JP2015157913A - 光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート及び光学積層体 - Google Patents

光学用粘着剤組成物、光学用粘着シート及び光学積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】低い誘電率を有し、高温高湿環境下に晒されても白濁化しにくく、かつ樹脂板等の被着体と貼り合わせても高温下又は高温高湿環境下で発泡及び剥離が生じにくく、更に段差追従性にも優れる光学用粘着シートを得ることができる光学用粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る光学用粘着剤組成物は、炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート30重量%以上、80重量%以下と、炭素数10〜20の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート5重量%以上、50重量%以下と、N,N−ジメチルアクリルアミド5重量%以上、25重量%以下とを含むモノマー成分を用いて、上記モノマー成分を共重合させることで得られる共重合体を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、低い誘電率を有し、高温高湿環境下に晒されても白濁化しにくく、樹脂板等の被着体と貼り合わせても高温下又は高温高湿環境下で発泡及び剥離が生じにくく、更に段差追従性にも優れる光学用粘着シートを得ることができる光学用粘着剤組成物に関する。また、本発明は、上記光学用粘着剤組成物を用いた光学用粘着シート及び光学積層体に関する。
近年、タッチパネルを搭載した電子機器の使用が増加している。例えば、携帯電話、スマートフォン、カーナビゲーション及びパーソナルコンピューター等の電子機器においては、タッチパネルが用いられている。タッチパネルの中でも、静電容量式のタッチパネルは、機能性に優れることから、急速に普及してきている。静電容量式のタッチパネルは、スマートフォンだけでなく、タブレット型パーソナルコンピューター等でも広く用いられている。
一般に、静電容量式のタッチパネルは、カバーパネルと、光学用粘着剤層と、基板とが積層されて構成されている。上記基板としては、透明な導電層付フィルム基板や、透明な導電層付ガラス基板等が用いられている。上記光学用粘着剤層には、透明性、並びに被着体に対する接着力の各性能に優れていることが求められる。また、近年、静電容量式のタッチパネルの薄型化及び大型化が進んでいる。タッチパネルの薄型化や大型化に伴って、タッチパネルの応答速度を低下させないために、上記光学用粘着剤層では、上述した各性能に加えて、誘電率を低くすることも求められている。
また、上記光学用粘着剤層には、透明性が比較的高くなることから、アクリル系粘着剤が用いられることが多い。
しかし、従来、アクリル系粘着剤では、高温高湿下に晒された後に室温に戻されると、吸湿した水分が結露することによって白濁化が生じ、視認性が低下することが問題となっている。このような白濁化による視認性の低下は、画像表示装置及び入力装置においては、致命的な欠陥となる。このため、高温高湿下に晒されても白濁化することなく、上記画像表示装置や入力装置の表示画面の視認性を低下させないアクリル系粘着剤が求められている。
また、タッチパネルのカバーパネルとして、従来ガラス板が用いられてきたが、最近ではガラス板のかわりに、より安全でありかつ軽量であるポリカーボネート板及びアクリル板等の樹脂板が用いられる場合も増えてきている。このような樹脂板に粘着剤を適用した場合に、高温条件下や高温高湿条件下に晒されると、樹脂板からアウトガスを生じやすい。このアウトガスが原因となって、樹脂板と粘着剤層との界面に発泡及び剥がれが生じて、外観不良が生じることがある。そこで、高温条件下や高温高湿条件下に晒されても、発泡及び剥がれが生じないアクリル系粘着剤が求められている。
また、カバーパネルでは、周辺部に印刷による段差がある。また、透明導電基板の周辺部には、引き込み配線があり、配線部分に段差がある。上記アクリル系粘着剤には、カバーパネルや透明導電基板に対して貼り合わせるときに、上記段差に対する高い追従性が求められている。
上記光学用粘着剤層を得るために用いられるアクリル系粘着剤の一例として、下記の特許文献1には、炭素数10〜24の分岐アルキル基をエステル基の末端に有するアルキル(メタ)アクリレートを19〜99.5重量%含むモノマー成分を用いて、該モノマー成分を重合させて得られた(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤が開示されている。特許文献1では、上記粘着剤の使用により、低い誘電率を有する粘着剤層を実現することができ、かつ、接着性能を満足できることが記載されている。
下記の特許文献2には、環状構造含有モノマー25〜99.5重量%、及びエステル末端に炭素数3〜18の分岐アルキル基を有する分岐構造含有(メタ)アクリル系モノマー0.5〜70重量%を含むモノマー成分を用いて、該モノマー成分を重合させて得られた(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物が開示されている。特許文献2では、上記粘着剤組成物の使用により、優れた低い誘電率を有し、接着性能及び透明性をも満足する粘着剤層を実現できることが記載されている。
下記の特許文献3には、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体に由来する構造単位を含み、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量が粘着シートの全質量を基準として8質量%以下である画像表示装置用粘着シートが開示されている。特許文献3では、誘電率が低く、更に被着物を貼り合わせるときに、被着物の表面の凹凸を気泡なく埋め込むことができることが記載されている。
特開2012−246477号公報 WO2013/002184A1 特開2013−235089号公報
特許文献1に記載の粘着剤を用いた粘着剤層では、低誘電率化は達成できるものの、樹脂カバーパネルに貼り合わせた場合に、高温条件下や高温高湿条件下に晒されたときに、樹脂カバーパネルから発生するアウトガスにより、樹脂カバーパネルと粘着剤層の界面に発泡及び剥がれが生じる場合がある。
特許文献2に記載の粘着剤組成物を用いた粘着剤層では、低誘電率化はある程度達成できるものの、高温高湿環境下に晒されたときに、白濁化が生じることがある。
特許文献3に記載の粘着シートでは、低誘電率化はある程度達成できるものの、3.5より低い誘電率を示す粘着シートについては開示されていない。また、高温高湿下でアウトガスを発生する樹脂基板に、上記粘着シートを貼り合わせた際の信頼性についても言及されていない。
また、従来の光学用粘着剤層では、誘電率が充分に低くなるように粘着剤の組成を設計すると、樹脂カバーパネルなどの被着体に対する耐発泡性と、高温高湿環境下に晒されたときの耐白化性とを両立することは困難である。また、従来の光学用粘着剤層は、カバーパネルなどの被着体の印刷による段差や透明導電基板上の配線による段差等に対して充分に追従せず、光学用粘着剤層の段差追従性の向上が求められている。
さらに、従来の光学用粘着剤層を用いて被着体を貼り合わせた積層体では、耐衝撃性が低く、衝撃により剥離が生じやすいという問題もある。
