JPH0756030A - プラスチック光導波路 - Google Patents
プラスチック光導波路Info
- Publication number
- JPH0756030A JPH0756030A JP5204386A JP20438693A JPH0756030A JP H0756030 A JPH0756030 A JP H0756030A JP 5204386 A JP5204386 A JP 5204386A JP 20438693 A JP20438693 A JP 20438693A JP H0756030 A JPH0756030 A JP H0756030A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical waveguide
- diamine
- plastic optical
- polyimide
- formula
- Prior art date
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- Withdrawn
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- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 プラスチック光導波路に関し、低価格化、大
面積化、高耐熱性及び高透明性等を実現する。 【構成】 テトラカルボン酸2無水物系成分とジアミン
系成分から得られるポリイミドを構成材料とするプラス
チック光導波路において、該ジアミン系成分が脂環式ジ
アミン[化1]を含有する。 【化1】 (但し、式中のX1〜X6は、その内任意の2個がアミ
ノ基を表し、残りは水素を表す。)
面積化、高耐熱性及び高透明性等を実現する。 【構成】 テトラカルボン酸2無水物系成分とジアミン
系成分から得られるポリイミドを構成材料とするプラス
チック光導波路において、該ジアミン系成分が脂環式ジ
アミン[化1]を含有する。 【化1】 (但し、式中のX1〜X6は、その内任意の2個がアミ
ノ基を表し、残りは水素を表す。)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック光導波路
の材料の改良に係り、詳しくは、レーザ光を低損失で結
合伝送するプラスチック光導波路を用いた光インターコ
ネクション・光通信デバイス等に適用することができ、
特に、低価格化、大面積化、高耐熱性及び高透明性等を
実現することができるプラスチック光導波路に関する。
の材料の改良に係り、詳しくは、レーザ光を低損失で結
合伝送するプラスチック光導波路を用いた光インターコ
ネクション・光通信デバイス等に適用することができ、
特に、低価格化、大面積化、高耐熱性及び高透明性等を
実現することができるプラスチック光導波路に関する。
【0002】近年、光ファイバやレーザ光源の進歩・発
達に伴い、光通信をはじめ光技術を応用した各種のシス
テム及びデバイスが実用化されて広く利用されるように
なってきている。特に、光通信で用いられる発光あるい
は受光素子等の光素子の小型化が進むに従い、基板上に
光IC技術や光ファイバに適合するように形成された光
導波路の開発が強く要求されている。
達に伴い、光通信をはじめ光技術を応用した各種のシス
テム及びデバイスが実用化されて広く利用されるように
なってきている。特に、光通信で用いられる発光あるい
は受光素子等の光素子の小型化が進むに従い、基板上に
光IC技術や光ファイバに適合するように形成された光
導波路の開発が強く要求されている。
【0003】
【従来の技術】従来、導波路材料としては、ガラス(石
英)やプラスチック等の材料が検討されており、そのう
ち、石英で構成した光導波路は、低損失及び高耐熱性等
の利点を有するため、上述した光インターコネクション
・光通信デバイス等の分野において数多く検討され、実
際に利用されつつある。
英)やプラスチック等の材料が検討されており、そのう
ち、石英で構成した光導波路は、低損失及び高耐熱性等
の利点を有するため、上述した光インターコネクション
・光通信デバイス等の分野において数多く検討され、実
際に利用されつつある。
【0004】一方、プラスチックで構成した光導波路
は、石英光導波路よりも作製及び大面積化が容易であ
り、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネ
ート及び紫外線硬化型樹脂(例えば、T.Kurokawa, N.Ta
