この発明は、半導体集積回路および半導体物理量センサ装置に関する。
従来、物理量センサの出力特性を調整する手法として、レーザートリミング手法が公知である。従来のレーザートリミング手法には、トリミング後のアセンブリ工程で物理量センサの出力特性に変動が生じても再調整ができないという欠点がある。
そのため、近年、アセンブリ工程終了後に物理量センサの出力特性を調整可能な電気的トリミング手法が用いられている。しかしながら、電気的トリミングでは、トリミングデータの入出力や、EPROMへのデータ書込み等のために多数の制御端子を必要とする。そのため、ワイヤボンディング数が増えるなどの要因により製造コストが増大するという問題がある。
そこで、このような問題を解消した装置として、抵抗分圧とバイポーラトランジスタとを用いて端子の動作閾値電圧を複数個設けることにより端子数を削減し、少ない端子数で電気的トリミングをおこなう装置が提案されている(例えば、下記特許文献7参照)。
また、別の装置として、EPROMを記憶装置として用いた装置であって、EPROMを含む記憶回路にデータを書込むための電圧を供給する1または2個の書込み端子のうちの一つが外部クロックの入力端子を兼ねることによって端子数を削減した装置が提案されている(例えば、下記特許文献6参照)。
また、下記特許文献6では、EPROMの書込み端子から供給される書込み電圧を変圧し異なる書込み電圧を発生させる変圧回路を設けることによって、さらに2個の書込み端子を共通化し端子数を削減することが提案されている。また、CMOSプロセスで半導体物理量センサ装置を製造可能な下記特許文献6に関して、外部クロック入力端子(5.0V以下)と高電圧(20V程度)を必要とする書込み端子とが共通化されている。そして、信号判別手段(回路)を用いて、入力される電圧の大きさによって、記憶回路への書込み電圧であるか外部クロックであるかが判別されている。
そのため、下記特許文献6を適用する場合、この信号判別手段の回路は高耐圧のCMOS素子等で構成する必要がある。また、出力電圧を発生させる回路として、低電圧かつ低消費電力の負荷において負荷電流が素子のリーク電流に対応するような小さな値になっても出力トランジスタの特性のばらつきに影響されることなく、安定な出力電圧を発生させることができる安定化電源回路が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
また、別の回路として、回路電流がバックゲートとソースとの間に介挿された抵抗により制限され、所定の値以上に増加することが無いCMOS型のトランジスタを用いるため、短絡状態においても絶縁破壊を防止する電源回路が提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。
また、別の回路として、一部に昇圧型のスイッチング電源回路を含んで構成される電源回路が提案されている(例えば、下記特許文献3参照)。また、別の回路として、補正点が多くて高精度の出力電圧が得られる回路面積の小さな内部電圧発生回路および定電位発生回路の出力が一時的に低下しても再び内部電圧が確実に発生される内部電圧発生回路が提案されている(例えば、下記特許文献4参照)。
また、別の回路として、電圧供給回路が、電源昇圧部と、前記電源昇圧部によって生成された電圧を電源電圧として動作し、センサにバイアス電圧を供給する増幅器と、前記増幅器に対する帰還抵抗部を有し、該帰還抵抗部の抵抗値が前記センサのバイアス電圧の設定値に応じて決定される出力電圧設定回路とを有する装置が提案されている(例えば、下記特許文献5参照)。下記特許文献5では、センサ装置、例えばコンデンサマイクユニットごとに感度にばらつきが生じてしまう場合に、その感度を調整することができる。
特開2000−194431号公報
特許第3068540号公報
特許第3480389号公報
特開2001−242949号公報
特開2006−191359号公報
特開2003−302301号公報
特開平6−29555号公報
しかしながら、上記特許文献6では、書込み端子から供給される書込み電圧を変圧し、異なる書込み電圧を発生させる変圧回路について具体的な回路例が開示されていない。図10は、従来の半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。図10は、EPROMを主メモリ回路とした半導体物理量センサ装置であり、上記特許文献6の図10に相当する。変圧回路18aは、上記特許文献6の図10に符号118で示される変圧回路に相当し、書込み電圧1を変圧することにより書込み電圧2を生成するが、上記特許文献6にはその具体的な回路図は示されていない。また、上記特許文献6の図10では、書込み電圧1と書込み電圧2との伝送線は1本の矢印で示されている。
この半導体物理量センサ装置5は、動作選択回路11、補助メモリ回路12、主メモリ回路13、調整回路14、ホイートストンブリッジなどのセンサ素子15、増幅回路16、信号判別手段17、変圧回路18aおよび第1から第5までの5個の端子21〜25を備えている。また、上記特許文献6には、補助メモリ回路12および主メモリ回路13についても具体的な回路例は示されていない。
主メモリ回路13を構成する図示しないEPROMにデータを書込むためには、まず、コントロールゲートに20V程度の電圧(書込み電圧1)を印加した状態で、ソース−ドレイン間に10V程度の電圧(書込み電圧2)を印加する。そして、ソース−ドレイン間に電流を流し、ドレイン−ゲート間に生じた電界によってフローティングゲートに電荷がトラップされる必要がある。
一般的にEPROMへの書込みでは、書込み時の素子へのダメージを防止し、コントロールゲートへの電荷注入量をほぼ一定にする(書込み電圧を一定にする)ために、書込み電圧および書込み回数は、一定の値とすることが望ましい。よって、上述した書込み電圧1および書込み電圧2は一定にする必要がある。
また、EPROMへの書込みは、1ビットごとにおこなうのではなく、全ビット同時にもしくは、いくつかのブロックごとにおこなうことが一般的である。全ビット同時にもしくはあるブロック内のEPROMに同時に書込む場合、各EPROMのドレインと書込み電圧2との間にスイッチを設ける。そして、書込むビットのスイッチはONさせてソース−ドレイン間に電流が流れるようにする。一方、書込まないビットのスイッチはOFFさせてソース−ドレイン間に電流が流れないようにする。
そのブロック内の書込むビットと書込まないビットの割合は調整値(トリミング条件)によって異なる。そのため、一回の書込みで同時に電流が流れるEPROMの数は一定とはならない。よって、例えば、書込み電圧1から抵抗分割(分圧)によって書込み電圧2を作った場合は、電流の流れるEPROMの数によって負荷(抵抗値)が変わる。そして、抵抗分割に用いる抵抗との合成抵抗が変わってしまうため、書込み電圧2を一定に保つことができない。
書込み電圧2を一定に保つためには、書込み電圧1から書込み電圧2を作る際の変圧回路18aの負荷依存性が少ないことが必要となる。すなわち、変圧回路18aは主メモリ回路13を構成するEPROMの導通数に依存しないようにする必要がある。
また、上記特許文献1〜3では、その電源回路を半導体物理量センサ装置に適用することについては記載がない。また、上記特許文献4,5では、抵抗分圧回路の抵抗値を変えることにより、出力電圧を変える電源回路については記載されているが、出力電圧(書込み電圧2)を複数のEPROMの書込み電圧に使用することについては記載されていない。
また、上記特許文献7では、バイポーラトランジスタとCMOSプロセスで作製するEPROMとが混在するため、BiCMOSプロセスが必要になる。そのため、CMOSのみのプロセスよりも工程増となり、コスト増を招くという問題点がある。また、上記特許文献6の場合は、CMOSプロセスのみで製造可能であるが、信号判別手段の回路は高耐圧のCMOS素子等で構成する必要があるため、素子サイズが増大し、回路面積が増大するという問題点がある。
また、書込み端子のような高電圧端子にZD(ツェナーダイオード)等のESD(Electro−Static Discharge)保護素子を設ける場合は、ZDを複数個直列接続する必要があり、低電圧の信号端子よりも保護素子の面積が大きくなるという問題点がある。
また、高電圧端子と低電圧端子とを共通化した場合でも、共通化された端子は高電圧端子と同じ保護素子が必要となるため、面積削減効果は面積の小さい低耐圧端子の保護素子分を削除することができるだけである。したがって、上記特許文献6では、高耐圧の信号判別回路の追加による面積増により、端子の共通化による面積削減効果は低く、大幅なコストダウンが見込めないという問題点がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、電気的トリミングにおいて、主メモリ回路を構成するEPROMの書込み電圧を一定にすることができる低コストの半導体集積回路および半導体物理量センサ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体集積回路は、次の特徴を有する。直列ディジタルデータを入力するデータ入力端子と、接地電位を供給する接地端子と、電源電圧を供給する電源端子と、前記データ入力端子から入力されたトリミングデータを一時的に記憶する補助メモリ回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータを電気的な再書込み動作によって記憶する再書込み可能な読み出し専用の主メモリ回路と、外部クロックを入力するか、または前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上の第1の書込み電圧を供給する書込み端子と、前記書込み端子から入力された第1の書込み電圧に基づいて、前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上で、かつ前記第1の書込み電圧を前記主メモリ回路の抵抗との分圧により第2の書込み電圧を生成して前記主メモリ回路に供給する可変抵抗回路と、前記書込み端子に印加された電圧が外部クロックであるかまたは第1の書込み電圧であるかを判別し、前記補助メモリ回路に外部クロックを供給し、前記主メモリ回路に第1の書込み電圧を供給する信号判別手段と、を具備する。そして、前記補助メモリ回路は、複数のフリップフロップをカスケード接続したシフトレジスタで構成される。前記主メモリ回路は、前記各フリップフロップに対応して、第1のスイッチと当該第1のスイッチに直列接続し前記第1の書込み電圧で駆動するEPROMとからなる第1の直列回路を備える。前記可変抵抗回路は、前記各フリップフロップに対応して、第2のスイッチと当該第2のスイッチに直列接続する抵抗とからなる第2の直列回路を備える。複数の前記第1の直列回路と複数の前記第2の直列回路とが直列接続されている。前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記第1のスイッチがONする数と同数の前記第2のスイッチがONする。
また、この発明にかかる半導体集積回路は、上述した発明において、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチがpチャネル型MOSFETからなる。また、前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第1の直列回路の前記第1のスイッチのON/OFFを制御し、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第2の直列回路の前記第2のスイッチのON/OFFを制御することを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体集積回路は、次の特徴を有する。直列ディジタルデータを入力するデータ入力端子と、接地電位を供給する接地端子と、電源電圧を供給する電源端子と、前記データ入力端子から入力されたトリミングデータを一時的に記憶する補助メモリ回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータを電気的な再書込み動作によって記憶する再書込み可能な読み出し専用の主メモリ回路と、外部クロックを入力するか、または前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上の第1の書込み電圧を供給する書込み端子と、前記書込み端子から入力された第1の書込み電圧に基づいて、前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上で、かつ前記第1の書込み電圧を前記主メモリ回路の抵抗との分圧により第2の書込み電圧を生成して前記主メモリ回路に供給する定抵抗回路と、前記書込み端子に印加された電圧が外部クロックであるかまたは第1の書込み電圧であるかを判別し、前記補助メモリ回路に外部クロックを供給し、前記主メモリ回路に第1の書込み電圧を供給する信号判別手段と、を具備する。そして、前記補助メモリ回路は、複数のフリップフロップをカスケード接続したシフトレジスタで構成される。前記主メモリ回路は、前記各フリップフロップに対応して、第1のスイッチと当該第1のスイッチに直列接続し前記第1の書込み電圧で駆動するEPROMとからなる第1の直列回路と、前記各フリップフロップに対応して、第2のスイッチと当該第2のスイッチと直列接続する抵抗とからなる第2の直列回路と、を備える。複数の前記第1の直列回路と複数の前記第2の直列回路とは並列接続されている。かつ、複数の前記第1の直列回路および複数の前記第2の直列回路と前記定抵抗回路とが直列接続されている。前記第1の書込み電圧が印加された際に、同じ前記フリップフロップに対応する前記第1の直列回路と前記第2の直列回路において、前記第1のスイッチがONのとき前記第2のスイッチがOFFとなり、前記第1のスイッチがOFFのとき前記第2のスイッチがONとなる。
