JPWO2015194654A1 - プラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
尚、本明細書においては、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。
又、以下において、特に明示する必要がない場合は、プラスチック製フィルム又はシートをまとめて「プラスチックフィルム等」と表し、フィルム又はシートをまとめて「フィルム等」と表す。
この方法で使用される接着剤組成物は、一般に組成物の塗布量を均一にするため溶剤を多く含むものであるが、このため乾燥時に多量の溶剤蒸気が揮散してしまい、毒性、作業安全性及び環境汚染性が問題となっている。又、当該接着剤組成物は、薄層被着体を貼り合わせた直後に、得られたラミネートフィルムを接着するためのヒートシール、溝を刻設する罫線工程等の後加工工程において、薄層被着体同士が剥離してしまうという問題を有している。
これらの問題を解決する接着剤組成物として、無溶剤系の接着剤組成物が検討されている。
2液型接着剤組成物としては、主に末端に水酸基を有するポリマーを主剤とし、末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を硬化剤とする、いわゆるポリウレタン系接着剤組成物が用いられている。しかしながら該組成物は、硬化に長時間を要するという欠点があり、このため薄層被着体の貼り合わせ直後に罫線工程等の後加工工程に入ることができない等の生産性上の問題がある。
これに対して、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、硬化速度が速いことから生産性に優れており、最近注目されている。
近年、当該液晶表示素子に使用される各種光学フィルム等の貼り合わせにも、活性エネルギー線硬化型接着剤が使用されてきている。
この問題を解決するため、分子量の大きなウレタン(メタ)アクリレートを含む組成物が検討されているが、当該組成物は、粘度が上昇してしまうため、塗工装置によっては薄膜塗工ができない等の問題を有するものであったり、又、厳しい耐久性が要求される用途においては、ハガレや発泡、クラックといった不具合が発生するという問題があった。
しかしながら、光カチオン重合は、水分や塩基性物質による重合阻害が起こることが一般的に広く知られており、湿度の高い環境や、水分を多く含む基材、表面が塩基性の基材においては十分な剥離強度を得ることが困難であった。又、多官能エポキシ樹脂を主成分として含む組成物とすることで、重合阻害による硬化性低下の影響を小さくすることが可能であるが、このような組成物は、粘度が上昇してしまい、塗工装置によっては薄膜塗工ができない等の問題を有するものであった。
ハイブリッド型組成物としては、イソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ化合物、水酸基を含有する化合物及び光酸発生剤を含む組成物(特許文献1)、2個以上のエポキシ基を有し、この基のうちの少なくとも1個が脂環式エポキシ基であるエポキシ樹脂、2個以上のエポキシ基を有しかつ脂環式エポキシ基を有さないエポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤及び重合性モノマーを含む組成物(特許文献2)、(メタ)アクリル基を2以上有する化合物、水酸基と1個の(メタ)アクリル基を有する化合物、(メタ)アクリル基を有するカチオン重合性化合物、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤を含む組成物(特許文献3)等が知られている。
特許文献1〜3には、耐熱試験及び耐湿熱試験後の偏光板の色相変化について記載がない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、各種プラスチックフィルム等、特に親水性プラスチックフィルム等に対する接着力に優れ、より厳しい耐久性が要求される用途においても十分な性能を有するプラスチックフィルム等用の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を提供することを目的とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)、(B)、(C)及び(D)成分〔以下、これらをまとめて「硬化性成分」という〕合計量中に、
(A)成分を10〜70重量%、(B)成分を10〜50重量%、(C)成分を1〜40重量%及び(D)成分を1〜30重量%の割合で含み、
硬化性成分合計量100重量部に対して、(E)成分を0.1〜20重量部及び(F)成分を0.1〜20重量部の割合で含む、
プラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物に関する。
(A)成分:分子内に芳香族骨格と2個以上のエポキシ基を有する化合物
(B)成分:分子内に水酸基と1個のエチレン性不飽和基を有する化合物
(C)成分:分子内に芳香族環を含まず且つ環状骨格と2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物
(D)成分:分子内に芳香族環を含まず1個のエチレン性不飽和基を有する(B)成分以外の化合物
(E)成分:光カチオン重合開始剤
(F)成分:光ラジカル重合開始剤
以下、組成物の必須成分である(A)〜(F)成分について説明する。
(A)成分は、分子内に芳香族骨格と2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、