本発明の目的は、低い誘電率を有し、高温高湿環境下に晒されても白濁化しにくく、樹脂板等の被着体と貼り合わせても高温下又は高温高湿環境下で発泡及び剥離が生じにくく、更に段差追従性にも優れる光学用粘着シートを得ることができる光学用粘着剤組成物を提供することである。また、本発明の目的は、得られる光学用粘着シートが上記の性能を有しつつ、光学用粘着シートを用いた積層体において、耐衝撃性を高めることができる光学用粘着剤組成物を提供することである。さらに、本発明は、上記光学用粘着剤組成物を用いた光学用粘着シート及び光学積層体を提供することも目的である。
本発明の広い局面によれば、炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート30重量%以上、80重量%以下と、炭素数10〜20の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート5重量%以上、50重量%以下と、N,N−ジメチルアクリルアミド5重量%以上、25重量%以下とを含むモノマー成分を用いて、前記モノマー成分を共重合させることで得られる共重合体を含む、光学用粘着剤組成物が提供される。
本発明に係る光学用粘着剤組成物のある特定の局面では、前記モノマー成分が、(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物3重量%以上、30重量%以下を含む。
本発明に係る光学用粘着剤組成物のある特定の局面では、前記モノマー成分が、前記炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとして、イソボルニルアクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートの内の少なくとも1種のモノマーを3重量%以上、30重量%以下含む。
本発明に係る光学用粘着剤組成物のある特定の局面では、前記モノマー成分が、カルボキシル基、水酸基及び環状アミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートを含まないか、又は、カルボキシル基、水酸基及び環状アミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートを10重量%以下含む。
本発明の広い局面によれば、前記光学用粘着剤組成物を用いて得られ、厚みが5μm以上、1000μm以下である粘着剤層を備える、光学用粘着シートが提供される。
本発明に係る光学用粘着シートのある特定の局面では、前記粘着剤層の周波数100kHzにおける比誘電率が3.5以下である。
本発明の広い局面によれば、上述した光学用粘着剤組成物を用いて得られる光学用粘着シートと、前記光学用粘着シートの第1の表面に積層された第1の被着体と、前記光学用粘着シートの前記第1の表面とは反対の第2の表面に積層された第2の被着体とを備え、前記第1の被着体が、カバーパネル、金属もしくは金属酸化物薄膜付フィルム、又は、タッチパネルモジュールであり、前記第2の被着体が、金属もしくは金属酸化物薄膜付フィルム、金属もしくは金属酸化物薄膜付ガラス、偏光板、タッチパネルモジュール、又は、ディスプレイパネルモジュールである、光学積層体が提供される。
本発明に係る光学積層体のある特定の局面では、前記カバーパネルが、カバーガラス、ポリカーボネート板、又は、ポリメチルメタクリレート板であり、前記第1の被着体が、前記カバーガラス、前記ポリカーボネート板、前記ポリメチルメタクリレート板、前記金属もしくは金属酸化物薄膜付フィルム、又は、前記タッチパネルモジュールである。
本発明に係る光学用粘着剤組成物は、炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート30重量%以上、80重量%以下と、炭素数10〜20の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート5重量%以上、50重量%以下と、N,N−ジメチルアクリルアミド5重量%以上、25重量%以下とを含むモノマー成分を用いて、上記モノマー成分を共重合させることで得られる共重合体を含むので、低い誘電率を有し、高温高湿環境下に晒されても白濁化しにくく、樹脂板等の被着体と貼り合わせても高温下又は高温高湿環境下で発泡及び剥離が生じにくく、更に段差追従性にも優れる光学用粘着シートを得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学積層体を備える画像表示装置を示す斜視図及びその一部の分解斜視図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを意味する。
(光学用粘着剤組成物)
本発明に係る光学用粘着剤組成物(以下、粘着剤組成物と略記することがある)は、モノマー成分を共重合させることで得られる共重合体を含む。本発明に係る粘着剤組成物では、上記モノマー成分として、(A)炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、(B)炭素数10〜20の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、(C)N,N−ジメチルアクリルアミドとを含むモノマー成分(共重合成分)を用いる。上記モノマー成分における各モノマーの含有量に関しては、上記モノマー成分は、(A)〜(C)成分を特定の含有量で含む必要がある。上記モノマー成分は、(A)炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを30重量%以上、80重量%以下で含み、(B)炭素数10〜20の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを5重量%以上、50重量%以下で含み、(C)N,N−ジメチルアクリルアミドを5重量%以上、25重量%以下で含む。
本発明に係る粘着剤組成物では、上述した特定の成分(A)〜(C)を上述した特定の含有量で含むモノマー成分を用いて、該モノマー成分を共重合させることにより得られる共重合体を含むので、1)低い誘電率を有し、2)高温高湿環境下に晒されても白濁化しにくく(耐白化性)、3)樹脂板等の被着体と貼り合わせても、高温下又は高温高湿環境下で発泡及び剥離が生じにくく(耐発泡性及び耐剥離性)、更に4)段差追従性にも優れる光学用粘着シートを得ることができる。本発明では、従来達成することが困難であった上記1)〜4)の効果を高いレベルで組み合わせて得ることができる。
本発明に係る粘着剤組成物は、光学用粘着シート(以下、粘着シートと略記することがある)を得るために好適に用いられる。上記粘着剤組成物及び上記粘着シートは、上記1)〜4)の性能を高いレベルで発現することから、光学用途に好適に用いることができる。特に、上記粘着シートは、印刷による段差があるカバーガラスや印刷による段差がある樹脂カバーパネルなどのカバーパネルや、配線による段差がある透明導電基板に対して、充分な段差追従性とアウトガスに対する耐発泡性を有する。このため、上記粘着剤組成物及び上記粘着シートは、タッチパネルに好適に用いることができる。また、本発明に係る粘着シートは、アウトガスを発生しやすい被着体の接着に好適に用いることができる。
さらに、本発明に係る粘着剤組成物は、上述した構成を備えているので、上記粘着シートを被着体に接着したときに、剥離が生じ難くなる。上記粘着シートを用いた積層体の耐衝撃性を高めることもできる。上記粘着シートを用いて被着体を貼り合わせた積層体に衝撃が加わっても、剥離を生じにくくすることができる。
以下、上記粘着剤組成物に含まれる共重合体を得るためのモノマー成分の詳細を説明する。
(A)炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート((A)成分):
