JP4958717B2 - 車輌用フード及び車輌フード用補強材 - Google Patents

車輌用フード及び車輌フード用補強材 Download PDF

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Description

本発明は、アウタパネルとインナパネルとを有する自動車等の車輌用フードに関し、特に歩行者との前面衝突における歩行者頭部の衝突からの保護性能が優れた車輌用フードに関する。
車体前部にフードを備えた自動車において、この自動車用フードは、上側のアウタパネルと下側のインナパネルとから構成され、更にアウタパネルとインナパネルとの間に補強材等が配置されている。また、フード自体の剛性及び強度を確保するために、アウタパネルとインナパネルとが空間を介した閉断面構造をとるように接合され、その内部に、いくつかの補強材が配置されるのが一般的である。
そして、フードのインナパネルには、フード自体の剛性を確保するために、通常、フードの周縁部に沿って、凹部が形成されている。この凹部にはフードを車体に取り付けるためのフードヒンジやロック機構が取り付けられることが多い。また、このフードヒンジ近傍には、フードヒンジの取り付け部の強度確保を目的として、ヒンジ補強材と呼ばれるインナパネルに比べて比較的厚肉の補強材が取り付けられる。この補強材は、フード開閉時の疲労強度を確保する必要があり、鋼板に比べて疲労強度が低いアルミニウム材料を使用する場合には、特に厚肉になることが多い。また、このヒンジ補強材は、フード自体の剛性向上を目的として、車体長手方向に延在させて設けられる場合もある。
近年、フードパネルについては、フード剛性、デント性及び張り剛性などに加えて、歩行者の頭部が衝突した際の傷害値が低減できる構造も要求されるようになってきた。前面衝突時の歩行者頭部保護性能を評価するためには、衝突時の加速度−時間波形から算出されるHIC値が一般的に用いられており、HIC値が小さいほど、歩行者頭部の傷害が生じにくいとされている。従って、フードとしての必要要件を確保した上でHIC値が低くなるフード構造が必要となっている。また、フードの下方に配置される各種機能部品のレイアウトの自由度を確保するために、これらの機能部品とフード底面との隙間を小さくすることができる構造も望まれている。
頭部がフードに衝突した時の加速度波形は、頭部がフードアウタに接触した際に第1波が生じ、その後、フード下に配置される部品との接触により加速度第2波が生じる形態が一般的である。そして、HIC値を低減するためには、加速度第2波を小さくすることが最も有効であり、フード底面とその下部に配置される部品との隙間を十分に確保することが理想的である。しかし、前述のように、この隙間を小さくしたいという要望を考えれば、加速度第1波を大きくして、エネルギ吸収ストローク自体を小さくすることも必要となっている。
フードインナ外周に環状に設けられた凹部近傍では、インナパネルによるアウタパネルの支持点間距離が長くなり(特開2002−120762)、デント性及び張り剛性が低下したり、頭部衝突における変形荷重が低下し、加速度第1波が小さくなることが多い。これは、衝突初期においてアウタパネルが単独で変形してしまうことが原因である。このような問題点を解消するために、インナパネルの凹部であるフード前端側のロック部近傍では、デント補強材と呼ばれる補強材をアウタパネルに近接して設け、アウタパネルの張り剛性及びデント性能の確保と歩行者保護性能向上との両立を図ることが一般的に行われている。
また、ヒンジ部及びフードサイド側の凹部についても、アウタパネルとインナパネルとの間にエネルギを吸収する補強部材を設置したり(特許文献1)、ヒンジ補強材にアウタパネルとの接合面となる支持部を設け、これにより衝突初期のエネルギ吸収性能を確保しようとする例(特許文献2、特許文献3)がある。
特許第3329086号 特開2005−22459号公報 特開2005−247262号公報
しかしながら、これらの公知技術は、歩行者頭部衝突時において効率よくエネルギを吸収するために、加速度第1波を大きくすることに主眼をおいた発明であり、HIC値を低くするという観点では、大きな問題がある。