また、この発明にかかる半導体集積回路は、上述した発明において、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチがpチャネル型MOSFETからなる。また、前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第1の直列回路の前記第1のスイッチのON/OFFを制御し、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第2の直列回路の前記第2のスイッチのON/OFFを制御することを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体物理量センサ装置は、次の特徴を有する。検知した物理量に応じた電気信号を生成するセンサ素子と、前記センサ素子により生成された電気信号を外部へ出力する出力端子と、前記センサ素子の出力特性を調整するためのトリミングデータとなる直列ディジタルデータを入力するデータ入力端子と、接地電位を供給する接地端子と、電源電圧を供給する電源端子と、前記データ入力端子から入力されたトリミングデータを一時的に記憶する補助メモリ回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータを電気的な再書込み動作によって記憶する再書込み可能な読み出し専用の主メモリ回路と、外部クロックを入力するか、または前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上の第1の書込み電圧を供給する書込み端子と、前記書込み端子から入力された第1の書込み電圧に基づいて、前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上で、かつ前記第1の書込み電圧を前記主メモリ回路の抵抗との分圧により第2の書込み電圧を生成して前記主メモリ回路に供給する可変抵抗回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたディジタルデータの一部に基づいて前記補助メモリ回路および前記主メモリ回路の動作を制御する動作選択回路と、前記書込み端子に印加された電圧が外部クロックであるかまたは第1の書込み電圧であるかを判別し、前記補助メモリ回路に外部クロックを供給し、前記主メモリ回路に第1の書込み電圧を供給する信号判別手段と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータ、または前記主メモリ回路に記憶されたトリミングデータに基づいて前記センサ素子の出力特性を調整する調整回路と、を具備する。そして、前記補助メモリ回路は、複数のフリップフロップをカスケード接続したシフトレジスタで構成される。前記主メモリ回路は、前記各フリップフロップに対応して、第1のスイッチと当該第1のスイッチに直列接続し前記第1の書込み電圧で駆動するEPROMとからなる第1の直列回路を備える。前記可変抵抗回路は、前記各フリップフロップに対応して、第2のスイッチと当該第2のスイッチに直列接続する抵抗とからなる第2の直列回路を備える。複数の前記第1の直列回路と複数の前記第2の直列回路とが直列接続されている。前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記第1のスイッチがONする数と同数の前記第2のスイッチがONする。
また、この発明にかかる半導体物理量センサ装置は、上述した発明において、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチがpチャネル型MOSFETからなる。また、前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第1の直列回路の前記第1のスイッチのON/OFFを制御し、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第2の直列回路の前記第2のスイッチのON/OFFを制御することを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体物理量センサ装置は、次の特徴を有する。検知した物理量に応じた電気信号を生成するセンサ素子と、前記センサ素子により生成された電気信号を外部へ出力する出力端子と、前記センサ素子の出力特性を調整するためのトリミングデータとなる直列ディジタルデータを入力するデータ入力端子と、接地電位を供給する接地端子と、電源電圧を供給する電源端子と、前記データ入力端子から入力されたトリミングデータを一時的に記憶する補助メモリ回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータを電気的な再書込み動作によって記憶する再書込み可能な読み出し専用の主メモリ回路と、外部クロックを入力するか、または前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上の第1の書込み電圧を供給する書込み端子と、前記書込み端子から入力された第1の書込み電圧に基づいて、前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上で、かつ前記第1の書込み電圧を前記主メモリ回路の抵抗との分圧により第2の書込み電圧を生成して前記主メモリ回路に供給する定抵抗回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたディジタルデータの一部に基づいて前記補助メモリ回路および前記主メモリ回路の動作を制御する動作選択回路と、前記書込み端子に印加された電圧が外部クロックであるかまたは第1の書込み電圧であるかを判別し、前記補助メモリ回路に外部クロックを供給し、前記主メモリ回路に第1の書込み電圧を供給する信号判別手段と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータ、または前記主メモリ回路に記憶されたトリミングデータに基づいて前記センサ素子の出力特性を調整する調整回路と、を具備する。そして、前記補助メモリ回路は、複数のフリップフロップをカスケード接続したシフトレジスタで構成される。前記主メモリ回路は、前記各フリップフロップに対応して、第1のスイッチと当該第1のスイッチに直列接続し前記第1の書込み電圧で駆動するEPROMとからなる第1の直列回路と、前記各フリップフロップに対応して、第2のスイッチと当該第2のスイッチと直列接続する抵抗とからなる第2の直列回路と、を備える。複数の前記第1の直列回路と複数の前記第2の直列回路とが並列接続されている。かつ、複数の前記第1の直列回路および複数の前記第2の直列回路と前記定抵抗回路とが直列接続されている。前記第1の書込み電圧が印加された際に、同じ前記フリップフロップに対応する前記第1の直列回路と前記第2の直列回路とにおいて、前記第1のスイッチがONのとき前記第2のスイッチがOFFとなり、前記第1のスイッチがOFFのとき前記第2のスイッチがONとなる。
また、この発明にかかる半導体物理量センサ装置は、上述した発明において、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチがpチャネル型MOSFETからなる。また、前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第1の直列回路の前記第1のスイッチのON/OFFを制御し、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第2の直列回路の前記第2のスイッチのON/OFFを制御することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体物理量センサ装置は、上述した発明において、同一半導体チップ上に形成され、CMOS製造プロセスにより製造される能動素子および受動素子のみで構成されることを特徴とする。
上述した発明によれば、第1の書込み電圧と第2の書込み電圧との端子を共通化した場合でも、EPROMへの書込み時の電圧を一定にして電気的トリミングが可能となる。また、上述した発明によれば、第1の書込み電圧と第2の書込み電圧との端子を共通化することができるので、製造コストを低減することができる。
本発明にかかる半導体集積回路および半導体物理量センサ装置によれば、主メモリ回路を構成するEPROMへの書込み電圧を一定にして電気的トリミングをおこなうことができる低コストの半導体集積回路および半導体物理量センサ装置を提供することができるという効果を奏する。
図1は、この発明の実施の形態1にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。
図2は、図1のメモリ回路の要部を示す回路図である。
図3は、図1の可変抵抗回路を詳細に示す回路図である。
図4は、この発明の実施の形態2にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。
図5は、図4のメモリ回路の要部を示す回路図である。
図6は、この発明の実施の形態3にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。
図7は、図6の変圧回路を詳細に示す回路図である。
図8は、この発明の実施の形態4にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。
図9は、図8の変圧回路を詳細に示す回路図である。
図10は、従来の半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体集積回路および半導体物理量センサ装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。ここで説明する半導体物理量センサ装置の具体例は、車載用の半導体圧力センサなどである。しかし、半導体物理量センサ装置に関わらず他のアナログ回路の調整用にEPROMを備えた半導体集積回路であれば同様に適用可能でありまた同様の効果を奏する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図中の符号は従来と同一部位には同一の符号を付した。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。図1の本発明の実施の形態1にかかる半導体物理量センサ装置1が図10の従来の半導体物理量センサ装置5と異なるのは、従来の半導体物理量センサ装置5の変圧回路18aを可変抵抗回路19に置き換えた点である。
図1に示すように、半導体物理量センサ装置1は、動作選択回路11、補助メモリ回路12、主メモリ回路13、調整回路14、ホイートストンブリッジなどのセンサ素子15、増幅回路16、信号判別手段17、可変抵抗回路19および第1から第5までの5個の端子21〜25を備えている。
第1端子21は、半導体物理量センサ装置1の接地電位を供給する接地端子(GND端子)である。第2端子22は、半導体物理量センサ装置1の電源電圧を供給する電源端子(Vcc端子)である。第3端子23は、直列ディジタルデータ(シリアルデータ)の入出力をおこなう端子(DS端子)である。第4端子24は、半導体物理量センサ装置1の信号を外部へ出力する出力端子(Vout端子)である。第5端子25は、第2端子22に印加される電源電圧よりも高い電圧を供給する書込み端子である。また、第5端子25は、外部クロックを入力する端子を兼ねる(CG/CLK端子)。
センサ素子15は、検知した物理量に応じた電気信号を生成する。補助メモリ回路12は、外部クロック(CLK)に基づく動作タイミングで、外部から供給された直列ディジタルデータを内部で使用するために並列ディジタルデータ(パラレルデータ)に変換する。また、補助メモリ回路12は、内部で使用している並列ディジタルデータを外部へ出力するために直列ディジタルデータに変換する。また、補助メモリ回路12は、動作選択回路11に制御データを供給する。すなわち、補助メモリ回路12はDS端子23から入力されたトリミングデータを一時的に記憶する機能を有する。
