JPWO2011125153A1 - 電子材料用Cu−Ni−Si系合金 - Google Patents

電子材料用Cu−Ni−Si系合金 Download PDF

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Abstract

Ni−Si化合物粒子の分布状態を制御することでコルソン系合金の特性向上を図る。Ni:0.4〜6.0質量%、Si:0.1〜1.4質量%を含有し、残部Cuおよび不可避的不純物から構成される電子材料用銅合金であって、粒径が0.01μm以上で0.3μm未満であるNi−Si化合物小粒子と、粒径が0.3μm以上で1.5μm未満であるNi−Si化合物大粒子が存在しており、前記小粒子の個数密度が1〜2000個/μm2であり、前記大粒子の個数密度が0.05〜2個/μm2である電子材料用銅合金。

Description

本発明は析出硬化型銅合金に関し、とりわけ各種電子機器部品に用いるのに好適なCu−Ni−Si系合金に関する。
リードフレーム、コネクタ、ピン、端子、リレー、スイッチ等の各種電子機器部品に使用される電子材料用銅合金には、基本特性として高強度及び高導電性(又は熱伝導性)を両立させることが要求される。近年、電子部品の高集積化及び小型化・薄肉化が急速に進み、これに対応して電子機器部品に使用される銅合金に対する要求レベルはますます高度化している。
高強度及び高導電性の観点から、近年、電子材料用銅合金として従来のりん青銅、黄銅等に代表される固溶強化型銅合金に替わり、析出硬化型の銅合金の使用量が増加している。析出硬化型銅合金では、溶体化処理された過飽和固溶体を時効処理することにより、微細な析出物が均一に分散して、合金の強度が高くなると同時に、銅中の固溶元素量が減少し電気伝導性が向上する。このため、強度、ばね性などの機械的性質に優れ、しかも電気伝導性、熱伝導性が良好な材料が得られる。
析出硬化型銅合金のうち、コルソン系合金と一般に呼ばれるCu−Ni−Si系銅合金は比較的高い導電性、強度、応力緩和特性及び曲げ加工性を兼備する代表的な銅合金であり、業界において現在活発に開発が行われている合金の一つである。この銅合金では、銅マトリックス中に微細なNi−Si系金属間化合物粒子を析出させることによって強度と導電率の向上が図れる。
Ni−Si化合物粒子の析出状態は合金特性に影響を与えることが知られている。
特許第3797736号公報(特許文献1)では、Ni−Si化合物粒子の粒径が0.003μm以上0.03μm未満のもの(小粒子)及び0.03μm〜100μmのもの(大粒子)が存在し、かつ小粒子/大粒子の数の比率が1.5以上とすることが記載されている。そして、粒径が0.03μm未満の小粒子は、主に合金の強度及び耐熱性を向上させるが剪断加工性にはあまり寄与しない。一方、粒径が0.03μm以上の大粒子は合金の強度及び耐熱性の向上にはあまり寄与しないが、剪断加工時に応力を集中的に受け、ミクロクラックの発生源となり剪断加工性を著しく向上させることが記載されている。そして、特許文献1に記載の銅合金は電気電子部品用銅合金として要求される強度や耐熱性などの特性を有するとともに、剪断加工性に優れた銅合金であることが述べられている。
特許文献1に記載の銅合金を製造する方法として、以下が開示されている。
1)Niの含有量が4wt%、Siの含有量が1wt%以上になると、晶出粒子の粗大化が特に発生しやすくなるので、晶出粒子の寸法を目的の範囲内とするには、Ni及びSi添加後溶湯を1300℃以上の温度に5分以上保持し、両者を完全に溶解させ、鋳造温度〜凝固温度まで鋳型内での冷却速度を0.3℃/秒以上とする。
2)熱間圧延後の熱延材を水中急冷し、さらに冷間圧延した材料を500〜700℃で1分〜2時間の加熱を行って大粒子を析出させる。その後、さらに冷間圧延を加え、今度は300〜600℃で30分以上の加熱を行い小粒子を析出させる。
3)熱間圧延終了時に冷却する際に急冷せず、500〜700℃で1分〜2時間保持して大粒子を析出させた後急冷する。さらに冷間圧延を加えた後、今度は300〜600℃で30分以上の加熱を行って小粒子を析出させる。
特許第3977376号公報(特許文献2)では、銅合金の組織中のNi−Si析出物、それ以外の析出物の粒径、さらにその分布密度の割合と、結晶粒の粗大化抑制との関連に着目して、Ni及びSiからなる析出物Xと、NiとSiの一方若しくは両方を含有しない析出物Yを有し、前記析出物Xの粒径が0.001〜0.1μmで、前記析出物Yの粒径を0.01〜1μmとすることが記載されている。また、強度と曲げ加工性の両立を図るためには、析出物Xの数を析出物Yの20〜2000倍とすることや、析出物Xの数を1mm2あたり108〜1012個、析出物Yの数を1mm2あたり104〜108個とすることが記載されている。
特許文献2に記載の銅合金を製造する方法として、以下が開示されている。
鋳塊を熱間圧延する際、鋳塊を昇温速度20〜200℃/時間で加熱し、850〜1050℃×0.5〜5時間の間に熱間圧延し、熱間圧延の終了温度は300〜700℃として急冷する。これにより析出物X及びYが生成する。熱間圧延後は、例えば、溶体化熱処理、焼鈍、冷間圧延を組み合わせ、所望の板厚にする。
前記溶体化熱処理の目的は鋳造や熱間加工時に析出したNiとSiを再固溶させると同時に再結晶させる熱処理である。前記溶体化熱処理の温度は添加したNi量によって調整を行い、例えば、Ni量が2.0〜2.5質量%未満は650℃、2.5〜3.0質量%未満は800℃、3.0〜3.5質量%未満は850℃、3.5〜4.0質量%未満は900℃、4.0〜4.5質量%未満は950℃、4.5〜5.0質量%は980℃とする。