分子内に芳香族骨格と2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、種々の化合物が使用可能である。
又、これら以外にも、文献「エポキシ樹脂−最近の進歩−」(昭晃堂、1990年発行)2章や、文献「高分子加工」別冊9・第22巻増刊号エポキシ樹脂(高分子刊行会、昭和48年発行)の4〜6頁、9〜16頁、29〜55頁に記載されている様な化合物を挙げることができる。
ここで、エポキシ樹脂とは、分子中に平均2個以上のエポキシ基を有し、反応により硬化する化合物又はポリマーをいう。この分野での慣例に従い、本明細書では、硬化性のエポキシ基を分子内に2個以上有する化合物であれば、モノマーであってもエポキシ樹脂と称することがある。
又、(A)成分としては、組成物が低粘度で硬化性に優れるものとなり、硬化物が接着性に優れる点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、レゾルシンジグリシジルエーテルが好ましく、より好ましくはビスフェノール型エポキシ樹脂である。
(B)成分は、分子内に水酸基と1個のエチレン性不飽和基を有する化合物であり、例えば、水酸基と1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物等が挙げられ、1個の水酸基と1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。
(B)成分は、前記した化合物の1種のみを使用することも、2種以上を併用することもできる。
(C)成分は、分子内に芳香族環を含まず且つ環状骨格と2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。分子内に芳香族環を有し2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物の場合、耐熱性試験後の黄変が顕著となってしまう。又、分子内に芳香族環も環状骨格も有しない2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物の場合、接着性が低下したり、湿熱試験後の黄変が顕著になってしまう。
(C)成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル系化合物及びアリル化合物が挙げられる。
その具体例としては、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート等の脂環式ジオールのジ(メタ)アクリレート;
水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート及び水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等の水添ビスフェノール系化合物のジ(メタ)アクリレート;
イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌル酸のポリ(メタ)アクリレート;
ジオキサングリコールジアクリレート等が挙げられる。
尚、前記したアルキレンオキサイド付加物としては、エチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリオールとしては、シクロヘキサンジメタノール等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
カルボン酸又はその無水物としては、アジピン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等が挙げられる。
これら以外のポリエステルポリ(メタ)アクリレートとしては、前記文献「UV・EB硬化材料」の74〜76頁に記載されているような化合物等が挙げられる。
脂環骨格を有する脂肪族エポキシ樹脂としては、具体的には、水素添加ビスフェノールA及びそのアルキレンオキシド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
これら以外にも、前記文献「高分子加工」別冊エポキシ樹脂の3〜6頁に記載されている化合物を挙げることができる。
上記において、アルキレンオキサイド付加物のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が好ましい。
さらに、脂環式ジオールのジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
(C)成分の割合は、硬化性成分合計量中に、硬化性成分の合計量を100重量%として1〜40重量%であり、より好ましくは1〜30重量%である。(C)成分の割合が1重量%に満たないと、硬化フィルムの表面平滑性が低下してしまい、40重量%を超えると接着力が低下してしまう。
(D)成分は、分子内に芳香族環を含まず1個のエチレン性不飽和基を有する(B)成分以外の化合物である。分子内に芳香族環を有し1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物の場合、耐熱性試後の黄変が顕著となってしまう。
(D)成分の例としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル系化合物及びアリル化合物等が挙げられる。
アリル化合物としては、アリル基を1個有する化合物が挙げられる。具体的には、アリルアルコール等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミドとしては、(メタ)アクリルアミド基を1個有する化合物が挙げられる。具体的には、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、炭素数12〜13のアルキル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート及びイソミリスチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びメトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;
イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸及びω−カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボン酸含有(メタ)アクリレート;
N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(1,2−シクロヘキサ−1−エンジカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及びファンクリルFA−502A(日立化成工業製)等のイミド(メタ)アクリレート;
2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸(メタ)アクリレート;
が挙げられる。
(D)成分は、前記した化合物の1種のみを使用することも、2種以上を併用することもできる。
(E)成分は、光カチオン重合開始剤である。即ち、活性エネルギー線の照射によって、カチオン又はルイス酸を発生し、光カチオン重合性化合物である(A)成分の重合を開始する化合物である。
(E)成分の具体例としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩及びジアゾニウム塩等が挙げられる。
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、
4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のトリアリールスルホニウム塩が挙げられる。
ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリルクミルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフロオロホスフェート、
ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、
ジ(4−アルキルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、
等のジアリールヨードニウム塩が挙げられる。
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート
等が挙げられる。
これらの中でも、活性エネルギー線硬化性に優れ、硬化膜が耐水性に優れ着色がない等の理由で、トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩が好ましく、特に硬化性に優れる点で、ジアリールヨードニウム塩が好ましい。
トリアリールスルホニウム塩としては、前記したものの中でも、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート及びジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートが好ましい。ジアリールヨードニウム塩としては、前記したものの中でもトリルクミルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(フォトイニシエーター2074;ローディア・ジャパン(株)製)、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフロオロホスフェート(イルガキュア250;BASF・ジャパン(株)製)、ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート及びWPI−113(和光純薬工業(株)製)が好ましい。
(E)成分の割合は、硬化性成分合計量100重量部に対して0.1〜20重量部であり、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは2〜7重量部である。(E)成分の割合が0.1重量部に満たないと、組成物の活性エネルギー線硬化性を不十分なものとなり、又接着性も低下してしまい、一方、20重量部を超過すると、接着層の内部硬化性が不良となり、接着性が低下してしまう。
増感剤としては、アントラセン化合物、4−メトキシ−1−ナフトール、フルオレン、ピレン及びスチルベン等が挙げられる。
アントラセン化合物としては、例えばアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、4’−ニトロベンジル−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、4’−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート及び4’−ニトロベンジル−9,10−ジプロポキシアントラセン−2−スルホネート等が挙げられる。
これらの中でも、組成物への溶解性に優れ、(E)成分の増感作用が高い点から、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン及び9,10−ジプロポキシアントラセンが好ましい。
これら増感剤の市販品としては、アントラキュアUVS−1331、1221、1101、ET−2111〔川崎化成工業(株)製〕が挙げられる。
