JPWO2011033751A1 - 透明熱可塑性ポリイミド、およびそれを含む透明基板 - Google Patents

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Abstract

本発明は、透明性と耐熱性とを有する透明基板を提供すること、およびポリイミド樹脂本来の高い耐熱性を損なうことなく、無色透明でかつ屈折率を精密に制御できる透明ポリイミド樹脂組成物を提供する。本発明は、透明熱可塑性ポリイミドと無機フィラーとを含む基材(I)を有する透明基板であって;前記透明熱可塑性ポリイミドは、下記一般式(11)で表される構成単位αと下記一般式(12)で表される構成単位βとを含み;下記一般式(11)で表される構成単位αからなるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率は1.59以上1.65以下であり、かつ下記一般式(12)で表される構成単位βからなるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率が1.52以上1.55以下である透明基板。【化1】

Description

本発明は、透明熱可塑性ポリイミド、およびそれを含む透明基板に関する。本発明の透明基板は、フラットパネルディスプレイ(FPD)における透明基板として特に好適である。
液晶表示素子や有機EL表示素子等のフラットパネルディスプレイ(FPD)においては、表示素子基板として、ガラス基板が広く用いられている。しかしながら、近年、フラットパネルディスプレイの小型化、軽量化が進んでおり、ガラス基板の代替となる「薄い、軽い、割れない」材料が求められている。そのような材料として、ガラスクロスなどの補強材と透明樹脂とを複合した透明複合基板が検討されている。
高い透明性を有する透明複合基板を得るためには、透明樹脂が無色透明であり、かつ透明樹脂と補強材との屈折率差ができるだけ小さいことが求められる。このような透明樹脂として、従来、エポキシ樹脂やビニルベンゼン樹脂などが用いられている。
例えば、透明複合基板として、エポキシ樹脂を、ガラス繊維に含浸・硬化させて得られる透明複合基板が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。ビニルベンゼン系樹脂を、ガラス繊維に含浸・硬化させて得られる透明複合基板が提案されている(例えば、特許文献4)。しかしながら、エポキシ樹脂やビニルベンゼン系樹脂などの透明樹脂は、耐熱性が十分でなく、屈曲性などにも問題があった。
このため、耐熱性や屈曲性の高い、透明ポリイミド樹脂を含む透明複合基板が検討されている。透明ポリイミド樹脂を含む透明複合基板としては、脂環構造を有するポリイミドに、有機オニウムイオンで処理した層状珪酸塩を分散させたポリイミド複合フィルムが提案されている(例えば、特許文献5参照)。また、脂肪族ポリイミドと、シランカップリング剤とを反応させた後、ケイ素のアルコキシドを添加してゾル−ゲル反応させて得られるポリイミド無機複合材料が提案されている(例えば、特許文献6)。
ポリイミド樹脂は、一般的に、高い耐熱性を有する。ポリイミド樹脂を含む光学材料の例として、2種類以上のポリイミドの共重合比を制御することで、コアおよびクラッドの屈折率を制御した光導波路フィルムが提案されている(例えば、特許文献7参照)。また、電子照射により屈折率が変化するポリイミド樹脂組成物であって、脂環式炭化水素ジアミン化合物と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリイミド樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献8)。
さらに、透明ポリイミド樹脂を含む光学材料の例として、脂環式炭化水素ジアミン化合物であるノルボルナンジアミン(NBDA)と、フッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物である2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)とを反応させて得られる透明ポリイミド樹脂からなるフィルムが提案されている(例えば、特許文献9参照)。また、ノルボルナンジアミン(NBDA)と、脂環式炭化水素テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる透明ポリイミド樹脂と、タルク等とを複合させたポリイミド複合体フィルムが提案されている(例えば、特許文献10)。
特開2009−66931号公報 特開2004−233851号公報 特開2005−225104号公報 特開2008−231280号公報 特開2006−37079号公報 特開2005−187768号公報 特開平9−21920号公報 特開2008−120869号公報 国際公開第2002/10253号パンフレット 国際公開第2009/069688号パンフレット
上記のように透明なポリイミド樹脂が求められているものの、従来の透明ポリイミド樹脂は褐色を呈しているものが多かった。例えば、特許文献7または8で報告されたポリイミド樹脂の透明性も十分ではなかった。
一方、特許文献3および4には無色透明なポリイミド樹脂も開示されている。しかしながら、ポリイミド樹脂本来の耐熱性を損なわずに屈折率を精密に制御することが困難であった。一方で、透明複合基板の透明性を高めるためには、透明ポリイミド樹脂と補強材との屈折率差をできるだけ小さくする必要がある。つまり、従来は、耐熱性を維持したまま透明ポリイミド樹脂と補強材との屈折率差を小さくすることが難しいため、ポリイミド樹脂とガラスクロスなどの補強材とを複合させた透明複合基板を得ることが困難であった。
そこで本発明は、高い透明性と耐熱性とを有する透明基板を提供することを目的とする。また、ポリイミド樹脂本来の高い耐熱性を損なうことなく、無色透明で、かつ屈折率を精密に制御できる透明ポリイミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の第1は、以下に示す透明基板およびそれを含む画像表示装置に関する。
[1]透明熱可塑性ポリイミドと無機フィラーとを含む基材(I)を有する透明基板であって、
前記透明熱可塑性ポリイミドと前記無機フィラーとの波長589nmにおける屈折率差が0.010以下である透明基板。
[2]前記透明熱可塑性ポリイミドは、構成単位αと構成単位βとを含むポリイミド共重合体を含むか、または構成単位αを含むポリイミドと構成単位βを含むポリイミドとの混合物を含み、
前記構成単位αからなるポリイミドと前記構成単位βからなるポリイミドとの、波長589nmにおける屈折率は異なる、[1]記載の透明基板。
[3]下記一般式(11)で表される構成単位αからなるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率は1.59以上1.65以下であり、かつ
下記一般式(12)で表される構成単位βからなるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率が1.52以上1.55以下である、[2]記載の透明基板。
Figure 2011033751
(一般式(11)のAおよび一般式(12)のBは、下記から選ばれる2価の有機基であり、
Figure 2011033751

一般式(11)のXおよび一般式(12)のYは、4価の有機基である)
[4]前記一般式(11)のAおよび一般式(12)のBは、下記で表される2価の有機基である、[3]記載の透明基板。
Figure 2011033751
[5]一般式(11)のXは、下記から選ばれる4価の有機基であり、
Figure 2011033751

一般式(12)のYは、下記から選ばれる4価の有機基である、[3]または[4]に記載の透明基板。
Figure 2011033751
[6]一般式(11)で表される構成単位αは式(1a)で表され、一般式(12)で表される構成単位βは式(2a)で表され、かつ
前記ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2a)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1a):(2a)、または
前記ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2a)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2a)は、5:95〜30:70である、[3]〜[5]のいずれかに記載の透明基板。
Figure 2011033751
[7]一般式(11)で表される構成単位αは式(1a)で表され、一般式(12)で表される構成単位βは式(2b)で表され、かつ
前記ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2b)で表される構成単位の共重合比(モル比)(1a):(2b)、または
前記ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2b)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2b)は、5:95〜30:70である、[3]〜[5]のいずれかに記載の透明基板。
Figure 2011033751
[8]前記透明熱可塑性ポリイミドの、波長589nmにおける屈折率が1.53以上1.62以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の透明基板。
[9]厚さ100μmの透明基板の、波長550nm以上の可視光領域における光線透過率が80%以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の透明基板。
[10]前記透明熱可塑性ポリイミドの含有量は、前記無機フィラー100質量部に対して90〜250質量部である、[1]〜[9]のいずれかに記載の透明基板。
