化性に優れ、硬化膜が耐水性に優れ着色がない等の理由で、トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩が好ましく、特に硬化性に優れる点で、ジアリールヨードニウム塩が好ましい。
トリアリールスルホニウム塩としては、前記したものの中でも、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート及びジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートが好ましい。ジアリールヨードニウム塩としては、前記したものの中でもトリルクミルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(フォトイニシエーター2074;ローディア・ジャパン(株)製)、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフロオロホスフェート(イルガキュア250;BASF・ジャパン(株)製)、ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート及びWPI−113(和光純薬工業(株)製)が好ましい。
(D)成分の割合が0.1重量%に満たないと、組成物の活性エネルギー線硬化性が低下して接着性が低下してしまい、一方、20重量%を超えると、接着層の内部硬化性が低下して接着性が低下してしまう。
増感剤としては、アントラセン化合物、4−メトキシ−1−ナフトール、フルオレン、ピレン及びスチルベン等が挙げられる。
アントラセン化合物としては、例えばアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、4’−ニトロベンジル−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、4’−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート及び4’−ニトロベンジル−9,10−ジプロポキシアントラセン−2−スルホネート等が挙げられる。
これらの中でも、組成物への溶解性に優れ、(D)成分の増感作用が高い点から、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン及び9,10−ジプロポキシアントラセンが好ましい。
これら増感剤の市販品としては、アントラキュアUVS−1331、1221、1101、ET−2111〔川崎化成工業(株)製〕が挙げられる。
(D)成分としてスルホニウム塩を使用する場合は、アントラセン化合物を増感剤として併用することが好ましい。
(E)成分は、光ラジカル重合開始剤である。即ち、活性エネルギー線の照射によってラジカルを発生し、エチレン性不飽和基を有する化合物である(B)成分及び(C)成分の重合を開始する化合物である。又、(E)成分の種類によっては、(D)成分の光カチオン硬化性を高めるための増感剤としても機能するものもある。
ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、メチル−2−ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4‘−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン及び4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イル]オキシ]−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド及びフロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
アクリドン及び10−ブチル−2−クロロアクリドン等のアクリドン系化合物;
1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体及び2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;並びに
9−フェニルアクリジン及び1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体等が挙げられる。
(E)成分の割合が0.1重量に満たないと、組成物の活性エネルギー線硬化性が低下し接着性が低下してしまい、一方、20重量%を超えると、接着層の内部硬化性が低下し接着性が低下してしまう。
本発明の組成物は、前記(A)〜(E)成分を必須とするものであるが、目的に応じて種々の成分を配合することができる。
その他の成分としては、接着剤組成物で通常使用されるものが挙げられ、具体的には、シランカップリング剤、無機充填剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、粘着付与樹脂、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、有機溶剤、染料、顔料、処理剤及び紫外線遮断剤のような不活性成分を配合することができる。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン酸、重合ロジン酸及びロジン酸エステル等のロジン類、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族飽和炭化水素樹脂並びに石油樹脂等が挙げられる。