(E)成分としてスルホニウム塩を使用する場合は、アントラセン化合物を増感剤として併用することが好ましい。
(F)成分は、光ラジカル重合開始剤である。即ち、活性エネルギー線の照射によってラジカルを発生し、エチレン性不飽和基を有する化合物である(B)、(C)、(D)成分の重合を開始する化合物である。又、(F)成分の種類によっては、(E)成分の光カチオン硬化性を高めるための増感剤としても機能するものもある。
ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、メチル−2−ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン及び4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イル]オキシ−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド及びフロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
アクリドン及び10−ブチル−2−クロロアクリドン等のアクリドン系化合物;
1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体及び2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;並びに
9−フェニルアクリジン及び1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体等が挙げられる。
本発明の組成物は、上記(A)〜(F)成分を必須成分とするものであるが、さらに目的に応じて種々の成分を配合することができる。
基材に対する配合液の表面平滑性を向上させ、且つ耐熱性、耐水性、接着性を向上させるため、レベリング剤〔以下(G)成分という〕及び/又はシランカップリング剤〔以下(H)成分という〕を配合することができる。
以下、(G)成及び(H)成分について説明する。
(G)成分は、レベリング剤であり、組成物に添加することでその組成物の表面張力を低下させ、組成物の表面平滑性を向上させる効果のある化合物である。
レベリング剤として市販のものを使用することもできる。本発明において使用することができる市販のレベリング剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
また(株)ネオス製のフタージェントシリーズ(FTX218、250、245M、209F、222F、245F、208G、218G、240G、206D、240D等)やKBシリーズ等、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK333、300等、共栄社化学(株)製のKL600等も挙げられる。
三菱化学(株)製のH512X、H513X、H514X等;ダイキン工業(株)製のオプツールDAC;日本合成社製のUT3971、UT4315、UT4313;DIC(株)製のデイフェンサシリーズ(TF3001、TF3000、TF3004、TF3028、TF3027、TF3026、TF3025等)、RSシリーズ(RS71、RS101、RS102、RS103、RS104、RS105等);ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK3500;共栄社化学(株)製のライトプロコートAFC3000;信越シリコーン社製のKNS5300;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製のUVHC1105、UVHC8550;日本ペイント(株)製のACS−1122、リペルコートシリーズ等を挙げることができる。
(H)成分は、接着剤層と親水性プラスチックとの界面接着強度を改善できるシランカップリング剤である。本発明に用いられるシランカップリング剤としては、基材との接着性向上に寄与できるものであれば特に限定されるものではない。
組成物中に(H)成分を含む場合、(H)成分の割合は、組成物中に0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜10重量%である。(H)成分の割合が0.1重量%以上にすることで、組成物の接着力を向上させる効果を十分なものとし、20重量%以下にすることで、組成物の貯蔵安定性に優れるものとすることができる。
本発明の組成物には、前記以外にも、接着剤組成物で通常使用されるその他の成分を配合することができる。
これらは、組成物中に20重量%以下の量で配合することが好ましい。
組成物の製造方法としては、前記(A)〜(F)成分を、必要に応じてさらにその他成分を、常法に従い攪拌及び混合することにより製造することができる。
この場合、必要に応じて加熱することもできる。加熱温度としては、使用する組成物、基材及び目的等に応じて適宜設定すれば良いが、30〜80℃が好ましい。
その他基材としては、紙及び金属等が挙げられる。
使用方法としては、常法に従えば良く、基材に塗布した後、もう一方の基材と貼り合せ、活性エネルギー線を照射する方法等が挙げられる。
紙としては、模造紙、上質紙、クラフト紙、アートコート紙、キャスターコート紙、純白ロール紙、パーチメント紙、耐水紙、グラシン紙及び段ボール紙等が挙げられる。
金属箔としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。
又、本発明の組成物の塗布厚さは、使用する基材及び用途に応じて選択すればよいが、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜25μmである。