国際公開第2008/032738号(特許文献3)では、Niを2.0〜5.0mass%、Siを0.43〜1.5mass%含有し、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金で形成される銅合金板材であって、NiとSiを合計で50mass%以上含む3種類の金属間化合物A、B、Cを含有し、前記金属間化合物Aの化合物径は0.3μm以上2μm以下であり、前記金属間化合物Bの化合物径は0.05μm以上0.3μm未満であり、前記金属間化合物Cの化合物径は0.001μmを越え0.05μm未満であることを特徴とする電気・電子機器用銅合金板材が開示されている。
また、Niを2.0〜5.0mass%、Siを0.43〜1.5mass%含有し、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金鋳塊を850〜950℃で2〜10時間再熱するステップと、前記再熱された銅合金鋳塊を100〜500秒間熱間圧延して銅合金板材とするステップと、前記熱間圧延された銅合金板材を600〜800℃となるまで急冷するステップと、前記急冷された銅合金板材を400〜550℃で1〜4時間時効熱処理をするステップとを有することを特徴とする電気・電子機器用銅合金板材の製造方法が開示されている。
特許第3797736号公報 特許第3977376号公報 国際公開第2008/032738号パンフレット
特許文献1に記載の銅合金では、小粒子と大粒子の個数について比率しか検討されておらず、粒子の個数密度については言及されていない。また、特許文献1では二回時効することで大粒子と小粒子をそれぞれ析出させるとしているが、二回目に析出させる小粒子は、一回目に比較して固溶しているNi、Si濃度が低いため析出しにくく、数密度、粒子径ともに小さいため、強度に与える好影響が不十分である(後述する比較例5参照)。二回時効するという手法は、また一回目の時効によっては固溶するNi、Si量が変化してしまうため、粒子径、密度の制御が困難であるという問題もある。
特許文献2に記載の銅合金では、Ni−Si化合物粒子を粒径が0.001〜0.1μmの範囲においてしか制御しておらず、より粒径の大きなNi−Si化合物粒子が合金特性に与える影響について検討がされていない。特許文献2に記載の大粒子はNiとSiの一方若しくは両方を含有しない析出物である。このような大粒子は添加元素の量や温度条件によっては粗大化して、曲げ加工性に悪影響を与えやすくなる。
特許文献3に記載の銅合金では、その製造工程において大粒子が析出する条件が極めて不明瞭である。また、特許文献3に記載の銅合金の製造方法では、溶体化処理を950℃で20秒間の加熱により行っているが、該文献で例示されたNi濃度が3.3質量%である結晶粒では、そのような溶体化処理を行えば粒径が30μm超となり粗大化しているものと考えられる。
そこで、本発明ではNi−Si化合物粒子の分布状態をより厳密に制御することでコルソン系合金の特性向上を図ることを課題とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、銅マトリックス中に析出するNi−Si化合物粒子を、主として結晶粒内に析出しやすい粒径が0.01μm以上で0.3μm未満であるNi−Si化合物粒子(小粒子)と、主として結晶粒界に析出しやすい粒径が0.3μm以上で1.5μm未満であるNi−Si化合物粒子(大粒子)に分けてそれぞれの大きさと個数密度を制御することで強度及び導電率のバランスに優れ、曲げ加工性も良好なコルソン系合金を得ることができることが分かった。具体的には、小粒子を0.01μm以上で0.3μm未満の範囲の大きさに制御してその個数密度を1〜2000個/μm2に制御するとともに、大粒子を0.3μm以上で1.5μm未満の範囲の大きさに制御してその個数密度を0.05〜2個/μm2に制御することが有効であることを見いだした。
かかる知見を基礎として完成した本発明は一側面において、Ni:0.4〜6.0質量%、Si:0.1〜1.4質量%を含有し、残部Cuおよび不可避的不純物から構成される電子材料用銅合金であって、粒径が0.01μm以上で0.3μm未満であるNi−Si化合物小粒子と、粒径が0.3μm以上で1.5μm未満であるNi−Si化合物大粒子が存在しており、前記小粒子の個数密度が1〜2000個/μm2であり、前記大粒子の個数密度が0.05〜2個/μm2である電子材料用銅合金である。
本発明に係る電子材料用銅合金は一実施形態において、単位面積0.5μm×0.5μmを1視野として、銅合金の表面積100mm2において選択した10視野を観察したときに小粒子に係る視野間の密度比の最大値が10以下であり、単位面積20μm×20μmを1視野として、銅合金の表面積100mm2において選択した10視野を観察したときに、大粒子に係る視野間の密度比の最大値が5以下である。
本発明に係る電子材料用銅合金は更に別の一実施形態において、前記小粒子の平均粒径に対する前記大粒子の平均粒径の比が2〜50である。
本発明に係る電子材料用銅合金は更に別の一実施形態において、平均結晶粒径が圧延方向に平行な厚み方向の断面から観察した時に円相当径で表して1〜30μmである。
本発明に係る電子材料用銅合金は更に別の一実施形態において、隣接する結晶粒径の圧延方向に平行な厚み方向の長さの比の最大値が3以下である。