(A)成分では、アルキル基の炭素数が3〜9である。(A)炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(A)成分は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
粘着シートを樹脂板に貼り付けた状態で、高温高湿下に晒されたときに、発泡及び剥がれが生じるのをより一層抑える観点からは、上記モノマー成分は、(A)炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとして、(A1)イソボルニルアクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートの内の少なくとも1種のモノマー((A1)モノマー)を含むことが好ましい。また、(A1)モノマーの使用により、ポリカーボネート板やアクリル板などの樹脂板に対する粘着シートの接着性がより一層高くなる。(A1)モノマーは、イソボルニルアクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートの内の少なくとも1種である。
上記モノマー成分100重量%中、(A)炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は30重量%以上、好ましくは40重量%以上、80重量%以下、好ましくは70重量%以下である。(A)成分の含有量が30重量%より少ないと、粘着シートの粘着力が低下する。(A)成分の含有量が好ましい上記下限以上であると、粘着シートの粘着力がより一層高くなる。(A)成分の含有量が80重量%より多いと、粘着シートの耐熱性が低下する。(A)成分の含有量が好ましい上記上限以下であると、粘着シートの耐熱性がより一層高くなる。
上記モノマー成分100重量%中、(A1)モノマーの含有量は好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。(A1)モノマーの含有量が上記下限以上であると、粘着シートを樹脂板に貼り付けた状態で、高温高湿下に晒されたときに、発泡及び剥がれが生じるのをより一層効果的に抑えることができる。(A1)モノマーの含有量が上記上限以下であると、粘着シートが室温で適度に柔らかくなり、粘着シートの段差追従性がより一層高くなる。
(B)炭素数10〜20の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート((B)成分):
(B)成分では、分岐アルキル基の炭素数が10〜20である。(B)炭素数10〜20の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミスチリル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、及びイソペンタデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(B)成分は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記モノマー成分100重量%中、(B)炭素数10〜20の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は5重量%以上、好ましくは10重量%以上、50重量%以下、好ましくは40重量%以下である。(B)成分の含有量が5重量%より少ないと、粘着シートの誘電率が低くなりにくい。(B)成分の含有量が好ましい上記下限以上であると、粘着シートの誘電率がより一層低くなる。(B)成分の含有量が50重量%より多いと、粘着シートの凝集力が低下し、かつ粘着シートの耐熱性が低くなる。(B)成分の含有量が好ましい上記上限以下であると、粘着シートの凝集力がより一層高くなり、かつ粘着シートの耐熱性がより一層高くなる。
(C)N,N−ジメチルアクリルアミド((C)成分):
本発明に係る粘着剤組成物では、(C)N,N−ジメチルアクリルアミド((C)成分)が用いられる。
上記モノマー成分100重量%中、(C)N,N−ジメチルアクリルアミドの含有量は5重量%以上、好ましくは7重量%以上、25重量%以下、好ましくは20重量%以下である。(C)成分の含有量が5重量%より少ないと、粘着シートの高温高湿環境下での耐白化性が低くなる。(C)成分の含有量が好ましい上記下限以上であると、粘着シートの高温高湿環境下での耐白化性がより一層高くなる。(C)成分の含有量が25重量%より多いと、粘着シートが室温で比較的硬くなり、粘着シートの段差追従性が低下する。(C)成分の含有量が好ましい上記上限以下であると、粘着シートが室温で適度に柔らかくなり、粘着シートの段差追従性がより一層高くなる。
(D)(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物((D)成分):
粘着シートを用いた積層体の耐衝撃性を高める観点からは、上記モノマー成分は、(D)(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物を含むことが好ましい。
(D)(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物としては、例えば、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物、並びに分子内にランダムに(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物が挙げられる。片末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物としては、例えば、エチレン−ブチレンの繰り返しユニットを有するマクロモノマー(クラレ社製「L1253」)等が挙げられる。また、片末端にエポキシ基を有するポリエチレンとメタクリル酸を反応させて得られる片末端にメタクリロイル基を有するポリエチレン等も使用できる。(D)成分は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
両末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物としては、例えば、両末端にアクリロイル基を有するポリブタジエン(日本曹達社製「TEAI−1000」及び「EA−3000」、並びに出光興産社製「BAC−45」)、並びに、両末端にメタクリロイル基を有するポリブタジエン(日本曹達社製「TE−2000」及び「EMA−300」)等が挙げられる。また、両末端にエポキシ基を有するポリプロピレンとメタクリル酸を反応させ、両末端にメタクリロイル基を有するポリプロピレン等も使用できる。
分子内にランダムに(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物としては、例えば、ポリイソプレンの無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物(クラレ社製「UC−203」)等が挙げられる。
なお、本明細書において、(D)(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物には、(A)成分及び(B)成分は含まれない。従って、(A)成分及び(B)成分はそれぞれ、(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物ではない。