kato, S.Oikawa, and T.Okada, Appl.Opt.17, 646 (197
8 ) ; T.Kurokawa and S.Oikawa, Appl.Opt.16, 1033
(1977 ) ; T.Kurokawa, N.Takato, and Y.Katayama, Ap
pl.Opt.19, 3124(1980)等のポリマーを用いたプラス
チック光導波路が検討されている。
は、石英光導波路よりも作製及び大面積化が容易であ
り、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネ
ート及び紫外線硬化型樹脂(例えば、T.Kurokawa, N.Ta
kato, S.Oikawa, and T.Okada, Appl.Opt.17, 646 (197
8 ) ; T.Kurokawa and S.Oikawa, Appl.Opt.16, 1033
(1977 ) ; T.Kurokawa, N.Takato, and Y.Katayama, Ap
pl.Opt.19, 3124(1980)等のポリマーを用いたプラス
チック光導波路が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の石英光導波路では、作製に長い工程を要するた
め、本質的に低価格化は困難である他、作製プロセスに
おいて1000℃前後の高温処理を要するため、電気回
路基板との融合性が悪いうえ、大面積化が困難である等
の問題があった。
た従来の石英光導波路では、作製に長い工程を要するた
め、本質的に低価格化は困難である他、作製プロセスに
おいて1000℃前後の高温処理を要するため、電気回
路基板との融合性が悪いうえ、大面積化が困難である等
の問題があった。
【0006】次に、上記したポリメチルメタクリレート
又はポリカーボネート若しくは紫外線硬化型樹脂で構成
した従来のプラスチック光導波路では、その構成材料の
耐熱性は、高々100℃前後であるため、使用環境が限
定されると共に、作製時に数百℃のハンダ工程を有する
電気回路基板との融合性が悪くなるという問題があっ
た。
又はポリカーボネート若しくは紫外線硬化型樹脂で構成
した従来のプラスチック光導波路では、その構成材料の
耐熱性は、高々100℃前後であるため、使用環境が限
定されると共に、作製時に数百℃のハンダ工程を有する
電気回路基板との融合性が悪くなるという問題があっ
た。
【0007】また、プラスチック材料でありながら、3
00℃以上の耐熱性を有するポリイミドに着目し、これ
をプラスチック光導波路に用いようとする試みも一部で
なされているが、現状のポリイミドでは、その特異な分
子構造のため、材料吸収による光損失が甚だ大きくて光
導波路には適さないという問題があった。そこで本発明
は、低価格化、大面積化、高耐熱性及び高透明性等を実
現することができるプラスチック光導波路を提供するこ
とを目的としている。
00℃以上の耐熱性を有するポリイミドに着目し、これ
をプラスチック光導波路に用いようとする試みも一部で
なされているが、現状のポリイミドでは、その特異な分
子構造のため、材料吸収による光損失が甚だ大きくて光
導波路には適さないという問題があった。そこで本発明
は、低価格化、大面積化、高耐熱性及び高透明性等を実
現することができるプラスチック光導波路を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるプラスチッ
ク光導波路は上記目的達成のため、テトラカルボン酸2
無水物系成分とジアミン系成分から得られるポリイミド
を構成材料とするプラスチック光導波路において、該ジ
アミン系成分が脂環式ジアミンを含有することを特徴と
するものである。
ク光導波路は上記目的達成のため、テトラカルボン酸2
無水物系成分とジアミン系成分から得られるポリイミド
を構成材料とするプラスチック光導波路において、該ジ
アミン系成分が脂環式ジアミンを含有することを特徴と
するものである。
【0009】本発明に係る脂環式ジアミンには、前述し
た構造式(1)〜(8)で表されるジアミンが取り扱い
等が容易な点で好適である。
た構造式(1)〜(8)で表されるジアミンが取り扱い
等が容易な点で好適である。
【0010】
【作用】本発明者等は、上記問題を解決するため、石英
等よりも短工程で作製できる等低価格化及び大面積化に
優れ、しかもポリメタルメタクリレート等よりも高耐熱
性に優れた利点を有するポリイミドに着目し、この独身
の利点を損わないようにポリイミドの透明化を検討し
た。従来、ポリイミドの合成原料としては、芳香族テト