これらは、組成物中に20重量%以下の量で配合することが好ましい。
以下(F)成分について説明する。
(F)成分は、接着剤層とUAフィルムとの界面接着強度を改善できるシランカップリング剤である。本発明に用いられるシランカップリング剤としては、基材との接着性向上に寄与できるものであれば特に限定されるものではない。
組成物中に(F)成分を含む場合、(F)成分の割合は、組成物中に0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜10重量%である。(F)成分の割合が0.1重量%以上にすることで、組成物の接着力を向上させる効果を十分なものとし、20重量%以下にすることで、組成物の貯蔵安定性に優れるものとすることができる。
本発明の組成物の製造方法としては、前記(A)〜(E)成分を、必要に応じてさらにその他成分を、常法に従い攪拌及び混合することにより製造することができる。この場合、必要に応じて加熱することもできる。加熱温度としては、使用する組成物、基材及び目的等に応じて適宜設定すれば良いが、30〜80℃が好ましい。
組成物の粘度としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、基材に対する塗工性に優れる点で、10〜1000mPa・sが好ましい。
本発明の組成物は、UAフィルムの接着に使用される活性エネルギー線硬化型接着剤組成物である。
UAフィルムは、ウレタン(メタ)アクリレートを含むフィルム又はシート形成用活性エネルギー線硬化型組成物(以下、「フィルム形成用組成物」という)をフィルム状又はシート状に硬化させたフィルム又はシートである。
フィルム形成用組成物を構成するウレタン(メタ)アクリレートとしては、前記した化合物と同様の化合物が使用できる。
フィルム形成用組成物には、ウレタン(メタ)アクリレートを必須とするものであるが、目的に応じて種々の成分を含んでいても良い。
具体的には、ビニル重合体、可塑剤、前記(B)及び(C)成分と同様の化合物、有機溶剤、重合禁止剤及び耐光性向上剤等が挙げられる。これらの成分は、ビニル重合体は、光弾性係数等の光学特性を調整する目的で、可塑剤は、硬化物に柔軟性を付与し、脆さを改善する目的で、(B)及び(C)成分と同様の発明は、組成物の粘度を低下させたり、その他の物性を調整する目的で、有機溶剤は、基材への塗工性を改善する目的で、重合禁止剤は、組成物の保存安定性を向上させる目的で、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐光性向上剤は、耐光性を向上させる目的で配合することができる。
又、フィルム形成用組成物を紫外線や可視光線により硬化させる場合には、(E)成分と同様の化合物を含んでいても良い。フィルム形成用組成物を電子線で硬化させる場合には、(E)成分は不要である。
UAフィルムの具体的としては、例えば、特願2010−187467、特願2011−056076、特願2011−264072、特願2011−283095、特願2011−285177に記載されたもの等が挙げられる。
工程1:フィルム形成用組成物をフィルム状又はシート状支持体(以下、単に「支持体」という)に塗工する。
工程2:塗工面側又は支持体側から活性エネルギー線を照射してフィルム状又はシート状硬化物を形成させる。
工程3:得られた硬化物から支持体を剥がす。
離型材としては、シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、表面未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、表面未処理シクロオレフィンポリマーフィルム及び表面未処理OPPフィルム(ポリプロピレン)等が挙げられる。
フィルム形成用組成物の塗工量としては、使用する用途に応じて適宜選択すればよいが、組成物の膜厚、又は有機溶剤を乾燥した後の膜厚が、5〜200μmとなるよう塗工するのが好ましく、より好ましくは30〜100μmである。
乾燥条件は、使用する有機溶剤等に応じて適宜設定すれば良く、40〜150℃の温度に加熱する方法等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、電子線、紫外線及び可視光線等が挙げられる。これらの中でも、光重合開始剤を必ずしも配合する必要がなく硬化物の耐熱性や耐光性に優れるという点で、電子線がより好ましい。
活性エネルギー線照射における、線量や照射強度等の照射条件は、使用する組成物、支持体及び目的等に応じて適宜設定すれば良い。
当該製造方法としては、下記工程1’、工程1’’、工程2’及び工程3を順次実施する製造方法が好ましい。
工程1’:フィルム形成用組成物を第1の支持体に塗工する。
工程1’’:塗工面に第2の支持体を貼り合せる。
工程2’:前記第1又は第2の支持体のいずれかの側から活性エネルギー線を照射してフィルム状又はシート状硬化物を形成させる。
工程3:得られた硬化物から支持体を剥がす。
第1及び第2の支持体としては、同じものであっても、異なっていても良い。
当該工程としては、上記と同様の方法が挙げられる。
本発明の組成物は、UAフィルム同士の接着、UAフィルムとこれ以外の種々の基材(以下、「その他基材」という)の接着に使用することができる。つまり、少なくとも一方がUAフィルムである2つの基材の接着に使用できる。
その他基材としては、プラスチックフィルム及び金属等が挙げられる。
