JP2007137114A - 車両用バンパ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝撃作用時に必要なバンパリインフォースの曲げ耐力を確保しつつ、前後方向の長さを短縮可能な車両用バンパ構造を得る。
【解決手段】バンパアブソーバ18の、バンパリインフォースメント16との対向面(後面18B)にバンパアブソーバ18自体を凹ませた凹部22が形成され、バンパリインフォースメント16の前面16A(バンパアブソーバ18との対向面)には、凹部22内に入り込む形状の凸部26が車両前方側に向かって突出されている。この凸部26により、衝撃作用時に必要とされるバンパリインフォースメント16の曲げ耐力を確保しつつ、車両前後方向の長さを短くできる。
【選択図】図3
【解決手段】バンパアブソーバ18の、バンパリインフォースメント16との対向面(後面18B)にバンパアブソーバ18自体を凹ませた凹部22が形成され、バンパリインフォースメント16の前面16A(バンパアブソーバ18との対向面)には、凹部22内に入り込む形状の凸部26が車両前方側に向かって突出されている。この凸部26により、衝撃作用時に必要とされるバンパリインフォースメント16の曲げ耐力を確保しつつ、車両前後方向の長さを短くできる。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用バンパ構造に関する。
車両用バンパ構造では、外力による衝撃の吸収効果を高めるようにしたものが提案されている。
たとえば、特許文献1には、バンパアブソーバのバンパリインフォースメントとの対向面に中空を設け、衝撃が加わった際のバンパアブソーバの潰れ残り代を低減させることで、衝撃を効率よく吸収できるようにした車両用バンパが記載されている。
ところで、このようにバンパアブソーバ(衝撃吸収部材)に中空を設けても、バンパアブソーバには潰れ残り代が必然的に発生するため、バンパ構造としては車両前後方向には所定の長さを有してしまうことになる。バンパ構造を車両前後方向に短縮するために、たとえばバンパリインフォースメントの厚みを少なくしてしまうと、曲げ耐力が低下してしまう。
特開2004−224106号公報
本発明は上記事実を考慮し、衝撃作用時に必要なバンパリインフォースの曲げ耐力を確保しつつ、前後方向の長さを短縮可能な車両用バンパ構造を得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明では、衝撃が作用した際に潰されて衝撃吸収する衝撃吸収部材と、前記衝撃吸収部材よりも車体内側で衝撃吸収部材に対向するように配置されるバンパリインフォースメントと、衝撃吸収部材のバンパリインフォースメント対向部に車幅方向に沿って形成された凹部と、前記バンパリインフォースメントに車幅方向に沿って形成され、前記凹部内に突出する凸部と、を有することを特徴とする。
したがって、衝撃が作用すると、衝撃吸収部材が潰されて衝撃吸収する。衝撃吸収部材には車幅方向に沿った凹部が形成されているので、衝撃作用後の潰れ残り代を低減させることができ、衝撃を効率よく吸収できる。
また、バンパリインフォースメントには、車幅方向に沿った凸部が形成されている。これにより、衝撃作用時に必要な曲げ耐力を確保しつつ、車両前後方向の長さを短くできる。凸部は凹部内に突出して収容されているので、この点でも車両前後方向の長さを長くしてしまうことはない。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記凹部及び前記凸部が、上下方向中央に1つ設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記凹部及び前記凸部が、上下方向に間隔をあけて複数設けられていることを特徴とする。
このように、凹部及び凸部は、上下方向中央に1つ設けられていてもよいし、上下方向に間隔をあけて複数設けられていてもよい。上下方向中央に1つ設けられた構成では、複数設けられた構成と比較して構造が簡単になる。複数設けられた構成では、1つのみ設けられた構成と比較して、曲げ耐力をより高く確保できる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記衝撃吸収部材が、発泡材によって構成されていることを特徴とする。
すなわち、衝撃吸収部材としては、作用した衝撃を吸収できればよく、たとえば、塑性変形する部材であれば適用できるが、特に、発泡材で構成することで、簡単な構成で確実に衝撃吸収可能な衝撃吸収部材が得られる。
本発明は上記構成としたので、衝撃作用時に必要なバンパリインフォースの曲げ耐力を確保しつつ、前後方向の長さを短縮可能となる。
図1には、本発明の第1実施形態の車両用バンパ構造12が適用された車両10が示されている。また、図2及び図3には、車両用バンパ構造12が示されている。なお、図面において、車両前方を矢印FRで、上方を矢印UPで、車幅方向右側を矢印Rで、車幅方向左側を矢印Lでそれぞれ示す。なお、以下では、本発明の車両用バンパ構造として、車両10の前方側に適用されたものを示すが、車両10の後方側に適用することも可能である。
車両用バンパ構造12は、フロントサイドメンバ14に支持されたバンパリインフォースメント16を有している。バンパリインフォースメント16は、たとえば金属によって長尺の中空状に形成されており、その長手方向が車幅方向と一致する向きで配置されている。