紫外線により硬化させる場合の光源としては、様々のものを使用することができ、例えば加圧或いは高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ、カーボンアーク灯及びLED等が挙げられる。
電子線により硬化させる場合には、使用できるEB照射装置としては種々の装置が使用でき、例えばコックロフトワルトシン型、バンデグラフ型及び共振変圧器型の装置等が挙げられ、電子線としては50〜1000eVのエネルギーを持つものが好ましく、より好ましくは100〜300eVである。
例えば、組成物を第1の薄層被着体に塗工し、必要に応じて乾燥させた後、これに第2の薄層被着体を貼り合わせ、活性エネルギー線の照射を行う方法等が挙げられる。
プラスチックフィルム等は、活性エネルギー線を透過できるものである必要があり、膜厚としては使用する薄層被着体及び用途に応じて選択すればよいが、好ましくは厚さが0.2mm以下である。
又、本発明の組成物の塗布厚さは、使用する薄層被着体及び用途に応じて選択すればよいが、前記と同様の塗布厚さが好ましい。
別の方法としては、基材を平面状態で本発明の組成物を塗工し、もう一方の基材を貼り合わせ、凹状態又は凸状態に折り曲げ、活性エネルギー線を照射して接着する方法が挙げられる。
この場合、平面状態で組成物を塗工する方法としては、前記した方法に従えば良い。曲面状態で組成物を塗工する方法としては、スプレー、デップ、カーテンフローコーター、スクリーン印刷及びスロットダイコーター等を使用する方法が挙げられる。
本発明の組成物から得られたラミネートフィルム等の積層体は、高温及び高湿条件下における接着力に優れているため、液晶表示装置等に用いる偏光板及び保護フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムに好適に使用できる。
本発明の組成物は、特に偏光板及び位相差フィルム付偏光板の製造に好ましく使用することができる。以下、偏光板の製造方法について説明する。
前記した通り、本発明の組成物は、親水性プラスチックの接着に好ましく使用でき、偏光板の製造においては、偏光子として使用するポリビニルアルコール、偏光子の保護フィルムとして使用するトリアセチルセルロースが親水性プラスチックに相当する。
偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着、配向させたヨウ素系偏光子、ポリビニルアルコール系フィルムに二色性の染料を吸着、配向させた染料系偏光子、(リオトロピック)液晶状態の色素をコーティングし、配向、固定化した塗布型偏光子等が挙げられる。
これら、ヨウ素系偏光子、染料系偏光子、塗布型偏光子は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、他の一方向の直線偏光を吸収する機能を有するもので、吸収型偏光子と呼ばれている。
この場合、偏光板としては、その片面又は両面に保護層を有するものを使用することができる。この場合、保護層としては、前記保護フィルムを貼合したものでも、コーティングによって形成された保護膜であっても良い。片面にのみ保護層を設けた偏光板は、位相差フィルムと接着する面が、保護層のある面であっても、保護層のない面であっても良い。
前記した環状ポリオレフィンは、ノルボルネン、テトラシクロドデセンや、それらの誘導体等の環状オレフィンから得られる樹脂の一般的な総称であり、たとえば、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されているものが挙げられる。
具体的には環状オレフィンの開環重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとのランダム共重合体、又これらを不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。さらには、これらの水素化物があげられる。商品としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン、TICONA社製のトーパス等が挙げられる。
当該製造方法としては、下記工程[1]〜[3]を含む方法が挙げられる。
[1]本発明の組成物を、被着体となる偏光子、偏光板、保護フィルム、保護膜、位相差フィルム、及び位相差膜から選ばれる被着体(基材)に塗工する工程、
[2]前記組成物を塗工した被着体(基材)に、偏光子、偏光板、保護フィルム、保護膜、位相差フィルム、及び位相差膜から選ばれるもう一方の被着体を貼り合わせる工程、並びに
[3]貼り合わせた被着体(積層体)に活性エネルギー線を照射する工程、特に貼り合わせた被着体(積層体)越しに前記組成物に活性エネルギー線を照射する工程。
保護フィルム又は位相差フィルムを片側だけに貼合する場合は、上記手順により偏光板又は位相差フィルム付偏光板を製造可能であるが、両側に貼合する場合は、工程[1]及び[2]を2回繰り返した後に工程[3]を実施しても良いし、工程[1]、[2]及び[3]を2回繰り返しても良い。
又、上記の製造方法を用いて、前記した様に、曲面状態で接着することもできる。
具体的には、偏光フィルムに対して、各波長に対して1/2波長を有する位相差フィルムを貼り合せ、さらに各波長に対して1/4波長を有する位相差フィルムを貼り合せる方法がある。この場合は、工程[1]及び[2]を3回繰り返した後に工程[3]を実施しても良いし、工程[1]、[2]及び[3]を3回繰り返しても良い。
なお、本明細書で引用した文献は、参考として引用される。
