JP2007176451A - バンパアブソーバ - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突初期における早期の荷重発生を実現できるバンパアブソーバを得る。
【解決手段】バンパアブソーバ18は断面が前向きの「M」字状に形成され、バンパリインフォースメントからバンパカバー20へと向かうにしたがって間隔が漸増する離間部28と、離間部28のそれぞれの前端から、バンパリインフォースメントに向かって延出された圧縮部30とを備える。バンパアブソーバ18の前部切欠部22には、離間部28を連結する上下方向のリブ部32が形成され、上下方向中央に脆弱部32Wが形成されている。衝突体が衝突すると、バンパアブソーバ18は全体として車両前後方向に圧縮されつつ、リブ部32は脆弱部32Wにおいて上下に破断される。これにより、衝突初期における早期の荷重発生を実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、バンパアブソーバに関し、さらに詳しくは、車両のバンパリインフォースとバンパカバーとの間に配置されるバンパアブソーバに関する。
バンパアブソーバは、車体の外側からの衝突体の衝撃で変形し、エネルギー吸収する作用を有している。たとえば特許文献1には、レインホースメント(バンパリインフォースメント)とバンパ本体(バンパカバー)との間に配置されたエネルギー吸収部材としてのバンパアブソーバが記載されており、このバンパアブソーバは矩形の断面を有している。また、特許文献2には、前部切欠部と上側後部切欠部及び下側後部切欠部とで、断面W形状とされたバンパアブソーバが記載されている。
ところで、バンパアブソーバとしては、衝突初期において、早期の荷重発生を実現し、衝突体に作用する衝撃荷重の上昇を抑制することが望まれる。
特開2001−146140号公報 特開2004−175338号公報
本発明は上記事実を考慮し、衝突初期における早期の荷重発生を実現できるバンパアブソーバを得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明では、バンパリインフォースとバンパカバーとの間に配置され、バンパリインフォースからバンパカバーへ向かうにしたがって間隔が漸増する一対の離間部と、前記離間部を連結し、衝突体からの荷重で破断するリブ部と、を有することを特徴とする。
したがって、車両の外部から衝突体が衝突し、その衝撃がバンパカバーを介してバンパアブソーバに作用すると、衝突初期において、離間部を連結しているリブ部が破断されると共に離間部が変形する。
このように、衝突初期から、リブ部の破断によってエネルギー吸収しながら離間部が変形するので、荷重立ち上がりが早くなる。すなわち、早期の荷重発生を実現し、衝突体に作用する衝撃荷重の上昇を抑制できる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記リブ部が、車幅方向に間隔をあけて複数配置されていることを特徴とする。
このようにリブ部を、車幅方向に複数配置することで、離間部をより確実に連結できる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記リブ部に、前記離間部の中間位置で局所的に低強度とされた低強度部、が形成されていることを特徴とする。
したがって、低強度部でリブ部の破断を誘発できる。なお、低強度部としては、このようにリブ部の破断を誘発できるものであればよい。一般的には、衝突体衝突時に、リブ部には離間部から引張力が作用すると考えられるので、引張強度を低下させておけばよい。また、リブ部に圧縮力や曲げ力、捩り力等が作用することが想定される場合には、これらに対応した強度を低下させておけばよい。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記離間部の前記バンパカバー側端部から前記バンパリインフォースに向かって延出され、バンパカバー側からの荷重で車両前後方向に圧縮される圧縮部、が形成されていることを特徴とする。
したがって、車両の外部から衝突体が衝突し、その衝撃がバンパカバーを介してバンパアブソーバに作用すると、圧縮部がバンパカバーとバンパリインフォースとの間で圧縮され、より効果的にエネルギー吸収できる。
本発明は上記構成としたので、衝突初期において、早期の荷重発生を実現し、衝突体に作用する衝撃荷重の上昇を抑制できる。
図1及び図2には、本発明の一実施形態のバンパアブソーバ18を有する車両用バンパ構造12が示されている。なお、図面において、車両前方を矢印FRで、上方を矢印UPで、車幅方向右側を矢印Rで、車幅方向左側を矢印Lでそれぞれ示す。なお、以下では、本発明の車両用バンパ構造として、車両10の前方側に適用されたものを示すが、車両10の後方側に適用することも可能である。