バンパリインフォースメント16の長手方向両端近傍位置では、車両後方に向かって屈曲されており、車両10の外観形状に合わせた形状とされている。なお、車両の外観形状によっては、バンパリインフォースメント16を全体的に湾曲させてもよいし、屈曲あるいは湾曲させることなく直線状に形成してもよい。
バンパリインフォースメント16の前方には、バンパアブソーバ18が配置されている。バンパアブソーバ18は発泡材で構成されており、衝撃が作用した際には潰れて衝撃吸収できるようになっている。なお、バンパアブソーバ18は、バンパリインフォースメント16に接着等により固定されていてもよいし、他の取付部材等を介して車体に取り付けられていてもよい。
バンパアブソーバ18も、バンパリインフォースメント16と同様に、長手方向両端近傍位置で車両後方に向かって屈曲されており、車両10の外観形状に合わせた形状とされている。
図3に示すように、バンパアブソーバ18の前方には、バンパカバー20が配置されている。図1に示すように、バンパカバー20は車体の外観形状の一部を成しており、バンパアブソーバ18及びバンパリインフォースメント16を覆っている。バンパカバー20は、たとえば樹脂によって薄肉に形成されており、衝撃が作用すると変形または破断して、この衝撃をバンパアブソーバ18に作用させるようになっている。
バンパアブソーバ18の、バンパリインフォースメント16との対向面(後面18B)には、上下方向中央に、車両前方側へバンパアブソーバ18自体を凹ませた凹部22が形成されている。凹部22は、車幅方向には連続しており、凹部22の上側及び下側の部分が、前方から作用した衝撃で圧縮変形する変形部24とされている。
これに対し、バンパリインフォースメント16の前面16A(バンパアブソーバ18との対向面)には、凹部22内に入り込む形状の凸部26が車両前方側に向かって突出されている。凸部26も凹部22と同様に車幅方向に連続した形状とされている。凸部26の突出量は、バンパアブソーバ18の変形部24の変形を阻害しない程度とされている。そして、この凸部26を形成したことで、衝撃作用時に必要とされるバンパリインフォースメント16の曲げ耐力を確保しつつ、図4及び図5に示すように、車両前後方向の長さを、符合ΔLで示す分短くされている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
通常状態では、車両前方からの衝撃が作用していないので、図3に示すように、バンパアブソーバ18には変形(潰れ)が生じていない。
図4(A)に示すように、車両前方からの衝撃F1がバンパアブソーバ18に作用すると、バンパアブソーバ18の変形部24が車両前後方向に潰れて衝撃吸収する。バンパアブソーバ18に凹部22を形成し、その上下の変形部24を変形させることで、バンパアブソーバ18の潰れ残り代を低減させることができ、効率的な衝撃吸収ができる。
また、バンパリインフォースメント16に作用した衝撃F1により、図2に二点鎖線で示すようにバンパリインフォースメント16は車両後方側へ変形しようとするため、バンパリインフォースメント16には曲げ耐力が必要とされる。本実施形態では、バンパリインフォースメント16に凸部26を形成しているので、衝撃作用時に必要とされるバンパリインフォースメント16の曲げ耐力を確保しつつ、車両前後方向の長さを短くしている。たとえば図4(B)に示すように、このような凸部26が形成されていないバンパリインフォースメント17では、必要な曲げ耐力を確保するために、車両前後方向に長さL2が必要な場合であっても、本実施形態では、同様の曲げ耐力が、車両前後方向の長さL1(長さL2より短い)で確保でき、その差ΔL=L2−L1だけ車両前後方向に短くできる。
特に、図4(A)及び(B)から分かるように、凹部22を形成したバンパアブソーバ18では、このような凹部22が形成されていないバンパアブソーバと比較して少ないとはいえ、潰れ残り代R1が発生する。本実施形態では、バンパアブソーバ18の変形後においても生じている空間S1(凹部22が潰れ残って生じた空間)に対応させて凸部26を形成している。すなわち、この空間S1を効果的に利用することで、バンパリインフォースメント16の曲げ耐力確保と車掌前後方向の長さの短縮を両立している。
また、このようにバンパリインフォースメント16の車両前後方向の長さを短くできることで、たとえば車両10の外観意匠に対する制約が少なくなる。
しかも、凸部26の突出量は、バンパアブソーバ18の変形を阻害しない程度とされているので、バンパアブソーバ18の変形によって確実に衝撃吸収できる。
また、凸部26が形成されていることで、バンパアブソーバ18からバンパリインフォースメント16への衝撃の入力タイミングが早くなる。すなわち、凸部26の長さの分だけ、衝撃作用時の車体からの反力を早期に立ち上げることが可能となる。
なお、本発明に係る衝撃吸収部材(バンパアブソーバ)及びバンパリインフォースメントの形状は、上記したものに限定されず、たとえば以下の各実施形態に示すような種々の形状が可能である。以下において、上記第1実施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図5(A)には、第2実施形態に係るバンパリインフォースメント28が示されている。このバンパリインフォースメント28では、第1実施形態のバンパリインフォースメント16と同様に凸部26が形成されているが、さらに後面28Bにも、車両前方側に突出する凸部30が形成されている。このような形状のバンパリインフォースメント28であっても、図5(B)に示す形状のバンパリインフォースメント29(凸部30は形成されているが、前面16Aの凸部26は形成されていない)と比較して、必要な曲げ耐力を確保しつつ、車両前後方向の長さを短くすることが可能となる。