主メモリ回路13は、第5端子25の印加電圧に応じて、補助メモリ回路12から供給された並列ディジタルデータよりなるトリミングデータをEPROMで記憶する。すなわち、主メモリ回路13は、補助メモリ回路12に記憶されたトリミングデータを電気的な再書込み動作によって記憶する再書込み可能な読み出し専用のEPROMなどのメモリ回路である。
動作選択回路11は、補助メモリ回路12から供給された制御データに基づいて、補助メモリ回路12および主メモリ回路13にデータの入出力を制御する信号を供給する。すなわち、動作選択回路11は、補助メモリ回路12に記憶されたディジタルデータの一部に基づいて、補助メモリ回路12および主メモリ回路13の動作を制御する機能を有する。
増幅回路16は、センサ素子15の出力信号を増幅し、それを第4端子24を介して外部へ出力する。調整回路14は、補助メモリ回路12または主メモリ回路13から供給されたトリミングデータに基づいて、センサ素子15に対して温度特性を考慮した感度調整をおこない、また増幅回路16に対して温度特性を考慮したオフセット調整をおこなう。すなわち、調整回路14は、補助メモリ回路12に記憶されたトリミングデータ、または主メモリ回路13に記憶されたトリミングデータに基づいて、センサ素子15の出力特性を調整する。
信号判別手段17は、第5端子25に印加された電圧が、外部から供給されたクロックのものであるのか、主メモリ回路13にトリミングデータを書込むための書込み電圧であるのかを判別する。そして、信号判別手段17は、判別した結果、外部クロックである場合には、そのクロックを補助メモリ回路12に供給する。
可変抵抗回路19は、第5端子25の電圧である書込み電圧1と書込み電圧1を分圧した書込み電圧(第2の書込み電圧)2とを主メモリ回路13に供給する。すなわち、可変抵抗回路19は、書込み端子から入力された書込み電圧1に基づいて、主メモリ回路13にデータを書込むための、電源電圧以上で、かつ書込み電圧1を分圧した書込み電圧2を生成して主メモリ回路13に供給する機能を有する。主メモリ回路13は、0V〜5Vの「1」または「0」の信号であるクロックに比べてはるかに高い書込み電圧が供給されたときにデータの書込み動作を行う。このため、第5端子25を介して主メモリ回路13に外部クロックが入力されたとしても、主メモリ回路13は書込み動作を行わない。
図2は、図1のメモリ回路の要部を示す回路図である。メモリ回路には、図1に示す主メモリ回路13および補助メモリ回路12が含まれる。図2は、おもに主メモリ回路13にデータを書込む際の回路構成について示している。また、図3は、図1の可変抵抗回路を詳細に示す回路図である。補助メモリ回路12は、複数のフリップフロップがカスケード接続されたシフトレジスタと、各Dフリップフロップの出力Q0〜Qnがそれぞれ入力され、当該出力Q0〜QnをスイッチSWa(0)〜SWa(n)へそれぞれ反転させて出力する複数の反転回路とで構成される。補助メモリ回路12を構成するフリップフロップは、例えばDフリップフロップとしてもよい。
この反転回路は、スイッチSWa(0)〜SWa(n)であるpチャネルMOSFETを駆動するために必要となる。フリップフロップの出力Q0〜Qnが「H」のとき、反転回路から「L」が反転出力されてスイッチSWa(0)〜SWa(n)がONする。フリップフロップの出力Q0〜Qnが「L」のときにスイッチSWa(0)〜SWa(n)をONする構成とする場合には、反転回路を設けない構成とするか、フリップフロップの出力Q0〜QnとスイッチSWa(0)〜SWa(n)との間にさらに反転回路を追加した構成とすることになる。
主メモリ回路13は、補助メモリ回路12の各フリップフロップの出力Q0〜Qnに基づいてON/OFFするスイッチSWa(0)〜SWa(n)と、それらのスイッチSWa(0)〜SWa(n)にそれぞれ直列に接続され、書込み電圧1が印加されることにより書込みがおこなわれるEPROM(0)〜EPROM(n)とで構成される。
補助メモリ回路12の出力は、反転回路を介して主メモリ回路13と図3で示す可変抵抗回路19とに入力される。可変抵抗回路19については後述する。図2に示すメモリ回路においては、DS端子からデータが入力され、CG/CLK端子からクロック信号が入力されることでシフトレジスタからなる補助メモリ回路12にデータが入力される。シフトレジスタ内の各フリップフロップの出力Q0〜Qnに基づいて、スイッチSWa(0)〜SWa(n)がON/OFFする。例えば、出力Q1が“H”のときは、スイッチSWa(1)のゲート電圧は“L(0V)”となるため、スイッチSWa(1)はONする。逆にQ1が“L”のときは、スイッチSWa(1)のゲート電圧は“H(5V)”となるため、スイッチSWa(1)はOFFする。
このようにシフトレジスタにデータが入った状態で、書込み電圧1および書込み電圧2が主メモリ回路13に印加されると、EPROM(0)〜EPROM(n)のうち、スイッチSWa(0)〜SWa(n)がONしているビットのEPROMに電流が流れる。そして、書込み電圧1による電界によって、SWa(0)〜SWa(n)がONしているビットのEPROMのフローティングゲートに電荷がトラップされる。
フローティングゲートに電荷がトラップされたEPROMでは、閾値電圧が上がる。EPROMに書込まれたデータを読み出す際のEPROMのコントロールゲートに印加される電圧は、例えば、電源電圧を分圧して作成する4V程度の電圧となるように設定されている。このため、コントロールゲートに電荷がトラップされていないEPROMは、コントロールゲートに4V程度の電圧がかかるだけでON状態になる。一方、フローティングゲートに電荷がトラップされているEPROMは、閾値電圧が上がっているために4V程度の電圧ではONせずにOFF状態となっている。また、EPROM(0)〜EPROM(n)に書込まれたデータを読み出す際は、スイッチSWa(0)〜SWa(n)の全てがOFF状態となるように制御される(図示せず)。
これにより、各EPROM(0)〜EPROM(n)のドレイン電圧Data(0)〜Data(n)は、GND電位またはフローティング電位となる。このドレイン電圧Data(0)〜Data(n)をそれぞれ電源電圧(5V)に抵抗でプルアップすることによって(図示せず)、ドレイン電圧Data(0)〜Data(n)は0Vまたは5Vに固定される。
これらのドレイン電圧Data(0)〜Data(n)の値が調整回路14に入力され、センサ素子15および増幅回路16の特性が調整される。図3に示すように、可変抵抗回路19は、補助メモリ回路12の各フリップフロップの出力Q0〜Qnに対応してON/OFFするスイッチSWb(0)〜SWb(n)と、スイッチSWb(0)〜SWb(n)にそれぞれ直列接続する抵抗Ra(0)〜Ra(n)から構成される。図3に示す補助メモリ回路12は、図2に示す補助メモリ回路12である。
可変抵抗回路19には、主メモリ回路13の全ビット数の抵抗Ra(0)〜Ra(n)を設けるか、またはEPROM(0)〜EPROM(n)のうち同時に書込みを実施するEPROMに対応するビット数分の抵抗Ra(0)〜Ra(n)を設ける。このような各抵抗Ra(0)〜Ra(n)に対応して直列にそれぞれスイッチSWb(0)〜SWb(n)が設けられている。こうすることで、主メモリ回路13の各ビットに対応する補助メモリ回路12の各フリップフロップの出力Q0〜Qnが「H」となるビット数分、すなわち主メモリ回路13の書込むEPROM(0)〜EPROM(n)と同数のスイッチSWb(0)〜SWb(n)がONするようになる。
これにより、書込み電圧2はNビット分に書込む場合には、NビットのEPROMのON抵抗値(1個のEPROMのON抵抗値の1/N)および可変抵抗回路19のON抵抗値(1個の抵抗の抵抗値の1/N)で分圧されるため、N数がいくつであっても、同じ割合(1個のEPROMのON抵抗値と1個の抵抗の抵抗値の割合)で分圧されることとなる。これによって、書込み電圧2は、書込むビット数に関係なく(トリミング条件に依存せず)、一定となる。
ここで、書込み電圧1と書込み電圧2との関係について説明する。尚、書込み電圧2とGND電位との間の抵抗値をRx、書込み電圧1と書込み電圧2との間の抵抗値をRyとする。例えば、図2の主メモリ回路13内の3ビット分のEPROM(0)〜EPROM(2)に「1」を書込む場合、補助メモリ回路12の出力Q0〜Qnのうち3つの出力Q0〜Q2によって、主メモリ回路13に設けた3ビット分のスイッチSWa(0)〜SWa(2)がONする。
このとき、1ビット分のEPROM(m)およびスイッチSWa(m)の直列抵抗値をαとした場合(m=0,1,・・・,n)、主メモリ回路13の合成抵抗値は、直列抵抗値αが3個並列接続されるためα/3となり、書込み電圧2とGND電位との間の抵抗値Rxは、α/3となる。
一方、書込み電圧1と書込み電圧2との間に設けた図3の可変抵抗回路19内のスイッチSWb(0)〜SWb(n)も補助メモリ回路12の出力に応じて、3ビット分のスイッチSWb(0)〜SWb(2)がONするようになる。1ビット分のスイッチSWb(m)と抵抗Ra(m)との直列抵抗値をβとすると(m=0,1,・・・,n)、可変抵抗回路19の合成抵抗値はβ/3となり、書込み電圧1と書込み電圧2との間の抵抗値Ryは、β/3となる。このとき、書込み電圧2は、下記(1)式の通りである。
書込み電圧2=Rx/(Rx+Ry)×書込み電圧1
=(α/3)/{(α/3)+(β/3)}×書込み電圧1
=α/(α+β)×書込み電圧1 ・・・(1)
主メモリ回路13内の5ビット分のEPROM(0)〜EPROM(4)に「1」を書込む場合には、書込み電圧2は、下記(2)式となり、上記(1)式に示す3ビット分のEPROM(0)〜EPROM(2)に「1」を書込む場合と同じになる。
Rx/(Rx+Ry)=(α/5)/{(α/5)+(β/5)}=α/(α+β) ・・・(2)
このように、書込むビット数によって変わる主メモリ回路13の合成抵抗値に合わせて可変抵抗値を変えることによって、書込むビット数に関係なく、下記(3)式のように書込み電圧2を一定にすることができる。
書込み電圧2=α/(α+β)×書込み電圧1 ・・・(3)
このとき、α=βとすれば、書込み電圧2は書込み電圧1の半分になり、α=2βとすれば、書込み電圧2を書込み電圧1の2/3とすることができる。
すなわち、書込み電圧2は、1ビット分のEPROM(m)およびスイッチSWa(m)の直列抵抗値αと、1ビット分のスイッチSWb(m)および抵抗Ra(m)の直列抵抗値βとの関係により任意の電圧にすることができる。前記のように、書込み電圧1と書込み電圧2との端子を共通化した場合でも電気的トリミングにおいて、主メモリ回路を構成するEPROM(0)〜EPROM(n)の書込み電圧を一定にすることができる。
また、書込み電圧1と書込み電圧2との端子を共通化したため、端子数が減少し、さらに、同一半導体チップ上にCMOS製造プロセスにより能動素子および受動素子を製造することができるので、製造コストを低減することができる。
本発明は、半導体物理量センサ装置1に関わらず他のアナログ回路の調整用にEPROMを備えた半導体集積回路であれば同様に適用可能でありまた同様の効果を奏することができるものである。したがって、実施の形態1によれば、上述したように補助メモリ回路12、主メモリ回路13、信号判別手段17、可変抵抗回路19、GND端子21、Vcc端子22、DS端子23、CG/CLK端子25を備えていることで、主メモリ回路を構成するEPROMの書込み電圧を一定にすることができる安価な半導体集積回路および半導体物理量センサ装置を提供することができる。
(実施の形態2)
図4は、この発明の実施の形態2にかかる半導体物理量センサ装置2の構成を示すブロック図である。図4の本発明の実施の形態2にかかる半導体物理量センサ装置2が図10の従来の半導体物理量センサ装置5と異なるのは、従来の半導体物理量センサ装置5の変圧回路18aを定抵抗20に代えて、主メモリ回路13を図5のような回路構成とした点である。
図4に示すように、半導体物理量センサ装置2は、動作選択回路11、補助メモリ回路12、主メモリ回路13、調整回路14、ホイートストンブリッジなどのセンサ素子15、増幅回路16、信号判別手段17、定抵抗20および第1から第5までの5個の端子21〜25を備えている。
