JP4037369B2 - 自動車のフード構造 - Google Patents
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また、後者においてフードフレーム断面を潰してエネルギー吸収を行うためには、広い範囲に閉断面構造部を形成する必要があり、その結果、車体重量の増加を免れないという問題がある。
このように構成することで、作用した入力荷重によりフードが曲げ変形しようとすると、前記メインフレームがフードを湾曲させる方向の荷重に対抗してフードが高剛性部品に底付くのを防止し、かつ、メインフレームはフードに作用する入力荷重に対する主応力軸方向に配置されているため、メインフレームの取付長さ方向に渡って強度的に有利な剪断方向でフードスキンとの間で前記応力に効果的に対抗できる。
また、メインフレームの交差部には、これを車幅方向から挟むV字形状のサブフレームが設けられ、メインフレームとフードスキンとの間、及びサブフレームとフードスキンとの間に複数の閉断面構造部が形成されることとなる。
このように構成することで、衝突初期における衝撃減速度を高めることが可能となる。
このように構成することで、サブフレームについてもその長手方向に渡って強度的に有利な剪断方向でフードスキンとの間で入力荷重による応力に効果的に対抗できる。
このように構成することで、最終的にフードが例えば高剛性部品に接触しても、その段階から閉断面構造部を潰しながら短いストロークで衝撃エネルギーを吸収することができる。
また、メインフレームとフードスキンとの間に形成された閉断面構造部によりフードの曲げ変形に対抗し衝突中期における衝撃減速度を高めることが可能となる。
このように構成することで、メインフレームとフードスキンとの間に塗布されたシーラによりメインフレームとフードスキンとの間に形成された閉断面構造部の変形を抑えることができる。
また、前記メインフレーム及びサブフレームをフードスキンの裏側の全面に渡って設けた場合に比較して車体軽量化に寄与することができる効果がある。
そして、メインフレームの交差部には、これを車幅方向から挟むV字形状のサブフレームが設けられ、メインフレームとフードスキンとの間、及びサブフレームとフードスキンとの間に複数の閉断面構造部が形成されることとなるため、高剛性部品との間のクリアランスが少ない部位においてどの方向から衝撃荷重が作用しても均一なエネルギー吸収特性を発揮することができる。
また、メインフレームとフードスキンとの間に形成された閉断面構造部によりフードの曲げ変形に対抗し衝突中期における衝撃減速度を高めることが可能となるため、その分だけストローク量を少なくして底付きに至るまでにエネルギーを吸収して実質的に底付きを少なくすることができる効果がある。
図1、図2に示すように、フード1は車体外表面を構成するアルミニウムあるいはアルミニウム合金製のフードスキン2と、このフードスキン2の裏面に取り付けられ、フードスキン2と同材質でエンジンルーム3内に面して配置されるフードフレーム4とで構成されている。
したがって、前記フードフレーム4にはメインフレーム7,7の交差部10の前方側に台形状開口部15が、後方側に三角形状開口部16が形成され、各サブフレーム8,8の車幅方向外側に各々三角形状開口部17,17が形成され、更に、サブフレーム8,8の前方側と後方側であってメインフレーム7,7の車幅方向外側に各々三角形状開口部18,19が形成されることとなる。
つまり、エンジンに最も近接しストロークを抑えなければならない部位を中心にして前記メインフレーム7及びサブフレーム8のフランジ部Fとフードスキン2との間にマスチックシーラ22が塗布されていることとなる。
尚、図1中35はフードストライカを示し、このフードストライカ35の周囲には補強用のレインフォース36が取り付けられている(図2では図示を省略する)。
また、前記メインフレーム7とサブフレーム8とがフードスキン2との間に形成する閉断面構造部9,12により効果的に前記曲げ変形に対抗してエネルギーの吸収を行うこととも相俟って、図9に示すように衝突中期でも従来に比較して衝撃減速度を高めエネルギー吸収量を増加し、図9の波形を矩形波に近づけることでエネルギー吸収効率を高めることができる。
勿論、このように衝突中期には大きなエネルギーが作用するが、メインフレーム7とサブフレーム8とで曲げ変形量を抑制しているため、エンジンのシリンダヘッドカバー11とのクリアランスが少なくても、シリンダヘッドカバー11にフードフレーム4が衝接するのを防止できる。
また、前記メインフレーム7の交差部10には、これを車幅方向から挟むV字形状のサブフレーム8,8が設けられ、メインフレーム7とフードスキン2との間、及びサブフレーム8とフードスキン2との間に複数の閉断面構造部9,12…が形成されることとなり、したがって、高剛性部品との間のクリアランスが少ない部位においてどの方向から衝撃荷重が作用しても均一なエネルギー吸収特性を発揮することができる。
更に、サブフレーム8についてもその長手方向に渡って強度的に有利な剪断方向でフードスキン2との間で衝撃荷重により生ずる応力を受けることができるため、メインフレーム7と同様衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
そして、衝突後期にフード1がシリンダヘッドカバー11に接触しても、その段階から閉断面構造部9,12を潰しながら短いストロークで衝撃エネルギーを吸収することができるため、底付きを防止して最後まで衝撃荷重を吸収できる。
つまり、図9にも示したが、初期及び中期衝撃減速度はある程度高まるが、ストロークを少なくして持続時間を短くすることで頭部障害値HICを下げることができるのである。また、ストロークが少なくて済むためフード1の高さをできるだけ低くできる等、造形上の自由度が高められる。
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、テープスティフナ5の材質はブチルゴム以外に様々な樹脂材を使用できる。また、必要であるならテープスティフナ5に替えて金属製の薄板材を使用することもできる。
2 フードスキン
5 テープスティフナ(質量材)
7 メインフレーム
8 サブフレーム
9 閉断面構造部
10 交差部
11 シリンダヘッドカバー(高剛性部品)
22 マスチックシーラ(シーラ)
X 主応力軸
Claims (5)
- フードスキンの裏側に設けられた一対のハット型断面形状のメインフレームを高剛性部品の上方位置で互いに交差するようにして配置し、このメインフレームを入力荷重に対する主応力軸方向に形成し、前記各メインフレームの交差部を挟むようにして前記フードスキンとの間に曲げ変形に対して強度的に有利な閉断面構造部を形成するハット型断面形状のサブフレームを一対設け、このサブフレームをメインフレームの交差部を挟むようにしてV字形状に形成し、フードの中心部分から蜘蛛の巣状に前記メインフレームと前記サブフレームとを配置したことを特徴とする自動車のフード構造。
- 前記フードスキンの裏側であって、前記メインフレームの交差部を中心とした位置に質量材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動車のフード構造。
- 前記V字形状のサブフレームの一部を前記主応力軸方向に形成されたメインフレームに対応して他の主応力軸方向に形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車のフード構造。
- 少なくとも前記フードスキンとメインフレームとで閉断面構造部が形成され、この閉断面構造部が潰れ変形可能であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の自動車のフード構造。
- 前記高剛性部品に最も近接する部位を中心にして前記メインフレームとフードスキンとの間にシーラを塗布することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の自動車のフード構造。
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