ヨウ素0.05質量部、ヨウ化カリウム0.5質量部を水100質量部に溶解させて染色液を調製した。この染色液を55℃に加熱し、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム〔(株)クラレ製ビニロンフィルムVF−PS、75μm〕を1分浸漬した後、フィルムを一方向に6倍に延伸した。さらに、染色後の洗浄をホウ酸4部、ヨウ化カリウム6部を水90部に溶解させた水溶液中で行い、その後乾燥させて、膜厚30μmの偏光子を作製した。
1)組成物の製造
下記表1に示す(A)〜(F)成分及びその他成分を、60℃で3時間加熱撹拌して溶解させ、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を製造した。
得られた組成物は、いずれも25℃でE型粘度計で測定した粘度が100mPa・s以下の組成物であり、低粘度の組成物であった。
厚さ80μmのUV吸収剤入りトリアセチルセルロースフィルム〔商品名フジタック、富士フィルム(株)製、以下「UVA−TAC」という〕上に、易接着処理としてコロナ処理(ナビタス製ポリダイン1、出力0.1kW、処理速度1秒/cm)を実施した。
続いて、製造例で得られた偏光子に、前記で得られた組成物をバーコーターにより3μmの厚みに塗布した。これに、コロナ処理を実施したUVA−TACをラミネートした後、裏返し、同様に組成物の塗工と、コロナ処理を実施した厚さ100μmのゼオノアフィルム〔商品名ゼオノア、日本ゼオン(株)製、以下「COP」という〕のラミネートを行った。
その後、160W/cm集光型の高圧水銀ランプを用いて、紫外線をCOP側から照射して硬化させた。その後80℃で2分の加熱処理を行って、試験体であるTAC/COP系偏光板を製造した。紫外線強度は500mW/cm2、積算光量は500mJ/cm2であった(いずれもUV−A:波長320nm−390nmでの値)。
得られた偏光板を、下記の試験方法に従い評価した。それらの結果を表1に示す。
(1)剥離強度の測定
得られた偏光板を、両面テープを介してガラスに貼り付け、UVA−TAC、COPと偏光子の剥離強度を、下記条件で測定した。
・引張試験機:(株)オリエンテック製 テンシロンRTE−1210
・試験片:10mm×100mm
・試験方法:90°剥離
・剥離速度:100mm/min
尚、接着性が高いために基材が破壊して剥離強度が測定できない場合、材料破壊の略としてM.F.と記載した。
得られた偏光板のb*を、下記条件で測定した。
・積分球式分光透過率測定器: (株)村上色彩技術研究所性 DOT−3C
D65光源、10度視野
得られた偏光板を、80℃の乾燥器に480時間投入した。
乾燥機投入前後の偏光板のb*の差(Δb*)から、偏光板の黄変度合いを測定した。
Δb*は、0に近いほど好ましいため、下記の基準で判定した。
Δb*=[熱処理後の偏光板のb*]−[熱処理前の偏光板のb*]
A:|Δb*|<2.3
B×:2.3≦|Δb*|
得られた偏光板を、60℃、90%RHの恒温恒湿器に480時間投入した。
恒温恒湿器投入前後の偏光板のb*の差(Δb*)から、偏光板の黄変度合いを測定した。
Δb*は、0に近いほど好ましいため、下記の基準で判定した。
Δb*=[熱処理後の偏光板のb*]−[熱処理前の偏光板のb*]
A:|Δb*|<2.3
B:2.3≦|△b*|
1)(A)成分
・EXA:ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、DIC(株)製EXA−850CRP(商品名)
2)(B)成分
・HPA:2−ヒドロキシプロピルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製HPA(商品名)
3)(C)成分
・DCPA:ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、共栄社化学(株)製ライトアクリレートDCP−A(商品名)
・M−313:イソシアヌル酸EO変性ジ及びトリアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−313(商品名)
4)(D)成分
・V#190:エチルカルビトールアクリレート、大阪有機化学工業(株)製ビスコート#190(商品名)
・LA:ラウリルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製LA(商品名)
・IBXA:イソボルニルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製IBXA(商品名)
5)(E)成分
・Irg:ヨードニウム塩系光カチオン開始剤、BASFジャパン製イルガキュア250(商品名)
6)(F)成分
・DETX:2,4−ジエチルチオキサントン、日本化薬(株)製DETX−S(商品名)
7)その他
・2021P:3',4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製セロキサイド2021P(商品名)
・M−211B:ビスフェノールA EO変性ジアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−211B(商品名)
・ADE:ポリエチレングリコールのジアクリレート、日油(株)製ブレンマーADE−400A(商品名)
・POA:フェノキシエチルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製ビスコート#192(商品名)
これに対して、本発明の(A)成分を含まない組成物(比較例1)は、耐熱試験後及び耐湿熱試験後の外観に優れるものであったが、剥離強度が低い接着力に乏しいものであった。
本発明の(C)成分を含まず、(C)成分と異なる芳香族骨格を有するジアクリレートを含む組成物(比較例2)は、剥離強度及び耐湿熱試験後の外観に優れるものであったが、耐熱試験後の外観が不良なものであった。