図5は、図4のメモリ回路の要部を示す回路図である。メモリ回路には、主メモリ回路13および補助メモリ回路12が含まれる。主メモリ回路13は、図2のスイッチSWa(m)とEPROM(m)との直列接続回路(第1の直列回路)に、スイッチSWc(m)と抵抗Rb(m)との直列接続回路(第2の直列回路)を並列接続した構成である(m=0,1,・・・,n)。スイッチSWc(0)〜SWc(n)は、補助メモリ回路12のフリップフロップの出力Q0〜Qnに対応してON/OFFする。スイッチSWa(0)〜SW(n)は、補助メモリ回路12の出力Q0〜Qnを反転回路で反転した出力に対応してON/OFFする。そのため、スイッチSWa(m)がON状態のときに、スイッチSWc(m)はOFF状態となり、スイッチSWa(m)がOFF状態のときに、スイッチSWc(m)はON状態になる。フリップフロップの出力Q0〜Qnが「L」のときにスイッチSWa(0)〜SWa(n)をONする場合は、実施の形態1と同様に、補助メモリ回路12に反転回路を設けない構成とするか、さらに反転回路を追加した構成とすることになる。このときスイッチSWc(0)〜SWc(n)に入力されるフリップフロップの出力Q0〜Qnは反転させるために、フリップフロップの出力Q0〜QnとスイッチSWc(0)〜SWc(n)との間にそれぞれ反転回路を追加することになる。
主メモリ回路13の全ビットにスイッチSWc(0)〜SWc(n)および抵抗Rb(0)〜Rb(n)が設けられ、これらは各ビットに対応している。スイッチSWa(m)とスイッチSWc(m)とは同サイズのMOSFETで構成されており、また抵抗Rb(m)の抵抗値とEPROM(m)のON抵抗値とが同じになるようにしてある。スイッチSWa(m)とスイッチSWc(m)とはシフトレジスタからなる補助メモリ回路12内の各ビット(各フリップフロップ)の出力Qm(m=0,1,・・・,n)によって、スイッチSWa(m)とスイッチSWc(m)とのどちらか一方のスイッチが必ずONするように制御される。
これによって、主メモリ回路13の各ビットの書込み電圧2とGND電圧との間の抵抗値はスイッチSWa(0)〜SWa(n)がONとなった場合でもスイッチSWc(0)〜SWc(n)がONとなった場合でも同じになる。これにより、書込み電圧2は書込むビット数に関係なく、全ビット分のEPROM(0)〜EPROM(n)のON抵抗値の合成抵抗値と同等の抵抗値となる主メモリ回路13と定抵抗20とによって分圧されるため、同じ割合で分圧されることとなる。これによって、書込み電圧2は書込むビット数に関係なく、一定となる。
書込み電圧2が書込むビット数に関係なく一定となることについて、さらに説明する。ここで、書込み電圧1と書込み電圧2との関係について説明する。尚、書込み電圧2とGND電位との間の抵抗値をRx、書込み電圧1と書込み電圧2との間の抵抗値をRyとする。
図5の主メモリ回路のビット数を、例えば、10とする。また、スイッチSWa(m)とEPROM(m)との直列抵抗値をγとし、スイッチSWc(m)と抵抗Rb(m)との直列抵抗値もγとなるようにする。但し、抵抗Rb(0)〜Rb(n)は、半導体基板上に絶縁膜を介して形成されるポリシリコン抵抗やMOSFETを抵抗として使うものなどが考えられるが、EPROM(m)と同じ大きさのMOSFETを抵抗Rb(m)として使うことが望ましい。このような構成とすることにより、EPROM(m)と抵抗Rb(m)との抵抗値を容易に同じにすることができる。
3ビット分のEPROM(0)〜EPROM(2)に「1」を書込みたい場合、3ビット分のスイッチSWa(0)〜SWa(2)がONし、7ビット分のスイッチSWc(0)〜SWc(6)がONする。このとき、主メモリ回路13の合成抵抗値は、スイッチSWa(0)〜SWa(2)がONしている3ビット分の合成抵抗値γ/3とスイッチSWc(0)〜SWc(6)がONしている7ビット分の合成抵抗値γ/7との合成抵抗値となるので、Rx=γ/10となる。
5ビット分のEPROM(0)〜EPROM(4)に「1」を書込む場合もRx=γ/10となり、3ビット分のEPROM(0)〜EPROM(2)に「1」を書込む場合と同じになる。よって、書込むEPROM(0)〜EPROM(n)のビット数に関係なく、Rxは一定となり、書込み電圧2は下記(4)式のようになる。
書込み電圧2=Rx/(Rx+Ry)×書込み電圧1 ・・・(4)
上記(4)式のように、ビット数に関係なくRx=γ/10で一定となる。このため、Ryが定抵抗の場合でも、書込み電圧2は、常に書込み電圧1のRx/(Rx+Ry)倍となり、一定となる。
このとき、Rx=Ryとすれば、書込み電圧2は書込み電圧1の半分になり、Rx=3×Ryとすれば、書込み電圧2は書込み電圧1の3/4倍とすることができる。
すなわち、書込みのビット数に関係なく、書込み電圧2はRxとRyの関係により任意の一定電圧にすることができる。また、書込み電圧1と書込み電圧2との書込み端子を共通化したため、端子数が減少し、さらに、同一半導体チップ上にCMOS製造プロセスにより能動素子および受動素子を製造できるので、製造コストを低減することができる。
本発明は、半導体物理量センサ装置に関わらず他のアナログ回路の調整用にEPROMを備えた半導体集積回路であれば同様に適用可能でありまた同様の効果を奏することができるものである。したがって、実施の形態2によれば、上述したように補助メモリ回路12、主メモリ回路13、信号判別手段17、定抵抗20、GND端子21、Vcc端子22、DS端子23、CG/CLK端子25を備えていることで実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図6は、この発明の実施の形態3にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。図6の本発明の実施の形態3にかかる半導体物理量センサ装置3が図10の従来の半導体物理量センサ装置5と異なるのは、従来の半導体物理量センサ装置5の変圧回路18aの回路構成を、図7の変圧回路18の回路構成に代えた点である。主メモリ回路13の構成は、実施の形態1の主メモリ回路と同様である。
図6の半導体物理量センサ装置3は、例えば、動作選択回路11、補助メモリ回路12、主メモリ回路13、調整回路14、ホイートストンブリッジなどのセンサ素子15、増幅回路16、信号判別手段17、変圧回路18および第1から第5までの5個の端子21〜25を備えている。
主メモリ回路13にEPROM(0)〜EPROM(n)を用い、補助メモリ回路12にシフトレジスタを用いた場合の書込み動作について説明する。尚、図6の主メモリ回路13および補助メモリ回路12を含むメモリ回路は図2に示すメモリ回路と同じである。
前記したように、DS端子からデータが入力されCG/CLK端子からクロック信号が入力されることでシフトレジスタからなる補助メモリ回路12にデータが入力される。シフトレジスタ内の各フリップフロップの出力Q0〜Qnに応じて、スイッチSWa(0)〜SWa(n)がON/OFFする。例えば、出力Q1が「H」のときは、スイッチSWa(1)のゲート電圧は「L(0V)」となるため、スイッチSWa(1)はONする。逆にQ1が「L」のときは、スイッチSWa(1)のゲート電圧は「H(5V)」となるため、スイッチSWa(1)はOFFする。フリップフロップの出力Q0〜Qnが「L」のときスイッチSWa(0)〜SWa(n)をONする場合は、補助メモリ回路12に反転回路を設けない構成とするまたはさらに反転回路を追加した構成とすることになる。
このようにシフトレジスタにデータが入った状態で、書込み電圧1および書込み電圧2が主メモリ回路13に印加されると、EPROM(0)〜EPROM(n)のうち、スイッチSWa(0)〜SWa(n)がONしているビットのEPROMに電流が流れる。そして、書込み電圧1による電界によって、スイッチSWa(0)〜SWa(n)がONしているビットのEPROMのフローティングゲートに電荷がトラップされる。
フローティングゲートに電荷がトラップされたEPROMでは、閾値電圧が上がる。EPROMに書込まれたデータを読み出す際のCG端子に印加されるEPROMコントロールゲートへの印加電圧は、電源電圧を分圧して形成した、例えば4V程度の電圧となるように設定されている。このため、コントロールゲートに電荷がトラップされていないEPROMは、コントロールゲートに4V程度の電圧がかかるだけでON状態になる。一方、フローティングゲートに電荷がトラップされているEPROMは、閾値電圧が上がっているために4V程度の電圧ではONせずにOFF状態となっている。EPROM(0)〜EPROM(n)に書込まれたデータを読み出す際は、スイッチSWa(0)〜SWa(n)の全てがOFF状態となるように制御される(図示せず)。
これにより、各EPROM(0)〜EPROM(n)のドレイン電圧Data(0)〜Data(n)は、GND電位またはフローティング電位となる。このドレイン電圧Data(0)〜Data(n)をそれぞれ電源電圧(5V)に抵抗でプルアップすることによって、ドレイン電圧Data(0)〜Data(n)は0Vまたは5Vに固定される(図示せず)。
これらのドレイン電圧Data(0)〜Data(n)の値が調整回路14に入力され、センサ素子15および増幅回路16に特性が調整される。図7は、図6の変圧回路を詳細に示す回路図である。図7には、書込み電圧1から書込み電圧2を作るための図6の変圧回路18の構成を示す。
図7において、書込み電圧1と書込み電圧2との間にMOSFETを設ける。書込み電圧2設定用抵抗Rc(1),Rc(2)で分圧された書込み電圧2(=Rc(1)/(Rc(1)+Rc(2))×書込み電圧2)を増幅回路の非反転入力端子に入力し、電源電圧VCC(不図示)から作られる内部基準電圧VREFを増幅回路の反転入力端子に入力する。増幅回路の出力を書込み電圧1と書込み電圧2との間に設けたMOSFETに入力する。これによって、書込み電圧2が下記(5)式となるように、MOSFETのゲート電圧が決まる。
書込み電圧2=(Rc(2)+Rc(1))/Rc(1)×VREF ・・・(5)
この変圧回路18を用いた場合、EPROM(0)〜EPROM(n)の書込みビット数が変わることにより書込み電圧2の負荷抵抗が変化した場合でも、書込み電圧2が所定の電圧になるようにMOSFETのゲート電圧が変わることによってMOSFETのON抵抗が変わる。
よって、EPROM(0)〜EPROM(n)の書込みビット数が変わった場合でも、書込み電圧2は所定の電圧になる。したがって、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
図8は、この発明の実施の形態4にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。図8の本発明の実施の形態4にかかる半導体物理量センサ装置4が図10の従来の半導体物理量センサ装置5と異なるのは、従来の半導体物理量センサ装置5の変圧回路18aの回路構成を、図9の変圧回路18の回路構成に代えた点である。主メモリ回路13の構成は、実施の形態1の主メモリ回路と同様である。
この半導体物理量センサ装置4は、動作選択回路11、補助メモリ回路12、主メモリ回路13、調整回路14、ホイートストンブリッジなどのセンサ素子15、増幅回路16、信号判別手段17、変圧回路18および第1から第5までの5個の端子21〜25を備えている。
図9は、図8の変圧回路18を詳細に示す回路図である。図9には、書込み電圧1から書込み電圧2を作るための図8の変圧回路18の構成を示す。変圧回路18内の増幅回路の正転入力端子への入力電圧を、書込み電圧2設定用抵抗Rd(1)〜Rd(4)の分割位置を、2個以上から選択できるように、スイッチSWd(1)〜SWd(3)を設け、そのスイッチSWd(1)〜SWd(3)のON/OFFを補助メモリ回路12の出力に応じて、選択可能とすることによって、複数の書込み電圧を設定することが可能となる。
以上の実施の形態1〜4において、スイッチSWa(m)、スイッチSWb(m)およびスイッチSWc(m)は全てpチャネル型MOSFETで示したが、少なくとも一部をnチャネル型MOSやpチャネル型MOSFETとnチャネル型MOSFETからなるトランスミッションゲートなど他の構成としてもよい。この場合、反転回路は必要に応じて設ける。例えば、スイッチSWa(m)、スイッチSWb(m)およびスイッチSWc(m)の全てをpチャネル型MOSFETの代わりにnチャネル型MOSFETを用いる場合を考える。この場合、図2および図3で示したメモリ回路および可変抵抗回路19では、シフトレジスタとスイッチSWa(m)、およびシフトレジスタとスイッチSWb(m)との間に反転回路を設けないまたはさらに反転回路を追加して設ける構成とすることで達成することができる。また、図5で示したメモリ回路では、シフトレジスタとスイッチSWa(m)との間に反転回路を設けないまたはさらに反転回路を追加して設け、シフトレジスタとスイッチSWc(m)との間に反転回路を挿入することで達成することができる。
以上のように、本発明にかかる半導体集積回路は、メモリ回路を備えた半導体集積回路に関し、特に、EPROMを用いた電気的トリミングにより、アナログ回路の特性を調整する構成を備えた半導体集積回路に有用である。また、本発明にかかる半導体物理量センサ装置は、EPROMを用いた電気的トリミングにより、自動車用、医療用または産業用などの各種装置等に用いる圧力センサや加速度センサなど半導体物理量センサの感度調整や温度特性調整、オフセット調整をおこなう半導体物理量センサ装置に有用である。
1,2,3,4,5 半導体物理量センサ装置
11 動作選択回路
12 補助メモリ回路
13 主メモリ回路
14 調整回路