本発明に係る電子材料用銅合金は更に別の一実施形態において、Cr、Co、Mg、Mn、Fe、Sn、Zn、Al及びPから選択される1種又は2種以上を合計で1.0質量%まで含有する。
本発明は別の一側面において、本発明に係る電子材料用銅合金からなる伸銅品である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る電子材料用銅合金を備えた電子部品である。
本発明は更に別の一側面において、Ni及びSiを含む原料を溶解して得た溶湯を、Ni濃度が0.4〜3.0質量%のときは1130〜1300℃で保持し、3.0〜6.0質量%のときは1250〜1350℃で保持した後、所望の組成をもつインゴットを溶解鋳造する工程と、前記インゴット中のNiが2.0質量%未満のときは800〜900℃で、2.0質量%以上3.0質量%未満のときは850〜950℃で、3.0質量%以上4.0質量%未満のときは900〜1000℃で、4.0質量%以上のときは950℃以上で加熱した後に熱間圧延を行う工程と、冷間圧延を行う工程と、xを前記インゴット中のNi濃度(質量%)としたとき、y=125x+(475〜525)で示される溶体化温度y(℃)で溶体化処理を行う工程と、時効処理を行う工程と、を順に行うことを含む本発明に係る銅合金の製造方法である。
本発明によれば、銅マトリクス中に析出したNi−Si化合物粒子による合金特性への恩恵をより効果的に享受できるので、コルソン系合金の特性向上を図ることができる。
図1は、本発明に係る銅合金(加工度0%)についてSEMで観察した圧延方向に平行な厚み方向の断面における大粒子を示す。 図2は、本発明に係る銅合金(加工度66%)についてTEMで観察した圧延方向に平行な厚み方向の断面における大粒子を示す。 図3は、本発明に係る銅合金(加工度0%)についてTEMで観察した圧延方向に平行な厚み方向の断面における小粒子を示す。 図4は、本発明に係る銅合金(加工度99%)についてTEMで観察した圧延方向に平行な厚み方向の断面における小粒子を示す。
(Ni及びSiの添加量)
Ni及びSiは、適当な熱処理を施すことにより金属間化合物としてNi−Si化合物粒子(Ni2Si等)を形成し、導電率を劣化させずに高強度化が図れる。
SiやNi添加量は少なすぎると所望の強度が得られず、多すぎると高強度化は図れるが導電率が著しく低下し、熱間加工性が低下する。また、Ni中には水素が固溶することがあり、溶解鋳造時のブローホールの原因となったりするため、Ni添加量を多くすると中間の加工において破断の原因となる可能性がある。SiはCと反応したり、Oと反応したりするため、添加量が多いと極めて多くの介在物を形成し、曲げの際に破断の原因になる。
そこで、適切なSi添加量は0.1〜1.4質量%であり、好ましくは0.2〜1.0%である。適切なNi添加量は0.4〜6.0質量%であり、好ましくは1.0〜5.0%質量%である。
Ni−Si化合物粒子の析出物は化学量論組成で一般に構成されており、NiとSiの質量比を金属間化合物であるNi2Siの質量組成比(Niの原子量×2:Siの原子量×1)に近づけることにより、すなわちNiとSiの質量比をNi/Si=3〜7、好ましくは3.5〜5とすることにより良好な電気伝導性が得られる。Niの比率が上記質量組成比よりも高いと導電率が低下しやすく、Siの比率が上記質量組成比よりも高いと粗大なNi−Si晶出物により熱間加工性が劣化しやすい。
(その他の元素の添加量)
(1)Cr、Co
Cr、CoはCu中に固溶し、溶体化処理時の結晶粒の粗大化を抑制する。また合金強度が底上げされる。時効処理時にはシリサイドを形成して析出し、強度及び導電率の改善に寄与することもできる。これらの添加元素は導電率をほとんど低下しないことから積極的に添加しても良いが、添加量が多い場合は逆に特性を損なう恐れがある。そこで、Cr及びCoは一方又は両方を合計で1.0質量%まで添加するのがよく、0.005〜1.0質量%添加するのが好ましい。
(2)Mg、Mn
MgやMnはOと反応するため溶湯の脱酸効果が得られる。また、一般的に合金強度を向上させる元素として添加される元素である。最も有名な効果としては応力緩和特性の向上であり、いわゆる耐クリープ特性である。近年、電子機器の高集積化にともない、高電流が流れ、またBGAタイプのような熱放散性が低い半導体パッケージにおいては、熱により素材が劣化する恐れがあり、故障の原因となる。特に、車載する場合はエンジンまわりの熱による劣化が懸念され、耐熱性は重要な課題である。これらの理由で積極的に添加しても良い元素である。ただし、添加量が多すぎると曲げ加工性への悪影響が無視できなくなる。そこで、Mg及びMnは一方又は両方を合計で0.5質量%まで添加するのがよく、0.005〜0.4質量%添加するのが好ましい。
(3)Sn
SnはMgと同様の効果がある。しかしMgと異なり、Cu中に固溶する量が多いため、より耐熱性が必要な場合に添加される。しかしながら、量が増えれば導電率は著しく低下する。よって、Snは0.5質量%まで添加するのがよく、0.1〜0.4質量%質量%添加するのが好ましい。ただし、MgとSnを共に添加するときは導電率への悪影響を抑えるために両者の合計濃度を1.0質量%までとし、好ましくは0.8質量%までとするのが望ましい。
(4)Zn
Znははんだ脆化を抑制する効果がある。ただし、添加量が多いと導電率が低下するので、0.5質量%まで添加するのがよく、0.1〜0.4質量%添加するのが好ましい。
(5)Fe、Al、P
これらの元素も合金強度を向上させることのできる元素である。必要に応じて添加すればよい。ただし、添加量が多いと添加元素に応じて特性が悪化するので、0.5質量%まで添加するのがよく、0.005〜0.4質量%添加するのが好ましい。
