JPWO2011118016A1 - 車両用フード構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第1の実施形態に係る車両用フード構造について図1〜図10を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印Wは車両幅方向を示している。また、フード閉止状態においては、フード前後方向は車両前後方向と同じ方向とし、フード上下方向は車両上下方向と同じ方向とし、フード幅方向は車両幅方向と同じ方向とする。
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両用フード構造について、図11A〜図13を用いて説明する。図11Aには、本発明の第2の実施形態に係る車両用フード構造におけるフードインナパネル18の一部が斜視図にて示されている。この図に示されるように、本実施形態では、凹部24の底部24Aに脆弱部としての長孔26(広義には「貫通孔」として把握される要素である。)が貫通形成されている点で、第1の実施形態に係る車両用フード構造とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。なお、図12Aには、フード14に頭部インパクタCが衝突した状態が示されており、衝突初期(衝突直後)の状態が二点鎖線で示されると共に、衝突荷重によってフード14がある程度撓んだ状態が実線で示されている。また、図12Bには、図12Aの実線で示される状態からフード14がさらに撓んでフードインナパネル18がエンジンルーム12の内部の剛体物12Aと当接した状態(底付いた状態)が示されている。
次に、本発明の第3の実施形態に係る車両用フード構造について、図14を用いて説明する。図14には、本発明の第3の実施形態に係るフードアウタパネル16(想像線参照)等を透視した状態のフード30が平面図にて示されている。この図に示されるように、フード30は、フードインナパネル32の複数の凸部としてのビード36がフード前後方向に対して斜め方向に沿って形成されている点で、第1の実施形態に係るフード14(図2A参照)とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第4の実施形態に係る車両用フード構造について、図15を用いて説明する。図15には、本発明の第4の実施形態に係るフードアウタパネル16(想像線参照)等を透視した状態のフード40が平面図にて示されている。この図に示されるように、フード40は、フードインナパネル42の凸部としてのビード46がフード平面視の中央部側を中心として同心円状に形成されている点で、第1の実施形態に係るフード14(図2A参照)とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第5の実施形態に係る車両用フード構造について、図16を用いて説明する。図16には、本発明の第5の実施形態に係るフードアウタパネル16(想像線参照)等を透視した状態のフード50が平面図にて示されている。この図に示されるように、フード50は、フードインナパネル52の凸部としてのビード56がフード平面視の中央部側から放射状に形成されている点で、第1の実施形態に係るフード14(図2A参照)とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
なお、波状部(20、34、44、54)は、フード(14、30、40、50)が覆うエンジンルーム(12)の内部の剛体物(12A)と対面する位置に当該波状部(20、34、44、54)の全部が形成されていてもよいし、当該波状部(20、34、44、54)の一部が剛体物(12A)と対面する位置に形成されていてもよい。
くすることができると考えられる。さらに、例えば、単一のビードの頂部の上方側に衝突体が衝突した場合等には、単一のビードの頂部が変形する時間を短くするという点で改善の余地がある。すなわち、単一のビードの頂部が変形する時間をより短くすることで、従来構造よりも大きな断面変形を起こし難くすることができると考えられる。これらのように、この従来構造では、フードによるエネルギー吸収量を向上させる点で改善の余地がある。
[0004]
本発明は、上記事実を考慮して、衝突体の衝突時におけるエネルギー吸収性能を向上させることができる車両用フード構造を得ることが目的である。
課題を解決するための手段
[0005]
本発明の第1の態様に係る車両用フード構造は、フードの外板を構成するフードアウタパネルと、前記フードアウタパネルに対してフード下方側に配置されると共に前記フードアウタパネルに結合され、フードの内板を構成するフードインナパネルと、を有し、前記フードインナパネルは、前記フードアウタパネル側に凸形状とされた凸部と、前記フードアウタパネル側に凹形状とされた凹部と、が交互に設けられて波形形状とされた波状部が形成されており、前記波形形状の断面において複数の前記凸部のうち両端以外の任意の凸部に対してその両側に隣接してそれぞれ形成された凸部の頂部同士の間の幅寸法が、歩行者頭部を模擬した頭部インパクタの外径(165mm)よりも小さく設定され、前記波状部における波形形状の波長pが、70mm≦p≦88mmに設定されている。
