JP5186942B2 - 歩行者保護装置 - Google Patents

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本発明は、歩行者保護装置に関し、より詳しくはバンパーの前方に展開するエアバッグを備えたものに関する。
例えば特許文献1、2は、歩行者保護のためにバンパーから前方にエアバッグを展開することを提案している。すなわち、硬質のバンパーが歩行者の下肢に衝突することによる歩行者への下肢傷害を低減するためにエアバッグを使用することを提案している。これら特許文献1、2の開示から分かるように、バンパーの前方に展開したエアバッグは、車幅方向に直線状に延びる形状を有している。
エアバッグは既知のように乗員保護のために開発され且つ発展してきたが、近時の歩行者保護の重要性が認識される今日では上記の特許文献1、2で提案しているエアバッグを使った歩行者保護の他に、特許文献3に開示のように、ボンネットフードのインナーパネルに略円錐台形状のディンプルを複数形成し、また、ディンプルの周囲に複数の貫通孔を設けて歩行者の頭部がボンネットフードに衝突した際の衝撃を吸収することが提案されている。
この特許文献3の提案によれば、ボンネットフードの軽量化及び高剛性化に加えて、歩行者がボンネットフードのどの部位に衝突したとしても、傷害値に大きな偏りが無く、また、ディンプルの回りの貫通孔の穴径や配列を調整することで、傷害値と進入量のバランスを任意に設定できるという利点がある。
特開平9−164906号公報 特開2006−240351号公報 特開2003−191865号公報
車両が歩行者と接触又は衝突する状況を考えたときに、ドライバーはハンドルを切って事故を回避する動作を行うのが通常であると推測される。このことから車両と歩行者との接触又は衝突事故は、その間際のハンドル操作によって車体がヨー方向に回転しながら斜め方向に歩行者と衝突することが多いと推測される。
従来のバンパーエアバッグは正面衝突を念頭に置いた設計がなされており、このことは車幅方向に直線状に延びる形態が付与されていることからも明らかであるが、上述した状況を念頭に置くと、車体前端部の車幅方向両端部、つまりバンパーエアバッグの車幅方向両端部で歩行者と衝突する状況を含めたエアバッグの形態を設計するのが好ましい。
ところで、近時の車両は、その前端部の形状として、平面視したときに、車幅方向中央部分が前方に凸をなす湾曲形状を有している。このように前端縁の外形輪郭が前方に凸の湾曲形状を有する車両に従来のバンパーエアバッグを搭載した場合、バンパーエアバッグの車幅方向端部と車体前端縁との間に隙間ができてしまう。そして、この隙間の存在は、バンパーエアバッグの左右両端部で歩行者が受け止められたときにバンパーエアバッグの長手方向の全体形状が変化してバンパーエアバッグによって歩行者が車幅方向外方に弾き飛ばされてしまう可能性を含む。
上記の点に関して説明すると、バンパーエアバッグの長手方向両端部は、車体から離れた状態にあり、この部位に歩行者が衝突すると、バンパーエアバッグの長手方向両端部が全体的に撓み変形して車体の前端面に当接しようする傾向になり、そしてその後、バンパーエアバッグの長手方向両端部は復帰するために車体の前端面から離れる方向に変形する。この一連のバンパーエアバッグの動作、特にバンパーエアバッグの復帰動作によって歩行者は跳ね返される傾向となり、この結果、歩行者が車幅方向外方に弾き飛ばされてしまう虞がある。
本発明の目的は、車両の前端部の車幅方向端部つまり車両の前端部の側部が歩行者と接触又は衝突した場合においても、正面衝突の場合と同様に効果的に歩行者を保護することができ且つ衝突後の歩行者の上半身の挙動を制御することのできる歩行者保護装置を提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明によれば、
歩行者の車体前部への衝突を検知して、フロントバンパーと重複する領域で前方に且つ車幅方向に展開するエアバッグを有する歩行者保護装置であって、
前記車体前部の前端縁が、平面視で車幅方向中央部分が前方に凸をなす湾曲形状の外形輪郭を有し、