上記のCr、Co、Mg、Mn、Sn、Fe、Al及びPは合計で1.0質量%を超えると製造性を損ないやすいので、好ましくはこれらの合計は1.0質量%以下とし、より好ましくは0.5質量%以下とする。
(Ni−Si化合物粒子)
本発明においては、銅マトリックス中に析出するNi−Si化合物粒子を小粒子と大粒子の二種類に分け、それぞれの個数密度及び粒径、さらにはそれらの相互関係も制御する。本発明において、小粒子とは粒径が0.01μm以上で0.3μm未満であるNi−Si化合物粒子を指し、大粒子とは粒径が0.3μm以上で1.5μm未満であるNi−Si化合物粒子を指す。小粒子は主として結晶粒内に析出した粒子であり、大粒子は主として結晶粒界に析出した粒子である。また、Ni−Si化合物粒子とは、元素分析によってNi及びSiの両者が検出される粒子のことを指す。小粒子は主に合金の強度及び耐熱性に寄与し、大粒子は主に導電率の維持及び結晶粒の微細化に寄与する。ここで、図1に、本発明に係る銅合金(加工度0%)についてSEMで観察した圧延方向に平行な厚み方向の断面における大粒子を示す。図2に、本発明に係る銅合金(加工度66%)についてTEMで観察した圧延方向に平行な厚み方向の断面における大粒子を示す。図3に、本発明に係る銅合金(加工度0%)についてTEMで観察した圧延方向に平行な厚み方向の断面における小粒子を示す。図4に、本発明に係る銅合金(加工度99%)についてTEMで観察した圧延方向に平行な厚み方向の断面における小粒子を示す。
結晶粒内に析出するNi−Si化合物粒子は一般に数十nm程度の微細な析出物となることができる。そのうち、0.3μm未満であるNi−Si化合物粒子は転位のピン止め効果を有するため、転位密度が高くなり、合金全体の強度が向上しやすい。この程度の粒径のNi−Si化合物粒子は粒子間距離が小さく、数も多いために強度に寄与する率が高い。また、加熱時による転移の移動を妨げる作用があることから、耐熱性を向上させる。
しかしながら、この程度の大きさの粒子、とりわけ0.01μm未満のNi−Si化合物粒子は大きなひずみが加えられると剪断されて粒子の表面積が減少するために、剪断に必要な力が減少する。従って転位ループが残されずに転位密度が高くならない。従って0.01μm未満のNi−Si化合物粒子は強度に寄与しにくい。剪断された粒子は銅母相中に再度固溶し、導電率の低下を招くおそれもある。また、剪断された粒子は再結晶の核生成サイトとして働かないので、再結晶粒も粗大になる可能性が高くなる。粗大な結晶粒は強度や曲げ性に悪影響を与える。
従って、粒径が0.01μm以上で0.3μm未満の小粒子の個数密度を制御することが有利となる。小粒子は強度向上に大きく寄与する一方で多くなると導電率を低下させやすいことから、強度及び導電率のバランスを図る上では、小粒子の個数密度を1〜2000個/μm2とすることが必要である。小粒子の個数密度は、透過型電子顕微鏡で組織観察して測定することができる。
一方、結晶粒界に析出するNi−Si化合物粒子は一般に数百nm〜数μm程度の大きさの析出物となることができる。そのうち、0.3μm以上で1.5μm未満であるNi−Si化合物粒子は剪断されない強い粒子として作用することができる。小粒子と同様に合金の強度と耐熱性を向上させることができるが、粒径が大きいために粒子の数が少なく、粒子間距離が大きいために強度、耐熱性への寄与は小粒子より小さい。しかしながら大きなひずみが加えられても剪断されないために、導電率の低下がほとんど無い。また、剪断されない粒子は再結晶の際の核生成サイトとして働くことができる。従って、大粒子によって微細な結晶粒が形成しやすくなる。微細な結晶粒は特に強度及び曲げ性に寄与する。大きさが1.5μmを超える粒子が増加していくと、小粒子の形成に利用されるべきNi及びSiが不足して強度が低下しやすくなる。材料にAgめっきなどを行った場合に局所的にめっき厚が厚くなり、突起状の欠陥を招くおそれもある。
従って、0.3μm以上で1.5μm未満の大粒子の個数密度を制御することが有利となる。大粒子は結晶粒の微細化や導電率の向上に寄与する一方で多くなると小粒子の個数密度を低下させやすいことから、大粒子と小粒子の数の比が適切な範囲に無い場合、強度−導電率の両立はバランスが崩れる。具体的には、大粒子が多くなれば強度が低下し、小粒子が多くなれば導電率が低下する。そこで、強度及び導電率のバランスを図る上では、0.3μm以上で1.5μm未満の粒径範囲における個数密度を0.05〜2個/μm2とすることが必要である。大粒子の個数密度は、走査電子顕微鏡で組織観察して測定することができる。
また、時効処理を最終工程とする場合、析出した粒子はそれぞれのマトリックスを歪ませる。このとき、不均一な密度で分散すると歪の不均一により応力が発生し、残留する。この残留応力が大きい場合には歪取り焼鈍でも応力を緩和できない。また、大粒子がクラスター状に集中すると、めっきやエッチングの際に周囲との差異からムラとなり、突起状の欠陥となることが多い。さらに、時効処理後に冷間圧延を実施する場合は、不均一な密度で分散した粒子は加工硬化能が場所毎に異なるため不均一変形を起こす。これは、上述の残留応力を増すだけでなく、ときには破断の原因となることもある。特に大粒子がクラスター状に集積した場合は、そこを起点として破断することがある。このため、小粒子及び大粒子は、それぞれ銅合金において均一な密度で存在しているのが好ましい。
