JP5076459B2 - 光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤 - Google Patents
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このようなことから、可使時間が制限されず、高温高湿条件下においても接着剤が変色して透過率が低下することなく、光アイソレータの特性を維持できる光アイソレータ素子及び光アイソレータ貼り合わせ用紫外線硬化型接着剤が求められていた。
多官能(メタ)アクリレート(B)は、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、およびエチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの群から選ばれるいずれか一種以上であり、その含有量が、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(A)と多官能(メタ)アクリレート(B)との合計量100重量部に対し、10〜40重量部であり、また、光重合開始剤(C)の含有量が、0.5〜8重量部であることを特徴とする光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤。
が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、硬化促進剤(D)が、芳香族または脂肪族骨格を有するジメチル尿素であり、接着力向上剤(E)が、シランカップリング剤または(メタ)アクリル酸化合物から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、シランカップリング剤が、ケチミン基またはエポキシ基を有する化合物であることを特徴とすることを特徴とする光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第3の発明において、硬化促進剤(D)、及び/又は接着力向上剤(E)の含有量が、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(A)成分及び多官能アクリレート(B)の合計量100重量部に対し、1〜10重量部であることを特徴とする光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明の方法に係り、ファラデー回転子の光学面と偏光子の光学面を接着して光アイソレータ素子とする際に用いることを特徴とする光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤が提供される。
また、白色粉末であるアセトフェノン系化合物を光重合開始剤として用いる為、この紫外線硬化型接着剤によって、黄変を抑えた硬化物が得られ、特性が安定した光アイソレータ素子及び光アイソレータを得ることができる。
本発明の光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤は、平均分子量500〜850であり両末端が(メタ)アクリレート骨格であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(A)と、分子中に2以上の(メタ)アクリレート基を有する多官能(メタ)アクリレート(B)と、アルキルフェノン系光重合開始剤(C)を含有する光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤であって、
多官能(メタ)アクリレート(B)は、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、およびエチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの群から選ばれるいずれか一種以上であり、その含有量が、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(A)と多官能(メタ)アクリレート(B)との合計量100重量部に対し、10〜40重量部であり、また、光重合開始剤(C)の含有量が、0.5〜8重量部であることを特徴とする。
この光重合開始剤(C)は、従来使用されていたアシルフォスフィンオキサイド化合物とは異なり、白色粉末で有る為に接着剤が黄色に変色することはないので、透過率が低くならず光アイソレータの特性を低下させにくいという特徴がある。
硬化促進剤(D)としては、3−(3’,4’−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジフェニル尿素、あるいはイソホロンビスジメチル尿素が挙げられ、これらは単一でも複数混合して適用してもよい。
ここで、ケチミン基を有するケチミン化合物は、水分のない状態では安定に存在するが、水分によりアミン化合物になるので、潜在性硬化剤として機能するのでケチミン化合物により、本発明の可使時間、すなわち組成物の貯蔵安定性を高めることができる。
この接着剤は、一般的な方法で製造できるが、たとえば各成分を配合した混合物を均一になるまで40℃未満で超音波をかけることにより効率的に得ることができる。これにより、UV照射後に熱エージングを実施することで表面(光照射側)および内部(光照射側の反対側)の硬化性が充分となるために接着層の硬化状態が均一であり、高温高湿度条件下においても接着性を有する光アイソレータ素子及び光アイソレータ貼り合わせに適した紫外線硬化型接着剤となる。
以下、ファラデー回転子の光学面と偏光子とを接着して得られる光アイソレータ素子の作製手順を説明する。
カップリング溶液とファラデー回転子及び偏光子(部材)との接触方法は、特に制限されないが、例えば、部材をカップリング溶液に浸漬する方法や、部材表面上にカップリング溶液を塗工する方法等があげられる。塗工方法も特に限定されず、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法等の従来公知の方法が採用でき、この中でも、塗工効率の点からスピンコート法、エクストルージョンコート法が好ましい。カップリング溶液の塗工量は、特に制限されず、例えば、アミノ基含有シランカップリング剤の濃度等によって適宜決定できる。
光アイソレータを製造するには、予め上記の光アイソレータ素子、支持部材および磁石を用意し、それぞれに本発明の接着剤を塗布し、上記光アイソレータ素子の作製と同様に接着面に紫外線を照射して硬化させる。この際、接着剤を塗布する前に予め接着面をアミノ基含有シランカップリング剤のようなカップリング剤で表面処理し、引き続き、熱処理することでシランカップリング剤層を形成しておくことが好ましい。次に、光アイソレータ素子を支持部材に載せて磁石を配置し、各接触面に接着剤を塗布して紫外線を照射して硬化させ、光アイソレータ素子と磁石を支持部材に固定することができる。
これにより、表面および内部硬化性、接着層の硬化状態の均一性、高温高湿度条件下での耐湿性と耐熱性、長期間貯蔵時の安定性などのバランスに優れた光アイソレータ素子及び光アイソレータ製品を得ることができる。
接着剤を調合した直後及び遮光条件下25℃の雰囲気に1日放置後、東機産業(株)製粘度計TV−22を用い、25℃、5rpmでの粘度を測定し、1日後の粘度が初期粘度と比較して何倍増加するかを調査した。
○:1日後の粘度が初期の粘度の2倍未満、×:1日後の粘度が初期の粘度の2倍以上
(2)耐湿性評価
2.5cm×2.5cmのSUS304上に面積が2.25mm2、厚みが50μmとなるように接着剤組成物を塗布し、その上に1mm2の偏光子を配置して10J/cm2の線量でUVを照射した。その後、100℃で2時間熱処理を行い、評価試料とした。
85℃、85%RHの高温高湿条件下に200時間放置した後、プッシュプルゲージを用いて水平方向に偏光子を押圧して剥離させて接着強度を測定した。
○:15N/mm2以上、×:15N/mm2未満
(3)透過性評価
調製した接着剤に10J/cm2の線量でUVを照射、100℃で2時間熱処理を行い、直径が20mm、厚みが2mmとなる評価試料を得た。これを日立製作所(株)製分光光度計U−4100を用い、1310nmでの透過率を測定した。