前記エアバッグは、展開したときに、該エアバッグの後端縁が、平面視で、前記車体前部の湾曲形状の外形輪郭に沿って車体前部の車幅方向両端部のコーナ部分まで延び、且つ車体前部に隣接して位置し、車幅方向中央部分が前方に凸をなす湾曲形状の輪郭を有し、
前記エアバッグが、車幅方向に並んで配設された複数のセグメントから構成され、
互いに隣接する2つのセグメントの間に、該エアバッグで受止された歩行者の脚部を挟み込むことのできる前方及び上下方向に開放した縦スリットを有し、
前記エアバッグは、展開したときに、平面視で、前記エアバッグの車幅方向の任意の部位の外形縁部とボンネットフードの平面視中央の衝撃吸収可能な衝撃吸収領域との間の距離が略一定であることを特徴とする歩行者保護装置を提供することにより達成される。
本発明の上記の構成によれば、車幅方向中央部分が前方に凸となる湾曲した外形輪郭を有する前端縁を備えた車両において、エアバッグが展開したときに、エアバッグの後端縁が、平面視で、車体前部の湾曲形状の外形輪郭に沿って車幅方向中央部分が前方に凸の湾曲した形状を有しているため、車両の前端部の車幅方向端部が歩行者と接触又は衝突した場合においても、正面衝突の場合と同様に、エアバッグの長手方向つまり車幅方向端部が車体によって支えられた状態で歩行者と衝突することになるため、エアバッグの長手方向端部が全体として撓み変形すること無しに、歩行者の衝撃を受け止めることができる。したがって、従来のようにエアバッグの長手方向端部が全体として撓み変形し、そしてその後、復帰する動作を伴うことなく、歩行者の衝撃をエアバッグによって緩和することができる。
また、本発明にあっては、エアバッグが、車幅方向に並んで配設された複数のセグメントから構成されている。このように複数のセグメントで車幅方向に延びるエアバッグを構成することで、各セグメントを的確に且つ早期に展開することができる。
また、本発明にあっては、複数のセグメントの互いに隣接するセグメント同士が隣接して配設され、隣接するセグメント間に縦スリットを有している。これにより隣接するセグメント間の縦スリットを利用して歩行者の脚部を捕捉して、衝突後の歩行者の上半身の挙動を制御することができる。
また、本発明の好ましい実施の形態においては、縦スリットが上下方向に連続し且つ上下に開放した拡大深部を有し、この拡大深部は、縦スリットを通じて侵入した歩行者の脚部を受け入れ、そして脚部を拘束することができる。また、エアバッグは、展開したときに、平面視で、前記エアバッグの車幅方向の任意の部位の外形縁部とボンネットフードの中央の平面視矩形の衝撃吸収可能な衝撃吸収領域との間の距離が略一定である。この構成を採用することにより、車幅方向中央部分が前方に凸となる湾曲したエアバッグの形状によって、エアバッグによって脚部が拘束された歩行者は、その上半身がボンネットフードの中央領域に倒れ込む確率が高くなる。したがって、特許文献3のような衝撃吸収構造又はエアバッグをボンネットフードの中央領域に設けることで、歩行者の頭部を保護するのが容易となる。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1は、実施例の歩行者保護装置を搭載した自動車の前部を斜め前方から見た斜視図であり、図2は正面図である。自動車1は、その前端部の外観がバンパーフェーシャパネル2によって形成され、バンパーフェーシャパネル2は、ボンネットフード3から前方にボンネットラインに沿って斜め下方に延びた後に下方に垂下する形態を有している。図中、参照符号4は前照灯を示し、5はフロントウインドウを示し、6は左右の前輪を示す。
バンパーフェーシャパネル2は、その車幅方向中央部分に、ラジエータ9を冷却するためのエアを取り入れる開口部を構成する大型の中央フロントグリル7と、その両側に、夫々、比較的小さなサイドグリル8とを有し、中央フロントグリル7は、左右の前照灯4まで延びる車幅方向長さを有し、また、ボンネットフード3に隣接した高さ位置からバンパーフェーシャパネル2の下端部まで至る高さ方向長さを有している。
また、バンパーフェーシャパネル2は、平面視したときに、車幅方向中央部分が前方に突出し、車幅方向両端部が後方に位置するアーチ状の形態を有している。