ラカルボン酸2無水物及び芳香族ジアミンが用いられて
おり、このポリイミドでは、ポリイミド中の芳香族ジア
ミン残基がドナーとして作用し、イミド基を含む芳香族
テトラカルボン酸2無水物がアクセプターとして作用す
ることにより、光を強く吸収する電荷移動錯体を形成す
るため、光損失が大きく生じるという不具合があること
が知られている。
等よりも短工程で作製できる等低価格化及び大面積化に
優れ、しかもポリメタルメタクリレート等よりも高耐熱
性に優れた利点を有するポリイミドに着目し、この独身
の利点を損わないようにポリイミドの透明化を検討し
た。従来、ポリイミドの合成原料としては、芳香族テト
ラカルボン酸2無水物及び芳香族ジアミンが用いられて
おり、このポリイミドでは、ポリイミド中の芳香族ジア
ミン残基がドナーとして作用し、イミド基を含む芳香族
テトラカルボン酸2無水物がアクセプターとして作用す
ることにより、光を強く吸収する電荷移動錯体を形成す
るため、光損失が大きく生じるという不具合があること
が知られている。
【0011】本発明者等は、以上の問題を鑑み、苦心し
ながら試行錯誤を繰り返しつつ種々のポリイミドを合成
して検討した結果、ポリイミド中のジアミン系成分とし
て脂環式ジアミンを用いると、ポリイミド本来の耐熱性
を損なうことなく透明性を向上させることができ、光導
波路に適用することができることを見い出した。このよ
うに、耐熱性を損なうことなく透明性が向上するのは、
従来の芳香族ジアミンの代わりに脂環式ジアミンを用い
ることで、ドナーとしての作用が弱くなり、電荷移動錯
体を形成しなくなるためと推定される。また、脂環式ジ
アミンは、その骨格が比較的剛直な環状構造であるた
め、耐熱性においても芳香族のものと比べて遜色がな
い。
ながら試行錯誤を繰り返しつつ種々のポリイミドを合成
して検討した結果、ポリイミド中のジアミン系成分とし
て脂環式ジアミンを用いると、ポリイミド本来の耐熱性
を損なうことなく透明性を向上させることができ、光導
波路に適用することができることを見い出した。このよ
うに、耐熱性を損なうことなく透明性が向上するのは、
従来の芳香族ジアミンの代わりに脂環式ジアミンを用い
ることで、ドナーとしての作用が弱くなり、電荷移動錯
体を形成しなくなるためと推定される。また、脂環式ジ
アミンは、その骨格が比較的剛直な環状構造であるた
め、耐熱性においても芳香族のものと比べて遜色がな
い。
【0012】即ち、上記問題は、テトラカルボン酸2無
水物系成分とジアミン系成分から得られるポリイミドを
構成材料とするプラスチック光導波路において、該ジア
ミン系成分が脂環式ジアミンを含有するプラスチック光
導波路を採用することによって解決される。本発明に係
るテトラカルボン酸2無水物系成分には、例えばピロメ
リット酸2無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカル
ボン酸2無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸2無水物、2,2 −ビス(3,4 −ジカルボキシフ
ェニル)−ヘキサフルオロプロパン酸2無水物等が挙げ
られ、これらは、単独若しくは混合して用いることがで
きる。
水物系成分とジアミン系成分から得られるポリイミドを
構成材料とするプラスチック光導波路において、該ジア
ミン系成分が脂環式ジアミンを含有するプラスチック光
導波路を採用することによって解決される。本発明に係
るテトラカルボン酸2無水物系成分には、例えばピロメ
リット酸2無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカル
ボン酸2無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸2無水物、2,2 −ビス(3,4 −ジカルボキシフ
ェニル)−ヘキサフルオロプロパン酸2無水物等が挙げ
られ、これらは、単独若しくは混合して用いることがで
きる。
【0013】本発明に係るジアミン系成分には、前述し
た構造式(1)〜(8)で表されるジアミンが取り扱い
等が容易な点で好適であり、これらは、単独若しくは混
合して用いることができる他、それ以外のジアミンを添
加混合することもでき、例えば、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、3,3'−ジメチル−4,4'−
ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルメタ
ン、2,2 −ビス(4−アミノフェニル)−ヘキサフルオ