又、プラスチックフィルムにおける材質としては、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、セルロース系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート、アクリル/スチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。
この場合、第1又は第2の基材の少なくとも一方がUAフィルムである。
又、本発明の組成物の塗布厚さは、使用する基材及び用途に応じて選択すればよいが、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜25μmである。
紫外線により硬化させる場合の光源としては、様々のものを使用することができ、例えば加圧或いは高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ、カーボンアーク灯及びLED等が挙げられる。
活性エネルギー線照射における、照射強度等の照射条件は、使用する組成物、基材及び目的等に応じて適宜設定すれば良い。
例えば、組成物を第1の薄層被着体に塗工し、必要に応じて乾燥させた後、これに第2の薄層被着体を貼り合わせ、活性エネルギー線の照射を行う方法等が挙げられる。
薄層被着体としては、活性エネルギー線を透過できるものである必要があり、膜厚としては使用する薄層被着体及び用途に応じて選択すればよいが、好ましくは厚さが0.2mm以下である。
又、本発明の組成物の塗布厚さは、使用する薄層被着体及び用途に応じて選択すればよいが、前記と同様の塗布厚さが好ましい。
本発明の組成物から得られたラミネートフィルム等の積層体は、高温及び高湿条件下における接着力に優れているため、液晶表示装置等に用いる偏光板及び保護フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムに好適に使用できる。
本発明の組成物は、特に偏光板及び位相差フィルム付偏光板の製造に好ましく使用することができる。以下、偏光板の製造方法について説明する。
前記した通り、本発明の組成物は、UAフィルムの接着に好ましく使用でき、偏光板の製造においては、偏光子として使用するポリビニルアルコール系フィルム、偏光子の保護フィルムとして使用するUAフィルムが相当する。
偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着、配向させたヨウ素系偏光子、ポリビニルアルコール系フィルムに二色性の染料を吸着、配向させた染料系偏光子、リオトロピック液晶状態の色素をコーティングし、配向、固定化した塗布型偏光子等が挙げられる。
これら、ヨウ素系偏光子、染料系偏光子、塗布型偏光子は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、他の一方向の直線偏光を吸収する機能を有するもので、吸収型偏光子と呼ばれている。
この場合、偏光板としては、その片面又は両面に保護層を有するものを使用することができる。この場合、保護層としては、前記保護フィルムを貼合したものでも、コーティングによって形成された保護膜であっても良い。片面にのみ保護層を設けた偏光板は、位相差フィルムと接着する面が、保護層のある面であっても、保護層のない面であっても良い。
前記した環状ポリオレフィンは、ノルボルネン、テトラシクロドデセンや、それらの誘導体等の環状オレフィンから得られる樹脂の一般的な総称であり、たとえば、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されているものが挙げられる。
具体的には環状オレフィンの開環重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとのランダム共重合体、又これらを不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。さらには、これらの水素化物があげられる。商品としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン、TICONA社製のトーパス等が挙げられる。
当該製造方法としては、下記工程[1]〜[3]を含む方法が挙げられる。
[1]本発明の組成物を、被着体となる偏光子、偏光板、保護フィルム、保護膜、位相差フィルム、及び位相差膜から選ばれる被着体(基材)に塗工する工程、
[2]前記組成物を塗工した被着体(基材)に、偏光子、偏光板、保護フィルム、保護膜、位相差フィルム、及び位相差膜から選ばれるもう一方の被着体を貼り合わせる工程、並びに
[3]貼り合わせた被着体(積層体)に活性エネルギー線を照射する工程、特に貼り合わせた被着体(積層体)越しに前記組成物に活性エネルギー線を照射する工程。
保護フィルム又は位相差フィルムを片側だけに貼合する場合は、上記手順により偏光板又は位相差フィルム付偏光板を製造可能であるが、両側に貼合する場合は、工程[1]及び[2]を2回繰り返した後に工程[3]を実施しても良いし、工程[1]、[2]及び[3]を2回繰り返しても良い。
攪拌機、温度計、冷却器を備えた500mL反応容器に、室温でイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート:151.4g、触媒としてジブチルスズジラウレート:0.07gを仕込み、5容量%の酸素を含む窒素の雰囲気下、これらを攪拌しながら液温が70℃になるまで加温した。