図中、参照符号10はバンパーレインフォースメントを示し、バンパーレインフォースメント10は、車幅方向の一端から他端に亘って延在しており、そして、中央フロントグリル7の高さ方向中間部分に位置する高さ位置に配設されている。
図3は図2のIII−III線に沿った断面図である。バンパーレインフォースメント10の後方には、これに隣接してシュラウドパネル11が配設され、このシュラウドパネル11にラジエータ9が固定されている。バンパーレインフォースメント10は、車体前後方向前方に位置する前メンバ12と、前メンバ12の後方に位置し且つ後方に突出した断面ハット状の後メンバ13とを有し、後メンバ13には、フロントサイドフレーム16がクラッシュカン17を介して連結される。
バンパーレインフォースメント10の分解斜視図である図4をも参照して、前メンバ12は、前方に突出した断面ハット状の前面縦壁12aに前方に向けて開放した凹部14を有し、凹部14は前メンバ12の長手方向(車幅方向)一端から他端に亘って連続して延在している。前メンバ12の凹部14には、その長手方向に間隔を隔てて複数のガス用開口15(この実施例では4つ)が形成されている。中央の2つのガス用開口15は、中央フロントグリル7に臨んで配設され、左右のガス用開口15はサイドグリル8に臨んで配設されている。
図4において参照符号20はエアバッグ装置を示し、エアバッグ装置20は、上記ガス用開口15に対応して、折り畳んだ状態のエアバッグ21と、エアバッグ21に関連したインフレータ22と、制御ユニット23とで概略構成されている。インフレータ22は、これに関連したガス用開口15に対応した位置に配設され、そして、インフレータ22及び制御ユニット23は、前メンバ12と後メンバ13とで構成される閉断面24(図3)に収容されている。他方、各エアバッグ21は前メンバ12の凹部14に収容されている。
前メンバ12の前方には、中央フロントグリル7の車幅方向長さに対応した長さ寸法の且つ後方に向けて開放した断面コ字状のバンパーレインフォースメント用カバー部材30が設けられ、このバンパーレインフォースメント用カバー部材30は前メンバ12の長手方向(車幅方向)中央部分に嵌合されている。バンパーレインフォースメント用カバー部材30はプラスチック成型品であり、暗色(典型的には黒)に着色されている。このバンパーレインフォースメント用カバー部材30の左右両端は、中央フロントグリル7の左右両側縁に接合されるのが好ましい。
エアバッグ21は、車幅方向に配列された複数のセグメント23で構成され、車体前方には、フロントグリル内のカバー部材30に形成された左右のエアバッグ通過用開口30aを通じて展開する2つのセグメント23に加えて、その両側に各々1つのセグメント23がサイドグリル8を通じて展開して、全体として、バンパーレインフォースメント10の前方領域に位置し、下端が地上に隣接した位置に位置し、上端がボンネットフード3の高さレベル近傍まで上下方向に延びる形状を有する(図6)。また、複数のセグメント23は全体として左右の前輪6、6の近傍までアーチ状に延びる車体前面部に沿った形状のエアバッグ21となる(図5)。
バンパーレインフォースメント用カバー部材30には、これに隣接する左右のセグメント23、23の各々が展開するときに通過可能な左右一対のエアバッグ通過用開口30a、30aを有している。この左右一対のエアバッグ通過用開口30a、30aは車幅方向離間して配設され、そして、この離間距離は、ナンバープレート31に対応して設定されている。左右のエアバッグ用開口30a、30aの間にナンバープレート31が配設されている。ナンバープレート31は、カバー部材30を介してバンパーレインフォースメント10に固定される。各エアバッグ通過用開口30aには、このエアバッグ通過用開口30aと相補的な形状を備えたキャップ32が脱着可能に嵌装されるのが好ましく、このキャップ32は、カバー部材30と同様に、典型的に黒の暗色に着色されるのがよい。
衝突が予知又は衝突が検知されると制御ユニット23からインフレータ22に起爆信号が出力され、これにより左右のインフレータ22が発生するガスは、前メンバ12の各ガス用開口15を通じてエアバッグ21の各セグメント23に供給され、その結果、エアバッグ21が展開される。