15 センサ素子
16 増幅回路
17 信号判別手段
18 変圧回路
19 可変抵抗回路
20 定抵抗
この発明は、半導体集積回路および半導体物理量センサ装置に関する。
従来、物理量センサの出力特性を調整する手法として、レーザートリミング手法が公知である。従来のレーザートリミング手法には、トリミング後のアセンブリ工程で物理量センサの出力特性に変動が生じても再調整ができないという欠点がある。
そのため、近年、アセンブリ工程終了後に物理量センサの出力特性を調整可能な電気的トリミング手法が用いられている。しかしながら、電気的トリミングでは、トリミングデータの入出力や、EPROMへのデータ書込み等のために多数の制御端子を必要とする。そのため、ワイヤボンディング数が増えるなどの要因により製造コストが増大するという問題がある。
そこで、このような問題を解消した装置として、抵抗分圧とバイポーラトランジスタとを用いて端子の動作閾値電圧を複数個設けることにより端子数を削減し、少ない端子数で電気的トリミングをおこなう装置が提案されている(例えば、下記特許文献7参照)。
また、別の装置として、EPROMを記憶装置として用いた装置であって、EPROMを含む記憶回路にデータを書込むための電圧を供給する1または2個の書込み端子のうちの一つが外部クロックの入力端子を兼ねることによって端子数を削減した装置が提案されている(例えば、下記特許文献6参照)。
また、下記特許文献6では、EPROMの書込み端子から供給される書込み電圧を変圧し異なる書込み電圧を発生させる変圧回路を設けることによって、さらに2個の書込み端子を共通化し端子数を削減することが提案されている。また、CMOSプロセスで半導体物理量センサ装置を製造可能な下記特許文献6に関して、外部クロック入力端子(5.0V以下)と高電圧(20V程度)を必要とする書込み端子とが共通化されている。そして、信号判別手段(回路)を用いて、入力される電圧の大きさによって、記憶回路への書込み電圧であるか外部クロックであるかが判別されている。
そのため、下記特許文献6を適用する場合、この信号判別手段の回路は高耐圧のCMOS素子等で構成する必要がある。また、出力電圧を発生させる回路として、低電圧かつ低消費電力の負荷において負荷電流が素子のリーク電流に対応するような小さな値になっても出力トランジスタの特性のばらつきに影響されることなく、安定な出力電圧を発生させることができる安定化電源回路が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
また、別の回路として、回路電流がバックゲートとソースとの間に介挿された抵抗により制限され、所定の値以上に増加することが無いCMOS型のトランジスタを用いるため、短絡状態においても絶縁破壊を防止する電源回路が提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。
また、別の回路として、一部に昇圧型のスイッチング電源回路を含んで構成される電源回路が提案されている(例えば、下記特許文献3参照)。また、別の回路として、補正点が多くて高精度の出力電圧が得られる回路面積の小さな内部電圧発生回路および定電位発生回路の出力が一時的に低下しても再び内部電圧が確実に発生される内部電圧発生回路が提案されている(例えば、下記特許文献4参照)。
また、別の回路として、電圧供給回路が、電源昇圧部と、前記電源昇圧部によって生成された電圧を電源電圧として動作し、センサにバイアス電圧を供給する増幅器と、前記増幅器に対する帰還抵抗部を有し、該帰還抵抗部の抵抗値が前記センサのバイアス電圧の設定値に応じて決定される出力電圧設定回路とを有する装置が提案されている(例えば、下記特許文献5参照)。下記特許文献5では、センサ装置、例えばコンデンサマイクユニットごとに感度にばらつきが生じてしまう場合に、その感度を調整することができる。
特開2000−194431号公報
特許第3068540号公報
特許第3480389号公報
特開2001−242949号公報
特開2006−191359号公報
特開2003−302301号公報
特開平6−29555号公報
しかしながら、上記特許文献6では、書込み端子から供給される書込み電圧を変圧し、異なる書込み電圧を発生させる変圧回路について具体的な回路例が開示されていない。図10は、従来の半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。図10は、EPROMを主メモリ回路とした半導体物理量センサ装置であり、上記特許文献6の図10に相当する。変圧回路18aは、上記特許文献6の図10に符号118で示される変圧回路に相当し、書込み電圧1を変圧することにより書込み電圧2を生成するが、上記特許文献6にはその具体的な回路図は示されていない。また、上記特許文献6の図10では、書込み電圧1と書込み電圧2との伝送線は1本の矢印で示されている。
この半導体物理量センサ装置5は、動作選択回路11、補助メモリ回路12、主メモリ回路13、調整回路14、ホイートストンブリッジなどのセンサ素子15、増幅回路16、信号判別手段17、変圧回路18aおよび第1から第5までの5個の端子21〜25を備えている。また、上記特許文献6には、補助メモリ回路12および主メモリ回路13についても具体的な回路例は示されていない。
主メモリ回路13を構成する図示しないEPROMにデータを書込むためには、まず、コントロールゲートに20V程度の電圧(書込み電圧1)を印加した状態で、ソース−ドレイン間に10V程度の電圧(書込み電圧2)を印加する。そして、ソース−ドレイン間に電流を流し、ドレイン−ゲート間に生じた電界によってフローティングゲートに電荷がトラップされる必要がある。
一般的にEPROMへの書込みでは、書込み時の素子へのダメージを防止し、コントロールゲートへの電荷注入量をほぼ一定にする(書込み電圧を一定にする)ために、書込み電圧および書込み回数は、一定の値とすることが望ましい。よって、上述した書込み電圧1および書込み電圧2は一定にする必要がある。
また、EPROMへの書込みは、1ビットごとにおこなうのではなく、全ビット同時にもしくは、いくつかのブロックごとにおこなうことが一般的である。全ビット同時にもしくはあるブロック内のEPROMに同時に書込む場合、各EPROMのドレインと書込み電圧2との間にスイッチを設ける。そして、書込むビットのスイッチはONさせてソース−ドレイン間に電流が流れるようにする。一方、書込まないビットのスイッチはOFFさせてソース−ドレイン間に電流が流れないようにする。
そのブロック内の書込むビットと書込まないビットの割合は調整値(トリミング条件)によって異なる。そのため、一回の書込みで同時に電流が流れるEPROMの数は一定とはならない。よって、例えば、書込み電圧1から抵抗分割(分圧)によって書込み電圧2を作った場合は、電流の流れるEPROMの数によって負荷(抵抗値)が変わる。そして、抵抗分割に用いる抵抗との合成抵抗が変わってしまうため、書込み電圧2を一定に保つことができない。
書込み電圧2を一定に保つためには、書込み電圧1から書込み電圧2を作る際の変圧回路18aの負荷依存性が少ないことが必要となる。すなわち、変圧回路18aは主メモリ回路13を構成するEPROMの導通数に依存しないようにする必要がある。
また、上記特許文献1〜3では、その電源回路を半導体物理量センサ装置に適用することについては記載がない。また、上記特許文献4,5では、抵抗分圧回路の抵抗値を変えることにより、出力電圧を変える電源回路については記載されているが、出力電圧(書込み電圧2)を複数のEPROMの書込み電圧に使用することについては記載されていない。
また、上記特許文献7では、バイポーラトランジスタとCMOSプロセスで作製するEPROMとが混在するため、BiCMOSプロセスが必要になる。そのため、CMOSのみのプロセスよりも工程増となり、コスト増を招くという問題点がある。また、上記特許文献6の場合は、CMOSプロセスのみで製造可能であるが、信号判別手段の回路は高耐圧のCMOS素子等で構成する必要があるため、素子サイズが増大し、回路面積が増大するという問題点がある。
また、書込み端子のような高電圧端子にZD(ツェナーダイオード)等のESD(Electro−Static Discharge)保護素子を設ける場合は、ZDを複数個直列接続する必要があり、低電圧の信号端子よりも保護素子の面積が大きくなるという問題点がある。
また、高電圧端子と低電圧端子とを共通化した場合でも、共通化された端子は高電圧端子と同じ保護素子が必要となるため、面積削減効果は面積の小さい低耐圧端子の保護素子分を削除することができるだけである。したがって、上記特許文献6では、高耐圧の信号判別回路の追加による面積増により、端子の共通化による面積削減効果は低く、大幅なコストダウンが見込めないという問題点がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、電気的トリミングにおいて、主メモリ回路を構成するEPROMの書込み電圧を一定にすることができる低コストの半導体集積回路および半導体物理量センサ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体集積回路は、次の特徴を有する。直列ディジタルデータを入力するデータ入力端子と、接地電位を供給する接地端子と、電源電圧を供給する電源端子と、前記データ入力端子から入力されたトリミングデータを一時的に記憶する補助メモリ回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータを電気的な再書込み動作によって記憶する再書込み可能な読み出し専用の主メモリ回路と、外部クロックを入力するか、または前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上の第1の書込み電圧を供給する書込み端子と、前記書込み端子から入力された第1の書込み電圧に基づいて、前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上で、かつ前記第1の書込み電圧を前記主メモリ回路の抵抗との分圧により第2の書込み電圧を生成して前記主メモリ回路に供給する可変抵抗回路と、前記書込み端子に印加された電圧が外部クロックであるかまたは第1の書込み電圧であるかを判別し、前記補助メモリ回路に外部クロックを供給し、前記主メモリ回路に第1の書込み電圧を供給する信号判別手段と、を具備する。そして、前記補助メモリ回路は、複数のフリップフロップをカスケード接続したシフトレジスタで構成される。前記主メモリ回路は、前記各フリップフロップに対応して、第1のスイッチと当該第1のスイッチに直列接続し前記第1の書込み電圧で駆動するEPROMとからなる第1の直列回路を備える。前記可変抵抗回路は、前記各フリップフロップに対応して、第2のスイッチと当該第2のスイッチに直列接続する抵抗とからなる第2の直列回路を備える。複数の前記第1の直列回路と複数の前記第2の直列回路とが直列接続されている。前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記第1のスイッチがONする数と同数の前記第2のスイッチがONする。
また、この発明にかかる半導体集積回路は、上述した発明において、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチがpチャネル型MOSFETからなる。また、前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第1の直列回路の前記第1のスイッチのON/OFFを制御し、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第2の直列回路の前記第2のスイッチのON/OFFを制御することを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体集積回路は、次の特徴を有する。直列ディジタルデータを入力するデータ入力端子と、接地電位を供給する接地端子と、電源電圧を供給する電源端子と、前記データ入力端子から入力されたトリミングデータを一時的に記憶する補助メモリ回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータを電気的な再書込み動作によって記憶する再書込み可能な読み出し専用の主メモリ回路と、外部クロックを入力するか、または前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上の第1の書込み電圧を供給する書込み端子と、前記書込み端子から入力された第1の書込み電圧に基づいて、前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上で、かつ前記第1の書込み電圧を前記主メモリ回路の抵抗との分圧により第2の書込み電圧を生成して前記主メモリ回路に供給する定抵抗回路と、前記書込み端子に印加された電圧が外部クロックであるかまたは第1の書込み電圧であるかを判別し、前記補助メモリ回路に外部クロックを供給し、前記主メモリ回路に第1の書込み電圧を供給する信号判別手段と、を具備する。そして、前記補助メモリ回路は、複数のフリップフロップをカスケード接続したシフトレジスタで構成される。前記主メモリ回路は、前記各フリップフロップに対応して、第1のスイッチと当該第1のスイッチに直列接続し前記第1の書込み電圧で駆動するEPROMとからなる第1の直列回路と、前記各フリップフロップに対応して、第2のスイッチと当該第2のスイッチと直列接続する抵抗とからなる第2の直列回路と、を備える。複数の前記第1の直列回路と複数の前記第2の直列回路とは並列接続されている。かつ、複数の前記第1の直列回路および複数の前記第2の直列回路と前記定抵抗回路とが直列接続されている。前記第1の書込み電圧が印加された際に、同じ前記フリップフロップに対応する前記第1の直列回路と前記第2の直列回路において、前記第1のスイッチがONのとき前記第2のスイッチがOFFとなり、前記第1のスイッチがOFFのとき前記第2のスイッチがONとなる。