[11]前記無機フィラーは、波長589nmにおける屈折率が1.55以上1.61以下であるガラスクロスまたはガラス微粒子である、[1]〜[10]のいずれかに記載の透明基板。
[12]前記ガラスクロスまたはガラス微粒子はEガラスである、[11]に記載の透明基板。
[13]前記透明熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度が180℃以上300℃以下である、[1]〜[12]のいずれかに記載の透明基板。
[14]前記透明基板の軟化点は300℃以上である、[1]〜[13]のいずれかに記載の透明基板。
[15]前記基材(I)上に、前記透明熱可塑性ポリイミドと実質的に同じ屈折率を有する第2の透明熱可塑性ポリイミドを含み、無機フィラーを含まない層(II)をさらに有する、[1]〜[14]のいずれかに記載の透明基板。
[16]前記基材(I)の厚みは30μm以上70μm以下であり、前記層(II)の厚みは10μm以上100μm以下であり、総厚みは200μm以下である、[15]に記載の透明基板。
[17]画像表示装置に用いられる、[1]〜[16]のいずれかに記載の透明基板。
[18]画像表示装置の表示パネル用基板である、[1]〜[16]のいずれかに記載の透明基板。
[19]前記[1]〜[16]のいずれかに記載の透明基板を有する、画像表示装置。
[20]ポリアミド酸を無機フィラーに含浸させた後、熱処理することにより、前記ポリアミド酸をイミド化して前記透明熱可塑性ポリイミドとして基材(I)を得る工程、
前記基材(I)の表面に、前記第2の透明熱可塑性ポリイミドを含み、無機フィラーを含まないフィルムを積層する工程、および
前記基材(I)と前記フィルムとを熱融着させる工程、を有する、[15]または[16]に記載の透明基板の製造方法。
[21]前記ポリアミド酸の、25℃におけるE型機械粘度が300mPa・s以上15000mPa・s以下である、[20]に記載の透明基板の製造方法。
本発明の第2は、以下に示す透明ポリイミド組成物およびポリアミド酸組成物に関する。
[22]一般式(1)で表される構成単位と一般式(2)で表される構成単位とを含むポリイミド共重合体、または一般式(1)で表される構成単位を含むポリイミドと一般式(2)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合物、を含む透明ポリイミド組成物であって、
前記一般式(1)で表される構成単位からなるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率は1.59以上1.65以下であり、
前記一般式(2)で表される構成単位からなるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率が1.52以上1.55以下であり、かつ
前記透明ポリイミド組成物の、波長589nmにおける屈折率が1.53以上1.62以下である、透明ポリイミド組成物。
Figure 2011033751
(一般式(1)のXおよび一般式(2)のYは、4価の有機基である)
[23]一般式(1)のXは下記から選ばれる4価の有機基であり、
Figure 2011033751

一般式(2)のYは下記から選ばれる4価の有機基である、[22]に記載の透明ポリイミド組成物。
Figure 2011033751
[24]一般式(1)で表される構成単位は式(1a)で表され、一般式(2)で表される構成単位は式(2a)で表され、かつ
前記ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2a)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1a):(2a)、または
前記ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2a)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2a)は、5:95〜30:70である、[22]または[23]記載の透明ポリイミド組成物。
Figure 2011033751
[25]一般式(1)で表される構成単位は式(1a)で表され、一般式(2)で表される構成単位は式(2b)で表され、かつ
前記ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2b)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1a):(2b)、または
前記ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2b)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2b)は、5:95〜30:70である、[22]または[23]記載の透明ポリイミド組成物。
Figure 2011033751
[26]光学材料として用いられる、[22]〜[25]のいずれかに記載の透明ポリイミド組成物。
[27]ガラスフィラーをさらに含む、[22]〜[26]のいずれかに記載の透明ポリイミド組成物。
[28]一般式(3)で表される構成単位と一般式(4)で表される構成単位とを含むポリアミド酸共重合体、または一般式(3)で表される構成単位を含むポリアミド酸と一般式(4)で表される構成単位を含むポリアミド酸との混合物、を含むポリアミド酸組成物であって、
前記一般式(3)で表される構成単位からなるポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率は1.59以上1.65以下であり、
前記一般式(4)で表される構成単位からなるポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率が1.52以上1.55以下であり、
前記ポリアミド酸組成物をイミド化して得られる透明ポリイミド組成物の、波長589nmにおける屈折率が1.53以上1.62以下である、ポリアミド酸組成物。
Figure 2011033751
(一般式(3)のXおよび一般式(4)のYは、4価の有機基である)
本発明の透明基板では、ポリイミド本来の耐熱性を損なわずに屈折率を精密に制御できる透明ポリイミドを、補強材と複合させている。このため、本発明の透明基板は、高い透明性と耐熱性とを有する。また本発明の透明ポリイミド組成物は、ポリイミド樹脂本来の高い耐熱性を損なうことなく、無色透明で、かつ屈折率を精密に制御できる。
本発明の透明基板の構成の一例を示す断面図である。
1.透明基板
本発明の透明基板は、基材(I)と、必要に応じて他の層とを有する。基材(I)は、透明熱可塑性ポリイミドと、無機フィラーとを含む。無機フィラーは、透明基板の機械的強度を高め、線膨張係数を低くすることができる。
(透明熱可塑性ポリイミド)
基材(I)に含まれる透明熱可塑性ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られる、実質的に1種類の構成単位からなるポリイミド単独重合体;またはテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られる、2種類以上の構成単位を含むポリイミド共重合体を含む。基材(I)には、ポリイミド単独重合体またはポリイミド共重合体が2種類以上含まれてもよい。
基材(I)に含まれる透明熱可塑性ポリイミドは、波長589nmにおいて高屈折率の透明ポリイミドを与える構成単位αと、波長589nmにおいて低屈折率の透明ポリイミドを与える構成単位βとを含むポリイミド共重合体を含むか;あるいは構成単位αを主成分として含む、波長589nmにおいて高屈折率の透明ポリイミドと、構成単位βを主成分として含む波長589nmにおいて低屈折率の透明ポリイミドとの混合物を含むことが好ましい。
下記一般式(11)で表される構成単位αからなるポリイミドは、波長589nmにおいて1.59〜1.65の高い屈折率を有する。下記一般式(12)で表される構成単位βからなるポリイミドは、波長589nmにおいて1.52〜1.55の低い屈折率を有する。一般式(11)のXおよび一般式(12)のYは、それぞれ4価の有機基である。一般式(11)のAおよび一般式(12)のBは、それぞれ脂環式炭化水素ジアミンから誘導される2価の有機基である。
Figure 2011033751
ポリイミド共重合体は、一般式(11)で表される構成単位と、一般式(12)で表される構成単位とを含むランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。ポリイミド共重合体における構成単位の総数に対して、一般式(11)で表される構成単位数と、一般式(12)で表される構成単位数との合計が、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
ポリイミドの混合物における、一般式(11)で表される構成単位を主成分として含むポリイミドは、実質的に一般式(11)で表される構成単位からなるポリイミドであればよく、微量の共重合成分を含んでもよい。一般式(12)で表される構成単位を主成分として含むポリイミドも、実質的に一般式(12)で表される構成単位からなるポリイミドであればよく、微量の共重合成分を含んでもよい。
つまり、構成単位αと構成単位βのモル比を調整し、基材(I)に含まれる透明熱可塑性ポリイミドの屈折率を精密に制御することができる。当該調整は、構成単位αと構成単位βとの共重合比率を調整したり;あるいは構成単位αを主成分として含むポリイミドと、構成単位βを主成分として含むポリイミドとの混合比率を調整したりすることによって行う。
ポリイミド共重合体における、一般式(11)で表される構成単位αと一般式(12)で表される構成単位βとの共重合比(モル比)(11):(12)、またはポリイミドの混合物における、一般式(11)で表される構成単位αを含むポリイミドと一般式(12)で表される構成単位βを含むポリイミドとの混合比(モル比)(11):(12)は、組み合わされる無機フィラーの屈折率にもよるが、例えば、5:95〜30:70とすることができる。いずれにしても、透明熱可塑性ポリイミドに含まれる構成単位αの数と構成単位βの数との比率を、5:95〜30:70の範囲で調整することが好ましい。