従って、単位面積0.5μm×0.5μmを1視野として、銅合金の表面積100mm2においてランダムに選択した10視野を観察したときに小粒子に係る視野間の密度比の最大値が10以下であり、単位面積20μm×20μmを1視野として、銅合金の表面積100mm2においてランダムに選択した10視野を観察したときに、大粒子に係る視野間の密度比の最大値が5以下であるのが好ましい。
小粒子及び大粒子の平均粒径の差を適切な範囲に制御することで、小粒子と大粒子の両者の利点が生かしながら、両者の欠点を補完する効果が大きくなる。小粒子の平均粒径に対する大粒子の平均粒径の比を2〜50とするのが好ましい。
結晶粒は微細であることが強度及び曲げ性の観点から有利であるが、小さすぎると粒界に析出する大粒子と粒内に析出する小粒子のバランスが崩れる。そこで、本発明に係る銅合金では、圧延方向に平行な厚み方向の断面から観察した時に円相当径で表して平均結晶粒径を1〜30μmとするのが好ましい。
また、析出物は、結晶粒の粒界、粒内で異なる大きさになりやすいことが分かっている。こういった理由から、結晶粒の大きさが不均一であることは、析出する粒子が不均一になることを意味し、上記の点から好ましくない。特に、厚さ方向の結晶粒の長さを揃えるのは、圧延が厚さ方向の変形と考えると、この方向の塑性変形能を大きく左右するからである。近年、板厚が薄くなる傾向があり、板厚に対して結晶粒の数密度が不均一であると、そこを起点として破断することが予想される。このため、結晶粒径は、圧延方向に平行な厚み方向の長さが均一であるのが好ましい。従って、隣接する結晶粒径の圧延方向に平行な厚み方向の長さの比の最大値は3以下であるのが好ましい。
(製造方法)
次に本発明に係る銅合金の製造方法に関して説明する。本発明に係る銅合金はCu−Ni−Si系合金の慣例の製造工程を基本としながら、一部の特徴的な工程を経て製造することができる。
まず大気溶解炉を用い、電気銅、Ni、Si等の原料を溶解し、所望の組成の溶湯を得る。このとき、晶出粒子の粗大化を抑制するために、Ni及びSi添加後溶湯をNi濃度が0.4〜3.0質量%のときは1130〜1300℃で保持し、3.0〜6.0質量%のときは1250〜1350℃で保持することが重要となる。このようにNi濃度に応じて溶解保持温度を変化させることで、大粒子の生成を良好に抑制することができる。
続いて、この溶湯をインゴットに鋳造する。次に、インゴット中のNiが2.0質量%未満のときは800〜900℃で、2.0質量%以上3.0質量%未満のときは850〜950℃で、3.0質量%以上4.0質量%未満のときは900〜1000℃で、4.0質量%以上のときは950℃以上で加熱した後に熱間圧延を行う。この熱間圧延前の熱処理で大粒子が十分に消失もしくは小径化しないと、溶体化処理が困難となり、大粒子が残存してしまう。Cu−Ni2Si系状態図上では、Ni濃度が高いほど固溶温度が高くなる。そのため、Ni濃度が高くなるにつれて熱処理温度を高くする。上述の温度より低ければ、Ni及びSiが十分に固溶しない。上述の温度より高いと、固溶は促進される一方、高温での再結晶粒粗大化と高温生成物との相互作用により割れが進行する場合があり、好ましくない。熱間圧延終了時の板厚は20mmより薄くすることで冷却が早くなり、特性に寄与しない析出物の析出を抑制することができる。この際の温度は600℃以上の高い温度で終了してもよいが、後の工程において溶体化が困難となる場合は、より低い温度で終了する方が有効である。
次に、冷間圧延を行う。この冷間圧延を行うことで、後述の溶体化処理時の冷却速度が速くなり、固溶したNi及びSiの析出を良好に抑制することができる。冷間圧延後の板厚は、1mm以下が望ましく、0.5mm以下が更に望ましく、0.3mm以下が最も望ましい。
次に、溶体化処理を行う。溶体化処理では、Ni−Si系化合物をCu母地中に固溶させ、同時にCu母地を再結晶させる。Cu−Ni2Si系状態図に従えば、Ni及びSiの固溶は高温であるほど促進される。そのため、従来、Cu−Ni2Si系状態図の固溶温度よりも高い条件で実施するのが通常であった。これは、溶体化不足で残存してしまった粗大な粒子が欠陥となるのを防ぐためで、このような粒子はめっきでの電着不良を引き起こすからである。このような粒子を検討した結果、原因は鋳造及び再熱処理後の熱間圧延工程での冷却過程にあることが分かった。ところが、いずれの工程でも冷却の制御は困難であり、溶体化処理で一括してNi及びSiを固溶できるという理由で、従来それほど注目されることが無かった。一方、近年のコネクタに求められる性能には、設計段階で素材の特性が不足し、かなりの負担を要する曲げ加工が必要となっている。そのような中で、従来の合金の特性を向上させるべく検討した結果、溶体化処理で粗大な析出物を残存させず、かつ結晶粒を5〜30μmに制御することでこのような問題が解決されることが分かった。従来の製造法ではいずれか一方が達成できず、めっき不良を出すよりは特性を他の代替手段でカバーすることを選択してきた。すなわち、結晶粒を粗大にする代わりに、その後の冷間圧延の加工度を高くすることで強度を高くしたのである。ところが、この加工度を高くすると曲げ性が劣化し、近年のコネクタでは塑性加工ができなくなってしまう。結晶粒を制御することで、大粒子と小粒子との密度差の適正化及び冷間圧延の低加工度化による曲げ性の向上が得られる。