また、この発明にかかる半導体集積回路は、上述した発明において、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチがpチャネル型MOSFETからなる。また、前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第1の直列回路の前記第1のスイッチのON/OFFを制御し、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第2の直列回路の前記第2のスイッチのON/OFFを制御することを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体物理量センサ装置は、次の特徴を有する。検知した物理量に応じた電気信号を生成するセンサ素子と、前記センサ素子により生成された電気信号を外部へ出力する出力端子と、前記センサ素子の出力特性を調整するためのトリミングデータとなる直列ディジタルデータを入力するデータ入力端子と、接地電位を供給する接地端子と、電源電圧を供給する電源端子と、前記データ入力端子から入力されたトリミングデータを一時的に記憶する補助メモリ回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータを電気的な再書込み動作によって記憶する再書込み可能な読み出し専用の主メモリ回路と、外部クロックを入力するか、または前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上の第1の書込み電圧を供給する書込み端子と、前記書込み端子から入力された第1の書込み電圧に基づいて、前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上で、かつ前記第1の書込み電圧を前記主メモリ回路の抵抗との分圧により第2の書込み電圧を生成して前記主メモリ回路に供給する可変抵抗回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたディジタルデータの一部に基づいて前記補助メモリ回路および前記主メモリ回路の動作を制御する動作選択回路と、前記書込み端子に印加された電圧が外部クロックであるかまたは第1の書込み電圧であるかを判別し、前記補助メモリ回路に外部クロックを供給し、前記主メモリ回路に第1の書込み電圧を供給する信号判別手段と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータ、または前記主メモリ回路に記憶されたトリミングデータに基づいて前記センサ素子の出力特性を調整する調整回路と、を具備する。そして、前記補助メモリ回路は、複数のフリップフロップをカスケード接続したシフトレジスタで構成される。前記主メモリ回路は、前記各フリップフロップに対応して、第1のスイッチと当該第1のスイッチに直列接続し前記第1の書込み電圧で駆動するEPROMとからなる第1の直列回路を備える。前記可変抵抗回路は、前記各フリップフロップに対応して、第2のスイッチと当該第2のスイッチに直列接続する抵抗とからなる第2の直列回路を備える。複数の前記第1の直列回路と複数の前記第2の直列回路とが直列接続されている。前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記第1のスイッチがONする数と同数の前記第2のスイッチがONする。
また、この発明にかかる半導体物理量センサ装置は、上述した発明において、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチがpチャネル型MOSFETからなる。また、前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第1の直列回路の前記第1のスイッチのON/OFFを制御し、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第2の直列回路の前記第2のスイッチのON/OFFを制御することを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体物理量センサ装置は、次の特徴を有する。検知した物理量に応じた電気信号を生成するセンサ素子と、前記センサ素子により生成された電気信号を外部へ出力する出力端子と、前記センサ素子の出力特性を調整するためのトリミングデータとなる直列ディジタルデータを入力するデータ入力端子と、接地電位を供給する接地端子と、電源電圧を供給する電源端子と、前記データ入力端子から入力されたトリミングデータを一時的に記憶する補助メモリ回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータを電気的な再書込み動作によって記憶する再書込み可能な読み出し専用の主メモリ回路と、外部クロックを入力するか、または前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上の第1の書込み電圧を供給する書込み端子と、前記書込み端子から入力された第1の書込み電圧に基づいて、前記主メモリ回路にデータを書込むための、前記電源電圧以上で、かつ前記第1の書込み電圧を前記主メモリ回路の抵抗との分圧により第2の書込み電圧を生成して前記主メモリ回路に供給する定抵抗回路と、前記補助メモリ回路に記憶されたディジタルデータの一部に基づいて前記補助メモリ回路および前記主メモリ回路の動作を制御する動作選択回路と、前記書込み端子に印加された電圧が外部クロックであるかまたは第1の書込み電圧であるかを判別し、前記補助メモリ回路に外部クロックを供給し、前記主メモリ回路に第1の書込み電圧を供給する信号判別手段と、前記補助メモリ回路に記憶されたトリミングデータ、または前記主メモリ回路に記憶されたトリミングデータに基づいて前記センサ素子の出力特性を調整する調整回路と、を具備する。そして、前記補助メモリ回路は、複数のフリップフロップをカスケード接続したシフトレジスタで構成される。前記主メモリ回路は、前記各フリップフロップに対応して、第1のスイッチと当該第1のスイッチに直列接続し前記第1の書込み電圧で駆動するEPROMとからなる第1の直列回路と、前記各フリップフロップに対応して、第2のスイッチと当該第2のスイッチと直列接続する抵抗とからなる第2の直列回路と、を備える。複数の前記第1の直列回路と複数の前記第2の直列回路とが並列接続されている。かつ、複数の前記第1の直列回路および複数の前記第2の直列回路と前記定抵抗回路とが直列接続されている。前記第1の書込み電圧が印加された際に、同じ前記フリップフロップに対応する前記第1の直列回路と前記第2の直列回路とにおいて、前記第1のスイッチがONのとき前記第2のスイッチがOFFとなり、前記第1のスイッチがOFFのとき前記第2のスイッチがONとなる。
また、この発明にかかる半導体物理量センサ装置は、上述した発明において、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチがpチャネル型MOSFETからなる。また、前記第1の書込み電圧が印加された際に、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第1の直列回路の前記第1のスイッチのON/OFFを制御し、前記フリップフロップの出力に基づいて当該フリップフロップに対応する前記第2の直列回路の前記第2のスイッチのON/OFFを制御することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体物理量センサ装置は、上述した発明において、同一半導体チップ上に形成され、CMOS製造プロセスにより製造される能動素子および受動素子のみで構成されることを特徴とする。
上述した発明によれば、第1の書込み電圧と第2の書込み電圧との端子を共通化した場合でも、EPROMへの書込み時の電圧を一定にして電気的トリミングが可能となる。また、上述した発明によれば、第1の書込み電圧と第2の書込み電圧との端子を共通化することができるので、製造コストを低減することができる。
本発明にかかる半導体集積回路および半導体物理量センサ装置によれば、主メモリ回路を構成するEPROMへの書込み電圧を一定にして電気的トリミングをおこなうことができる低コストの半導体集積回路および半導体物理量センサ装置を提供することができるという効果を奏する。
図1は、この発明の実施の形態1にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。
図2は、図1のメモリ回路の要部を示す回路図である。
図3は、図1の可変抵抗回路を詳細に示す回路図である。
図4は、この発明の実施の形態2にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。
図5は、図4のメモリ回路の要部を示す回路図である。
図6は、この発明の実施の形態3にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。
図7は、図6の変圧回路を詳細に示す回路図である。
図8は、この発明の実施の形態4にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。
図9は、図8の変圧回路を詳細に示す回路図である。
図10は、従来の半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体集積回路および半導体物理量センサ装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。ここで説明する半導体物理量センサ装置の具体例は、車載用の半導体圧力センサなどである。しかし、半導体物理量センサ装置に関わらず他のアナログ回路の調整用にEPROMを備えた半導体集積回路であれば同様に適用可能でありまた同様の効果を奏する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図中の符号は従来と同一部位には同一の符号を付した。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。図1の本発明の実施の形態1にかかる半導体物理量センサ装置1が図10の従来の半導体物理量センサ装置5と異なるのは、従来の半導体物理量センサ装置5の変圧回路18aを可変抵抗回路19に置き換えた点である。
図1に示すように、半導体物理量センサ装置1は、動作選択回路11、補助メモリ回路12、主メモリ回路13、調整回路14、ホイートストンブリッジなどのセンサ素子15、増幅回路16、信号判別手段17、可変抵抗回路19および第1から第5までの5個の端子21〜25を備えている。
第1端子21は、半導体物理量センサ装置1の接地電位を供給する接地端子(GND端子)である。第2端子22は、半導体物理量センサ装置1の電源電圧を供給する電源端子(Vcc端子)である。第3端子23は、直列ディジタルデータ(シリアルデータ)の入出力をおこなう端子(DS端子)である。第4端子24は、半導体物理量センサ装置1の信号を外部へ出力する出力端子(Vout端子)である。第5端子25は、第2端子22に印加される電源電圧よりも高い電圧を供給する書込み端子である。また、第5端子25は、外部クロックを入力する端子を兼ねる(CG/CLK端子)。
センサ素子15は、検知した物理量に応じた電気信号を生成する。補助メモリ回路12は、外部クロック(CLK)に基づく動作タイミングで、外部から供給された直列ディジタルデータを内部で使用するために並列ディジタルデータ(パラレルデータ)に変換する。また、補助メモリ回路12は、内部で使用している並列ディジタルデータを外部へ出力するために直列ディジタルデータに変換する。また、補助メモリ回路12は、動作選択回路11に制御データを供給する。すなわち、補助メモリ回路12はDS端子23から入力されたトリミングデータを一時的に記憶する機能を有する。