アルコール溶液として、ポリカーボネートジオール〔旭化成ケミカルズ(株)製デュラノールT−5651、数平均分子量:1,000〕:20.4g、ポリカプロラクトントリオール〔ダイセル化学工業(株)製プラクセル303、数平均分子量300〕:18.3g、1,4−ブタンジオール:28.2g及びメチルエチルケトン(以下、「MEK」という):65.0gの混合溶液を内温が75℃以下となるように滴下した後、内温80℃で2時間反応させた。
その後、2−ヒドロキシエチルアクリレート:61.6g、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール:0.28g、MEK:5.0g及びジブチルスズジラウレート:0.07gの混合溶液を内温が75℃以下となるように滴下した後3時間反応させ、赤外線吸収スペクトル装置(Perkin Elmer製FT−IR Spectrum100)によりスペクトルを測定し、イソシアネート基が完全に消費されたことを確認し、ウレタンアクリレート(以下、「UA−1」という)を含むMEK溶液(固形分80重量%)を得た。
UA−1のポリスチレン換算重量平均分子量を、GPC(溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:Waters製HSPgel HR MB−L)により測定した結果、2,400であった。
幅300mm×長さ300mmの東レ(株)製フィルム「ルミラー50−T60」(表面未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ50μm、以下「ルミラー」という)に、製造例1で得られたUA−1を含むMEK溶液を、後記条件で乾燥した後の膜厚が40μmになるようアプリケーターで塗工した。塗工後、80℃で10分乾燥した。
その後、乾燥後の組成物層に、幅300mm×長さ300mmのルミラーをラミネートした後、(株)NHVコーポレーション製の電子線照射装置により、加速電圧200kV、線量50kGy(ビーム電流及び搬送速度により調整)、酸素濃度300ppm以下の条件下で電子線照射を行い、UAフィルム(以下、「EBF」という)を得た。
硬化後、ルミラーから剥離し、後記する偏光板の製造に用いた。
UA−1のMEK溶液100部に対して、光重合開始剤〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、BASFジャパン(株)製DAROCUR−1173〕1部を撹拌混合して、紫外線硬化型組成物を製造した。
幅300mm×長さ300mmのルミラーに、得られた紫外線硬化型組成物を、後記条件で乾燥した後の膜厚が40μmになるようアプリケーターで塗工した。塗工後、80℃で10分乾燥した。
その後、乾燥後の組成物層に、幅300mm×長さ300mmのルミラーをラミネートした後、アイグラフィックス(株)製のコンベア式紫外線照射装置(高圧水銀灯、ランプ高さ12cm、365nmの照射強度400mW/cm2(フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)社製UV POWER PUCKの測定値))によりコンベア速度を調整して、積算光量1,000mJ/cm2の紫外線照射を行い、UAフィルム(以下、「UVF」という)を得た。
硬化後、ルミラーから剥離し、後記する偏光板の製造に用いた。
厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の水浴で膨潤させた後、5重量%(重量比:ヨウ素/ヨウ化カリウム=1/10)のヨウ素水溶液中で染色した。次いで、3重量%のホウ酸及び2重量%ヨウ化カリウムを含む水溶液に浸漬し、さらに55℃の4重量%のホウ酸及び3重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液中で5.5倍まで一軸延伸した後、5重量%のヨウ化カリウム水溶液に浸漬した。その後、70℃のオーブンで1分間乾燥を行い、厚さ30μmの偏光子(以下、偏光子Pという)を得た。
得られた偏光子Pについて、偏光プリズム付き分光光度計((株)島津製作所製UV−2200)を用いて偏光度及び単体透過率を測定したところ、それぞれ99.99%及び43.1%であった。
下記表1に示す(A)〜(E)成分を、60℃で1時間加熱撹拌して溶解させ、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を製造した。表1における括弧内の数字は、重量部を意味する。
(A)成分
・jER:ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ジャパンエポキシレジン(株)製jER−828
・CEL:3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ダイセル化学工業(株)製セロキサイド2021P
(B)成分
・PEA:フェノキシエチルアクリレート、共栄社化学(株)製ライトアクリレートPO−A
・IBXA:イソボルニルアクリレート、共栄社化学(株)製ライトアクリレートIB−XA
・HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製4−HBA
(C)成分
・M203S:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−203S