[0006]
本発明の第1の態様に係る車両用フード構造によれば、フードの内板を構成するフードインナパネルは、フードの外板を構成するフードアウタパネルに対してフード下方側に配置されると共にフードアウタパネルに結合されている。また、フードインナパネルに形成された波状部は、フードアウタパネル側に凸形状とされた凸部と、フードアウタパネル側に凹形状とされた凹部と、が交互に設けられて波形形状となっている。このため、フードインナパネルは、剛性が比較的高く、その弾性変形等に要するエネルギーを吸収する。
[0007]
ここで、波形形状の断面において複数の凸部のうち両端以外の任意の凸部
に対してその両側に隣接してそれぞれ形成された凸部の頂部同士の間の幅寸法が、歩行者頭部を模擬した頭部インパクタの外径(165mm)よりも小さく設定されている。このため、フードインナパネルによるフードアウタパネルの支持間隔が狭くなるので、フードアウタパネルの剛性を確保しやすく、フードアウタパネルの剛性が上がると、フードアウタパネルによる衝突初期のエネルギー吸収量も大きくなる。また、例えば、衝突体である頭部インパクタがフードインナパネルの頂部間の上方側でフードアウタパネルに衝突した場合、頭部インパクタは、フードアウタパネルが撓み始めてから比較的早い段階で、フードアウタパネルを介してフードインナパネルに接触して支持される。これにより、衝突初期のエネルギー吸収におけるフードインナパネルの寄与度が高まる。さらに、例えば、頭部インパクタがフードインナパネルの単一の頂部の上方側でフードアウタパネルに衝突した場合であっても、頭部インパクタは少なくとも衝突後期にはフードアウタパネルを介して複数の頂部に接触して支持される。これにより、単一の凸部が撓む時間が短くなって凸部の断面変形が抑えられ、衝突後期のエネルギー吸収量を大きくすることができる。
また、波状部における波形形状の波長pが、70mm≦p≦88mmに設定されているので、波状部は、波形形状の波長pが短く設定されつつ、プレス成形によって波形形状の高さも確保でき、剛性の一層の向上が可能となる。ここで、波状部の剛性が確保されることで、波状部に支持されるフードアウタパネルの剛性を高くすることができ、フードインナパネルのエネルギー吸収への寄与が早まることと相まって、頭部インパクタの衝突初期から大きなエネルギー吸収が成される。また、波状部の剛性が確保されることで、フードインナパネルの断面変形が生じ難くなり、頭部インパクタの衝突後期にも大きなエネルギー吸収が成される。これらにより、フードによる歩行者保護性能が一層向上する。
[0008]
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る車両用フード構造において、前記凸部の頂部には平坦部が形成され、前記波形形状の断面において前記平坦部及び当該平坦部の両側に連続してそれぞれ形成された両側の凹部開口部の三者の幅寸法の和が前記頭部インパクタの外径(165mm)よりも小さく設定されている。
[0009]
本発明の第2の態様に係る車両用フード構造によれば、凸部の頂部には平坦部が形成されているので、凸部の頂部に平坦部が形成されていない場合に比べてフードインナパネルの断面係数を上げられる。また、波形形状の断面において平坦部及び当該平坦部の両側に連続してそれぞれ形成された両側の凹部開口部の三者の幅寸法の和(すなわち、平坦部とその両側の凹部開口部の各幅寸法の和)が頭部インパクタの外径(165mm)よりも小さく設定されているので、フードアウタパネルを介して衝突体がフードインナパネル
の上方側に衝突した場合、フードインナパネルはフードアウタパネルを介して衝突体を安定的に支持しながら変形してエネルギー吸収を成す。これらにより、フードインナパネルによるエネルギー吸収量が大きくなる。
[0010]
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に係る車両用フード構造において、前記波状部における波形形状の波長pが、70mm≦p≦82.5mmに設定されている。
[0011]
[0012]
本発明の第4の態様は、第1の態様〜第3の態様のいずれか1態様に係る車両用フード構造において、前記凹部の底部に脆弱部が形成されている。
[0013]
本発明の第4の態様に係る車両用フード構造によれば、凹部の底部に脆弱部が形成されているので、衝突体がフードに衝突してフードインナパネルがその下方側の部材に接した場合に、フードインナパネルは脆弱部により比較的容易に変形する。
[0014]
本発明の第5の態様は、第1の態様〜第4の態様のいずれか1態様に係る車両用フード構造において、前記凸部は、フード前後方向に対して、平行な方向又は斜め方向に沿って形成されている。
[0015]
本発明の第5の態様に係る車両用フード構造によれば、凸部は、フード前後方向に対して平行な方向又は斜め方向に沿って形成されているので、フードインナパネルは、フード前後方向又はフード前後方向に対して斜め方向に