上記モノマー成分100重量%中、(D)(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物の含有量は好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。(D)成分の含有量が上記下限以上であると、粘着シートを用いた積層体の耐衝撃性がより一層高くなる。(D)成分の含有量が上記上限以下であると、粘着シートの高温下での凝集力がより一層高くなり、樹脂板と貼り合わせても高温下又は高温高湿環境下で発泡及び剥離がより一層生じにくくなり、粘着シートの耐熱性がより一層高くなる。
(E)カルボキシル基、水酸基及び環状アミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレート((E)極性モノマー):
粘着シートの凝集力及び粘着力をより一層高める観点からは、上記モノマー成分は、(E)カルボキシル基、水酸基及び環状アミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレート(極性モノマーともいう)を含んでいてもよい。
粘着シートの凝集力及び粘着力をより一層高める観点からは、上記モノマー成分は、(E)極性モノマーを含まないか、又は、(E)極性モノマーを10重量%以下で含むことが好ましい。
(E)極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイル酢酸、(メタ)アクリロイルプロピオン酸、(メタ)アクリロイル酪酸、(メタ)アクリロイルペンタン酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、アリルアルコール骨格及びジエチレングリコール基を有する(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、並びに(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。(E)極性モノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記モノマー成分100重量%中、(E)カルボキシル基、水酸基及び環状アミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレート((E)極性モノマー)の含有量は好ましくは0重量%以上(未使用を含む)、好ましくは0重量%を超え、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは10重量%以下である。(E)極性モノマーの含有量が上記下限以上であると、粘着シートの凝集力及び粘着力がより一層高くなる。(E)極性モノマーの含有量が上記上限以下であると、粘着シートが適度に柔らかくなり、粘着シートの被着体に対する密着性及び段差追従性がより一層高くなる。
なお、(E)極性モノマーとして、(E1)カルボキシル基及び水酸基の内の少なくとも1種を有する(メタ)アクリレート((E1)成分)を用いる場合に、粘着シートの誘電率をより一層低くする観点からは、上記モノマー成分における(E1)成分の含有量は少ない方がよい。上記モノマー成分100重量%中、(E1)成分の含有量は、好ましくは0重量%以上(未使用を含む)、好ましくは10重量%以下である。(E1)成分の含有量が上記下限以上であると、粘着シートの凝集力及び粘着力がより一層高くなる。(E1)成分の含有量が上記上限以下であると、粘着シートの誘電率が効果的に低くなり、粘着シートが適度に柔らかくなり、粘着シートの被着体に対する密着性及び段差追従性がより一層高くなる。
他の成分:
粘着シートのガラス転移温度を調整することを目的として、上記モノマー成分は、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、スチレン、及び酢酸ビニル等を含んでいてもよい。
光学用粘着剤組成物の他の詳細:
上記共重合体は、上記モノマー成分を共重合させることで得られる。上記共重合体及び上記粘着剤組成物の製造方法としては、例えば、上記モノマー成分を重合開始剤の存在下でラジカル重合させる方法等が挙げられる。上記共重合体及び上記粘着剤組成物の製造方法として、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、及び塊状重合等の公知の製造方法を適宜選択できる。
上記溶液重合で使用可能な溶媒としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホシキド、エタノール、アセトン、及びジエチルエーテル等が挙げられる。上記溶媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記共重合体を得るために、重合開始剤を用いることができる。該重合開始剤は特に限定されず、適宜選択して用いることができる。上記重合開始剤は、熱重合開始剤であってもよく、光重合開始剤であってもよい。上記重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶液重合で使用可能な熱重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、アゾ系重合開始剤、及びパーオキサイド系重合開始剤等が挙げられる。上記熱重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アゾ系開始剤としては特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、及びアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
上記パーオキサイド系重合開始剤としては特に限定されず、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、及びt−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。
上記重合開始剤の配合量は、特に限定されず、開始剤として利用可能な範囲内であればよい。
上記粘着剤組成物は、架橋剤を含むことが好ましい。上記架橋剤の使用により、接着時に、上記共重合体を更に架橋させて、より一層高い接着力を発現させることができる。なお、上記粘着剤組成物が架橋剤を含まない場合には、上記粘着剤組成物は、架橋剤が添加されて用いられてもよい。
上記架橋剤としては特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、及び金属キレート型架橋剤等が挙げられる。
上記粘着剤組成物は、その他の公知の添加剤を含んでいてもよい。上記粘着剤組成物は、例えば、シランカップリング剤、粘着性付与剤、レベリング剤、酸化防止剤、防錆剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、及び重合禁止剤等を必要に応じて適宜含んでいてもよい。
上記粘着付与樹脂としては、例えば、キシレン樹脂、フェノール樹脂、ロジン系樹脂、及びテルペン系樹脂等が挙げられる。上記粘着付与樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、キシレン樹脂が好ましく、キシレン樹脂のアルキルフェノール反応物がより好ましい。
また、上記粘着付与樹脂としては、水素添加された樹脂が好ましく、このような水素添加された樹脂を用いることで、粘着シートの透明性が高まる。
上記粘着剤組成物は、シランカップリング剤を更に含むことが好ましい。通常、金属又はITO等の金属酸化物により形成された金属薄膜が被着体である場合に、アクリル系粘着剤を用いると、高温高湿下において金属又は金属酸化物薄膜から粘着シートが剥離しやすくなる場合がある。上記粘着剤組成物がシランカップリング剤を含むことにより、粘着シートの被着体に対する密着性がより一層高くなる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトブチルトリメトキシシラン、及びγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。上記シランカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、エポキシ基を有するシランカップリング剤が好ましい。