○:75%以上、×:75%未満
下記に示す各種のエポキシアクリレート、ジアクリレート、光重合開始剤、熱硬化促進剤、接着向上剤を表1に示す割合に配合し、配合物を十分に混合させて本発明の光アイソレータ素子及び光アイソレータ貼り合わせ用紫外線硬化型接着剤を得た。これにより得られた接着剤組成物を用いて、それぞれ粘度変化、耐湿性、透過性を測定した。これらサンプル評価結果を表2に示す。
・EA−1020:ビスフェノールAタイプ(新中村化学工業(株)製)、粘度60000mPa・s(40℃)
・600:Ebecryl(ダイセル・サイテック(株))、粘度3000mPa・s(60℃)
(2)B成分:多官能アクリレート
・NKエステル A−TMPT:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製)
・NKエステル APG−200:トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)
・NKエステル A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)
(3)C成分:光重合開始剤
・IRGACURE 651:2、2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・IRGACURE 184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・IRGACURE 1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・IRGACURE 2959:2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
(4)硬化促進剤
・試薬1:3−(3’,4’−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(ナカライテスク(株))
・試薬2:1,3−ジフェニル尿素(ナカライテスク(株))
(5)接着力向上剤
・KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株))
・KBE−9103:3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン(信越シリコーン(株))
・試薬3:アクリル酸(関東化学(株))
・試薬4:アクリル酸メチル(関東化学(株))
主剤としてJER828(エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン(株)製)を用い、この100重量部に対して、硬化剤としてJERキュア113(硬化剤:ジャパンエポキシレジン(株)製)32重量部を混合し、比較用の接着剤を得た。これにより得られた接着剤組成物を用いて、それぞれ粘度変化、耐湿性、透過性を測定した。これらサンプル評価結果を表2に示す。
A成分:ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートに対する、B成分:多官能性アクリレートの配合量を多くした以外は、実施例と同様にして比較用の接着剤を得た。即ち、EA−1028 50重量部をNKエステル A−TMPT 50重量部で希釈し、IRGACURE 651 5重量部(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を溶解させて接着剤とした。また、EA−1028 30重量部をNKエステル A−TMPT 70重量部で希釈し、IRGACURE 651 5重量部(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を溶解させて接着剤とした。これにより得られた接着剤組成物を用いて、それぞれ粘度変化、耐湿性、透過性を測定した。これらサンプル評価結果を表2に示す。
C成分:光重合開始剤の配合量を少なくした以外は、実施例と同様にして比較用の接着剤を得た。即ち、EA−1028 80重量部をNKエステル A−TMPT 20重量部で希釈し、IRGACURE 651 0.3重量部(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を溶解させ、比較用の接着剤を得た。また、C成分:光重合開始剤の配合量を多くした以外は、実施例と同様にして比較用の接着剤を得た。即ち、EA−1028 80重量部をNKエステル A−TMPT 20重量部で希釈し、IRGACURE 651 10重量部(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を溶解させ、比較用の接着剤を得た。これにより得られた接着剤組成物を用いて、それぞれ粘度変化、耐湿性、透過性を測定した。これらサンプル評価結果を表2に示す。
Claims (7)
- 平均分子量500〜850であり両末端が(メタ)アクリレート骨格であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(A)と、分子中に2以上の(メタ)アクリレート基を有する多官能(メタ)アクリレート(B)と、アルキルフェノン系光重合開始剤(C)を含有する光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤であって、
多官能(メタ)アクリレート(B)は、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、およびエチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの群から選ばれるいずれか一種以上であり、その含有量が、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(A)と多官能(メタ)アクリレート(B)との合計量100重量部に対し、10〜40重量部であり、また、光重合開始剤(C)の含有量が、0.5〜8重量部であることを特徴とする光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤。 - さらに、硬化促進剤(D)、及び/又は接着力向上剤(E)を含有することを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤。
- 硬化促進剤(D)が、芳香族または脂肪族骨格を有するジメチル尿素であり、接着力向上剤(E)が、シランカップリング剤または(メタ)アクリル酸化合物から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項2に記載の光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤。
- シランカップリング剤が、ケチミン基またはエポキシ基を有する化合物であることを特徴とすることを特徴とする請求項3に記載の光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤。
- 硬化促進剤(D)、及び/又は接着力向上剤(E)の含有量が、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(A)成分及び多官能(メタ)アクリレート(B)の合計量100重量部に対し、1〜10重量部であることを特徴とする請求項2に記載の光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤。
- ファラデー回転子の光学面と偏光子の光学面を接着して光アイソレータ素子とする際に用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤。
- 光アイソレータ素子と磁石とを支持部材に固定する際に用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光アイソレータ用紫外線硬化型接着剤。
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