例えば、前記事例の場合、頭部衝突時にエネルギ吸収ストロークを小さくすることは可能である。しかし、インナパネルに比べて厚肉である補強材の変形抵抗が高すぎれば、第1波以降の加速度も増加し、さらに、ヒンジ補強材自体の潰れ残りも大きくなるという問題点がある。第1波以降の加速度増加は、平均加速度を増加させる。また、ヒンジ補強材の潰れ残りが大きくなれば、フード内の変形ストロークが減少し、インナパネル底面と他の部品との接触が早くなり、加速度第2波が大きくなってしまう。これらは、HIC値の増加を招き、歩行者保護性能が低下することになる。
そして、このような補強材にアルミニウム材料を使用した場合、補強材は、疲労強度確保のために、従来の鋼板製補強材に比べて厚肉にする必要がある。このため、ヒンジ補強材の変形強度はさらに高くなり、HIC値がより高くなるという問題点がある。
近時、歩行者保護に対する要求はさらに厳しくなってきており、衝突時の歩行者保護性能の更に一層の向上が望まれている。このため、フードの周縁部のインナパネルの凹部近傍でも、歩行者保護性能の向上、つまりHIC値の低減が必要になっている。即ち、デント性能及び張り剛性を確保した上で、HIC値低減の観点から、頭部衝突時の加速度第1波の増加及びそれ以降の加速度の低減が望まれており、更に、潰れ残りが少ない補強材構造が望まれている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、頭部衝突時の加速度第1波の増加及びそれ以降の加速度を低減してHIC値を低減できると共に、更に、潰れ残りが少なく、衝突時の歩行者保護性能が向上した車輌用フードを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、更に、デント性能及び張り剛性が確保された車輌用フードを提供することを目的とする。
本発明に係る車輌用フードは、アウタパネルと、このアウタパネルの下面側に配置されるインナパネルと、このインナパネルの上面側に配置される補強材とを有する車輌用フードにおいて、前記補強材は、前記インナパネルに取り付けられた基部と、この基部に一体成形されて基部に支持された支持脚とを有し、この支持脚は、前記基部の車輌幅方向側部に支持された側方フランジと、この側方フランジから車輌後方に向けて上方になるように傾斜して延びる傾斜部と、この傾斜部の上端に設けられた上端フランジとを有することを特徴とする。
この場合に、前記上端フランジは、前記アウタパネル又は前記アウタパネルに近接して設けられたアウタパネル用補強材に、マスチック接合又は溶接等により、接合されていることが好ましい。
また、前記補強材の前記基部はヒンジ補強材であり、前記インナパネルには、その中央部と車輌幅方向の端縁である側辺との間に凹部が形成されており、前記ヒンジ補強材は前記凹部内に車輌前後方向に延びて前記インナパネルを介してインナパネルの下面のヒンジに接合されるように設けられており、前記ヒンジ補強材の断面形状が上方に開口するU字形をなしており、前記補強材の前記支持脚は、前記ヒンジ補強材に一体的に形成されていることが好ましい。
前記傾斜部には、ビードが形成されていることが好ましい。
本発明に係る車輌フード用補強材は、インナパネルに取り付けられた基部と、この基部に一体成形されて基部に支持された支持脚とを有し、この支持脚は、前記基部の車輌幅方向側部に支持された側方フランジと、この側方フランジから車輌後方に向けて上方になるように傾斜して延びる傾斜部と、この傾斜部の上端に設けられた上端フランジとを有することを特徴とする。
前記上端フランジは、前記アウタパネル又は前記アウタパネルに近接して設けられたアウタパネル用補強材に接合されていることが好ましい。
前記基部は、断面形状が上方に開口するU字形をなし、前記支持脚は、前記基部のプレス成形時に前記U字形の縦辺部の上端部に連なって水平に残存するフランジ部から、前記側方フランジ、前記傾斜部及び前記上端フランジとなる部分を残して、余部を除去し、前記基部の縦辺部上端から、前記傾斜部及び前記上端フランジとなる部分を切り離し、その後、前記傾斜部を前記側方フランジに対して傾斜するように折り曲げ、更に、側方フランジに対して上端フランジを水平に折り曲げることにより、前記基部と一体的に形成されていることが好ましい。
前記基部は、前記インナパネルの車輌幅方向の端部である側部に設けられ、インナパネルを介してインナパネル下面のフードヒンジと連結されていることが好ましい。
また、前記傾斜部には、ビードが形成されていることが好ましい。