上記粘着剤組成物において、上記記共重合体100重量部に対して、上記シランカップリング剤の含有量は好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。上記シランカップリング剤の含有量が上記下限以上であると、粘着シートの被着体に対する密着性がより一層高くなって、剥離がより一層生じ難くなる。上記シランカップリング剤の含有量が上記上限以下であると、離型紙又は離型フィルムを粘着シートから容易に剥離することができ、剥離後に粘着シートの表面荒れがより一層生じにくくなる。
上記粘着剤組成物を調製する方法としては、例えば、上記共重合体、及び、必要に応じて添加する上記架橋剤、上記粘着付与樹脂、上記シランカップリング剤やその他の添加剤、溶媒等を混合し、攪拌する方法が挙げられる。
(光学用粘着シート)
本発明に係る光学用粘着シートは、上述した光学用粘着剤組成物を用いて得られ、粘着剤層を備える。
本発明に係る光学用粘着シートは、基材シートを有さないノンサポートタイプであってもよいし、基材シートの両側の表面上に粘着シートが配置されたサポートタイプであってもよい。ノンサポートタイプの粘着シートでは、粘着シート自体が粘着剤層である。サポートタイプの粘着シートは、基材シートと、該基材シートの第1の表面上に配置された第1の粘着剤層と、上記基材シートの上記第1の表面とは反対の第2の表面上に配置された第2の粘着剤層とを備えることが好ましい。
上記基材シートは、透明性を有することが好ましい。上記基材シートとしては、特に限定されず、例えば、アクリル化合物、オレフィン化合物、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、及びポリイミド等により形成されたシート、網目状の構造を有するシート、及び孔が開けられたシート等が挙げられる。
上記粘着剤層の厚みは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは300μm以下である。上記粘着シートの厚みが上記下限以上であると、粘着シートの被着体に対する粘着力が充分に高くなる。上記粘着シートの厚みが上記上限以下であると、粘着シートの取扱性が高くなる。上記粘着剤層の厚みは、上記第1,第2の粘着剤層などの複数の粘着剤層を備えるサポートタイプの粘着シートでは、全ての粘着剤層の合計の厚みを示す。
上記基材シートの厚みは、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。上記基材シートの厚みが上記下限以上であると、粘着シートの強度が高くなって、破れにくくなり、取扱性がより一層高くなる。上記基材シートの厚みが上記上限以下であると、基材シート部分の硬さの影響が小さくなり、粘着シートの段差追従性がより一層高くなる。
上記粘着シートを製造する方法は特に限定されない。ノンサポートタイプの粘着シートを製造する方法としては、例えば、上記溶液重合により得られた粘着剤組成物を離型シートの離型処理面に塗工することによって塗膜を形成し、乾燥により溶媒を除去し、得られた塗膜の上に、離型処理面が塗膜に接するようにして新たに用意した離型紙又は離型フィルムを重ね合わせて積層体を得た後、得られた積層体をゴムローラー等により加圧する方法等が挙げられる。上記離型シートは特に限定されない。上記離型シートは離型紙であってもよく、離型樹脂シートであってもよい。
上記粘着剤組成物の塗工方法として、従来公知の方法を用いることができる。上記粘着剤組成物の塗工方法としては、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、リップコーター、カーテンコーター、及びスリットダイコーター等を用いる方法が挙げられる。
上記粘着シートの製造方法として、上記共重合体の原料となる上記モノマー成分を、塊状重合によってラジカル重合させ、上記共重合体を製造するのと同時にシート化まで行う方法も好適である。重合熱の除去がしやすく、反応制御がしやすいことから、上記塊状重合は、光重合であることが好ましい。
上記粘着シートの製造方法の好ましい例としては、以下の方法が挙げられる。上記モノマー成分に光重合開始剤又は熱重合開始剤を混合した混合物を用いて、紫外線照射や加熱等によりモノマー成分を部分的に重合させ、塗工に適した粘度まで増粘させて、ポリマー前駆体を得る。このポリマー前駆体に、必要に応じて光重合開始剤、架橋剤、添加剤等を添加し、混合し、ポリマー前駆体組成物を得る。このポリマー前駆体組成物を、一方の面が離型処理された透明な合成樹脂フィルムの離型処理面に塗工して、ポリマー前駆体組成物層を形成する。このポリマー前駆体組成物層上に、一方の面が離型処理された別の透明な合成樹脂フィルムの離型処理面を重ね合わせる。合成樹脂フィルムを介して、上記ポリマー前駆体組成物層に紫外線照射等の光照射を行うことにより、上記ポリマー前駆体をラジカル重合させ、光学用粘着シートを形成する。
なお、上記透明な合成樹脂フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、及びポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
上記粘着シートを光重合によって製造する場合には、重合と同時に架橋構造を形成することを目的として、上記ポリマー前駆体組成物が、上記架橋剤として、重合性官能基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、及びポリエステルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ポリマー前駆体組成物が上記多官能(メタ)アクリレートを含む場合に、上記ポリマー前駆体100重量部に対して、上記多官能(メタ)アクリレートの含有量は、好ましくは0.02重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。上記多官能(メタ)アクリレートの含有量が上記下限以上であると、上記共重合体の架橋が充分に進行し、粘着シートの凝集力がより一層高くなって、粘着シートの加工性がより一層高くなる。上記多官能(メタ)アクリレートの配合量が上記上限以下であると、粘着シートの被着体に対する粘着力及び初期接着性がより一層高くなり、光学積層体の信頼性がより一層高くなる。
上記ポリマー前駆体組成物に使用可能な光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(メルク社製「ダロキュア2959」)等のケトン系光重合開始剤、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチル−アセトフェノン(メルク社製「ダロキュア1173」)、メトキシアセトフェン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェン(チバガイギー社製「イルガキュア651」)、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン(チバガイギー社製「イルガキュア184」)等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンジルジメチルケタール等のケタール系光重合開始剤、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、並びにアシルホスフォナート等が挙げられる。