図2に示すように、この車両用バンパ構造12は、フロントサイドメンバ14に支持されたバンパリインフォースメント16を有している。バンパリインフォースメント16は、たとえば金属によって長尺状に形成されており、その長手方向が車幅方向と一致する向きで配置されている。
バンパリインフォースメント16には、上下方向の中間部分において、車両前後方向に所定の厚みを有して前方に張り出す前面部16Fと、この前面部16Fの背面から上方及び下方にそれぞれフランジ状に延出された後面部16Bと、が構成されている。
バンパリインフォースメント16の前方には、バンパアブソーバ18が配置されている。バンパアブソーバ18は圧縮変形によってエネルギー吸収可能な材料(発泡材等の樹脂、薄肉金属や焼結合金など)で構成されており、衝撃が作用した際には潰れて衝撃吸収できるようになっている。なお、バンパアブソーバ18は、バンパリインフォースメント16に接着等により固定されていてもよいし、他の取付部材等を介して車体に取り付けられていてもよい。
図1にも示すように、バンパアブソーバ18の前方には、バンパカバー20が配置されている。バンパカバー20は車体の外観形状の一部を成しており、バンパアブソーバ18及びバンパリインフォースメント16を覆っている。バンパカバー20は、たとえば樹脂によって薄肉に形成されており、衝突体90の衝突によって衝撃が作用すると変形または破断して、この衝撃をバンパアブソーバ18に作用させるようになっている。
バンパアブソーバ18には、上下方向の中央において前方側から切り欠けられた前部切欠部22と、この前部切欠部22の上方及び下方において後方側から切り欠けられた上側後部切欠部24及び下側後部切欠部26が形成されている。そして、前部切欠部22と上側後部切欠部24及び下側後部切欠部26が車両上下方向で重複する部分を有するようになっており、全体として、断面が前向きの「M」字状に形成されている。
前部切欠部22と上側後部切欠部24又は下側後部切欠部26の間の部分は、バンパリインフォースメント16からバンパカバー20へと向かうにしたがって間隔が漸増するように離間した離間部28とされている。また、離間部28のそれぞれの後端は連結部29で連結され、バンパリインフォースメント16の前面部16Fに接触している。前方側から衝突体の衝突によって衝撃が作用すると、図4及び図5に示すように、離間部28はその間隔を広げるように変位(変形)する。
また、離間部28のそれぞれの前端からは、バンパリインフォースメント16の後面部16Bに向かって延出された圧縮部30が形成されている。前方側からの衝突体の衝突による衝撃で、図5に示すように車両前後方向に圧縮されてエネルギー吸収する。
図1にも示すように、前部切欠部22には、離間部28を連結する上下方向のリブ部32が形成されている。リブ部32は、車幅方向には一定間隔をあけて複数形成されている。
リブ部32には、車両前方側から見たときに、その厚みが上端及び下端から上下方向中央に向かって漸減されており、上下方向中央に、最も厚みが薄くなった脆弱部32Wが形成されている。リブ部32は、衝突体90からの衝撃が作用すると、脆弱部32Wにその荷重が集中して、上下に破断される。
次に、本実施形態の作用を説明する。
通常状態、すなわち、前方から衝突体が衝突していないときには、図2に示すように(さらに図3で実線で示すように)離間部28は変位しておらず、リブ部32も破断されていない。
ここで、前方から衝突体90が衝突すると、バンパアブソーバ18は全体として車両前後方向に圧縮され始める。図4に示すように、離間部28を連結しているリブ部32にも上下方向の引張力が作用するため、リブ部32は脆弱部32Wにおいて上下に破断されはじめる。
衝突の後期では、図5に示すように(図3にも一点鎖線で示すように)、圧縮部30もバンパリインフォースメント16とバンパカバー20との間で圧縮変形されて荷重を発生すると共に、エネルギー吸収している。
ここで、本実施形態のバンパアブソーバ18の変形荷重特性を、図6に示す比較例の変形荷重特性との関係で説明する。
図6に示す比較例のバンパアブソーバ48では、断面が矩形状とされており、図2に示す実施形態と同様にバンパリインフォースメント16の前面部16Fとバンパカバー20の間に配置されている(バンパリインフォースメント16には、後面部16B(図2〜図4参照)に相当する部位はない)。なお、図6において、変形後のバンパアブソーバ48を一点鎖線で示している。
衝突体90の一例として、図2及び図6示す断面四角形状の衝突体90を考える。また、図7に示すように、たとえばバンパアブソーバ18、48自体の材料の荷重特性として、曲線が矩形状に変化するもの(圧縮初期において、単位面積あたりの荷重の立ち上がりが早い)を想定する。このような特性を有する材料のバンパアブソーバであっても、衝突体90の形状等から、衝突初期においては狭い受圧面積で変形する。したがって、比較例のバンパアブソーバ48では、図8に点線L2で示すように、変形の初期、すなわち変形量が小さいときは、発生荷重も小さくなる。