なお、本発明の車輌フード用補強材は、例えば、板厚が1.4mm以上のJIS5000系又は6000系のアルミニウム合金材により成形されたものである。
本発明によれば、頭部衝突時の加速度第1波の増加及びそれ以降の加速度を低減してHIC値を低減できると共に、更に、補強材の潰れ残りが少なく、衝突時の歩行者保護性能が向上する。
また、本願請求項2によれば、デント性能及び張り剛性も確保される。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態の車輌用フードのインナパネルの車輌進行方向の左側の半分の部分及びその車輌幅方向の側部に設けられたヒンジ補強材を示す斜視図、図2は図1からヒンジ補強材を抽出して示す斜視図、図3は図2のA−A線におけるフードの断面図である。なお、図1において、支持脚は図示されていない。また、図1に示すヒンジ補強材は従来のヒンジ補強材の一般的な構造を示している。
図3に示すように、インナパネル1はアウタパネル100の下面側に配置され、インナパネル1の端部1bにおいて、アウタパネル100の端部101をヘム加工することにより、両者が固定されている。図1に示すように、このインナパネル1の周縁部には、凹部2が形成されており、この凹部2の底面2aがインナパネル1の底面となっている。そして、凹部2に囲まれたインナパネル1の部分1aは、インナパネルの剛性を確保するための複数の凹凸(図示しない)が設けられており、図3に示すように、アウタパネルとの近接部において、インナパネル1とアウタパネル100にマスチック接合される。
そして、インナパネル1の左右両側の凹部2には、車輌の前後方向に延びるように配置されて、ヒンジ補強材3補強材の基部としてのヒンジ補強材3が設置されている。フードヒンジは、インナパネル1の下面に設けられて、フードの開閉を行うための部品である。そして、このフードヒンジをインナパネル1に取り付ける取り付け部を、インナパネル1の上面(フードヒンジからみると裏面)から補強するために、インナパネル1の上面にヒンジ補強材3が設けられている。ヒンジ補強材3は車輌の幅方向の断面(A−A線による断面)で上方に開口するU字形をなし、車輌前後方向の後部において、ヒンジボルト4によりインナパネル1に固定されている。本実施形態においては、このヒンジ補強材3に、支持脚5が設けられている。しかし、本発明は、後述する支持脚をヒンジ補強材に設ける場合に限られるものではない。支持脚は、インナパネルの上面に設けられる種々の補強材に設けることが可能である。
図2に示すように、ヒンジ補強材3は、底部3bと、この底部3bから上方に立ち上がる両側壁3aとを有する。そして、本実施形態においては、車輌幅方向に離隔する1対のヒンジ補強材3の車輌幅方向の内側の側壁3aの外面側に、2個の支持脚5が設けられている。この支持脚5は側壁3aから側方に突出する側方フランジ5aと、この側方フランジ5aから車輌後方に向けて上方になるように傾斜して延びる傾斜部5bと、この傾斜部5bの上端に連なる上端フランジ5cとからなる。この支持脚5は、ヒンジ補強材3を形成するときに、図16を使用して後述するように、ヒンジ補強材3のプレス成形時にU字形の縦辺部の上端部に連なって水平(車輌幅方向)に残存するフランジ部から、側方フランジ5a、傾斜部5b及び上端フランジ5cとなる部分を残して、余部を除去し、ヒンジ補強材3の縦辺部上端から、傾斜部5b及び上端フランジ5cとなる部分を切り離し、その後、傾斜部5bを側方フランジ5aに対して傾斜するように折り曲げ、更に、側方フランジ5bに対して上端フランジ5cを水平に折り曲げることにより、ヒンジ補強材3の縦販部の上端部と一体的に形成することができる。なお、支持脚5は、ヒンジ補強材3と別体で形成して、溶接等により接合して連結しても良いが、部品点数および溶接点数の増加の観点から好ましくなく、前記したように一体成形していることが望ましい。これらのヒンジ補強材3及び支持脚5は、車輌幅方向の両側に設けられており、支持脚5はインナパネルの凹み部2の中央付近を支持することが好ましいことから、車両幅方向内側に設けることが好ましい。
図3に示すように、支持脚5の上端フランジ5cはアウタパネル100の下面に、マスチック接合により接合されている。