上記ポリマー前駆体組成物が上記光重合開始剤を含む場合に、上記ポリマー前駆体100重量部に対して、上記光重合開始剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.03重量部以上、好ましくは5重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記光重合開始剤の含有量が上記下限以上であると、上記ポリマー前駆体が充分に重合し、粘着シートの凝集力がより一層高くなる。上記光重合開始剤の含有量が上記上限以下であると、光照射時にラジカル発生量が適度になり、光重合後のポリマーの数平均分子量が適度に高くなり、粘着シートのゲル分率が適度に高くなり、粘着シートを樹脂カバーパネル等の被着体に貼り合わせた際に、高温下又は高温高湿下で、粘着シートとカバーパネルの界面に、アウトガスによる発泡がより一層生じにくくなる。
光照射に用いられるランプとしては、例えば、波長400nm以下に発光分布を有するランプ等が挙げられる。
上記波長400nm以下に発光分布を有するランプとしては、例えば、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウエーブ励起水銀ランプ、及びメタルハライドランプ等が挙げられる。なかでも、上記光重合開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光するとともに、上記ポリマー前駆体組成物層に含まれる上記光重合開始剤以外の成分の光吸収が少なく、上記ポリマー前駆体組成物層の内部にまで光が充分に到達して、上記ポリマー前駆体組成物層を効果的に重合させることができることから、ケミカルランプが好ましい。
光照射における光照射強度は、上記ポリマー前駆体組成物層の重合度を左右する因子であることから、目的とする光照射後のポリマーの重合度や、粘着シートの性能等に応じて、適宜調整される。例えば、上記光重合開始剤としてアセトフェノン系光重合開始剤を用いる場合には、上記アセトフェノン系光重合開始剤の光分解に有効な波長領域の光照射強度は、好ましくは0.1mW/cm以上、好ましくは100mW/cm以下である。なお、上記アセトフェノン系光重合開始剤の光分解に有効な波長領域は、光重合開始剤によって異なるが、通常、365nm〜420nm程度である。
上記共重合体の重量平均分子量は好ましくは40万以上、より好ましくは60万以上、好ましくは250万以下、より好ましくは200万以下である。上記重量平均分子量が上記下限以上であると、粘着シートの凝集力がより一層高くなり、粘着シートをカバーパネル等の被着体に貼り合わせた際に、高温下又は高温高湿下で、粘着シートと被着体との界面に、アウトガスによる発泡がより一層生じにくくなる。上記重量平均分子量が上記上限以下であると、粘着シートの粘着力がより一層高くなる。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されるポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
本発明に係る光学用粘着シートは、上記粘着剤組成物を用いて得られ、粘着剤層を備える。本発明に係る光学用粘着シートは、低誘電率であり、樹脂板に貼り付けた状態で高温高湿条件下に晒されても、発泡や剥がれが生じにくく、高温高湿下に曝された後にでも白化しにくく、段差追従性にも優れている。
上記粘着剤層の周波数100kHzの比誘電率は好ましくは3.5以下、より好ましくは3以下である。上記比誘電率が上記上限以下であると、粘着シートをディスプレイパネル等の被着体に貼り付けた場合に、静電容量が小さくなり、信号に時間遅れが生じ難くなり、センシング感度の低下が抑えられる。
上記粘着シートの用途は、光学用途であれば特に限定されない。上記粘着シートは、携帯電話、スマートフォン、パソコン、電子ペーパー、タブレット型パーソナルコンピューター及びゲーム機等の等の画像表示装置を製造する際に、表面を保護するためのカバーパネルとタッチパネルモジュールとを接着したり、カバーパネルとディスプレイパネルモジュールとを接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするのに好適に用いることができる。上記粘着シートはこれら以外の光学用途にも適用可能である。
(光学積層体)
本発明に係る光学積層体は、上記光学用粘着シートと、上記光学用粘着シートの第1の表面に積層された第1の被着体と、上記光学用粘着シートの上記第1の表面とは反対の第2の表面に積層された第2の被着体とを備える。上記第1の被着体が、カバーパネル、金属もしくは金属酸化物薄膜付フィルム、又は、タッチパネルモジュールであることが好ましい。上記第2の被着体が、金属もしくは金属酸化物薄膜付フィルム、金属もしくは金属酸化物薄膜付ガラス、偏光板、タッチパネルモジュール、又は、ディスプレイパネルモジュールであることが好ましい。
上記カバーパネルが、カバーガラス、ポリカーボネート板、又は、ポリメチルメタクリレート板であり、上記第1の被着体が、上記カバーガラス、上記ポリカーボネート板、上記ポリメチルメタクリレート板、上記金属もしくは金属酸化物薄膜付フィルム、又は、上記タッチパネルモジュールであることが好ましい。
上記光学積層体の具体例としては、光学用粘着シートを介してカバーパネルとタッチパネルモジュールとが接着されたカバーパネル−タッチパネルモジュール積層体や、光学用粘着シートを介してカバーパネルとディスプレイパネルモジュールとが接着されたカバーパネル−ディスプレイパネルモジュール積層体や、光学用粘着シートを介してタッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとが接着されたタッチパネルモジュール−ディスプレイパネルモジュール積層体等が挙げられる。上記カバーパネルとしては、ガラス板や樹脂板が好適に用いられる。上記光学用粘着シートは、カバーパネルがポリカーボネート板又はアクリル板である場合に特に好適である。
また、上記光学用粘着シートを介して金属又は金属酸化物により形成された透明電極層付フィルムの2つが積層された透明電極層付フィルム積層体も、光学用積層体として好ましい。
上記光学積層体と画像表示部とを備える画像表示装置に、上記光学積層体は好適に用いられる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学積層体を含む画像表示装置1を示す斜視図及びその一部の分解斜視図である。
図1に示す画像表示装置1は、表面を保護するためのカバーパネル3が、タッチパネルモジュール4上に、光学用粘着シート2を介して貼り合わされた構造を有する。タッチパネルモジュール4は、金属薄膜付フィルム6と、光学用粘着シート7と、金属薄膜付フィルム6と、光学用粘着シート7と、支持体8とがこの順で積層された構造を有する。光学用粘着シート2と、金属薄膜付フィルム6と、光学用粘着シート7と、金属薄膜付フィルム6とがこの順で積層された部分は、金属薄膜付フィルム積層体9である。この金属薄膜付フィルム積層体9と、光学用粘着シート7と、支持体8とがこの順で積層された部分は、タッチパネルモジュール10である。
図1において、上記タッチパネルモジュールは、光学用粘着シート7を介してディスプレイパネルモジュールに貼り合わされるが、その際には、タッチパネルモジュールから支持体8を剥離した状態で貼り合わされる。
上記画像表示装置1としては、携帯電話、及び携帯情報端末等が挙げられる。上記支持体8としては、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)共重合体の製造