脂肪族ジアミンから誘導される2価の有機基を含むポリイミドは、芳香族ジアミンから誘導される2価の有機基を含むポリイミドと比較して、高い透明性を有する。また、脂肪族ジアミンのなかでも脂環式炭化水素ジアミンから誘導されるポリイミドは、結晶性が低いため、フィルム化しやすい。
このため、一般式(11)のAおよび一般式(12)のBは、それぞれ脂環式炭化水素ジアミンから誘導される2価の有機基であることが好ましい。複数のAは互いに同一であっても異なってもよく、複数のBも互いに同一であっても異なってもよい。
脂環式炭化水素ジアミンの例には、シクロブタンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノビシクロヘプタン、ジアミノメチルビシクロヘプタン(ノルボルナンジアミン)、ジアミノオキシビシクロヘプタン、ジアミノメチルオキシビシクロヘプタン(オキサノルボルナンジアミンを含む)、イソホロンジアミン、ジアミノトリシクロデカン、ジアミノメチルトリシクロデカン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノシクロヘキシル)イソプロピリデンなどが含まれる。
なかでも、一般式(11)のAおよび一般式(12)のBは、それぞれ下記式で表される2価の有機基であることが好ましい。
Figure 2011033751
なかでも、一般式(11)におけるAおよび一般式(12)におけるBは、それぞれノルボルナンジアミンから誘導される2価の有機基であることが好ましい。脂環式炭化水素ジアミンの中でも、ノルボルナンジアミンから誘導されるポリイミドは、透明性が高く、さらに結晶性が高すぎないため、ガラス転移点が高くなりすぎない。
ノルボルナンジアミンの例には、2,3-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,7-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどが含まれ、好ましくは2,5-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンである。各ノルボルナンジアミンには、立体異性体が含まれる。複数のノルボルナンジアミンから誘導される2価の基は、同一でも異なっていてもよい。
一般式(11)におけるXは、下記式で表される4価の有機基から選ばれることが好ましい。下記式におけるZ〜Zはそれぞれ、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−CH−、−C(CH−、−SO−である。Xがこれらの基である一般式(1)で表される構成単位αからなるポリイミドは、比較的結晶性が高く、屈折率も高いからである。複数のXは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2011033751
一般式(11)におけるXは、芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される4価の有機基でありうる。芳香族テトラカルボン酸二無水物の例には、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2-ビス〔(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物などが含まれる。
なかでも、一般式(11)におけるXは、下記から選ばれる4価の有機基であることが好ましい。一般式(11)においてXがこれらの基である構成単位αからなるポリイミドは、適度に高い屈折率とガラス転移温度を有する。
Figure 2011033751
一般式(12)におけるYは、フッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される4価の有機基または脂環式炭化水素テトラカルボン酸二無水物から誘導される4価の有機基でありうる。一般式(2)で表される構成単位βからなるポリイミドは、結晶性が比較的低く、屈折率も低いからである。複数のYは、同一であっても異なってもよい。
フッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される4価の有機基を含むポリイミドは、低屈折率であるだけでなく、耐熱性の低下が少ない。フッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物の例には、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物などが含まれる。
脂環式炭化水素テトラカルボン酸二無水物から誘導される4価の基を含むポリイミドは、低屈折率であるだけでなく、透明性が高い。脂環式炭化水素テトラカルボン酸二無水物の例には、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3,5-トリカルボン酸-6-酢酸二無水物、1-メチル-3-エチルシクロヘキサ-1-エン-3-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロ-1,4,5,8-ジメタノナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物などが含まれる。
なかでも、一般式(12)におけるYは、下記式で表される4価の有機基であることが好ましい。一般式(12)で表される構成単位βを含むポリイミドの低屈折率にするだけでなく、高い透明性を付与しうるからである。
Figure 2011033751
透明熱可塑性ポリイミドの屈折率は、組み合わされる無機フィラー(補強材)の屈折率に応じて調整される。つまり、透明熱可塑性ポリイミドの屈折率は、無機フィラーとの屈折率差ができるだけ小さくなるように調整される。透明熱可塑性ポリイミドと無機フィラーとの波長589nmにおける屈折率差は、0.010以下であることが好ましく、0.005以下であることがより好ましい。一般的な無機フィラーであるガラスクロスの波長589nmにおける屈折率は約1.55〜1.62である。このため、透明熱可塑性ポリイミドの波長589nmにおける屈折率は1.53〜1.62程度であることが好ましい。透明熱可塑性ポリイミドの波長589nmにおける屈折率は、23℃において、アッベ屈折計DR-M2型(アタゴ社製)により測定されうる。
透明熱可塑性ポリイミドの屈折率は、一般式(11)で表される構成単位αと一般式(12)で表される構成単位βとの組み合わせの種類や、共重合比または混合比によって調整されうる。
透明熱可塑性ポリイミドの屈折率を高めるには、例えば、ポリイミド共重合体における一般式(11)で表される構成単位αのモル比率、またはポリイミドの混合物における一般式(11)で表される構成単位αを主成分として含むポリイミドの含有量(ポリイミド混合物における一般式(1)で表される構成単位αの数)を高めるとよい。一方、透明熱可塑性ポリイミドの屈折率を低くするには、例えば、ポリイミド共重合体における一般式(12)で表される構成単位βのモル比率、またはポリイミドの混合物における一般式(12)で表される構成単位βを主成分として含むポリイミドの含有量(ポリイミド混合物における一般式(12)で表される構成単位βの数)を高めるとよい。
一般式(11)で表される構成単位αと一般式(12)で表される構成単位βとの好ましい組み合わせの例には、式(1a)で表される構成単位と式(2a)で表される構成単位との組み合わせ;および式(1a)で表される構成単位と式(2b)で表される構成単位との組み合わせなどが含まれる。
Figure 2011033751

Figure 2011033751
式(1a)で表される構成単位と式(2a)で表される構成単位とを含むポリイミド共重合体、または式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2a)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合物は、屈折率の制御が可能であるほか、耐熱性が高く、線膨張係数が低い。一方、式(1a)で表される構成単位と式(2b)で表される構成単位とを含むポリイミド共重合体、または式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2b)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合物は、屈折率の制御が可能であるほか、高い透明性を有する。
ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2a)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1a):(2a)、またはポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2a)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2a)は、組み合わされる無機フィラーの屈折率にもよるが、5:95〜30:70であることが好ましい。
ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2b)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1a):(2b)、またはポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2b)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2b)も、組み合わされる無機フィラーの屈折率にもよるが、5:95〜30:70であることが好ましい。
「ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2a)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2a)」とは、混合物に含まれるポリイミドの、式(1a)で表される構成単位数と式(2a)で表される構成単位数との比率をいう。同様に、「ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2b)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2b)」とは、混合物に含まれるポリイミドの、式(1a)で表される構成単位数と式(2b)で表される構成単位数との比率をいう。
ポリイミド共重合体は、一般式(11)で表される構成単位αおよび一般式(12)で表される構成単位β以外の他の構成単位をさらに含んでもよい。同様に、ポリイミドの混合物は、一般式(11)で表される構成単位αを主成分として含むポリイミドおよび一般式(12)で表される構成単位βを主成分として含むポリイミド以外の他のポリイミドをさらに含んでもよい。
透明熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度は、180〜300℃であることが好ましい。透明熱可塑性ポリイミドに、一定以上の高い耐熱性を付与するためである。また、ポリイミドの分解温度は300℃を超えることもあるが、分解温度以下のガラス転移温度を有していることが好ましい。透明熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度は、島津製作所TGA−50を用いて、5℃/分の昇温速度で測定されうる。
(無機フィラー)
基材(I)に含まれる無機フィラーは、透明基板における全光線透過率を80%未満に低下させないものであれば、特に限定されない。無機フィラーは、繊維状であっても、粉状であってもよい。粉状の無機フィラーの平均粒径は、例えば2μm以下である。
無機フィラーの例には、ガラスフィラー、シリカ、アルミナ等が含まれる。ガラスフィラーの例には、ガラスクロス、ガラス繊維、ガラス不織布、ガラス微粒子などが含まれる。
ガラスクロスの屈折率は、1.55〜1.61であることが好ましい。ガラスクロスの例には、Eガラス(無アルカリガラス)、Sガラス、Dガラス、NEガラス、クォーツ、高誘電率ガラスなどが含まれ、好ましくはEガラスである。透明熱可塑性ポリイミドの屈折率を、Eガラスの屈折率に近づけやすいからである。ガラスクロスの織り方は、特に限定されず、平織、綾織、朱子織、からみ織、二重織などでありうる。
基材(I)に含まれるガラスクロスの厚みは、透明基板の用途にもよるが、例えば30〜300μm程度であり、好ましくは10〜100μmである。ガラスクロスの単糸径を小さくしたり、隣り合う糸と糸との隙間を実質的になくしたり(ガラスクロスの密度を高くしたり)するとことで、透明基板の表面粗度を小さくすることができる。ガラスクロスの平均単糸径は、3.5〜7.0μmであることが好ましい。
透明基板における、透明熱可塑性ポリイミドの含有量は、無機フィラー100質量部に対して90〜250質量部であることが好ましく、90〜150質量部であることがより好ましい。
基材(I)は、透明性や屈折率の制御性などを損なわない範囲で、透明熱可塑性ポリイミド以外の、他の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、各種添加剤などをさらに含んでもよい。各種添加剤の例には、シランカップリング剤、ボランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等の表面処理剤が含まれる。無機フィラーと、(透明熱可塑性ポリイミドの前駆体である)ポリアミド酸とが馴染みやすくするためである。
前述の通り、本発明の透明基板は、基材(I)と、それに積層された任意の層(II)と、を有してもよい。任意の層(II)は、透明熱可塑性ポリイミド(第2の透明熱可塑性ポリイミド)を主成分として含み、無機フィラーを含まないことが好ましい。任意の層(II)は、透明基板の表面粗度を小さくし、光反射を抑制することが好ましい。
任意の層(II)は、基材(I)の片面または基材(I)の両面に積層されてもよいし;基材(I)が、任意の層(II)の両面に積層されてもよい。基材(I)と任意の層(II)とは、それぞれ複数あってもよい。
任意の層(II)に含まれる第2の透明熱可塑性ポリイミドは、基材(I)に含まれる透明熱可塑性ポリイミドと同等の屈折率を有することが好ましい。第2の透明熱可塑性ポリイミドと、基材(I)に含まれる透明熱可塑性ポリイミドとの波長589nmにおける屈折率差は、0.010以下であることが好ましく、0.005以下であることがより好ましい。
任意の層(II)に含まれる第2の透明熱可塑性ポリイミドは、基材(I)に含まれる透明熱可塑性ポリイミドと実質的に同一の組成であることが好ましい。基材(I)に含まれる透明熱可塑性ポリイミドと、任意の層(II)に含まれる透明熱可塑性ポリイミドとの屈折率差がなくなるので透明基板の透明性を低下させず、かつ基材(I)と任意の層(II)との接着性が高まるからである。任意の層(II)における第2の透明熱可塑性ポリイミドの含有量は、80質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
基材(I)の厚みは、透明基板の用途にもよるが、30μm〜70μmであることが好ましい。任意の層(II)の厚みは、10μm〜100μmであることが好ましい。透明基板の表面粗度を小さくする点では、任意の層(II)はさらに薄くてもよい。透明基板の総厚みは、例えば40μm〜200μmでありうる。
透明基板の表面粗度は小さいことが好ましい。透明基板の表面粗度は、表面粗度計によりRmaxとして測定されうる。透明基板の表面粗度を小さくするには、前述の通り、基板(I)に含まれるガラスクロスの単糸径を小さくしたり、隣り合う糸と糸との隙間を実質的になくしたり(ガラスクロスの密度を高くしたり)するか;または前述の基板(I)に任意の層(II)を積層すればよい。
図1は、本発明の透明基板の構成の一例を示す断面図である。図1に示されるように、透明基板10は、基材12と、その表面に積層された一対の層14および14'と、を有する。
基材12は、前述の無機フィラーを含む基材(I)である。一対の層14および14'は、前述の無機フィラーを含まない第2の透明熱可塑性ポリイミドを主成分とする層(II)である。一対の層14および14'は、透明基板の表面の凸凹を平滑にし、光反射を抑制することができる。一対の層14および14'に含まれる透明ポリイミド組成物と、基材12に含まれる透明ポリイミド組成物とは、同等の屈折率を有していればよい。
層14および14'の厚みは、同一であることが好ましい。高温下において透明基板を反り難くするためである。
図1に示される透明基板10は、例えば、a)基材(I)を得る工程;b)基材(I)上に、層(II)となるポリイミドフィルムを積層する工程;およびc)基材(I)と層(II)とを熱融着させる工程、を含む方法により得られる。
a)の工程では、ポリアミド酸をガラスクロスなどの無機フィラーに含浸させる。ポリアミド酸は、前述の基材(I)に含まれる、透明熱可塑性ポリイミドの前駆体溶液である。その後、200〜270℃で2〜6時間程度熱処理することで、ポリアミド酸をイミド化させる。これにより、透明熱可塑性ポリイミドと、無機フィラーとを含む基材(I)を得る。
ポリアミド酸の、25℃におけるE型機械粘度は、300mPa・s〜15000mPa・sであることが好ましく、300mPa・s〜1000mPa・sであることがより好ましい。E型機械粘度が上記範囲であれば、ガラスクロス等への含浸性に優れる。E型機械粘度は、東機産業株式会社製E型測定器(TVH-22H)により、ローター4番を用いて測定されうる。
ポリアミド酸のガラスクロス等への含浸方法の例には、加圧含浸法、減圧含浸法などが含まれる。加圧含浸法には、ポリアミド酸を塗布したガラスクロスまたはポリアミド酸に浸漬させたガラスクロスを一対の基板で挟んで加圧する方法などが含まれる。
b)の工程では、基材(I)上に、層(II)となるポリイミドフィルムを積層する。層(II)となるポリイミドフィルムは、その前駆体であるポリアミド酸をガラス板上にキャストし、乾燥および加熱(イミド化)した後、ガラス板から剥離して得られる。
c)の工程では、基材(I)と、層(II)となるポリイミドフィルムとを、熱プレス機などにより熱融着させる。熱融着温度は、基材(I)や層(II)に含まれる透明熱可塑性ポリイミドの種類にもよるが、約200〜320℃である。プレス圧は、5〜10MPa程度であり、プレス時間は10〜30分程度である。
透明基板を、厚さ100μmとしたときの、波長550nm以上の可視光領域における光線透過率は、80%以上であることが好ましい。可視光領域における光線透過率は、島津製作所製Multi-spec-1500により測定されうる。
透明基板の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透明基板のヘイズは、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。透明基板の全光線透過率およびヘイズは、日本電色工業株式会社製NDH2000により測定されうる。
無機フィラーと透明熱可塑性ポリイミドとの屈折率差を小さくすることで、透明基板の可視光領域における光線透過率を高め、ヘイズを低くすることができる。
透明基板の線膨張係数(CTE)は、20ppm/K以下であることが好ましい。透明基板の軟化点は、300℃以上であることが好ましい。透明基板を、有機EL表示素子用ディスプレイ基板などに適用した際、透明導電性薄膜の成膜温度が200℃以上の高温となる。そのような高温にも耐える透明基板にするためである。透明基板の線膨張係数(CTE)および軟化点は、島津製作所TMA-50を用いて、昇温速度5℃/分で昇温させることにより測定されうる。