主メモリ回路13は、第5端子25の印加電圧に応じて、補助メモリ回路12から供給された並列ディジタルデータよりなるトリミングデータをEPROMで記憶する。すなわち、主メモリ回路13は、補助メモリ回路12に記憶されたトリミングデータを電気的な再書込み動作によって記憶する再書込み可能な読み出し専用のEPROMなどのメモリ回路である。
動作選択回路11は、補助メモリ回路12から供給された制御データに基づいて、補助メモリ回路12および主メモリ回路13にデータの入出力を制御する信号を供給する。すなわち、動作選択回路11は、補助メモリ回路12に記憶されたディジタルデータの一部に基づいて、補助メモリ回路12および主メモリ回路13の動作を制御する機能を有する。
増幅回路16は、センサ素子15の出力信号を増幅し、それを第4端子24を介して外部へ出力する。調整回路14は、補助メモリ回路12または主メモリ回路13から供給されたトリミングデータに基づいて、センサ素子15に対して温度特性を考慮した感度調整をおこない、また増幅回路16に対して温度特性を考慮したオフセット調整をおこなう。すなわち、調整回路14は、補助メモリ回路12に記憶されたトリミングデータ、または主メモリ回路13に記憶されたトリミングデータに基づいて、センサ素子15の出力特性を調整する。
信号判別手段17は、第5端子25に印加された電圧が、外部から供給されたクロックのものであるのか、主メモリ回路13にトリミングデータを書込むための書込み電圧であるのかを判別する。そして、信号判別手段17は、判別した結果、外部クロックである場合には、そのクロックを補助メモリ回路12に供給する。
可変抵抗回路19は、第5端子25の電圧である書込み電圧1と書込み電圧1を分圧した書込み電圧(第2の書込み電圧)2とを主メモリ回路13に供給する。すなわち、可変抵抗回路19は、書込み端子から入力された書込み電圧1に基づいて、主メモリ回路13にデータを書込むための、電源電圧以上で、かつ書込み電圧1を分圧した書込み電圧2を生成して主メモリ回路13に供給する機能を有する。主メモリ回路13は、0V〜5Vの「1」または「0」の信号であるクロックに比べてはるかに高い書込み電圧が供給されたときにデータの書込み動作を行う。このため、第5端子25を介して主メモリ回路13に外部クロックが入力されたとしても、主メモリ回路13は書込み動作を行わない。
図2は、図1のメモリ回路の要部を示す回路図である。メモリ回路には、図1に示す主メモリ回路13および補助メモリ回路12が含まれる。図2は、おもに主メモリ回路13にデータを書込む際の回路構成について示している。また、図3は、図1の可変抵抗回路を詳細に示す回路図である。補助メモリ回路12は、複数のフリップフロップがカスケード接続されたシフトレジスタと、各Dフリップフロップの出力Q0〜Qnがそれぞれ入力され、当該出力Q0〜QnをスイッチSWa(0)〜SWa(n)へそれぞれ反転させて出力する複数の反転回路とで構成される。補助メモリ回路12を構成するフリップフロップは、例えばDフリップフロップとしてもよい。
この反転回路は、スイッチSWa(0)〜SWa(n)であるpチャネルMOSFETを駆動するために必要となる。フリップフロップの出力Q0〜Qnが「H」のとき、反転回路から「L」が反転出力されてスイッチSWa(0)〜SWa(n)がONする。フリップフロップの出力Q0〜Qnが「L」のときにスイッチSWa(0)〜SWa(n)をONする構成とする場合には、反転回路を設けない構成とするか、フリップフロップの出力Q0〜QnとスイッチSWa(0)〜SWa(n)との間にさらに反転回路を追加した構成とすることになる。
主メモリ回路13は、補助メモリ回路12の各フリップフロップの出力Q0〜Qnに基づいてON/OFFするスイッチSWa(0)〜SWa(n)と、それらのスイッチSWa(0)〜SWa(n)にそれぞれ直列に接続され、書込み電圧1が印加されることにより書込みがおこなわれるEPROM(0)〜EPROM(n)とで構成される。
補助メモリ回路12の出力は、反転回路を介して主メモリ回路13と図3で示す可変抵抗回路19とに入力される。可変抵抗回路19については後述する。図2に示すメモリ回路においては、DS端子からデータが入力され、CG/CLK端子からクロック信号が入力されることでシフトレジスタからなる補助メモリ回路12にデータが入力される。シフトレジスタ内の各フリップフロップの出力Q0〜Qnに基づいて、スイッチSWa(0)〜SWa(n)がON/OFFする。例えば、出力Q1が"H"のときは、スイッチSWa(1)のゲート電圧は"L(0V)"となるため、スイッチSWa(1)はONする。逆にQ1が"L"のときは、スイッチSWa(1)のゲート電圧は"H(5V)"となるため、スイッチSWa(1)はOFFする。
このようにシフトレジスタにデータが入った状態で、書込み電圧1および書込み電圧2が主メモリ回路13に印加されると、EPROM(0)〜EPROM(n)のうち、スイッチSWa(0)〜SWa(n)がONしているビットのEPROMに電流が流れる。そして、書込み電圧1による電界によって、SWa(0)〜SWa(n)がONしているビットのEPROMのフローティングゲートに電荷がトラップされる。
フローティングゲートに電荷がトラップされたEPROMでは、閾値電圧が上がる。EPROMに書込まれたデータを読み出す際のEPROMのコントロールゲートに印加される電圧は、例えば、電源電圧を分圧して作成する4V程度の電圧となるように設定されている。このため、フローティングゲートに電荷がトラップされていないEPROMは、コントロールゲートに4V程度の電圧がかかるだけでON状態になる。一方、フローティングゲートに電荷がトラップされているEPROMは、閾値電圧が上がっているために4V程度の電圧ではONせずにOFF状態となっている。また、EPROM(0)〜EPROM(n)に書込まれたデータを読み出す際は、スイッチSWa(0)〜SWa(n)の全てがOFF状態となるように制御される(図示せず)。
これにより、各EPROM(0)〜EPROM(n)のドレイン電圧Data(0)〜Data(n)は、GND電位またはフローティング電位となる。このドレイン電圧Data(0)〜Data(n)をそれぞれ電源電圧(5V)に抵抗でプルアップすることによって(図示せず)、ドレイン電圧Data(0)〜Data(n)は0Vまたは5Vに固定される。
これらのドレイン電圧Data(0)〜Data(n)の値が調整回路14に入力され、センサ素子15および増幅回路16の特性が調整される。図3に示すように、可変抵抗回路19は、補助メモリ回路12の各フリップフロップの出力Q0〜Qnに対応してON/OFFするスイッチSWb(0)〜SWb(n)と、スイッチSWb(0)〜SWb(n)にそれぞれ直列接続する抵抗Ra(0)〜Ra(n)から構成される。図3に示す補助メモリ回路12は、図2に示す補助メモリ回路12である。
可変抵抗回路19には、主メモリ回路13の全ビット数の抵抗Ra(0)〜Ra(n)を設けるか、またはEPROM(0)〜EPROM(n)のうち同時に書込みを実施するEPROMに対応するビット数分の抵抗Ra(0)〜Ra(n)を設ける。このような各抵抗Ra(0)〜Ra(n)に対応して直列にそれぞれスイッチSWb(0)〜SWb(n)が設けられている。こうすることで、主メモリ回路13の各ビットに対応する補助メモリ回路12の各フリップフロップの出力Q0〜Qnが「H」となるビット数分、すなわち主メモリ回路13の書込むEPROM(0)〜EPROM(n)と同数のスイッチSWb(0)〜SWb(n)がONするようになる。
これにより、書込み電圧2はNビット分に書込む場合には、NビットのEPROMのON抵抗値(1個のEPROMのON抵抗値の1/N)および可変抵抗回路19のON抵抗値(1個の抵抗の抵抗値の1/N)で分圧されるため、N数がいくつであっても、同じ割合(1個のEPROMのON抵抗値と1個の抵抗の抵抗値の割合)で分圧されることとなる。これによって、書込み電圧2は、書込むビット数に関係なく(トリミング条件に依存せず)、一定となる。
ここで、書込み電圧1と書込み電圧2との関係について説明する。尚、書込み電圧2とGND電位との間の抵抗値をRx、書込み電圧1と書込み電圧2との間の抵抗値をRyとする。例えば、図2の主メモリ回路13内の3ビット分のEPROM(0)〜EPROM(2)に「1」を書込む場合、補助メモリ回路12の出力Q0〜Qnのうち3つの出力Q0〜Q2によって、主メモリ回路13に設けた3ビット分のスイッチSWa(0)〜SWa(2)がONする。
このとき、1ビット分のEPROM(m)およびスイッチSWa(m)の直列抵抗値をαとした場合(m=0,1,・・・,n)、主メモリ回路13の合成抵抗値は、直列抵抗値αが3個並列接続されるためα/3となり、書込み電圧2とGND電位との間の抵抗値Rxは、α/3となる。
一方、書込み電圧1と書込み電圧2との間に設けた図3の可変抵抗回路19内のスイッチSWb(0)〜SWb(n)も補助メモリ回路12の出力に応じて、3ビット分のスイッチSWb(0)〜SWb(2)がONするようになる。1ビット分のスイッチSWb(m)と抵抗Ra(m)との直列抵抗値をβとすると(m=0,1,・・・,n)、可変抵抗回路19の合成抵抗値はβ/3となり、書込み電圧1と書込み電圧2との間の抵抗値Ryは、β/3となる。このとき、書込み電圧2は、下記(1)式の通りである。
書込み電圧2=Rx/(Rx+Ry)×書込み電圧1
=(α/3)/{(α/3)+(β/3)}×書込み電圧1
=α/(α+β)×書込み電圧1 ・・・(1)
主メモリ回路13内の5ビット分のEPROM(0)〜EPROM(4)に「1」を書込む場合には、書込み電圧2は、下記(2)式となり、上記(1)式に示す3ビット分のEPROM(0)〜EPROM(2)に「1」を書込む場合と同じになる。
Rx/(Rx+Ry)=(α/5)/{(α/5)+(β/5)}=α/(α+β) ・・・(2)
このように、書込むビット数によって変わる主メモリ回路13の合成抵抗値に合わせて可変抵抗値を変えることによって、書込むビット数に関係なく、下記(3)式のように書込み電圧2を一定にすることができる。
書込み電圧2=α/(α+β)×書込み電圧1 ・・・(3)
このとき、α=βとすれば、書込み電圧2は書込み電圧1の半分になり、α=2βとすれば、書込み電圧2を書込み電圧1の2/3とすることができる。
すなわち、書込み電圧2は、1ビット分のEPROM(m)およびスイッチSWa(m)の直列抵抗値αと、1ビット分のスイッチSWb(m)および抵抗Ra(m)の直列抵抗値βとの関係により任意の電圧にすることができる。前記のように、書込み電圧1と書込み電圧2との端子を共通化した場合でも電気的トリミングにおいて、主メモリ回路を構成するEPROM(0)〜EPROM(n)の書込み電圧を一定にすることができる。
また、書込み電圧1と書込み電圧2との端子を共通化したため、端子数が減少し、さらに、同一半導体チップ上にCMOS製造プロセスにより能動素子および受動素子を製造することができるので、製造コストを低減することができる。
本発明は、半導体物理量センサ装置1に関わらず他のアナログ回路の調整用にEPROMを備えた半導体集積回路であれば同様に適用可能でありまた同様の効果を奏することができるものである。したがって、実施の形態1によれば、上述したように補助メモリ回路12、主メモリ回路13、信号判別手段17、可変抵抗回路19、GND端子21、Vcc端子22、DS端子23、CG/CLK端子25を備えていることで、主メモリ回路を構成するEPROMの書込み電圧を一定にすることができる安価な半導体集積回路および半導体物理量センサ装置を提供することができる。
(実施の形態2)
図4は、この発明の実施の形態2にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。図4の本発明の実施の形態2にかかる半導体物理量センサ装置2が図10の従来の半導体物理量センサ装置5と異なるのは、従来の半導体物理量センサ装置5の変圧回路18aを定抵抗20に代えて、主メモリ回路13を図5のような回路構成とした点である。
図4に示すように、半導体物理量センサ装置2は、動作選択回路11、補助メモリ回路12、主メモリ回路13、調整回路14、ホイートストンブリッジなどのセンサ素子15、増幅回路16、信号判別手段17、定抵抗20および第1から第5までの5個の端子21〜25を備えている。
図5は、図4のメモリ回路の要部を示す回路図である。メモリ回路には、主メモリ回路13および補助メモリ回路12が含まれる。主メモリ回路13は、図2のスイッチSWa(m)とEPROM(m)との直列接続回路(第1の直列回路)に、スイッチSWc(m)と抵抗Rb(m)との直列接続回路(第2の直列回路)を並列接続した構成である(m=0,1,・・・,n)。スイッチSWc(0)〜SWc(n)は、補助メモリ回路12のフリップフロップの出力Q0〜Qnに対応してON/OFFする。スイッチSWa(0)〜SW(n)は、補助メモリ回路12の出力Q0〜Qnを反転回路で反転した出力に対応してON/OFFする。そのため、スイッチSWa(m)がON状態のときに、スイッチSWc(m)はOFF状態となり、スイッチSWa(m)がOFF状態のときに、スイッチSWc(m)はON状態になる。フリップフロップの出力Q0〜Qnが「L」のときにスイッチSWa(0)〜SWa(n)をONする場合は、実施の形態1と同様に、補助メモリ回路12に反転回路を設けない構成とするか、さらに反転回路を追加した構成とすることになる。このときスイッチSWc(0)〜SWc(n)に入力されるフリップフロップの出力Q0〜Qnは反転させるために、フリップフロップの出力Q0〜QnとスイッチSWc(0)〜SWc(n)との間にそれぞれ反転回路を追加することになる。