温度計、攪拌機及び冷却管を備えた反応器を用意した。この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート57.3重量%、イソボルニルアクリレート10重量%、イソステアリルアクリレート20重量%、N,N−ジメチルアクリルアミド12重量%、アクリル酸0.2重量%、及び4−ヒドロキシブチルアクリレート0.5重量%のモノマー成分と、このモノマー成分(共重合成分)の合計100重量%に対して酢酸エチル90重量%とを加えた。次に、反応器内に窒素ガスを30分間吹き込んで、窒素置換した。その後、反応器内を70℃に加熱した。30分加熱した後、重合開始剤であるt−ヘキシルパーオキシピバレート0.12重量%を酢酸エチル10重量%で希釈した重合開始剤溶液を、上記反応器内に5時間かけて滴下添加した(モノマー100重量%に対する重合開始剤の使用量は0.12重量%)。重合開始剤の添加開始から8時間、70℃で反応させて、共重合体固形分が50重量%である共重合体溶液を得た。
(2)光学用粘着積層シートの製造
得られた共重合体溶液に、共重合体固形分100重量%に対して、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体(三菱化学社製「マイテックNY260A」)を固形分換算で1.5重量%、シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製「KBM−403」)を固形分換算で0.5重量%となるように添加し、攪拌して、粘着剤組成物を調製した。
得られた粘着剤組成物を、離型ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの離型処理面上に塗工し、100℃で10分間乾燥することにより酢酸エチルを除去して、厚み100μmの光学用粘着シート(粘着剤層)を形成した。
さらに、得られた粘着剤シートの上に、新たに用意した離型PETフィルムを、離型処理面が粘着剤シートに接するように重ね合わせて、積層体を得た。得られた積層体をゴムローラーにより加圧することにより、粘着シートの両面に離型PETフィルムが貼り付けられた光学用粘着積層シート(光学用粘着シートの厚み100μm)を得た。
(実施例2〜7及び比較例1〜3)
共重合体を構成するモノマー成分の種類及び配合量、並びに架橋剤の配合量を下記の表1のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物及び光学用粘着積層シートを得た。
なお、表1におけるイソシアネート化合物(架橋剤)の量は、イソシアネート化合物(架橋剤)の固形分での重量%を示す。
(実施例8)
(1)共重合体の製造
攪拌機及び冷却管を備えたガラス反応器を用意した。この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート40重量%、n−ブチルアクリレート15重量%、イソボルニルアクリレート10重量%、イソステアリルアクリレート20重量%、N,N−ジメチルアクリルアミド12重量%、及びN−ビニル−2−ピロリドン3重量%のモノマー成分(共重合成分)と、このモノマー成分(共重合成分)の合計100重量%に対して光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバガイギー社製「イルガキュア651」)0.05重量%とを加え、モノマー混合物を作製した。次に、反応器内に窒素ガスを30分間吹き込んで、窒素置換した。その後、窒素フロー下でモノマー混合物を攪拌しながら、モノマー混合物に低圧水銀ランプで紫外線を数分間照射し、部分的に重合させて粘度約3,000mPa・sのポリマー前駆体を得た。
ポリマー前駆体100重量%に対して、2官能アクリレートである1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.05重量%と、シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製「KBM−403」)0.5重量%とを添加し、攪拌してポリマー前駆体組成物を得た。
(2)光学用粘着積層シートの製造
得られたポリマー前駆体組成物を、離型ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの離型処理面上に、得られる粘着シートの厚みが100μmになるように塗工し、ポリマー前駆体組成物層を形成した。別の離型PETフィルムを、離型処理面がポリマー前駆体組成物層に接するように重ね合わせて、ポリマー前駆体組成物層が離型PETフィルムで挟まれた積層体を得た。得られた積層体の一方の離型PETフィルム側から、350nm付近に最大のスペクトル出力を有する紫外線を、5mW/cmの強度で5分間照射し、さらに50mW/cmの強度で2分間照射し、光学用粘着シート(粘着剤層)の両面に離型PETフィルムが貼り付けられた光学用粘着積層シート(粘着剤層の厚み100μm)を得た。
(実施例9〜13及び比較例4)
共重合体を構成するモノマーの種類及び配合量、2官能アクリレートの配合量を下記の表1のように変更したこと以外は実施例8と同様にして、共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液を用いたこと以外は実施例8と同様にして、ポリマー前駆体組成物及び光学用粘着積層シートを得た。
(評価)
得られた光学用粘着積層シートを用いて、光学用粘着シートについて、下記の評価項目について、評価を行った。
(1)比誘電率
得られた光学用粘着積層シート(粘着シートの厚み100μm)を30mm×30mmの平面形状を有するように裁断した。次に、粘着積層シートの一方の離型PETフィルムを剥離し、剥離面を銅箔(厚み50μm)に貼り合わせた。更に、粘着積層シートの他方の離型PETフィルムを剥離し、剥離面を銅箔(厚み50μm)に貼り合わせた。このようにして、粘着シートの両面に銅箔を貼り付けた積層サンプルを得た。
インピーダンスアナライザ(東陽テクニカ社製、SI1260型)を用いて、得られた積層サンプルを、円形電極の間に挟み込んだ。この状態で、JISK6911に準じて、23℃、50%RHの測定環境下で、粘着シート(粘着剤層)の周波数100kHzでの比誘電率を測定した。
(2)耐白化性(高温高湿試験後のΔヘイズ値)
得られた光学用粘着積層シートを40mm×60mmの平面形状を有するように裁断し、粘着積層シートの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、剥離面を透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm)上に貼り合わせた。更に、粘着積層シートの他方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、剥離面をスライドガラス(MATSUNAMI社製「S−1214」)に貼り合わせて、試験片を得た。
得られた試験片を85℃及び85%RHの高温高湿下に放置した。放置開始前及び240時間放置後の試験片のヘイズ値(%)を、ヘイズメーター(東京電色社製、全自動ヘイズメーターTC−HIIIDPK)を用いて測定し、下記式によりΔヘイズ値を算出した。
Δヘイズ値(%)=(240時間放置後のヘイズ値(%))−(放置開始前のヘイズ値(%))
(3)段差追従性
粘着剤層の厚みが10μmの基材レス粘着シートに、厚み10μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、総厚みが20μmである段差テープを作製した。得られた段差テープを50mm×50mmのサイズにカットし、中心部分に30mm×40mmの穴を開けた矩形テープを作製した。得られた矩形テープを厚さ1mmのガラス板上に貼り付けて、20μmの段差付ガラス基板を得た。