2.画像表示装置
本発明の透明基板は、前述のように、高い透明性と耐熱性、さらには良好な屈曲性を有する。このため、本発明の透明基板は、液晶表示素子、有機EL表示素子等のフラットパネルディスプレイまたはフレキシブルディスプレイ(画像表示装置)の透明基板、タッチパネル、太陽電池基板、光学レンズ、光学素子等の光学材料に適している。中でも、本発明の透明基板は、フラットパネルディスプレイまたはフレキシブルディスプレイ(画像表示装置)の透明基板に適している。以下において、本発明の透明基板を、液晶セルのガラス基板として具備する液晶表示装置の例を説明する。
液晶表示装置は、(A)液晶バックライト用面光源、(B)少なくとも1以上の光学素子、および(C)液晶セルを2以上の偏光板で挟んでなる液晶パネル、を含む。(A)〜(C)の各部材は、(A),(B),(C)の順に配置されていることが好ましい。
(A)液晶バックライト用面光源
液晶バックライト用面光源は、公知の光源を導光板側面に配設したサイドライト(エッジライト)型面光源、あるいは拡散板下に公知の光源を配列させた直下型面光源などでありうる。公知の光源の例には、冷陰極管(CCFL)や熱陰極管(HCFL)、外部電極蛍光管(EEFL)、平面蛍光管(FFL)、発光ダイオード素子(LED)、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)が含まれる。
(B)光学素子
光学素子とは、液晶バックライト用面光源からの光を拡散する素子である。前記光学素子の例には、フィラーあるいはビーズ含有のバインダーを塗装した拡散フィルム、プリズムシート、およびマイクロレンズシートなどが含まれる。
(C)液晶セルを2以上の偏光板で挟んでなる液晶パネル
液晶パネルは、液晶セルと、該液晶セルを挟持する2以上の偏光板とを有する。液晶セルは、二枚の透明基板の間にシールされた液晶を含む。この透明基板を、本発明の透明基板とすることができる。液晶セルの透明基板の表面には、マトリックス状のTFTやカラーフィルタなどが配置される。偏光板も公知の材料で構成されていればよく、その例には、二色性色素を用いた二色性偏光板が含まれる。
前述の通り、本発明の透明基板は、高い透明性と耐熱性を有する。このため、本発明の透明基板を、例えば液晶セルのガラス基板したときに、TFT用の透明導電膜の形成工程などにおける、熱による反りや変形の発生を抑制できる。このため、本発明の透明基板を含む液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイは、小型であり、軽量である。また本発明の透明基板は、良好な屈曲性も有するため、フレキシブルディスプレイパネルとしても有用である。
3.透明ポリイミド組成物
本発明の透明ポリイミド組成物は、本発明の透明基板に含まれる透明ポリイミド組成物の一態様でありうる。すなわち本発明の透明ポリイミド組成物は、一般式(1)で表される構成単位と一般式(2)で表される構成単位とを主成分として含むポリイミド共重合体、または一般式(1)で表される構成単位を主成分として含むポリイミドと一般式(2)で表される構成単位を主成分として含むポリイミドとの混合物を含む。
Figure 2011033751
一般式(1)におけるXは、一般式(11)におけるXと同様であり;かつ一般式(2)におけるYは、一般式(12)におけるXと同様である。
ポリイミド共重合体は、一般式(1)で表される構成単位と一般式(2)で表される構成単位とを含むランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。ポリイミド共重合体における構成単位の総数に対して、一般式(1)で表される構成単位数と一般式(2)で表される構成単位数との合計が、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
ポリイミドの混合物における、一般式(1)で表される構成単位を主成分として含むポリイミドは、実質的に一般式(1)で表される構成単位からなるポリイミドであればよく、微量の共重合成分を含んでもよい。一般式(2)で表される構成単位を主成分として含むポリイミドも、質的に一般式(2)で表される構成単位からなるポリイミドであればよく、微量の共重合成分を含んでもよい。
一般式(1)で表される構成単位からなるポリイミドおよび一般式(2)で表される構成単位からなるポリイミドは、いずれもノルボルナンジアミンに由来する基を有する。そのため、いずれのポリイミドも可視光に対する高い透明性を有する。さらに、一般式(1)で表される構成単位からなるポリイミドは、波長589nmにおいて1.59〜1.65の高い屈折率を有し;一般式(2)で表される構成単位からなるポリイミドは、波長589nmにおいて1.52〜1.55の低い屈折率を有する。
このように、本発明の透明ポリイミド組成物は、波長589nmにおいて高屈折率の透明ポリイミドを与える構成単位と、低屈折率の透明ポリイミドを与える構成単位との共重合比率を調整した共重合ポリイミドであるか;あるいは波長589nmにおいて高屈折率である透明ポリイミドと低屈折率である透明ポリイミドとの混合比率(式(1)で表される構成単位を主成分として含むポリイミドと、式(2)で表される構成単位を主成分として含むポリイミドとの混合比率)を調整したポリイミド混合物を含む。これらの調整によって、式(1)で表される構成単位と、式(2)で表される構成単位のモル比を調整し、透明ポリイミド組成物の屈折率を精密に制御する。
ポリイミド共重合体における、式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1):(2)、またはポリイミドの混合物における、式(1)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1):(2)は、特に限定されるものではないが、例えば5:95〜30:70とすることができる。
ノルボルナンジアミンのような脂肪族ジアミンから誘導される2価の有機基を含むポリイミドは、芳香族ジアミンと比較して、透明性が高い。また、脂肪族ジアミンのなかでも脂環式炭化水素ジアミンから誘導されるポリイミドは、結晶性が低いため、フィルム化しやすい。
ノルボルナンジアミンから誘導される2価の有機基を含むポリイミドは、高い透明性と、適度なガラス転移温度とを有し、さらにフィルム化し易い。このため、一般式(1)および一般式(2)で表される構成単位は、ノルボルナンジアミンから誘導される2価の基を含む。
ノルボルナンジアミンの例には、2,3-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,7-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が含まれ;好ましくは2,5-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ジアミノメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンである。各ノルボルナンジアミンには、立体異性体が含まれる。複数のノルボルナンジアミンから誘導される2価の基は、同一でも異なっていてもよい。
本発明の透明ポリイミド組成物の屈折率は、組み合わされる無機フィラー(補強材)の屈折率に応じて調整される。調整の目安は、前述の透明基板の基材(I)における透明ポリイミドと同様である。
透明ポリイミド組成物の屈折率は、一般式(1)で表される構成単位と一般式(2)で表される構成単位との組み合わせの種類や、共重合比または混合比によって調整されうる。
透明ポリイミド組成物の屈折率を高める具体的手法や、透明ポリイミド組成物の屈折率を低くする具体的手法は、前述の透明基板の基材(I)における透明ポリイミドと同様である。
一般式(1)で表される構成単位と、一般式(2)で表される構成単位との好ましい組み合わせの例には、式(1a)で表される構成単位と、式(2a)で表される構成単位との組み合わせ、および式(1a)で表される構成単位と、式(2b)で表される構成単位との組み合わせ等が含まれる。
Figure 2011033751

Figure 2011033751
式(1a)で表される構成単位と式(2a)で表される構成単位とを含むポリイミド共重合体、または式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと、式(2a)で表される構成単位を含むポリイミドの混合物は、屈折率の制御が可能であるほか、耐熱性が高く、線膨張係数が低い。一方、式(1a)で表される構成単位と式(2b)で表される構成単位とを含むポリイミド共重合体、または式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと、式(2b)で表される構成単位を含むポリイミドの混合物は、屈折率の制御が可能であるほか、高い透明性を有する。
ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2a)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1a):(2a)、またはポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと、式(2a)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2a)は、組み合わされる無機フィラーの屈折率にもよるが、5:95〜30:70であることが好ましい。
「ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと、式(2a)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2a)」とは、混合物に含まれるポリイミドの、式(1a)で表される構成単位数と式(2a)で表される構成単位数との比率をいう。同様に、「ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと、式(2b)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2b)」も、混合物に含まれるポリイミドの、式(1a)で表される構成単位数と式(2a)で表される構成単位数との比率をいう。