このように左右両側に位置するセグメント23は、バンパーフェーシャパネル2の左右のサイドグリル8を通じて前方に展開するため、中央フロントグリル7に対応して位置する2つのセグメント23が、カバー部材30のキャップ32で閉じられたエアバッグ通過用開口部30aを通じて前方に展開するよりも、左右両側に位置するセグメント23を早く展開を完了させることができる。そして、展開後のエアバッグ21は、互いに隣り合うセグメント23、23同士が互いに隣接又は当接した状態となる。
エアバッグ21は、上述したように、展開したときに、車幅方向に間隔を隔てて位置する複数の縦スリット21aによって区分される複数のセグメント23で構成され、この複数のセグメント23の基端部は互いに連通している。図5を参照すると、縦スリット21aは幅を有し、隣接するセグメント23、23が互いに車幅方向に離間した状態で描いてあるが、隣接するセグメント23、23が互いに当接していてもよい。
縦スリット21aの深部は、上下方向に連続し且つ上下に開放した拡大深部21bを有し(図6)、この拡大深部21bは、スリット21aを通じて侵入した歩行者の脚部Lを受け入れ、そして脚部Lを拘束することのできる空間を有している。このようにエアバッグ21の所定位置に位置決めされた拡大深部21bによって歩行者の脚部Lを拘束する位置を約束することができ、これによりエアバッグ21に衝突後の歩行者の挙動、つまりスリット21aの拡大深部21bによって拘束された歩行者の上半身の挙動を制御して、歩行者の頭部をボンネットフード3の中央領域に集中させることができる。
したがって、歩行者が例えば車幅方向中央領域に衝突した場合には、エアバッグ21によって脚部が捕捉された歩行者はその頭部がボンネットフード3の所定の領域Arに衝突するように衝突後の歩行者の上半身の挙動を制御することができる。この所定の領域Arについては後に説明する。
ここに、車幅方向外側に位置するエアバッグ21は、その車幅方向外端部が、車体前面の左右のコーナ部分まで延び、そしてバンパーフェーシャパネル2の車幅方向外端部によりも車幅方向外方に突出した状態で位置しており、これにより斜め前方の歩行者に対しても効果的に衝撃吸収することができると共に、スリット21aを通じて歩行者の脚部Lを拘束することにより歩行者の上半身がボンネットフード3に倒れ込むのを促進することができる。換言すれば、歩行者がエアバッグ21の車幅方向外端部と衝突することにより跳ね飛ばされて地面に倒れ込むのを防止することができる。
また、車体前面の車幅方向両端部のコーナ部分まで延びるエアバッグ21によって、車幅方向両側部に衝突した歩行者は、エアバッグ21のスリット21a及び拡大深部21bで脚部が拘束されることにより、歩行者の上半身がボンネットフード3上に倒れ込むのを促進することができる。
車幅方向に配列した複数のセグメント23からなるエアバッグ21の外形輪郭は、平面視したときに、車体前端部の外形輪郭に沿って湾曲した形状を有している。ここに、車体前端部の外形輪郭は、車幅方向中央部分が前方に凸の湾曲した形状を有し、したがって、車幅方向に配列した複数のセグメント23からなるエアバッグ21の外形輪郭は、車幅方向中央部分が前方に凸の湾曲した形状を有している。そして、この複数のセグメント23からなるエアバッグ21の外形輪郭の任意の部分からほぼ等しい距離となるように、ボンネットフード3の特定領域Arが設定されている。図5を参照すると、特定領域Arはボンネットフード3の中央部分において車幅方向が長辺となり、車体前後方向が短辺となる、平面視で、車体前端縁の湾曲形状に実質的に沿って湾曲した略長方形の形状を有し、この領域Arに特許文献3に記載の衝撃吸収構造が採用されている。勿論、ボンネットフード3にエアバッグ(図示せず)を搭載し、エアバッグが展開したときに特定領域Arを覆うようにしてもよい。また、複数のセグメント23からなる車幅方向に延びるエアバッグ21の後端縁の輪郭は、平面視したときに、車体前端部の外形輪郭に沿った湾曲した形状を有し且つ車体前端部に隣接して位置している。