次に、上述の如く構成された補強部材を有する車輌用フードの動作について説明する。支持脚5がインナパネル1の凹部2に設けられていることにより、支持脚5が凹部2において、インナパネル1とアウタパネル100との間に介在し、アウタパネル100を支持する。従って、歩行者頭部衝突時に、インナパネル1の凹部2においても、アウタパネル100を支持することができる。これにより、アウタパネル100単独の変形を抑制し、衝突初期から衝突荷重がフードインナパネル1に伝わりやすくなり、加速度第1波を大きくすることができる。
また、この支持脚5は、車輌の前後方向に略平行に延び、かつ、車輌後方に向けて上方になるように傾斜して延在しているため、車輌の前方から下方に向けて受ける歩行者頭部からの衝突荷重に際して、容易に変形することができる。これにより、支持脚5の潰れ残りを低減するとともに。第1波以降の加速度を低減することができる。
本実施形態の支持脚5による補強機構は、特に、インナパネル1内の車輌幅方向の側方に設けられるヒンジ補強材3に設けるのが好適である。一般的に用いられている上方向にU字形のヒンジ補強材3の幅方向端部に支持脚5を設けた場合には、歩行者頭部が衝突した際に、支持脚5が、車輌後方に容易に倒れて変形する。同時に、この支持脚5の側方フランジ5aと連結又は接合された側壁3aも、車輌幅方向に若干倒れて変形する。これにより、頭部衝突の際に、ヒンジ補強材3がエネルギを吸収しながら変形し、かつ、フード内部の潰れ残りも最小限に抑えることが可能となる。
このように、衝突時のフード内部の潰れ残りを小さくできることで、フード底面(インナパネル底面2a)が車輌用フードの下方に内蔵されたエンジン等の部品に接触するまでの間に歩行者頭部が変位できるフード内のストロークが増加し、平均加速度が低下するために、HIC値の低減を実現することができる。
次に、本実施形態の効果について、従来技術と比較して説明する。図4及び図5はヒンジ補強材3の側部に支持脚5を設けていない場合(従来例1)、図6及び図7はヒンジ補強材3の側部に、車輌幅方向に延びる支持脚6を設けた場合(従来例2)の従来技術を示す図である。図8は本発明の実施形態と、従来例1及び従来例2の頭部衝突時の変形挙動を示す図、図9はこの衝突時の変位と加速度との関係を示すグラフ図である。この変位−加速度関係図は、子供の頭部が衝突した場合のシミュレーション結果であり、インパクタ重量は3.5kg、衝突速度が35km/時、衝突角度が水平方向に対して65°である。
従来例1の場合には、凹部2にはアウタパネル100との間にアウタパネルの支持部がないため、衝突初期にはアウタパネル100が単独で変形し、加速度第1波が小さくなってしまう。このため、衝突初期のエネルギ吸収量が小さくなり、衝突後期でフード底面とエンジン内部品が接触した後に大きな加速度第2波が発生することになる。即ち、衝突初期の加速度ピークが低く、フード下部が内蔵部品に衝突したときに大きな加速度第2波が発生する。
また、従来例2の場合、アウタパネル100と接合される支持脚6を持つことで、アウタパネル100の単独変形を抑制することが可能であり、加速度第1波が大きくなる。しかし、この場合、支持脚6は歩行者頭部の衝突方向に対して略直交する方向に倒れ変形することになる。このため、載荷方向と変形方向が異なるため、比較的厚肉のヒンジ補強材の倒れ変形は生じにくく、第1波以降の加速度低下が小さく、かつ、ヒンジ補強材の潰れ残りが大きいことで、フード底面が内蔵部品に接触するタイミングが速くなる。これにより、やはり加速度第2波が大きくなり、HIC値が大きくなる。即ち、従来例2の場合は、衝突初期の加速度ピークは高いが、その後の加速度低下が小さい。そして、ヒンジ補強材が潰れず、加速度第2波が速い段階で発生し、加速度第2波が増大する。
これに対して、本発明の支持脚5の場合は、支持脚5がアウタパネル100に接合されていることで、必要な加速度第1波を確保することができる。そして、この支持脚5の傾斜部5bは、車輌後方に向けて上方になるように傾斜して延びていることから、衝突方向に対して容易に倒れて変形し、加速度第1波以降の加速度の低下と潰れ残りの低減が可能となる。これにより、フード底面が内蔵部品に接触するタイミングが遅れ、加速度第2波の減少により、HIC値低減が実現できる。
本発明の補強材は、部品歩留まりの観点からも有効である。即ち、従来例2と比べれば、必要となる車輌幅方向の素材幅が小さくてすむことは明らかである。また、従来例1と比較すれば、凹み部2の一部を支持脚により支持することが可能となっており、デント性能にも優れることは明らかである。