ロプロパン、2,2'−(ビストリフルオロメチル)−4,4'
−ジアミノビフェニル等が挙げられる。この場合の添加
量は、前述した構造式(1)〜(8)で表されるジアミ
ン100重量部に対し、50重量部以下が透明性という
点で望ましい。
た構造式(1)〜(8)で表されるジアミンが取り扱い
等が容易な点で好適であり、これらは、単独若しくは混
合して用いることができる他、それ以外のジアミンを添
加混合することもでき、例えば、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、3,3'−ジメチル−4,4'−
ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルメタ
ン、2,2 −ビス(4−アミノフェニル)−ヘキサフルオ
ロプロパン、2,2'−(ビストリフルオロメチル)−4,4'
−ジアミノビフェニル等が挙げられる。この場合の添加
量は、前述した構造式(1)〜(8)で表されるジアミ
ン100重量部に対し、50重量部以下が透明性という
点で望ましい。
【0014】本発明に係るポリイミドは、これらのテト
ラカルボン酸2無水物系成分とジアミン系成分から合成
されるポリアミド酸をイミド化することによって得られ
る。ポリアミド酸の合成条件は、一般のポリアミド酸の
場合と同様でよく、一般的には、アミド系の有機溶媒中
で反応させる。イミド化の条件も一般の場合と同様でよ
く、基板上に塗布した後、300℃前後で加熱すること
によって本発明のポリイミドを膜状態で得ることができ
る。
ラカルボン酸2無水物系成分とジアミン系成分から合成
されるポリアミド酸をイミド化することによって得られ
る。ポリアミド酸の合成条件は、一般のポリアミド酸の
場合と同様でよく、一般的には、アミド系の有機溶媒中
で反応させる。イミド化の条件も一般の場合と同様でよ
く、基板上に塗布した後、300℃前後で加熱すること
によって本発明のポリイミドを膜状態で得ることができ
る。
【0015】次に、本発明に係る光導波路の作製方法に
ついて説明する。本発明の光導波路の構造は、一般に作
製されている2次元又は3次元光導波路と同様でよく、
例えばリッジ型及び埋め込み型等があり、これらは、更
にコア材とクラッド材からなる。本発明に係るポリイミ
ドは、コア材とクラッド材の両者に適用することができ
る他、どちらか片方に使用することもできる。この場
合、コア材とクラッド材は、使用用途に応じた屈折率差
になるように適宜選択すればよい。また、ポリイミドの
屈折率は、使用するテトラカルボン酸2無水物系成分と
ジアミン系成分の組合わせによって変化するため、それ
らを適当に選択することにより、任意の値に設定するこ
とができる。
ついて説明する。本発明の光導波路の構造は、一般に作
製されている2次元又は3次元光導波路と同様でよく、
例えばリッジ型及び埋め込み型等があり、これらは、更
にコア材とクラッド材からなる。本発明に係るポリイミ
ドは、コア材とクラッド材の両者に適用することができ
る他、どちらか片方に使用することもできる。この場
合、コア材とクラッド材は、使用用途に応じた屈折率差
になるように適宜選択すればよい。また、ポリイミドの
屈折率は、使用するテトラカルボン酸2無水物系成分と
ジアミン系成分の組合わせによって変化するため、それ
らを適当に選択することにより、任意の値に設定するこ
とができる。
【0016】ここで、一例としてリッジ型光導波路及び
埋め込み型光導波路の作製方法を図1を用いて説明す
る。まず、図1(a)に示すように、シリコン、ガラ
ス、プラスチックフィルム等の基板1上に、本発明の構
成材料のポリイミド(A)の前駆体であるポリアミド酸
をプレードコート、スピンコート及びディップコート法
等で塗布した後、加熱イミド化し、下部クラッド層2を
形成する。次いで、このポリイミド(A)より屈折率が
高いポリイミド(B)を下部クラッド層2上に同様な手
法で形成し、コア層3を得る。次いで、耐ドライエッチ
ング性レジストをコア層3上に塗布し、図1(b),
(c)に示すように、所望の3次元光導波路のパターン
のマスク6を載せ、紫外線及びX線等の照射光6を用い
て露光した後、あるいは電子線でパターン描画した後、
現像処理を行うことによりパターニングされたレジスト
層4を得る。
埋め込み型光導波路の作製方法を図1を用いて説明す
る。まず、図1(a)に示すように、シリコン、ガラ
ス、プラスチックフィルム等の基板1上に、本発明の構
成材料のポリイミド(A)の前駆体であるポリアミド酸
をプレードコート、スピンコート及びディップコート法
等で塗布した後、加熱イミド化し、下部クラッド層2を