このため、本発明では溶体化処理の条件を厳密に制御する。具体的には添加元素、特にNiを十分に固溶させるために、Ni濃度に応じて一定程度以上の溶体化温度を選定する。但し、あまり高すぎると結晶粒径が大きくなり過ぎるので高ければよいというものでもない。具体的には、Ni濃度が高ければ高い温度とし、おおまかな目安として1.5質量%では650−700℃、2.5質量%では800−850℃、3.5質量%では900−950℃程度とする。より一般化すれば、xを前記インゴット中のNi濃度(質量%)としたとき、y=125x+(475〜525)で示される溶体化温度y(℃)で溶体化処理を行う。そして、大粒子及び小粒子の析出状態を本発明で規定する範囲に収める上では溶体化処理後の結晶粒径が圧延方向に直角な断面で観察したときに5〜30μmの範囲になるように溶体化処理の温度及び時間を調節することが重要である。また、溶体化処理時の材料の板厚が大きいと、溶体化処理後に水冷しても冷却速度が十分に得られず、固溶させた添加元素が冷却中に析出してしまうおそれがある。従って、溶体化処理を実施する際の板厚は0.3mm以下とするのが望ましい。また、添加元素の析出を抑制する上では溶体化温度から400℃までの平均冷却速度を10℃/秒以上とするのが望ましく、15℃/秒以上とするのがより望ましい。このような冷却速度は板厚が0.3mm以下程度であれば空冷で達成できるが、水冷するのがなお良い。ただし、あまり冷却速度を高くしても製品の形状が悪くなるので30℃/秒以下とするのが好ましく、20℃/秒以下とするのがより好ましい。
溶体化処理の後は、冷間圧延を実施せずに、時効処理を行う。冷間圧延を実施すると、析出サイトとして、主に結晶粒界や空孔、転位等の母相中の欠陥が優先的になるため、転位密度が上昇し、析出物の析出が促進される。従って、冷間圧延の実施は析出を促進するが、上述したように結晶粒界に析出する粒子は大粒子であって、本発明の意図する析出物の比率が崩れてしまう。さらに近年になって、冷間圧延によって形成された結晶粒界は、熱処理後(溶体化後)の結晶粒界とは性質が異なることが分かってきた。冷間圧延によって形成された結晶粒界は、主に転位によって構成され、粒界のエネルギーは冷間圧延による粒界の方が高いと考えられる。従って、溶体化後の結晶粒と、溶体化−冷間圧延後の結晶粒とがほぼ同じ大きさであったとしても、その後の時効で析出する粒子は全く異なってしまう。これらの現象を利用して、意図的に大粒子を増し、特性を変えることは可能であるが(強度−導電率のバランスを変える)、本発明の意図する総合的な特性(曲げ性やエッチング特性)は達成できない。溶体化の条件(溶体化不十分による時効での析出不足)によっては曲げ加工性の劣化を抑制できることもあるが、溶体化不十分のために材料の機能を十分引き出したものとはいえない。溶体化処理と時効処理との間に冷間圧延を実施した場合は、強度、導電率がやや高いが、曲げ加工性が劣化することに加え、析出物の分布が本発明において意図したものから外れてしまう。従って、本発明では、溶体化処理で目的の結晶粒及び固溶状態を達成した後は、冷間圧延を実施しない。
また、本発明では時効処理の条件も重要となる。本発明に係る銅合金を製造するにあたっては、一回の時効処理で大粒子及び小粒子の分布状態を制御することが望ましい。特許文献1では時効処理を二回することで大粒子と小粒子を析出させる方法を採用しているが、一般的に知られたこととして、一端析出物が析出した状態では、銅中に固溶したNi、Si濃度が低くなるために、Ni、Siが拡散しにくく、従って析出しにくくなる。そのため、本発明が意図するような個数密度の小粒子が得られない。また、2回目の時効処理時に、1回目の時効処理で既に生成している析出粒子の大きさが影響を受けるため、粒子径や密度の制御が困難である。
一回の時効処理で大粒子と小粒子を所望の範囲にするためには前工程で溶体化処理を適切に行っていることが前提であるが、温度と時間を適切な範囲にすることが重要である。この時効処理で強度と導電率が上昇する。時効処理は300〜600℃の温度で0.5〜50hとすることができるが、加熱温度が高いほど短時間、加熱温度が低いほど長時間とする。高温で長時間加熱するとNi−Si化合物粒子が粗大化しやすく、低温で短時間加熱するとNi−Si化合物粒子が十分に析出しないからである。好ましい例としては、加熱温度t(℃)が300℃以上500℃未満ではz=−0.115t+61で示される時効時間z(h)で、500℃以上600℃未満ではz=−0.0275t+17.25で示される時効時間z(h)程度で行うことができる。例えば400℃では15h程度、500℃では2h−5h程度、600℃では0.5h−1h程度とすればよい。より高い強度を得るために、時効後に冷間圧延を行うこともできる。時効後に冷間圧延を行なう場合には、冷間圧延後に歪取焼鈍(低温焼鈍)を行ってもよい。
本発明に係る銅合金は種々の伸銅品、例えば板、条、管、棒及び線に加工することができ、更に、本発明による銅合金は、高い強度及び高い電気伝導性(又は熱伝導性)を両立させることが要求されるリードフレーム、コネクタ、ピン、端子、リレー、スイッチ、二次電池用箔材等の電子機器部品に使用することができる。
以下に本発明の具体例を示すが、これら実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