図10(a)乃至(c)は本発明の他の実施形態を示す図である。図10(a)の支持脚7は側方フランジ7aと上端フランジ7cとの間の傾斜部が、傾斜部7bと傾斜部7dとの間に折れ線7dがあり、傾斜部が2部に折れ曲がっているものである。これにより、支持脚7はより一層変形しやすくなる。図10(b)は傾斜部7bにビード8を設けたものである。これにより、変形位置を安定させることができる。図10(c)は側方フランジ7aにリブ9が設けられたものである。この場合、ヒンジ補強材3の側壁3aの上縁にもリブ10が設けられており、このようなリブ9及び10を設けることにより、側壁3aの倒れ変形を抑制することができる。
更に、図11は本発明の他の実施形態を示す図である。この図11に示すように、 リブ11における車輌後方の部分に、車輌幅方向に延びる部分11aを設け、この部分11aに支持脚12を設けてアウタパネル100を支持するようにしてもよい。
これらの支持脚の形状については、目標とする加速度波形に対して便宜選択することができる。なお、上記実施形態においては、支持脚5の上端フランジ5cと、アウタパネル100とは、マスチック接合により接合されているが、この上端フランジ5cとアウタパネル100とは必ずしも接合する必要はなく、一定の隙間をあけて、上端フランジ5cをアウタパネル100の近傍になるように設けても良い。この場合、デント性及び張り剛性の向上は望めないが、歩行者頭部衝突の際のエネルギ吸収には一定の効果があり、上端フランジ5cを接合していないことで、より一層容易に支持脚5の倒れ変形が生じ、第1波以降の加速度をさらに低減することも可能である。また、支持脚5はフードのインナパネル1の凹部2を介してアウタパネル100を支持するために必要な場所に、1個以上設ければよく、上記実施形態のように2個又は3個設ける場合に限らない。
次に、図12乃至14を参照して、図2に示すように、ヒンジ補強材3に一体的に形成された支持脚5の製造方法について説明する。図12は複動プレスを使用してフードヒンジを加工する方法を示す。即ち、ヒンジ補強材3の形状をなすキャビティ43が形成されたダイス40の上に、ヒンジ補強材3となる元板50を載置し、この元板50の上に、ヒンジ補強材3と同様の形状をなす孔44が形成されたブランクホルダ41を重ねる。そして、パンチ42を孔44内に挿入し、元板50をパンチ42によりキャビティ43内に押し込む。
これにより、元板50は、図13(a)に示すように、上端部にフランジ53が残存した形状のヒンジ補強材半製品51にプレス成形される。そして、従来は、図13(b)に示すように、フランジ53を切断除去し、その後、孔開け加工して、ヒンジ補強材製品52としている。しかし、本発明においては、このフランジ53を利用して、図14(a)乃至(c)に示すように、支持脚を形成する。
図14(a)は、図12の複動プレス機により成形された直後のフランジ53が残存した状態のヒンジ補強材半製品51を示す。このヒンジ補強材半製品51のフランジ53を切削加工して、図14(b)に示すように、側方フランジとなる部分がフードヒンジの上端縁部(断面U字形の縦辺部の上端部)に連なり、残部が、ヒンジ補強材の上端縁部から切り離された矩形部54を形成する。その後、図14(c)に示すように、矩形部54の側方フランジ5aとなる部分に対し、傾斜部5bとなる部分を上方に折り曲げ、上端フランジ部5cとなる部分を水平に折り曲げる。これにより、支持脚5がヒンジ補強材に対して一体的に形成される。
本発明の実施形態の車輌用フードのインナパネルの車輌進行方向の左側の半分の部分を示す斜視図である。 図1からヒンジ補強材を抽出して示す斜視図である。 図2のA−A線におけるフードの断面図である。 従来例1の補強材を示す図である。 図4のA−A線によるフードの断面図である。 従来例2の補強材を示す図である。 図6のA−A線によるフードの断面図である。 本発明の実施形態と、従来例1及び従来例2の頭部衝突時の変形挙動を示す図である。 この衝突時の変位と加速度との関係を示すグラフ図である。 (a)乃至(c)は本発明の他の実施形態を示す図である。 本発明の更に他の実施形態を示す図である。 図2に示す支持脚の製造方法を示す図である。 (a)、(b)は、図12に示す方法により製造されたヒンジ補強材半製品を示す図である。 (a)乃至(c)は、ヒンジ補強材半製品から支持脚を成形する工程を示す斜視図である。