形成する。次いで、このポリイミド(A)より屈折率が
高いポリイミド(B)を下部クラッド層2上に同様な手
法で形成し、コア層3を得る。次いで、耐ドライエッチ
ング性レジストをコア層3上に塗布し、図1(b),
(c)に示すように、所望の3次元光導波路のパターン
のマスク6を載せ、紫外線及びX線等の照射光6を用い
て露光した後、あるいは電子線でパターン描画した後、
現像処理を行うことによりパターニングされたレジスト
層4を得る。
【0017】次いで、図1(d)及び図2(a)に示す
ように、このレジスト層4のパターンをマスクとして、
コア層3のポリイミドに酸素あるいはフッ素系ガスのエ
ッチングプラズマ7によるドライエッチングを行うこと
によりパターンを転写し、図2(b)に示すように、最
後に残ったレジスト層4をウェットエッチングにより除
去する。このようにして、下部クラッド層2及びコア層
3が本発明の構成材料であるポリイミド、又は上部クラ
ッド層が空気であるリッジ型導波路が得られる。なお、
コアとクラッドのサイズは、一般の光導波路の場合と同
様、導波光の波長及び使用用途等を考慮して適宜決めれ
ばよい。
ように、このレジスト層4のパターンをマスクとして、
コア層3のポリイミドに酸素あるいはフッ素系ガスのエ
ッチングプラズマ7によるドライエッチングを行うこと
によりパターンを転写し、図2(b)に示すように、最
後に残ったレジスト層4をウェットエッチングにより除
去する。このようにして、下部クラッド層2及びコア層
3が本発明の構成材料であるポリイミド、又は上部クラ
ッド層が空気であるリッジ型導波路が得られる。なお、
コアとクラッドのサイズは、一般の光導波路の場合と同
様、導波光の波長及び使用用途等を考慮して適宜決めれ
ばよい。
【0018】そして、更にこのコア層3上に、コア層3
のポリイミド(B)より屈折率が低いポリイミド、例え
ばポリイミド(A)を上部クラッド層8として形成する
ことにより、図2(c)に示すような埋め込み型導波路
を得ることができる。従って、本発明のプラスチック光
導波路を用いれば、光導波路に要求される条件、即ち低
価格、低温処理、大面積、耐熱性及び透明性等をすべて
満足することができる。
のポリイミド(B)より屈折率が低いポリイミド、例え
ばポリイミド(A)を上部クラッド層8として形成する
ことにより、図2(c)に示すような埋め込み型導波路
を得ることができる。従って、本発明のプラスチック光
導波路を用いれば、光導波路に要求される条件、即ち低
価格、低温処理、大面積、耐熱性及び透明性等をすべて
満足することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)シリコン基板上に、図3の番号4(図4の
(4))のポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のジ
メチルアセトアミド10%溶液をスピンコートした後、
300℃で加熱してイミド化を行い、膜厚20μmの下
部クラッド層を形成した。次いで、下部クラッド層上に
図3の番号1(図4の(1))のポリイミドの前駆体で
あるポリアミド酸のジメチルアセトアミド10%溶液を
スピンコートした後、300℃で加熱してイミド化を行
い、膜厚10μmのコア層を形成した。
する。 (実施例1)シリコン基板上に、図3の番号4(図4の
(4))のポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のジ
メチルアセトアミド10%溶液をスピンコートした後、
300℃で加熱してイミド化を行い、膜厚20μmの下
部クラッド層を形成した。次いで、下部クラッド層上に
図3の番号1(図4の(1))のポリイミドの前駆体で
あるポリアミド酸のジメチルアセトアミド10%溶液を
スピンコートした後、300℃で加熱してイミド化を行
い、膜厚10μmのコア層を形成した。
【0020】次いで、通常の耐ドライエッチング性レジ
ストをコア層上に塗布し、所望の3次元光導波路のパタ
ーンのマスクを載せ、紫外線で露光した後、現像処理を
行うことによりパターニングされたレジスト層を得た。
次いで、このパターンをマスクとして、コア層のポリイ
ミドに酸素プラズマエッチングを行い、最後に残ったレ
ジスト層をウェットエッチングにより除去した。
ストをコア層上に塗布し、所望の3次元光導波路のパタ
ーンのマスクを載せ、紫外線で露光した後、現像処理を
行うことによりパターニングされたレジスト層を得た。
次いで、このパターンをマスクとして、コア層のポリイ
ミドに酸素プラズマエッチングを行い、最後に残ったレ