図6には、第3実施形態の車両用バンパ構造32が示されている。第3実施形態のバンパアブソーバ38では、凹部22が、上下方向に間隔をあけて2つ形成されている。また、バンパリインフォースメント36にも、凹部22のそれぞれに対応する2つの凸部26が形成されている。
このように、複数(上記の例では2つ)の凹部22及び凸部26を形成した車両用バンパ構造32であっても、第1実施形態のように1つの凹部22及び凸部26を形成したものと同様に、バンパリインフォースメント36の必要な曲げ耐力を確保しつつ、車両前後方向の長さを短くすることが可能となる。
特に、複数の凸部26が形成されたバンパリインフォースメント36では、第1実施形態のバンパリインフォースメント16のように凸部26が1つのみ形成された構造と比較して、より大きな曲げ耐力を確保することができる。これに対し、1つのみ凸部26を形成した第1実施形態のような構成では、複数の凸部26を形成したものと比較して構造が簡単になり、成形も容易になる。
図7には、第4実施形態の車両用バンパ構造42が示されている。第4実施形態では、第3実施形態と同様に、2つの凹部22が形成されたバンパアブソーバ38を用いており、バンパリインフォースメント46にも2つの凸部26が形成されている。また、バンパリインフォースメント46の後面には、第2実施形態のバンパリインフォースメント28(図5(A)参照)と同様に、1つの凸部30が形成されている。したがって、第4実施形態では、第2実施形態や第3実施形態と比較して、バンパリインフォースメント46の曲げ耐力をさらに大きく確保できる。
なお、バンパリインフォースメントの後面の凸部30として、図7に示したように前面46Aまで達する突出量のものに限らず、たとえば、図8に第4実施形態の変形例として示すように、前面46Aに達しない程度の凸部30であってもよい。
10 車両
12 車両用バンパ構造
14 フロントサイドメンバ
16 バンパリインフォースメント
16A 前面
18 バンパアブソーバ(衝撃吸収部材)
18B 後面
20 バンパカバー
22 凹部
24 変形部
26 凸部
28 バンパリインフォースメント
28B 後面
29 バンパリインフォースメント
30 凸部
32 車両用バンパ構造
36 バンパリインフォースメント
38 バンパアブソーバ(衝撃吸収部材)
42 車両用バンパ構造
46 バンパリインフォースメント
46A 前面
S1 空間
12 車両用バンパ構造
14 フロントサイドメンバ
16 バンパリインフォースメント
16A 前面
18 バンパアブソーバ(衝撃吸収部材)
18B 後面
20 バンパカバー
22 凹部
24 変形部
26 凸部
28 バンパリインフォースメント
28B 後面
29 バンパリインフォースメント
30 凸部
32 車両用バンパ構造
36 バンパリインフォースメント
38 バンパアブソーバ(衝撃吸収部材)
42 車両用バンパ構造
46 バンパリインフォースメント
46A 前面
S1 空間
Claims (4)
- 衝撃が作用した際に潰されて衝撃吸収する衝撃吸収部材と、
前記衝撃吸収部材よりも車体内側で衝撃吸収部材に対向するように配置されるバンパリインフォースメントと、
衝撃吸収部材のバンパリインフォースメント対向部に車幅方向に沿って形成された凹部と、
前記バンパリインフォースメントに車幅方向に沿って形成され、前記凹部内に突出する凸部と、
を有することを特徴とする車両用バンパ構造。 - 前記凹部及び前記凸部が、上下方向中央に1つ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用バンパ構造。
- 前記凹部及び前記凸部が、上下方向に間隔をあけて複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用バンパ構造。
- 前記衝撃吸収部材が、発泡材によって構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用バンパ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005330113A JP2007137114A (ja) | 2005-11-15 | 2005-11-15 | 車両用バンパ構造 |
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JP2005330113A JP2007137114A (ja) | 2005-11-15 | 2005-11-15 | 車両用バンパ構造 |
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- 2005-11-15 JP JP2005330113A patent/JP2007137114A/ja active Pending
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