符号の説明
1:インナパネル
1a:部分
1b:端部
2:凹部
2a:底面
3:ヒンジ部補強材
3a:側壁
3b:底部
4:ヒンジボルト
5:支持脚
5a:側方フランジ
5b:傾斜部
5c:上端フランジ
6:支持脚
7:支持脚
7a:側方フランジ
7b:傾斜部
7c:上端フランジ
7d:傾斜部
8:ビード
9:リブ
10:リブ
11:リブ
12:支持脚
100:アウタパネル
101:端部
10a:部分

Claims (10)

  1. アウタパネルと、このアウタパネルの下面側に配置されるインナパネルと、このインナパネルの上面側に配置される補強材とを有する車輌用フードにおいて、前記補強材は、前記インナパネルに取り付けられた基部と、この基部に一体成形されて基部に支持された支持脚とを有し、この支持脚は、前記基部の車輌幅方向側部に支持された側方フランジと、この側方フランジから車輌後方に向けて上方になるように傾斜して延びる傾斜部と、この傾斜部の上端に設けられた上端フランジとを有することを特徴とする車輌用フード。
  2. 前記上端フランジは、前記アウタパネル又は前記アウタパネルに近接して設けられたアウタパネル用補強材に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の車輌用フード。
  3. 前記補強材の前記基部はヒンジ補強材であり、前記インナパネルには、その中央部と車輌幅方向の端縁である側辺との間に凹部が形成されており、前記ヒンジ補強材は前記凹部内に車輌前後方向に延びて前記インナパネルを介してインナパネルの下面のヒンジに接合されるように設けられており、前記ヒンジ補強材の断面形状が上方に開口するU字形をなしており、前記補強材の前記支持脚は、前記ヒンジ補強材に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用フード。
  4. 前記傾斜部には、ビードが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車輌用フード。
  5. インナパネルに取り付けられた基部と、この基部に一体成形されて基部に支持された支持脚とを有し、この支持脚は、前記基部の車輌幅方向側部に支持された側方フランジと、この側方フランジから車輌後方に向けて上方になるように傾斜して延びる傾斜部と、この傾斜部の上端に設けられた上端フランジとを有することを特徴とする車輌フード用補強材。
  6. 前記上端フランジは、前記アウタパネル又は前記アウタパネルに近接して設けられたアウタパネル用補強材に接合されていることを特徴とする請求項5に記載の車輌フード用補強材。
  7. 前記基部は、断面形状が上方に開口するU字形をなし、前記支持脚は、前記基部のプレス成形時に前記U字形の縦辺部の上端部に連なって水平に残存するフランジ部から、前記側方フランジ、前記傾斜部及び前記上端フランジとなる部分を残して、余部を除去し、前記基部の縦辺部上端から、前記傾斜部及び前記上端フランジとなる部分を切り離し、その後、前記傾斜部を前記側方フランジに対して傾斜するように折り曲げ、更に、側方フランジに対して上端フランジを水平に折り曲げることにより、前記基部と一体的に形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の車輌フード用補強材。
  8. 前記基部は、前記インナパネルの車輌幅方向の端部である側部に設けられ、インナパネルを介してインナパネル下面のフードヒンジと連結されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の車輌フード用補強材。
  9. 前記傾斜部には、ビードが形成されていることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の車輌フード用補強材。
  10. 板厚が1.4mm以上のJIS5000系又は6000系のアルミニウム合金材により成形されたものであることを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載の車輌フード用補強材。
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