ポリイミド共重合体は、一般式(1)で表される構成単位および一般式(2)で表される構成単位以外の他の構成単位をさらに含んでもよい。同様に、ポリイミドの混合物は、一般式(1)で表される構成単位を主成分として含むポリイミドおよび一般式(2)で表される構成単位を主成分として含むポリイミド以外の他のポリイミドをさらに含んでもよい。
本発明の透明ポリイミド組成物は、無機フィラーを含んでもよい。無機フィラーを含むことで、透明ポリイミド組成物の機械的強度を高めたり、線膨張係数を低くしたりしうる。無機フィラーは、繊維状であっても、粉状であってもよい。粉状の無機フィラーの平均粒径は、例えば2μm以下である。
無機フィラーの例、および好ましい含有量などは、前述の透明基板の基材(I)に含まれる無機フィラーと同様である。
本発明の透明ポリイミド組成物は、透明性や屈折率の制御性などを損なわない範囲で、ポリイミド共重合体またはポリイミドの混合物以外の、他の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、各種添加剤などをさらに含んでもよい。各種添加剤の例には、ガラスフィラーと透明ポリイミド組成物とを馴染みやすくするための表面処理剤(例えば、シランカップリング剤)などが含まれる。
透明ポリイミド組成物のガラス転移温度は、180℃〜300℃であることが好ましい。透明ポリイミド組成物に、一定以上の高い耐熱性を付与するためである。また、ポリイミドの分解温度は300℃を超えることもあるが、分解温度以下のガラス転移温度を有していることが好ましい。透明ポリイミド組成物のガラス転移温度は、島津製作所TGA−50を用いて、5℃/分の昇温速度で測定されうる。
本発明の透明ポリイミド組成物は、高い透明性を有し、かつ屈折率の精密な制御が可能である。また、本発明の透明ポリイミド組成物は、良好な屈曲性を有する。このため、透明ポリイミド組成物は、液晶表示素子、有機EL表示素子等のフラットパネルディスプレイまたはフレキシブルディスプレイの透明基板、タッチパネル、太陽電池基板等の光学材料に適している。
以上のように、本発明の透明ポリイミド組成物は、ポリイミド本来の耐熱性を維持しつつ、高い透明性を有し、屈折率を精密に制御できる。このため、種々の無機フィラーとの屈折率差を制御し易く、透明性および耐熱性の高い透明基板を提供できる。
4.ポリアミド酸組成物
本発明の透明ポリイミド組成物は、ポリアミド酸組成物をイミド化することにより得られる。本発明のポリアミド酸組成物は、一般式(3)で表される構成単位と一般式(4)で表される構成単位とを含むポリアミド酸共重合体、または一般式(3)で表される構成単位を含むポリアミド酸と、一般式(4)で表される構成単位を含むポリアミド酸との混合物を含む。
Figure 2011033751
一般式(3)で表される構成単位からなるポリアミド酸をイミド化すると、前記一般式(1)で表される構成単位からなる高屈折率のポリイミドが得られる。一般式(4)で表される構成単位からなるポリアミド酸をイミド化すると、前記一般式(2)で表される構成単位からなる低屈折率のポリイミドが得られる。
一般式(3)におけるXは、一般式(1)におけるXと同様に定義される。一般式(4)におけるYは、一般式(2)におけるYと同様に定義される。
ポリアミド酸共重合体における、一般式(3)で表される構成単位と一般式(4)で表される構成単位との共重合比(モル比)、またはポリアミド酸混合物における、一般式(3)で表される構成単位を含むポリイミドと一般式(4)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)は、前述の透明ポリイミド組成物における共重合比または混合比と同様である。
ポリアミド酸共重合体における、一般式(3)で表される構成単位と一般式(4)で表される構成単位との合計量、およびポリアミド酸混合物における、一般式(3)で表される構成単位を含むポリアミド酸と一般式(4)で表される構成単位を含むポリアミド酸の合計量も、前述の透明ポリイミド組成物と同様である。
ポリアミド酸共重合体は、任意の方法で得られる。一般式(3)で表される構成単位を含むアミド酸オリゴマーと、一般式(4)で表される構成単位を含むアミド酸オリゴマーとを反応させてブロック共重合体を得てもよいし;一般式(3)および(4)で表される構成単位に含まれるノルボルナンジアミン、一般式(3)で表される構成単位に含まれる酸二無水物、および一般式(4)で表される構成単位に含まれる酸二無水物を混合して重合反応させて、ランダム共重合体を得てもよい。反応は、必要に応じて溶媒中で行ってもよい。
反応溶媒は、ポリアミド酸が溶解できるものであれば、特に限定されない。このような溶媒の例には、フェノール、クロロフェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホロトリアミドなどの非プロトン性アミド系溶媒などが含まれる。
ポリアミド酸組成物の25℃におけるE型機械粘度は、300mPa・s〜15000mPa・sであることが好ましく、300mPa・s〜1000mPa・sであることがより好ましい。E型機械粘度が上記範囲であれば、ガラスクロス等への含浸性に優れる。E型機械粘度は、東機産業株式会社製E型測定器(TVH−22H)により、ローター4番を用いて測定されうる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により制限されない。
実施例、製造例および比較例で用いた化合物の略称を、以下に示す。
BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
6FDA:2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物
H-BPDA:3,3',4,4'-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物
NBDA:ノルボルナンジアミン
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
〔実施例1〕
ポリアミド酸共重合体の合成
攪拌機、窒素導入管、および温度計を備えた容器に、0.028モルのBPDA、0.172モルの6FDA(BPDA:6FDAのモル比が14:86)、および174gのDMAcを投入し、窒素気流下、氷冷却しながら攪拌した。この溶液に、30.85g(0.2モル)のNBDAと、95.50gのDMAcとの混合物を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、水冷のまま12時間攪拌しポリアミド酸共重合体を得た。得られたポリアミド酸共重合体には、NBDAとBPDAとを反応させて得られる構成単位と、NBDAと6FDAとを反応させて得られる構成単位とが含まれる。
〔実施例2〕
実施例1における0.028モルのBPDAと0.172モルの6FDAの代わりに、0.024モルのBPDAと0.176モルのH−BPDAと(BPDA:H−BPDAのモル比が12:88)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミド酸共重合体溶液を調製した。得られたポリアミド酸共重合体には、NBDAとBPDAとを反応させて得られる構成単位と、NBDAとH−BPDAとを反応させて得られる構成単位とが含まれる。
〔実施例3〕
実施例1における0.028モルのBPDAと0.172モルの6FDAの代わりに、0.07モルのBPDAと0.13モルの6FDAと(BPDA:6FDAのモル比が35:65)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミド酸共重合体溶液を調製した。得られたポリアミド酸共重合体には、NBDAとBPDAとを反応させて得られる構成単位と、NBDAと6FDAとを反応させて得られる構成単位とが含まれる。
〔実施例4〕
実施例1における0.028モルのBPDAと0.172モルの6FDAの代わりに、0.07モルのBPDAと、0.13モルのH−BPDAと(BPDA:H−BPDAのモル比が35:65)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミド酸共重合体溶液を調製した。得られたポリアミド酸共重合体には、NBDAとBPDAとを反応させて得られる構成単位と、NBDAとH−BPDAとを反応させて得られる構成単位とが含まれる。
〔製造例1〕
高屈折率ポリイミド用ポリアミド酸の合成
攪拌機、窒素導入管、および温度計を備えた容器に、58.8g(0.2モル)のBPDAおよび174gのDMAcを投入し、窒素気流下、氷冷却しながら攪拌した。この溶液に、30.85g(0.2モル)のNBDAと、34gのDMAcとの混合物を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、水冷のまま12時間攪拌し、NBDAとBPDAとを反応させて得られる構成単位からなるポリアミド酸溶液を得た。
〔製造例2〕
低屈折率ポリイミド用ポリアミド酸の合成
製造例1の高屈折率ポリイミド用ポリアミド酸の合成において、BPDAの代わりに、6FDAを用いた以外は、製造例1と同様に、NBDAと6FDAとを反応させて得られる構成単位からなるポリアミド酸溶液を得た。
〔製造例3〕
低屈折率ポリイミド用ポリアミド酸の合成
製造例1の高屈折率ポリイミド用ポリアミド酸の合成において、BPDAの代わりに、H−BPDAを用いた以外は、製造例1と同様に、NBDAとH−BPDAとを反応させて得られる構成単位からなるポリアミド酸溶液を得た。
〔実施例5〕