ジスト層をウェットエッチングにより除去した。
【0021】次いで、コア層上に図3の番号1(図4の
(1))のポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のジ
メチルアセトアミド10%溶液をスピンコートした後、
300℃で加熱してイミド化を行い、膜厚20μmの上
部クラッド層を形成した。このようにして、下部クラッ
ド層、コア層及び上部クラッド層が本発明の構成材料で
あるポリイミドである埋め込み型導波路を作製した。
(1))のポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のジ
メチルアセトアミド10%溶液をスピンコートした後、
300℃で加熱してイミド化を行い、膜厚20μmの上
部クラッド層を形成した。このようにして、下部クラッ
ド層、コア層及び上部クラッド層が本発明の構成材料で
あるポリイミドである埋め込み型導波路を作製した。
【0022】そして、この光導波路に波長0.85μm
の光を通し、ストリーク光散乱法でその光伝搬損失を測
定し、更に、この光導波路を300℃で30分間加熱し
て、その光伝搬損失に変化が生じるか否かを調べた結
果、図6から判るように、加熱前の光損失を0.3dB
/cmと非常に小さくすることができるとともに、加熱
後の光損失を加熱前とほとんど変化させないようにする
ことができた。 (実施例2〜8)実施例1において使用したポリイミド
の代わりに、図6の実施例2〜8に示したポリイミドを
用いた以外は、実施例1と全く同様にして、埋め込み型
導波路を作製し、その特性を評価した結果、図6から判
るように、実施例2,4では、加熱前の光損失を0.2
dB/cmと非常に小さくすることができるとともに、
実施例3,5〜8では、加熱前の光損失を0.3dB/
cmと非常に小さくすることができ、しかも、実施例2
〜8では、加熱後の光損失を加熱前とほとんど変化させ
ないようにすることができた。 (比較例1)実施例1において使用したポリイミドの代
わりに、図6の比較例1に示した本発明の構成材料でな
いポリイミドを用いた以外は、実施例1と全く同様にし
て、埋め込み型導波路を作製し、その特性を評価した結
果、図6から判るように、比較例1では、加熱前の光損
失が10dB/cmと非常に高く実用上好ましくなかっ
た。 (比較例2)図6の比較例2に示した紫外線硬化型樹脂
を用いて埋め込み型導波路を作製し(T.Kurokawa, N.Ta
kato, S.Oikawa, and T.Okada, Appl.Opt.17, 646 (197
8) ;T.Kurokawa and S.Oikawa, Appl.Opt.16, 1033 (19
77) ; T.Kurokawa, N.Takato, and Y.Katayama, Appl.O
pt.19, 3124 (1980) 、その特性を実施例1と同様にし
て評価した結果、図6から判るように、比較例2では、
加熱前の光損失を0.3dB/cmと非常に小さくする
ことができたが、加熱後の光損失は、10dB/cmと
非常に高くなってしまい、実用上好ましくなかった。
の光を通し、ストリーク光散乱法でその光伝搬損失を測
定し、更に、この光導波路を300℃で30分間加熱し
て、その光伝搬損失に変化が生じるか否かを調べた結
果、図6から判るように、加熱前の光損失を0.3dB
/cmと非常に小さくすることができるとともに、加熱
後の光損失を加熱前とほとんど変化させないようにする
ことができた。 (実施例2〜8)実施例1において使用したポリイミド
の代わりに、図6の実施例2〜8に示したポリイミドを
用いた以外は、実施例1と全く同様にして、埋め込み型
導波路を作製し、その特性を評価した結果、図6から判
るように、実施例2,4では、加熱前の光損失を0.2
dB/cmと非常に小さくすることができるとともに、
実施例3,5〜8では、加熱前の光損失を0.3dB/
cmと非常に小さくすることができ、しかも、実施例2
〜8では、加熱後の光損失を加熱前とほとんど変化させ
ないようにすることができた。 (比較例1)実施例1において使用したポリイミドの代
わりに、図6の比較例1に示した本発明の構成材料でな
いポリイミドを用いた以外は、実施例1と全く同様にし
て、埋め込み型導波路を作製し、その特性を評価した結
果、図6から判るように、比較例1では、加熱前の光損
失が10dB/cmと非常に高く実用上好ましくなかっ
た。 (比較例2)図6の比較例2に示した紫外線硬化型樹脂
を用いて埋め込み型導波路を作製し(T.Kurokawa, N.Ta