表1〜4に記載の各種成分組成の銅合金を、高周波溶解炉で溶製して各溶解保持温度で保持し、厚さ30mmのインゴットに鋳造した。次いで、このインゴットを各再熱処理温度で加熱後、板厚10mmまで850〜1050℃×0.5〜5時間の熱間圧延(熱間圧延終了時の材料温度は500℃)した後、表面のスケール除去のため厚さ8mmまで面削を施した。続いて、冷間圧延により、板厚を0.15mm又は0.10mmにした後、溶体化処理を表1〜4に記載の条件で行った。その後表1〜4に記載の各条件で不活性雰囲気中で時効処理を施した。また、板厚0.15mmのものは更に冷間圧延により板厚0.10mmとした。このようにして作製した板厚0.10mmの各試験片について評価を行った。表1、表3及び表4はCu−Ni−Si系銅合金の製造例を示し、表2は更にMg、Cr、Sn、Zn、Mn、Co、Fe及びPを適宜添加したCu−Ni−Si系銅合金の製造例を示す。また、比較例9〜11は、それぞれ溶体化処理と時効処理との間に、表3に記載された条件の冷間圧延を行っている。
このようにして得られた各合金につき各特性評価を行い、結果を表1〜4に記載した。
強度については圧延平行方向での引っ張り試験を行い、引張り強さ及び0.2%耐力(Mpa)を測定した。
導電率(%IACS)についてはダブルブリッジによる体積抵抗率測定により求めた。
曲げ性の評価は、JIS H 3130に従って、Goodway(曲げ軸が圧延方向と直角方向)及びBadway(曲げ軸が圧延方向と同一方向)のW曲げ試験を行って割れの発生しない最小半径(MBR)の板厚(t)に対する比であるMBR/t値を測定した。
溶体化処理後、圧延方向に平行な厚み方向の断面をファインカッターで切断し、その後冷間樹脂埋めを行い、続いて鏡面研磨(1ミクロンバフ)処理を行った。次に、電解研磨を実施して、走査電子顕微鏡(SEM):HITACHI-S-4700を用いて結晶粒を観察した。結晶粒径は加工方向の幅について、10個の結晶粒の平均値を求めた。
最終製品からは以下の方法で結晶粒径を測定することが可能である。まず、圧延方向に平行な厚み方向の断面を電解研磨し、SEMにより断面組織を観察し、単位面積当たりの結晶粒の数をカウントする。そして、全観察視野の面積を合計し、それをカウントした結晶粒の合計で除し、結晶粒一個あたりの面積を計算する。その面積より、その面積と同じ面積を有する真円の直径(円相当径)を計算し、これを平均結晶粒径とすることができる。
大粒子及び小粒子の粒径は任意の断面から観察して良い。実施例は製品の圧延方向の平行断面に対して、大粒子を走査型電子顕微鏡(HITACHI-S-4700)により、小粒子を透過型電子顕微鏡(HITACHI-H-9000)によりそれぞれ観察した。また、小粒子は、単位面積0.5μm×0.5μmを1視野として、銅合金の表面積100mm2においてランダムに選択した10視野を観察した。大粒子は、単位面積20μm×20μmを1視野として、銅合金の表面積100mm2においてランダムに選択した10視野を観察した。このように10視野観察することで、それぞれの粒子が100個程度観察できるように実施した。析出物の大きさが5〜100nmの場合は50万倍〜70万倍の倍率、100〜5000nmの場合は5〜10万倍で撮影を行った。なお析出物の大きさが5nmより小さいものは観察が困難である。5000nmより大きいものは走査型電子顕微鏡で観察可能である。
このように観察された粒子について、個々の粒子の長径と短径から面積を計算し、その面積より、その面積と同じ面積を有する真円の直径(円相当径)を計算し、これを粒径とすることができる。粒径から小粒子と大粒子に分け、それぞれ粒子径と粒子の数を集計し、粒子径の和を粒子数で除して平均粒子径とし、粒子数の和を観察視野の合計面積で除して個数密度を求めた。ここで、長径とは、粒子の重心を通り、粒子の境界線との交点を両端にもつ線分のうち、もっとも長い線分の長さを指し、短径とは粒子の重心を通り、粒子の境界線との交点を両端にもつ線分のうち、もっとも短い線分の長さを指す。
観察した粒子がNi−Si化合物粒子であることは、EDSを搭載した走査型電子顕微鏡、特に元素分析の精度が高い電界放射型電子顕微鏡による元素マッピング、小さい析出物についてはEELSを搭載した透過型電子顕微鏡による元素マッピングの方法により確認した。
なお、最終製品においては、転位が非常に多く析出物が観察しにくい場合があり、その場合、観察を容易にするために析出しない200℃程度の温度で歪取り焼鈍を実施しても良い。また、一般的な透過型電子顕微鏡の試料作成において、電解研磨法が用いられるが、FIB(Focused Ion Beam:集束イオンビーム)による薄膜作成を行って測定しても良い。
Figure 2011125153
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表1及び表2に記載の本発明の実施例に相当する銅合金については、強度、導電率及び曲げ加工性がバランス良く保たれていることが分かる。
比較例1はSiが組成の範囲を外れたため、Ni/Si比も適切な比ではなくなり、粗大な晶出物により熱間圧延中に割れが生じた。
比較例2はNiが組成の範囲を外れたため、Niが過剰状態となった。これにより熱間加工性が劣化し、熱間圧延中に割れた。
比較例3は溶体化温度が低いため、粗大な粒子が残留した。その結果、導電率は高くなったが、小粒子の数密度が減少したため強度が低くなった。また、曲げの際、粗大な粒子を起点として破断した。
比較例4は溶体化温度が高いため、結晶粒径が大きくなり、大粒子が減少する一方で、小粒子の数が増えた。そのため、強度が高くなったが、導電率は低下した。溶体化時の結晶粒が大きいため、曲げの際、粒界破壊により曲げ性が劣化した。
比較例5は特許文献1に記載の銅合金に相当する。2回時効したため、2回目の時効で析出した小粒子の大きさが小さく、かつ数密度が著しく減少した。大粒子と小粒子の比は適切だが、小粒子の数密度が低くなり、強度が低下した。