おける剛性が高くなる。これにより、衝突体の衝突に対するフードインナパネルの剛性が高められ、フードインナパネルによるエネルギー吸収量が大きくなる。
[0016]
本発明の第6の態様は、第1の態様〜第4の態様のいずれか1態様に係る車両用フード構造において、前記凸部は、フード平面視の中央部側を中心として同心円状に又は前記中央部側から放射状に形成されている。
[0017]
本発明の第6の態様に係る車両用フード構造によれば、凸部は、フード平面視の中央部側を中心として同心円状に又は中央部側から放射状に形成されているので、衝突体の衝突に対するフードインナパネルの剛性が高められる。このため、フードアウタパネルを介して衝突体がフードインナパネルの上方側に衝突した場合、フードインナパネルによるエネルギー吸収量が大きくなる。
[0018]
本発明の第7の態様は、第1の態様〜第6の態様のいずれか1態様に係る車両用フード構造において、前記波状部の少なくとも一部は、前記フードが覆うエンジンルームの内部の剛体物と対面する位置に形成されている。
[0019]
本発明の第7の態様に係る車両用フード構造によれば、フードインナパネルの波状部の少なくとも一部は、フードが覆うエンジンルームの内部の剛体物と対面する位置に形成されているので、フードインナパネルは剛体物の車両上方側の部位における剛性が高められている。このため、衝突体が剛体物の車両上方側でフードに衝突した場合には、波状部によって衝撃エネルギーが吸収されるので、衝突体の侵入量が抑えられる。
本発明の第8の態様は、第1の態様〜第7の態様のいずれか1態様に係る車両用フード構造において、前記波状部における波形形状の高さhが、8.5mm≦h≦16.7mmに設定されている。
本発明の第9の態様は、第1の態様〜第8の態様のいずれか1態様に係る車両用フード構造において、前記凹部の底部が湾曲状に形成されている。
本発明の第10の態様は、第1の態様〜第9の態様のいずれか1態様に係る車両用フード構造において、前記凹部の底部には、前記底部の延在方向を長手方向とする長孔が貫通形成されている。
本発明の第11の態様は、第10の態様に係る車両用フード構造において、前記長孔は、前記底部において前記フードが覆うエンジンルームの内部の剛体物と対面する位置でかつ前記剛体物までの隙間が他部位よりも短い部位に主として形成されている。
発明の効果
[0020]
以上説明したように、本発明の上記の各態様に係る車両用フード構造によれば、衝突体の衝突時におけるエネルギー吸収性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
[0021]
本発明の第2の態様に係る車両用フード構造によれば、凸部の頂部に平坦部が形成されることによって、フードインナパネルによるエネルギー吸収性能を一層向上させることができるという優れた効果を有する。
Claims (7)
- フードの外板を構成するフードアウタパネルと、
前記フードアウタパネルに対してフード下方側に配置されると共に前記フードアウタパネルに結合され、フードの内板を構成するフードインナパネルと、
を有し、前記フードインナパネルは、前記フードアウタパネル側に凸形状とされた凸部と、前記フードアウタパネル側に凹形状とされた凹部と、が交互に設けられて波形形状とされた波状部が形成されており、
前記波形形状の断面において複数の前記凸部のうち両端以外の任意の凸部に対してその両側に隣接してそれぞれ形成された凸部の頂部同士の間の幅寸法が、歩行者頭部を模擬した頭部インパクタの外径(165mm)よりも小さく設定されている車両用フード構造。 - 前記凸部の頂部には平坦部が形成され、前記波形形状の断面において前記平坦部及び当該平坦部の両側に連続してそれぞれ形成された両側の凹部開口部の三者の幅寸法の和が前記頭部インパクタの外径(165mm)よりも小さく設定されている請求項1記載の車両用フード構造。
- 前記波状部における波形形状の波長pが、70mm≦p≦88mmに設定されている請求項1又は請求項2に記載の車両用フード構造。
- 前記凹部の底部に脆弱部が形成されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用フード構造。
- 前記凸部は、フード前後方向に対して、平行な方向又は斜め方向に沿って形成されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両用フード構造。
- 前記凸部は、フード平面視の中央部側を中心として同心円状に又は前記中央部側から放射状に形成されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両用フード構造。
- 前記波状部の少なくとも一部は、前記フードが覆うエンジンルームの内部の剛体物と対面する位置に形成されている請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の車両用フード構造。
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