kato, S.Oikawa, and T.Okada, Appl.Opt.17, 646 (197
8) ;T.Kurokawa and S.Oikawa, Appl.Opt.16, 1033 (19
77) ; T.Kurokawa, N.Takato, and Y.Katayama, Appl.O
pt.19, 3124 (1980) 、その特性を実施例1と同様にし
て評価した結果、図6から判るように、比較例2では、
加熱前の光損失を0.3dB/cmと非常に小さくする
ことができたが、加熱後の光損失は、10dB/cmと
非常に高くなってしまい、実用上好ましくなかった。
【0023】上記したように、従来のポリイミドを光導
波路材料に用いた比較例1では、耐熱性は十分であるも
のの、光損失が甚だ大きく光導波路には適さないことが
判った。また、従来の紫外線硬化型樹脂を光導波路材料
に用いた比較例2では、初期の光損失は小さく良好なも
のの、加熱後は増大し、光導波路として使用できないこ
とが判った。一方、実施例1〜8では、加熱前と加熱後
の光損失を小さくすることができることが判った。従っ
て、実施例1〜8では、上記利点を有するうえ、ポリイ
ミド特有の利点も兼ね備えているため、低価格化、低温
処理、大面積、耐熱性、透明性等の条件を全て満足する
光導波路を実現することができる。
波路材料に用いた比較例1では、耐熱性は十分であるも
のの、光損失が甚だ大きく光導波路には適さないことが
判った。また、従来の紫外線硬化型樹脂を光導波路材料
に用いた比較例2では、初期の光損失は小さく良好なも
のの、加熱後は増大し、光導波路として使用できないこ
とが判った。一方、実施例1〜8では、加熱前と加熱後
の光損失を小さくすることができることが判った。従っ
て、実施例1〜8では、上記利点を有するうえ、ポリイ
ミド特有の利点も兼ね備えているため、低価格化、低温
処理、大面積、耐熱性、透明性等の条件を全て満足する
光導波路を実現することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、低価格化、大面積化、
高耐熱性及び高透明性等を実現することができるという
効果がある。
高耐熱性及び高透明性等を実現することができるという
効果がある。
【図1】本発明に則した光導波路の作成方法を示す工程
図である。
図である。
【図2】本発明に則した光導波路の作成方法を示す工程
図である。
図である。
【図3】実施例1〜8と比較例1で用いたポリイミドを
示す図である。
示す図である。
【図4】図3の番号1〜5に対応するポリイミドの構造
式を示す図である。
式を示す図である。
【図5】図3の番号6〜10に対応するポリイミドの構造
式を示す図である。
式を示す図である。
【図6】実施例1〜8と比較例1,2に則した光導波路
特性を示す図である。
特性を示す図である。
1 基板 2 下部クラッド層 3 コア層 4 レジスト層 5 マスク 6 照射光 7 エッチングプラズマ 8 上部クラッド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 徹三 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】 テトラカルボン酸2無水物系成分とジア
ミン系成分から得られるポリイミドを構成材料とするプ
ラスチック光導波路において、該ジアミン系成分が脂環
式ジアミンを含有することを特徴とするプラスチック光
導波路。 - 【請求項2】 前記脂環式ジアミンは、下記の構造式
(1)で表されるジアミンであることを特徴とする請求
項1記載のプラスチック光導波路。 【化1】 (但し、式中のX1 〜X6 は、その内任意の2個がアミ
ノ基を表し、残りは水素を表す。) - 【請求項3】 前記脂環式ジアミンは、下記の構造式
(2)で表されるジアミンであることを特徴とする請求
項1記載のプラスチック光導波路。 【化2】 (但し、式中のX1 〜X10は、その内任意の2個がアミ
ノ基を表し、残りは水素を表し、Yは、O,S,S
O2 ,CO,CH2 ,C(CH3 )2 ,C(CF3)2
若しくは直接接合していることを表す。) - 【請求項4】 前記脂環式ジアミンは、下記の構造式
(3)で表されるジアミンであることを特徴とする請求
項1記載のプラスチック光導波路。 【化3】 (但し、式中のX1 〜X8 は、その内任意の2個がアミ
ノ基を表し、残りは水素を表す。) - 【請求項5】 前記脂環式ジアミンは、下記の構造式
(4)で表されるジアミンであることを特徴とする請求