得られた光学粘着積層シートを50mm×50mmの平面形状を有するように裁断し、粘着積層シートの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、剥離面を厚さ75μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム上に貼り合わせた。更に、粘着積層シートの他方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、剥離面を上記段差付ガラス基板の段差テープを貼り付けた面に室温環境下で貼り付けた。オートクレーブ処理(0.5MPa、23℃、15分間)を行った後、段差部分を顕微鏡にて観察して、段差のエッジ部分からの光学用粘着シートの剥離が観察される距離(剥離長さ)を測定した。段差追従性を下記の基準で判定した。
[段差追従性の判定基準]
○:剥離長さが50μm未満
△:剥離長さが50μm以上、200μm未満
×:剥離長さが200μm以上
(4)耐発泡性
得られた光学用粘着積層シートを45mm×60mmの平面形状を有するように裁断し、粘着積層シートの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、剥離面を、ITO層付ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ0.125mm、非晶質ITO膜、積水ナノコートテクノロジー社製)のITO面上に貼り合わせた。更に、粘着積層シートの他方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、剥離面をポリカーボネート板(厚さ1mmの)上に貼り合わせて試験片を得た。
得られた試験片を23℃及び0.5MPaのオートクレーブにて15分間処理した後、85℃及び85%RHの高温高湿下に240時間静置した。接着界面における気泡の発生状態を目視により観察した。耐発泡性を下記の基準で判定した。なお、0.01mm以上の大きさの気泡が少ないほど、剥がれが抑えられることを確認した。
[耐発泡性の判定基準]
○:0.01mm以上の大きさの気泡が全く観察されなない
△:0.01mm以上の大きさの気泡が1つの試験サンプル当たり1〜5個観察される
×:0.01mm以上の大きさの気泡が1つの試験サンプル当たり6個以上観察される
(5)耐衝撃性
以下のような代用評価で耐衝撃性の評価を行った。
得られた光学用粘着積層シートを45mm×60mmの矩形に裁断し、中心部分に41×56mmの穴を開けた幅2mmの矩形テープを作製した。得られた矩形テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、剥離面を、穴が開いたポリカーボネート板(35mm×50mmの長方形、厚さ2mm)上の穴の周辺に2kgローラーで貼り付けた。矩形テープの他方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、この剥離面上にガラス板(50mm×75mmの長方形、厚み4mm)を室温環境下で貼り付け、試験体を得た。
オートクレーブ処理(0.4MPa、23℃及び1時間)を行った後、23℃及び50%RH下で24時間放置し、試験体を、ガラス板を下側にして、ガラス板の下に空間ができるよう水平に固定した。ポリカーボネート板側(上方)から、中央の穴の箇所の中心に高さを変えて200gの鉄球を落下させ、ガラス板がポリカーボネート板から剥離して脱落した際の落球高さ(ガラス板の表面から鉄球の底点までの距離)を記録した。落球高さが大きいほど、耐衝撃性が良好である。
耐衝撃性を下記の基準で判定した。
[耐衝撃性の判定基準]
○:ガラス板が剥がれるまでの落球高さが10cm以上
△:ガラス板が剥がれるまでの落球高さが5cm以上、10cm未満
×:ガラス板が剥がれるまでの落球高さが5cm未満
組成及び結果を下記の表1に示す。
Figure 2015157913
1…画像表示装置
2…光学用粘着シート
3…カバーパネル
4…タッチパネルモジュール
5…ディスプレイパネルモジュール
6…金属薄膜付フィルム
7…光学用粘着シート
8…支持体
9…金属薄膜付フィルム積層体
10…タッチパネルモジュール

Claims (8)

  1. 炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート30重量%以上、80重量%以下と、
    炭素数10〜20の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート5重量%以上、50重量%以下と、
    N,N−ジメチルアクリルアミド5重量%以上、25重量%以下と
    を含むモノマー成分を用いて、
    前記モノマー成分を共重合させることで得られる共重合体を含む、光学用粘着剤組成物。
  2. 前記モノマー成分が、(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン化合物3重量%以上、30重量%以下を含む、請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
  3. 前記モノマー成分が、前記炭素数3〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとして、イソボルニルアクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートの内の少なくとも1種のモノマーを3重量%以上、30重量%以下含む、請求項1又は2に記載の光学用粘着剤組成物。
  4. 前記モノマー成分が、カルボキシル基、水酸基及び環状アミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートを含まないか、又は、カルボキシル基、水酸基及び環状アミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートを10重量%以下含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物を用いて得られ、
    厚みが5μm以上、1000μm以下である粘着剤層を備える、光学用粘着シート。
  6. 前記粘着剤層の周波数100kHzにおける比誘電率が3.5以下である、請求項5に記載の光学用粘着シート。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物を用いて得られる光学用粘着シートと、
    前記光学用粘着シートの第1の表面に積層された第1の被着体と、
    前記光学用粘着シートの前記第1の表面とは反対の第2の表面に積層された第2の被着体と
    を備え、
    前記第1の被着体が、カバーパネル、金属もしくは金属酸化物薄膜付フィルム、又は、タッチパネルモジュールであり、
    前記第2の被着体が、金属もしくは金属酸化物薄膜付フィルム、金属もしくは金属酸化物薄膜付ガラス、偏光板、タッチパネルモジュール、又は、ディスプレイパネルモジュールである、光学積層体。
  8. 前記カバーパネルが、カバーガラス、ポリカーボネート板、又は、ポリメチルメタクリレート板であり、
    前記第1の被着体が、前記カバーガラス、前記ポリカーボネート板、前記ポリメチルメタクリレート板、前記金属もしくは金属酸化物薄膜付フィルム、又は、前記タッチパネルモジュールである、請求項7に記載の光学積層体。
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