主メモリ回路13の全ビットにスイッチSWc(0)〜SWc(n)および抵抗Rb(0)〜Rb(n)が設けられ、これらは各ビットに対応している。スイッチSWa(m)とスイッチSWc(m)とは同サイズのMOSFETで構成されており、また抵抗Rb(m)の抵抗値とEPROM(m)のON抵抗値とが同じになるようにしてある。スイッチSWa(m)とスイッチSWc(m)とはシフトレジスタからなる補助メモリ回路12内の各ビット(各フリップフロップ)の出力Qm(m=0,1,・・・,n)によって、スイッチSWa(m)とスイッチSWc(m)とのどちらか一方のスイッチが必ずONするように制御される。
これによって、主メモリ回路13の各ビットの書込み電圧2とGND電圧との間の抵抗値はスイッチSWa(0)〜SWa(n)がONとなった場合でもスイッチSWc(0)〜SWc(n)がONとなった場合でも同じになる。これにより、書込み電圧2は書込むビット数に関係なく、全ビット分のEPROM(0)〜EPROM(n)のON抵抗値の合成抵抗値と同等の抵抗値となる主メモリ回路13の抵抗値と定抵抗20とによって分圧されるため、同じ割合で分圧されることとなる。これによって、書込み電圧2は書込むビット数に関係なく、一定となる。
書込み電圧2が書込むビット数に関係なく一定となることについて、さらに説明する。ここで、書込み電圧1と書込み電圧2との関係について説明する。尚、書込み電圧2とGND電位との間の抵抗値をRx、書込み電圧1と書込み電圧2との間の抵抗値をRyとする。
図5の主メモリ回路のビット数を、例えば、10とする。また、スイッチSWa(m)とEPROM(m)との直列抵抗値をγとし、スイッチSWc(m)と抵抗Rb(m)との直列抵抗値もγとなるようにする。但し、抵抗Rb(0)〜Rb(n)は、半導体基板上に絶縁膜を介して形成されるポリシリコン抵抗やMOSFETを抵抗として使うものなどが考えられるが、EPROM(m)と同じ大きさのMOSFETを抵抗Rb(m)として使うことが望ましい。このような構成とすることにより、EPROM(m)と抵抗Rb(m)との抵抗値を容易に同じにすることができる。
3ビット分のEPROM(0)〜EPROM(2)に「1」を書込みたい場合、3ビット分のスイッチSWa(0)〜SWa(2)がONし、7ビット分のスイッチSWc(0)〜SWc(6)がONする。このとき、主メモリ回路13の合成抵抗値は、スイッチSWa(0)〜SWa(2)がONしている3ビット分の合成抵抗値γ/3とスイッチSWc(0)〜SWc(6)がONしている7ビット分の合成抵抗値γ/7との合成抵抗値となるので、Rx=γ/10となる。
5ビット分のEPROM(0)〜EPROM(4)に「1」を書込む場合もRx=γ/10となり、3ビット分のEPROM(0)〜EPROM(2)に「1」を書込む場合と同じになる。よって、書込むEPROM(0)〜EPROM(n)のビット数に関係なく、Rxは一定となり、書込み電圧2は下記(4)式のようになる。
書込み電圧2=Rx/(Rx+Ry)×書込み電圧1 ・・・(4)
上記(4)式のように、ビット数に関係なくRx=γ/10で一定となる。このため、Ryが定抵抗の場合でも、書込み電圧2は、常に書込み電圧1のRx/(Rx+Ry)倍となり、一定となる。
このとき、Rx=Ryとすれば、書込み電圧2は書込み電圧1の半分になり、Rx=3×Ryとすれば、書込み電圧2は書込み電圧1の3/4倍とすることができる。
すなわち、書込みのビット数に関係なく、書込み電圧2はRxとRyの関係により任意の一定電圧にすることができる。また、書込み電圧1と書込み電圧2との書込み端子を共通化したため、端子数が減少し、さらに、同一半導体チップ上にCMOS製造プロセスにより能動素子および受動素子を製造できるので、製造コストを低減することができる。
本発明は、半導体物理量センサ装置に関わらず他のアナログ回路の調整用にEPROMを備えた半導体集積回路であれば同様に適用可能でありまた同様の効果を奏することができるものである。したがって、実施の形態2によれば、上述したように補助メモリ回路12、主メモリ回路13、信号判別手段17、定抵抗20、GND端子21、Vcc端子22、DS端子23、CG/CLK端子25を備えていることで実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図6は、この発明の実施の形態3にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。図6の本発明の実施の形態3にかかる半導体物理量センサ装置3が図10の従来の半導体物理量センサ装置5と異なるのは、従来の半導体物理量センサ装置5の変圧回路18aの回路構成を、図7の変圧回路18の回路構成に代えた点である。主メモリ回路13の構成は、実施の形態1の主メモリ回路と同様である。
図6の半導体物理量センサ装置3は、例えば、動作選択回路11、補助メモリ回路12、主メモリ回路13、調整回路14、ホイートストンブリッジなどのセンサ素子15、増幅回路16、信号判別手段17、変圧回路18および第1から第5までの5個の端子21〜25を備えている。
主メモリ回路13にEPROM(0)〜EPROM(n)を用い、補助メモリ回路12にシフトレジスタを用いた場合の書込み動作について説明する。尚、図6の主メモリ回路13および補助メモリ回路12を含むメモリ回路は図2に示すメモリ回路と同じである。
前記したように、DS端子からデータが入力されCG/CLK端子からクロック信号が入力されることでシフトレジスタからなる補助メモリ回路12にデータが入力される。シフトレジスタ内の各フリップフロップの出力Q0〜Qnに応じて、スイッチSWa(0)〜SWa(n)がON/OFFする。例えば、出力Q1が「H」のときは、スイッチSWa(1)のゲート電圧は「L(0V)」となるため、スイッチSWa(1)はONする。逆にQ1が「L」のときは、スイッチSWa(1)のゲート電圧は「H(5V)」となるため、スイッチSWa(1)はOFFする。フリップフロップの出力Q0〜Qnが「L」のときスイッチSWa(0)〜SWa(n)をONする場合は、補助メモリ回路12に反転回路を設けない構成とするまたはさらに反転回路を追加した構成とすることになる。
このようにシフトレジスタにデータが入った状態で、書込み電圧1および書込み電圧2が主メモリ回路13に印加されると、EPROM(0)〜EPROM(n)のうち、スイッチSWa(0)〜SWa(n)がONしているビットのEPROMに電流が流れる。そして、書込み電圧1による電界によって、スイッチSWa(0)〜SWa(n)がONしているビットのEPROMのフローティングゲートに電荷がトラップされる。
フローティングゲートに電荷がトラップされたEPROMでは、閾値電圧が上がる。EPROMに書込まれたデータを読み出す際のEPROMコントロールゲートへの印加電圧は、電源電圧を分圧して形成した、例えば4V程度の電圧となるように設定されている。このため、フローティングゲートに電荷がトラップされていないEPROMは、コントロールゲートに4V程度の電圧がかかるだけでON状態になる。一方、フローティングゲートに電荷がトラップされているEPROMは、閾値電圧が上がっているために4V程度の電圧ではONせずにOFF状態となっている。EPROM(0)〜EPROM(n)に書込まれたデータを読み出す際は、スイッチSWa(0)〜SWa(n)の全てがOFF状態となるように制御される(図示せず)。
これにより、各EPROM(0)〜EPROM(n)のドレイン電圧Data(0)〜Data(n)は、GND電位またはフローティング電位となる。このドレイン電圧Data(0)〜Data(n)をそれぞれ電源電圧(5V)に抵抗でプルアップすることによって、ドレイン電圧Data(0)〜Data(n)は0Vまたは5Vに固定される(図示せず)。
これらのドレイン電圧Data(0)〜Data(n)の値が調整回路14に入力され、センサ素子15および増幅回路16に特性が調整される。図7は、図6の変圧回路を詳細に示す回路図である。図7には、書込み電圧1から書込み電圧2を作るための図6の変圧回路18の構成を示す。
図7において、書込み電圧1と書込み電圧2との間にMOSFETを設ける。書込み電圧2設定用抵抗Rc(1),Rc(2)で分圧された書込み電圧2(=Rc(1)/(Rc(1)+Rc(2))×書込み電圧2)を増幅回路の非反転入力端子に入力し、電源電圧VCC(不図示)から作られる内部基準電圧VREFを増幅回路の反転入力端子に入力する。増幅回路の出力を書込み電圧1と書込み電圧2との間に設けたMOSFETに入力する。これによって、書込み電圧2が下記(5)式となるように、MOSFETのゲート電圧が決まる。
書込み電圧2=(Rc(2)+Rc(1))/Rc(1)×VREF ・・・(5)
この変圧回路18を用いた場合、EPROM(0)〜EPROM(n)の書込みビット数が変わることにより書込み電圧2の負荷抵抗が変化した場合でも、書込み電圧2が所定の電圧になるようにMOSFETのゲート電圧が変わることによってMOSFETのON抵抗が変わる。
よって、EPROM(0)〜EPROM(n)の書込みビット数が変わった場合でも、書込み電圧2は所定の電圧になる。したがって、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
図8は、この発明の実施の形態4にかかる半導体物理量センサ装置の構成を示すブロック図である。図8の本発明の実施の形態4にかかる半導体物理量センサ装置4が図10の従来の半導体物理量センサ装置5と異なるのは、従来の半導体物理量センサ装置5の変圧回路18aの回路構成を、図9の変圧回路18の回路構成に代えた点である。主メモリ回路13の構成は、実施の形態1の主メモリ回路と同様である。
この半導体物理量センサ装置4は、動作選択回路11、補助メモリ回路12、主メモリ回路13、調整回路14、ホイートストンブリッジなどのセンサ素子15、増幅回路16、信号判別手段17、変圧回路18および第1から第5までの5個の端子21〜25を備えている。
図9は、図8の変圧回路を詳細に示す回路図である。図9には、書込み電圧1から書込み電圧2を作るための図8の変圧回路18の構成を示す。変圧回路18内の増幅回路の正転入力端子への入力電圧を、書込み電圧2設定用抵抗Rd(1)〜Rd(4)の分割位置を、2個以上から選択できるように、スイッチSWd(1)〜SWd(3)を設け、そのスイッチSWd(1)〜SWd(3)のON/OFFを補助メモリ回路12の出力に応じて、選択可能とすることによって、複数の書込み電圧を設定することが可能となる。
以上の実施の形態1〜4において、スイッチSWa(m)、スイッチSWb(m)およびスイッチSWc(m)は全てpチャネル型MOSFETで示したが、少なくとも一部をnチャネル型MOSやpチャネル型MOSFETとnチャネル型MOSFETからなるトランスミッションゲートなど他の構成としてもよい。この場合、反転回路は必要に応じて設ける。例えば、スイッチSWa(m)、スイッチSWb(m)およびスイッチSWc(m)の全てをpチャネル型MOSFETの代わりにnチャネル型MOSFETを用いる場合を考える。この場合、図2および図3で示したメモリ回路および可変抵抗回路19では、シフトレジスタとスイッチSWa(m)、およびシフトレジスタとスイッチSWb(m)との間に反転回路を設けないまたはさらに反転回路を追加して設ける構成とすることで達成することができる。また、図5で示したメモリ回路では、シフトレジスタとスイッチSWa(m)との間に反転回路を設けないまたはさらに反転回路を追加して設け、シフトレジスタとスイッチSWc(m)との間に反転回路を挿入することで達成することができる。
以上のように、本発明にかかる半導体集積回路は、メモリ回路を備えた半導体集積回路に関し、特に、EPROMを用いた電気的トリミングにより、アナログ回路の特性を調整する構成を備えた半導体集積回路に有用である。また、本発明にかかる半導体物理量センサ装置は、EPROMを用いた電気的トリミングにより、自動車用、医療用または産業用などの各種装置等に用いる圧力センサや加速度センサなど半導体物理量センサの感度調整や温度特性調整、オフセット調整をおこなう半導体物理量センサ装置に有用である。
1,2,3,4,5 半導体物理量センサ装置
11 動作選択回路
12 補助メモリ回路
13 主メモリ回路
14 調整回路
15 センサ素子
16 増幅回路
17 信号判別手段
18 変圧回路
19 可変抵抗回路
20 定抵抗