すなわち、車体前端部の外形輪郭は、車幅方向中央部分が前方に凸の湾曲した形状を有し、したがって、車幅方向に配列した複数のセグメント23からなるエアバッグ21の外形輪郭及び後端縁の輪郭は、車幅方向中央部分が前方に凸の湾曲した形状を有している。ボンネットフード3の特定領域Arは、図5を参照すると、ボンネットフード3の中央部分において車幅方向が長辺となり、車体前後方向が短辺となる平面視で略長方形の形状を有し、この領域Arに特許文献3に記載の衝撃吸収構造が採用されている。勿論、ボンネットフード3にエアバッグ(図示せず)を搭載し、エアバッグが展開したときに特定領域Arを覆うようにしてもよい。
ボンネットフード3において衝撃吸収機構を組み込んだ特定領域つまり衝撃吸収領域Arの大きさは、車幅方向に配列した複数のエアバッグ21の外形輪郭の任意の箇所からほぼ等しい距離D1、D2、D3となるように設定される。この距離D1、D2、D3は、大人の平均身長を考慮して決定すればよい。
これにより、車両が歩行者と正面衝突した場合に限らず、車両の側部で歩行者と衝突した場合にあっても、エアバッグ21の後端縁が車体前端部によって支持された状態で歩行者の衝撃を受け止めることができる。また、エアバッグ21の外形輪郭の任意の箇所からほぼ等しい距離D1、D2、D3となるように設定されているため、歩行者の上半身がボンネットフード3の上に倒れ込んだときに、歩行者の頭部を衝撃吸収領域Arに集中させることができる。また、エアバッグ21のスリット21aによって歩行者の脚部Lを捕捉して深部21bで脚部Lを拘束することにより、歩行者の上半身がボンネットフード3の上に倒れ込む確率を高めることができ、また、その方向を制御することができる。したがって、歩行者の頭部をボンネットフード3の衝撃吸収領域Arで保護できる確率を一層高めることができる。
ここに、車両が歩行者と接触又は衝突する状況を考えたときに、前述したように、ドライバーはハンドルを切って事故を回避する動作を行うのが通常であると推測され、そして車両と歩行者との接触又は衝突事故は、その間際のハンドル操作によって車体がヨー方向に回転しながら斜め方向に歩行者と衝突することが多いと考えられる。
上述したように、展開したエアバッグ21が、平面視で、エアバッグ21の車幅方向の任意の部位の外形縁部とボンネットフード3の衝撃吸収領域Arとの間の距離(D1、D2、D3)が略一定であることから、歩行者と車体とが車幅方向中央部分で衝突したときであっても、車体の側部で歩行者と衝突したときであったとしても、衝突後にボンネットフード3の上に倒れ込む歩行者の上半身、特に頭部がボンネットフード3の衝撃吸収領域Arと衝突してボンネットフード3によって衝撃吸収できる確率を高めることができる。なお、上記の距離D1、D2、D3は、大人の平均身長を考慮して決定すればよい。
また、このようにエアバッグ21が平面視で車体前端縁の湾曲形状に沿って湾曲した形状を有し、且つ、スリット21a及びその深部21bで歩行者の脚部Lを拘束することで、正面衝突だけでなく側部衝突においても歩行者の上半身が倒れ込む方向を制御して頭部が衝突吸収領域Arに集中するようにしてあることから、ボンネットフード3の衝突吸収領域Arをボンネットフード3の全域に設けることなく限定的に設定することができ、そして、この衝突吸収領域Arはボンネットフード3の前後方向及び車幅方向の中央部分に限定できる。したがって、この領域Arが衝撃吸収機構を設けるためにボンネットラインの高さレベルを高く設定せざるを得なくなったとしても、これを例えばボンネットバルジとしてスポーティな外観デザインで処理することができる。換言すると、従来にあっては、歩行者の頭部がボンネットフード3のどの領域に衝突するか不明であり、歩行者の頭部が衝突する領域を限定的するという思想が無かったため、衝撃吸収機構をボンネットフード3の全域に設定するという考えに基づいて開発が進められており、このため、ボンネットフード3の全領域のボンネットラインを高さレベルの上昇を招いていた。つまり上記の制約を受けて近時の車両のデザイン活動が行われており、この結果、ボンネットフード3が全体的に上方に盛り上がった形状となる傾向にあるが、実施例によれば衝突吸収領域Arを制限的に設定することが可能になるため、車体デザインの自由度を向上することができる。