製造例1で得られた高屈折率ポリイミド用ポリアミド酸と、製造例2で得られた低屈折率ポリイミド用ポリアミド酸との混合比(モル比)が、14:86となるように混合して、ポリアミド酸混合物を得た。
〔実施例6〕
製造例1で得られた高屈折率ポリイミド用ポリアミド酸と、製造例3で得られた低屈折率ポリイミド用ポリアミド酸との混合比(モル比)が、12:88となるように混合して、ポリアミド酸混合物を得た。
〔実施例7〕
製造例1で得られた高屈折率ポリイミド用ポリアミド酸と、製造例2で得られた低屈折率ポリイミド用ポリアミド酸との混合比(モル比)を、35:65となるように混合した以外は、実施例5と同様にポリアミド酸混合物を得た。
〔実施例8〕
製造例1で得られた高屈折率ポリイミド用ポリアミド酸と、製造例3で得られた低屈折率ポリイミド用ポリアミド酸との混合比(モル比)を、35:65となるように混合した以外は、実施例6と同様にポリアミド酸混合物を得た。
実施例1〜4で得られたポリアミド酸共重合体溶液、製造例1〜3で得られたポリアミド酸溶液、および実施例5〜8で得られたポリアミド酸混合溶液の対数粘度およびE型機械粘度を、以下の手法にて測定した。これらの測定結果を表1に示す。
1)対数粘度
ポリアミド酸(共重合体)溶液の、35℃における対数粘度を、ラウダ自動動粘度測定装置PVS1により測定した。
2)E型機械粘度
ポリアミド酸(共重合体)溶液の、25℃におけるE型機械粘度を、東機産業株式会社製、E型測定器TVH−22Hのローター4番を用いて測定した。
Figure 2011033751
透明ポリイミドフィルムの作製
実施例1〜4で得られたポリアミド酸共重合体溶液、製造例1〜3で得られたポリアミド酸溶液、および実施例5〜8で得られたポリアミド酸混合溶液を、それぞれガラス板上にバーコータによりキャスト後、窒素気流下で室温から250℃で2時間加熱し、250℃で2時間焼成し、イミド化させた。これにより、厚さ50μmの透明ポリイミドフィルムを得た。透明ポリイミドフィルムのガラス転移温度、線膨張係数および光学特性(屈折率、全光線透過率およびヘイズ)を、以下の手法にて測定した。これらの測定結果を表2に示す。
3)ガラス転移温度および線膨張係数
透明ポリイミドフィルムのガラス転移温度および線膨張係数を、島津製作所製TMA−50を用いて、30〜350℃まで昇温速度5℃/分で昇温することにより測定した。
4)屈折率および屈折率差
透明ポリイミドフィルムの、波長589nmにおける屈折率を、23℃においてアッベ屈折計DR−M2型(アタゴ社製)により測定した。また透明ポリイミドフィルムと、波長589nmにおける屈折率が1.558であるEガラスとを複合させることを想定して、透明ポリイミドフィルムとEガラスとの屈折率差を求めた。透明ポリイミドフィルムとEガラスとの屈折率差は、0.010以下であることが好ましい。
5)全光線透過率およびヘイズ
透明ポリイミドフィルムの全光線透過率およびヘイズを、日本電色工業株式会社製NDH2000により測定した。
Figure 2011033751
表2に示すように、実施例1〜8によれば、高い透明性と、良好な耐熱性とを有し、かつ屈折率が任意に制御可能なポリイミドを得ることができる。なかでも、実施例1、2、5および6の透明ポリイミドフィルムは、Eガラスとの屈折率差が殆どないことから、Eガラスと組み合わせても高い透明性を有することがわかる。このように、本発明によれば、配合する無機フィラーの種類に応じて、その無機フィラーとの屈折率差が小さいポリイミド共重合体またはポリイミドの混合物を調製することにより、高い透明性を有するポリイミド組成物を得ることが可能である。
透明基板の作製
〔実施例9〕
1)基材(I)の作製
無機フィラーとして、ガラスクロス(日東紡製、WEA1035、厚さ30μm、Eガラス、屈折率1.558)を用意した。このガラスクロスに、実施例1で得られたポリアミド酸共重合体溶液を含浸させた後、溶媒を除去し、250℃で加熱(イミド化)させて、厚さ40〜50μmの基材(I)を得た。
2)層(II)となる透明ポリイミドフィルムの作製
一方、実施例1で得られたポリアミド酸共重合体溶液を、ガラス板上にバーコータによりキャスト後、窒素気流下で室温〜250℃で2時間加熱し、250℃で2時間焼成し、イミド化させた。これにより、厚さ25μmの透明ポリイミドフィルムを得た。
1)で得られた基材(I)の両面に、2)で得られた透明ポリイミドフィルムを積層させた。この積層体を、プレス機にセットし、310℃で加熱加圧成形して熱融着させた。これにより、厚さは90〜100μmの透明基板を得た。
〔実施例10〕
基材(I)、および層(II)となる透明ポリイミドフィルムの作製において、実施例1で得られたポリアミド酸共重合体溶液の代わりに、実施例2で得られたポリアミド酸共重合体溶液を用いた以外は、実施例9と同様に透明基板を作製した。
〔実施例11〕
基材(I)、および層(II)となる透明ポリイミドフィルムの作製において、実施例1で得られたポリアミド酸共重合体溶液の代わりに、実施例5で得られたポリアミド酸混合溶液を用いた以外は、実施例9と同様に透明基板を作製した。
〔実施例12〕
基材(I)、および層(II)となる透明ポリイミドフィルムの作製において、実施例1で得られたポリアミド酸共重合体溶液の代わりに、実施例6で得られたポリアミド酸混合溶液を用いた以外は、実施例9と同様に透明基板を作製した。
〔実施例13〕
実施例9において、層(II)となる透明ポリイミドフィルムの1層あたりの厚みを約60μmとした以外は、実施例9と同様に透明基板を作製した。
〔比較例1〜2〕
基材(I)、および層(II)となる透明ポリイミドフィルムの作製において、実施例1で得られたポリアミド酸共重合体溶液の代わりに、実施例3〜4で得られたポリアミド酸共重合体溶液を用いた以外は、実施例9と同様に透明基板を作製した。基材(I)の作製におけるポリアミド酸共重合体溶液と、層(II)の作製におけるポリアミド酸共重合体溶液とは同一とした。
〔比較例3〜5〕
基材(I)、および層(II)となる透明ポリイミドフィルムの作製において、実施例1で得られたポリアミド酸共重合体溶液の代わりに、製造例1〜3で得られたポリアミド酸溶液を用いた以外は、実施例9と同様に透明基板を作製した。基材(I)の作製におけるポリアミド酸溶液と、層(II)の作製におけるポリアミド酸溶液とは同一とした。
〔比較例6〜7〕
基材(I)、および層(II)となる透明ポリイミドフィルムの作製において、実施例1で得られたポリアミド酸共重合体溶液の代わりに、実施例7〜8で得られたポリアミド酸混合溶液を用いた以外は、実施例9と同様に透明基板を作製した。基材(I)の作製におけるポリアミド酸混合溶液と、層(II)の作製におけるポリアミド酸混合溶液とは同一とした。
実施例9〜13および比較例1〜7で得られた透明基板の、線膨張係数(CTE)、軟化点および光学特性(全光線透過率およびヘイズ)を、前述と同様の方法で測定した。さらに、実施例9〜13および比較例1〜7で得られた透明基板における、ガラスクロス100重量部に対する樹脂含有量、および可視光領域における光線透過率を、以下の方法で測定した。これらの測定結果を表3に示す。
6)ガラスクロス100質量部に対する樹脂含有量(質量部)
透明基板を、島津製作所TGA−50を用いて室温から700℃まで加熱したときの重量減少量を測定した。この重量減少量の、ガラスクロスの重量に対する比率から、ガラスクロス100質量部に対する樹脂含有量(質量部)を求めた。
7)可視光領域における光線透過率
透明基板の、波長550nmの可視光領域における光線透過率を、島津製作所製Multi-spec-1500により測定した。
Figure 2011033751
実施例9〜12の透明基板は、87%以上の高い光線透過率と、12%以下の低いヘイズを有することから、透明性が高いことがわかる。また実施例9〜12の透明基板は、線膨張係数(CTE)が20ppm/K以下と低く、耐熱性も高いことが示唆される。実施例13の透明基板は、厚い層(II)を有するにも係わらず、高い光線透過率と、低いヘイズを有することがわかる。これに対して、比較例1〜7の透明基板は、光線透過率が低く、ヘイズが高いことがわかる。
本発明の透明基板は、高い透明性と耐熱性、さらには屈曲性を有する。このため、本発明の透明基板は、液晶表示素子、有機EL表示素子等のフラットパネルディスプレイまたはフレキシブルディスプレイ(画像表示装置)の透明基板、タッチパネル、太陽電池基板、光学レンズ、光学素子等の光学材料に適している。
また、本発明の透明ポリイミド組成物は、高い透明性を有し、かつ屈折率の精密な制御が可能である。このため、透明ポリイミド組成物は、液晶表示素子、有機EL表示素子等のフラットパネルディスプレイまたはフレキシブルディスプレイの透明基板、タッチパネル、太陽電池基板等の光学材料に好ましく利用されうる。
10 透明基板
12 基材
14,14' 一対の層

Claims (28)

  1. 透明熱可塑性ポリイミドと無機フィラーとを含む基材(I)を有する透明基板であって、
    前記透明熱可塑性ポリイミドと前記無機フィラーとの波長589nmにおける屈折率差が0.010以下である透明基板。
  2. 前記透明熱可塑性ポリイミドは、構成単位αと構成単位βとを含むポリイミド共重合体を含むか、または構成単位αを含むポリイミドと構成単位βを含むポリイミドとの混合物を含み、
    前記構成単位αからなるポリイミドと前記構成単位βからなるポリイミドとの、波長589nmにおける屈折率は異なる、請求項1に記載の透明基板。
  3. 下記一般式(11)で表される構成単位αからなるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率は1.59以上1.65以下であり、かつ
    下記一般式(12)で表される構成単位βからなるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率が1.52以上1.55以下である、請求項2に記載の透明基板。
    Figure 2011033751
    (一般式(11)のAおよび一般式(12)のBは、下記から選ばれる2価の有機基であり、