本発明の(C)成分を含まず、(C)成分と異なる環状骨格を有しないジアクリレートを含む組成物(比較例3)は、剥離強度に優れるものであったが、耐湿熱試験後の外観が不良となってしまった。
本発明の(D)成分を含まず、(D)成分と異なる芳香族骨格を有するアクリレートを含む組成物(比較例4)は、剥離強度に優れるものであったが、耐熱試験後の外観が不良なものであった。
Claims (14)
- 下記(A)〜(F)成分を含む組成物であって、
(A)、(B)、(C)及び(D)成分〔以下、これらをまとめて「硬化性成分」という〕合計量中に、
(A)成分を10〜70重量%、(B)成分を10〜50重量%、(C)成分を1〜40重量%及び(D)成分を1〜30重量%の割合で含み、
硬化性成分合計量100重量部に対して、(E)成分を0.1〜20重量部及び(F)成分を0.1〜20重量部の割合で含む、
プラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
(A)成分:分子内に芳香族骨格と2個以上のエポキシ基を有する化合物
(B)成分:分子内に水酸基と1個のエチレン性不飽和基を有する化合物
(C)成分:分子内に芳香族環を含まず且つ環状骨格と2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物
(D)成分:分子内に芳香族環を含まず1個のエチレン性不飽和基を有する(B)成分以外の化合物
(E)成分:光カチオン重合開始剤
(F)成分:光ラジカル重合開始剤 - (メタ)アクリロイル基を有するカチオン硬化性化合物を含まない、請求項1に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
- (A)成分が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、請求項1又は請求項2に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
- (B)成分が、1個の水酸基と1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
- (C)成分が、窒素原子を含まない化合物である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
- (C)成分が、脂環式ジオールのジ(メタ)アクリレートである、請求項5に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
- (D)成分が、長鎖アルキル(メタ)アクリレート又は/及びアルコキシアルキル(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
- プラスチック製フィルム又はシートのいずれか一方又は両方が親水性プラスチックである、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
- プラスチック製フィルム又はシートがポリビニルアルコール系偏光フィルムである、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
- プラスチック製フィルム若しくはシート、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の組成物の硬化物、及び、基材又はプラスチック製フィルム若しくはシートから構成される積層体。
- プラスチック製フィルム若しくはシート、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の組成物の硬化物、及び、基材又はプラスチック製フィルム若しくはシートから構成される偏光板。
- プラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の製造方法であって、
下記(A)〜(F)成分を、
(A)、(B)、(C)及び(D)成分〔以下、これらをまとめて「硬化性成分」という〕中に、
(A)成分を10〜70重量%、(B)成分を10〜50重量%、(C)成分を1〜40重量%及び(D)成分を1〜30重量%の割合で含み、
硬化性成分合計量100重量部に対して、(E)成分を0.1〜20重量部及び(F)成分を0.1〜20重量部の割合で含むよう混合することを特徴とする製造方法。
プラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
(A)成分:分子内に芳香族骨格と2個以上のエポキシ基を有する化合物
(B)成分:分子内に水酸基と1個のエチレン性不飽和基を有する化合物
(C)成分:分子内に芳香族環を含まず且つ環状骨格と2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物
(D)成分:分子内に芳香族環を含まず1個のエチレン性不飽和基を有する(B)成分以外の化合物
(E)成分:光カチオン重合開始剤
(F)成分:光ラジカル重合開始剤 - 少なくとも一方がプラスチック製フィルム又はシートである2つの基材を、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の組成物を用いて貼着し、これに活性エネルギー線を照射することを特徴とする、接着方法。
- 少なくとも一方がプラスチック製フィルム又はシートである2つの基材を、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の組成物を用いて貼着し、これに活性エネルギー線を照射することを特徴とする、積層体の製造方法。
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