・M313:イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ及びトリアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−313
(D)成分
・CPI:ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートの50重量%プロピレンカーボネート溶液、サンアプロ製CPI−100P
(E)成分
・IRG:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF・ジャパン製イルガキュア184
接着剤(膜厚5μm)として実施例1〜同5及び比較例1〜同2で得られた組成物を用いて、製造例4で得られた偏光子Pの両面に、偏光子保護フィルムとして製造例2又は同3で得られたUAフィルムを貼り合わせた後、アイグラフィックス(株)製のコンベア式紫外線照射装置(高圧水銀灯)、ランプ高さ15cm、365nmの照射強度370mW/cm2(フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)社製UV POWER PUCKの測定値)によりコンベア速度を調整して、積算光量220mJ/cm2の紫外線照射を行い、偏光板を得た。
尚、いずれのフィルムに対してもコロナ処理は行わなかった。
実施例及び比較例で得られた偏光板について、偏光プリズム付き分光光度計〔(株)島津製作所製UV−2200〕を用いて偏光度及び単体透過率を測定した。それらの結果を表2に示す。
実施例及び比較例で得られた偏光板を、15mm×150mmのサイズに裁断してサンプルとした。サンプルを両面粘着テープ(綜研化学(株)製SK−1478、膜厚25μm)によりガラス板上に貼り付けた。室温で30分以上放置した後、サンプルには、UAフィルムと偏光子の間に予めキッカケを設けておき、引張試験機(インストロンジャパンカンパニーリミテッド製インストロン5564)により剥離強度を測定した(初期剥離強度)。それらの結果を表2に示す。
・試験方法:90°剥離
・剥離速度:200mm/min
次に、実施例及び比較例で得られた偏光板を、前記と同様にしてサンプルを作製し、60℃90%RHの恒温恒湿槽に120時間放置した後、上記と同様の方法及び条件で剥離強度を測定した。それらの結果を表2に示す。
剥離せず試験体が材料破壊(表2では「材破」と記載)した場合がより優れていると評価した。
実施例及び比較例で得られた偏光板を、60℃90%RHの恒温恒湿槽に120時間放置した後のサンプルのヨウ素脱色の有無を以下の基準で目視評価した。それらの結果を表2に示す。
○:ヨウ素脱色は見られない。
×:ヨウ素脱色が見られた。
これに対して、比較例3〜6は、(C)成分を含まない組成物である比較例1〜2を用いて作製された偏光板であり、偏光子Pの初期性能が維持されているものの、初期剥離強度及び耐湿熱試験後の剥離強度のいずれも不充分で、耐湿熱試験後にヨウ素の脱色が見られた。
Claims (5)
- 第1の基材に、下記の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を塗工し、塗工後の組成物を第2の基材を貼合した後、貼合後の第1基材又は第2の基材のいずれかの側から活性エネルギー線を照射する偏光板の製造方法であって、
前記基材の一方がウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化型組成物をフィルム状又はシート状に硬化させたフィルム又はシートであり、
前記基材のもう一方がポリビニルアルコール系樹脂から形成される偏光子である
偏光板の製造方法。
◆活性エネルギー線硬化型接着剤組成物:硬化性成分及び光重合開始剤を含む組成物であって、
硬化性成分が、(A)成分:分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物(硬化性成分中に10〜80重量%)、
(B)成分:分子内に1個のエチレン性不飽和基を有する化合物(硬化性成分中に20〜89重量%)及び
(C)成分:分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(硬化性成分中に1〜20重量%)を含み、
光重合開始剤が、(D)成分:光カチオン重合開始剤(硬化性成分合計量に対して0.1〜20重量%)及び
(E)成分:光ラジカル重合開始剤(硬化性成分合計量に対して0.1〜20重量%)を含む、
活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。 - (B)成分が、1個のエチレン性不飽和基と芳香環骨格又は脂環式骨格を有する化合物であって、エポキシ基を有しない化合物を含む請求項1に記載の偏光板の製造方法。
- (B)成分が、1個のエチレン性不飽和基と水酸基を有する化合物であって、エポキシ基を有しない化合物を含む請求項1又は請求項2に記載の偏光板の製造方法。
- (A)成分が、2個以上のエポキシ基と芳香環骨格又は脂環式骨格を有する化合物を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法。
- 前記フィルム又はシートが、膜厚5〜200μmを有するものである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法。
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