これに対し、本実施形態のバンパアブソーバ18では、上記したように、衝突初期から、リブ部32が破断されつつ離間部28が離間する方向に変位して、荷重を発生させる。したがって、図8に実線L1で示すように、荷重の立ち上がりが早くなる。変形の初期、すなわち変形量が小さいときであっても、発生荷重は大きくなる。
このように、本実施形態では、衝突体90に作用する衝撃荷重の上昇を、衝突の初期段階から確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、衝突後期におけるバンパアブソーバ18の底付領域も小さくすることができる。すなわち、比較例のバンパアブソーバ48では、変形前の厚みをS、変形量をS1としたとき、発生荷重をたとえばF1(図8参照)以内とするためには、底付分(S−S1)が大きくなり、多くのスペースが必要となる。
これに対し、本実施形態のバンパアブソーバ18では、変形前の厚みをS’,変形量をS1’としたとき、比較例と同様の発生荷重F1以内にするために、底付分(S’−S1’)が小さくなり、スペース効率に優れる。すなわち、省スペースで所望の性能を確保できるので、意匠(デザイン)の自由度が向上する。
なお、上記では、脆弱部32Wが形成されたリブ部32を有するバンパアブソーバ18を例に挙げたが、脆弱部32Wがない構成でも、リブ部32は上下方向の引張力によって上下に破断する。ただし、脆弱部32Wが形成されていると、初期において破断が脆弱部32Wで誘発されるので好ましい。このように破断を誘発するための低強度部としては、リブ部32が局所的に低強度とされていれば十分であり、たとえば、リブ部32の上下方向中央に車両前後方向の断続的な孔を形成する(全体としてミシン目のようにする)構成でもよい。
また、リブ部32は、車幅方向に複数設けられている必要はなく、1つでもよいが、複数設けた構成では、離間部28の位置をリブ部32によって維持でき、好ましい。また、車幅方向のどの部位に衝撃が作用した場合でも、リブ部32の破断によって荷重発生、エネルギー吸収を行えるので、好ましい。
本発明の一実施形態のバンパアブソーバを備えた車両用バンパ構造を部分的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態のバンパアブソーバを備えた車両用バンパ構造を図1のII−II線に相当する断面で示す断面図である。 本発明の一実施形態のバンパアブソーバとバンパリインフォースメントを変形前の状態で示す断面図である。 本発明の一実施形態のバンパアブソーバとバンパリインフォースメントを変形初期の状態で示す断面図である。 本発明の一実施形態のバンパアブソーバとバンパリインフォースメントを変形後期の状態で示す断面図である。 比較例のバンパアブソーバを備えた車両用バンパ構造を図2と同様の断面で示す断面図である。 バンパアブソーバの一般的な荷重特性を示すグラフである。 本発明の実施形態及び比較例での、バンパアブソーバの変形量と荷重との関係を示すグラフである。
符号の説明
12 車両用バンパ構造
14 フロントサイドメンバ
16 バンパリインフォースメント
16B 後面部
16F 前面部
18 バンパアブソーバ
20 バンパカバー
22 前部切欠部
24 上側後部切欠部
26 下側後部切欠部
28 離間部
30 圧縮部
32 リブ部
32W 脆弱部(低強度部)
48 バンパアブソーバ
90 衝突体

Claims (4)

  1. バンパリインフォースとバンパカバーとの間に配置され、バンパリインフォースからバンパカバーへ向かうにしたがって間隔が漸増する一対の離間部と、
    前記離間部を連結し、衝突体からの荷重で破断するリブ部と、
    を有することを特徴とするバンパアブソーバ。
  2. 前記リブ部が、車幅方向に間隔をあけて複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバンパアブソーバ。
  3. 前記リブ部に、前記離間部の中間位置で局所的に低強度とされた低強度部、が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバンパアブソーバ。
  4. 前記離間部の前記バンパカバー側端部から前記バンパリインフォースに向かって延出され、バンパカバー側からの荷重で車両前後方向に圧縮される圧縮部、が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のバンパアブソーバ。
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