項1記載のプラスチック光導波路。 【化4】 (但し、式中のX1 〜X4 は、その内任意の2個がアミ
ノ基を表し、残りは水素を表す。) - 【請求項6】 前記脂環式ジアミンは、下記の構造式
(5)で表されるジアミンであることを特徴とする請求
項1記載のプラスチック光導波路。 【化5】 (但し、式中のX1 〜X4 は、その内任意の2個がアミ
ノ基を表し、残りは水素を表す。) - 【請求項7】 前記脂環式ジアミンは、下記の構造式
(6)で表されるジアミンであることを特徴とする請求
項1記載のプラスチック光導波路。 【化6】 (但し、式中のX1 〜X5 は、その内任意の2個がアミ
ノ基を表し、残りは水素を表す。) - 【請求項8】 前記脂環式ジアミンは、下記の構造式
(7)で表されるジアミンであることを特徴とする請求
項1記載のプラスチック光導波路。 【化7】 (但し、式中のX1 〜X10は、その内任意の2個がアミ
ノ基を表し、残りは水素を表す。) - 【請求項9】 前記脂環式ジアミンは、下記の構造式
(8)で表されるジアミンであることを特徴とする請求
項1記載のプラスチック光導波路。 【化8】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5204386A JPH0756030A (ja) | 1993-08-19 | 1993-08-19 | プラスチック光導波路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5204386A JPH0756030A (ja) | 1993-08-19 | 1993-08-19 | プラスチック光導波路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0756030A true JPH0756030A (ja) | 1995-03-03 |
Family
ID=16489681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5204386A Withdrawn JPH0756030A (ja) | 1993-08-19 | 1993-08-19 | プラスチック光導波路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0756030A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002161136A (ja) * | 2000-09-14 | 2002-06-04 | Sony Chem Corp | ポリイミド前駆体、その製造方法及び感光性樹脂組成物 |
JP2004341406A (ja) * | 2003-05-19 | 2004-12-02 | Nitto Denko Corp | ポリマー光導波路 |
WO2011033751A1 (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-24 | 三井化学株式会社 | 透明熱可塑性ポリイミド、およびそれを含む透明基板 |
KR20190095556A (ko) | 2012-09-19 | 2019-08-14 | 혼슈우 카가쿠고교 가부시키가이샤 | 폴리이미드 및 그의 성형체 |
-
1993
- 1993-08-19 JP JP5204386A patent/JPH0756030A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002161136A (ja) * | 2000-09-14 | 2002-06-04 | Sony Chem Corp | ポリイミド前駆体、その製造方法及び感光性樹脂組成物 |
JP2004341406A (ja) * | 2003-05-19 | 2004-12-02 | Nitto Denko Corp | ポリマー光導波路 |
WO2011033751A1 (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-24 | 三井化学株式会社 | 透明熱可塑性ポリイミド、およびそれを含む透明基板 |
KR20190095556A (ko) | 2012-09-19 | 2019-08-14 | 혼슈우 카가쿠고교 가부시키가이샤 | 폴리이미드 및 그의 성형체 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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