比較例6は時効温度が高いため、粗大な析出物が増えた。その結果、小粒子の密度が減少し、強度が低下した。また導電率は高くなると思われたが、時効温度が高いため、再固溶現象により導電率も低下した。曲げは粗大な粒子を起点として破断した。
比較例7は時効時間が長すぎたため、小粒子の大きさが大きくなってしまい、小粒子の数密度もそれに伴い小さくなり、強度が低下した。
比較例8は時効時間が短すぎたため、析出粒子が無く、強度が低下した。
比較例9〜11は溶体化処理と時効との間に冷間圧延を行っており、その加工度が60、30、及び、90%であった。このため、大粒子の析出が促進されて大粒子の数が増加し、それに従い小粒子の数が減少した。導電率は高かったが、曲げ加工性が不良となった。また、めっき不良等の欠陥が生じた。
比較例12は時効後の冷間圧延の加工度が高かった。また、強度は高かったが導電率が低く、最大の特徴としてBadwayの曲げ加工性が悪かった。
比較例13は溶解保持温度が低すぎるため、大粒子の大きさが大きくなり、小粒子に対する大粒子の平均粒径の比が大きくなり、強度が低下した。
比較例14は溶解保持温度が高すぎるため、大粒子の大きさが大きくなり、小粒子に対する大粒子の平均粒径の比が大きくなり、強度が低下した。
比較例15は再熱処理の温度が高すぎたために、結晶粒が大きくなってしまった。これにより大粒子と小粒子のバランスが崩れた。結晶粒が粗大となったため、大粒子の数が減少した。結晶粒が粗大なため、強度が低く、また導電率の低下も大きかった。
比較例16は再熱処理温度が低すぎるため、大粒子の大きさが大きくなり、小粒子に対する大粒子の平均粒径の比が大きくなり、強度が低下した。
比較例17は溶体化処理温度が低すぎるため、大粒子の大きさが大きくなり、小粒子に対する大粒子の平均粒径の比が大きくなり、強度が低下した。
比較例18は溶体化処理の温度が高く、結晶粒が粗大になった。溶体化により、Ni及びSiの固溶は十分であったが、結晶粒の粗大化により大粒子と小粒子の析出物のバランスが崩れた。
比較例19は特許文献3に記載の銅合金に相当する。溶解保持温度及び再熱処理温度を、Ni濃度に応じて適切に変えておらず一定の値で実施しており、さらに熱間圧延後の溶体化処理を行っていないため、大粒子の大きさが大きくなり、曲げ加工性が不良であった。
比較例20は溶体化処理後の冷却速度が遅く、冷却中に析出してしまい、かつ結晶粒も粗大となった。このため、時効処理で既に析出した粒子が粗大な粒子となってしまった。これにより、大粒子による曲げ破断が起きた。
比較例21は溶体化処理後の冷却速度が遅く、冷却中に析出が起きた。特にNi濃度が高く、析出物のピン止め効果も同時に起きたため、結晶粒が不均一となった。

Claims (9)

  1. Ni:0.4〜6.0質量%、Si:0.1〜1.4質量%を含有し、残部Cuおよび不可避的不純物から構成される電子材料用銅合金であって、粒径が0.01μm以上で0.3μm未満であるNi−Si化合物小粒子と、粒径が0.3μm以上で1.5μm未満であるNi−Si化合物大粒子が存在しており、前記小粒子の個数密度が1〜2000個/μm2であり、前記大粒子の個数密度が0.05〜2個/μm2である電子材料用銅合金。
  2. 単位面積0.5μm×0.5μmを1視野として、銅合金の表面積100mm2において選択した10視野を観察したときに小粒子に係る視野間の密度比の最大値が10以下であり、単位面積20μm×20μmを1視野として、銅合金の表面積100mm2において選択した10視野を観察したときに、大粒子に係る視野間の密度比の最大値が5以下である請求項1に記載の電子材料用銅合金。
  3. 前記小粒子の平均粒径に対する前記大粒子の平均粒径の比が2〜50である請求項1又は2に記載の電子材料用銅合金。
  4. 平均結晶粒径が圧延方向に平行な厚み方向の断面から観察した時に円相当径で表して1〜30μmである請求項1〜3のいずれかに記載の電子材料用銅合金。
  5. 隣接する結晶粒径の圧延方向に平行な厚み方向の長さの比の最大値が3以下である請求項1〜4のいずれかに記載の電子材料用銅合金。
  6. 更にCr、Co、Mg、Mn、Fe、Sn、Zn、Al及びPから選択される1種又は2種以上を合計で1.0質量%まで含有する請求項1〜5のいずれかに記載の電子材料用銅合金。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の銅合金からなる伸銅品。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の銅合金を備えた電子部品。
  9. − Ni及びSiを含む原料を溶解して得た溶湯を、Ni濃度が0.4〜3.0質量%のときは1130〜1300℃で保持し、3.0〜6.0質量%のときは1250〜1350℃で保持した後、所望の組成をもつインゴットを溶解鋳造する工程と、
    − 前記インゴット中のNiが2.0質量%未満のときは800〜900℃で、2.0質量%以上3.0質量%未満のときは850〜950℃で、3.0質量%以上4.0質量%未満のときは900〜1000℃で、4.0質量%以上のときは950℃以上で加熱した後に熱間圧延を行う工程と、
    − 冷間圧延を行う工程と、
    − xを前記インゴット中のNi濃度(質量%)としたとき、y=125x+(475〜525)で示される溶体化温度y(℃)で溶体化処理を行う工程と、
    − 時効処理を行う工程と、
    を順に行うことを含む請求項1〜6のいずれかに記載の銅合金の製造方法。
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