    Figure 2011033751

    一般式(11)のXおよび一般式(12)のYは、4価の有機基である)
  4. 前記一般式(11)のAおよび一般式(12)のBは、下記で表される2価の有機基である、請求項3に記載の透明基板。
    Figure 2011033751
  5. 一般式(11)のXは、下記から選ばれる4価の有機基であり、
    Figure 2011033751

    一般式(12)のYは、下記から選ばれる4価の有機基である、請求項3または4に記載の透明基板。
    Figure 2011033751
  6. 一般式(11)で表される構成単位αは式(1a)で表され、一般式(12)で表される構成単位βは式(2a)で表され、かつ
    前記ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2a)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1a):(2a)、または
    前記ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2a)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2a)は、5:95〜30:70である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の透明基板。
    Figure 2011033751
  7. 一般式(11)で表される構成単位αは式(1a)で表され、一般式(12)で表される構成単位βは式(2b)で表され、かつ
    前記ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2b)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1a):(2b)、または
    前記ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2b)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2b)は、5:95〜30:70である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の透明基板。
    Figure 2011033751
  8. 前記透明熱可塑性ポリイミドの、波長589nmにおける屈折率が1.53以上1.62以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明基板。
  9. 厚さ100μmの透明基板の、波長550nm以上の可視光領域における光線透過率が80%以上である、請求項1〜8いずれか一項に記載の透明基板。
  10. 前記透明熱可塑性ポリイミドの含有量は、前記無機フィラー100質量部に対して90〜250質量部である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の透明基板。
  11. 前記無機フィラーは、波長589nmにおける屈折率が1.55以上1.61以下であるガラスクロスまたはガラス微粒子である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の透明基板。
  12. 前記ガラスクロスまたはガラス微粒子はEガラスである、請求項11に記載の透明基板。
  13. 前記透明熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度が180℃以上300℃以下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の透明基板。
  14. 前記透明基板の軟化点は300℃以上である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の透明基板。
  15. 前記基材(I)上に、前記透明熱可塑性ポリイミドと実質的に同じ屈折率を有する第2の透明熱可塑性ポリイミドを含み、無機フィラーを含まない層(II)をさらに有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の透明基板。
  16. 前記基材(I)の厚みは30μm以上70μm以下であり、前記層(II)の厚みは10μm以上100μm以下であり、総厚みは200μm以下である、請求項15に記載の透明基板。
  17. 画像表示装置に用いられる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の透明基板。
  18. 画像表示装置の表示パネル用基板である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の透明基板。
  19. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の透明基板を有する、画像表示装置。
  20. ポリアミド酸を無機フィラーに含浸させた後、熱処理することにより、前記ポリアミド酸をイミド化して前記透明熱可塑性ポリイミドとして基材(I)を得る工程、
    前記基材(I)の表面に、前記第2の透明熱可塑性ポリイミドを含み、無機フィラーを含まないフィルムを積層する工程、および
    前記基材(I)と前記フィルムとを熱融着させる工程、を有する、請求項15または16に記載の透明基板の製造方法。
  21. 前記ポリアミド酸の、25℃におけるE型機械粘度が、300mPa・s以上15000mPa・s以下である、請求項20に記載の透明基板の製造方法。
  22. 一般式(1)で表される構成単位と一般式(2)で表される構成単位とを含むポリイミド共重合体、または一般式(1)で表される構成単位を含むポリイミドと一般式(2)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合物、を含む透明ポリイミド組成物であって、
    前記一般式(1)で表される構成単位からなるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率は1.59以上1.65以下であり、
    前記一般式(2)で表される構成単位からなるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率が1.52以上1.55以下であり、かつ
    前記透明ポリイミド組成物の、波長589nmにおける屈折率が1.53以上1.62以下である、透明ポリイミド組成物。
    Figure 2011033751
    (一般式(1)のXおよび一般式(2)のYは、4価の有機基である)
  23. 一般式(1)のXは、下記から選ばれる4価の有機基であり、
    Figure 2011033751

    一般式(2)のYは、下記から選ばれる4価の有機基である、請求項22に記載の透明ポリイミド組成物。
    Figure 2011033751
  24. 一般式(1)で表される構成単位は式(1a)で表され、一般式(2)で表される構成単位は式(2a)で表され、かつ
    前記ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2a)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1a):(2a)、または
    前記ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2a)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2a)は、5:95〜30:70である、請求項22または23に記載の透明ポリイミド組成物。
    Figure 2011033751
  25. 一般式(1)で表される構成単位は式(1a)で表され、一般式(2)で表される構成単位は式(2b)で表され、かつ
    前記ポリイミド共重合体における、式(1a)で表される構成単位と式(2b)で表される構成単位との共重合比(モル比)(1a):(2b)、または
    前記ポリイミドの混合物における、式(1a)で表される構成単位を含むポリイミドと式(2b)で表される構成単位を含むポリイミドとの混合比(モル比)(1a):(2b)は、5:95〜30:70である、請求項22または23記載の透明ポリイミド組成物。
    Figure 2011033751
  26. 光学材料として用いられる、請求項22〜25のいずれか一項に記載の透明ポリイミド組成物。
  27. ガラスフィラーをさらに含む、請求項22〜26のいずれか一項に記載の透明ポリイミド組成物。
  28. 一般式(3)で表される構成単位と一般式(4)で表される構成単位とを含むポリアミド酸共重合体、または一般式(3)で表される構成単位を含むポリアミド酸と一般式(4)で表される構成単位を含むポリアミド酸との混合物、を含むポリアミド酸組成物であって、
    前記一般式(3)で表される構成単位からなるポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率は1.59以上1.65以下であり、
    前記一般式(4)で表される構成単位からなるポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドの、波長589nmにおける屈折率は1.52以上1.55以下であり、
    前記ポリアミド酸組成物をイミド化して得られる透明ポリイミド組成物の、波長589nmにおける屈折率が1.53以上1.62以下である、ポリアミド酸組成物。
    Figure 2011033751
    (一般式(3)のXおよび一般式(4)のYは、4価の有機基である)
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