バンパーレインフォースメント10の前メンバ12に形成された凹所14の深さについて説明すると、例えば凹所14の深さを20mmというように折り畳んだエアバッグ21の厚みよりも小さな値に設定してよいが、このエアバッグ21の厚みと略同じ程度の深さを設定してもよい。いずれにせよ、深さを備えた凹所14を規定する上壁14aと下壁14bとによって、折り畳んだエアバッグ21(セグメント23)が展開するときに、凹所14の上壁14a、14bによってエアバッグ21の展開方向を前方に案内することができ、これによりカバー部材30のエアバッグ通過用開口30aを通じて的確に前方にエアバッグ21を展開させることができる。
また、凹所14によって、凹所14に収容したエアバッグ21が前メンバ13から前方に突出する量を低減又は無くすることができ、これにより、折り畳んだ状態のエアバッグ21を保護することができ且つ車体の振動によってエアバッグ21が上下方向に変位してしまうのを規制することができ、軽衝突時や走行時の揺れなどからエアバッグ21を保護することができる。勿論、前メンバ13に凹所14を設けたことにより、バンパーレインフォースメント10の強度を高めることができるのは言うまでもない。
また、大型の中央フロントグリル7を設けたときに、この中央フロントグリル7を横断する部位にカバー部材30を設けたことから、バンパーレインフォースメント10が外部に露出することがなく、カバー部材30によって見栄えを向上できる。特に、このカバー部材30及びキャップ32を暗色(典型的には黒色)に着色した場合には、カバー部材30の存在、ひいてはエアバッグ通過用開口30aを外部から目立たなくすることができ、デザイン上の制約から離れて、エアバッグ通過用開口30aをエアバッグ21(セグメント23)が展開するのに好適な形状及び大きさに最適化することができる。
また、中央フロントグリル7を通じて外部に露出するカバー部材30のエアバッグ通過用開口30aを左右一対設け、この左右のエアバッグ通過用開口30a、30aを互いに車幅方向に離間して配置させてあるため、左右のセグメント23の展開に支障を及ぼすことなく、ナンバープレート31を配設することができる。
実施例の歩行者保護装置を搭載した自動車の前部を斜め前方から見た斜視図である。 図1の自動車の正面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 歩行者保護装置の主要部品の一部を分解した分解斜視図である。 エアバッグが展開した状態を説明するための平面図である。 エアバッグが展開した状態を説明するための斜視図である。 展開したエアバッグにより歩行者の脚を拘束できることを説明するための斜視図である。
符号の説明
1 自動車
3 ボンネットフード
10 バンパーレインフォースメント
20 エアバッグ装置
21 エアバッグ
21a エアバッグの縦スリット
21b エアバッグの拡大深部
22 インフレータ
23 エアバッグのセグメント
Ar ボンネットフードの衝撃吸収領域

Claims (2)

  1. 歩行者の車体前部への衝突を検知して、フロントバンパーと重複する領域で前方に且つ車幅方向に展開するエアバッグを有する歩行者保護装置であって、
    前記車体前部の前端縁が、平面視で車幅方向中央部分が前方に凸をなす湾曲形状の外形輪郭を有し、
    前記エアバッグは、展開したときに、該エアバッグの後端縁が、平面視で、前記車体前部の湾曲形状の外形輪郭に沿って車体前部の車幅方向両端部のコーナ部分まで延び、且つ車体前部に隣接して位置し、車幅方向中央部分が前方に凸をなす湾曲形状の輪郭を有し、
    前記エアバッグが、車幅方向に並んで配設された複数のセグメントから構成され、
    互いに隣接する2つのセグメントの間に、該エアバッグで受止された歩行者の脚部を挟み込むことのできる前方及び上下方向に開放した縦スリットを有し、
    前記エアバッグは、展開したときに、平面視で、前記エアバッグの車幅方向の任意の部位の外形縁部とボンネットフードの平面視中央の衝撃吸収可能な衝撃吸収領域との間の距離が略一定であることを特徴とする歩行者保護装置。
  2. 前記縦スリットが、上下方向に連続し且つ上下に開放した拡大深部を有する、請求項1に記載の歩行者保護装置。
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